(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001411
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20231227BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100025
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 実
(72)【発明者】
【氏名】笠原 裕司
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効率良く金融商品の申し込みを行うことができる情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置が実行する情報処理方法は、被提案者に関する情報である被提案者情報を当該被提案者の個人番号に紐付けられた情報から取得するステップ(S106)と、金融商品への加入条件を含む情報を取得し、被提案者情報と加入条件の情報を基に金融商品への加入可能性を推定するステップ(S108)と、加入可能性を提示するステップ(S110)と、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
被提案者に関する情報である被提案者情報を当該被提案者の個人番号に紐付けられた情報から取得するステップと、
金融商品への加入条件を含む情報を取得するステップと、
前記被提案者情報と前記加入条件の情報を基に前記金融商品への加入可能性を推定するステップと、
前記加入可能性を提示するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記加入可能性が所定の閾値より高い前記金融商品を提示する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記所定の閾値は、任意の値に変更可能とされている、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
被提案者に関する情報である被提案者情報を取得するステップと、
金融商品への加入条件を含む情報を取得するステップと、
前記被提案者情報と前記加入条件の情報を基に前記金融商品への加入可能性を推定するステップと、
前記加入可能性を提示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
引用文献1には、ユーザ(被提案者)の情報を用いて金融商品を提供する金融商品提案装置に関する技術が開示されている。この技術では、被提案者の情報として、被提案者の性別、年代及び被提案者が使用する端末に記憶された位置情報等が用いられる。この被提案者の情報を基に、被提案者のリスクを算出し、当該リスクから適切な金融商品を被提案者へ提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記先行技術文献に開示された方法の場合、リスクは被提案者の性別、年代といった属性情報や、被提案者の端末から得られる情報から推定されるリスクを基に金融商品を提案するため、被提案者の状態によっては加入することができない金融商品を提案する可能性がある。この場合、提案を受けた被提案者が申し込みを行った後に一般的に実施される加入段階での詳細な審査にて当該金融商品へ加入できないことが判明する。このため、申し込みを行った被提案者の労力が無駄になり、この点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、効率良く金融商品の申し込みを行うことができる情報処理方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態にかかる情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、被提案者に関する情報である被提案者情報を当該被提案者の個人番号に紐付けられた情報から取得するステップと、金融商品への加入条件を含む情報を取得するステップと、前記被提案者情報と前記加入条件の情報を基に前記金融商品への加入可能性を推定するステップと、前記加入可能性を提示するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態によれば、効率良く金融商品の申し込みを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る被提案者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る被提案者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理システムにて被提案者端末が表示する提案結果の一表示例を示す模式図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
<システム概要>
まず、本実施形態に係る情報処理システムの概要について説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、保険商品を含む金融商品を被提案者へ提案するためのシステムである。このシステムでは、予め被提案者の情報を取得すると共に、当該被提案者の情報から金融商品の加入可能性をスコアとして算出し、当該スコアが高い金融商品を被提案者へ提示するサービスを実行する。予め取得する被提案者の情報は、一般的な金融商品の申し込みと同様に被提案者の自己申告により取得してもよいが、本実施形態のシステムでは、被提案者の個人番号(いわゆるマイナンバー)に紐付けられた情報を含む。この個人番号に紐付けられた情報とは、近年日本にて取り組みが推進されている個人番号を用いてログインし、行政機関等が保有する自己情報を確認等できるいわゆるマイナポータルのシステムから取得できる情報である。