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特開2024-141204管理装置、管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141204
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20241003BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20241003BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20241003BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20241003BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20241003BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J3/00 170
G06Q50/06
G06Q10/04
G06Q10/02
H02J3/32
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052718
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 佳浩
(72)【発明者】
【氏名】佐々 司光
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5G066AA06
5G066JA03
5G066JB03
5G066KA01
5G066KA12
5G066KB03
5G066KD04
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA18
5G503FA06
5G503GD06
5L010AA03
5L010AA04
5L049AA03
5L049AA04
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】車両に搭載される蓄電池の稼働率を向上させやすい技術を提供する。
【解決手段】管理装置10は、デマンドレスポンスに利用される蓄電池52Aを搭載する車両52の予約状況を管理する。管理装置10は、第1予測部23と、第2予測部24と、設定部25と、を備える。第1予測部23は、車両52が予約される第1時間帯を予測する。第2予測部24は、デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する。設定部25は、第1予測部23及び第2予測部24の予測結果に基づいて、車両52の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理装置であって、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測部と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測部と、
前記第1予測部及び前記第2予測部の予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定部と、を備える
管理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記第1時間帯と前記第2時間帯とが重複する場合に、空き時間が少なくなるように前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記第1時間帯と、上げデマンドレスポンスへの参加が要請される前記第2時間帯とが重複する場合に、前記第2時間帯よりも前の所定期間における前記第1時間帯の合計値が閾値を超えるときに、前記第2時間帯の予定を設定し、前記合計値が前記閾値を超えないときに、前記第1時間帯の予定を設定する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記第1時間帯と、下げデマンドレスポンスへの参加が要請される前記第2時間帯とが重複する場合に、前記第2時間帯よりも後の所定期間における前記第1時間帯の合計値が閾値以下であるときに、前記第2時間帯の予定を設定し、前記合計値が前記閾値以下でないときに、前記第1時間帯の予定を設定する
請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記設定部は、複数の前記車両に対して、前記車両の予約の予定及び前記デマンドレスポンスへの参加の予定として同じ予定を設定する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理方法であって、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測工程と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測工程と、
前記第1予測工程及び前記第2予測工程によって予測された予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定工程と、を含む
管理方法。
【請求項7】
デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理装置のためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測部と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測部と、
前記第1予測部及び前記第2予測部の予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載蓄電池を搭載した複数の車両の運行を管理する運行管理システムが開示されている。この運行管理システムは、スケジュール格納部及びルール格納部に格納されている情報に基づいて、複数の車両に対する予約要求への予約回答情報の出力及びデマンドレスポンスへの対応要求への対応回答情報の出力を行う。
【0003】
ルール格納部が格納するDR対応受付ルールの第1ルールは、収益優先ルールとしての報酬優先ルールである。第1ルールに従えば、対象期間において複数の車両を貸し出した場合の利益と、対象期間においてデマンドレスポンスへ対応した場合の利益とを比較し、利益が大きくなる方の対応を優先させるように判断する。
【0004】
第2ルールは、予約端末から情報送信があった場合の予約管理部の処理で適用するペナルティ考慮ルールである。
