(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141151
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】変色性布帛及びそれを用いた変色性通電装置
(51)【国際特許分類】
D06M 11/79 20060101AFI20241003BHJP
D02G 3/38 20060101ALI20241003BHJP
D06M 15/564 20060101ALI20241003BHJP
D03D 1/00 20060101ALI20241003BHJP
D03D 15/47 20210101ALI20241003BHJP
D03D 15/533 20210101ALI20241003BHJP
D03D 15/547 20210101ALI20241003BHJP
【FI】
D06M11/79
D02G3/38
D06M15/564
D03D1/00 Z
D03D15/47
D03D15/533
D03D15/547
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052642
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中島 明雄
(72)【発明者】
【氏名】梅本 寛
(72)【発明者】
【氏名】梨原 剛
(72)【発明者】
【氏名】安井 祥悠
【テーマコード(参考)】
4L031
4L033
4L036
4L048
【Fターム(参考)】
4L031AA14
4L031AA25
4L031AB01
4L031AB21
4L031BA19
4L033AA05
4L033AA09
4L033AB01
4L033AB03
4L033AC11
4L033CA50
4L036MA04
4L036MA39
4L036RA24
4L036UA06
4L036UA25
4L048AA04
4L048AA08
4L048AA09
4L048AA11
4L048AA12
4L048AA13
4L048AA20
4L048AA24
4L048AA52
4L048AA54
4L048AA56
4L048AB18
4L048AB19
4L048AC01
4L048AC13
4L048AC15
4L048BA01
4L048CA05
4L048CA07
4L048DA00
4L048DA13
(57)【要約】
【課題】 布帛としての柔軟性と風合いを有し、水の付着を変色と通電により確認することができる利便性に富む変色性布帛及びそれを用いた変色性通電装置を提供する。
【解決手段】 布帛を構成する糸の複数本が導電糸であり、且つ、導電糸は互いに交差してなり、前記交差する導電糸の両方又はいずれか一方は導電性の芯糸6と、芯糸の周囲を被覆する吸水性の被覆層7と、被覆層表面に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層8を設けた芯鞘糸である変色性布帛1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布帛を構成する糸の複数本が導電糸であり、且つ、導電糸は互いに交差してなり、前記交差する導電糸の両方又はいずれか一方は導電性の芯糸と、芯糸の周囲を被覆する吸水性の被覆層と、被覆層表面に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けた芯鞘糸である変色性布帛。
【請求項2】
前記被覆層と多孔質層の間に着色剤を含む着色層を設けてなる請求項1記載の変色性布帛。
【請求項3】
前記被覆層に着色剤を含有してなる請求項1記載の変色性布帛。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の変色性布帛と、通電により作動する装置とからなる変色性通電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変色性布帛及びそれを用いた変色性通電装置に関する。更に詳細には水の付着を変色と通電により確認することができる変色性布帛及びそれを用いた変色性通電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変色機能と通電機能を備えた変色体として、水変色層に2個以上の電極を設けた水変色通電作動玩具(例えば、特許文献1参照)、支持体表面に、低屈折率顔料を含有する多孔質層が設けられていると共に、前記多孔質層の一部に内在し、共存状態に導電性物質を含む導電性印刷像が配設されてなる通電性水変色体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-355451号公報
【特許文献2】特開2012-96481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記変色機能と通電機能を備えた変色体は、電極を設けたり、導電性印刷像を配設することで通電させることができるものの、布帛としての柔軟性や風合いを損なったり、指触により電極や導電性印刷像に触れて誤作動することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、布帛を構成する糸の複数本が導電糸であり、且つ、導電糸は互いに交差してなり、前記交差する導電糸の両方又はいずれか一方は導電性の芯糸と、芯糸の周囲を被覆する吸水性の被覆層と、被覆層表面に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けた芯鞘糸である変色性布帛を要件とする。
更には、前記被覆層と多孔質層の間に着色剤を含む着色層を設けてなること、前記被覆層に着色剤を含有してなること等を要件とする。
更には、前記変色性布帛と、通電により作動する装置とからなる変色性通電装置を要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、布帛としての柔軟性と風合いを有し、水の付着を変色と通電により確認することができる利便性に富む変色性布帛及びそれを用いた変色性通電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の変色性布帛の水が付着する前の状態を示す説明図である。
【
図2】本発明の変色性布帛の水が付着した後の状態を示す説明図である。
【
図3】本発明の変色性布帛の芯鞘糸の縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記変色性布帛は、一般的な非導電性布帛の一部に導電糸を複数本用いてなる。
