(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141198
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052710
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲崎▼ 潤也
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA02
2C333CA51
2C333CA53
2C333CA79
(57)【要約】
【課題】遊技興趣の向上が可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、非入球容易状態のひとつである非時短状態のときには、特別図柄をハズレ図柄A(時短ハズレの態様)で停止表示することに応じて、通常時短状態(時短状態C)にすることがある。さらに、特別図柄をハズレ図柄Bで停止表示することに応じて、微時短状態(時短状態CL)にすることがある。加えて、非時短状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(通常時短状態)の後、非時短状態とすることがある。演出制御用マイコン121は、非時短状態では、表示部50aにて、微時短状態よりも遊技者に有利であることを示唆可能な特
図1変動推奨演出を実行することがある。
【選択図】
図57
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報の変動表示と停止表示とを伴う図柄変動を実行可能であり、識別情報を特定態様で停止表示すると、開閉可能な可変入賞口の開放を伴う大当たり遊技状態とする遊技制御手段と、
表示部に画像を表示可能な画像表示手段を用いて演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
入球容易状態のときには、非入球容易状態のときよりも、前記始動口のひとつである可変始動口に遊技球が入球しやすい遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記非入球容易状態のひとつである第1非入球容易状態のときには、識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様のひとつである第1非特定態様で停止表示することに応じて、前記入球容易状態にすることがあり、
識別情報を前記第1非特定態様とは異なる前記非特定態様である第2非特定態様で停止表示することに応じて、前記第1非入球容易状態とは異なる前記非入球容易状態である第2非入球容易状態にすることがあり、
前記第1非入球容易状態と比べて遊技者に有利な有利遊技状態の後、前記第1非入球容易状態にすることがあり、
前記演出実行手段は、
前記第1非入球容易状態では、前記表示部に、前記第2非入球容易状態よりも遊技者に有利であることを示唆可能な特定画像を表示することがあることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2非入球容易状態では、前記特定画像を表示しないことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
電源投入後に前記第1非入球容易状態にすることがあり、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態の後の前記第1非入球容易状態では、前記特定画像を表示し、
前記電源投入後の前記第1非入球容易状態では、前記特定画像を表示しないことがあることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2非入球容易状態では、前記表示部に、背景画像として非特定背景画像を表示可能であり、
前記電源投入後の前記第1非入球容易状態において前記特定画像を表示しないときには、背景画像として前記非特定背景画像を表示することがあることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機には、例えば、時短状態と、非時短状態とに移行可能なものがある。そして、例えば、特許文献1に記載の遊技機では、時短状態においては、そのような状態を示唆可能な表示を行うようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように、遊技状態を示唆可能な遊技機においては、より興趣性を向上するため、改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、演出を通じて遊技興趣の向上が可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて識別情報の変動表示と停止表示とを伴う図柄変動を実行可能であり、識別情報を特定態様で停止表示すると、開閉可能な可変入賞口の開放を伴う大当たり遊技状態とする遊技制御手段と、
表示部に画像を表示可能な画像表示手段を用いて演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
入球容易状態のときには、非入球容易状態のときよりも、前記始動口のひとつである可変始動口に遊技球が入球しやすい遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記非入球容易状態のひとつである第1非入球容易状態のときには、識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様のひとつである第1非特定態様で停止表示することに応じて、前記入球容易状態にすることがあり、
識別情報を前記第1非特定態様とは異なる前記非特定態様である第2非特定態様で停止表示することに応じて、前記第1非入球容易状態とは異なる前記非入球容易状態である第2非入球容易状態にすることがあり、
前記第1非入球容易状態と比べて遊技者に有利な有利遊技状態の後、前記第1非入球容易状態にすることがあり、
前記演出実行手段は、
前記第1非入球容易状態では、前記表示部に、前記第2非入球容易状態よりも遊技者に有利であることを示唆可能な特定画像を表示することがあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、演出を通じて遊技興趣の向上が可能な遊技機が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。
【
図5】(A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。
【
図6】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】(A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。
【
図9】(A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。
【
図10】(A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。
【
図11】特
図1変動パターン判定テーブルの一例である。
【
図12】特
図2変動パターン判定テーブルの一例である。
【
図17】特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図18】特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。
【
図19】特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図23】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図24】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図25】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図26】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図27】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図28】(A)は第1実施形態に係る大当たり判定テーブルの例であり、(B)は第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの例であり、(C)は第1実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの例であり、(D)は第1実施形態に係るリーチ判定テーブルの例である。
【
図29】第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの例であり、大当たりの種類を説明する表である。
【
図30】第1実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの例であり、ハズレの種類を説明する表である。
【
図31】(A)は第1実施形態に係る普通図柄当たり判定テーブルの例であり、(B)は第1実施形態に係る普通図柄変動パターン判定テーブルの例であり、(C)は第1実施形態に係る電チューの開放パターン決定テーブルの例である。
【
図32】第1実施形態に係る非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルの例である
【
図33】第1実施形態に係る時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルの例である
【
図34】第1実施形態に係る時短状態C用の特図変動パターン判定テーブルの例である
【
図35】第1実施形態に係る時短状態CL用の特図変動パターン判定テーブルの例である
【
図36】第1実施形態に係る始動入賞コマンド特定テーブルの例である。
【
図37】第1実施形態に係る主制御メイン処理における電源投入時処理のフローチャートである。
【
図38】第1実施形態に係るセンサ検出処理のフローチャートである。
【
図39】第1実施形態に係るゲート通過処理のフローチャートである。
【
図40】第1実施形態に係る特別動作処理のフローチャートである。
【
図41】第1実施形態に係る特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図42】第1実施形態に係る大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図43】第1実施形態に係る変動パターン判定処理のフローチャートである。
【
図44】第1実施形態に係る特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図45】第1実施形態に係る特別図柄変動終了時遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図46】第1実施形態に係る特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図47】第1実施形態に係る特別図柄確定時遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図48】第1実施形態に係る特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図49】第1実施形態に係る遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図50】第1実施形態に係るサブ制御メイン処理における電源投入時処理のフローチャートである。
【
図51】第1実施形態に係る受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図52】第1実施形態に係る特
図1変動推奨表示処理のフローチャートである。
【
図53】第1実施形態に係る遊技フローを表す図である。
【
図54】第1実施形態に係る地上背景モードを説明する図である。
【
図55】第1実施形態に係る時短状態に係る演出モードを説明する図である。
【
図56】第1実施形態に係る発射基地背景モードを説明する図である。
【
図57】第1実施形態に係る発射基地背景モードからその後の演出の変遷を説明する図である。
【
図58】第2実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルの例であり、ハズレの種類を説明する表である。
【
図59】第2実施形態に係る始動入賞コマンド特定テーブルの例である。
【
図60】第2実施形態に係る遊技フローを表す図である。
【
図61】第3実施形態に係る特別図柄変動終了時遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図62】第3実施形態に係る特別図柄確定時遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図63】第3実施形態に係る遊技フローを表す図である。
【
図64】第4実施形態に係る賞球関連処理のフローチャートである。
【
図65】第4実施形態に係る未払出指標表示を説明する図である。
【
図66】第4実施形態に係る払出完了表示を説明する図である。
【
図67】第4実施形態に係る未払出指標表示、払出完了表示の他の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
【0010】
<基本実施形態>
後の第1実施形態以降にて、本発明の遊技機について説明するが、まず、その第1実施形態以降の基礎となる基本実施形態について説明する。基本実施形態では、パチンコ遊技機PY1について具体的に説明する。
【0011】
1.遊技機の構造
本形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について
図1~
図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
【0012】
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。透明板23tは、パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
【0013】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
【0014】
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。
【0015】
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
【0016】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0017】
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に
図2~
図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
【0018】
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
【0019】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲート13を通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
【0020】
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
【0021】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
【0022】
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)の抽選(後述の特
図1関係乱数の取得と判定:以下、「特
図1抽選」ともいう)および特
図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0023】
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
【0024】
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)の抽選(後述の特
図2関係乱数の取得と判定:以下、「特
図2抽選」ともいう)および特
図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
【0025】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0026】
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
【0027】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0028】
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0029】
ここで、
図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
【0030】
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
【0031】
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:
図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
【0032】
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:
図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
【0033】
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
【0034】
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
【0035】
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。
【0036】
また、
図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
【0037】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
【0038】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
【0039】
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0040】
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。
図4に示すように、表示器類8には、特
図1を可変表示する特
図1表示器81a、特
図2を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数(U1:特
図1表示器81aによる特
図1の可変表示が保留されている数)を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数(U2:特
図2表示器81bによる特
図2の可変表示が保留されている数)を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0041】
特
図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特
図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特
図1および特
図2を総称して特図あるいは特別図柄といい、特
図1抽選および特
図2抽選を総称して特図抽選という。また、特
図1表示器81aおよび特
図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
【0042】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、大当たり遊技が行われている遊技状態を大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態は、遊技者に有利な有利状態の一例である。
【0043】
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0044】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0045】
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特
図2関係乱数」という。ここで、特
図1関係乱数は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関係乱数は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1保留の数(特
図1保留数)および特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2保留の数(特
図2保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。特
図1保留数や特
図2保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、特
図1保留と特
図2保留を総称して「特図保留」といい、特
図1保留数と特
図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
【0046】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
【0047】
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特
図1保留表示器83aと特
図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
【0048】
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
【0049】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
【0050】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0051】
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(本形態では4個)が設定されている。普図保留数の上限は適宜変更可能であり、上限を「無し」としてもよい。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
【0052】
次に、
図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
【0053】
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
【0054】
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
【0055】
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
【0056】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0057】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図6~
図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。
図6~
図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
【0058】
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
【0059】
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0060】
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
【0061】
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
【0062】
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やアクチュエータ類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
【0063】
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
【0064】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
【0065】
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0066】
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
【0067】
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0068】
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0069】
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(
図1参照)が含まれる。
【0070】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
【0071】
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(
図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0072】
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0073】
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124および演出用FeRAM125、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。演出用FeRAM125は、強誘電体メモリであり、電力が供給されていない期間であっても、記憶した情報を保持できるものである。
【0074】
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0075】
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
【0076】
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0077】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0078】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0079】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0080】
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
【0081】
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0082】
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
【0083】
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0084】
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m、盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m、枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0085】
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53、盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0086】
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0087】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、
図8~
図15を用いて説明する。なお、
図8~
図15に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
【0088】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
【0089】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、
図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0090】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、
図9(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0091】
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、
図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0092】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0093】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0094】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
【0095】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、
図9(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
【0096】
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.0秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
【0097】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を行う。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0098】
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を行う。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0099】
