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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141161
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】制御装置及び飛行体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20241003BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20241003BHJP
   B64C 27/24 20060101ALI20241003BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 P
H02J7/34 C
H02H7/18
B64C27/24
B64D27/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052652
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】内田 健太
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA01
5G053BA01
5G053CA04
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA08
5G503FA06
5G503FA17
(57)【要約】
【解決手段】飛行体12の電力システム28は、VTOLモータ54とクルーズモータ56とを含む電気負荷38、44に電力を供給し得る。制御装置10は、取得部86と、発電電力P1と回生電力P2、P3との和から消費電力P4~P7を減じた余剰電力P8が、最大入力可能電力より大きくなる状態である電力余剰状態が生じ得るか否かを判定する判定部88と、電力余剰状態が生じ得ると判定部が判定した場合に、クルーズモータにおける運転効率を低下させることにより消費電力を増加させる消費電力増加制御を実行し得る制御部90と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体に上方向の推力を発生させるVTOLロータを駆動するVTOLモータと、前記飛行体に水平方向の推力を発生させるクルーズロータを駆動するクルーズモータとを含む電気負荷に電力を供給し得る電力システムが備えられた前記飛行体を制御する制御装置であって、
前記電力システムは、エンジンの駆動によって発電する発電機と、前記発電機から出力される電力を前記電気負荷に供給し得る電力供給回路と、前記電力供給回路に接続されたバッテリと、を備え、
前記発電機が発電する電力である発電電力を示す情報と、前記VTOLモータから前記電力供給回路に供給されることが見込まれる電力である回生電力を示す情報と、前記バッテリに対して入力可能な電力の最大値である最大入力可能電力を示す情報と、前記電気負荷によって消費されることが見込まれる電力である消費電力を示す情報とを取得する取得部と、
前記発電電力と前記回生電力との和から前記消費電力を減じた余剰電力が、前記最大入力可能電力より大きくなる状態である電力余剰状態が生じ得るか否かを判定する判定部と、
前記電力余剰状態が生じ得ると前記判定部が判定した場合に、前記クルーズモータにおける運転効率を低下させることにより前記消費電力を増加させる消費電力増加制御を実行し得る制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記回生電力は、前記VTOLモータの駆動を停止させる時に前記VTOLモータから前記電力供給回路に供給されることが見込まれる電力である、制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記電気負荷は、前記VTOLモータを複数有し、
前記制御装置は、
複数の前記VTOLモータを1つずつ順次停止させる順次停止制御を行う場合に想定される前記飛行体の飛行状態を演算する飛行状態演算部と、
前記飛行状態演算部により演算された前記飛行状態が予め決定された許容範囲内にあるか否かを判定する飛行状態判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記飛行状態が前記許容範囲内にあると前記飛行状態判定部が判定した場合に、前記順次停止制御を実行し、前記飛行状態が前記許容範囲内にないと前記飛行状態判定部が判定した場合に、複数の前記VTOLモータの駆動を同時に停止させる同時停止制御を実行する、制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記同時停止制御を実行する場合に、前記消費電力増加制御を実施し得る、制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記判定部は、前記消費電力増加制御のみを実行した場合に前記電力余剰状態が解消され得るか否かを判定し、