前記導電糸は、互いに交差するように配置され、例えば、緯糸と経糸が導電糸により構成された布帛が挙げられ、より好ましくは、二本以上の導電糸からなる緯糸と、二本以上の導電糸からなる経糸が導電糸により構成された布帛が用いられる。
なお、前記非導電性布帛とは非導電糸のみで形成された布帛を指す。
前記非導電糸としては、公知の天然糸、合成糸が用いられ、綿糸、麻糸、絹糸、毛糸等の天然糸、レーヨン等の半合成繊維糸、ポリエステルやナイロン等の合成糸、これらを組み合わせた複合糸が用いられる。
【0009】
前記導電糸は、導電性の芯糸と、芯糸の周囲を被覆する吸水性の被覆層と、被覆層表面に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けた芯鞘糸を用いてなる。
前記導電糸の芯部を構成する芯糸としては、導電性を有する繊維であれば特に限定されるものではないが、銅、銅合金、鉄、ニッケル、銀等の金属糸や炭素糸、非導電性繊維の表面に銅、鉄、ニッケル等の金属をコーティングした糸等を挙げることができる。
【0010】
前記芯糸の周囲を被覆する吸水性の被覆層は、吸水性を有する材料であれば特に限定されるものでないが、多孔質樹脂、繊維、糸等の親水性や吸水性を有するものが用いられる。
前記吸水性を有する材料が糸の場合、芯糸の外面に巻き付けて構成することができ、芯糸の隙間が見えないように巻き付けることが好ましい。
前記被覆層は、着色剤を含有させることもできる。
前記着色剤としては、一般顔料、蛍光染料、蛍光顔料、可逆熱変色性組成物、可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が挙げられ、蛍光染料、蛍光顔料等の蛍光性着色剤を用いると色変化の明瞭性に優れ、可逆熱変色性組成物を用いると多彩な変化性を付与することができる。
前記可逆熱変色性組成物としては、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物が好適に用いられる。
【0011】
前記被覆層表面に設けられる多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4~1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
また、前記低屈折率顔料は二種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒子径は特に限定されるものではないが、0.03~10.0μmのものが好適に用いられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
また、前記多孔質層は、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
なお、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の低屈折率顔料を併用することもできる。
【0012】
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1~50g/m2であることが好ましく、より好ましくは、5~50g/m2である。1g/m2未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、また、50g/m2を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、被覆層表面に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5~2質量部であり、より好ましくは、0.8~1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が損なわれ易くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、二種以上を併用することもできる。また、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
なお、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
【0013】
前記吸水性の被覆層と多孔質層の間には着色層を設けることもでき、被覆層と同様の着色剤を用いることができる。
前記着色層を被覆層の全面に設ける場合は、水透過性を有するように構成され、被覆層に部分的に設ける場合は、その限りではない。
また、多孔質層中には、着色剤を添加して乾燥状態における多孔質層を着色することもでき、前記着色剤としては、被覆層と同様の着色剤を用いることができる。
【0014】
本発明の変色性布帛は、非導電糸からなる非導電性布帛の一部に導電糸を複数本用いてなり、前記導電糸は互いに交差してなる。
互いに交差する導電糸は、両方が芯鞘糸であってもよいし、いずれか一方が芯鞘糸であってもよい。
いずれか一方が芯鞘糸の場合、他方は銅、銅合金、鉄、ニッケル、銀等の金属糸や炭素糸、非導電性繊維の表面に銅、鉄、ニッケル等の金属をコーティングした糸が用いられる。
交差する導電糸は、織布の緯糸と経糸のように略直角に交差する構成が挙げられ、緯糸として二本以上の導電糸と、経糸として二本以上の導電糸を用いることが好ましく、より好ましくは、三本以上の導電糸と三本以上の導電糸を用いることが好ましい。
【0015】
前記布帛としては、織布、編布、組布、不織布等が用いられ、織布が好適に用いられる。
前記織布としては、平織、綾織、朱子織が挙げられる。
前記変色性布帛は、緯糸と経糸に非導電糸を用いると共に、緯糸に少なくとも一本以上の芯鞘糸を用いてなり、経糸に少なくとも一本以上の導電糸又は芯鞘糸を用いて、公知の織機により変色性布帛を製造することができる。
また、経糸に少なくとも一本以上の導電糸又は芯鞘糸を用いてなり、緯糸に芯鞘糸を用いて、公知の織機により変色性布帛を製造することもできる。
これとは別に、予め作製した非導電性布帛に芯鞘糸や導電糸を刺繍や貼り付けにより形成して変色性布帛を製造することもできる。
【0016】
前記変色性布帛は、被覆層表面に予め多孔質層を設けた芯鞘糸を用いて製造する他、導電性の芯糸と、芯糸の周囲を被覆する吸水性の被覆層を設けた糸を前述した非導電性布帛の一部に複数本用いて通電性布帛を形成した後、布帛表面に多孔質層を設けることにより変色性布帛を得ることもできる。
【0017】