マイナポータルでは、行政機関が保有している被提案者(マイナポータルの利用者)の氏名、生年月日(年齢)、性別、身長、体重、BMIといったデモグラフィー情報と、職業、年収、無職か否か、勤務先名といった環境情報と、医療機関への入院の有無、通院の有無、入院や通院している場合はその原因の病名、障害の有無、介護認定状況、といった医療情報が、マイナポータルの利用者の同意の基に取得可能とされている。マイナポータルの医療情報は、医療機関から医療情報へ提供された情報が基とされているため、被提案者による自己申告情報と比べて客観的かつ比較的正確な情報である。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム10は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続された、情報処理装置(コンピュータ)としてのサーバ装置12と、被提案者が利用する端末としての被提案者端末14と、外部データベース16と、を備える。ネットワークNは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、インターネット、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又はこれらの組み合わせである。
【0012】
サーバ装置12は、本サービスの提供会社等が管理運営する装置であり、保険加入相談をオンライン上にて申し込みした被提案者の情報をマイナポータルからの情報を含めて取得すると共に、複数の保険商品の加入条件を含む情報も取得し、被提案者情報と加入条件の情報を基に保険商品への加入可能性をスコア算出し当該スコアが高い保険商品を被提案者端末14へ送信する。
【0013】
被提案者端末14は、例えばスマートフォン又はパーソナルコンピュータ等の汎用的な情報処理装置であってもよい。被提案者端末14は、本サービスへのログイン認証、被提案者情報のサーバ装置12への送信、サーバ装置12からの情報の受信等を行う。
【0014】
外部データベース16は、被提案者の情報が予め格納されたデータベースであり、本実施形態では、マイナポータルにおける各情報が格納されたデータベースとされている。外部データベース16に格納された情報は、被提案者が自身の個人番号にてログインしたマイナポータルサービス上にて直接確認できる他、被提案者の利用同意に基づいて本サービスの提供会社がAPI(Application Programming Interface)を利用して取得可能とされている。
【0015】
<ハードウェア構成>
次に、サーバ装置12のハードウェア構成について説明する。
図2は、サーバ装置12のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、サーバ装置12は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ18と、メモリ20と、ストレージ22と、通信I/F24と、を備える。
【0016】
プロセッサ18は、ストレージ22に記憶されたプログラムをメモリ20に展開して実行することにより、サーバ装置12の各構成を制御し、サーバ装置12の機能を実現する。プロセッサ18が実行するプログラムは、OS(Operating System)及び加入判定プログラム26(
図4参照)を含むが、これに限られない。プロセッサ18が加入判定プログラム26を実行することにより、本実施形態に係る情報処理方法が実現される。プロセッサ18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらの組み合わせである。なお、上述した加入判定プログラム26が、請求項4に記載の「プログラム」に相当する。
【0017】
メモリ20は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はこれらの組み合わせである。ROMは、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はこれらの組み合わせである。RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)、又はこれらの組み合わせである。
【0018】
ストレージ22は、OS、加入判定プログラム26、及び各種のデータを記憶する。ストレージ22は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SCM(Storage Class Memories)、又はこれらの組み合わせである。
【0019】
通信I/F24は、サーバ装置12を、ネットワークNを介して、被提案者端末14及び外部データベース16を含む外部装置に接続し、通信を制御するためのインタフェースである。通信I/F24 は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ethernet(登録商標)、又は光通信(例えば、Fibre Channel)に準拠したアダプタであるが、これに限られない。
【0020】
次に、被提案者端末14のハードウェア構成について説明する。
図3は、被提案者端末14のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、被提案者端末14は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ18と、メモリ20と、ストレージ22と、通信I/F24と、入出力I/F28と、ユーザI/F30と、を備える。
【0021】
入出力I/F28は、被提案者端末14に後述するディスプレイ、マウス及びキーボード等のユーザI/F30等を接続するためのインタフェースであり、一例として所定の規格に適合した複数の入出力端子を含んで構成されている。入出力I/F28は、接続されているユーザI/F30を含む各種装置に対してそれぞれ情報の取得と出力とを行う。
【0022】
