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  • 特開-粘着性組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141123
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】粘着性組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/00 20060101AFI20241003BHJP
   C09J 125/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C09J133/00
C09J125/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052603
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 庸祐
(72)【発明者】
【氏名】村田 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】久保田 直也
(72)【発明者】
【氏名】金谷 浩貴
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040DB012
4J040DF021
4J040DF031
4J040DF061
4J040EF282
4J040JB09
4J040KA16
4J040KA23
4J040KA26
4J040LA01
4J040LA02
4J040LA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高温領域下における粘着力および保持力に優れる粘着性組成物を提供すること。
【解決手段】粘着性組成物は、(メタ)アクリル樹脂と、粘着付与剤とを含む。粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む重合体である。重合体は、分子量2000以上の高分子量成分を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリル樹脂と、粘着付与剤とを含み、
前記粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む重合体であり、
前記重合体は、分子量2000以上の高分子量成分を含む、粘着性組成物。
【請求項2】
前記高分子量成分の含有割合は、前記重合体に対して、10質量%以上である、請求項1に記載の粘着性組成物。
【請求項3】
前記重合体が、C5留分に由来する構成単位を含む、請求項1または2に記載の粘着性組成物。
【請求項4】
前記重合体に対して、イソプロペニルトルエンに由来する構成単位が、90モル%以上99モル%以下であり、
前記重合体に対して、C5留分に由来する構成単位が、1モル%以上10モル%以下である、請求項3に記載の粘着性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着力を向上させる観点から、粘着性組成物に、粘着付与剤を配合することが知られている。
【0003】
このような粘着性組成物として、例えば、(メタ)アクリル系ポリマーと、ロジン(粘着付与樹脂)とを含む感圧性接着剤組成物が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平01-016882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、粘着性組成物には、高温領域下における粘着力および保持力が要求される。
【0006】
本発明は、高温領域下における粘着力および保持力に優れる粘着性組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、(メタ)アクリル樹脂と、粘着付与剤とを含み、前記粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む重合体であり、前記重合体は、分子量2000以上の高分子量成分を含む、粘着性組成物である。
【0008】
本発明[2]は、前記高分子量成分の含有割合は、前記重合体に対して、10質量%以上である、上記[1]に記載の粘着性組成物を含んでいる。
【0009】
本発明[3]は、前記重合体が、C5留分に由来する構成単位を含む、請求項1または2に記載の粘着性組成物を含んでいる。
【0010】
本発明[4]は、前記重合体に対して、イソプロペニルトルエンに由来する構成単位が、90モル%以上99モル%以下であり、前記重合体に対して、C5留分に由来する構成単位が、1モル%以上10モル%以下である、上記[3]に記載の粘着性組成物を含んでいる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粘着性組成物において、粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む重合体である。重合体は、高分子量成分を含む。そのため、粘着力および保持力に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、高分子量成分の含有割合を説示するゲルパーミエーションクロマトグラムである。
図2図2Aおよび図2Bは、(メタ)アクリルポリマー鎖の分子運動と、粘着付与剤との関係を示す模式図である。図2Aは、粘着付与剤における重合体が、高分子量成分を含まない場合を示す。図2Bは、粘着付与剤における重合体が、高分子量成分を含む場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
粘着性組成物は、(メタ)アクリル樹脂と、粘着付与剤とを含む。
【0014】
<(メタ)アクリル樹脂>
(メタ)アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む第1重合成分の重合体として、得ることができる。なお、(メタ)アクリルは、アクリルおよび/またはメタクリルを示す。