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0100】
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、
図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0101】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、
図10(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
【0102】
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0103】
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
【0104】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定の起因となる入賞(当該大当たり図柄種別判定を発生させた入賞)が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0105】
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0106】
例えば、
図10(B)に示すように、特
図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄Aが10%、大当たり図柄Bが40%、大当たり図柄Cが50%とされている。また、特
図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄Xが100%とされている。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特
図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特
図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
【0107】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0108】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0109】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
【0110】
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、
図11~
図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
【0111】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定の起因となる入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図11)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図12)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特
図1/特
図2)に応じて分けなくてもよい。
【0112】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
【0113】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特
図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
【0114】
さらに、各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
【0115】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0116】
また、各特図変動パターンには、
図11~
図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
【0117】
また、
図11~
図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動あるいはSPリーチ変動と言う。
【0118】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、
図13に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。第1始動口11は特
図1の抽選の契機となる始動口であるため、第1先読み判定テーブルを特
図1先読み判定テーブルと言うこともできる。また、第2始動口12は特
図2の抽選の契機となる始動口であるため、第2先読み判定テーブルを特
図2先読み判定テーブルと言うこともできる。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。
【0119】
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
【0120】
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
【0121】
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
【0122】
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間あるいはインターバル時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、
図14に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
【0123】
図14に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A~C、X毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
【0124】
なお、
図14に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Aである場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行され、大当たり遊技Xは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Xである場合に実行される構成とすることが可能である(
図10(B)参照)。
【0125】
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
【0126】
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
【0127】
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(
図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。なお、振分部材16kの作動態様は適宜に変更可能である。後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別の作動態様を示した場合、パチンコ遊技機PY1ではその作動態様が採用されているものとする。
【0128】
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16への通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
【0129】
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、
図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
【0130】
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて適宜定めておけばよい。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
【0131】
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(
図11~
図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0132】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(
図9(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
【0133】
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(
図9(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
【0134】
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
【0135】
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
【0136】
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
【0137】
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。
【0138】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、
図16~
図22を用いて説明する。
【0139】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0140】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図16(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、
図16(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
【0141】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、
図16(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、
図16(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、
図16(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
【0142】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、
図16(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0143】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、
図16(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0144】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、
図16(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、
図16(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、
図16(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
【0145】
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
【0146】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0147】
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
【0148】
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
【0149】
また、
図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
【0150】
なお、
図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
【0151】
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0152】
特図の可変表示が開始されると、例えば、
図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、
図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、
図17(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、
図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、
図17(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0153】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0154】
Nリーチでは、
図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、
図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、
図18(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、
図18(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
【0155】
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
【0156】
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0157】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、
図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、
図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、
図19(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタ)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、
図19(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0158】
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%として、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とすれば、SPリーチAの大当たり期待度を、SPリーチBの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
【0159】
4-2-5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(
図11および
図12)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
【0160】
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、
図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特
図1保留数または特
図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特
図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
【0161】
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、
図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じ当該アイコンTA(当該保留アイコンTAとも言う)を表示することが可能である。なお、当該アイコンTAとして、保留アイコンHAと異なるアイコンを表示することがあってもよい。
【0162】
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特
図1保留数および特
図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
【0163】
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特
図1保留または特
図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
【0164】
保留演出では、特
図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、
図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、
図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特
図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、
図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特
図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。当該アイコンTA、保留アイコンHAはともに、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞に応じて生じた大当たり判定の権利が存在することを示す表示である。当該アイコンTAは、大当たり判定が行われ、その結果が報知されたことに応じて、適宜、非表示(消去)される。また、当該アイコンTA、保留アイコンHAは、必ずしも常時、表示されていなくてもよい。例えば、特図変動演出の開始時(演出図柄の変動開始時)、および、特図変動演出の終了時(変動させた演出図柄を停止表示させるとき)には当該アイコンTAおよび保留アイコンHAをいずれも表示しておき、SPリーチ中にはこれらをいずれも非表示としてもよい。また例えば、SPリーチ中には当該アイコンTAを表示し、保留アイコンHAについては非表示とすることとしてもよい。
【0165】
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
【0166】
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0167】
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、
図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、
図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。
【0168】
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0169】
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、
図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G3が表示される。操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、
図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、特殊ボタン41や通常ボタン40といった操作手段(操作部)の操作を促す操作促進演出を、操作指示演出ともいうことがある。
【0170】
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特
図1保留または特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留または特
図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
【0171】
先読み演出では、例えば、特
図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、
図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。このように、保留アイコンHAや当該アイコンTAを通常態様(本形態では「〇」)ではなく特殊態様(本形態では「☆」)で表示する先読み演出を、保留変化演出と言う。また、保留アイコンHAや当該アイコンTAを総称して、保留表示と言う。本形態では、保留表示として、保留アイコンHAと当該アイコンTAとを表示するが、保留アイコンHAだけを表示し当該アイコンTAを表示しない構成としてもよい。また、保留変化演出において特殊態様の保留表示を行うタイミングは、その保留表示の契機となる始動入賞の発生時であってもよいし、その保留表示のシフト表示時(保留アイコンHAの表示領域を変更したとき)であってもよいし、その保留表示に対応する特図変動の実行中(当該アイコンTAとして表示しているとき)であってもよい。また、保留表示の特殊態様には複数の種類があってもよい。
【0172】
なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。保留変化演出以外の先読み演出としては、例えば、所謂連続予告などが挙げられる。
【0173】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に
図23~
図24に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
【0174】
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から
図23に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0175】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図8(A)および
図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0176】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0177】
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図24に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。具体的には、例えば、ここで出力されるコマンドには、各入賞口に設けられたセンサ(第1大入賞口センサ14a等)の検知に応じた賞球数を示す賞球コマンドや、賞球センサ73aの検知により払い出された払出数を示す払出コマンドなどが含まれている。
【0178】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0179】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図23の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図8(A)および
図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0180】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0181】
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
【0182】
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
【0183】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(
図23参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
【0184】
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0185】
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0186】
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
【0187】
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図2関係乱数を取得し、取得した特
図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図2保留記憶部105bに記憶する。特
図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特
図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特
図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)を表す特
図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
【0188】
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特
図1関係乱数を取得し、取得した特
図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特
図1保留記憶部105aに記憶する。特
図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特
図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特
図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特
図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特
図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)を表す特
図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
【0189】
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0190】
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
【0191】
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
【0192】
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0193】
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
【0194】
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
【0195】
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
【0196】
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
【0197】
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0198】
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数に基づいて、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理を行うとともに、特
図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数に基づいて、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理を行うとともに、特
図1保留記憶部シフト処理を行う。
【0199】
特
図2判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特
図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0200】
特
図2変動パターン判定処理は、特
図2判定処理の後に行われる処理である。特
図2変動パターン判定処理では、特
図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特
図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特
図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特
図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特
図2変動パターンが判定される。なお、特
図2変動パターンの判定は、特
図2保留記憶部105bに記憶されている特
図2関係乱数の数(特
図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特
図2変動パターンを表す特
図2変動開始コマンドを生成する。特
図2変動開始コマンドには、特
図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の可変表示を開始させる。
【0201】
特
図2保留記憶部シフト処理は、特
図2判定処理及び特
図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図2保留記憶部シフト処理では、特
図2保留記憶部105bに記憶されていた特
図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図2関係乱数を特
図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特
図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図2保留数を表す特
図2保留数コマンド生成する。
【0202】
特