ユーザI/F30は、被提案者端末14における各種情報の入力及び出力を行うためのインタフェースである。具体的には、入力を行う装置として例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、スキャナ、カメラ、各種センサ、操作ボタン、又はこれらの組み合わせである。また、出力を行う装置として例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ、バイブレータ、又はこれらの組み合わせである。
【0023】
<機能構成>
次に、サーバ装置12の機能構成について説明する。
図4は、サーバ装置12の機能構成の一例を示す図である。
図4に示すように、サーバ装置12は、通信部34と、記憶部36と、処理部38と、を備える。
【0024】
通信部34は、通信I/F24により実現される。通信部34は、ネットワークNを介して、被提案者端末14及び外部データベース16との間で情報の送受信を行う。通信部34は、被提案者端末14から入力された情報及び外部データベース16から取得した情報を受信する。また、通信部34は、被提案者端末14に対して加入可能性が所定の閾値より高い保険商品に関する情報と加入可能性を推定したスコアとを送信し、被提案者端末14及び外部データベース16による各種リクエストを受信する。
【0025】
記憶部36は、メモリ20及びストレージ22により実現される。記憶部36には、加入判定プログラム26と、学習モデル40と、被提案者DB42と、結果DB44と、金融商品DB46と、が格納される。
【0026】
学習モデル40は、被提案者の情報及び金融商品DB46に格納された複数の保険商品ごとの加入条件を含む情報の入力に対して、保険商品ごとの加入可能性を出力するように予め機械学習された学習済みの学習モデルである。具体的には、被提案者のデモグラフィー情報、環境情報及び医療情報と、保険商品ごとの加入条件とに基づいて、保険商品ごとの加入可能性をスコア化して推定する。この加入可能性とは、保険商品に被提案者が加入できる確率を示すものであり、本実施形態では、一例として100点満点のスコアにて推定する。なお、100点が加入可能であることを示し、0点が加入不可であることを示す。学習モデル40の学習処理及び再学習処理は、例えば、サーバ装置12により行われるが、これに限られない。学習モデル40の学習処理及び再学習処理は、サーバ装置12以外の他の装置で行われ、サーバ装置12に提供されてもよい。学習モデル40は、例えば、DNN(Deep Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、CNN(Convolutional Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)等のニューラルネットワークであるが、これに限られない。学習モデル40は、決定木、SVM(Support Vector Machine)等の学習モデルであってもよい。また、学習モデル40の学習方法は、例えば、勾配降下法、確率的勾配降下法、又は誤差逆伝播法であるが、これに限られない。
【0027】
被提案者DB42は、被提案者に関する情報を記憶するためのデータベースである。本実施形態では、被提案者を特定するID情報と、当該ID情報に紐付けられた各種情報が記憶される。
【0028】
結果DB44は、各被提案者のID情報に紐付いた学習モデル40による推定結果と、以前加入可能性を推定したことがある場合はその結果と、を記憶するためのデータベースである。
【0029】
金融商品DB46は、保険商品に関する情報を複数記憶する。保険商品に関する情報は、文字情報、動画及び画像の少なくとも一つを含んで構成されており、具体的には保険商品の概要、加入条件に関する情報等とされている。また、保険商品に関する情報は、本サービスの提供者が図示しない管理者用端末を利用して金融商品DB46へ格納される。なお、本実施形態では、管理者用端末を利用して保険商品に関する情報を格納する構成とされているが、これに限らず、他のサービスや他の事業会社等が管理運営する装置等から情報を格納したり、直接それらの情報を利用するものであってもよい。
【0030】
処理部38は、プロセッサ18がメモリ20からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。処理部38は、サーバ装置12の動作全体を制御する。処理部38は、被提案者情報取得部48と、推定部49と、判定部50と、表示処理部52と、を備える。
【0031】
被提案者情報取得部48は、利用者が本サービス利用時のログイン認証を行う際の情報及び被提案者情報を取得する。ログイン認証を行う際の情報については、一例として、予め登録された情報であり、被提案者端末14のユーザI/F30から取得される利用者ID情報とログインパスワードとであるテキスト情報とされている。ログイン認証を行う際の情報については、上記情報に限らず、その他指紋認証や顔画像などの生体情報としてもよいし、それらの組み合わせとしてもよい。
【0032】
また、被提案者情報取得部48が取得する被提案者情報は、外部データベース16から取得する情報とされている。すなわち、被提案者情報取得部48は、マイナポータルにおける被提案者の情報を被提案者の利用同意に基づいてAPIを利用して取得する。被提案者の情報は具体的に、被提案者の氏名、生年月日(年齢)、性別、身長、体重、BMIといったデモグラフィー情報と、職業、年収、無職か否か、勤務先名といった環境情報と、医療機関への入院の有無、通院の有無、入院や通院している場合はその原因の病名、障害の有無、介護認定状況、といった医療情報とされている。なお、被提案者情報取得部48が取得する被提案者情報は、外部データベース16のみならず、被提案者端末14により入力された被提案者からの申告情報も被提案者情報として取得可能とされている。
【0033】
