(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141206
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
F24D 15/00 20220101AFI20241003BHJP
F24D 3/08 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F24D15/00 B
F24D3/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052721
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】向井 達哉
【テーマコード(参考)】
3L070
3L072
【Fターム(参考)】
3L070DE09
3L070DF13
3L070DG09
3L072AB06
3L072AE10
3L072AF11
(57)【要約】
【課題】構成の煩雑化などをできる限り抑制しつつ、入浴者ののぼせを従来よりも適切に抑制することが可能な浴室システムを提供する。
【解決手段】入浴者の浴槽10への入浴を検知可能であり、かつ浴槽10への入浴が所定の第1の時間以上にわたって継続する第1の特定状態が発生したときに、その旨を検知可能な入浴判断手段Sa,4と、浴室1に非加熱エアを送風する涼風送風運転および浴室1を換気する換気運転が可能な浴室乾燥装置Aと、を備えている、浴室システムSYであって、前記涼風送風運転および前記換気運転のいずれもが行なわれていない状態において、前記第1の特定状態が発生した旨が入浴判断手段Sa,4によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方の運転が開始される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴者の浴槽への入浴を検知可能であり、かつ前記浴槽への入浴が所定の第1の時間以上にわたって継続する第1の特定状態が発生したときに、その旨を検知可能な入浴判断手段と、
前記浴槽が設置された浴室に非加熱エアを送風する涼風送風運転および前記浴室を換気する換気運転が可能な浴室乾燥装置と、
を備えている、浴室システムであって、
前記涼風送風運転および前記換気運転のいずれもが行なわれていない状態において、前記第1の特定状態が発生した旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方の運転が開始されるように構成されていることを特徴とする、浴室システム。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室システムであって、
前記第1の特定状態が発生した旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の双方の運転が開始されるように構成されている、浴室システム。
【請求項3】
入浴者の浴槽への入浴を検知可能であり、かつ前記浴槽への入浴が所定の第1の時間以上にわたって継続する第1の特定状態が発生したときに、その旨を検知可能な入浴判断手段と、
前記浴槽が設置された浴室に非加熱エアを送風する涼風送風運転および前記浴室を換気する換気運転が可能な浴室乾燥装置と、
を備えている、浴室システムであって、
前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方が行なわれている状態において、
前記第1の特定状態が発生した旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の他方の運転が開始され、または前記涼風送風運転の送風量もしくは前記換気運転の換気量がそれ迄よりも増加されるように構成されていることを特徴とする、浴室システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の浴室システムであって、
前記第1の特定状態が発生した後において、前記入浴がさらに所定の第2の時間以上にわたって継続する第2の特定状態が発生し、かつその旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、それ迄よりも前記涼風送風運転の送風量または前記換気運転の換気量が増加されるように構成されている、浴室システム。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の浴室システムであって、
前記第1の特定状態が発生したことに対応して前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方の運転が開始された場合、この開始された運転は、その後に前記入浴者が前記浴槽から退浴したときに終了するように構成されている、浴室システム。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載の浴室システムであって、
前記第1の時間の長さは、可変であり、かつ前記浴槽内の湯水の温度または前記浴室の室温が低いときよりも高いときの方が短い長さに設定されるように構成されている、浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の浴室システムとして、入浴時間を検出する検出機能を有し、かつこの検出機能によって計測される入浴時間が所定時間に達すると、その旨が報知されるように構成されたシステムがある。
このような構成によれば、入浴時間が長い場合に、その旨を入浴者が察知できるため、入浴者の「のぼせ」を抑制するのに役立つ。
【0003】