前記制御部は、前記消費電力増加制御のみでは前記電力余剰状態が解消され得ないと前記判定部が判定した場合に、複数の前記VTOLモータの少なくともいずれか1つの電力損失を増加させることにより前記回生電力を低下させる回生電力低下制御を実行し得る、制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御装置を備える、飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する電動化技術に関する研究開発が行われている。
【0003】
飛行体の電力システムは、内燃機関によって駆動される発電機と、バッテリと、VTOLロータを駆動するVTOLモータと、クルーズロータを駆動するクルーズモータと、を有する(例えば、特許文献1参照)。VTOLロータは、飛行体に上方向の推力を発生させる。クルーズロータは、飛行体に水平方向の推力を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10131426号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飛行体の電力制御を良好に行い得る制御装置及び飛行体が求められている。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、飛行体に上方向の推力を発生させるVTOLロータを駆動するVTOLモータと、前記飛行体に水平方向の推力を発生させるクルーズロータを駆動するクルーズモータとを含む電気負荷に電力を供給し得る電力システムが備えられた前記飛行体を制御する制御装置であって、前記電力システムは、エンジンの駆動によって発電する発電機と、前記発電機から出力される電力を前記電気負荷に供給し得る電力供給回路と、前記電力供給回路に接続されたバッテリと、を備え、前記発電機が発電する電力である発電電力を示す情報と、前記VTOLモータから前記電力供給回路に供給されることが見込まれる電力である回生電力を示す情報と、前記バッテリに対して入力可能な電力の最大値である最大入力可能電力を示す情報と、前記電気負荷によって消費されることが見込まれる電力である消費電力を示す情報とを取得する取得部と、前記発電電力と前記回生電力との和から前記消費電力を減じた余剰電力が、前記最大入力可能電力より大きくなる状態である電力余剰状態が生じ得るか否かを判定する判定部と、前記電力余剰状態が生じ得ると前記判定部が判定した場合に、前記クルーズモータにおける運転効率を低下させることにより前記消費電力を増加させる消費電力増加制御を実行し得る制御部と、を備える、制御装置である。
【0008】
本発明の他の態様は、上述した制御装置を備える、飛行体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、飛行体の電力制御を良好に行い得る制御装置及び飛行体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、飛行体の模式図である。
図2図2は、電力システムの構成を示す図である。
図3図3は、制御装置を示すブロック図である。
図4図4は、飛行体の制御を示すフローチャートである。
図5図5は、同時停止制御を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、同時停止制御の際の電力の流れを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る制御装置10及び飛行体12について図面を用いて以下に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る飛行体12は、例えば電動垂直離着陸機(eVTOL:Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft)であるが、これに限定されない。飛行体12は、例えばハイブリッド航空機である。
【0012】
飛行体12は、機体14と、前翼16と、後翼18と、左ブーム20と、右ブーム22と、8つのVTOLロータ24と、2つのクルーズロータ26と、電力システム28とを有する。機体14は、前後方向に延在している。
【0013】
前翼16は、機体14の重心Gよりも前方に取り付けられる。後翼18は、機体14の重心Gよりも後方に取り付けられる。左ブーム20及び右ブーム22の各々は、機体14の前後方向に沿って延在している。左ブーム20は、機体14の重心Gよりも左方向において、前翼16と後翼18とを繋ぐ。右ブーム22は、機体14の重心Gよりも右方向において、前翼16と後翼18とを繋ぐ。
【0014】
VTOLロータ24は、飛行体12に上方向(鉛直上方)の推力を発生させる。VTOLロータ24は、垂直離陸から巡航への移行時、巡航時、巡航から垂直着陸への移行時等において使用される。
【0015】
8つのVTOLロータ24は、機体14の重心Gに対して点対称に配置されている。換言すれば、8つのVTOLロータ24は、機体14の左右方向の中心線Aに対して線対称に配置されている。なお、8つのVTOLロータ24は、機体14の重心Gに対して点対称に配置されなくてもよい。VTOLロータ24の数及び位置等は、適宜設定可能である。
【0016】