推定部49は、被提案者情報及び金融商品DB46に格納された複数の保険商品ごとの加入条件を含む情報を基に被提案者の保険商品への加入可能性を推定する。具体的には、推定部49は、学習モデル40へ被提案者情報及び金融商品DB46に格納された複数の保険商品ごとの加入条件を含む情報を入力することで学習モデル40が出力するスコア化された保険商品ごとの加入可能性を推定する。
【0034】
判定部50は、推定部49が推定した加入可能性のスコアが予め設定された所定の閾値より高いか否かを判定し、所定の閾値より高い保険商品を被提案者端末14に提示するよう表示処理部52に情報を送信する。所定の閾値は、予め本サービスの提供会社により設定された値としてもよいし、被提案者の情報に基づいて動的に設定した値としてもよい。また判定部50は、保険商品の加入可能性が所定の閾値より低いと判定した場合には、加入可能性に影響を与える被提案者情報を特定して当該情報についてさらに詳細な情報を取得する処理である追加情報取得を実行するように判定する。
【0035】
また、判定部50は、被提案者端末14の商品選択判定部76(
図5参照、詳細は後述する)より被提案者が保険商品の選択をしたか否かの操作情報を受信すると共に、当該操作情報から保険商品の選択情報を取得した場合は、選択された当該保険商品への加入申し込み処理(契約審査)を行うよう外部の審査システムと連携して利用者情報等を送信する。
【0036】
表示処理部52は、推定部49が推定した加入可能性のスコアと、判定部50が判定した所定の閾値より高い保険商品に関する情報を被提案者端末14へ送信することで、被提案者端末14に結果を表示させる処理(
図6参照)を行う。また、表示処理部52は、判定部50が追加情報取得を実行するように判定した場合には、判定部50が特定した加入可能性に影響を与える被提案者情報についてさらに詳細な情報の入力を被提案者へ促す表示を被提案者端末14に実行させる処理を行う。
【0037】
次に、被提案者端末14の機能構成について説明する。
図5は、被提案者端末14の機能構成の一例を示す図である。
図5に示すように、被提案者端末14は、通信部34と、記憶部60と、処理部62と、表示部64と、操作部66とを備える。
【0038】
記憶部60は、メモリ20及びストレージ22により実現される。記憶部60には、加入判定プログラム26が格納される。
【0039】
処理部62は、プロセッサ18がメモリ20からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。処理部62は、被提案者端末14の動作全体を制御する。処理部62は、ログイン認証部70と、情報取得認証部72と、結果提示処理部74と、商品選択判定部76と、を備える。
【0040】
ログイン認証部70は、利用者が本サービス利用時のログイン認証を行う際の情報の入力を促すと共に、当該情報が入力された際に当該情報をサーバ装置12へ送信するよう処理する。
【0041】
情報取得認証部72は、本サービスにおいて外部データベース16から被提案者(自身)に関する情報の取得を同意するか否かの情報を取得する。具体的には、情報取得認証部72は、マイナポータルより被提案者の情報の取得について同意するか否かを入力するように被提案者へ提示すると共に、入力結果(同意か否か)をサーバ装置12へ送信するように処理する。
【0042】
結果提示処理部74は、加入可能性のスコアと、判定部50が判定した所定の閾値より高い保険商品に関する情報及び被提案者情報についてさらに詳細な情報の入力を被提案者へ促す処理を実行する点についてサーバ装置12から受信して、表示部64に表示する処理を行う。本実施形態では、結果提示処理部74は、一例として、
図6に示されるように、加入可能性のスコアと、判定部50が判定した所定の閾値より高い保険商品に関する情報の一部を表示する。また、結果提示処理部74は、サーバ装置12の判定部50が追加情報取得を実行するように判定した場合には、判定部50が特定した加入可能性に影響を与える被提案者情報についてさらに詳細な情報の入力を被提案者へ促す表示を行う(図中a部参照)。
【0043】
商品選択判定部76は、被提案者が結果提示処理部74によって表示部64に表示された保険商品のうちどの保険商品を選択したか否かの操作情報を取得してサーバ装置12へ送信する。
【0044】
表示部64は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部62の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部66は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部62へ通知する。例えば操作部66は、機械式のボタン又は表示部64の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部66は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは被提案者端末14に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0045】
以上のサーバ装置12及び被提案者端末14の各機能構成は、上記の通り、ソフトウェアにより実現されてもよいし、ICチップ、SoC(System on Chip)、LSI(Large Scale Integration)、マイクロコンピュータ等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0046】
<フローチャート>
次に、本実施形態にかかる情報処理システム10が実行する処理について説明する。
図7は、情報処理システム10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサ18がメモリ20又はストレージ22から本実施形態に係る加入判定プログラム26を読み出し、メモリ20に展開して実行することにより、本実施形態に係る加入判定プログラム26に基づく処理が行われる。
【0047】