【0015】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数1~12のアルキル部分を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。炭素数1~12のアルキル部分を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸iso-ブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、および、(メタ)アクリル酸ラウリルが挙げられる。
【0016】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、炭素数2~8のアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、より好ましくは、(メタ)アクリル酸ブチルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、さらに好ましくは、アクリル酸ブチルが挙げられる。
【0017】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0018】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの配合割合は、第1重合成分100質量部に対して、例えば、60質量部以上、好ましくは、70質量部以上、より好ましくは、80質量部以上、さらに好ましくは、90質量部以上、とりわけ好ましくは、95質量部以上、最も好ましくは、99質量部以上、また、例えば、100質量部以下、好ましくは、99.9質量部以下である。
【0019】
また、第1重合成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含むことができる。
【0020】
共重合性モノマーとしては、例えば、官能基含有ビニルモノマー、ビニルエステル類、芳香族ビニルモノマー、N-置換不飽和カルボン酸アミド、複素環式ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、α-オレフィン類、および、ジエン類が挙げられる。
【0021】
官能基含有ビニルモノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有ビニルモノマー、水酸基含有ビニルモノマー、アミノ基含有ビニルモノマー、グリシジル基含有ビニルモノマー、シアノ基含有ビニルモノマー、スルホン酸基含有ビニルモノマーおよびその塩、アセトアセトキシ基含有ビニルモノマー、リン酸基含有化合物、および、アミド基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
【0022】
カルボキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、および、クロトン酸が挙げられる。カルボキシ基含有ビニルモノマーとして、好ましくは、アクリル酸が挙げられる。
【0023】
水酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、および、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピルが挙げられる。水酸基含有ビニルモノマーとして、好ましくは、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルが挙げられる。水酸基含有ビニルモノマーとして、より好ましくは、アクリル酸2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0024】
アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸2-(N-メチルアミノ)エチル、および、(メタ)アクリル酸2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。
【0025】
グリシジル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジルが挙げられる。
【0026】
シアノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
【0027】
スルホン酸基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アリルスルホン酸、および、メタリルスルホン酸が挙げられる。また、その塩としては、例えば、上記スルホン酸基含有ビニルモノマーのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、および、カリウム塩)、例えば、アンモニウム塩が挙げられる。具体的には、例えば、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、および、メタリルスルホン酸アンモニウムが挙げられる。
【0028】
アセトアセトキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチルなどが挙げられる。
【0029】
リン酸基含有化合物としては、例えば、2-メタクロイロキシエチルアシッドフォスフェートが挙げられる。
【0030】
アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0031】
官能基含有ビニルモノマーとして、好ましくは、水酸基含有ビニルモノマーが挙げられる。
【0032】
ビニルエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、および、プロピオン酸ビニルが挙げられる。ビニルエステル類として、好ましくは、酢酸ビニルが挙げられる。
【0033】