【0005】
第3ルールは、デマンドレスポンス優先ルールである。第3ルールに従えば、午前中の時間帯のみに車両の予約を1回のみ受け付けて、その他の時間帯における車両の予約を受け付けないようにする。また、実際のデマンドレスポンス状況に応じて、予約が入っていない車両を貸し出すことも、貸出を制限することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-93177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
第1ルール、第2ルール、第3ルールのいずれも、車載蓄電池の稼働率について考慮されていない。したがって、特許文献1に記載の技術は、車載蓄電池の稼働率を向上させるという観点から改善の余地がある。
【0008】
本開示は、車両に搭載される蓄電池の稼働率を向上させやすい技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の管理装置は、
デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理装置であって、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測部と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測部と、
前記第1予測部及び前記第2予測部の予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定部と、を備える。
【0010】
本開示の管理方法は、
デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理方法であって、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測工程と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測工程と、
前記第1予測工程及び前記第2予測工程によって予測された予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定工程と、を含む。
【0011】
本開示のプログラムは、
デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理装置のためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測部と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測部と、
前記第1予測部及び前記第2予測部の予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定部と、
として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の技術によれば、車両に搭載される蓄電池の稼働率を向上させやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態の管理装置の機能を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、第1時間帯と第2時間帯とが重複する場合に、空き時間が少なくなるように車両の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定と、が設定される例を示す説明図である。
図3図3は、第1時間帯と、上げデマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯とが重複する場合に、第2時間帯よりも前の所定期間における第1時間帯の合計値が閾値を超えるときに、第2時間帯の予定が設定される例を示す説明図である。
図4図4は、第1時間帯と、上げデマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯とが重複する場合に、第2時間帯よりも前の所定期間における第1時間帯の合計値が閾値を超えないときに、第1時間帯の予定が設定される例を示す説明図である。
図5図5は、第1時間帯と、下げデマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯とが重複する場合に、第2時間帯よりも後の所定期間における第1時間帯の合計値が閾値以下であるときに、第2時間帯の予定が設定される例を示す説明図である。
図6図6は、第1時間帯と、下げデマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯とが重複する場合に、第2時間帯よりも後の所定期間における第1時間帯の合計値が閾値以下でないときに、第1時間帯の予定が設定される例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本開示の実施形態の説明]
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。
【0015】
〔1〕デマンドレスポンスに利用される蓄電池を搭載する車両の予約状況を管理する管理装置であって、
前記車両が予約される第1時間帯を予測する第1予測部と、
前記デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する第2予測部と、
前記第1予測部及び前記第2予測部の予測結果に基づいて、前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する設定部と、を備える
管理装置。
【0016】
上記管理装置は、車両が予約される第1時間帯を予測するとともに、デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する。そして、予測した結果に基づいて車両の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定とを設定する。つまり、上記管理装置は、空き時間が少なくなるように予定を設定することができるため、蓄電池の稼働率を向上させやすい。
【0017】
〔2〕前記設定部は、前記第1時間帯と前記第2時間帯とが重複する場合に、空き時間が少なくなるように前記車両の予約の予定と、前記デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する
〔1〕に記載の管理装置。
【0018】