プロセッサ18は、利用者から本サービスの利用開始の指示がされたか否かを判定する(ステップ100)。利用開始の指示がされていない場合(ステップ100:NO)、プロセッサ18は、加入判定プログラム26に基づく処理を終了する。一方、利用開始の指示がされた場合(ステップ100:YES)、プロセッサ18は、ログイン認証を要求すると共に、ログイン認証が成功したか否かを判定する(ステップ102)。ログイン認証が失敗した場合(ステップ102:NO)、プロセッサ18は、ステップ100の処理へ移行する。一方、ログイン認証が成功した場合(ステップ102:YES)、プロセッサ18は、マイナポータルからの被提案者の情報の取得についての本人同意が得られているか否かを判定する(ステップ104)。本人同意が得られていない場合(ステップ104:NO)、プロセッサ18は、加入判定プログラム26に基づく処理を終了する。一方、本人同意が得られている場合(ステップ104:YES)、プロセッサ18は、外部データベース16(マイナポータル)から被提案者の情報を取得する(ステップ106)。
【0048】
プロセッサ18は、被提案者情報及び金融商品DB46に格納された複数の保険商品ごとの加入条件を含む情報を基に被提案者の保険商品への加入可能性を推定しかつ所定の閾値より高い保険商品と、所定の閾値より低い保険商品とを判定する(ステップ108)と共に、推定結果
である加入可能性のスコアと、判定部50が判定した所定の閾値より高い保険商品に関する情報及び被提案者情報についてさらに詳細な情報の入力を被提案者へ促すための表示の少なくとも一方を被提案者端末14にて表示可能となるよう被提案者端末14へデータを送信する(ステップ110)。
【0049】
プロセッサ18は、被提案者が結果提示処理部74によって表示部64に表示された保険商品のうちどの保険商品を選択したか否かを判定する(ステップ112)。保険商品が選択されていない場合(ステップ112:NO)、プロセッサ18は、後述するステップ116へ処理を移行する。一方、保険商品が選択された場合(ステップ112:YES)、プロセッサ18は、選択された当該保険商品への加入申し込み処理(契約審査)を行うよう外部の審査システムと連携して利用者情報等を送信する(ステップ114)。
【0050】
プロセッサ18は、本サービス利用の終了操作が被提案者からされたか否かを判定する(ステップ116)。終了操作がされていない場合(ステップ116:NO)、プロセッサ18は、ステップ110の処理へ移行する。一方、終了操作がされた場合(ステップ116:YES)、プロセッサ18は、加入判定プログラム26に基づく処理を終了する。
【0051】
<本実施形態の作用・効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0052】
本実施形態によれば、被提案者情報を個人番号(マイナンバー)に紐付けられた情報であるマイナポータルから取得された情報と、保険商品の加入条件の情報を基に保険商品の加入可能性を推定する。すなわち、保険商品の加入においては、一般的に被提案者に関する情報が重要であり、既往症等の告知義務等が被提案者には発生する。しかしながら、過去の医療情報等を正確に把握していない場合には、本来加入ができないにもかかわらず加入できると思い込み申し込み手続きを行い、結果審査にて加入できないことが判明する可能性がある。つまり、申し込みを行った労力が無駄となる。これに対し、本実施形態では、マイナポータルから取得された情報、換言すると確実性の高い情報を基に加入可能性を推定することから、加入審査段階で加入不可となる確率を大きく低減することができる。つまり、申し込みを行った労力が無駄になる事態を抑制することができる。これにより、効率良く金融商品の申し込みを行うことができる。
【0053】
また、サーバ装置12は、加入可能性が所定の閾値より高い保険商品を被提案者へ提示することから、被提案者は自分が加入可能性の高い保険商品の中から保険商品を選ぶことができる。これにより、さらに効率良く金融商品の申し込みを行うことができる。
【0054】
さらに、サーバ装置12は、所定の閾値を任意の値に変更可能とされていることから、被提案者の属性などに基づくリスクに応じた閾値に設定することができる。これにより、より適切に被提案者へ保険商品の提案を行うことができる。
【0055】
なお、上述した実施形態では、金融商品は保険商品とされているが、これに限らず、投資信託や株式等その他の商品としてもよい。
【0056】
また、本実施形態では被提案者が自身でサービスを利用する構成とされているが、これに限らず、保険会社の営業員など金融商品の提案を行う提案者が使用するサービスであってもよい。
【0057】
<付記>
本実施形態は、以下の開示を含む。
【0058】
(付記1)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
被提案者に関する情報である被提案者情報を当該被提案者の個人番号に紐付けられた情報から取得するステップと、
金融商品への加入条件を含む情報を取得するステップと、
前記被提案者情報と前記加入条件の情報を基に前記金融商品への加入可能性を推定するステップと、
前記加入可能性を提示するステップと、
を有する情報処理方法。
【0059】
(付記2)
前記情報処理装置は、前記加入可能性が所定の閾値より高い前記金融商品を提示する、
付記1に記載の情報処理方法。
【0060】
(付記3)
前記所定の閾値は、任意の値に変更可能とされている、
付記2に記載の情報処理方法。
【0061】
(付記4)
金融商品への加入条件を含む情報を取得するステップと、
前記被提案者情報と前記加入条件の情報を基に前記金融商品への加入可能性を推定するステップと、
前記加入可能性を提示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0062】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
12 サーバ装置(情報処理装置)
26 加入判定プログラム