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、および、ジビニルベンゼンが挙げられる。
【0034】
N-置換不飽和カルボン酸アミドとしては、例えば、N-メチロール(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0035】
複素環式ビニル化合物としては、例えば、ビニルピロリドンが挙げられる。
【0036】
ハロゲン化ビニリデン化合物としては、例えば、塩化ビニリデン、および、フッ化ビニリデンが挙げられる。
【0037】
α-オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
【0038】
ジエン類としては、例えば、ブタジエンが挙げられる。
【0039】
さらに、共重合性モノマーとして、架橋性ビニルモノマーが挙げられる。
【0040】
架橋性ビニルモノマーとしては、例えば、2つ以上のビニル基を含有する化合物が挙げられる。2つ以上のビニル基を含有する化合物としては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン、および、ポリエチレングリコール鎖含有ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0041】
共重合性モノマーとして、好ましくは、官能基含有ビニルモノマーが挙げられる。
【0042】
共重合性モノマーは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0043】
共重合性モノマーの配合割合は、第1重合成分100質量部に対して、例えば、0質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上、また、例えば、40質量部以下、好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、20質量部以下、さらに好ましくは、10質量部以下、とりわけ好ましくは、5質量部以下、最も好ましくは、1質量部以下である。
【0044】
第1重合成分の重合方法は、特に制限されず、公知の重合方法が採用される。
【0045】
第1重合成分の重合方法として、好ましくは、上記の第1重合成分を、溶剤(例えば、酢酸エチル)中でラジカル重合させる。この方法では、例えば、溶剤中に、第1重合成分および重合開始剤が配合され、溶剤中で重合される。
【0046】
重合開始剤は、特に制限されない。重合開始剤として、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物およびアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤として、好ましくは、有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物として、例えば、ベンゾイルパーオキシドが挙げられる。
【0047】
また、重合開始剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0048】
重合開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0049】
また、上記重合では、必要に応じて、分子量調節剤を配合することができる。
【0050】
分子量調節剤としては、例えば、メルカプタン類、アリル化合物、および、低分子ハロゲン化合物が挙げられる。メルカプタン類として、例えば、t-ドデシルメルカプタン、および、n-ドデシルメルカプタンが挙げられる。アリル化合物として、例えば、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸およびこれらのソーダ塩が挙げられる。
【0051】
また、分子量調節剤の配合割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0052】
分子量調節剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0053】
重合条件としては、常圧下において、重合温度が、例えば、30℃以上、好ましくは、50℃以上、また、例えば、150℃以下、好ましくは、120℃以下である。また、重合時間は、例えば、1時間以上、好ましくは、2時間以上、また、例えば、30時間以下、好ましくは、20時間以下である。
【0054】
これにより、(メタ)アクリル樹脂((メタ)アクリル樹脂の溶液)が得られる。
【0055】
(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度は、例えば、20℃以下、好ましくは、0℃以下、また、例えば、-30℃以上である。
【0056】
上記ガラス転移温度は、例えば、FOXの式により算出することができる。
【0057】
(メタ)アクリル樹脂の溶液において、その固形分濃度は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
【0058】
(メタ)アクリル樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0059】
(メタ)アクリル樹脂の含有割合は、(メタ)アクリル樹脂および粘着付与剤の総量100質量部に対して、例えば、60質量部以上、好ましくは、70質量部以上、より好ましくは、75質量部以上、また、例えば、98質量部以下、好ましくは、90質量部以下、より好ましくは、82質量部以下である。
【0060】
また、(メタ)アクリル樹脂の含有割合は、粘着性組成物に対して、例えば、60質量%以上、好ましくは、70質量%以上、より好ましくは、75質量%以上、また、例えば、98質量%以下、好ましくは、90質量%以下、より好ましくは、82質量%以下である。
【0061】
<粘着付与剤>
粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む。
