(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014112
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】建物の外壁構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20240125BHJP
E04B 1/348 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E04B2/56 622J
E04B1/348 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116714
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹川 拓也
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002FA02
2E002FB24
2E002HA03
2E002HB02
(57)【要約】
【課題】外壁材の意匠面部を傷付けることなく、外壁材を固定することができる建物の外壁構造を得る。
【解決手段】建物10は、躯体フレーム14に取り付けられると共に外壁26の骨格の一部を構成し、屋外側から見て外壁26の厚さ方向に貫通する貫通部54が設けられた外壁フレーム28と、外壁26の壁面26Aの一部を構成する意匠面部36を備えると共に外壁フレーム28の屋外側に配置された外壁材30と、外壁材30の取付面部30Aに固定された固定部40Aと、貫通部54に押し込まれることで貫通部54に嵌合される嵌合部42とを備えたプッシュリベット38とを有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体に取り付けられると共に外壁の骨格の一部を構成し、屋外側から見て当該外壁の厚さ方向に貫通する貫通部が設けられた外壁フレームと、
前記外壁の壁面の一部を構成する意匠面部を備えると共に前記外壁フレームの屋外側に配置された外壁材と、
前記外壁材の前記意匠面部と反対側の取付面部に固定された固定部と、前記貫通部に押し込まれることで当該貫通部に嵌合される嵌合部と、を備えた取付部と、
を有する建物の外壁構造。
【請求項2】
前記取付面部には、前記固定部が収まる凹部が設けられている、
請求項1に記載の建物の外壁構造。
【請求項3】
前記凹部と前記固定部との間には、弾性を有する接合部が介在している、
請求項2に記載の建物の外壁構造。
【請求項4】
前記固定部は、前記取付面部をねじ立てしつつ当該取付面部に螺合可能とされた螺合部を備えている、
請求項1又は請求項2に記載の建物の外壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、建物ユニットに関する発明が開示されている。この建物ユニットでは、建物の外壁面の一部を構成する外壁材が外壁フレームに取り付けられることで外壁パネルが構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、外壁材を外壁フレームに取り付けるとき、外壁材の屋外側から外壁フレームにビス等を打ち込むため、外壁材の意匠面部に傷が付くことが考えられる。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、外壁材の意匠面部を傷付けることなく、外壁材を固定することができる建物の外壁構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る建物の外壁構造は、建物の躯体に取り付けられると共に外壁の骨格の一部を構成し、屋外側から見て当該外壁の厚さ方向に貫通する貫通部が設けられた外壁フレームと、前記外壁の壁面の一部を構成する意匠面部を備えると共に前記外壁フレームの屋外側に配置された外壁材と、前記外壁材の前記意匠面部と反対側の取付面部に固定された固定部と、前記貫通部に押し込まれることで当該貫通部に嵌合される嵌合部と、を備えた取付部と、を有している。
【0007】
第1の態様に係る建物の外壁構造では、外壁の骨格の一部を構成する外壁フレームが建物の躯体に取り付けられている。そして、外壁フレームの屋外側には、外壁材が配置されており、この外壁材は、建物の外壁の壁面の一部を構成する意匠面部を備えている。
【0008】
ところで、外壁材を外壁フレームに取り付けるとき、外壁材の屋外側から外壁フレームにビス等を打ち込むと、外壁材の意匠面部に傷が付くことが考えられる。
【0009】
ここで、本態様では、外壁フレームに貫通部が設けられており、この貫通部は、屋外側から見て当該外壁の厚さ方向に貫通している。
【0010】
一方、外壁材における意匠面部と反対側の取付面部には、取付部の固定部が固定されている。この取付部は、外壁フレームの貫通部に押し込まれることで当該貫通部に嵌合される嵌合部を備えている。
【0011】
このため、本態様では、外壁材の取付面部に取付部の固定部を固定して、取付部の固定部を外壁フレームの貫通部に屋外側から押し込むことで、外壁材の屋外側から外壁フレームにビス等を打ち込むことなく、外壁材を外壁フレームに取り付けることができる。
【0012】
第2の態様に係る建物の外壁構造は、第1の態様に係る建物の外壁構造において、前記取付面部には、前記固定部が収まる凹部が設けられている。
【0013】
