IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特開-拡張画面投影装置及びプログラム 図1
  • 特開-拡張画面投影装置及びプログラム 図2
  • 特開-拡張画面投影装置及びプログラム 図3
  • 特開-拡張画面投影装置及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141146
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】拡張画面投影装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241003BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20241003BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241003BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241003BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/00 X
G09G5/00 530H
G09G5/37 300
G03B21/00 D
G03B21/14 D
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052634
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】濱田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】鵜▲崎▼ 次郎
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA73
2K203KA36
2K203KA42
2K203KA43
2K203KA56
2K203KA83
2K203MA21
5C058BA35
5C058EA02
5C182AA04
5C182AA13
5C182AB02
5C182BA01
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA55
5C182BA56
5C182BA57
5C182BB02
5C182BB03
5C182BB11
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB23
5C182CC26
5C182CC27
5C182DA68
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】表示装置の拡張画面の映像をユーザが姿勢を変えずに視線移動だけで見ることができる拡張画面投影装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示の拡張画面投影装置1は、第1映像を表示する表示装置と共に用いられ、検出部14、視野範囲推定部15、投影領域算出部19及び投影部110を備える。検出部14は、ユーザの姿勢と目の位置とを検出する。視野範囲推定部15は、姿勢と目の位置とに基づいて、ユーザが姿勢を保持したままで見える視野の範囲を推定する。投影領域算出部19は、視野の範囲内において前記表示装置の表示領域とは異なる領域である投影領域を算出する。投影部110は、投影領域に第2映像を投影する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1映像を表示する表示装置と共に用いられる拡張画面投影装置であって、
ユーザの姿勢と目の位置とを検出する検出部と、
前記姿勢と前記目の位置とに基づいて、前記ユーザが姿勢を保持したままで見える視野の範囲を推定する視野範囲推定部と、
前記視野の範囲内において前記表示装置の表示領域とは異なる領域である投影領域を算出する投影領域算出部と、
前記投影領域に第2映像を投影する投影部と、を備える
拡張画面投影装置。
【請求項2】
前記姿勢と前記目の位置とに基づいて、前記ユーザの視線方向を推定する視線方向推定部をさらに備え、
前記投影領域算出部は、
前記ユーザが前記第1映像から前記第2映像へ前記視線方向を移動させる移動量が最小となる投影領域を算出する
請求項1に記載の拡張画面投影装置。
【請求項3】
前記視野の範囲内に存在する物体を検出する物体検出部と、
前記視野の範囲内において前記検出された物体を含まない投影可能範囲を算出する投影可能範囲算出部と、をさらに備え、
投影領域算出部は、
前記投影可能範囲内において投影領域を算出する
請求項1に記載の拡張画面投影装置。
【請求項4】
前記ユーザを認証する認証部と、
前記投影領域算出部によって前記投影領域が算出された後、前記ユーザの認証情報に前記投影領域を紐づけて記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記投影部は、
前記認証部によって前記ユーザの再度の認証が行われた場合、前記記憶部に記憶された前記ユーザの認証情報に対応する投影領域に第2映像を投影する
請求項1に記載の拡張画面投影装置。
【請求項5】
第1映像を表示する表示装置と共に用いられる拡張画面投影装置に処理を実行させるプログラムであって、
ユーザの姿勢と目の位置とを検出し、
前記姿勢と前記目の位置とに基づいて、前記ユーザが姿勢を保持したままで見える視野の範囲を推定し、