図1判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特
図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特
図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
【0203】
特
図1変動パターン判定処理は、特
図1判定処理の後に行われる処理である。特
図1変動パターン判定処理では、特
図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特
図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特
図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特
図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特
図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特
図1変動パターンが判定される。なお、特
図1変動パターンの判定は、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特
図1関係乱数の数(特
図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特
図1変動パターンを表す特
図1変動開始コマンドを生成する。特
図1変動開始コマンドには、特
図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特
図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の可変表示を開始させる。
【0204】
特
図1保留記憶部シフト処理は、特
図1判定処理及び特
図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特
図1保留記憶部シフト処理では、特
図1保留記憶部105aに記憶されていた特
図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特
図1関係乱数を特
図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特
図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特
図1保留数を表す特
図1保留数コマンド生成する。
【0205】
なお、特
図2保留数および特
図1保留数の何れも存在する場合、特
図2判定処理が優先して行われ、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。つまり、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留がある場合には、特
図1保留があっても特
図1判定処理を行うことはない。なお、特
図2の可変表示と特
図1の可変表示とが入賞順に行われるように構成したり、同時に行われるように構成したりしてもよい。
【0206】
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
【0207】
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特
図2保留数および特
図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
【0208】
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
【0209】
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
【0210】
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
【0211】
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、
図25~
図27に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
【0212】
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、
図25に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0213】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0214】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0215】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0216】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0217】
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、
図26に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
【0218】
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
【0219】
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、
図27に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0220】
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
【0221】
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
【0222】
7.基本実施形態に係る変更例
次に、基本実施形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記基本実施形態の同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。
【0223】
例えば、基本実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特
図1と特
図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特
図1と特
図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
【0224】
また、基本実施形態では、特
図2判定処理が優先的に行われるが、特
図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特
図1関係乱数と特
図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。また、上記実施形態で示した具体的な数値等は、単なる具体例であり、当然、適宜変更可能である。
【0225】
また、基本実施形態では、特
図1の可変表示と特
図2の可変表示とが並行して行われないが、特
図1の可変表示と特
図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。
【0226】
また、基本実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
【0227】
8.第1実施形態
次に、パチンコ遊技機PY1の第1実施形態について説明する。特に述べない限り、上述の基本実施形態のパチンコ遊技機PY1が第1実施形態にも適用される。
【0228】
8-1.遊技機における主な遊技
本形態のパチンコ遊技機PY1は、第1始動口11、第2始動口12への入賞に基づいて取得した特別図柄乱数を、
図28(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否かを決定する。また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、
図28(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定する。例えば、本形態では、特
図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、「特
図1_大当たり図柄A」が50%、「特
図1_大当たり図柄B」が50%とされている。また、特
図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、「特
図2_大当たり図柄C」が90%、「特
図2_大当たり図柄D」が10%とされている。
【0229】
またパチンコ遊技機PY1は、大当たりに当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、大当たり図柄種別乱数を、
図28(C)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。例えば、本形態では、特
図1の抽選での振分率は、「特
図1_ハズレ図柄A」が50%、「特
図1_ハズレ図柄B」が50%とされている。また、特
図2の抽選での振分率は、「特
図2_ハズレ図柄C」が100%とされている。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与えることがある。なお、この点については後述する。
【0230】
またパチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図28(D)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
【0231】
次に、大当たりの種類、ハズレの種類について、
図29、
図30に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特
図1の抽選や特
図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図2_大当たり図柄C」、「特
図2_大当たり図柄D」がある。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図1_ハズレ図柄B」、「特
図2_ハズレ図柄C」がある。
【0232】
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0233】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技が実行される。本形態では
図29に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(特
図1表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別と、第2特別図柄(特
図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(特
図2表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別とは、ともにそれぞれ2種類である。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_大当たり図柄A」または「特
図1_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。また特
図2の抽選では、「特
図2_大当たり図柄C」、「特
図2_大当たり図柄D」に当選する可能性がある。
【0234】
大当たりには複数の種別がある。本形態では、大当たりの種別には、
図29に示すようにVロング大当たりとVショート大当たりとの2種類がある。「Vロング大当たり」は、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16への通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりである。「Vショート大当たり」は、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりである。
【0235】
図29に示すように、「特
図1_大当たり図柄A」および「特
図2_大当たり図柄C」はVロング大当たりである。Vロング大当たりに当選し、大当たり遊技中にV通過した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「高確率高ベース遊技状態」である高確率状態かつ時短状態Aである。そして、Vロング大当たりに基づく高確率状態かつ時短状態Aでは、時短回数が100回に設定される。本形態では、Vロング大当たりに基づく高確率状態かつ時短状態Aでは、確変回数と時短回数とが同じである。つまり、Vロング大当たりに基づく高確率状態かつ時短状態Aでは、確変回数が100回に設定される。
【0236】
また、「特
図1_大当たり図柄B」および「特
図2_大当たり図柄D」は、Vショート大当たりである。Vショート大当たりに当選した場合、大当たり遊技中にV通過しなかった場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「低確率高ベース遊技状態」である通常確率状態かつ時短状態Aである。そして、Vショート大当たりに基づく時短状態Aでは、時短回数が100回に設定される。
【0237】
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。
図30に示すように、特
図1の抽選で決定されるハズレ図柄(特
図1表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類であり、特
図2の抽選で決定されるハズレ図柄(特
図2表示器81bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類である。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図1_ハズレ図柄B」のいずれかに決定される。また特
図2の抽選では、「特
図2_ハズレ図柄C」に決定される。
【0238】
図30に示すように、「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図1_ハズレ図柄B」は特殊ハズレであり、「特
図2_ハズレ図柄C」は通常ハズレである。特殊ハズレは、後述の時短状態の制御契機となり得るハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態に制御することがある。このため、特殊ハズレを、時短ハズレとも称することもある。時短ハズレには、通常時短ハズレと微時短ハズレとがある。遊技制御用マイコン101は、特別図柄抽選の結果が通常時短ハズレの場合、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、通常の時短状態(以下、通常時短状態ということがある)に制御する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄抽選の結果が微時短ハズレの場合、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、通常時短状態よりも第2始動口12へ遊技球が入球しにくい時短状態(以下、微時短状態ということがある)に制御する。「特
図1_ハズレ図柄A」は、通常時短ハズレであり、遊技制御用マイコン101は、特別図柄抽選の結果が「特
図1_ハズレ図柄A」の場合、通常時短状態のひとつである時短状態Cへと制御する。遊技制御用マイコン101は、「特
図1_ハズレ図柄A」に基づく時短状態Cについては、時短回数を100回に設定する。「特
図1_ハズレ図柄B」は、微時短ハズレであり、遊技制御用マイコン101は、特別図柄抽選の結果が「特
図1_ハズレ図柄B」の場合、微時短状態のひとつである時短状態CLへと制御する。遊技制御用マイコン101は、「特
図1_ハズレ図柄B」に基づく時短状態CLについては、時短回数を10000回に設定する。
【0239】
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1の時短状態について説明する。パチンコ遊技機PY1には、非時短状態と時短状態とがある。非時短状態を通常遊技状態とも称する。パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合等における電源投入後の初期設定としての遊技状態は、非時短状態(通常遊技状態)である。時短状態は、非時短状態と比べて、単位時間当たりに第2始動口12が入球可能状態をとる頻度が高くなる遊技状態である。このため、時短状態では、非時短状態よりも、電チュー12Dに遊技球が入賞し易くなることがある。非時短状態よりも第2始動口12に遊技球が入球し易い時短状態は、非時短状態よりも、遊技者に有利な遊技状態となり得る。さらに、時短状態について設定される時短回数が多いほど、その遊技状態が長く継続することとなる。このため、時短回数が多く設定される時短状態ほど、遊技者に有利な遊技状態になり得る。
【0240】
続いて、時短状態についてより詳細に説明する。
図31(A)に示すように、普通図柄抽選の当選確率(当たりと判定される確率)は、時短状態(時短状態A、時短状態C、時短状態CL)でも非時短状態でも同じである。具体的に、本形態においては、普通図柄抽選ではほぼ当たりと判定される。
【0241】
時短状態では、
図31(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、時短状態ではそれよりも短い。すなわち時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。また、普通図柄の変動時間は、時短状態A、Cでは、時短状態CLよりも短くされている。
【0242】
また時短状態では、
図31(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなることがある。本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり0.1秒である。時短状態CLでは非時短状態と同じであるが、時短状態A、Cではそれよりも長い。すなわち時短状態A、Cでは、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動する。
【0243】
また時短状態では、
図31(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態では1回であり、時短状態A、C、CLでは2回である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動する。
【0244】
普図表示器82の変動時間短縮機能や、電チュー12Dの開放時間延長機能、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞しやすい傾向となる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなり得る。
【0245】
そして、本形態では、通常時短状態である時短状態A、Cが高ベース状態であり、非時短状態が低ベース状態である。一方、微時短状態である時短状態CLは、単位時間当たりに第2始動口12が入球可能状態をとる頻度が非時短状態よりも高いものの、その開放時間が短く、実質的には、第2始動口12への入球がほとんど見込めない。そして、高ベース状態である時短状態A、Cは、非時短状態よりも第2始動口12が入球可能状態をとる頻度が高く、非時短状態よりも第2始動口12へ遊技球が入球し易い「入球容易状態」に相当する。また、時短状態CLは、通常時短状態よりも第2始動口12が入球可能状態をとる頻度が低く、入球容易状態よりも第2始動口12へ遊技球が入球しにくい「非入球容易状態」に相当する。すなわち、非時短状態および微時短状態が、「非入球容易状態」に相当する。
【0246】
なお、時短状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、及び、電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入賞し易くなっていればよい。つまり、例えば、普図表示器82の確率変動機能については作動してもしなくてもよい。
【0247】
そして、時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特別図柄の変動表示が実行されることにより終了することがある。さらに、時短状態は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることに応じて終了することがある。上限実行回数(時短回数)は、時短状態の制御契機(特別図柄の種別)に基づいて決定可能である(
図29、
図30参照)。なお、時短状態A、C(通常時短状態)の上限実行回数(時短回数)を通常時短回数ということがあり、微時短状態の上限実行回数(時短回数)を微時短回数ということもある。本形態では、大当たり遊技の後に時短状態Aに制御される。また、特別図柄抽選の結果が大当たり遊技を実行しないものであること(特殊ハズレ)に応じて、時短状態Cまたは時短状態CLに制御されることがある。
【0248】
なお、時短状態に、普図表示器82の変動時間短縮機能や、電チュー12Dの開放時間延長機能、電チュー12Dの開放回数増加機能が異なる複数のものを設けることとしてもよい。すなわち、第2始動口12へ遊技球の入賞のしやすさの異なる複数の時短状態を設けることとしてもよい。複数ある時短状態のうちのどの時短状態に制御されるかは、時短状態の制御契機となった特別図柄や、その特別図柄の抽選時の遊技状態等によって決定されることとしてもよい。
【0249】
入球容易状態である時短状態A、C(通常時短状態)では、右打ちにより右遊技領域6B(
図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。「非入球容易状態」と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第2始動口12への入賞が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。
【0250】
これに対して、非入球容易状態である時短状態CL(微時短状態)および非時短状態では、第2始動口12への入賞が困難である。このため、第1始動口11への入賞を狙って遊技球を打ち出すことで遊技を有利に進行できる。多数の始動入賞を得ることができるからである。第1始動口11への入賞を狙って遊技を進行する場合には、左打ちにより左遊技領域6Aへ遊技球を進入させる。
【0251】
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機PY1は、非時短状態、時短状態A(通常時短)、時短状態C(通常時短)時短状態CL(微時短)、のそれぞれで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(
図32、
図33、
図34、
図35参照)。時短状態A、Cにおける特図変動パターン判定テーブル(
図33、
図34)は、非時短状態、時短状態CLにおける特図変動パターン判定テーブル(
図32、
図35)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。
【0252】
8-2.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機PY1は、所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定情報(特別図柄乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選確度(大当たり当選である可能性の高さ)を示唆する演出である。
【0253】
図36に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりであるか、通常ハズレであるか、特殊ハズレであるかの抽選結果情報が含まれている。特殊ハズレである場合、その後に時短状態C、時短状態CLのいずれかに制御される契機となるかの情報についても含まれている。また、本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口11に入賞したのか、第2始動口12に入賞したのかを示す始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには抽選結果情報が含まれていればよく、抽選結果情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
【0254】
8-3.遊技制御用マイコン101の動作
次に
図37~
図49に基づいて本形態の遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0255】
[電源投入時処理]遊技制御用マイコン101は、電源投入時処理(S001)を実行可能である。なお電源投入時処理(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
図37に示すように電源投入時処理(S001)では、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ119が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ119がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生に応じてONにされるフラグである。
【0256】
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、遊技用RAM104の記憶内容が正常ではないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
【0257】
ステップS016では、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定処理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS022に進む。
【0258】
また、ステップS018では、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。また、RAMクリアフラグをONする(S020)。RAMクリアフラグは、RAMクリアを行った後であることを示すフラグである。RAMクリアフラグは、ONとなった後、最初の大当たり遊技が行われることに応じてOFFとされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板120に対して出力する(S021)。そして、ステップS022に進む。ステップS022ではその他の初期設定として、例えば、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
【0259】
[センサ検出処理]遊技制御用マイコン101は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、センサ検出処理(S104)を実行可能である。遊技制御用マイコン101は、
図38に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート13に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート13を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0260】
ステップS203では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特
図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特
図2保留数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S204)。そして、特
図2保留数が「4」に達している場合(S204でYES)には、処理を終えるが、特
図2保留数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特
図2保留数に「1」を加算する(S205)。
【0261】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S206)では、特別図柄乱数カウンタ値、大当たり図柄種別乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値及び特図変動パターン乱数カウンタ値を取得し(つまり
図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特
図2保留記憶部105b(
図6)のうち現在の特
図2保留数に応じた特
図2保留記憶部105bの記憶領域に格納する。
【0262】
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、
図36に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、例えば、通常確率状態では、特別図柄乱数が「61248」であり、大当たり図柄種別乱数が「199」であれば、
図36の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口12の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H03H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば03H))からなっている。なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口11への入賞か、第2始動口12への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、抽選結果情報である。なお、このような始動入賞コマンドに関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0263】
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S208)。
【0264】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特
図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特
図1保留数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S210)。そして、特
図1保留数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特
図1保留数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特
図1保留数に「1」を加算する(S211)。
【0265】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S212)では、特