第2の態様に係る建物の外壁構造では、外壁材の取付面部に取付部の固定部が収まる凹部が設けられており、この凹部を用いて取付部の位置決めを行うことができる。
【0014】
第3の態様に係る建物の外壁構造は、第2の態様に係る建物の外壁構造において、前記凹部と前記固定部との間には、弾性を有する接合部が介在している。
【0015】
第3の態様に係る建物の外壁構造では、外壁材に設けられた凹部と、取付部の固定部との間に弾性を有する接合部が介在している。このため、外壁材の熱膨張による変形量と、取付部の熱膨張による変形量とが異なっていても、これらの変形量の差分を接合部の変形で吸収することができる。
【0016】
第4の態様に係る建物の外壁構造は、第1の態様又は第2の態様に係る建物の外壁構造において、前記固定部は、前記取付面部をねじ立てしつつ当該取付面部に螺合可能とされた螺合部を備えている。
【0017】
第4の態様に係る建物の外壁構造では、取付部の固定部が螺合部を備えており、この螺合部は、外壁材の取付面部をねじ立てしつつ当該取付面部に螺合可能とされている。このため、本態様では、接着剤等を用いることなく取付部を外壁材に固定することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、第1の態様に係る建物の外壁構造では、外壁材の意匠面部を傷付けることなく、外壁材を固定することができるという優れた効果を有する。
【0019】
第2の態様に係る建物の外壁構造では、建物の外壁の構築作業の簡略化を図ることができるという優れた効果を有する。
【0020】
第3の態様に係る建物の外壁構造では、外壁材に熱応力が発生することを抑制することができるという優れた効果を有する。
【0021】
第4の態様に係る建物の外壁構造では、建物の外壁の構築にかかる時間の短縮を図ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態に係る建物の外壁構造が適用された建物において外壁パネルの構成を模式的に示す分解斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る建物の外壁構造が適用された建物において外壁パネルの構成を模式的に示す断面図(
図1の2-2線に沿って切断した状態を示す断面図)である。
【
図3】本実施形態に係る建物の外壁構造が適用された建物において外壁材と外壁フレームとの境界部の構成を模式的に示す断面図である。
【
図4】第2実施形態に係る建物の外壁構造が適用された建物において外壁材側の構成を模式的に示す断面図である。
【
図5】第2実施形態に係る建物の外壁構造が適用された建物において外壁材側の構成を模式的に示す背面図(
図4の5方向矢視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、
図1~
図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る建物の外壁構造について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る建物の外壁構造が適用された「建物10」は、複数の建物ユニット12を備えたユニット建物とされている。
【0024】
なお、以下では、建物10の長手方向すなわち桁行方向を第1方向と称し、建物10の短手方向すなわち梁間方向を第2方向と称し、建物高さ方向を第3方向と称することとする。また、各図において、第1方向が矢印Xで示されており、第2方向が矢印Yで示されており、第3方向が矢印Zで示されている。
【0025】
建物ユニット12は、長手方向を第1方向とされて配置されており、躯体としての「躯体フレーム14」を備えている。この躯体フレーム14は、四隅に立設された図示しない柱と、柱の上端部同士を連結する天井フレーム16と、柱の下端部同士を連結する床フレーム18とを含んで構成されている。
【0026】
天井フレーム16は、溝形鋼で構成されると共に第1方向に延在する一対の天井大梁20と、第2方向に延在すると共に天井大梁20よりも短い一対の図示しない天井大梁とが矩形枠状に配置されると共に、4つの図示にない仕口部で連結されることでその外枠が構成されている。
【0027】
一方、床フレーム18は、基本的に天井フレーム16と同様の構成とされており、第1方向に延在する一対の床大梁22と、第2方向に延在すると共に床大梁22よりも短い一対の図示しない床大梁と、これらを連結する図示しない4つの仕口部とを含んで構成されている。なお、天井フレーム16と床フレーム18とは、天井大梁20と床大梁22とが建物高さ方向から見て重なるように配置されている。
【0028】
そして、天井大梁20及び床大梁22には、複数の外壁パネル24が第1方向に並んで配置されており、建物10の「外壁26」の一部を構成している。
【0029】
外壁パネル24は、
図2にも示されるように、その躯体を構成する「外壁フレーム28」と、「外壁材30」とを含んで構成されている。
【0030】
外壁フレーム28は、外壁26の骨格の一部を構成すると共に、第1方向に延在する複数の横桟32と、第3方向に延在する一対の縦桟34とが梯子状に組み合わされることで構成されている。
【0031】