前記視野の範囲内において前記表示装置の表示領域とは異なる領域である投影領域を算出し、
前記投影領域に第2映像を投影する処理を拡張画面投影装置に実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、拡張画面投影装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)などの表示装置の拡張画面映像を机上などの載置面や壁などに投影する場合、投影場所によっては表示装置のユーザにとって見づらく、姿勢を変える必要がある。関連する技術として、特許文献1には、人物の頭の位置、姿勢及び有効視野角から人物の視野範囲を特定し、人物の視野範囲内に歌詞オブジェクトを合成した映像を投影する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-68697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る技術では、表示装置の拡張画面の映像をユーザが姿勢を変えずに視線移動だけで見ることができないという課題があった。
【0005】
本開示は、表示装置の拡張画面の映像をユーザが姿勢を変えずに視線移動だけで見ることができる拡張画面投影装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の拡張画面投影装置は、
第1映像を表示する表示装置と共に用いられる拡張画面投影装置であって、
ユーザの姿勢と目の位置とを検出する検出部と、
前記姿勢と前記目の位置とに基づいて、前記ユーザが姿勢を保持したままで見える視野の範囲を推定する視野範囲推定部と、
前記視野の範囲内において前記表示装置の表示領域とは異なる領域である投影領域を算出する投影領域算出部と、
前記投影領域に第2映像を投影する投影部と、を備える。
【0007】
本開示のプログラムは、
第1映像を表示する表示装置と共に用いられる拡張画面投影装置に処理を実行させるプログラムであって、
ユーザの姿勢と目の位置とを検出し、
前記姿勢と前記目の位置とに基づいて、前記ユーザが姿勢を保持したままで見える視野の範囲を推定し、
前記視野の範囲内において前記表示装置の表示領域とは異なる領域である投影領域を算出し、
前記投影領域に第2映像を投影する処理を拡張画面投影装置に実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によって、表示装置の拡張画面の映像をユーザが姿勢を変えずに視線移動だけで見ることができる拡張画面投影装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る拡張画面投影装置の概略的な構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る拡張画面投影装置の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る拡張画面投影装置の動作を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る拡張画面投影装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0011】
(第1の実施形態)
まず、図1及び図2を用いて、第1の実施形態に係る拡張画面投影装置1の構成を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る拡張画面投影装置1の概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように、拡張画面投影装置1は、例えば小型プロジェクタである。拡張画面投影装置1は、第1映像Xを画面に表示するPC(Personal Computer)などの表示装置2と共に用いられ、表示装置2の拡張画面として第2映像Yを表示装置2の近傍の面の所定領域に投影する。なお、第1映像Xと第2映像Yは、同じ映像でもよいし異なる映像でもよい。図1の一例に示すように、拡張画面投影装置1は、表示装置2の側部に設置される。この際、拡張画面投影装置1の第2映像Yを投影する投影部は、下向きに設けられ、前後左右へ投影方向を変更でき、第2映像Yを表示装置2の載置される机などの載置面の所定領域に投影する。拡張画面投影装置1は、第2映像Yがユーザから見えるのであれば表示装置2から離れた箇所に設置されていてもよい。また、拡張画面投影装置1は、投影方向を変更し、第2映像Yをユーザから見て表示装置2の先にある壁などに投影してもよい。
【0012】
図2は、第1の実施形態に係る拡張画面投影装置1の具体的な構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、拡張画面投影装置1は、認証部11、映像サイズ決定部12、投影方向決定部13、検出部14、視野範囲推定部15、物体検出部16、投影可能範囲算出部17、視線方向推定部18、投影領域算出部19、投影部110、補正部111及び記憶部112を備える。
【0013】
認証部11は、ユーザの認証を行う。例えば、認証部11は、拡張画面投影装置1又は表示装置2が備えるカメラによって撮影されたユーザの顔画像に基づいて、ユーザの認証を行う。また、認証部11は、ユーザの設定したパスワードやユーザの指紋等に基づいて、ユーザの認証を行ってもよい。認証部11は、表示装置2からユーザの認証結果を受信するようにしてもよい。