【0062】
このような重合体は、第2重合成分を重合してなる。
【0063】
第2重合成分は、必須成分として、イソプロペニルトルエンを含む。
【0064】
第2重合成分は、他の成分(イソプロペニルトルエンを除く成分)を含むこともできる。他の成分として、例えば、α-メチルスチレン、インデン、ビニルトルエン、および、不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。
【0065】
不飽和脂肪族炭化水素は、イソプロペニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン、および、ビニルトルエンと共重合可能な成分であって、例えば、C4留分およびC5留分が挙げられる。
【0066】
C4留分は、石油の精製および/または分解によって得られる。また、C4留分は、常圧下における沸点範囲が通常-15℃以上45℃以下の留分であって、例えば、共役二重結合を含まない炭素数4の不飽和脂肪族炭化水素、および、共役二重結合を含む炭素数4の不飽和脂肪族炭化水素を含む。
【0067】
共役二重結合を含まない炭素数4の不飽和脂肪族炭化水素として、例えば、1-ブテン、イソブテン、2-ブテンが挙げられる。
【0068】
共役二重結合を含む炭素数4の不飽和脂肪族炭化水素として、例えば、1,3-ブタジエンが挙げられる。
【0069】
C4留分は、好ましくは、共役二重結合を含む炭素数4の不飽和脂肪族炭化水素を含まず、共役二重結合を含まない炭素数4の不飽和脂肪族炭化水素からなる。
【0070】
C5留分は、石油の精製および/または分解によって得られる。また、C5留分は、常圧下における沸点範囲が通常-15℃以上45℃以下の留分であって、例えば、共役二重結合を含まない炭素数5の不飽和脂肪族炭化水素、および、共役二重結合を含む炭素数5の不飽和脂肪族炭化水素を含む。
【0071】
共役二重結合を含まない炭素数5の不飽和脂肪族炭化水素として、例えば、1-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、および、2-ペンテンが挙げられる。
【0072】
共役二重結合を含む炭素数5の不飽和脂肪族炭化水素として、例えば、イソプレン、1,3-ペンタジエン、および、シクロペンタジエンが挙げられる。
【0073】
C5留分は、好ましくは、共役二重結合を含む炭素数5の不飽和脂肪族炭化水素を含まず、共役二重結合を含まない炭素数5の不飽和脂肪族炭化水素からなる。
【0074】
他の成分として、好ましくは、不飽和脂肪族炭化水素が挙げられる。他の成分として、より好ましくは、C5留分が挙げられる。すなわち、重合体として、より好ましくは、イソプロペニルトルエンとC5留分との共重合体が挙げられる。
【0075】
他の成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0076】
また、第2重合成分を構成するモノマーの全部または一部は、化石燃料由来またはバイオマス由来であってもよい。
【0077】
化石燃料とは、石油、石炭、天然ガス、シェールガスまたはそれらの組合せが挙げられる。バイオマスとは、菌類、酵母、藻類および細菌類を含む植物由来または動物由来などの、あらゆる再生可能な天然原料およびその残渣である。
【0078】
そして、重合体は、フリーデル-クラフツ触媒の存在下で、第2重合成分を重合することにより得られる。
【0079】
フリーデル-クラフツ触媒としては、例えば、フェノール錯体(例えば、ボロントリフロライドフェノラート錯体)が挙げられる。
【0080】
フリーデル-クラフツ触媒の配合割合は、第2重合成分100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上、また、例えば、1質量部以下である。
【0081】
重合条件として、重合温度は、例えば、-50℃以上、また、例えば、50℃以下である。重合時間は、例えば、10分以上、また、例えば、10時間以下である。
【0082】
また、上記反応は、溶剤の存在下、または、無溶剤で実施する。上記反応は、好ましくは、溶剤の存在下で実施する。
【0083】
溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、および、アルキルエステル類が挙げられる。溶剤として、好ましくは、芳香族炭化水素類が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、および、キシレンが挙げられる。芳香族炭化水素類として、好ましくは、トルエンが挙げられる。
【0084】
溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0085】
これにより、重合体(重合体の溶液)が得られる。
【0086】
重合体の溶液において、その固形分濃度は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
【0087】
このような重合体において、イソプロペニルトルエンに由来する構成単位は、例えば、65モル%以上、好ましくは、70モル%以上、より好ましくは、80モル%以上、さらに好ましくは、90モル%以上、とりわけ好ましくは、95モル%以上、また、例えば、100モル%以下、好ましくは、97モル%以下である。
【0088】
また、このような重合体において、他の成分(好ましくは、C5留分)に由来する構成単位は、例えば、0%以上、好ましくは、3モル%以上、また、例えば、35モル%以下、好ましくは、30モル%以下、より好ましくは、20モル%以下、さらに好ましくは、10モル%以下、とりわけ好ましくは、5モル%以下である。
【0089】
なお、上記構成単位の割合は、13C-NMRスペクトルにより測定することができる。
【0090】
重合体の軟化点は、例えば、85℃以上、好ましくは、90℃以上、より好ましくは、95℃以上、、さらに好ましくは、110℃以上、とりわけ好ましくは、120℃以上、また、例えば、150℃以下、好ましくは、140℃以下、より好ましくは、130℃以下である。