8つのVTOLロータ24は、第1VTOLロータ24a、第2VTOLロータ24b、第3VTOLロータ24c、第4VTOLロータ24d、第5VTOLロータ24e、第6VTOLロータ24f、第7VTOLロータ24g及び第8VTOLロータ24hである。左ブーム20には、前方から順に、第1VTOLロータ24a、第3VTOLロータ24c、第5VTOLロータ24e及び第7VTOLロータ24gが配置されている。右ブーム22には、前方から順に、第2VTOLロータ24b、第4VTOLロータ24d、第6VTOLロータ24f及び第8VTOLロータ24hが配置されている。
【0017】
クルーズロータ26は、飛行体12に水平方向の推力を発生させる。クルーズロータ26は、垂直離陸から巡航への移行時、巡航時、巡航から垂直着陸への移行時等において使用される。クルーズロータ26は、機体14の後端部に設けられている。
【0018】
2つのクルーズロータ26は、第1クルーズロータ26aと、第2クルーズロータ26bとである。第1クルーズロータ26aと第2クルーズロータ26bとは、機体14の左右方向に並設されている。第1クルーズロータ26aと第2クルーズロータ26bとは、機体14の左右方向の中心線Aに対して線対称に配置されている。
【0019】
電力システム28は、機体14の内部に設けられる。図2に示すように、電力システム28は、第1推進システム30と、第2推進システム32とを備える。第1推進システム30は、発電モジュール34と、第1電力供給回路36と、第1電気負荷38と、第1電力機器40と、第2電力供給回路42と、第2電気負荷44と、第2電力機器46とを有する。
【0020】
発電モジュール34は、エンジン48と、発電機50と、パワーコントロールユニット52とを含む。以下、パワーコントロールユニット52を「PCU52」と称呼する。エンジン48は、例えば、ガスタービンエンジンであるがこれに限定されない。発電機50は、エンジン48に連結されている。発電機50は、エンジン48の駆動によって発電する。PCU52は、発電機50から入力された三相交流の電力を直流の電力に変換して出力する。
【0021】
第1電力供給回路36は、発電モジュール34と第1電気負荷38とを接続する。第1電力供給回路36は、発電機50が発電した電力を第1電気負荷38に供給し得る。第1電気負荷38は、2つのVTOLモータ54と、1つのクルーズモータ56とを有する。なお、第1電気負荷38は、キャビンの空調装置等を含んでもよい。
【0022】
VTOLモータ54は、VTOLロータ24を回転させる。VTOLモータ54は、三相モータである。1つのVTOLロータ24には、1つのVTOLモータ54が接続される。第1推進システム30の第1電気負荷38において、2つのVTOLモータ54のうちの一方は第1VTOLロータ24aに接続された第1VTOLモータ54aであり、他方は第8VTOLロータ24hに接続された第8VTOLモータ54hである。
【0023】
クルーズモータ56は、クルーズロータ26を回転させる。クルーズモータ56は、三相モータである。1つのクルーズロータ26には、2つのクルーズモータ56が接続される。なお、1つのクルーズロータ26には、クルーズモータ56が1つのみ接続されてもよい。換言すれば、クルーズモータ56は、左右のクルーズロータ26に1つずつの合計2つであってもよい。第1推進システム30の第1電気負荷38において、クルーズモータ56は、第1クルーズロータ26aに接続された第1クルーズモータ56aである。
【0024】
第1電力機器40は、第1電力供給回路36に設けられる。第1電力機器40は、3つのパワードライブユニット58と、1つのバッテリ60とを含む。以下、パワードライブユニット58をPDU58と称呼する。
【0025】
3つのPDU58は、2つのVTOLモータ54と1つのクルーズモータ56とにそれぞれ接続される。3つのPDU58は、互いに並列に接続される。PDU58は、複数のスイッチング素子を含む。スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等が挙げられる。PDU58は、直流電力と交流電力との変換を行い得る電気回路が備えられた電力変換装置である。すなわち、PDU58は、直流電力を交流電力に変換する機能と、交流電力を直流電力に変換する機能とを有する。
【0026】
第1VTOLモータ54aに接続されたPDU58は、第1VTOLモータ54aの駆動時に、第1電力供給回路36を介して供給される直流の電力を三相交流の電力に変換して第1VTOLモータ54aに出力する。第8VTOLモータ54hに接続されたPDU58は、第8VTOLモータ54hの駆動時に、第1電力供給回路36を介して供給される直流の電力を三相交流の電力に変換して第8VTOLモータ54hに出力する。また、第1VTOLモータ54aに接続されたPDU58は、第1VTOLモータ54aの回生時に、第1VTOLモータ54aからの三相交流の電力を直流の電力に変換して第1電力供給回路36に供給する。第8VTOLモータ54hに接続されたPDU58は、第8VTOLモータ54hの回生時に、第8VTOLモータ54hからの三相交流の電力を直流の電力に変換して第1電力供給回路36に供給する。第1クルーズモータ56aに接続されたPDU58は、第1クルーズモータ56aの駆動時に、第1電力供給回路36を介して供給される直流の電力を三相交流の電力に変換して第1クルーズモータ56aに出力する。