【0014】
映像サイズ決定部12は、投影する映像のサイズ(以下、映像投影サイズ)を決定する。具体的には、映像サイズ決定部12は、ユーザの入力に基づいて、映像投影サイズを決定する。なお、映像サイズ決定部12は、決定された映像投影サイズをユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶してもよい。
【0015】
投影方向決定部13は、映像を投影する方向(以下、映像投影方向)を決定する。具体的には、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が表示装置2の左右いずれかに設置されたかの判定結果に基づいて、映像投影方向を左右いずれかに決定する。例えば、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が備えるカメラ(不図示)によって撮影された画像に映る情報に基づいて、拡張画面投影装置1が表示装置2の左右いずれかに設置されたかを判定する。カメラによって撮影された画像に映る情報とは、ユーザの顔の位置などの情報、表示装置2と接続するキーボードの情報、表示装置2の角に当たる位置の情報、表示装置2の載置面上の物体の情報や凹凸の情報である。また、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1に内蔵された重りの位置(ジャイロセンサーなどの検出結果)に基づいて、拡張画面投影装置1が表示装置2の左右いずれかに設置されたかを判定するようにしてもよい。そして、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が表示装置2の左側に設置されたと判定した場合、映像投影方向を表示装置2の左側にする。一方、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が表示装置2の右側に設置されたと判定した場合、映像投影方向を表示装置2の右側にする。なお、投影方向決定部13は、決定された映像投影方向をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶してもよい。
【0016】
検出部14は、ユーザの姿勢及び目の位置を検出する。具体的には、検出部14は、拡張画面投影装置1が備えるカメラ(不図示)によって撮影された画像からユーザの姿勢及び目の位置を検出する。ここで、目の位置とは、目全体の位置に対する瞳孔(黒目)の位置や目頭の位置などを意味する。また、検出部14は、表示装置2が備えるカメラによって撮影された画像からユーザの姿勢及び目の位置を検出してもよい。検出部14は、拡張画面投影装置1や表示装置2と異なる他の装置が備えるカメラによって撮影された画像からユーザの姿勢及び目の位置を検出してもよい。
【0017】
視野範囲推定部15は、ユーザの姿勢及び目の位置に基づいて、ユーザが姿勢(顔の向き)を保持したままで見える視野範囲を推定する。一般的に、視野とは1点を注視したときに眼球を動かさずに見ることのできる範囲を意味するが、本実施形態の説明において、視野範囲は、ユーザが頭部を動かさずに眼球のみを動かして見える範囲を意味するものとする。言い換えると、視野範囲はユーザが姿勢を保持したままユーザの視線が移動可能な範囲で見える範囲である。なお、視野範囲推定部15は、推定された視野範囲をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶してもよい。視野範囲を設定する際の姿勢の保持の度合いは、ある程度の許容範囲を有していてもよい。
【0018】
物体検出部16は、視野範囲内に存在する物体を検出する。検出される物体は、投影において障害となる例えば、ケーブル類やマウスなどの障害物である。例えば、物体検出部16は、拡張画面投影装置1が備えるカメラ(不図示)によって撮影された画像を用いて、画像認識によって視野範囲内に存在する物体を検出する。なお、物体検出部16は、投影される映像に表示された資料の一部を指差ししている指は物体として検出しなくてもよい。また、物体検出部16は、複数の物体を検出してもよい。なお、物体検出部16は、視野範囲内に存在する物体の検出結果をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶してもよい。また、物体検出部16は、記憶部112に記憶されたユーザの過去の視野範囲を用いて、視野範囲内に存在する物体を検出してもよい。物体検出部16は、さらに測距デバイスを有し、測距デバイスの検出結果に基づいて物体を検出してもよい。
【0019】
投影可能範囲算出部17は、視野範囲内において検出された物体を含まないように映像の投影可能範囲を算出する。具体的には、投影可能範囲算出部17は、物体の存在する範囲を投影不可範囲とし、視野範囲において投影不可範囲以外の範囲を投影可能範囲として算出する。なお、投影可能範囲算出部17は、算出された投影可能範囲をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶してもよい。また、投影可能範囲算出部17は、記憶部112に記憶されたユーザの過去の視野範囲内に存在する物体の検出結果を用いて、映像の投影可能範囲を算出してもよい。
【0020】
視線方向推定部18は、検出部14によって検出されたユーザの目の位置に基づいて、ユーザの視線方向を推定する。