【0091】
上記軟化点が、上記範囲内であれば、高温領域下における粘着力および保持力を向上させることができる。
【0092】
なお、上記軟化点は、環球法(JIS K2207に準拠)により測定することができる。
【0093】
重合体の数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算で、例えば、500以上、好ましくは、700以上、より好ましくは、900以上、さらに好ましくは、1000以上、また、例えば、2000以下、好ましくは、1200以下、より好ましくは、1100以下である。
【0094】
上記数平均分子量(Mn)が、上記範囲内であれば、高温領域下における粘着力および保持力を向上させることができる。
【0095】
また、重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算で、例えば、600以上、好ましくは、1000以上、より好ましくは、1200以上、さらに好ましくは、1500以上、とりわけ好ましくは、1800以上、また、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下、より好ましくは、2000以下、さらに好ましくは、1900以下である。
【0096】
上記重量平均分子量(Mw)が、上記範囲内であれば、高温領域下における粘着力および保持力を向上させることができる。
【0097】
また、重合体のz平均分子量(Mz)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算で、例えば、700以上、好ましくは、1000以上、より好ましくは、1500以上、さらに好ましくは、1800以上、とりわけ好ましくは、2500以上、最も好ましくは、3000以上、また、例えば、5000以下、好ましくは、4000以下、より好ましくは、3500以下、さらに好ましくは、3100以下である。
【0098】
上記z平均分子量(Mz)が、上記範囲内であれば、高温領域下における粘着力および保持力を向上させることができる。
【0099】
また、重合体において、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は、例えば、1.10以上、好ましくは、1.30以上、より好ましくは、1.50以上、さらに好ましくは、1.70以上、また、例えば、2.00以下、好ましくは、1.80以下である。
【0100】
上記比が、上記範囲内であれば、高温領域下における粘着力および保持力を向上させることができる。
【0101】
そして、重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算で分子量2000以上の高分子量成分を含む。つまり、重合体は、分子量2000以上の高分子量成分を含む。
【0102】
高分子量成分の含有割合は、重合体に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、また、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
【0103】
高分子量成分の含有割合が、上記下限以上であれば、高温領域下における粘着力および保持力を向上できる。
【0104】
なお、高分子量成分の含有割合は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により測定することができる。詳しくは、図1が参照されるように、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、分子量分布を測定し、得られたクロマトグラムにおいて、標準ポリスチレン換算の分子量2000以上の領域の面積(図1斜線部)を高分子量成分の含有量とする。
【0105】
粘着付与剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0106】
粘着付与剤の含有割合は、(メタ)アクリル樹脂および粘着付与剤の総量100質量部に対して、例えば、2質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、18質量部以上、また、例えば、40質量部以下、好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、25質量部以下である。
【0107】
また、粘着付与剤の含有割合は、粘着性組成物に対して、例えば、2質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、18質量%以上、また、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、25質量%以下である。
【0108】
<架橋剤>
粘着性組成物は、粘着力を向上させる観点から、好ましくは、架橋剤を含む。
【0109】
架橋剤としては、例えば、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、および、メラミン化合物が挙げられる。
【0110】
エポキシ化合物として、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、および、レソルシンジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0111】
イソシアネート化合物として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体(例えば、トリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート誘導体)、および、トリレンジイソシアネートの誘導体(例えば、トリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート誘導体)が挙げられる。
【0112】