図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、特別図柄乱数カウンタ値、大当たり図柄種別乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値及び特図変動パターン乱数カウンタ値を取得し(つまり
図8(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を特
図1保留記憶部105a(
図6)のうち現在の特
図1保留数に応じた特
図1保留記憶部105aの記憶領域に格納する。
【0266】
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、
図36に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、特別図柄乱数が「65535」であり、大当たり図柄種別乱数が「199」であれば、
図36の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口11の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H04H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、抽選結果情報が含まれている。
【0267】
続いて遊技制御用マイコン101は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。なお本形態では、通常時短ハズレであることを示す第1始動入賞コマンドがサブ制御基板120に出力された場合には、演出制御用マイコン121は、先読み演出として、時短状態に移行することを示唆する演出(例えば、時短状態に移行することを示唆する所定の画像を表示部50aに表示する演出)を実行可能である。
【0268】
[ゲート通過処理]
図39に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(
図8(B))を取得し、その取得乱数値を遊技用RAM104の所定の記憶領域に格納する。
【0269】
[特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、特別動作処理(S106)を実行可能である。遊技制御用マイコン101は、
図40に示すように、特別動作処理(S106)ではまず、特図表示器81および大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S908)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0270】
[特別図柄待機処理]
図41に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、特
図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1001)。そして、特
図2保留数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、特
図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特
図1保留数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置50の表示部50aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0271】
ステップS1001において特
図2保留数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1002)及び特
図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留数を1ディクリメントする(S1004)。そして、特
図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特
図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1005)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特
図2変動開始処理(S1006)を実行する。特
図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0272】
また、特
図2保留数が「0」であるが特
図1保留数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1008)及び特
図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留数を1ディクリメントする(S1010)。そして、特
図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特
図1保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特
図1変動開始処理(S1012)を実行する。特
図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0273】
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、取得した特
図2関係乱数がない場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち特
図2の抽選は、特
図1の抽選に優先して実行される。
【0274】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]特
図2大当たり判定処理(S1002)と特
図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため
図42に基づいてまとめて説明する。
図42に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1002)又は特
図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、特別図柄乱数カウンタ値を読み出す(S1101)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、遊技用RAM104の特
図2保留記憶部105b(詳しくは第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1008)では、遊技用RAM104の特
図1保留記憶部105a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている特別図柄乱数カウンタ値を読み出す。
【0275】
次に、大当たり判定テーブル(
図28(A))をセットし(S1105)、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1106)。大当たり判定(S1106)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1107)、大当たり図柄種別乱数カウンタ値を読み出して、
図28(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1108)。大当たり図柄種別を判定(S1108)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図28(B)参照)を遊技用RAM104に設けた特図種別バッファにセットして(S1109)処理を終える。
【0276】
一方、大当たりでなければ(S1106でNO)、「ハズレ」であるので、大当たり図柄種別乱数カウンタ値を読み出して、
図28(C)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1111)。ハズレ図柄種別を判定(S1111)した後、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(通常時短ハズレまたは微時短ハズレ)であるか否かを判定する(S1112)。特殊ハズレであれば(S1112でYES)、ステップS1113の処理を行った後、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(
図28(C)参照)を遊技用RAM104に設けた特図種別バッファにセットして(S1114)処理を終える。
【0277】
ステップS1113では、ハズレ図柄種別判定テーブル(
図30)に基づいて遊技状態およびハズレ図柄の種別に応じた時短回数を取得するとともに、取得した時短回数を、遊技用RAM104に設けた所定の時短回数記憶領域にセットする。具体的には、例えば、非時短状態であり、ハズレ図柄の種別がハズレ図柄Aである場合には、ハズレ図柄種別判定テーブル(
図30)を参照し、時短回数「100」を遊技用RAM104にセットする。
【0278】
[特
図2変動パターン選択処理(特
図1変動パターン選択処理)]特
図2変動パターン選択処理(S1003)と特
図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため
図43に基づいてまとめて説明する。
図43に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1003)又は特
図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態Aか否かを判定する(S1301)。
【0279】
時短状態Aであれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、時短状態A中大当たり用のテーブル(
図33)に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1303)。
図33に示すように、特図変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0280】
なお、大当たりの場合については、特図変動パターンには変動演出が関連付けられており、特図変動パターンが決定されると、その特図変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、特図変動パターンP21に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、特図変動パターンP22に基づく変動演出ではノーマルリーチが実行される(
図33に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選確度(大当たり当選である可能性の高さ)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
【0281】
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、時短状態A中ハズレ用のテーブル(
図33に示すテーブルのうちハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1304)。すなわち、ハズレ図柄に対応した特図変動パターンが選択される。なお、ハズレ図柄に係る特図変動パターンの選択においては、リーチの有無(リーチ乱数カウンタ値(がリーチ成立乱数値か否か)についても参照される。
【0282】
またステップS1301において、時短状態Aでないと判定した場合(S1301でNO)、時短状態Cか否かを判定する(S1305)。時短状態Cであれば(S1305でYES)、
図34に示す時短状態C用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1306~S1308)。時短状態A、時短状態Cのどちらでもない場合(S1301およびS1305でともにNO)、時短状態CLか否かを判定する(S1309)。時短状態CLであれば(S1309でYES)、
図35(B)に示す時短状態CL用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1310~S1312)。時短状態A、時短状態C、時短状態CLのいずれでもない場合(S1301、S1305 、S1309ですべてNO)、すなわち非時短状態である場合には、
図32に示す非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1313~S1315)。時短状態C、時短状態CL、非時短状態における特図変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを遊技状態に応じたテーブルにする事以外は時短状態Aと同様の流れで処理を行う。
【0283】
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、選択した特図変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0284】
[特別図柄変動中処理]
図44に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図32、
図33、
図34、
図35参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0285】
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。続いて、後述の特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)を行った後、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(
図28(B)、(C)参照)に応じた図柄(大当たり図柄、ハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1505)、この処理を終える。
【0286】
[特別図柄変動終了時遊技状態管理処理]
図45に示すように、特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S1511)、確変フラグがONでなければ、ステップS1516に進むが、確変フラグがONであれば、確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1513)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1514)。確変カウンタの値が「0」でなければ、ステップS1516に進むが、時短カウンタの値が「0」であれば(S1514でYES)、高確率状態を終了させるべく確変フラグをOFFして(S1515)、ステップS1516に進む。
【0287】
ステップS1516では、時短フラグがONか否か判定し、時短フラグがONでなければ、ステップS1523に進むが、時短フラグがONであれば、時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1517)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1518)。時短カウンタの値が「0」でなければ、ステップS1523に進むが、時短カウンタの値が「0」であれば(S1518でYES)、時短状態を終了させるべく時短フラグをOFFして(S1519)、ステップS1523に進む。
【0288】
ここで、確変カウンタは、高確率状態の開始時に、開始される高確率状態の回数(確変回数)に応じた値にセットされ、高確率状態中における特別図柄の変動表示に応じて減算されるカウンタである。また、時短カウンタは、時短状態の開始時に、開始される時短状態の時短回数に応じた値にセットされ、時短状態中における特別図柄の変動表示に応じて減算されるカウンタである。なお、時短カウンタや時短フラグは、時短状態の種類の数だけ設けることとしてもよい。
【0289】
ステップS1523では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。
図45中の表に示すように、例えば、遊技状態フラグの値は、低確率状態(通常確率状態)かつ非時短状態であれば「1」にセットされ、高確率状態かつ時短状態Aであれば「6」にセットされる。なお、遊技状態フラグ更新処理(S1523)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板120により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御等される。
【0290】
本形態では、この特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)により、特図変動の回数が確変回数の上限に至ったことに基づく高確率状態から低確率状態への制御がなされる。この特図変動の回数が確変回数の上限に至ったことに基づく高確率状態から低確率状態への制御は、高確率状態における最後の特図変動にてなされる。すなわち、高確率状態における最後の図柄変動では、特別図柄の変動が終了し、特別図柄が停止される際に、低確率状態へと移行している。
【0291】
さらに、本形態では、特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)により、特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御がなされる。この特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御は、時短状態における最後の特図変動にてなされる。すなわち、時短状態における最後の図柄変動では、特別図柄の変動が終了し、特別図柄が停止される際に、非時短状態へと移行している。
【0292】
[特別図柄確定処理]
図46に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(
図32、
図33、
図34、
図35参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の特別図柄確定時遊技状態管理処理を行う(S1602)。
【0293】
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技状態のリセットを行う(S1606)。具体的には、確変フラグがONであれば確変フラグをOFFにして、時短フラグがONであればOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。
【0294】
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(
図29参照)をセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは
図29を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
【0295】
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1619)、本処理を終える。
【0296】
[特別図柄確定時遊技状態管理処理]
図47に示すように、特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)ではまず、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S1701)。確変フラグがOFFでなければ、ステップS1710に進むが、確変フラグがOFFであれば、続いて、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S1702)。時短フラグがOFFでなければ、ステップS1710に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(通常時短ハズレまたは微時短ハズレ)であるか否かを判定する(S1703)。特殊ハズレでなければ(S1703でNO)、ステップS1710に進むが、特殊ハズレであれば(S1703でYES)、時短フラグをONにする(S1704)。これにより、特殊ハズレに応じて時短状態に制御するか否かの判定(時短判定)が行われる。すなわち、本形態では、非時短状態において特殊ハズレが停止表示されることに応じて、時短状態を設定する。また、特殊ハズレのハズレ図柄に応じた所定の時短回数を時短カウンタにセットし(S1705)、ステップS1710に進む。ここでセットされる時短回数は、特
図2大当たり判定処理(S1002)または特
図1大当たり判定処理(S1008)のステップS1113にて遊技用RAM104の時短回数記憶領域に記憶した時短回数である。この処理でセットされる時短状態およびその時短回数は、当該処理が行われる時点での遊技状態(時短状態、非時短状態)ではなく、特
図2大当たり判定処理(S1002)または特
図1大当たり判定処理(S1008)が行われる時点での遊技状態に対応したものとなる。
【0297】
また、ステップS1704及びS1705が実行されることにより、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。なお本形態では、ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、低確率状態かつ非時短状態であるとき(ステップS1701、ステップS1702でともにYESのとき)に限られている。
【0298】
またステップS1710では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)の遊技状態フラグ更新処理(S1710)についても、特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)の遊技状態フラグ更新処理(S1523)と同様に行うことができる。
【0299】
本形態では、この特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)において、特殊ハズレに基づく時短状態への制御が行われる。特殊ハズレに基づく時短状態は、確変フラグがOFFであり、かつ、時短フラグがOFFのときには設定される一方、確変フラグおよび時短フラグの少なくとも一方がONのときには設定されない。つまり、すでに高確率状態または時短状態であるときには、特殊ハズレに基づいて時短状態へと制御されることはないようになっている。ただし、本形態では、特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)の前に、特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)が実行可能な構成である。このため、高確率状態および時短状態の少なくとも一方が設定された状態にて開始される図柄変動のうち、最後の図柄変動(高確率状態および時短状態の少なくとも一方へと制御されている特定遊技状態が設定された状態において、その特定遊技状態の上限実行回数に到達する図柄変動)においては、特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)の前に、遊技状態が非時短状態(確変フラグ、時短フラグがOFF)とされている。つまり、高確率状態における最後の図柄変動においては、低確率状態にて時短判定が行われることとなる。また、時短状態における最後の図柄変動においては、非時短状態にて時短判定が行われることとなる。このため、特殊ハズレに基づいて時短状態へと制御されることがある。
【0300】
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]特別電動役物処理は、大当たり遊技の実行のための処理である。
図48に示すように、特別電動役物処理(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置14D、第2大入賞装置15D)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0301】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置14D又は第2大入賞装置15Dの開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
【0302】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(
図29参照)に基づく大当たり遊技か否かを判定する(S2004)。Vロング大当たりでなければ(S2004でNO)、ステップS2007に進むが、Vロング大当たりであれば(S2004でYES)、特定領域16への通過が可能な10R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2005)。10R目を開始するタイミングでなければ(S2005でNO)、そのままステップS2007に進む。これに対して、10R目を開始するタイミングであれば(S2005でYES)、V有効期間設定処理を行う(S2006)。
【0303】
V有効期間設定処理(S2006)では、Vロング大当たりの10R目における第2大入賞口15の開放中及び第2大入賞口15の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONするということである。また、特定領域センサ16aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ16aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
【0304】
ステップS2007では、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図29参照)に従って大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)を開放させる。なお、振分部材16kは、第1ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、第2大入賞口15に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域16を通過できるようにAT開閉部材14kが開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、第10ラウンドにおいて、遊技球が第2大入賞口15に入賞しても特定領域16を通過することができないように、振分部材16kの動作に対するAT開閉部材14kの開放タイミングが設定されている。
【0305】
続いてステップS2008では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行って、本処理を終える。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2008)では、ステップS2003での大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放が1回のラウンド遊技での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2008では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
【0306】
特別電動役物処理(S908)のステップS2002において、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放中であれば、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2009)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり10個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図29参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2009でNO)、処理を終える。
【0307】
これに対して、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の閉鎖条件が成立している場合(S2009でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2010)。そして1回のラウンド遊技(ラウンドインターバル)が終了したかを判定する(S2011)。終了していなければ(S2011でNO)、処理を終える。一方、ラウンド遊技が終了する場合には(S2011でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2012)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2013)。「0」でなければ(S2013でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
【0308】
一方「0」であれば(S2013でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2014)、大当たりのエンディングを開始する(S2015)。そして、大当たり終了フラグをセットして(S2016)、処理を終える。
【0309】
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たり遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2017)、エンディング時間が経過していなければ(S2017でNO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2017でYES)、大当たり終了フラグをOFFする(S2018)。そして、後述する遊技状態設定処理を行う(S2019)。続いて、大当たりフラグをOFFにし(S2020)。特別動作ステータスを「1」にセットする(S2021)。続いて、RAMクリアフラグがONであれば(S2022でYES)、これをOFFして(S2023)、本処理を終える。よって、RAMクリアフラグにより、RAMクリアを伴う電源投入後に大当たり遊技が行われたか否かを把握することが可能である。
【0310】
[遊技状態設定処理]
図49に示すように、遊技状態設定処理(S2019)ではまず、VフラグがONであるか(V有効期間中にV入賞したか)を判定する(S2101)。ONであれば(S2101でYES)、確変フラグをONにすると共に(S2102)、時短フラグをONにする(S2103)。これにより、大当たり遊技後に高確率状態かつ時短状態に制御されることになる。続いて、確変カウンタに所定の確変回数をセットすると共に(S2104)、時短カウンタに所定の時短回数をセットして(S2105)、ステップS2108に進む。確変カウンタにセットされる確変回数、時短カウンタにセットされる時短回数はそれぞれ、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄)に応じた回数である。本形態においては、確変回数は、時短回数と同じ回数とされている。
【0311】