横桟32は、溝形鋼で構成されており、第2方向に間隔をあけて配置された一対の図示しないフランジ部と、これらを第2方向に繋ぐ図示しないウェブ部とを含んで構成されている。そして、最も第3方向上側に配置された横桟32の第2方向一方側すなわち屋内側のフランジ部が天井大梁20に、最も第3方向下側に配置された横桟32の屋内側のフランジ部が床大梁22に、それぞれ図示しないボルト等の取付部材で取り付けられている。
【0032】
縦桟34は、横桟32と同様に溝形鋼で構成されており、第2方向に間隔をあけて配置された一対のフランジ部34Aと、これらを第2方向に繋ぐウェブ部34Bとを含んで構成されている。そして、一対の縦桟34は、上述した横桟32によって第1方向に連結されている。
【0033】
一方、外壁材30は、窯業系サイディングでその主な部分が構成されると共に、第2方向から見て第3方向を長手方向とされた矩形の板状とされている。この外壁材30は、第2方向他方側すなわち屋外側の面に「意匠面部36」が設けられており、この意匠面部36は、外壁材30の屋外側の面にタイル等の化粧材や外装モール材が貼り付けられることで構成されており、建物10の外壁26における「壁面26A」の一部を構成している。
【0034】
ここで、本実施形態では、外壁材30における意匠面部36と反対側の面すなわち屋内側の面が「取付面部30A」とされており、この取付面部30Aが取付部としての「プッシュリベット38」を介して取り付けられている点に特徴がある。
【0035】
プッシュリベット38は、樹脂製又は金属製とされており、押圧部40と、「嵌合部42」とを含んで構成されている。押圧部40は、円板状の「固定部40A」と、その主な部分が円柱状とされると共に先端部が円錐状とされて固定部40Aと一体に設けられた挿入部40Bとを含んで構成されている。
【0036】
一方、嵌合部42は、頭部42Aと、頭部42Aと一体に設けられた筒部42Bとを含んで構成されている。頭部42Aは、円板状とされており、
図3にも示されるように、その板厚方向から見て中央部に挿入部40Bが挿通可能な貫通部44が形成されると共に、当該中央部に押圧部40の固定部40Aが収まる凹部46が形成されている。
【0037】
筒部42Bは、全体的には、長手方向を第2方向とされた円筒状とされており、第2方向に延在すると共に屋内側が開放された一対のスリット部48が設けられている。また、筒部42Bの内周側には、筒部42Bの軸側に突出された図示しない複数の突起部が設けられている。
【0038】
そして、上記のように構成されたプッシュリベット38の固定部40Aは、外壁材30の取付面部30Aに設けられた「凹部50」に取り付けられている。
【0039】
詳しくは、凹部50は、外壁材30の第1方向一方側の周縁部又は第1方向他方側の周縁部に第3方向に間隔をあけて複数配置されており、屋外側に凹んでいる。この凹部50は、嵌合部42の頭部42Aが収まる大きさとされており、凹部50の底部50Aには、接着剤等による弾性を有する「接合部52」を介して固定部40Aが固定されている。
【0040】
一方、外壁フレーム28の縦桟34における屋外側のフランジ部34Aには、フランジ部34Aが第2方向すなわち外壁26の厚さ方向に貫通されることで、プッシュリベット38に対応する複数の「貫通部54」が設けられている。そして、貫通部54は、嵌合部42の筒部42Bを挿入可能とされている。
【0041】
上記のように構成されたプッシュリベット38は、外壁フレーム28の貫通部54に筒部42Bが挿入された状態において、外壁材30の意匠面部36側から押圧されると、
図3に示されるように、押圧部40が嵌合部42に対して屋内側に相対移動するようになっている。
【0042】
このとき、筒部42Bの内周側に設けられた突起部が押圧部40の挿入部40Bで押圧されることで筒部42Bが拡径し、筒部42Bが貫通部54に嵌合されることとなる。つまり、嵌合部42は、押圧部40を介して貫通部54に押し込まれることで、貫通部54に嵌合されるようになっている。なお、嵌合部42が貫通部54に嵌合された状態において、押圧部40の固定部40Aは、嵌合部42の凹部46に収まっており、嵌合部42の頭部42Aは、外壁材30の凹部50に収まっている。
【0043】
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0044】
本実施形態では、
図1に示されるように、建物10の外壁26における骨格の一部を構成する外壁フレーム28が建物10の躯体フレーム14に取り付けられている。そして、外壁フレーム28の屋外側には、外壁材30が配置されており、この外壁材30は、外壁26の壁面26Aの一部を構成する意匠面部36を備えている。
【0045】
ところで、外壁材30を外壁フレーム28に取り付けるとき、外壁材30の屋外側から外壁フレーム28にビス等を打ち込むと、外壁材30の意匠面部36に傷が付くことが考えられる。
【0046】
ここで、本実施形態では、
図2に示されるように、外壁フレーム28に貫通部54が設けられており、この貫通部54は、屋外側から見て外壁26の厚さ方向に貫通している。
【0047】
一方、外壁材30における意匠面部36と反対側の取付面部30Aには、プッシュリベット38の固定部40Aが固定されている。このプッシュリベット38は、外壁フレーム28の貫通部54に押し込まれることで貫通部54に嵌合される嵌合部42を備えている。
【0048】