上記管理装置は、空き時間が少なくなるように車両の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定とを設定することで、蓄電池の稼働率を向上させることができる。
【0019】
〔3〕前記設定部は、前記第1時間帯と、上げデマンドレスポンスへの参加が要請される前記第2時間帯とが重複する場合に、前記第2時間帯よりも前の所定期間における前記第1時間帯の合計値が閾値を超えるときに、前記第2時間帯の予定を設定し、前記合計値が前記閾値を超えないときに、前記第1時間帯の予定を設定する
〔1〕に記載の管理装置。
【0020】
上げデマンドレスポンスに参加する場合には、事前に蓄電池の残量を減らしておく必要がある。上記管理装置は、事前に車両の使用がある程度見込まれる場合には上げデマンドレスポンスへの参加の予定を設定し、そうでない場合には車両の予約の予定を設定する。これにより、上記管理装置は、蓄電池の稼働率を向上させることができる。
【0021】
〔4〕前記設定部は、前記第1時間帯と、下げデマンドレスポンスへの参加が要請される前記第2時間帯とが重複する場合に、前記第2時間帯よりも後の所定期間における前記第1時間帯の合計値が閾値以下であるときに、前記第2時間帯の予定を設定し、前記合計値が前記閾値以下でないときに、前記第1時間帯の予定を設定する
〔1〕に記載の管理装置。
【0022】
下げデマンドレスポンスに参加した後には、蓄電池の充電が必要となる。上記管理装置は、事後に車両の使用があまり見込まれない場合には下げデマンドレスポンスへの参加の予定を設定し、そうでない場合には車両の予約の予定を設定する。これにより、上記管理装置は、蓄電池の稼働率を向上させることができる。
【0023】
〔5〕前記設定部は、複数の前記車両に対して、前記車両の予約の予定及び前記デマンドレスポンスへの参加の予定として同じ予定を設定する
〔1〕から〔4〕のいずれか一つに記載の管理装置。
【0024】
上記管理装置は、複数の車両を利用したデマンドレスポンスへの参加が可能となる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
第1実施形態
図1には、管理装置10が示されている。管理装置10は、デマンドレスポンスに利用される蓄電池52Aを搭載する車両52の予約状況を管理する装置である。
【0026】
デマンドレスポンスは、電力の需要と供給のバランスを調整するための要請のことである。デマンドレスポンスは、上げデマンドレスポンス(以下、上げDRともいう)と、下げデマンドレスポンス(以下、下げDRともいう)とを含む。上げDRは、電力消費の増加の要請のことである。下げDRは、電力系統50からの電力使用量を抑制する要請のことである。
【0027】
車両52は、カーシェアリングに使用される。車両52は、例えば電気自動車(Battery Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(Plug in Hybrid Electric Vehicle)などである。車両52は、充放電部51を介して電力系統50から電気を受け取って蓄電池52Aを充電したり、電力系統50に蓄電池52Aから放電したりするように構成されている。車両52が搭載する蓄電池52Aは、デマンドレスポンスに利用される。蓄電池52Aは、車両52走行用の蓄電池である。車両52は、複数用意されている。 複数の車両52は、全体でまとまった電力の需給に対応するため、全体でデマンドレスポンスに参加する。
【0028】
管理装置10は、CPUなどの演算処理器、RAM、ROMなどのメモリ、外部の装置と通信する通信インターフェースなどを含む。管理装置10は、例えば1又は複数の物理サーバによって構成される。管理装置10は、インターネットに接続され、外部の装置と通信可能である。管理装置10は、車両・ステーション管理部11と、運行管理部12と、を備える。
【0029】
車両・ステーション管理部11は、複数の充放電部51及び複数の車両52を管理する部分である。車両・ステーション管理部11は、車両基本情報・車両状態・故障履歴・整備履歴といった車両情報を管理する。車両・ステーション管理部11は、充放電部51が設けられたステーションの基本情報・占有数や空き数といったステーション情報を管理する。
【0030】
運行管理部12は、車両52の運行を管理する部分である。運行管理部12は、スケジュール管理部20が管理するスケジュールに基づいて、車両52を貸出して運行させたり、車両52の貸出を制限したりする。
【0031】
管理装置10は、スケジュール管理部20と、情報提供部21と、回答部22と、第1予測部23と、第2予測部24と、設定部25と、を備える。
【0032】
スケジュール管理部20は、車両52の予約状況、車両52の予約の予定、デマンドレスポンスへの参加の予約状況、デマンドレスポンスへの参加の予定などを管理する。車両52の予約状況は、車両52が予約された時間帯を含む。車両52の予約の予定は、第1予測部23によって予測された第1時間帯のうち設定部25に設定された予定のことであり、予定された第1時間帯を含む。予定された第1時間帯は、車両52の予約が可能な時間帯であり、デマンドレスポンスへの参加の予約が不可能な時間帯である。デマンドレスポンスへの参加の予約状況は、デマンドレスポンスへの参加が予約された時間帯を含む。デマンドレスポンスへの参加の予定は、第2予測部24によって予測された第2時間帯のうち設定部25に設定された第2時間帯の予定のことであり、予定された第2時間帯を含む。予定された第2時間帯は、車両52の予約が不可能な時間帯であり、デマンドレスポンスへの参加の予約が可能な時間帯である。上げDRに対応する予定された第2時間帯は、車両52の予約及び下げDRへの参加予約が不可能な時間帯であり、上げDRへの参加予約が可能な時間帯である。下げDRに対応する予定された第2時間帯は、車両52の予約及び上げDRへの参加予約が不可能な時間帯であり、下げDRへの参加予約が可能な時間帯である。
【0033】
情報提供部21は、スケジュール管理部20に管理される情報に基づいて、予約可能な時間帯を示す情報を提供する。予約可能な時間帯とは、車両52の予約がされておらず、デマンドレスポンスへの参加の予約もされておらず、予定された第2時間帯でもない時間帯のことである。情報提供部21は、カーシェアリングサービスの利用者が使用する予約端末53から送信される予約状況表示要求に対して、予約可能な時間帯を示す情報を提供する。
【0034】
回答部22は、スケジュール管理部20に管理される情報に基づいて、複数の車両52に対する予約要求への予約回答情報の出力を行う。回答部22は、予約端末53から送信される予約要求に対して、予約回答情報の出力を行う。回答部22は、例えば、予約可能な時間帯への予約要求に対して、予約したことを示す情報の出力を行い、予約不可能な時間帯への予約要求に対して、予約できないことを示す情報の出力を行う。予約結果は、スケジュール管理部20に管理される情報に反映される。