【0027】
バッテリ60は、3つのPDU58に対して並列に接続される。バッテリ60は、第1電力供給回路36を介して供給される電力を蓄える。また、バッテリ60は、必要に応じて第1電力供給回路36に電力を供給する。
【0028】
第2電力供給回路42は、発電モジュール34と第2電気負荷44とを接続する。第2電力供給回路42は、発電機50が発電した電力を第2電気負荷44に供給し得る。第2電力供給回路42は、第1電力供給回路36に接続されている。第2電気負荷44は、第1電気負荷38と同様に構成される。そのため、第2電気負荷44の詳細な構成の説明については省略する。
【0029】
なお、第1推進システム30の第2電気負荷44において、2つのVTOLモータ54のうちの一方は第4VTOLロータ24dに接続された第4VTOLモータ54dであり、他方は第5VTOLロータ24eに接続された第5VTOLモータ54eである。また、第1推進システム30の第2電気負荷44において、クルーズモータ56は、第2クルーズロータ26bに接続された第2クルーズモータ56bである。
【0030】
第2電力機器46は、第2電力供給回路42に設けられる。第2電力機器46は、第1電力機器40と同様に構成される。そのため、第2電力機器46の詳細な構成の説明については省略する。
【0031】
第2推進システム32は、第1推進システム30と同様に構成される。そのため、第2推進システム32の詳細な構成の説明については省略する。
【0032】
なお、第2推進システム32の第1電気負荷38において、2つのVTOLモータ54のうちの一方は第2VTOLロータ24bに接続された第2VTOLモータ54bであり、他方は第7VTOLロータ24gに接続された第7VTOLモータ54gである。また、第2推進システム32の第1電気負荷38において、クルーズモータ56は、第1クルーズロータ26aに接続された第1クルーズモータ56aである。
【0033】
第2推進システム32の第2電気負荷44において、2つのVTOLモータ54のうちの一方は第3VTOLロータ24cに接続された第3VTOLモータ54cであり、他方は第6VTOLロータ24fに接続された第6VTOLモータ54fである。また、第2推進システム32の第2電気負荷44において、クルーズモータ56は、第2クルーズロータ26bに接続された第2クルーズモータ56bである。
【0034】
第1電気負荷38及び第2電気負荷44におけるVTOLロータ24とクルーズロータ26との組み合わせは、適宜設定可能である。また、発電モジュール34は、第1電力供給回路36と第2電力供給回路42とに別々に設けられてもよい。この場合、電力システム28は、4つの発電モジュール34を備える。
【0035】
図示を省略しているが、電力システム28は、上述した構成要素以外に、例えば、スイッチ、抵抗、コイル、コンデンサ、各種センサ類、ヒューズ、リレー、ブレーカ、プリチャージ回路、DC-DCコンバータ等を備える。
【0036】
図3に示すように、飛行体12は、飛行体12の駆動を制御する制御装置10を備える。制御装置10は、演算部70と、記憶部72と、操作部74と、表示部76とを備える。演算部70は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ(processor)によって構成される。すなわち、演算部70は、処理回路(processing circuitry)によって構成される。
【0037】
演算部70は、算出部78と、スラスト指令値生成部80と、飛行状態演算部82と、飛行状態判定部84と、取得部86と、判定部88と、制御部90とを有する。算出部78と、スラスト指令値生成部80と、飛行状態演算部82と、飛行状態判定部84と、取得部86と、判定部88と、制御部90とは、記憶部72に記憶されているプログラムが演算部70によって実行されることによって実現され得る。なお、算出部78と、スラスト指令値生成部80と、飛行状態演算部82と、飛行状態判定部84と、取得部86と、判定部88と、制御部90とのうちの少なくとも一部が、制御装置10とは別個の制御装置に備えられていてもよい。
【0038】
なお、算出部78、スラスト指令値生成部80、飛行状態演算部82、飛行状態判定部84、取得部86、判定部88、制御部90の少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されるようにしてもよい。また、算出部78、スラスト指令値生成部80、飛行状態演算部82、飛行状態判定部84、取得部86、判定部88、制御部90の少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されるようにしてもよい。
【0039】