このため、本実施形態では、外壁材30の取付面部30Aにプッシュリベット38の固定部40Aを固定して、プッシュリベット38の固定部40Aを外壁フレーム28の貫通部54に屋外側から押し込むことができる。その結果、本実施形態では、外壁材30の屋外側から外壁フレーム28にビス等を打ち込むことなく、外壁材30を外壁フレーム28に取り付けることができる。
【0049】
したがって、本実施形態では、外壁材30の意匠面部36を傷付けることなく、外壁材30を固定することができる。
【0050】
また、本実施形態では、外壁材30の取付面部30Aにプッシュリベット38の固定部40Aが収まる凹部50が設けられており、この凹部50を用いてプッシュリベット38の位置決めを行うことができる。その結果、本実施形態では、建物10の外壁26の構築作業の簡略化を図ることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、外壁材30に設けられた凹部50と、プッシュリベット38の固定部40Aとの間に弾性を有する接合部52が介在している。このため、外壁材30の熱膨張による変形量と、プッシュリベット38の熱膨張による変形量とが異なっていても、これらの変形量の差分を接合部52の変形で吸収することができる。したがって、本実施形態では、外壁材30に熱応力が発生することを抑制することができる。
【0052】
<第2実施形態>
以下、
図4及び
図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る建物の外壁構造について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
【0053】
本実施形態に係る建物の外壁構造は、プッシュリベット38の代わりに取付部としての「ファスナ60」が用いられている点に特徴がある。
【0054】
詳しくは、ファスナ60は、樹脂製の本体部62と、金属製の「螺合部64」とがインサート成型によって一体化されて構成されている。
【0055】
本体部62は、頭部62Aと、「嵌合部62B」とを含んで構成されている。頭部62Aは、第2方向から見て六角形の板状とされており、インパクトレンチ等の所定のソケットに係合可能とされている。
【0056】
一方、嵌合部62Bは、その主な部分を構成する円柱状の軸部62B1と、軸部62B1に複数設けられた係止爪部62B2とを含んで構成されると共に、外壁フレーム28の貫通部54に押し込まれることで、貫通部54に嵌合されるようになっている。なお、嵌合部62Bは、貫通部54に嵌合可能であれば、適宜形状を変更してもよい。
【0057】
螺合部64は、一部が本体部62に埋め込まれると共に、本体部62から突出するように設けられた雄ねじ部64Aを備えている。この雄ねじ部64Aは、外壁材30の取付面部30Aをねじ立てしつつ取付面部30Aに螺合可能な所謂タッピングネジとされている。なお、螺合部64における本体部62に埋め込まれた部分には、図示しない回り止め部が設けられており、螺合部64と本体部62との相対回転が制限されるようになっている。
【0058】
そして、本体部62の頭部62Aが外壁材30に当接するまで、雄ねじ部64Aが取付面部30Aに螺合されることで、ファスナ60が外壁材30に取り付けられている。すなわち、本実施形態では、本体部62の頭部62A並びに螺合部64によって、ファスナ60が外壁材30に固定されている。なお、以下では、頭部62A及び螺合部64の集合体を「固定部66」と称することとする。
【0059】
また、本実施形態では、取付面部30Aに凹部50が設けられておらず、ファスナ60の取付面部30Aへの固定に接着剤等による接合部が用いられていない。
【0060】
このような構成によれば、ファスナ60の固定部66が螺合部64を備えており、この螺合部64は、外壁材30の取付面部30Aをねじ立てしつつ取付面部30Aに螺合可能とされている。このため、本態様では、接着剤等を用いることなくファスナ60を外壁材30に固定することができる。
【0061】
したがって、本実施形態では、建物10の外壁26の構築にかかる時間の短縮を図ることができる。
【0062】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、各実施形態に係る建物の外壁構造をユニット建物である建物10に適用したが、上記建物の外壁構造が適用可能な建物は、これに限らない。すなわち、外壁が外壁フレームに外壁材を取り付けることで構築される建物であれば、ユニット工法以外で建てられた建物にも上述した建物の外壁構造を適用可能である。
【0063】
(2) また、上述した第2実施形態では、貫通部54が外壁フレーム28に直接設けられていたが、プッシュリベット38の仕様等に応じて、プッシュリベット38が嵌合される貫通部を備えたスペーサ等を外壁フレーム28に取り付けてもよい。
【0064】
(3) さらに、上述した第2実施形態では、外壁材30の仕様等に応じて、外壁材30の取付面部30Aにファスナ60の頭部62Aが収まる凹部を設けてもよいし、ファスナ60の取付面部30Aへの固定に接着剤等による接合部を用いてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 建物
14 躯体フレーム(躯体)
26 外壁
26A 壁面
28 外壁フレーム
30 外壁材
30A 取付面部
36 意匠面部
38 プッシュリベット(取付部)
40A 固定部
42 嵌合部
50 凹部
52 接合部
54 貫通部
60 ファスナ(取付部)
62B 嵌合部
64 螺合部
66 固定部