【0035】
回答部22は、スケジュール管理部20に管理される情報に基づいて、デマンドレスポンスへの参加要請への参加回答情報の出力を行う。回答部22は、電力事業者54からのデマンドレスポンスへの参加要請に対して、参加するか否かの回答を行う。回答部22は、例えば、参加可能な時間帯への参加要請に対して、参加する回答を行い、参加不可能な時間帯への参加要請に対して、参加しない回答を行う。参加可能な時間帯とは、車両52の予約がされておらず、デマンドレスポンスへの参加の予約もされておらず、予定された第1時間帯でもない時間帯のことである。参加結果は、スケジュール管理部20に管理される情報に反映される。
【0036】
第1予測部23は、車両52が予約される第1時間帯を予測する。第1予測部23は、過去の予約状況に基づいて、第1時間帯を予測する。第1予測部23は、複数の車両52の過去の予約状況に基づいて、第1時間帯を予測する。第1予測部23は、例えば、過去の一定期間(例えば1か月)において単位時間(例えば15分、30分、1時間など)ごとに、予約された確率を算出し、算出した確率が所定割合(例えば50%)以上である場合に、第1時間帯とする。なお、第1予測部23は、過去の同じ曜日の予約状況に基づいて上記確率を算出してもよいし、過去の同じ月の予約状況に基づいて上記確率を算出してもよい。また、第1予測部23は、天気やイベント情報などを考慮して上記確率を算出してもよい。
【0037】
第2予測部24は、デマンドレスポンスへの参加が要請される第2時間帯を予測する。過去のデマンドレスポンスへの参加要請に基づいて、第2時間帯を予測する。第2予測部24は、例えば、過去の一定期間(例えば1か月)において単位時間(例えば15分、30分、1時間など)ごとに、参加要請された確率を算出し、算出した確率が所定割合(例えば50%)以上である場合に、第2時間帯とする。第2予測部24は、上げDRへの参加要請と、下げDRへの参加要請とを区別して、第2時間帯を予測する。なお、第2予測部24は、過去の同じ曜日の予約状況に基づいて上記確率を算出してもよいし、過去の同じ月の予約状況に基づいて上記確率を算出してもよい。また、第2予測部24は、天気やイベント情報などを考慮して上記確率を算出してもよい。
【0038】
設定部25は、第1予測部23及び第2予測部24の予測結果に基づいて、車両52の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定する。この構成によれば、空き時間が少なくなるように予定を設定することができるため、蓄電池52Aの稼働率を向上させやすい。
【0039】
例えば、設定部25は、第1時間帯と第2時間帯とが重複する場合に、空き時間が少なくなるように車両52の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定と、を設定してもよい。図2に示す例では、第1時間帯61Bと第2時間帯62Aが重複している。設定部25は、空き時間が少なくなるように、第2時間帯62Aの予定を設定している。また、図2に示す例では、第1時間帯61Dと第2時間帯62Bが重複している。設定部25は、空き時間が少なくなるように、第2時間帯62Bの予定を設定している。この構成によれば、空き時間が少なくなるように車両52の予約の予定と、デマンドレスポンスへの参加の予定とを設定することで、蓄電池52Aの稼働率を向上させることができる。
【0040】
別の例として、設定部25は、第1時間帯と、上げDRへの参加が要請される第2時間帯とが重複する場合に、第2時間帯よりも前の所定期間における第1時間帯の合計値が閾値を超えるときに、第2時間帯の予定を設定し、合計値が閾値を超えないときに、第1時間帯の予定を設定してもよい。図3に示す例では、第1時間帯63Dと上げDRに対応する第2時間帯64Aが重複している。設定部25は、第2時間帯64Aよりも前の所定期間における第1時間帯63A,63B,63Cの合計値が閾値を超えると判断し、第2時間帯64Aの予定を設定する。図4に示す例では、第1時間帯65Bと上げDRに対応する第2時間帯66Aが重複している。設定部25は、第2時間帯66Aよりも前の所定期間における第1時間帯65Aの合計値が閾値を超えないと判断し、第1時間帯65Bの予定を設定する。上げDRに参加する場合には、事前に蓄電池52Aの残量を減らしておく必要がある。この構成によれば、事前に車両52の使用がある程度見込まれる場合には上げDRへの参加の予定を設定し、そうでない場合には車両52の予約の予定を設定する。これにより、管理装置10は、蓄電池52Aの稼働率を向上させることができる。
【0041】
別の例として、設定部25は、第1時間帯と、下げDRへの参加が要請される第2時間帯とが重複する場合に、第2時間帯よりも後の所定期間における第1時間帯の合計値が閾値以下であるときに、第2時間帯の予定を設定し、合計値が閾値以下でないときに、第1時間帯の予定を設定してもよい。図5に示す例では、第1時間帯67Aと下げDRに対応する第2時間帯68Aが重複している。設定部25は、第2時間帯68Aよりも後の所定期間における第1時間帯67Bの合計値が閾値以下であると判断し、第2時間帯68Aの予定を設定する。図6に示す例では、第1時間帯69Aと下げDRに対応する第2時間帯70Aが重複している。設定部25は、第2時間帯70Aよりも後の所定期間における第1時間帯69B,69C,69Dの合計値が閾値以下でないと判断し、第1時間帯69Aの予定を設定する。下げDRに参加した後には、蓄電池52Aの充電が必要となる。この構成によれば、事後に車両52の使用があまり見込まれない場合には下げDRへの参加の予定を設定し、そうでない場合には車両52の予約の予定を設定する。これにより、管理装置10は、蓄電池52Aの稼働率を向上させることができる。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
【0043】
第2時間帯は、上げDRと下げDRで区別されてもよいし、区別されなくてもよい。
【0044】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
10…管理装置
11…車両・ステーション管理部
12…運行管理部
20…スケジュール管理部
21…情報提供部
22…回答部
23…第1予測部
24…第2予測部
25…設定部
50…電力系統
51…充放電部
52…車両
52A…蓄電池
53…予約端末
54…電力事業者
図1
図2
図3
図4
図5
図6