一方、ステップS2101において、VフラグがONでないと判定すれば(S2101でNO)、時短フラグをONにする(S2106)。即ち、このときには確変フラグをONにしない。これにより、大当たり遊技後に低確率状態(通常確率状態)かつ時短状態に制御されることになる。続いて、時短カウンタに所定の時短回数をセットして(S2107)、ステップS2108に進む。時短カウンタにセットされる時短回数は、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄)に応じた回数である。
【0312】
ステップS2108では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態設定処理(S2019)の遊技状態フラグ更新処理(S2108)についても、特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)の遊技状態フラグ更新処理(S1523)と同様に行うことができる。
【0313】
8-4.演出制御用マイコン121の動作
次に、
図50~
図52に基づいて本形態の演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、特に記載のないものについては、演出用RAM124に設けられている。なお、本形態ではサブRAMクリアフラグについては、演出用FeRAM125に設けられている。このため、演出用FeRAM125に設けられたサブRAMクリアフラグについては、電力が供給されていない期間であっても適切に保持される。演出用FeRAM125には、サブRAMクリアフラグ以外のフラグやカウンタ等が設けられていてもよい。
【0314】
[電源投入時処理]演出制御用マイコン121は、電源投入時処理(S4001)を実行可能である。なお電源投入時処理(S4001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
図50に示すように電源投入時処理(S4001)では、サブ側電源断フラグ(電断時にONにされるフラグ)がONで且つ演出用RAM124の内容が正常であるか否かを判定する(S4051)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又はサブ側電源断フラグがONであっても演出用RAM124内容が正常でない場合には、演出用RAM124の初期化をして(S4052)、ステップS4055に進む。
【0315】
一方、判定結果がYESであれば(S4051でYES)、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONとなったが演出用RAM124内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4053)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4053でYES)、主制御基板100の遊技用RAM104はクリアされている。そのため、サブRAMクリアフラグをONするとともに(S4054)、サブ制御基板120の演出用RAM124をクリアして(S4052)、ステップS4055に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4053でNO)、ステップS4054及びS4052を実行せずにステップS4055に進む。つまり、サブRAMクリアフラグは、主制御基板100の遊技用RAM104が初期化されたことに応じてONとされる。また、サブRAMクリアフラグは、後述するように、大当たり遊技が行われることに応じてOFFとされる。
【0316】
ステップS4055では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONであればOFFにする。
【0317】
[受信コマンド解析処理]受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、
図51に示すように、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれ先読み演出選択処理(S4402)を行う。先読み演出選択処理(S4402)では、始動入賞コマンド(
図36参照)を解析して、その解析結果に基づいて、当選期待度の高さなどを事前に示唆する先読み演出の実行の有無、及び先読み演出を実行する場合の当該先読み演出(保留変化演出、カットイン予告演出、ステップアップ予告演出、エフェクト画像の色や背景画像の色を変化させる演出等)の種類を決定する。これにより、先読み演出を実行すると決定すると共に、先読み演出の種類を決定した場合には、決定した先読み演出を実行するための先読み演出コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。先読み演出コマンドが画像制御基板140に送信されると、先読み演出コマンドに応じた先読み演出が実行され、これにより大当たり期待度などを事前に示唆可能である。
【0318】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出開始処理(S4404)を行う。変動演出開始処理(S4404)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、演出図柄や変動演出パターン、予告演出の選択等を行い、変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板140は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて変動演出を行う。
【0319】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理(S4406)を行う。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0320】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する特
図1変動推奨表示処理(S4408)を行う。
【0321】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば、オープニング演出選択処理(S4410)を行う。オープニング演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0322】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば、サブRAMクリアフラグをONである場合に(S4412でYES)OFFし(S4413)、エンディング演出選択処理(S4414)を行う。エンディング演出選択処理(S4414)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出の演出パターン(演出内容)を選択する。そして、選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0323】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4416)を行う。V通過報知演出開始処理(S4416)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域16への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示部50aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域16への通過に基づいて高確率状態への制御を行う本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ52から出力するなど、他の態様であってもよい。
【0324】
続いて、演出制御用マイコン121は、主制御基板100から賞球コマンドまたは払出コマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していれば賞球関連処理(S4417)を行う。賞球関連処理(S4417)では、例えば、賞球として払い出される遊技球の数を示唆可能な画像を表示するための払出演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0325】
続いて、その他の処理(S4419)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0326】
[特
図1変動推奨表示処理]特
図1変動推奨表示処理(S4408)ではまず、
図52に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドを解析する(S4601)。次に、非時短状態であるか否かを判定する(S4602)。非時短状態でなければ(S4602でNO)、ステップS4607に進むが、非時短状態であれば(S4602でYES)、サブRAMクリアフラグがOFFであるか否かを判定する(S4603)。サブRAMクリアフラグがOFFでなければ(S4603でNO)、ステップS4607に進むが、サブRAMクリアフラグがOFFであれば(S4603でYES)、大当たり遊技中、または、特
図2に係る図柄変動中であるか否かを判定する(S4604)。大当たり遊技中、または、特
図2に係る図柄変動中であれば(S4604でYES)、ステップS4607に進むが、大当たり遊技中でも特
図2に係る図柄変動中でもなければ(S4603でNO)、特
図1変動推奨画像表示コマンドおよび特
図1変動推奨背景表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットし(S4605、S4606)、ステップS4609へと進む。特
図1変動推奨画像表示コマンドを受信した画像制御基板140は、特
図1変動推奨画像の表示部50aへの表示を開始する。特
図1変動推奨画像は、第1始動口11へ遊技球を入賞させ、特
図1の抽選を受けることを推奨することを示唆可能な画像である。特
図1変動推奨背景表示コマンドを受信した画像制御基板140は、特
図1変動推奨背景画像の表示部50aへの表示を開始する。特
図1変動推奨背景画像は、第1始動口11へ遊技球を入賞させ、特
図1の抽選を受けることを推奨することを示唆可能な背景画像である。
【0327】
ステップS4607では、特
図1変動推奨画像を表示中であるか否かを判定し、特
図1変動推奨画像を表示中であれば(S4607でYES)、特
図1変動推奨画像終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする(S4608)。特
図1変動推奨画像終了コマンドを受信した画像制御基板140は、表示部50aに表示中の特
図1変動推奨画像を消去する。
【0328】
ステップS4609では、遊技状態指定コマンドに基づく他の処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行う。これにより、特
図1変動推奨表示処理(S4408)を終える。
【0329】
このように、本形態の演出制御用マイコン121は、サブRAMクリアフラグがOFFの状態で非時短状態へと制御された場合に、背景画像を特
図1変動推奨背景画像としつつ、特
図1変動推奨画像を表示する。すなわち、特
図1変動推奨画像、特
図1変動推奨背景画像は、大当たり遊技の後に非時短状態となった際に表示される。より具体的には、特
図1変動推奨画像、特
図1変動推奨背景画像は、RAMクリアを伴う電源投入がなされ、少なくとも1回の大当たり遊技が行われた後に、非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態(例えば、時短状態A、時短状態C、大当たり遊技状態)から非時短状態へと制御された際に表示される。
一方、非時短状態ではない場合、サブRAMクリアフラグがONの場合には、特
図1変動推奨画像、特
図1変動推奨背景画像を表示することはない。特
図1変動推奨画像は、表示されていたとしても、非表示へと切り替えられる。例えば、非時短状態にて特
図1変動推奨画像が表示された状態で、遊技者が第1始動口11へと遊技球を入球させて特
図1の図柄変動が行われ、この図柄変動に基づいて通常時短状態、微時短状態へと制御されたときや、大当たり遊技が開始されたときには、特
図1変動推奨画像は非表示とされる。また、非時短状態であっても、RAMクリアを伴う電源投入がなされた後、大当たり遊技が一度も行われていない状況では、特
図1変動推奨画像が表示されることはない。
【0330】
8-5.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、
図53に基づいて説明する。パチンコ遊技機PY1は、RAMクリアスイッチ119の操作を伴う電源入力がなされることで、フラグ等が初期設定の状態で起動する。つまり、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動した場合においては、遊技状態は非時短状態(通常遊技状態)である。さらに、確率変動機能についても作動しておらず、低確率状態(通常確率状態)である。この特定電源条件が成立した状態で起動された場合において、パチンコ遊技機PY1では、まず、第1始動口11に遊技球を入賞させるべく、左打ちにて遊技を進行することが好ましい。低確率状態かつ非時短状態は、第2始動口12への入球が困難な非入球容易状態であるためである。そして、第1始動口11に遊技球が入賞した場合、特
図1の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。
【0331】
低確率状態かつ非時短状態における特
図1の抽選に基づく大当たりには、Vロング大当たりとVショート大当たりとがある。Vロング大当たりに当選した場合、10Rの大当たり遊技が行われた後、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)へと制御される。高確率状態かつ時短状態Aについて、確変回数および時短回数はともに100回に設定される。この状態は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数(確変回数)だけ連続するまで継続される。一方、Vショート大当たりに当選した場合、10Rの大当たり遊技が行われた後、低確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)へと制御される。低確率状態かつ時短状態Aについて、時短回数は100回に設定される。この状態は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数だけ連続するまで継続される。
【0332】
一方、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、第1始動口11への入球に基づく特
図2の抽選結果は、特殊ハズレ(通常時短ハズレ、微時短ハズレ)であることがある。そして、その特殊ハズレの図柄がハズレ図柄A(通常時短ハズレ)であれば、時短回数が100回の時短状態C(通常時短状態)へと制御され、ハズレ図柄B(微時短ハズレ)であれば時短回数が10000回の時短状態CL(微時短状態)へと制御される。時短状態C、時短状態CLはどちらも、低確率状態である。
【0333】
時短状態CL(微時短状態)は、第2始動口12への入球が困難な非入球容易状態である。このため、第1始動口11への入球を狙うべく、左打ちにて遊技を進行することが好ましい。左打ちにて遊技を進行し、第1始動口11に遊技球が入賞した場合、特
図1の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。時短状態CL(微時短状態)における特
図1の抽選においても、Vロング大当たりまたはVショート大当たりに当選可能である。
【0334】
一方、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、時短状態CL(微時短状態)における第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、特殊ハズレであることがある。ただし、時短状態CL(微時短状態)において、時短残り回数が2回以上であるときには、特殊ハズレであっても、これに基づいて遊技状態が時短状態へと制御されることはなく、時短状態CL(微時短状態)が維持されたまま時短残り回数のカウントが継続される。しかし、時短残り回数が1回であるとき、すなわち、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が特殊ハズレである場合には、そのハズレ図柄(ハズレ図柄Aまたはハズレ図柄B)に応じた時短状態(時短状態Cまたは時短状態CL)へと制御される。ただし、本形態では、時短状態CL(微時短状態)の時短回数が10000回に設定されているため、時短状態CLにおける非特定回数(連続ハズレ回数)が時短回数に到達することはほとんどない。
【0335】
通常時短状態である高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cでは、第2始動口12が頻繁に入球可能状態をとる入球容易状態であるため、右打ちにて遊技を進行することが好ましい。そして、右打ちにて遊技を進行し、第2始動口12に遊技球が入賞した場合、特
図2の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cにおける特
図2の抽選においても、Vロング大当たりまたはVショート大当たりに当選可能である。
【0336】
一方、第2始動口12への入球に基づく特
図2の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。そして、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cにおける非特定回数(連続ハズレ回数)が時短回数となると、時短状態が終了し、低確率状態かつ非時短状態へと制御される。高確率状態かつ時短状態Aでは、非特定回数(連続ハズレ回数)が時短回数となると、高確率状態および時短状態がともに終了し、低確率状態かつ非時短状態へと制御される。
【0337】
パチンコ遊技機PY1では、時短状態Aおよび時短状態Cにおける特
図2の抽選において、大当たりに当選し続ける限り、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が継続する。すなわち、高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cは、非時短状態よりも、遊技者に有利な有利遊技状態である。また、大当たり遊技が行われている大当たり遊技状態についても、非時短状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態である。一方、特図抽選において、時短状態Cへの制御契機である通常時短ハズレに当選する可能性が非時短状態よりも低い時短状態CL(微時短状態)については、非時短状態よりも、遊技者に不利であるといえる。このため、時短状態CL(微時短状態)については、非時短状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態ではない。また、本形態に係るパチンコ遊技機PY1において、遊技者は、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態にて大当たり遊技を連続して獲得することで手持ちの遊技球を多く獲得可能である。このため、特殊ハズレに応じて制御される時短状態Cは、大当たり遊技を経ることなく特
図2の抽選を主とした状態へと移行できるため、救済的な意味を有している。
【0338】
8-6.本形態における演出例
8-6-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、
図54~
図57に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、及び盤ランプ54等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置50に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0339】
本形態の演出モードには、
図54に示す地上の背景画像が表示される地上背景モード、
図55(A)に示す宇宙の背景画像が表示される宇宙背景モード、
図55(B)および
図55(C)にそれぞれ示す空の背景画像が表示される第1空背景モードおよび第2空背景モード、
図56に示す発射基地の背景画像が表示される発射基地背景モードが含まれている。
【0340】
地上背景モード(
図54)は、第2始動口12が非入球容易状態であるとき、すなわち、低確率状態かつ非時短状態(通常遊技状態)、または、低確率状態かつ時短状態CL(微時短状態)である場合に設定されることがある演出モードである。具体的には、本形態では、地上背景モードは、微時短状態であるときに設定される。このため、地上背景モードとその背景画像は、微時短状態(時短状態CL)であることを示唆する機能を有する。また、地上背景モードは、RAMクリア後に一度も大当たり遊技が行われていない場合の非時短状態であるときにも設定される。つまり、地上背景モードは、第1始動口11を狙って遊技が進行される状態において設定されることがある演出モードである。地上背景モードにはさらに、
図54(A)に示す昼の地上の背景画像(昼背景画像GH1)が表示される昼背景モード、
図54(B)に示す夕方の地上の背景画像(夕方背景画像GH2)が表示される夕方背景モード、
図54(C)に示す夜の地上の景色を表す背景画像(夜背景画像GH3)が表示される夜背景モードがある。
【0341】
宇宙背景モード(
図55(A))は、高確率状態かつ時短状態Aである場合に設定される演出モードである。宇宙背景モードでは、宇宙背景画像GH5が表示される。宇宙背景モードとその背景画像は、高確率状態かつ時短状態Aであることを示唆する機能を有する。第1空背景モード(
図55(B))は、低確率状態かつ時短状態Aである場合に設定される演出モードである。第1空背景モードでは、第1空背景画像GH6が表示される。第1空背景モードとその背景画像は、低確率状態かつ時短状態Aであることを示唆する機能を有する。第2空背景モード(
図55(C))は、低確率状態かつ時短状態Cである場合に設定される演出モードである。第2空背景モードでは、第2空背景画像GH7が表示される。第2空背景モードとその背景画像は、低確率状態かつ時短状態Cであることを示唆する機能を有する。つまり、宇宙背景モード、第1空背景モード、第2空背景モードはいずれも、入球容易状態である通常時短状態のときのモードであり、第2始動口12を狙って遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
【0342】
図55には、通常時短状態にて表示部50aに表示される画像の一例を示している。前述したように、パチンコ遊技機PY1では、通常時短状態において、右打ちにより第2始動口12を狙って遊技を進行することが有利である。よって、演出制御用マイコン121は、第2始動口12を狙うべく、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像GRを表示部50aの右上部に表示することが可能である。なお、表示器類8に右打ちまたは左打ちを指示可能なランプ等を設ける場合、そのランプについても、各遊技状態にて有利に遊技を進行可能な表示を行うことが好ましい。具体的には、表示器類8に右打ちを指示する旨の右打ちランプがある場合、遊技制御用マイコン101は、通常時短状態にて右打ちランプを点灯させることが好ましい。また、通常時短状態では上限実行回数(時短回数)が設定される。よって、通常時短状態では、通常時短状態の終了時期を示唆するため、演出制御用マイコン121は、時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示GNを表示することがある。
【0343】
発射基地背景モード(
図56)は、第2始動口12が非入球容易状態であるとき、すなわち、低確率状態かつ非時短状態(通常遊技状態)である場合に設定されることがある演出モードである。具体的には、RAMクリア後に少なくとも1回の大当たり遊技が行われている場合の非時短状態である場合に設定されることがある演出モードである。発射基地背景モードでは、発射基地背景画像GH10が表示される。発射基地背景モードとその背景画像は、非時短状態であることを示唆する機能を有する。
【0344】
なお、前述したように、RAMクリア後に一度も大当たり遊技が行われていない場合の非時短状態であるときには、微時短状態と同じ地上背景モードが設定される。本形態において、非入球容易状態であるという点においては、非時短状態と微時短状態とは同じである。しかし、非時短状態では通常時短ハズレに基づいて通常時短状態(時短状態C)へと移行できる可能性がある一方、微時短状態においては、特殊ハズレに基づく通常時短状態への移行が制限されている。つまり、本形態において、非時短状態は、微時短状態よりも遊技者に有利であるといえる。よって、発射基地背景モードとその背景画像は、微時短状態であるときよりも遊技者に有利であることを示唆する機能を有する。
【0345】
8-6-2.特
図1変動推奨演出
次に、特
図1変動推奨演出について説明する。特
図1変動推奨演出は、発射基地背景モードにて実行されることがある演出である。
図57(A)は、発射基地背景モードに移行したときを示す図である。すなわち、
図57(A)には、非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態から、非時短状態へと移行した場合の表示部50aを示している。
図57(A)には、発射基地背景画像GH10が表示されている。また、発射基地背景モードでは、発射指示画像GSが表示されている。発射指示画像GSは、第1始動口11へ遊技球を入賞させ、特
図1の抽選を受けることを推奨することを示唆可能な画像である。つまり、発射指示画像GSは、特
図1変動推奨画像である。さらに、発射基地背景画像GH10は、発射指示画像GSが表示されるときの背景画像である。よって、発射基地背景画像GH10は、特
図1変動推奨背景画像である。また、パチンコ遊技機PY1では、非時短状態において、左打ちにより第1始動口11を狙って遊技を進行することが有利である。よって、演出制御用マイコン121は、第1始動口11を狙うべく、左打ちにて遊技を行うべき旨を報知する左打ち報知画像GLを表示部50aの右上部に表示することが可能である。
【0346】
発射基地背景モードは、RAMクリア後に少なくとも1回の大当たり遊技が行われている場合の非時短状態である場合に設定される。つまり、大当たり後に特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が終了し、非時短状態へと制御されたときに設定される。この状況において、遊技者は、遊技を終了しがちである。しかし、非時短状態では、特
図1の抽選において、通常時短ハズレに当選する可能性がある。つまり、非時短状態で遊技を終了することは、遊技者に不利益になってしまう可能性がある。そこで、本形態の演出制御用マイコン121は、大当たり後の特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が終了した後の非時短状態においても、特
図1変動推奨演出により、遊技者が遊技を継続し、利益を損なわないように推奨することが可能である。
【0347】
発射基地背景モードにおいて、第1始動口11へと遊技球が入球し、特
図1の抽選が開始されると、演出制御用マイコン121は、時短突入演出(
図32の備考参照)を実行可能である。本形態の時短突入演出では、ロケットが正常に発射されるか否かを示す画像が表示される。
【0348】
特
図1の抽選の結果が通常時短ハズレ(ハズレ図柄A)である場合、
図57(B)に示すように、演出制御用マイコン121は、時短突入演出を成功態様にて行う。本形態において、成功態様の時短突入演出では、ロケットが正常に発射される様子の画像が示される。この場合、特
図1の抽選結果が通常時短ハズレ(ハズレ図柄A)であることに応じて、通常時短状態(時短状態C)へと制御される。よって、演出制御用マイコン121は、成功態様の時短突入演出を行った後、通常時短状態(時短状態C)へと制御されることに応じて、演出モードを、
図57(C)に示すように、通常時短状態(時短状態C)に対応した第2空背景モードに設定する。
【0349】
一方、特
図1の抽選の結果が微時短ハズレ(ハズレ図柄B)である場合、
図57(D)に示すように、演出制御用マイコン121は、時短突入演出を失敗態様にて行う。本形態において、失敗態様の時短突入演出では、ロケットが正常に発射されない様子の画像が示される。この場合、特
図1の抽選結果が微時短ハズレ(ハズレ図柄B)であることに応じて、微時短状態(時短状態CL)へと制御される。よって、演出制御用マイコン121は、失敗態様の時短突入演出を行った後、微時短状態(時短状態CL)へと制御されることに応じて、演出モードを、
図57(E)に示すように、微時短状態(時短状態CL)に対応した地上背景モードに設定する。また、地上背景モードへと制御した後、所定の期間については、左打ち報知画像GLを表示部50aに表示する。これにより、その後、左打ちにて遊技を進行することを、遊技者に適切に示すことができる。
【0350】
また、本形態の発射基地背景モードは、その前の演出モードに関連した内容の演出モードである。つまり、発射基地背景モードでは、通常時短状態にて設定される宇宙背景モードや空背景モードにて演出が行われた後、再度、そのような演出モードへと復帰することを示唆する内容の画像を表示している。このため、発射基地背景モードおよび特
図1変動推奨演出は、大当たり後の特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が終了した後であっても、まだその状態へと復帰できる可能性が微時短状態よりも高いことを示唆する機能を有している。よって、遊技者は、大当たり後の特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が終了した後であっても、遊技を終了しにくい。これにより、遊技者が知らない間に不利益になってしまうことを抑制できる。
【0351】
8-7.第1実施形態における主な効果
以上詳細に説明したように、本形態に係るパチンコ遊技機PY1は、入球容易状態(通常時短状態)のときには、非入球容易状態(非時短状態、微時短状態)のときよりも遊技球が入球し易い第2始動口12と、入球容易状態と非入球容易状態とで遊技球の入球のしやすさが変わらない第1始動口11とを有する。また、第1始動口11、第2始動口12への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示と停止表示とを伴う図柄変動を実行可能であり、大当たり図柄で停止表示すると大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放を伴う大当たり遊技状態とする遊技制御用マイコン101を有している。遊技制御用マイコン101は、非入球容易状態のひとつである非時短状態のときには、特別図柄を大当たり図柄とは異なるハズレ図柄A(時短ハズレの態様)で停止表示することに応じて、通常時短状態(時短状態C)にすることがある。さらに、特別図柄を大当たり図柄ともハズレ図柄A(時短ハズレの態様)とも異なるハズレ図柄Bで停止表示することに応じて、微時短状態(時短状態CL)にすることがある。加えて、非時短状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(通常時短状態)の後、非時短状態とすることがある。演出制御用マイコン121は、非時短状態では、表示部50aにて、特
図1変動推奨演出を実行することがある。特