記憶部72は、不図示の揮発性メモリと、不図示の不揮発性メモリとによって構成される。揮発性メモリとしては、例えばRAM(Random Access Memory)等が挙げられる。揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして使用され、処理又は演算に必要なデータ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリとしては、例えばROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。不揮発性メモリは、保存用のメモリとして使用され、プログラム、テーブル、マップ等を記憶する。記憶部72の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。
【0040】
操作部74は、例えば、飛行体12の図示しないコックピットに設けられる。操作部74は、パイロットによって操作される。操作部74としては、操縦桿、スイッチ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
表示部76には、不図示の表示素子が備えられている。表示素子としては、例えば、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等が用いられる。このような表示素子が備えられた不図示のタッチパネルによって、操作部74と表示部76とが構成されるようにしてもよい。
【0042】
算出部78は、飛行体12の飛行指令値等を算出する。スラスト指令値生成部80は、飛行指令値に基づいて各VTOLロータ24に対するスラスト指令値と各クルーズロータ26に対するスラスト指令値を生成する。飛行状態演算部82は、飛行体12の飛行状態を演算する。飛行状態判定部84は、飛行状態演算部82で演算された飛行状態が予め決定された許容範囲内にあるか否かを判定する。取得部86は、種々の情報を取得する。判定部88は、所定の電力状態であるか否かを判定する。制御部90は、PDU58の動作を制御する。
【0043】
次に、本実施形態に係る制御装置10による飛行体12の制御について図4図6を用いて説明する。ここでは、垂直離陸状態から巡航状態に移行する際の飛行体12の制御について説明する。垂直離陸状態においては、例えば、8つのVTOLロータ24が駆動し且つ2つのクルーズロータ26の駆動が停止している。ここでは、垂直離陸状態から巡航状態に移行する際に、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hの駆動を適宜停止させると共に2つのクルーズロータ26を駆動させる場合を例に説明する。
【0044】
なお、駆動停止の対象となるVTOLロータ24は、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hに限定されない。飛行体12の重心Gに対して点対称に位置する一組のVTOLロータ24を停止させると、飛行体12の姿勢のバランスが崩れ難いため好適である。
【0045】
図4のステップS1において、算出部78は、操作部74に入力された情報に基づいて飛行体12の飛行状態を示す飛行指令値を算出する。飛行指令値は、飛行体12の姿勢を示す姿勢指令値である。なお、飛行指令値は、姿勢指令値に限定されず、飛行体12の速度を示す指令値であってもよいし、飛行体12の加速度を示す指令値であってもよい。この後、ステップS2に遷移する。
【0046】
ステップS2において、スラスト指令値生成部80は、飛行指令値に基づいて各VTOLロータ24に対するスラスト指令値と各クルーズロータ26に対するスラスト指令値とを生成する。ここでは、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hを停止させるため、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hの各々のスラスト指令値が0になる。この後、ステップS3に遷移する。
【0047】
ステップS3において、飛行状態演算部82は、順次停止制御を行う場合に想定される飛行体12の飛行状態を演算する。ここで、順次停止制御とは、複数のVTOLロータ24の駆動を1つずつ順番に停止させる制御をいう。つまり、ステップS3では、飛行状態演算部82は、第1VTOLロータ24aの駆動を停止させた後で第8VTOLロータ24hの駆動を停止させる場合に想定される飛行体12の姿勢を演算する。
【0048】
なお、ステップS3では、飛行状態演算部82は、駆動停止の対象とならないVTOLロータ24の回転数を調整した場合に想定される飛行体12の飛行状態を演算してもよい。つまり、飛行状態演算部82は、例えば、第1VTOLロータ24aの駆動を停止させると共に第2VTOLロータ24bの回転数を減少させた場合に想定される飛行体12の姿勢を演算してもよい。また、飛行状態演算部82は、例えば、第8VTOLロータ24hの駆動を停止させると共に第7VTOLロータ24gの回転数を減少させた場合に想定される飛行体12の姿勢を演算してもよい。この後、ステップS4に遷移する。
【0049】