アジリジン化合物として、例えば、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、および、トリメチロールプロパン-トリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネートが挙げられる。
【0113】
メラミン化合物として、例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミンが挙げられる。
【0114】
架橋剤として、好ましくは、イソシアネート化合物が挙げられる。
【0115】
架橋剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0116】
また、架橋剤の含有割合は、粘着性組成物に対して、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、また、例えば、2.0質量%以下、好ましくは、1.5質量%以下である。
【0117】
<添加剤>
粘着性組成物は、必要により、適宜の割合で添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、塗工性改良剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、防黴剤、加工助剤、および、老化防止剤が挙げられる。
【0118】
添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0119】
<粘着性組成物の調製>
粘着性組成物は、(メタ)アクリル樹脂と、粘着付与剤と、必要により配合される架橋剤と、必要により配合される添加剤とを配合することにより得られる。
【0120】
また、粘着性組成物は、公知の溶剤で希釈することもできる。また、上記(メタ)アクリルおよび/または上記重合体の重合において、溶剤の存在下で重合する場合には、その溶剤を、そのまま用いることもできる。
【0121】
粘着性組成物が希釈される場合において、その固形分濃度は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
【0122】
このような粘着性組成物は、高温領域下における粘着力および保持力に優れる。高温領域とは、例えば、70℃以上150℃以下の領域である。
【0123】
また、粘着性組成物は、粘着付与剤がアクリル粘着剤((メタ)アクリル樹脂)の運動性を抑制し、せん断滑りしにくくする観点から、とりわけ、低極性材料に対する粘着力および保持力に優れる。
【0124】
低極性材料としては、例えば、ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂として、例えば、ポリエチレン、および、ポリプロピレンが挙げられる。
【0125】
<作用効果>
粘着性組成物において、粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む重合体である。重合体は、高分子量成分を含む。そのため、高温領域下における粘着力および保持力に優れる。
【0126】
詳しくは、特許文献1が参照されるように、従来、粘着付与剤として、ロジンが知られている。
【0127】
しかし、ロジンは、(メタ)アクリル樹脂との相溶性が低いため、保持力が低下するという不具合がある。
【0128】
一方、粘着性組成物において、粘着付与剤は、イソプロペニルトルエンに由来する構造単位を含む重合体である。このような粘着付与剤によれば、(メタ)アクリル樹脂との相溶性を向上させることができる。その結果、保持力を向上させることができる。
【0129】
また、粘着性組成物は、高分子量成分を含む重合体である粘着付与剤を含む。
【0130】
図2Aおよび図2Bに示すように、(メタ)アクリル樹脂を含む粘着性組成物では、(メタ)アクリルポリマー鎖1が柔軟であるため、分子運動性が高くなる傾向がある。とりわけ、高温領域下では、分子運動性がより一層高くなる。分子運動性が高くなると、粘着力および保持力が低下する傾向がある。
【0131】
(メタ)アクリルポリマー鎖1の分子運動を抑制するために、粘着付与剤を配合することが検討されるが、図2Aに示すように、粘着付与剤における重合体が、高分子量成分を含まないと、粘着付与剤2は、(メタ)アクリルポリマー鎖1を十分に束縛できず、(メタ)アクリルポリマー鎖1の分子運動を十分に抑制することができない。そのため、粘着力および保持力が低下する。
【0132】
一方、この粘着性組成物は、高分子量成分を含む重合体である粘着付与剤を含む。このような場合には、図2Bに示すように、粘着付与剤2は、(メタ)アクリルポリマー鎖1を束縛し、(メタ)アクリルポリマー鎖1の分子運動を十分に抑制することができる。その結果、高温領域下における粘着力および保持力を向上できる。
【実施例0133】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0134】
<成分の詳細>
各実施例および各比較例で用いた略語の詳細を以下に記載する。
IPT:イソプロペニルトルエン
C5:C5留分
αMS:α-メチルスチレン
KE100:水添ロジン、商品名「パインクルスタルKE100」、荒川化学工業社製
【0135】
<(メタ)アクリル樹脂の製造>
製造例1
攪拌機を設置した温度調節可能な反応器に、酢酸エチル350質量部、および、トルエン40質量部を仕込み、窒素置換し、昇温した。次いで、75℃に昇温した反応器に、アクリル酸ブチル418質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル2質量部、および、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2質量部を混合した溶液を連続的に添加し、5時間反応させた。重合後、トルエン120質量部で希釈し、固形分濃度40%のアクリル樹脂の溶液を得た。
【0136】
<粘着付与剤(重合体)の製造>
製造例2