前記変色性布帛の具体的な実施形態としては、例えば、ぬいぐるみ、人形、人形用ドレス等の人形用衣装、鞄等の人形用付属品、水鉄砲の標的、動物を模した模型、描画玩具、人間と人形の手形や足形等の形跡を現すボード等の玩具類、水筆シート等の教習具類、ドレス、水着等の衣類、靴類、鞄類、家具、造花等が挙げられる。
また、各種インジケーターとして適用することもでき、例えば、配管、パイプ、水槽、タンク等の液洩れ検知、布製身の回り品や家具の水濡れ検知、禁水性薬品の輸送や保管場所での水濡れ検知、結露、使い捨ておむつの尿の検知、土壌中の水分検知等が挙げられる。
前記変色性布帛に通電により作動する装置を組み合わせて変色性通電装置が得られる。
前記通電により作動する装置は、電源と、報知手段と、回路と、必要によりスイッチとからなる。
前記電源としては、外部電力をコンセントから供給したり、或いは、変色性布帛に設けた蓄電池(乾電池)、太陽電池等の電源を利用する方法が挙げられる。
前記報知手段としては、LEDや電球等の光源、スピーカー等の音源が挙げられる。
前記スピーカーは、音記憶回路に記憶された音を発する。前記音としては、人の声、動物の鳴き声、乗り物の音、音楽、メロディー、アラーム、或いはこれらを複合した音を例示できる。
前記スピーカーから音を発生させるための記憶回路を具体的に例示すると、回路基盤に少なくとも音を記憶する部分を有してなり、その他、回路全体の制御を行なう部分と、音を記憶する部分から読み出された音データを音信号に変換して出力してスピーカーに伝える部分を必要により有してなる。又、前記回路から音記憶部分を着脱自在にすることもでき、前記音記憶回路を取り替えることによって、様々な音を出力させることもできる。
【0018】
前記変色性布帛、変色性通電装置に水等の液体を付着させる手段としては、直接水中に浸漬したり、手や指を水で濡らして接触させる他、水付着具を適用することもできる。
前記水付着具としては、水鉄砲、噴霧機、先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する筆記又は塗布具、容器内に水を収容し、且つ、容器内の水を導出する繊維体や刷毛を設けた筆記又は塗布具、スタンプ具等が挙げられる。
なお、前記水付着具と、変色性布帛とを組み合わせて変色性布帛セットを構成したり、水付着具と、変色性通電装置とを組み合わせて変色性通電装置セットを構成することもでき、教習具セット、描画玩具セットとして用いることができる。
【実施例0019】
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
変色性布帛の作製(
図1乃至3参照)
緯糸としてナイロン糸(非導電糸2)、及び、銀糸(導電糸3)を用い、経糸としてナイロン糸(非導電糸4)、及び、芯鞘糸5(導電糸)を用いて、銀糸同士の間隔を10mm、芯鞘糸同士の間隔を20mmになるように平織を行なって変色性布帛1を得た。
なお、前記芯鞘糸は、芯糸6の銀糸外周面に青色の非導電性吸水繊維を被覆して被覆層7を設け、被覆層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層8を設けてなる。
前記変色性布帛1は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の被覆層の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により芯糸(銀糸)と、交差した緯糸の銀糸が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の青色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0020】
実施例2
変色性布帛の作製
緯糸として、ナイロン糸(非導電糸)、及び、銀糸表面を白色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設けた導電糸を用い、経糸としてナイロン糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)を用いて、導電糸同士の間隔を5mm、芯鞘糸同士の間隔を5mmになるように平織を行なって変色性布帛を得た。
なお、前記芯鞘糸は、芯糸の銀糸外周面に赤色の非導電性吸水繊維を被覆して被覆層を設け、被覆層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けてなる。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の被覆層の赤色が視認されると共に、被覆層は吸水により芯糸(銀糸)と、交差した緯糸の導電糸(吸液した被覆層を通して銀糸)が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の赤色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0021】
実施例3
変色性布帛の作製
緯糸として、ナイロン糸(非導電糸)、及び、銅糸(導電糸)を用い、経糸としてナイロン糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)を用いて、銅糸同士の間隔を10mm、芯鞘糸同士の間隔を5mmになるように平織を行なって変色性布帛を得た。
なお、前記芯鞘糸は、芯糸の銅糸外周面に白色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設け、被覆層上に緑色顔料1.0部、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE-220、日本シリカ工業(株)製〕10部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP-10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなる緑色インキを塗布し、乾燥硬化させて水透過性を有する着色層を形成し、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けてなる。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の着色層の緑色が視認されると共に、その下層の被覆層は吸水により芯糸(銅糸)と、交差した緯糸の銅糸が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の緑色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0022】