ステップS4において、飛行状態判定部84は、飛行状態演算部82で演算された飛行状態が予め決定された許容範囲内にあるか否かを判定する。すなわち、飛行状態判定部84は、順次停止制御を行う場合に想定される飛行状態が予め決定された許容範囲内にあるか否かを判定する。例えば、飛行状態判定部84は、第1VTOLロータ24aの駆動を停止させた後で第8VTOLロータ24hの駆動を停止させる場合に想定される飛行体12の姿勢が許容範囲内にあるか否かを判定する。飛行状態が予め決定された許容範囲内にない場合(ステップS4:NO)、ステップS5に遷移する。飛行状態が予め決定された許容範囲内にある場合(ステップS4:YES)、ステップS6に遷移する。
【0050】
ステップS5において、制御部90は、同時停止制御を実行する。ここで、同時停止制御とは、複数のVTOLロータ24の駆動を同時に停止させる制御をいう。つまり、ステップS5の同時停止制御は、例えば、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hの駆動を同時に停止させる制御である。この場合、図5のステップS7に遷移する。
【0051】
ステップS7において、取得部86は、発電電力情報、回生電力情報、バッテリ情報、消費電力情報を取得する。図6に示すように、発電電力情報は、第1推進システム30において、発電機50が発電する電力である発電電力P1を示す情報である。
【0052】
回生電力情報は、第1推進システム30において、VTOLロータ24に最大の回生トルクが発生するようにVTOLモータ54を制御した場合にVTOLモータ54から第1電力供給回路36に供給されることが見込まれる電力である回生電力を示す情報である。すなわち、回生電力情報は、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hに最大の回生トルクが発生するように第1VTOLモータ54a及び第8VTOLモータ54hを制御した場合に、第1VTOLモータ54aから第1電力供給回路36に供給されることが見込まれる回生電力P2と第8VTOLモータ54hから第1電力供給回路36に供給されることが見込まれる回生電力P3とを合計した回生電力を示す情報である。
【0053】
バッテリ情報は、第1推進システム30において、バッテリ60に対して入力可能な電力の最大値である最大入力可能電力を示す情報である。最大入力可能電力として、充電可能電力容量と瞬間充電可能電力とが考慮され得る。充電可能電力容量は、バッテリ60の満充電容量から残容量を差し引いた電力容量である。より具体的には、最大入力可能電力は、第1推進システム30の各バッテリ60の充電可能電力容量を合計した電力容量である。取得部86は、各バッテリ60からの出力信号に基づいて充電可能電力容量を取得する。
【0054】
瞬間充電可能電力は、単位時間当たりにバッテリ60に入力できる電力の最大値である。瞬間充電可能電力は、バッテリ60の性能によって予め決定される数値であって記憶部72に記憶されている。取得部86は、記憶部72に記憶されている瞬間充電可能電力を取得する。
【0055】
消費電力情報は、第1推進システム30において、第1電気負荷38及び第2電気負荷44によって消費されることが見込まれる電力である消費電力を示す情報である。消費電力は、複数の消費電力P4~P7を含む。消費電力P4は、第1推進システム30の第1クルーズモータ56aを最適効率で駆動させた場合に消費されることが見込まれる消費電力である。消費電力P5は、第4VTOLモータ54dを最適効率で駆動させた場合に消費されることが見込まれる消費電力である。消費電力P6は、第5VTOLモータ54eを最適効率で駆動させた場合に消費されることが見込まれる消費電力である。消費電力P7は、第1推進システム30の第2クルーズモータ56bを最適効率で駆動させた場合に消費されることが見込まれる消費電力である。ステップS7の後、ステップS8に遷移する。
【0056】
VTOLモータ54の動作効率は、モータ電流の電流位相と出力トルクとの関係を示したグラフ等から求めることができる。クルーズモータ56の動作効率についても同様である。モータの動作効率に関する制御は、例えば、特許第4561616号公報に記載の方法を用いることができる。
【0057】
ステップS8において、判定部88は、電力余剰状態であるか否かを判定する。ここで、電力余剰状態とは、発電電力P1と回生電力P2、P3との和から消費電力P4~P7を減じた余剰電力P8が最大入力可能電力よりも大きくなる状態である。電力余剰状態ではないと判定部88が判定した場合(ステップS8:NO)、ステップS9に遷移する。電力余剰状態であると判定部88が判定した場合(ステップS8:YES)、ステップS10に遷移する。
【0058】
ステップS9において、制御部90は、通常停止制御を実行する。つまり、制御部90は、第1VTOLロータ24aに発生させる回生トルクが最大になるように第1VTOLモータ54aを制御すると共に第8VTOLロータ24hに発生させる回生トルクが最大になるように第8VTOLモータ54hを制御する。これにより、第1VTOLロータ24a及び第8VTOLロータ24hを効率よく同時に停止させることができる。なお、第1VTOLモータ54aから発生した回生電力P2と第8VTOLモータ54hから発生した回生電力P3とのうちの余剰電力は、バッテリ60に充電される。この後、図5の処理が完了すると共に図4の処理が完了する。