図1変動推奨演出は、第1始動口11へ遊技球を入賞させ、特
図1の抽選を受けることを推奨することを示唆可能な画像であり、微時短状態よりも遊技者に有利であることを示唆可能な演出である。これにより、遊技者が利益を損なわないようにできる。よって、興趣性を高めることが可能である。
【0352】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1では、演出制御用マイコン121は、微時短状態では、特
図1変動推奨演出を実行しない。これにより、特
図1変動推奨演出に対する遊技者の信頼を高めることが可能である。よって、特
図1変動推奨演出により、興趣性を高めることが可能である。
【0353】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1では、遊技制御用マイコン101は、電源投入後に非時短状態とすることがある。そして、演出制御用マイコン121は、有利遊技状態(通常時短状態)の後の非時短状態では特
図1変動推奨演出を実行することがある一方、電源投入後の非時短状態では特
図1変動推奨演出を実行しない。有利遊技状態(通常時短状態)に至るまでには、遊技者は、それまでにある程度の時間をかけて遊技を行っている可能性が高い。そして、本形態のパチンコ遊技機PY1では、ある程度、時間をかけて遊技を行ってきた遊技者に対しては、特
図1変動推奨演出により、不利益が生じないようにすることが可能である。
【0354】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1では、演出制御用マイコン121は、微時短状態では、表示部50aに、背景画像として地上背景モードに係る画像(昼背景画像GH1、夕方背景画像GH2、夜背景画像GH3)を表示可能である。そして、電源投入後の非時短状態では、背景画像として、地上背景モードに係る画像(昼背景画像GH1、夕方背景画像GH2、夜背景画像GH3)を表示することがある。これにより、本形態のパチンコ遊技機PY1では、特
図1変動推奨演出を、ある程度、時間をかけて遊技を行ってきた遊技者に対して実行する一方、電源投入後の非時短状態で遊技を開始する遊技者に対しては、微時短状態であるか非時短状態であるかの判別を困難とすることができる。よって、これから遊技を開始する遊技者に対しては、微時短状態であるか非時短状態であるかの判別を困難とし、興趣性を高めることが可能である。
【0355】
8-8.第1実施形態に係る変更例
【0356】
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記実施形態の同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、本形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0357】
例えば、本形態では、特
図1に係るハズレ図柄として、特殊ハズレのみ存在する態様について説明した。しかし、特
図1に係るハズレ図柄には、特殊ハズレだけでなく、時短状態へと制御されない通常ハズレを設けることとしてもよい。また例えば、特
図2に係るハズレ図柄として特殊ハズレを設けることとしてもよい。すなわち、本形態にて説明した特
図1、特
図2のハズレ図柄の種類や数は、単なる一例であり、適宜変更可能である。大当たり図柄についても同様である。また例えば、非時短状態が微時短状態よりも遊技者に有利な傾向であればよく、例えば、特
図1に係るハズレ図柄としての微時短ハズレはなく、特
図2のハズレ図柄に微時短ハズレを設けることとしてもよい。また例えば、本形態にて示した時短回数や確変回数は単なる一例であり、当然、適宜変更することができる。また例えば、大当たり遊技の種類や数、大当たり遊技の具体的な内容についても、適宜、変更することができる。例えば、大当たり遊技の後、時短状態へと制御されずに非時短状態へと制御されるパターンを設けることもできる。
【0358】
また例えば、演出制御用マイコン121は、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動され、非時短状態(通常遊技状態)である場合に、特
図1変動推奨演出を行わないことがある構成であってもよい。非時短状態(通常遊技状態)である場合に特
図1変動推奨演出を行わない演出制御用マイコン121は、表示部50aに、背景画像として地上背景モードに係る画像を表示可能であればよい。すなわち、例えば、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動された際に、演出制御用マイコン121は、特
図1変動推奨演出を行うか否かの特
図1変動推奨演出判定を行い、当該判定によって特
図1変動推奨演出を行うと判定した場合には特
図1変動推奨演出を行い、当該判定によって特
図1変動推奨演出を行わない判定した場合には特
図1変動推奨演出を行わないものとしてもよい。このような演出制御用マイコン121は、例えば、特
図1変動推奨演出判定において、所定の確率で特
図1変動推奨演出を行うと判定するものとしてもよい。また例えば、演出制御用マイコン121は、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動された際に、特
図1変動推奨演出を行うか否かの選択が可能な選択画面を表示し、当該画面の表示中に特
図1変動推奨演出を行う旨の選択入力がなされた場合に、特
図1変動推奨演出判定にて特
図1変動推奨演出を行うと判定するものであってもよい。あるいは、演出制御用マイコン121は、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動された際に、特
図1変動推奨演出を行うか否かの選択が可能な選択画面を表示し、当該画面の表示中に特
図1変動推奨演出を行わない旨の選択入力がなされた場合に、特
図1変動推奨演出判定にて特
図1変動推奨演出を行わないと判定するものであってもよい。また、演出制御用マイコン121は、RAMクリア後に少なくとも1回の大当たり遊技が行われている場合の非時短状態において、特
図1変動推奨演出を行わないことがある構成であってもよい。この場合にも、特
図1変動推奨演出を行うか否かの特
図1変動推奨演出判定を行うこととすればよい。特
図1変動推奨演出の内容は、上記で説明した内容に限らず、適宜、変更可能である。すなわち、特
図1変動推奨演出は、例えば、非時短状態の直前の遊技状態にて表示されていた画像と同一または関連する画像を表示する演出であってもよい。具体的には、例えば、特
図1変動推奨演出を、非時短状態の直前の遊技状態のモード(またはゾーン)と同一または関連するモード(ゾーン)を示す画像を表示する演出とすることが考えられる。
【0359】
また、本形態では、所謂「第1種」,「デジパチ」といわれる種類のパチンコ遊技機のうち、ST(スペシャルタイム)の期間、当選確率が高確率状態に制御される所謂「ST機」といわれるパチンコ遊技機PY1について詳細に説明した。しかしながら遊技機を、「ST機」以外の「第1種」のパチンコ遊技機としてもよい。また例えば、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。
【0360】
9.第2実施形態
次に、パチンコ遊技機PY1の第2実施形態について説明する。特に述べない限り、上述の第1実施形態のパチンコ遊技機PY1が第2実施形態にも適用される。
【0361】
9-1.遊技機における主な遊技
本形態のパチンコ遊技機PY1に係るハズレの種類について、
図58に基づいて詳細に説明する。
図58に示すように、特
図1の抽選で決定されるハズレ図柄(特
図1表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類であり、特
図2の抽選で決定されるハズレ図柄(特
図2表示器81bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類である。具体的には特
図1の抽選では、「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図1_ハズレ図柄B」のいずれかに決定される。また特
図2の抽選では、「特
図2_ハズレ図柄C」に決定される。
【0362】
図58に示すように、「特
図1_ハズレ図柄B」は通常ハズレである。「特
図1_ハズレ図柄A」、「特
図2_ハズレ図柄C」は特殊ハズレである。特殊ハズレは、時短状態の制御契機となり得るハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態に制御することがある。
【0363】
「特
図1_ハズレ図柄A」は、通常時短ハズレであり、遊技制御用マイコン101は、特別図柄抽選の結果が「特
図1_ハズレ図柄A」の場合、通常時短状態である時短状態Cへと制御する。遊技制御用マイコン101は、「特
図1_ハズレ図柄A」に基づく時短状態Cについては、時短回数を100回に設定する。「特
図1_ハズレ図柄B」は通常ハズレである。
【0364】
「特
図2_ハズレ図柄C」は、微時短ハズレであり、遊技制御用マイコン101は、特別図柄抽選の結果が「特
図1_ハズレ図柄B」の場合、微時短状態である時短状態CLへと制御する。遊技制御用マイコン101は、「特
図2_ハズレ図柄C」に基づく時短状態CLについては、時短回数を遊技状態に応じ回数に設定する。具体的には、非時短状態、微時短状態、時短状態Cにおける特別図柄抽選の結果が「特
図2_ハズレ図柄C」の場合、時短回数を1000回に設定する。低確率状態かつ非時短状態、微時短状態、時短状態Cにおける特別図柄抽選の結果が「特
図2_ハズレ図柄C」の場合、低確率状態、高確率状態について同様である。また、低確率状態かつ時短状態Aにおける特別図柄抽選の結果が「特
図2_ハズレ図柄C」の場合、時短回数を100回に設定する。高確率状態かつ時短状態A、高確率状態かつ非時短状態における特別図柄抽選の結果が「特
図2_ハズレ図柄C」の場合、時短回数を10回に設定する。
【0365】
ここで、高確率状態かつ時短状態Aと低確率状態かつ時短状態Aとを比較した場合、高確率状態かつ時短状態Aの方が遊技者にとって優位な遊技状態である。大当たり図柄に当選する確率が高いからである。また、低確率状態かつ時短状態Aと時短状態Cとを比較した場合、低確率状態かつ時短状態Aの方が遊技者にとって優位な遊技状態である。時短状態Cは、特殊ハズレに基づいて制御された遊技状態であるのに対し、時短状態Aは、大当たり遊技が行われたことに応じて制御された遊技状態であるからである。つまり、すでに大当たり遊技が行われた後だからである。このため、「高確率状態かつ時短状態A」、「低確率状態かつ時短状態A」、「時短状態C」を優位性の観点から比較すると、「高確率状態かつ時短状態A」>「低確率状態かつ時短状態A」>「時短状態C」の順で優位であるといえる。
【0366】
そして、本形態において、時短状態における特別図柄抽選の結果が「特
図2_ハズレ図柄C」の場合、当該時短状態に係る遊技状態が優位であるときほど、時短回数の少ない微時短状態(時短状態CL)へと制御される傾向にある。なお、時短状態にて、単位時間当たりに第2始動口12が入球可能状態をとる頻度に係る各機能については、上記の実施形態にて説明した態様を採用することができる。
【0367】
9-2.始動入賞コマンドについて
図59に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドにも、大当たりであるか、通常ハズレであるか、特殊ハズレであるかの抽選結果情報が含まれている。
【0368】
9-3.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、
図60に基づいて説明する。パチンコ遊技機PY1は、RAMクリアスイッチ119の操作を伴う電源入力がなされることで、フラグ等が初期設定の状態で起動する。つまり、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動した場合においては、遊技状態は非時短状態(通常遊技状態)である。さらに、確率変動機能についても作動しておらず、低確率状態(通常確率状態)である。この特定電源条件が成立した状態で起動された場合において、パチンコ遊技機PY1では、まず、第1始動口11に遊技球を入賞させるべく、左打ちにて遊技を進行することが好ましい。低確率状態かつ非時短状態は、第2始動口12への入球が困難な非入球容易状態であるためである。そして、第1始動口11に遊技球が入賞した場合、特
図1の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。
【0369】
低確率状態かつ非時短状態における特
図1の抽選に基づく大当たりには、Vロング大当たりとVショート大当たりとがある。Vロング大当たりに当選した場合、10Rの大当たり遊技が行われた後、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)へと制御される。高確率状態かつ時短状態Aについて、確変回数および時短回数はともに100回に設定される。この状態は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数(確変回数)だけ連続するまで継続される。一方、Vショート大当たりに当選した場合、10Rの大当たり遊技が行われた後、低確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)へと制御される。低確率状態かつ時短状態Aについて、時短回数は100回に設定される。この状態は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数だけ連続するまで継続される。
【0370】
一方、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、第1始動口11への入球に基づく特
図2の抽選結果は、特殊ハズレ(通常時短ハズレ)であることがある。そして、その特殊ハズレの図柄がハズレ図柄A(通常時短ハズレ)であれば、時短回数が100回の時短状態C(通常時短状態)へと制御される。時短状態Cは、低確率状態である。
【0371】
通常時短状態である高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cでは、第2始動口12が頻繁に入球可能状態をとる入球容易状態であるため、右打ちにて遊技を進行することが好ましい。そして、右打ちにて遊技を進行し、第2始動口12に遊技球が入賞した場合、特
図2の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cにおける特
図2の抽選においても、Vロング大当たりまたはVショート大当たりに当選可能である。
【0372】
パチンコ遊技機PY1では、時短状態Aおよび時短状態Cにおける特
図2の抽選において、大当たりに当選し続ける限り、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が継続する。すなわち、高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cは、非時短状態よりも、遊技者に有利な有利遊技状態である。また、大当たり遊技が行われている大当たり遊技状態についても、非時短状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態である。
【0373】
一方、第2始動口12への入球に基づく特
図2の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。時短状態において、時短残り回数が2回以上であるときには、特
図2の抽選結果のハズレの種別が特殊ハズレであっても、その後の遊技状態が時短状態へと制御されることはなく、時短残り回数が減少する。高確率状態である場合においては、確変残り回数についても時短残り回数と同様である。しかし、時短残り回数が1回であるとき、すなわち、時短状態における最後の1回の特
図2の抽選結果が特殊ハズレである場合には、その後の遊技状態は、特殊ハズレの種類に応じた時短状態へと制御される。本形態において、特
図2の抽選にて引けるハズレの種別は、微時短ハズレであるハズレ図柄Cだけである。このため、高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cにおける最後の1回の特
図2の抽選結果がハズレ図柄Cである場合、その後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態CL(微時短状態)へと制御される。
【0374】
また、本形態では、ハズレ図柄C(微時短ハズレ)に応じて制御される低確率状態かつ時短状態CL(微時短状態)における時短回数は、ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態に応じて、それぞれ異なる回数となる。具体的に、ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態が高確率状態かつ時短状態Aである場合、ハズレ図柄Cが停止表示されることに応じて、時短回数10回の微時短状態へと制御される。ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態Aである場合、ハズレ図柄Cが停止表示されることに応じて、時短回数100回の微時短状態へと制御される。ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態Cである場合、ハズレ図柄Cが停止表示されることに応じて、時短回数1000回の微時短状態へと制御される。
【0375】
時短状態CL(微時短状態)は、第2始動口12への入球が困難な非入球容易状態である。このため、第1始動口11への入球を狙うべく、左打ちにて遊技を進行することが好ましい。左打ちにて遊技を進行し、第1始動口11に遊技球が入賞した場合、特
図1の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。時短状態CL(微時短状態)における特
図1の抽選においても、Vロング大当たりまたはVショート大当たりに当選可能である。
【0376】
一方、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、時短状態CL(微時短状態)における第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、特殊ハズレであることがある。ただし、時短状態CL(微時短状態)において、時短残り回数が2回以上であるときには、特殊ハズレであっても、これに基づいて遊技状態が時短状態へと制御されることはなく、時短状態CL(微時短状態)が維持されたまま時短残り回数のカウントが継続される。しかし、時短残り回数が1回であるとき、すなわち、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が特殊ハズレである場合には、そのハズレ図柄(ハズレ図柄A(通常時短ハズレ))に応じて時短状態C(通常時短状態)へと制御される。このため、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が特殊ハズレである場合、本形態では、時短突入演出を行うこととすることができる。一方、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が通常ハズレである場合には、低確率状態かつ非時短状態へと制御される。
【0377】
このように、本形態のパチンコ遊技機PY1では、通常時短状態に係る遊技状態における非特定回数が時短回数となることに応じて、微時短状態へと移行することがある。その微時短状態の時短回数は、その前の通常時短状態に係る遊技状態によって異なる。これにより、パチンコ遊技機PY1は、これまでにない新規なゲーム性を有している。
【0378】
また、本形態では、優位な通常時短状態に係る遊技状態ほど、その後に移行する微時短状態における時短回数を少ない回数に設定可能である。具体的には、高確率状態かつ時短状態Aにおける非特定回数がその上限回数となることに応じて制御される微時短状態(時短状態CL)については、低確率状態かつ時短状態Aにおける非特定回数がその上限回数となることに応じて制御される微時短状態(時短状態CL)よりも、微時短回数が少ない回数に設定される。また、低確率状態かつ時短状態Aにおける非特定回数がその上限回数となることに応じて制御される微時短状態(時短状態CL)については、低確率状態かつ時短状態Cにおける非特定回数がその上限回数となることに応じて制御される微時短状態(時短状態CL)よりも、微時短回数が少ない回数に設定される。よって、直前に遊技者にとって優位であったときほど、その後の微時短状態(時短状態C)を、少ない図柄変動回数で終了させることができる。
【0379】
また、本形態の演出制御用マイコン121は、通常時短状態に係る遊技状態における非特定回数がその上限回数となることに応じて制御される微時短状態(時短状態CL)においては、表示部50aに、微時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示を表示することとしてもよい。微時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示についても、時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示GNのように表示することが考えられる。ただし、微時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示は、残回数表示GNと同じ態様の表示ではなく、異なる態様にて表示することが好ましい。また、微時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示は、微時短回数の残り回数が所定の回数よりも少ないときにのみ表示することとすることもできる。
【0380】
また、微時短回数の残り回数を示唆可能な残回数表示は、優位な時短状態(例えば、時短状態A)における非特定回数が上限回数となることに応じて制御する微時短状態においては表示する一方、劣位な時短状態(例えば、時短状態C)における非特定回数が上限回数となることに応じて制御する微時短状態においては表示しないこととしてもよい。なお、この場合においても、劣位な時短状態(例えば、時短状態C)における非特定回数が上限回数となることに応じて制御する微時短状態について、微時短回数の残り回数が所定の回数よりも少なくなったときには表示することとしてもよい。
【0381】
9-4.第2実施形態における主な効果
以上詳細に説明したように、本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技を実行することに応じて、通常時短状態のひとつである時短状態Aに制御可能である。特別図柄を大当たり図柄A、Cで停止表示する場合、これに応じて、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態かつ時短状態Aへと制御することがある。一方、特別図柄を大当たり図柄B、Dで停止表示する場合、これに応じて、大当たり遊技後の遊技状態を低確率状態かつ時短状態Aへと制御することがある。また、非時短状態にて特別図柄をハズレ図柄Aで停止表示することに応じて、時短状態Aとは異なる通常時短状態である時短状態Cへと制御することがある。そして、遊技制御用マイコン101は、通常時短状態(時短状態A、C)における非特定回数が、設定した時短回数となることに応じて、微時短状態(時短状態CL)へと制御することがある。さらに、遊技制御用マイコン101は、微時短状態(時短状態CL)における非特定回数が、設定した時短回数となることに応じて、非時短状態へと制御することがある。そして、遊技制御用マイコン101は、通常時短状態における非特定回数が上限回数となることに応じて微時短状態へと制御する場合、非特定回数が上限回数となった通常時短状態の種類に応じて、微時短状態の微時短回数を異なる回数に設定可能である。このような新規な遊技性によって、興趣性を高めることが可能である。
【0382】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、時短状態Aにおける非特定回数が時短回数となることに応じて制御する微時短状態(時短状態CL)については、時短状態Cにおける非特定回数が時短回数となることに応じて制御する微時短状態(時短状態CL)よりも、微時短回数を少ない回数に設定可能である。よって、救済的な意味合いを有する時短状態Cよりも優位である、大当たり遊技後の時短状態Aにおいては、時短状態Cよりも、その状態が終了して微時短状態へと移行してしまった後、通常時短ハズレによる時短状態Cへの移行可能性の高い状態(微時短状態の最後の1回、非時短状態)へと早期に移行可能である。このような新規な遊技性によって、より興趣性を高めることが可能である。
【0383】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態Aにおける非特定回数が、設定した時短回数となることに応じて、微時短状態(時短状態CL)へと制御することがある。そして、遊技制御用マイコン101は、高確率状態かつ時短状態Aにおける非特定回数がその上限回数(確変回数と時短回数との多い方の回数)となることに応じて制御する微時短状態(時短状態CL)については、低確率状態かつ時短状態Aにおける非特定回数が時短回数となることに応じて制御する微時短状態(時短状態CL)よりも、微時短回数を少ない回数に設定可能である。よって、低確率状態かつ時短状態Aよりも優位である、高確率状態かつ時短状態Aにおいては、低確率状態かつ時短状態Aよりも、その状態が終了して微時短状態へと移行してしまった後、通常時短ハズレによる時短状態Cへの移行可能性の高い状態(微時短状態の最後の1回、非時短状態)へと早期に移行可能である。このような新規な遊技性によって、より興趣性を高めることが可能である。
【0384】
9-5.第2実施形態に係る変更例
【0385】
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記実施形態の同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、本形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0386】
例えば、本形態では、特
図1に係るハズレ図柄として、通常ハズレが存在する態様について説明した。しかし、特
図1に係るハズレ図柄には、通常ハズレはなくてもよい。例えば、通常時短ハズレのみ設けた構成としても良い。すなわち、本形態にて説明した特
図1、特
図2のハズレ図柄の種類や数は、単なる一例であり、適宜変更可能である。大当たり図柄についても同様である。また例えば、本形態にて示した時短回数や確変回数についても単なる一例であり、当然、適宜変更することができる。また例えば、大当たり遊技の種類や数、大当たり遊技の具体的な内容についても、適宜、変更することができる。例えば、大当たり遊技の後、時短状態へと制御されずに非時短状態へと制御されるパターンを設けることもできる。
【0387】
また例えば、本形態では、特
図2に係るハズレ図柄として、1種類の微時短ハズレのみ存在する態様について説明した。しかし、例えば、特
図2に係るハズレ図柄として、微時短状態へと制御される微時短ハズレを複数、設けることとしてもよい。この場合、例えば、優位な時短状態のときほど、微時短回数の少ない微時短ハズレに当選する傾向にある構成することが可能である。すなわち、優位な時短状態(例えば、高確率状態かつ時短状態A)における非特定回数が上限回数となることに応じて制御する微時短状態については、優位な時短状態と比べて劣位な時短状態(例えば、低確率状態かつ時短状態A)における非特定回数が上限回数となることに応じて制御する微時短状態よりも、微時短状態における時短回数を少ない回数に設定する傾向にあればよい。
【0388】
また例えば、遊技制御用マイコン101は、図柄変動中において、(1)特殊ハズレ(通常時短ハズレ、微時短ハズレ)に応じた時短回数を記憶させておく処理、(2)設定した時短回数に非特定回数が到達することに応じて時短状態から非時短状態へと制御する処理、(3)特殊ハズレに応じて時短状態へと制御するか否かを判定する時短判定に係る処理、をこの順で行うことができればよく、各処理の具体的なタイミングは上記で説明したタイミングとは異なるタイミングとすることもできる。
【0389】
また例えば、本形態では、遊技制御用マイコン101は、特
図1に係る図柄変動、特
図2に係る図柄変動のどちらの図柄変動を行う場合においても、確変カウンタおよび時短カウンタをともに、カウントする構成であるものとして説明した。つまり、遊技制御用マイコン101は、高確率状態および時短状態を、特
図1に係る図柄変動と特
図2に係る図柄変動との合計回数がそれぞれの上限回数に到達したことに応じて終了する構成として説明した。しかし、遊技制御用マイコン101は、高確率状態および時短状態を、特
図2に係る図柄変動の回数が上限回数に到達したことに応じて終了することとしてもよい。つまり、遊技制御用マイコン101は、特
図2の抽選を受けることが可能な入球容易状態においては、確変カウンタおよび時短カウンタを、特
図2に係る図柄変動についてのみカウントする構成とすることもできる。また例えば、遊技制御用マイコン101は、確変カウンタおよび時短カウンタとして、特
図1に係る図柄変動についてのものと、特
図2に係る図柄変動についてのものとをそれぞれ別にカウント可能なものとしてもよい。この場合、特
図2の抽選を受けることが可能な入球容易状態においては、特
図1に係る図柄変動についてのカウンタに設定する値を、特
図2に係る図柄変動についてのカウンタに設定する値よりも大きな値とすることもできる。なお、本形態においては、確変カウンタや時短カウンタとして、図柄変動に応じて減算する態様のものを用いた例について説明した。しかし、当然、確変カウンタや時短カウンタ等の各種カウンタのカウント方法は、減算に限らず、加算する態様とすることも可能である。
【0390】
また、本形態では、所謂「第1種」,「デジパチ」といわれる種類のパチンコ遊技機のうち、ST(スペシャルタイム)の期間、当選確率が高確率状態に制御される所謂「ST機」といわれるパチンコ遊技機PY1について詳細に説明した。しかしながら遊技機を、「ST機」以外の「第1種」のパチンコ遊技機としてもよい。また例えば、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。
【0391】
10.第3実施形態
次に、パチンコ遊技機PY1の第3実施形態について説明する。特に述べない限り、上述の第2実施形態のパチンコ遊技機PY1が第3実施形態にも適用される。
【0392】
10-1.遊技制御用マイコン101の動作
図61、
図62に基づいて本形態の遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
【0393】
[特別図柄変動終了時遊技状態管理処理]本形態の遊技制御用マイコン101は、
図61に示す特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)を実行可能である。特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1516)、時短フラグがONでなければ、ステップS1523に進むが、時短フラグがONであれば、時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1517)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1518)。時短カウンタの値が「0」でなければ、ステップS1523に進むが、時短カウンタの値が「0」であれば(S1518でYES)、時短状態を終了させるべく時短フラグをOFFして(S1519)、ステップS1523に進む。