【0021】
投影領域算出部19は、推定されたユーザの視線方向に基づいて、投影可能範囲内において投影領域を算出する。具体的には、投影領域算出部19は、推定されたユーザの視線方向に基づいて、投影可能範囲内においてユーザの視線方向が表示装置2の表示領域から移動する移動量が最小になるような映像の投影領域を算出する。この際、投影領域算出部19は、映像サイズ決定部12によって決定された映像投影サイズに基づいて、投影可能範囲内に映像が収まるような投影領域を算出する。なお、投影領域算出部19は、算出された投影領域をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶してもよい。また、投影領域算出部19は、記憶部112に記憶された過去のユーザの投影可能範囲や映像投影サイズを用いて投影領域を算出してもよい。
【0022】
投影部110は、投影領域に表示装置2の拡張画面の映像を投影する。ここで、投影部110は、決定された映像投影サイズ及び映像投影方向に基づいて映像を投影する。なお、投影部110は、記憶部112に記憶された過去のユーザの映像投影サイズ、映像投影方向又は投影領域を用いて映像を投影してもよい。
【0023】
補正部111は、投影された映像の投影される映像の歪みや焦点を補正する。具体的には、補正部111は、投影された映像の投影枠中心とユーザの視線の俯角とを算出し、その情報に基づいて映像を調整し、映像を投影する際に台形補正などで補正する。
【0024】
記憶部112は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部112は、ユーザの認証情報に映像投影サイズ、映像投影方向、視野範囲、視野範囲内に存在する物体の検出結果、投影可能範囲及び投影領域のいずれかを紐づけて記憶する。
【0025】
続いて、図3及び図4を用いて、第1の実施形態に係る拡張画面投影装置1の動作を説明する。図3及び図4は、第1の実施形態に係る拡張画面投影装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0026】
図3に示すように、まず、拡張画面投影装置1の認証部11は、ユーザの認証を行う(ステップS101)。次に、映像サイズ決定部12は、映像投影サイズを決定する(ステップS102)。次に、投影方向決定部13は、映像投影方向を決定する(ステップS103)。具体的には、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が表示装置2の左右いずれかに設置されたかの判定結果に基づいて、映像投影方向を左右いずれかに決定する。そして、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が表示装置2の左側に設置されたと判定した場合、映像投影方向を表示装置2の左側にする。一方、投影方向決定部13は、拡張画面投影装置1が表示装置2の右側に設置されたと判定した場合、映像投影方向を表示装置2の右側にする。
【0027】
次に、検出部14は、ユーザの姿勢及び目の位置を検出する(ステップS104)。次に、視野範囲推定部15は、ユーザの姿勢及び目の位置の位置に基づいて、ユーザが姿勢を保持したままで見える視野範囲を推定する(ステップS105)。
【0028】
次に、物体検出部16は、視野範囲内に存在する物体を検出する(ステップS106)。次に、投影可能範囲算出部17は、視野範囲内において検出された物体を含まないように映像の投影可能範囲を算出する(ステップS107)。具体的には、投影可能範囲算出部17は、物体の存在する範囲を投影不可範囲とし、視野範囲において投影不可範囲以外の範囲を投影可能範囲として算出する。
【0029】
次に、検出部14は、ユーザの目の位置を検出する(ステップS108)。検出部14は、ステップS104で検出されたユーザの目の位置を用いてもよい。次に、視線方向推定部18は、ユーザの目の位置に基づいて、ユーザの視線方向を推定する(ステップS109)。次に、投影領域算出部19は、推定されたユーザの視線方向に基づいて、投影可能範囲内において投影領域を算出する(ステップS110)。具体的には、投影可能範囲算出部17は、視野範囲内において検出された物体を含まないように映像の投影可能範囲を算出し、投影領域算出部19は、推定されたユーザの視線方向に基づいて、投影可能範囲内においてユーザの視線方向が表示装置2の表示領域から移動する移動量が最小になるような映像の投影領域を算出する。ここで、投影領域算出部19は、決定された映像投影サイズに基づいて、投影可能範囲内に映像が収まるような投影領域を算出する。
【0030】
次に、投影部110は、投影領域に映像を投影する(ステップS111)。ここで、投影部110は、決定された映像投影サイズ及び映像投影方向に基づいて映像を投影する。次に、補正部111は、投影される映像の歪みや焦点を補正する(ステップS112)。
【0031】
上述したように、第1の実施形態に係る拡張画面投影装置1の検出部14は、ユーザの姿勢と目の位置とを検出する。視野範囲推定部15は、姿勢と目の位置とに基づいて、ユーザが姿勢を保持したままで見える視野の範囲(視野範囲)を推定する。投影領域算出部19は、視野範囲内において前記表示装置の表示領域とは異なる領域である投影領域を算出する。投影部110は、投影領域に表示装置2の拡張画面の映像を投影する。よって、拡張画面投影装置1では、表示装置2の表示領域を見ていたユーザが表示装置2の拡張画面の映像を見る際に、ユーザが姿勢を変えずに視線移動だけで見ることができる。したがって、ユーザは拡張画面の映像を見やすくなる。