実施例4
変色性布帛の作製
緯糸として、ナイロン糸(非導電糸)、及び、銅糸表面に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けた導電糸を用い、経糸としてナイロン糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)用いて、導電糸同士の間隔を15mm、芯鞘糸同士の間隔を15mmになるように平織を行なって変色性布帛を得た。
なお、前記芯鞘糸は、芯糸の銅糸外周面に白色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設け、被覆層上にピンク色顔料1.0部、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE-220、日本シリカ工業(株)製〕10部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP-10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるピンク色インキを塗布し、乾燥硬化させて水透過性を有する着色層を形成し、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けてなる。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の着色層のピンク色が視認されると共に、その下層の被覆層は吸水により芯糸(銅糸)と、交差した緯糸の導電糸(吸液した被覆層を通して銅糸)が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層のピンク色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0023】
実施例5
変色性布帛の作製
緯糸として、ポリエステル糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)を用い、経糸としてポリエステル糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)を用いて、緯糸と経糸の各芯鞘糸同士の間隔を5mmになるように平織を行なって変色性布帛を得た。
なお、前記芯鞘糸は、芯糸の銀糸外周面に青色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設け、被覆層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けてなる。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の被覆層の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により緯糸の銀糸と、経糸の銀糸が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の青色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0024】
実施例6
変色性布帛の作製
緯糸として、ポリエステル糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)を用い、経糸としてポリエステル糸(非導電糸)、及び、芯鞘糸(導電糸)を用いて、緯糸と経糸の各芯鞘糸同士の間隔を20mmになるように平織を行なって変色性布帛を得た。
なお、前記芯鞘糸は、芯糸の銅糸外周面に白色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設け、被覆層上に緑色顔料1.0部、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE-220、日本シリカ工業(株)製〕10部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP-10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなる緑色インキを塗布し、乾燥硬化させて水透過性を有する着色層を形成し、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けてなる。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の着色層による緑色が視認されると共に、その下層の被覆層は吸水により緯糸の銅糸と、経糸の銅糸が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の緑色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0025】
実施例7
変色性布帛の作製
緯糸として、ナイロン糸(非導電糸)、及び、銀糸(導電糸)を用い、経糸してナイロン糸(非導電糸)、及び、銀糸外周面に青色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設けた導電糸を用いて、銀糸同士の間隔を10mm、導電糸同士の間隔を10mmになるように平織を行なって布帛を得た。
次いで、布帛表面に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けて変色性布帛を得た。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、多孔質層に水が浸透して透明化し、被覆層を設けた糸の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により緯糸の銀糸と、経糸の銀糸が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の青色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0026】
実施例8
変色性布帛の作製
緯糸として、ポリエステル糸(非導電糸)、及び、銀糸外周面に青色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設けた導電糸を用い、経糸としてポリエステル糸(非導電糸)、及び、銀糸の外周面に青色の非導電性吸水繊維で被覆して被覆層を設けた導電糸を用いて、導電糸同士の間隔を10mmになるように平織を行なって布帛を得た。