【0059】
ステップS10において、算出部78は、消費電力増加制御を実行した場合に想定される余剰電力P8を算出する。ここで、消費電力増加制御とは、クルーズモータ56の運転効率を低下させることにより消費電力を増加させる制御である。換言すれば、消費電力増加制御では、第1推進システム30において、第1クルーズモータ56aの運転効率を低下させて消費電力P4を増加させると共に第2クルーズモータ56bの運転効率を低下させて消費電力P7を増加させる。すなわち、消費電力増加制御では、制御部90は、PDU58の動作を制御することにより第1クルーズモータ56a及び第2クルーズモータ56bの運転効率を低下させる。なお、消費電力増加制御では、第1推進システム30において、第1クルーズモータ56a及び第2クルーズモータ56bのいずれか一方のみの運転効率を低下させてもよい。この後、ステップS11に遷移する。
【0060】
ステップS11において、判定部88は、消費電力増加制御のみによって電力余剰状態が解消され得るか否かを判定する。すなわち、判定部88は、算出部78が算出した余剰電力P8が最大入力可能電力よりも大きい場合には、消費電力増加制御のみによっては電力余剰状態が解消され得ないと判定し、算出部78が算出した余剰電力P8が最大入力可能電力以下である場合には、消費電力増加制御のみによって電力余剰状態が解消され得ると判定する。消費電力増加制御のみによって電力余剰状態が解消され得ると判定部88が判定した場合(ステップS11:YES)、ステップS12に遷移する。消費電力増加制御のみによっては電力余剰状態が解消され得ないと判定部88が判定した場合(ステップS11:NO)、ステップS13に遷移する。
【0061】
ステップS12において、制御部90は、消費電力増加制御を実行する。これにより、余剰電力P8が抑えられるため、最大入力可能電力よりも大きな電力がバッテリ60に入力されることを抑制できる。また、第1クルーズモータ56a及び第2クルーズモータ56bには、消費電力増加制御を実行しなかった場合と比較して多くの熱が発生する。そのため、第1クルーズロータ26a及び第2クルーズロータ26bを効率よく暖機することができる。この後、図5の処理が完了すると共に図4の処理が完了する。
【0062】
ステップS13において、制御部90は、消費電力増加制御と回生電力低下制御とを実行する。ここで、回生電力低下制御とは、VTOLモータ54の電力損失を増加させることにより回生電力を低下させる制御である。換言すれば、回生電力低下制御は、第1VTOLモータ54aから第1電力供給回路36に供給される回生電力P2と第8VTOLモータ54hから第1電力供給回路36に供給される回生電力P3とを低下させる。すなわち、制御部90は、PDU58の動作を適宜制御することにより第1VTOLモータ54a及び第8VTOLモータ54hの電力損失を増加させる。回生電力低下制御では、第1VTOLモータ54a及び第8VTOLモータ54hのいずれか一方のみの回生電力を低下させてもよい。
【0063】
ステップS13の処理によれば、回生電力P2、P3を低下させることにより余剰電力P8の発生が抑えられるため、最大入力可能電力よりも大きな電力がバッテリ60に入力されることを抑制できる。
【0064】
ステップS13では、必要に応じて、第4VTOLモータ54d及び第5VTOLモータ54eの少なくともいずれかの運転効率を低下させることにより消費電力P5、P6を増加させてもよい。この後、図5の処理が完了すると共に図4の処理が完了する。
【0065】
図4のステップS6において、制御部90は、順次停止制御を実行する。すなわち、制御部90は、PDU58の動作を制御して第1VTOLモータ54aの駆動を停止させた後で、PDU58を制御して第8VTOLモータ54hの駆動を停止させる。この場合、同時停止制御とは異なり、回生電力P2、P3が同時に生じないため、最大入力可能電力よりも大きい電力がバッテリ60に入力されることを抑制できる。この後、図4の処理が完了する。
【0066】
本実施形態において、駆動を停止させるVTOLモータ54の数は、1つ又は3つ以上であってもよい。また、複数のVTOLモータ54の駆動を停止させる場合、駆動を停止させるVTOLモータ54の組み合わせは適宜設定できる。さらに、本実施形態では、複数のVTOLロータ24を停止させる例に限定されず、複数のVTOLロータ24を減速させる場合にも適用できる。
【0067】
本実施形態によれば、電力余剰状態が生じ得る場合に消費電力増加制御を実行するため、バッテリ60に最大入力可能電力よりも大きな電力が入力されることを抑制できる。また、消費電力増加制御は、クルーズモータ56の運転効率を低下させることにより消費電力を増加させるため、クルーズモータ56から発生した熱によってクルーズロータ26を暖機できる。このように、本実施形態によれば、航空機の電力制御を良好に行い得る。
【0068】
上述した開示に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0069】
(付記1)