【0394】
ステップS1523では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理(S1523)については、上記の実施形態にて説明した通りとすることができる。
【0395】
この特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)により、本形態では、特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御がなされる。この特図変動の回数が時短回数の上限に至ったことに基づく時短状態から非時短状態への制御は、時短状態における最後の特図変動にてなされる。すなわち、時短状態における最後の図柄変動では、特別図柄の変動が終了し、特別図柄が停止される際に、非時短状態へと移行している。
【0396】
[特別図柄確定時遊技状態管理処理]本形態の遊技制御用マイコン101は、
図62に示す特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)を実行可能である。特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)ではまず、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S1701)。確変フラグがOFFでなければ、ステップS1706に進むが、確変フラグがOFFであれば、続いて、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S1702)。時短フラグがOFFでなければ、ステップS1706に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(通常時短ハズレまたは微時短ハズレ)であるか否かを判定する(S1703)。特殊ハズレでなければ(S1703でNO)、ステップS1706に進むが、特殊ハズレであれば(S1703でYES)、時短フラグをONにする(S1704)。これにより、特殊ハズレに応じて時短状態に制御するか否かの判定(時短判定)が行われる。すなわち、本形態では、非時短状態において特殊ハズレが停止表示されることに応じて、時短状態を設定する。また、特殊ハズレのハズレ図柄に応じた所定の時短回数を時短カウンタにセットし(S1705)、ステップS1706に進む。ここでセットされる時短回数は、特
図2大当たり判定処理(S1002)または特
図1大当たり判定処理(S1008)のステップS1113にて遊技用RAM104の時短回数記憶領域に記憶した時短回数である。この処理でセットされる時短状態およびその時短回数は、当該処理が行われる時点での遊技状態(時短状態、非時短状態)ではなく、特
図2大当たり判定処理(S1002)または特
図1大当たり判定処理(S1008)が行われる時点での遊技状態に対応したものとなる。
【0397】
また、ステップS1704及びS1705が実行されることにより、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。なお本形態では、ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、低確率状態かつ非時短状態であるとき(ステップS1701、ステップS1702でともにYESのとき)に限られている。
【0398】
ステップS1706では、確変フラグがONか否か判定し、確変フラグがONでなければ、ステップS1710に進むが、確変フラグがONであれば、確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1707)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1708)。確変カウンタの値が「0」でなければ、ステップS1710に進むが、時短カウンタの値が「0」であれば(S1708でYES)、高確率状態を終了させるべく確変フラグをOFFして(S1709)、ステップS1710に進む。
【0399】
またステップS1710では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)の遊技状態フラグ更新処理(S1710)についても、上記の実施形態にて説明した通りとすることができる。
【0400】
本形態では、この特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)において、特殊ハズレに基づく時短状態への制御が行われる。特殊ハズレに基づく時短状態は、確変フラグがOFFであり、かつ、時短フラグがOFFのときには設定される一方、確変フラグおよび時短フラグの少なくとも一方がONのときには設定されない。つまり、すでに高確率状態または時短状態であるときには、特殊ハズレに基づいて時短状態へと制御されることはないようになっている。ただし、本形態では、特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)の前に、特別図柄変動終了時遊技状態管理処理(S1504)が実行可能な構成である。このため、低確率状態かつ時短状態にて開始される図柄変動のうち、最後の図柄変動(時短状態において、その時短状態の上限実行回数に到達する図柄変動)においては、特別図柄確定時遊技状態管理処理(S1602)の前に、遊技状態が低確率状態かつ非時短状態(確変フラグ、時短フラグがOFF)とされている。つまり、低確率状態かつ時短状態における最後の図柄変動においては、非時短状態にて時短判定が行われることとなる。このため、特殊ハズレに基づいて時短状態へと制御されることがある。
【0401】
一方、本形態では、高確率状態から低確率状態への制御については、時短判定よりも後に行われる構成である。このため、高確率状態である場合には、その最後の図柄変動(高確率状態において、その高確率状態の上限実行回数に到達する図柄変動)においては、高確率状態(確変フラグがON)にて時短判定が行われることとなる。このため、高確率状態である場合には、その最後の図柄変動にて、特殊ハズレに基づいて時短状態へと制御されない構成となっている。
【0402】
そして、本形態では、高確率状態かつ時短状態の開始時において、確変カウンタの値としてセットする確変回数を、開始される時短状態の時短回数に、特
図2に係る保留の上限数以上の数が加えられた回数としている。具体的には、高確率状態かつ時短状態は、時短回数が100回である。また、特
図2に係る保留数の上限数は4である。そして、本形態の高確率状態かつ時短状態は、確変回数を、時短回数である100回に、特
図2に係る保留数の上限数である4を加えた104回としている。
【0403】
10-2.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、
図63に基づいて説明する。パチンコ遊技機PY1は、RAMクリアスイッチ119の操作を伴う電源入力がなされることで、フラグ等が初期設定の状態で起動する。つまり、電源投入に応じてRAMクリアがなされた特定電源条件が成立した状態で起動した場合においては、遊技状態は非時短状態(通常遊技状態)である。さらに、確率変動機能についても作動しておらず、低確率状態(通常確率状態)である。この特定電源条件が成立した状態で起動された場合において、パチンコ遊技機PY1では、まず、第1始動口11に遊技球を入賞させるべく、左打ちにて遊技を進行することが好ましい。低確率状態かつ非時短状態は、第2始動口12への入球が困難な非入球容易状態であるためである。そして、第1始動口11に遊技球が入賞した場合、特
図1の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。
【0404】
低確率状態かつ非時短状態における特
図1の抽選に基づく大当たりには、Vロング大当たりとVショート大当たりとがある。Vロング大当たりに当選した場合、10Rの大当たり遊技が行われた後、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)へと制御される。高確率状態かつ時短状態Aについて、確変回数は104回、時短回数は100回に設定される。この状態は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数だけ連続するまで継続される。高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)にて選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数だけ連続すると、高確率状態かつ非時短状態(通常遊技状態)へと制御される。高確率状態かつ非時短状態(通常遊技状態)は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が保留数の上限数だけ連続するまで継続される。
【0405】
一方、Vショート大当たりに当選した場合、10Rの大当たり遊技が行われた後、低確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)へと制御される。低確率状態かつ時短状態Aについて、時短回数は100回に設定される。この状態は、その次の大当たり遊技が実行されるか、抽選結果がハズレである図柄変動の回数(非特定回数)が時短回数だけ連続するまで継続される。
【0406】
一方、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、第1始動口11への入球に基づく特
図2の抽選結果は、特殊ハズレ(通常時短ハズレ)であることがある。そして、その特殊ハズレの図柄がハズレ図柄A(通常時短ハズレ)であれば、時短回数が100回の時短状態C(通常時短状態)へと制御される。時短状態Cは、低確率状態である。
【0407】
通常時短状態である高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cでは、第2始動口12が頻繁に入球可能状態をとる入球容易状態であるため、右打ちにて遊技を進行することが好ましい。そして、右打ちにて遊技を進行し、第2始動口12に遊技球が入賞した場合、特
図2の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cにおける特
図2の抽選においても、Vロング大当たりまたはVショート大当たりに当選可能である。なお、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)では、第2始動口12が入球容易状態をとる。このため、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)では、右打ちによる遊技を正しく継続している限り、通常、第2始動口12への入球に基づく特
図2の保留を上限数まで獲得できる。よって、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)の後の高確率状態かつ非時短状態(通常遊技状態)では、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)にて獲得された特
図2に係る上限数の保留についての抽選が行われる。
【0408】
パチンコ遊技機PY1では、時短状態Aおよび時短状態Cにおける特
図2の抽選において、大当たりに当選し続ける限り、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が継続する。すなわち、高確率状態かつ時短状態A、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cは、非時短状態よりも、遊技者に有利な有利遊技状態である。また、大当たり遊技が行われている大当たり遊技状態についても、非時短状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態である。
【0409】
一方、第2始動口12への入球に基づく特
図2の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。低確率状態かつ時短状態において、時短残り回数が2回以上であるときには、特
図2の抽選結果のハズレの種別が特殊ハズレであっても、その後の遊技状態が時短状態へと制御されることはなく、時短残り回数が減少する。しかし、時短残り回数が1回であるとき、すなわち、低確率状態かつ時短状態における最後の1回の特
図2の抽選結果が特殊ハズレである場合には、その後の遊技状態は、特殊ハズレの種類に応じた時短状態へと制御される。本形態において、特
図2の抽選にて引けるハズレの種別は、微時短ハズレであるハズレ図柄Cだけである。このため、低確率状態かつ時短状態A、および低確率状態かつ時短状態Cにおける最後の1回の特
図2の抽選結果がハズレ図柄Cである場合、その後の遊技状態が低確率状態かつ時短状態CL(微時短状態)へと制御される。
【0410】
高確率状態かつ時短状態においても、特
図2の抽選結果のハズレの種別が特殊ハズレである場合、その後の遊技状態が時短状態へと制御されることはなく、確変残り回数および時短残り回数が減少する。高確率状態かつ時短状態においては、時短残り回数が1回であるとき、すなわち、高確率状態かつ時短状態における最後の1回の特
図2の抽選結果が特殊ハズレである場合にも、その後の遊技状態が時短状態へと制御されることはない。高確率状態かつ時短状態における最後の1回では、時短判定のタイミングにおいて、非時短状態に制御されてはいるものの、高確率状態が継続しているからである。そして、高確率状態かつ時短状態における最後の1回の特
図2の抽選結果がハズレである場合、その後の遊技状態は、高確率状態かつ非時短状態へと制御される。
【0411】
高確率状態かつ非時短状態では、高確率状態かつ時短状態A(通常時短状態)にて獲得された特
図2に係る上限数の保留についての抽選が行われる。ここでも、時短判定のタイミングにて、高確率状態が継続しているため、特殊ハズレであっても時短状態へと制御されることなく、確変残り回数が減少する。そして、高確率状態かつ非時短状態における最後の1回の特
図2の抽選結果がハズレである場合、その後の遊技状態は、低確率状態かつ非時短状態へと制御される。
【0412】
また、本形態では、低確率状態かつ時短状態における最後の特
図2の抽選結果がハズレ図柄C(微時短ハズレ)である場合、これに応じて制御される低確率状態かつ時短状態CL(微時短状態)における時短回数は、ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態に応じて、それぞれ異なる回数となる。具体的に、ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態Aである場合、ハズレ図柄Cが停止表示されることに応じて、時短回数100回の微時短状態へと制御される。ハズレ図柄Cに係る図柄変動の開始時の遊技状態が低確率状態かつ時短状態Cである場合、ハズレ図柄Cが停止表示されることに応じて、時短回数1000回の微時短状態へと制御される。
【0413】
時短状態CL(微時短状態)は、第2始動口12への入球が困難な非入球容易状態である。このため、第1始動口11への入球を狙うべく、左打ちにて遊技を進行することが好ましい。左打ちにて遊技を進行し、第1始動口11に遊技球が入賞した場合、特
図1の抽選が行われ、これに基づいて大当たり当選することがある。時短状態CL(微時短状態)における特
図1の抽選においても、Vロング大当たりまたはVショート大当たりに当選可能である。
【0414】
一方、第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、大当たり当選よりもハズレである可能性の方が高い。また、時短状態CL(微時短状態)における第1始動口11への入球に基づく特
図1の抽選結果は、特殊ハズレであることがある。ただし、時短状態CL(微時短状態)において、時短残り回数が2回以上であるときには、特殊ハズレであっても、これに基づいて遊技状態が時短状態へと制御されることはなく、時短状態CL(微時短状態)が維持されたまま時短残り回数のカウントが継続される。しかし、時短残り回数が1回であるとき、すなわち、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が特殊ハズレである場合には、そのハズレ図柄(ハズレ図柄A(通常時短ハズレ))に応じて時短状態C(通常時短状態)へと制御される。このため、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が特殊ハズレである場合、本形態でも、時短突入演出を行うこととすることができる。一方、時短状態CL(微時短状態)における最後の1回の図柄変動での抽選結果が通常ハズレである場合には、低確率状態かつ非時短状態へと制御される。
【0415】
10-3.第3実施形態における主な効果
以上詳細に説明したように、本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、特殊ハズレに応じて時短状態へと制御するか否かの時短判定を、時短状態における非特定回数が時短回数となることに応じて時短状態から非時短状態へと制御する後に行う。さらに、時短判定を、高確率状態における非特定回数が確変回数となることに応じて高確率状態から低確率状態へと制御する前に行う。これにより、低確率状態かつ時短状態における最後の特図抽選の結果が特殊ハズレである場合には、特殊ハズレに応じて時短状態へと移行可能である一方、高確率状態かつ時短状態においては、その状態の最後の特図抽選の結果が特殊ハズレであっても、時短状態へと移行しない構成となっている。このような新規な遊技性によって、興趣性を高めることが可能である。
【0416】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、通常時短状態にて開始した最後の図柄変動に係る特図抽選の結果が微時短ハズレである場合、その後の遊技状態を、微時短状態とすることが可能である。このような構成であるため、低確率状態かつ通常時短状態においては、その状態の最後の図柄変動に係る特図抽選の結果が微時短ハズレである場合、その後の遊技状態が微時短状態へと移行することとなる。しかし、このような構成であっても、高確率状態かつ通常時短状態である場合には、その状態の最後の図柄変動に係る特図抽選の結果が微時短ハズレであっても、微時短状態へと移行しない。よって、低確率状態かつ通常時短状態においては、その後に微時短状態へと移行可能である一方、高確率状態かつ通常時短状態においては、その後に、微時短状態よりも有利な非時短状態へと移行可能な構成となっている。このため、低確率状態かつ時短状態よりも有利な高確率状態かつ時短状態であった場合には、その後、その状態が終了しても、低確率状態かつ時短状態が終了した後の状態よりは有利な状態へと移行し得る構成となっている。このような新規な遊技性によって、より興趣性を高めることが可能である。
【0417】
また本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、図柄変動の実行を、4回を上限として保留できる。そして、高確率状態かつ時短状態へと制御する際には、高確率状態の上限について設定する確変カウンタの値を、時短状態の上限について設定する時短カウンタの値に、保留数の上限である4を加えた値とする。これにより、図柄変動の実行を保留可能な構成においても、低確率状態かつ時短状態へと移行させる可能となっている。
【0418】
10-4.第3実施形態に係る変更例
【0419】
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記実施形態の同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、本形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0420】
例えば、本形態では、遊技制御用マイコン101が保留可能な特
図2の保留数を、4として説明した。しかし、保留数については、適宜変更可能である。また例えば、高確率状態かつ時短状態へと制御する場合に、高確率状態について設定する高確上限回数は、時短状態について設定する時短上限回数に保留数の上限以上の数を加えた回数とすることができる。低確率状態かつ時短状態へと制御できることに変わりはないからである。また例えば、遊技制御用マイコン101は、特
図2の保留を行わない構成とすることも可能である。この場合、高確率状態かつ時短状態へと制御する場合、高確率状態について設定する高確上限回数(確変カウンタに設定する値)は、時短状態について設定する時短上限回数(時短カウンタに設定する値)と同じ値としてもよい。
【0421】
また例えば、遊技制御用マイコン101は、図柄変動中において、(1)設定した時短回数に非特定回数が到達することに応じて時短状態から非時短状態へと制御する処理、(2)特殊ハズレに応じて時短状態へと制御するか否かを判定する時短判定に係る処理、(3)設定した確変回数に非特定回数が到達することに応じて高確率状態から低確率状態へと制御する処理をこの順で行うことができればよく、各処理の具体的なタイミングは上記で説明したタイミングとは異なるタイミングとすることもできる。
【0422】
11.第4実施形態
次に、パチンコ遊技機PY1の第4実施形態について説明する。特に述べない限り、上述の第1実施形態のパチンコ遊技機PY1が第4実施形態にも適用される。
【0423】
11-1.演出制御用マイコン121の動作
図64に基づいて本形態の演出制御用マイコン121の動作について説明する。
【0424】
[賞球関連処理]本形態の演出制御用マイコン121は、
図64に示す賞球関連処理(S4417)を実行可能である。賞球関連処理(S4417)ではまず、未払出賞球の数を算出する(S4701)。未払出賞球は、入賞口へ入賞した遊技球が、入賞口について設けられたセンサによって検知されて賞球条件が成立し、賞球を獲得する権利を獲得できているものの、まだ払い出されていない分の賞球である。なお、第1大入賞口14等の各入賞口への入賞に応じた賞球数は、予め定められている。賞球数については、入賞口ごとに異なることがある。未払出賞球は、賞球条件が成立した後、その賞球条件に応じた数の遊技球が実際に払い出されるまでに時間を要するために発生することがある。具体的には、例えば、パチンコ遊技機PY1における単位時間当たりの払い出し能力を超えた賞球条件が成立した場合に未払出賞球が発生する。また例えば、賞球を払い出す構成に何らかのトラブル(遊技球の詰まり)が生じたことにより発生することもある。また例えば、上皿34へ収容可能な上限を検知可能な上皿上限センサを有し、その上皿上限センサによる遊技球の検知に応じて払い出しを停止する構成である場合、これによって未払出賞球が発生することがある。未払出賞球の数は、例えば、賞球数の積算値から払出数を減ずることで算出可能である。演出制御用マイコン121は、賞球数を、遊技制御用マイコン101から受信する賞球コマンドによって把握可能である。賞球コマンドには、例えば、賞球数を示す情報や、その賞球がどの入賞口に応じたものであるかの情報(例えば、第1大入賞口14)が含まれていてもよい。また、演出制御用マイコン121は、払出数を、遊技制御用マイコン101から受信する払出コマンドによって把握可能である。払出コマンドには、賞球センサ73aにより検知された、実際に払い出された遊技球の数の情報等が含まれている。
【0425】
次に、未払出賞球の数が、予め定められた表示基準数以上であるか否かを判定する(S4702)。表示基準数以上である場合(S4702でYES)、演出モードが地上背景モードであるか否かを判定する(S4703)。地上背景モードは、前述したように、非入球容易状態であるときに設定される演出モードである。演出モードが地上背景モードであれば(S4703でYES)、未払出指標表示を表示し(S4704)、本処理を終える。すなわち、未払出指標表示を表示するための未払出指標表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。未払出指標表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、未払出指標表示が表示される。未払出指標表示は、未払出賞球が払い出されるまでの残り時間、および、未払出賞球の数の少なくとも一方を指標する画像である。
【0426】
未払出賞球の数が、予め定められた表示基準数未満であるか(S4702でNO)、演出モードが地上背景モードでない(S4703でNO)場合、未払出指標表示を表示中であるか否かを判定する(S4705)。未払出指標表示を表示中でなければ(S4705でNO)本処理を終えるが、表示中であれば(S4705)、未払出賞球の数が「0」であるか否かを判定する(S4706)。未払出賞球の数が「0」でなければ(S4706でNO)本処理を終えるが、未払出賞球の数が「0」であれば、未払出指標表示を非表示とする(S4707)。すなわち、未払出指標表示を非表示とするための未払出指標消去コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。未払出指標消去コマンドが画像制御基板140に送信されると、未払出指標表示が非表示とされる。さらに、払出完了表示を表示させ(S4708)、本処理を終える。すなわち、払出完了表示を表示するための払出完了表示コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。払出完了表示コマンドが画像制御基板140に送信されると、払出完了表示が表示される。払出完了表示は、それまで存在していた未払出賞球の払い出しが完了したことを示唆する表示である。本形態において、払出完了表示は、予め定められた一定期間だけ表示された後、非表示とされる。
【0427】
11-2.本形態における演出例
11-2-1.未払出指標演出
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、
図65~
図66に基づいて説明する。まず、未払出指標演出について説明する。
【0428】
未払出指標演出は、未払出賞球があることに応じて実行されることがある演出である。
図65には、未払出賞球があり、未払出指標演出が行われている場合の表示部50aを示している。未払出指標演出では、未払出指標表示GAが表示されている。本形態に係る未払出指標表示GAには、入賞口(例えば、第1大入賞口14等)への入賞によって賞球を払い出す条件が成立したものの、まだ払い出されていない分の賞球である未払出賞球を払い出している途中であることを示す「払出中」の表示が含まれている。また、未払出指標表示GAには、未払出賞球の数を示す表示が含まれている。また、未払出指標表示GAには、未払出賞球がすべて払い出すまでに要する時間を示す表示が含まれている。未払出賞球がすべて払い出すまでに要する時間は、例えば、未払出賞球と、賞球払出装置73による単位時間当たりにおける遊技球の払出数とにより算出可能である。
【0429】
よって、未払出指標表示GAが表示されることにより、遊技者は、未払出賞球があることを把握可能である。さらに、遊技者は、未払出指標表示GAにより、あとどのくらいの未払出賞球があるのかを把握可能である。加えて、遊技者は、未払出指標表示GAにより、未払出賞球の払い出しにあとどのくらいの時間を要するかを把握可能である。
【0430】
11-2-2.払出完了演出
【0431】
次に、払出完了演出について説明する。払出完了演出は、未払出賞球すべて払い出されたことに応じて実行されることがある演出である。
図66には、払出完了演出が行われている場合の表示部50aを示している。払出完了演出では、払出完了表示GBが表示されている。本形態に係る払出完了表示GBは、存在していた未払出賞球がすべて払い出されたことを示す「払出完了」の表示が含まれている。
【0432】
払出完了演出は、未払出指標演出が開始された後、未払出賞球がすべて払い出されたことに応じて開始される。払出完了演出に係る払出完了表示GBが表示されることにより、遊技者は、遊技者は、存在していた未払出賞球についての払い出しが完了したことを把握可能である。
【0433】
11-3.第4実施形態における主な効果
以上詳細に説明したように、本形態に係るパチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、入賞口(第1大入賞口14等)へ遊技球が入賞することにより賞球条件が成立したことに基づいて、その成立した賞球条件に応じた数の遊技球を賞球として払出制御基板170に払い出させる払出制御処理を実行可能である。演出制御用マイコン121は、未払出賞球があるときには、未払出指標演出を実行する。未払出指標演出では、表示部50aに未払出指標表示GAを表示する。未払出指標表示GAには、未払出賞球の数を示す表示、未払出賞球がすべて払い出すまでに要する時間を示す表示が含まれている。これにより、未払出賞球がどの程度あるのかわからないことにより、遊技者がストレスを感じてしまうことを抑制可能である。すなわち、遊技興趣の低下を抑制可能である。
【0434】
また本形態に係る演出制御用マイコン121は、未払出指標演出を、未払出賞球の数がその基準である表示基準数以上であるときに開始する。一方、未払出賞球の数が表示基準数未満であるときには開始しない。すなわち、演出制御用マイコン121は、未払出指標演出の実行条件(つまり、未払出指標表示GAの表示条件)が成立すると当該演出を実行するものであり、その実行条件が成立するためのひとつの要素条件として、未払出賞球の数が表示基準数以上であることが含まれている。これにより、未払出賞球が少ないときには行わず、未払出賞球が多いときに行うことができる。よって、未払出賞球が多く、その払い出しに時間を要するときには、その完了までの見込みを示すことで、遊技者のストレスを適切に緩和可能である。
【0435】
また本形態に係る演出制御用マイコン121は、未払出指標演出を、大当たり遊技状態が頻繁に実行され得る特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が終了し、微時短状態が開始されたことに応じて開始可能である。一方、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態では、未払出指標演出を実行しない。すなわち、演出制御用マイコン121が未払出指標演出を実行する実行条件が成立するための要素条件として、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な特典遊技状態が終了し、非特典遊技状態となることが含まれている。遊技者は、有利な特典遊技状態が終了した際に、遊技を終了する傾向にある。これに対し、特典遊技状態では、遊技者が遊技を終了する可能性が低い。そして、本構成においては、遊技者が遊技を終了する際に、未払出賞球の払い出しに要する残り時間の見込みを示すことで、遊技者が未払出賞球を確実に回収することを補助できる。また、未払出賞球の払い出しに要する残り時間の見込みを示すことで、それを待っている遊技者のストレスを緩和可能である。
【0436】
11-4.第4実施形態に係る変更例
【0437】
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記実施形態の同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、本形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0438】
例えば、本形態では、未払出指標表示GAの態様として、