攪拌翼を備えた実容量1270mlのオートクレーブの1段目に、第2重合成分(イソプロペニルトルエンおよびC5留分)および脱水精製したトルエンの混合物(第2重合成分/トルエン=1/1(容量比))と、フリーデル-クラフツ触媒(脱水精製したトルエンで10倍に希釈したボロントリフロライドフェノラート錯体(フェノール1.7倍当量))とを連続的に供給し、5℃で重合反応させた。イソプロペニルトルエンとC5留分との質量比(イソプロペニルトルエン/C5留分)は90/10とし、第2重合成分およびトルエンの混合物の供給量は1.0リットル/時間、フリーデル-クラフツ触媒の供給量は105ミリリットル/時間とした。これにより、反応混合物を得た。
【0137】
次いで、反応混合物を2段目のオートクレーブに移送し、5℃で重合反応を続けさせた。そして、1段目および2段目のオートクレーブ中での合計滞留時間が2時間になった時点で、連続的に反応混合物をオートクレーブから排出し、滞留時間の3倍となった時点で1リットルの反応混合物を採取して重合反応を終了させた。重合終了後、採取した反応混合物に1規定のNaOH水溶液を添加し、触媒残渣を脱灰させた。さらに、反応混合物を多量の水で5回洗浄した後、エバポレーターで溶媒および未反応第2重合成分を減圧留去して、イソプロペニルトルエンとC5留分との共重合体である重合体(粘着付与剤)を得た。
【0138】
製造例3
製造例1と同様の手順に基づいて、イソプロペニルトルエンとC5留分との共重合体である重合体(粘着付与剤)を得た。但し、フリーデル-クラフツ触媒の供給量を、56ミリリットル/時間に変更した。
【0139】
製造例4
製造例1と同様の手順に基づいて、イソプロペニルトルエンの単独重合体である重合体(粘着付与剤)を得た。但し、重合温度を25℃に変更し、第2重合成分をイソプロペニルトルエンのみに変更し、フリーデル-クラフツ触媒の供給量を、130ミリリットル/時間に変更した。
【0140】
製造例5
製造例1と同様の手順に基づいて、α-メチルスチレンの単独重合体である重合体(粘着付与剤)を得た。但し、第2重合成分をα-メチルスチレンのみに変更し、フリーデル-クラフツ触媒の供給量を、56ミリリットル/時間に変更した。
【0141】
<粘着性組成物の調製>
実施例1、実施例2および比較例1~比較例3
表2の記載に基づいて、(メタ)アクリル樹脂と、粘着付与剤と、架橋剤(イソシアネート化合物)とを配合した。これにより、粘着性組成物を調製した。
【0142】
<評価>
[各成分の構成単位]
各製造例の重合体における各成分の構成単位を、以下の条件に基づいて、13C-NMRスペクトルの解析により求めた。その結果を表1に示す。
{条件}
装置:ブルカーバイオスピン社製AVANCEIII cryo-500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00μ秒)
ポイント数:64k
測定範囲:250ppm(-55~195ppm)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:128回
測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1(体積比))
試料濃度:60mg/0.6mL
測定温度:120℃
ウインドウ関数:exponential(BF:1.0Hz)
ケミカルシフト基準:δδシグナル29.73ppm
【0143】
[軟化点]
各製造例の重合体およびKE100ついて、JIS K2207に準拠し、環球法により測定した。その結果を表1に示す。
【0144】
[数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、Mw/Mnおよび高分子量成分の含有割合]
各製造例の重合体およびKE100について、以下の測定条件に基づき、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、および、z平均分子量(Mz)を測定し、また、Mw/Mnを算出した。また、得られたクロマトグラムにおいて、分子量2000以上の領域の面積を高分子量成分の含有量として、重合体に対する高分子量成分の含有割合を算出した。その結果を表1に示す。
{測定条件}
装置:GPC HLC-8320(東ソー社製)
溶剤:テトラヒドロフラン
カラム:TSKgel G7000×1、TSKgel G4000×2、TSKgel G2000×1(何れも東ソー社製)
流速:1.0ml/分
試料:20mg/mL テトラヒドロフラン溶液
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折率検出器
注入量:50μl
【0145】
[試験片の調製]
各実施例および各比較例の粘着性組成物を、乾燥後の膜厚が30μmになるように、剥離紙に塗布し、80℃で3分間乾燥した後、塗布面にPETフィルム25μmを圧着させ、粘着シートを作製した。50℃、7日間放置した。その後、粘着シートを、幅25mm、長さ150mmに切断した。これにより、試験片を調製した。
【0146】
[粘着力]
各試験片について、粘着力を測定した。上記試験片を23℃の雰囲気下において2kg質量のゴムロールを用いて、厚み5mm×幅50mm×長さ125mmのポリプロピレン板(PP)に300mm/分の速さで圧着後、30分間放置後、JIS Z0237に準拠し、80℃での180°ピール強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0147】
[保持力]
各試験片について、保持力を測定した。具体的には、JIS Z0237に準拠し、上記試験片を23℃の雰囲気下において2kg質量のゴムロールを用いてステンレス鋼板(SUS304)に接着面積が25mm×25mmになるように圧着して、接着サンプルを作製した。接着サンプルを圧着30分後に80℃の雰囲気中に垂直に吊し、試験片の下端に1kgの分銅を掛け静置させ、1時間後のズレ幅を測定した。その結果を表2に示す。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
図1
図2