次いで、布帛表面に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE-200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW-930、DIC(株)製、固形分50%〕30部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色インキを塗布し、乾燥硬化させて多孔質層を設けて変色性布帛を得た。
前記変色性布帛は柔軟な風合いを有して乾燥状態では白色を呈しているが、布帛に水を付着させると、多孔質層に水が浸透して透明化し、被覆層を設けた糸の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により緯糸の銀糸と、経糸の銀糸が通電状態になる。
水が付着した状態では前記様相と通電状態を維持していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の青色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0027】
応用例1
変色性人形用衣装の作製
実施例1で得た変色性布帛を裁断、縫製して人形用衣装を得た。
なお、前記人形用衣装の銀糸と芯鞘糸が通電すると、通電を検知する回路とメロディーを報知するスピーカーと、電源が電気的に接続され、変色性通電装置を構成してなる。
前記人形用衣装は、乾燥状態では柔軟な風合いを有して白色を呈しているが、スプレーを用いて水を付着させると芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の被覆層の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により芯糸(銀糸)と、交差した緯糸の銀糸が通電状態になり、メロディーが報知される。
水が付着した状態では前記様相とメロディーを報知していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の青色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0028】
応用例2
変色性水濡れ検知シートの作製
実施例2で得た変色性布帛を裁断して水濡れ検知シートを得た。
なお、前記水塗れ検知シートは緯糸の導電糸と経糸の芯鞘糸が通電すると、通電を検知する回路とLED発光体と、電源が電気的に接続され、変色性通電装置を構成してなる。
前記水塗れ検知シートは、乾燥状態では柔軟な風合いを有して白色を呈しているが、水濡れが発生すると芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の被覆層の赤色が視認されると共に、被覆層は吸水により芯糸(銀糸)と、交差した緯糸の導電糸(吸液した被覆層を通して銀糸)が通電状態になり、LEDが発光する。
水が付着した状態では前記様相と発光していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の赤色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0029】
応用例3
変色性座面用カバーの作製
実施例3で得た変色性布帛を裁断、縫製して椅子の座面用カバーを得た。
なお、前記座面用カバーは緯糸の導電糸と経糸の芯鞘糸が通電すると、通電を検知する回路とLED発光体と、電源が電気的に接続され、変色性通電装置を構成してなる。
前記座面用カバーは、乾燥状態では柔軟な風合いを有して白色を呈しているが、飲料をこぼして水濡れが発生すると芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の着色層の緑色が視認されると共に、その下層の被覆層は吸水により芯糸(銅糸)と、交差した緯糸の銅糸が通電状態になり、LEDが発光する。
水が付着した状態では前記様相と発光していたが、乾燥するにつれて徐々に着色層の緑色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0030】
応用例4
変色性幼児用おむつの作製
実施例4で得た変色性布帛を裁断、縫製して幼児用おむつを得た。
なお、前記幼児用おむつの導電糸と芯鞘糸が通電すると、通電を検知する回路とアラームを報知するスピーカーと、電源が電気的に接続され、変色性通電装置を構成してなる。
前記幼児用おむつは、乾燥状態では柔軟な風合いを有して白色を呈しているが、放尿により尿が付着すると芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の着色層のピンク色が視認されると共に、その下層の被覆層は吸水により芯糸(銅糸)と、交差した緯糸の導電糸(吸液した被覆層を通して銅糸)が通電状態になり、アラームが報知される。
【0031】
応用例5
変色性描画玩具の作製
実施例5で得た変色性布帛を裁断、縫製して描画玩具を得た。
なお、前記描画玩具の芯鞘糸が通電すると、通電を検知する回路とメロディーを報知するスピーカーと、電源が電気的に接続され、変色性通電装置を構成してなる。
前記描画玩具は、乾燥状態では柔軟な風合いを有して白色を呈しているが、水を収容したペン形態の水付着具を用いて水を付着させると芯鞘糸の多孔質層に水が浸透して透明化し、下層の被覆層の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により緯糸の銀糸と、経糸の銀糸が通電状態になり、メロディーが報知される。
水が付着した状態では前記様相とメロディーを報知していたが、乾燥するにつれて徐々に被覆層の青色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、元の状態に戻った。
【0032】
応用例6
変色性ベッド用シーツの作製
実施例8で得た変色性布帛を裁断、縫製してベッド用シーツを得た。
なお、前記ベッド用シーツは緯糸の芯鞘糸が通電すると、通電を検知する回路とLED発光体と、電源が電気的に接続され、変色性通電装置を構成してなる。
前記ベッド用シーツは、乾燥状態では柔軟な風合いを有して白色を呈しているが、放尿により尿が付着すると多孔質層に水が浸透して透明化し、被覆層を設けた糸の青色が視認されると共に、被覆層は吸水により緯糸の銀糸と、経糸の銀糸が通電状態になり、LEDが発光する。
尿が付着した状態では前記様相と発光していたが、取り外したベッド用シーツを洗濯した後、乾燥させることで着色層の緑色は視認されなくなると共に、非通電状態となり、初期の状態にすることができた。