【0032】
また、拡張画面投影装置1の視線方向推定部18は、ユーザの姿勢と目の位置とに基づいて、ユーザの視線方向を推定する。投影領域算出部19は、ユーザが表示装置2の拡張画面の映像を見る際に視線方向の移動量が最小となる投影領域を算出する。そうすることで、拡張画面投影装置1は、投影する拡張画面の映像を、ユーザの視線方向付近に投影できる。したがって、ユーザは拡張画面の映像を見やすくなる。
【0033】
また、拡張画面投影装置1の物体検出部16は、視野範囲推定部15によって推定された視野範囲内に存在する物体を検出する。投影可能範囲算出部17は、視野範囲内において検出された物体を含まない投影可能範囲を算出する。投影領域算出部19は、投影可能範囲内において投影領域を算出する。そうすることで、拡張画面投影装置1では、投影する拡張画面の映像を、表示装置2の載置面上のマウスなどの物体を避けて投影できる。したがって、ユーザは拡張画面の映像を見やすくなる。
【0034】
(変形例)
変形例として、図3及び図4に示すように、拡張画面投影装置1は、上述のステップS112の後、物体検出部16によって視野範囲内に存在する物体の移動が検出された場合、ステップS106~ステップS112の処理を再度行ってもよい。そうすることで、物体が移動した場合でも、投影する拡張画面の映像を、表示装置2の載置面上のマウスなどの物体を避けて常に投影できる。
【0035】
また、図3及び図4に示すように、拡張画面投影装置1は、ステップS112の後、検出部14によってユーザの目の位置の移動が検出された場合、ステップS108~ステップS112の処理を再度行ってもよい。そうすることで、ユーザの視線方向が移動した場合でも、投影する拡張画面の映像を、ユーザの視線方向付近に常に投影できる。
【0036】
また、図3及び図4に示すように、拡張画面投影装置1の認証部11は、ステップS101で、ユーザの認証を行う。ステップS110では上述の処理に加え、投影領域算出部19は、投影領域を算出した後、算出された投影領域をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶する。ステップS112の後、ユーザが再度、拡張画面投影装置1を利用する場合には、拡張画面投影装置1は次の処理を行う。拡張画面投影装置1の認証部11は、ユーザを認証する。次に、投影部110は、記憶部112に記憶されたユーザの認証情報に対応する投影領域に映像を投影する。次に、補正部111は、投影される映像の歪みや焦点を補正する。つまり、拡張画面投影装置1は、ユーザの過去の履歴に基づいて、拡張画面の映像を投影する。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0037】
また、図3及び図4に示すように、拡張画面投影装置1の認証部11は、ステップS101で、ユーザの認証を行う。ステップS107では上述の処理に加え、投影可能範囲算出部17は、投影可能範囲を算出した後、算出された投影可能範囲をユーザの認証情報に紐づけて記憶部112に記憶する。ステップS112の後、ユーザが再度、拡張画面投影装置1を利用する場合には、拡張画面投影装置1は次の処理を行う。拡張画面投影装置1の認証部11は、ユーザを認証する。次に、検出部14は、ユーザの目の位置を検出する。次に、視線方向推定部18は、ユーザの目の位置に基づいて、ユーザの視線方向を推定する。次に、投影領域算出部19は、推定されたユーザの視線方向に基づいて、記憶部112に記憶されたユーザの認証情報に対応する投影可能範囲内において投影領域を算出する。次に、投影部110は、投影領域に映像を投影する。次に、補正部111は、投影される映像の歪みや焦点を補正する。つまり、拡張画面投影装置1は、ユーザの過去の履歴に基づいて、拡張画面の映像を投影する。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0038】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0039】
<ハードウェア構成>
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置及び各機能(処理)を、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及び記憶装置であるメモリを有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、メモリに実施形態における方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、メモリに格納されたプログラムをプロセッサで実行することにより実現してもよい。
【0040】
これらのプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【符号の説明】
【0041】
1 拡張画面投影装置
2 表示装置
11 認証部
12 映像サイズ決定部
13 投影方向決定部
14 検出部
15 視野範囲推定部
16 物体検出部
17 投影可能範囲算出部
18 視線方向推定部
19 投影領域算出部
110 投影部
111 補正部
112 記憶部
図1
図2
図3
図4