図65に具体例を示して説明した。しかし、未払出指標表示GAの具体的な態様は、
図65に示す態様に限られるものではない。例えば、未払出指標表示GAは、未払出賞球が払い出されるまでの残り時間、および、未払出賞球の数の少なくとも一方を指標可能な画像であればよい。また例えば、
図67に示すような態様としてもよい。すなわち、
図67(A)には、ゲージ態様の未払出指標表示GAを示している。
図67(A)に示す未払出指標表示GAは、プログレスバーであり、その減少により、未払出賞球が払い出される様子を示すものである。そして、未払出賞球の払い出しが完了した際には、
図67(B)に示すように、払い出しが完了したことを示す払出完了表示GBを表示することとしてもよい。また例えば、ゲージ態様の未払出指標表示GAは、その増加により、未払出賞球が払い出される様子を示すものであってもよい。また例えば、未払出指標表示GAを示すことで、未払出賞球の払い出しの完了を把握できる態様であれば、払出完了表示GBは必ずしも表示する必要はない。
【0439】
また本形態では、未払出指標演出を、未払出賞球の数が表示基準数以上であるときに行うこととして説明した。すなわち、未払出指標演出の実行条件が、未払出賞球の数が表示基準数以上であることに応じて成立する構成について説明した。しかし、例えば、未払出指標演出の実行条件(または実行条件が成立するための要素条件)は、成立した賞球条件に基づく賞球の積算数によって成立させてもよい。具体的には、例えば、特定区間における賞球数をカウントする賞球数のカウンタを設けておき、その賞球数のカウンタのカウント値が所定の基準以上となったことに応じて、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)が成立することとしてもよい。特定区間は、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態とすることができる。すなわち、例えば、微時短状態で遊技が行われた後(つまり、非特典遊技状態の後)、最初に大当たりに当選した場合の大当たり遊技状態(初回大当たり遊技状態)の開始時から賞球数のカウントを開始し、その後、非特典遊技状態を経由せずに特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態(つまり、特典遊技状態)が継続した後、これが終了して非特典遊技状態へと移行するまでのカウント値が基準値以上であることに応じて、未払出指標演出を行うことができる。
【0440】
また例えば、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)は、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態における大当たり遊技状態となった回数(いわゆる連荘回数)が、所定の基準回数以上であることに応じて成立することとしてもよい。具体的には、例えば、非特典遊技状態から特典遊技状態(例えば、通常時短状態)へと移行してから、その後、特典遊技状態が終了して再度、非特典遊技状態が開始されるまでの期間における大当たり遊技状態の回数をカウントする連荘カウンタを設けておき、その連荘カウンタのカウント値が連荘基準回数以上であることに応じて、未払出指標演出の実行条件が(またはその要素条件)成立することとすることができる。
【0441】
また例えば、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)は、未払出賞球が存在するにもかかわらずその払い出しが停止されている時間が予め定めた所定時間を超えたことに応じて成立することとしてもよい。具体的には、例えば、未払出賞球が存在している状態で一定時間、賞球センサ73aによって遊技球が検知されないことに応じて、未払出指標演出の実行条件が(またはその要素条件)成立することとすることができる。
【0442】
また本形態では、未払出指標演出の実行条件が、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態が終了し、非時短状態へと移行することに応じて成立することとして説明した。しかし、例えば、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)は、遊技状態に関係なく成立することとしてもよい。つまり、未払出賞球の数が表示基準数以上となったことのみによって未払出指標演出の実行条件が成立することとしてもよい。これにより、未払出賞球の数が表示基準数以上となったときには、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態中(大当たり遊技状態中、通常時短状態中)であっても未払出指標演出を開始することができる。また、未払出指標演出を特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態中に開始する場合、その状態が終了する直前に開始することとしてもよい。具体的には、例えば、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)を、大当たり遊技状態中に開始する場合、そのエンディング演出に応じて成立することとすることができる。また例えば、未払出指標演出を通常時短状態中に開始する場合、通常時短状態にて開始される最後の図柄変動(時短回数に到達する図柄変動)中に開始することとすることができる。また例えば、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)は、未払出賞球が存在するにもかかわらずその払い出しが停止された際には、未払出賞球の数が表示基準数未満であっても成立することとしてもよい。具体的には、例えば、表示基準数未満の未払出賞球が存在する状態で、上皿上限センサ(または下皿満杯スイッチ)による検知によって払い出しが停止された場合や、球詰まりによって払い出しができない払出不可能状態となったときには、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)が成立することとしてもよい。遊技者が未払出賞球を残したまま、パチンコ遊技機PY1での遊技を終了してしまうことを防止可能だからである。未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)が、賞球の積算数に応じて成立する場合や、連荘回数に応じて成立する場合についても同様である。未払出指標演出の実行条件が、賞球の積算数に応じて成立する場合や、連荘回数に応じて成立する場合についても同様である。
【0443】
また、未払出指標演出の実行条件の成立要素のひとつとして本形態にて説明した各要素条件は、それぞれ各要素条件のひとつが成立することで未払出指標演出の実行条件が成立することとしてもよい。あるいは、複数の要素条件が成立することで、未払出指標演出の実行条件が成立することとしてもよい。また例えば、遊技状態に応じて、未払出指標演出の実行条件(またはその要素条件)を異なるものとすることも可能である。具体的には、例えば、上記の実施形態では、未払出賞球の数が表示基準数以上であることにより第1の要素条件が成立し、特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な特典遊技状態が終了し、非特典遊技状態となることにより第2の要素条件が成立し、第1の要素条件と第2の要素条件とがともに成立することで、未払出指標演出の実行条件が成立する例について説明した。しかし、例えば、大当たり遊技状態中および特典遊技状態中においては、第1の要素条件が成立することで未払出指標演出の実行条件が成立し、特典遊技状態が終了した非特典遊技状態においては、非特典遊技状態となることにより第2の要素条件が成立することで未払出指標演出の実行条件が成立することとしてもよい。これにより、特典遊技状態中に未払出賞球の数が表示基準数以上となった場合には、未払出指標演出をすぐに開始し、特典遊技状態中における未払出賞球の数が表示基準数未満で推移した場合であっても、特典遊技状態が終了することに応じて未払出指標演出を開始することとできる。
【0444】
また例えば、本形態においては、払出完了演出を、未払出指標演出の終了に応じて(つまり、未払出賞球の数がゼロとなることに応じて)開始することとして説明した。しかし、例えば、払出完了演出は、特典遊技状態中に未払出指標演出が終了する場合には実行せず、非特典遊技状態中となってから未払出指標演出が終了する場合には実行することとしてもよい。また例えば、払出完了演出は、非特典遊技状態中となってからの未払出指標演出の実行時間が予め定めた所定時間を超えた場合にのみ行うこととしてもよい。また例えば、払出完了演出は、未払出賞球が存在するにもかかわらずその払い出しが停止されていた時間が予め定めた所定時間を超えた場合にのみ行うこととしてもよい。
【0445】
また例えば、本形態においては、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1において、未払出指標演出を行う例について説明した。しかし、例えば、本形態に係る未払出指標演出を、他の実施形態に係るパチンコ遊技機PY1において実施することも可能である。また、非特典遊技状態に非時短状態が含まれることとしてもよい。また例えば、未払出賞球の算出に用いる賞球数や払出数には、少なくとも大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)への入賞に応じた賞球数および払出数が含まれていることが好ましく、第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10に係る賞球数や払出数については含まないこととしてもよい。
【0446】
12.上記の実施形態に示されている発明
上記の実施形態には、以下の発明A(A1~A4)、発明B(B1~B4)、発明C(C1~C3)、発明D(D1~D6)が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
【0447】
発明A1は、
始動口(第1始動口11、第2始動口12)への遊技球の入球に基づいて識別情報の変動表示と停止表示とを伴う図柄変動を実行可能であり、識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示すると、開閉可能な可変入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放を伴う大当たり遊技状態とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示部(表示部50a)に画像を表示可能な画像表示手段(画像表示装置50)を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
入球容易状態(通常時短状態)のときには、非入球容易状態(非時短状態、微時短状態)のときよりも、前記始動口のひとつである可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球しやすい遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記遊技制御手段は、
前記非入球容易状態のひとつである第1非入球容易状態(非時短状態)のときには、識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様のひとつである第1非特定態様(ハズレ図柄A(通常時短ハズレ))で停止表示することに応じて、前記入球容易状態(時短状態C(通常時短状態))にすることがあり、
識別情報を前記第1非特定態様とは異なる前記非特定態様である第2非特定態様(ハズレ図柄B(微時短ハズレ))で停止表示することに応じて、前記第1非入球容易状態とは異なる前記非入球容易状態である第2非入球容易状態(時短状態CL(微時短状態))にすることがあり、
前記第1非入球容易状態と比べて遊技者に有利な有利遊技状態(通常時短状態)の後、前記第1非入球容易状態にすることがあり、
前記演出実行手段は、
前記第1非入球容易状態では、前記表示部に、前記第2非入球容易状態よりも遊技者に有利であることを示唆可能な特定画像(発射指示画像GS(特
図1変動推奨画像))を表示することがあることを特徴とする遊技機である。
【0448】
従来より、遊技機には、例えば、時短状態と、非時短状態とに移行可能なものがある。そして、例えば、特開2020-14913号公報に記載の遊技機では、時短状態においては、そのような状態を示唆可能な表示を行うようにされている。ところで、上記のように、遊技状態を示唆可能な遊技機においては、より興趣性を向上するため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2020-14913号公報に記載の遊技機に対して、「遊技制御手段は、識別情報を第1非特定態様とは異なる非特定態様である第2非特定態様で停止表示することに応じて、第1非入球容易状態とは異なる非入球容易状態である第2非入球容易状態にすることがあり、演出実行手段は、第1非入球容易状態では、表示部に、第2非入球容易状態よりも遊技者に有利であることを示唆可能な特定画像を表示することがある」という点で相違している。これにより、本構成の遊技機においては、非入球容易状態にも遊技者に有利な程度が異なる複数の状態があるにもかかわらず、遊技者が利益を損なわないように演出を行うことができる。よって、本構成の遊技機は、「演出を通じて遊技興趣の向上が可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0449】
発明A2は、
上述の発明A1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2非入球容易状態では、前記特定画像を表示しないことを特徴とする遊技機である。
【0450】
本構成の遊技機では、特定画像に対する遊技者の信頼を高めることが可能である。よって、特定画像により、興趣性を高めることが可能である。
【0451】
発明A3は、
上述の発明A1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
電源投入後に前記第1非入球容易状態にすることがあり、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態の後の前記第1非入球容易状態では、前記特定画像を表示し、
前記電源投入後の前記第1非入球容易状態では、前記特定画像を表示しないことがあることを特徴とする遊技機である。
【0452】
有利遊技状態に至るまでには、遊技者は、それまでにある程度の時間をかけて遊技を行っている可能性が高い。そして、本構成の遊技機では、ある程度、時間をかけて遊技を行ってきた遊技者に対しては、特定画像により、不利益が生じないようにすることが可能である。よって、興趣性を高めることが可能である。
【0453】
発明A4は、
上述の発明A3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第2非入球容易状態では、前記表示部に、背景画像として非特定背景画像(地上背景モードに係る昼背景画像GH1、夕方背景画像GH2、夜背景画像GH3)を表示可能であり、
前記電源投入後の前記第1非入球容易状態において前記特定画像を表示しないときには、背景画像として前記非特定背景画像を表示することがあることを特徴とする遊技機である。
【0454】
本構成の遊技機では、特定画像を、ある程度、時間をかけて遊技を行ってきた遊技者に対して表示する一方、電源投入後の第1非入球容易状態で遊技を開始する遊技者に対しては、第1非入球容易状態であるか第2非入球容易状態であるかの判別を困難とすることができる。よって、これから遊技を開始する遊技者に対しては、第1非入球容易状態であるか第2非入球容易状態であるかの判別を困難とし、興趣性を高めることが可能である。
【0455】
発明B1は、
始動口(第1始動口11、第2始動口12)への遊技球の入球に基づいて識別情報の変動表示と停止表示とを伴う図柄変動を実行可能であり、識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示すると、開閉可能な可変入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放を伴う大当たり遊技状態とする遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
入球容易状態(通常時短状態)のときには、非入球容易状態(非時短状態、微時短状態)のときよりも、前記始動口のひとつである可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球しやすい遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記遊技制御手段は、
前記大当たり遊技を実行することに応じて、前記入球容易状態のひとつである第1入球容易状態(時短状態A)へと制御することがあり、
前記第1入球容易状態への制御契機とは異なる制御契機(ハズレ図柄Aの停止)に応じて、前記第1入球容易状態とは異なる前記入球容易状態である第2入球容易状態(時短状態C)へと制御することがあり、
前記入球容易状態における、識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様(ハズレ図柄)で停止表示する図柄変動の連続して行われた非特定回数(連続ハズレ回数)が、設定した第1制御回数(通常時短回数)となることに応じて、前記入球容易状態から前記非入球容易状態のひとつである第1非入球容易状態(時短状態CL)へと制御することがあり、
前記第1非入球容易状態における前記非特定回数が、設定した第2制御回数(微時短回数)となることに応じて、前記第1非入球容易状態とは異なる前記非入球容易状態である第2非入球容易状態(非時短状態)へと制御することがあり、
前記第1入球容易状態における前記非特定回数が前記第1制御回数となることに応じて制御する前記第1非入球容易状態と、前記第2入球容易状態における前記非特定回数が前記第1制御回数となることに応じて制御する前記第1非入球容易状態とで、前記第2制御回数を異なる回数に設定可能であることを特徴とする遊技機である。
【0456】
従来より、遊技機には、例えば、特開2020-14913号公報に記載のように、複数の遊技状態へと移行可能なものがある。ところで、上記のように、複数の遊技状態へと移行可能な遊技機においては、より興趣性を向上するため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2020-14913号公報に記載の遊技機に対して、「遊技制御手段は、大当たり遊技を実行することに応じて、入球容易状態のひとつである第1入球容易状態へと制御することがあり、第1入球容易状態への制御契機とは異なる制御契機に応じて、第1入球容易状態とは異なる入球容易状態である第2入球容易状態へと制御することがあり、入球容易状態における、識別情報を特定態様と異なる非特定態様で停止表示する図柄変動の連続して行われた非特定回数が、設定した第1制御回数となることに応じて、入球容易状態から非入球容易状態のひとつである第1非入球容易状態へと制御することがあり、第1非入球容易状態における非特定回数が、設定した第2制御回数となることに応じて、第1非入球容易状態とは異なる非入球容易状態である第2非入球容易状態へと制御することがあり、第1入球容易状態における非特定回数が第1制御回数となることに応じて制御する第1非入球容易状態と、第2入球容易状態における非特定回数が第1制御回数となることに応じて制御する第1非入球容易状態とで、第2制御回数を異なる回数に設定可能である」という点で相違している。すなわち、本構成の遊技機は、入球容易状態における非特定回数が第1制御回数となることに応じて第1非入球容易状態へと制御する場合、非特定回数が上限回数となった入球容易状態の種類に応じて、第1非入球容易状態の第2制御回数を異なる回数に設定可能であるという新規な遊技性を備えている。よって、本構成の遊技機は、「興趣性の向上が可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0457】
発明B2は、
上述の発明B1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記第2非入球容易状態にて識別情報を前記非特定態様(ハズレ図柄A)で停止表示することに応じて、前記第2入球容易状態(時短状態C)へと制御することがあることを特徴とする遊技機である。
【0458】
本構成の遊技機は、新規な遊技性を備えており、興趣性の向上が可能である。
【0459】
発明B3は、
上述の発明B1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
識別情報を前記特定態様のひとつである第1特定態様(大当たり図柄A、C)で停止表示することに応じて、前記第1入球容易状態(高確率状態かつ時短状態A)へと制御することがあり、
前記識別情報を前記第1特定態様とは異なる前記特定態様である第2特定態様(大当たり図柄B、D)で停止表示することに応じて、前記第2入球容易状態(低確率状態かつ時短状態A)へと制御することがあり、
前記第1入球容易状態は、前記第2入球容易状態よりも遊技者に有利(高い確率で大当たり可能)な前記入球容易状態であることを特徴とする遊技機である。
【0460】
本構成の遊技機は、新規な遊技性を備えており、興趣性の向上が可能である。
【0461】
発明B4は、
上述の発明B2または発明B3に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記第1入球容易状態における前記非特定回数が前記第1制御回数となることに応じて制御する前記第1非入球容易状態については、前記第2入球容易状態における前記非特定回数が前記第1制御回数となることに応じて制御する前記第1非入球容易状態よりも、前記第2制御回数を少ない回数に設定する傾向にあることを特徴とする遊技機である。
【0462】
本構成の遊技機は、新規な遊技性を備えており、興趣性の向上が可能である。
【0463】
発明C1は、
始動口(第1始動口11、第2始動口12)への遊技球の入球に基づいて識別情報の変動表示と停止表示とを伴う図柄変動を実行可能であり、識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示すると、開閉可能な可変入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放を伴う大当たり遊技を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
時短状態では、非時短状態よりも、単位時間あたりの開放時間が長くなる前記始動口である可変始動口(第2始動口12)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記遊技制御手段は、
識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様(特殊ハズレ)で停止表示することに応じて前記時短状態にすることがあり、
識別情報を前記特定態様で停止表示する確率が通常確率状態(低確率状態)よりも高い高確率状態へと制御することがあり、
前記図柄変動中には、
前記時短状態における、識別情報を前記非特定態様で停止表示する前記図柄変動の連続して行われた非特定回数(連続ハズレ回数)が、設定した時短上限回数(時短回数)となることに応じて、前記時短状態から前記非時短状態へと制御可能な処理を行い、
前記非特定回数が前記時短上限回数となることに応じて前記時短状態から前記非時短状態へ制御可能な処理の後に、識別情報を前記非特定態様で停止表示することに応じて前記時短状態に制御するか否かの時短判定を行い、
前記特定判定よりも後に、前記高確率状態における、前記非特定回数が、設定した高確上限回数(確変回数)となることに応じて、前記高確率状態から前記通常確率状態へと制御可能な処理を行うことを特徴とする遊技機である。
【0464】
従来より、遊技機には、例えば、特開2020-14913号公報に記載のように、複数の遊技状態へと移行可能なものがある。ところで、上記のように、複数の遊技状態へと移行可能な遊技機においては、より興趣性を向上するため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2020-14913号公報に記載の遊技機に対して、「遊技制御手段は、識別情報を特定態様と異なる非特定態様で停止表示することに応じて時短状態にすることがあり、識別情報を特定態様で停止表示する確率が通常確率状態よりも高い高確率状態へと制御することがあり、図柄変動中には、時短状態における、識別情報を非特定態様で停止表示する図柄変動の連続して行われた非特定回数が、設定した時短上限回数となることに応じて、時短状態から非時短状態へと制御可能な処理を行い、非特定回数が時短上限回数となることに応じて時短状態から非時短状態へ制御可能な処理の後に、識別情報を非特定態様で停止表示することに応じて時短状態に制御するか否かの時短判定を行い、特定判定よりも後に、高確率状態における、非特定回数が、設定した高確上限回数となることに応じて、高確率状態から通常確率状態へと制御可能な処理を行う」という点で相違している。すなわち、本構成の遊技機は、従来にはない新規な遊技性を備えている。よって、本構成の遊技機は、「興趣性の向上が可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0465】
発明C2は、
上述の発明C1に記載の遊技機であって、
前記可変始動口は、第1時短状態(通常時短状態)では、第2時短状態(非時短状態)よりも単位時間あたりの開放時間が長い傾向にあり、
前記遊技制御手段は、
前記第1時短状態にて開始した前記図柄変動にて、識別情報を前記非特定態様で停止表示することに応じて、前記第2時短状態へと制御することがあることを特徴とする遊技機である。
【0466】
本構成の遊技機は、新規な遊技性を備えており、興趣性の向上が可能である。
【0467】
発明C3は、
上述の発明C1または発明C2に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記図柄変動の実行を、所定数を上限として保留可能であり、
前記時短状態かつ前記高確率状態へと制御する際には、当該高確率状態について設定する前記高確上限回数を、当該時短状態について設定する前記時短上限回数に前記所定数以上の数を加えた回数とすることがあることを特徴とする遊技機である。
【0468】
本構成の遊技機は、新規な遊技性を備えており、興趣性の向上が可能である。
【0469】
発明D1は、
遊技球が入賞可能な入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)と、
前記入賞口へ遊技球が入賞することにより賞球条件が成立したことに基づいて、成立した前記賞球条件に応じた数の遊技球を賞球として払い出す賞球払出制御手段(遊技制御用マイコン101および賞球払出装置73)と、
表示部(表示部50a)を有する画像表示手段(画像表示装置50)を用いて所定の演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
前記演出実行手段は、
前記表示部に、成立した前記賞球条件に基づいて払い出される前の前記賞球である未払出賞球の数、および、前記未払出賞球が払い出されるまでの残り時間の少なくとも一方を指標する未払出指標表示(未払出指標表示GA)を表示することがあることを特徴とする遊技機である。
【0470】
従来より、遊技機には、例えば、特開2020-14913号公報に記載のように、入賞口への遊技球の入賞に応じて所定数の遊技球を賞球として払い出すものがある。ところで、上記のように、入賞口への入賞に応じて賞球を払い出すことが可能な遊技機においては、より興趣性を高めるため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2020-14913号公報に記載の遊技機に対して、「演出実行手段は、成立した賞球条件に基づいて払い出される前の賞球である未払出賞球があるときには、表示部に、未払出賞球が払い出されるまでの残り時間、および、未払出賞球の数の少なくとも一方を指標する未払出指標表示を表示することがある」という点で相違している。これにより、本構成の遊技機は、未払出賞球がどの程度あるのかわからないことにより、遊技者がストレスを感じてしまうことを抑制可能である。よって、本構成の遊技機は、「興趣性の低下を抑制可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
【0471】
発明D2は、
上述の発明D1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
所定の表示条件が成立すると、前記未払出指標表示を表示することを特徴とする遊技機である。
【0472】
本構成の遊技機は、場面に応じて適切に未払出指標表示を表示可能である。
【0473】
発明D3は、
上述の発明D2に記載の遊技機であって、
前記表示条件は、前記未払出賞球の数が予め定めた未払出基準数以上であることに応じて成立することがあることを特徴とする遊技機である。
【0474】
本構成の遊技機は、未払出賞球が多く、その払い出しに時間を要するときには、その完了までの見込みを示すことで、遊技者のストレスを適切に緩和可能である。
【0475】
発明D4は、
上述の発明2に記載の遊技機であって、
前記表示条件は、所定の特定区間(特
図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態)にて成立した前記賞球条件に基づく前記賞球の数が予め定めた賞球基準数以上であることに応じて成立することがあることを特徴とする遊技機である。
【0476】
本構成の遊技機は、賞球が多い状態が継続した場合には、未払出賞球の払い出しの完了までの見込みを示すことで、遊技者のストレスを適切に緩和可能である。
【0477】
発明D5は、
上述の発明D2から発明D4までのいずれかに記載の遊技機であって、
大当たり遊技状態に制御可能であるとともに、前記大当たり遊技状態の後、非特典遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態(例えば、通常時短状態)に制御可能である遊技制御手段を備え、
前記表示条件は、前記大当たり遊技状態の後に前記非特典遊技状態となることに応じて成立することがあることを特徴とする遊技機である。
【0478】
本構成の遊技機は、遊技者が遊技を終了しやすい非特典遊技状態となることに応じて、未払出賞球の払い出しの完了までの見込みを示すことが可能である。
【0479】
発明D6は、
上述の発明D2から発明D4までのいずれかに記載の遊技機であって、
大当たり遊技状態に制御可能であるとともに、前記大当たり遊技状態の後、非特典遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態に制御可能である遊技制御手段を備え、
前記表示条件は、前回の前記非特典遊技状態が終了してから、その次の前記非特典遊技状態が開始されるまでの期間における前記大当たり遊技状態の回数である大当たり回数(連荘回数)が予め定めた基準大当たり回数以上であることに応じて成立することがあることを特徴とする遊技機である。
【0480】
本構成の遊技機は、大当たり回数が多く、賞球が多くなる傾向にある場合には、未払出賞球の払い出しの完了までの見込みを示すことで、遊技者のストレスを適切に緩和可能である。
【符号の説明】
【0481】
50…画像表示装置
50a…表示部
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
PY1…パチンコ遊技機(遊技機)