制御装置(10)は、飛行体(12)に上方向の推力を発生させるVTOLロータ(24)を駆動するVTOLモータ(54)と、前記飛行体に水平方向の推力を発生させるクルーズロータ(26)を駆動するクルーズモータ(56)とを含む電気負荷(38、44)に電力を供給し得る電力システム(28)が備えられた前記飛行体を制御する制御装置であって、前記電力システムは、エンジン(48)の駆動によって発電する発電機(50)と、前記発電機から出力される電力を前記電気負荷に供給し得る電力供給回路(36、42)と、前記電力供給回路に接続されたバッテリ(60)と、を備え、前記発電機が発電する電力である発電電力(P1)を示す情報と、前記VTOLモータから前記電力供給回路に供給されることが見込まれる電力である回生電力(P2、P3)を示す情報と、前記バッテリに対して入力可能な電力の最大値である最大入力可能電力を示す情報と、前記電気負荷によって消費されることが見込まれる電力である消費電力(P4~P7)を示す情報とを取得する取得部(86)と、前記発電電力と前記回生電力との和から前記消費電力を減じた余剰電力(P8)が、前記最大入力可能電力より大きくなる状態である電力余剰状態が生じ得るか否かを判定する判定部(88)と、前記電力余剰状態が生じ得ると前記判定部が判定した場合に、前記クルーズモータにおける運転効率を低下させることにより前記消費電力を増加させる消費電力増加制御を実行し得る制御部(90)と、を備える。
【0070】
このような構成によれば、電力余剰状態が生じ得る場合に消費電力増加制御を実行し得るため、バッテリに最大入力可能電力よりも大きな電力が入力されることを抑制できる。また、消費電力増加制御では、クルーズモータの運転効率を低下させることにより消費電力を増加させるため、クルーズモータから発生した熱によってクルーズロータを暖機できる。このように、航空機の電力制御を良好に行い得る。
【0071】
(付記2)
付記1に記載の制御装置において、前記回生電力は、前記VTOLモータの駆動を停止させる時に前記VTOLモータから前記電力供給回路に供給されることが見込まれる電力であってもよい。
【0072】
このような構成によれば、バッテリに最大入力可能電力よりも大きな電力が入力されることを抑制しつつVTOLモータの駆動を停止させることができる。
【0073】
(付記3)
付記2に記載の制御装置において、前記電気負荷は、前記VTOLモータを複数有し、前記制御装置は、複数の前記VTOLモータを1つずつ順次停止させる順次停止制御を行う場合に想定される前記飛行体の飛行状態を演算する飛行状態演算部(82)と、前記飛行状態演算部により演算された前記飛行状態が予め決定された許容範囲内にあるか否かを判定する飛行状態判定部(84)と、を備え、前記制御部は、前記飛行状態が前記許容範囲内にあると前記飛行状態判定部が判定した場合に、前記順次停止制御を実行し、前記飛行状態が前記許容範囲内にないと前記飛行状態判定部が判定した場合に、複数の前記VTOLモータの駆動を同時に停止させる同時停止制御を実行してもよい。
【0074】
このような構成によれば、飛行状態が許容範囲内にある場合に順次停止制御を実行できる。これにより、VTOLモータ及びクルーズモータの運転効率を低下させることなく、複数のVTOLモータの駆動を停止させることができる。そのため、電力の無駄が比較的少なくできる。また、飛行状態が許容範囲内にない場合に同時停止制御を実行できる。これにより、飛行状態を許容範囲内に維持しつつ複数のVTOLモータを確実に停止させることができる。
【0075】
(付記4)
付記3に記載の制御装置において、前記制御部は、前記同時停止制御を実行する場合に、前記消費電力増加制御を実施してもよい。
【0076】
このような構成によれば、バッテリに最大入力可能電力よりも大きな電力が入力されることを抑制しつつ複数のVTOLモータの駆動を停止させることができる。
【0077】
(付記5)
付記1に記載の制御装置において、前記判定部は、前記消費電力増加制御のみを実行した場合に前記電力余剰状態が解消され得るか否かを判定し、前記制御部は、前記消費電力増加制御のみでは前記電力余剰状態が解消され得ないと前記判定部が判定した場合に、複数の前記VTOLモータの少なくともいずれか1つの電力損失を増加させることにより前記回生電力を低下させる回生電力低下制御を実行してもよい。
【0078】
このような構成によれば、バッテリに最大入力可能電力よりも大きな電力が入力されることを一層抑制できる。
【0079】
(付記6)
飛行体(12)は、付記1~5のいずれか1つに記載の制御装置を備える。
【0080】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々
の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0081】
10…制御装置 12…飛行体
24…VTOLロータ 26…クルーズロータ
28…電力システム 48…エンジン
50…発電機 54…VTOLモータ
56…クルーズモータ 60…バッテリ
70…演算部 82…飛行状態演算部
84…飛行状態判定部 86…取得部
88…判定部 90…制御部
P1…発電電力 P2…回生電力
P3…回生電力 P4~P7…消費電力
P8…余剰電力
図1
図2
図3
図4
図5
図6