しかしながら、前記従来技術によれば、入浴時間が所定時間に達した際に、その旨の報知がなされるに過ぎないため、のぼせを確実に抑制する上で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-54574号公報
【特許文献2】特開2001-324155号公報
【特許文献3】特開2004-53065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、構成の煩雑化などをできる限り抑制しつつ、入浴者ののぼせを従来よりも適切に抑制することが可能な浴室システムを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面により提供される浴室システムは、入浴者の浴槽への入浴を検知可能であり、かつ前記浴槽への入浴が所定の第1の時間以上にわたって継続する第1の特定状態が発生したときに、その旨を検知可能な入浴判断手段と、前記浴槽が設置された浴室に非加熱エアを送風する涼風送風運転および前記浴室を換気する換気運転が可能な浴室乾燥装置と、を備えている、浴室システムであって、前記涼風送風運転および前記換気運転のいずれもが行なわれていない状態において、前記第1の特定状態が発生した旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方の運転が開始されるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、入浴者の浴槽への入浴時間が、所定の第1の時間以上継続し、のぼせを生じる可能性がでてくると、浴室乾燥装置の涼風送風運転または換気運転の少なくとも一方の運転が開始される。このため、入浴者の頭部などを直接冷やし、あるいは浴室温度の低下に伴わせて入浴者の頭部などを間接的に冷やし、入浴者の体温を低下させることができる。したがって、のぼせの抑制を目的として報知動作が行なわれるに過ぎない従来技術と比べ、入浴者ののぼせをより確実かつ適切に抑制することが可能となる。
本発明においては、入浴者の入浴時間に基づき、この入浴者がのぼせを生じる可能性があるか否かを判断しているが、このような判断手法によれば、特殊かつ高価な装置機器を別途用いる必要はなく、システム全体のコスト上昇を抑制することが可能である。その一
方、のぼせ抑制の確実性を高くすることが可能である。
【0009】
本発明において、好ましくは、前記第1の特定状態が発生した旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の双方の運転が開始されるように構成されている。
【0010】
このような構成によれば、前記第1の特定状態が発生した際に、入浴者の体温を低下させる作用がより促進される。したがって、のぼせ抑制効果を高める上で一層好ましい。
【0011】
本発明の第2の側面により提供される浴室システムは、入浴者の浴槽への入浴を検知可能であり、かつ前記浴槽への入浴が所定の第1の時間以上にわたって継続する第1の特定状態が発生したときに、その旨を検知可能な入浴判断手段と、前記浴槽が設置された浴室に非加熱エアを送風する涼風送風運転および前記浴室を換気する換気運転が可能な浴室乾燥装置と、を備えている、浴室システムであって、前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方が行なわれている状態において、前記第1の特定状態が発生した旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、前記涼風送風運転および前記換気運転の他方の運転が開始され、または前記涼風送風運転の送風量もしくは前記換気運転の換気量がそれ迄よりも増加されるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、浴室乾燥装置の涼風送風運転および換気運転の少なくとも一方の運転が行なわれている場合には、それら双方の運転がなされていない場合と比較すると、入浴者ののぼせは生じ難いといえる。ただし、そのような場合であっても、入浴が長時間継続すると、のぼせを生じる虞がある。前記構成によれば、そのような場合に浴室乾燥装置の他方の運転が開始され、または涼風送風運転の送風量もしくは換気運転の換気量が増加されるため、入浴者の体温を低下させ、入浴者ののぼせを確実かつ適切に抑制することが可能となる。
本発明の第1の側面により提供される浴室システムと同様に、前記構成においても、入浴者の入浴時間に基づき、入浴者がのぼせを生じる可能性があるか否かを判断する手法を採用している。このため、システム全体のコスト上昇を適切に抑制しつつ、のぼせ抑制の確実性を高くすることが可能である。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記第1の特定状態が発生した後において、前記入浴がさらに所定の第2の時間以上にわたって継続する第2の特定状態が発生し、かつその旨が前記入浴判断手段によって検知されたときには、それ迄よりも前記涼風送風運転の送風量または前記換気運転の換気量が増加されるように構成されている。
【0014】
このような構成によれば、第1の特定状態か発生し、入浴者ののぼせを抑制するための所定の動作が行なわれたにも拘わらず、なおも入浴者の入浴が継続している場合には、それ迄よりも涼風送風運転の送風量または換気運転の換気量が増加され、入浴者の体温を下げる作用がより強められる。したがって、入浴者ののぼせを抑制することがより徹底される。
【0015】
前記第1の特定状態が発生したことに対応して前記涼風送風運転および前記換気運転の少なくとも一方の運転が開始された場合、この開始された運転は、その後に前記入浴者が前記浴槽から退浴したときに終了するように構成されている。
勿論、前記浴室乾燥装置において所定のスイッチ操作がなされたときに、前記運転が終了するように構成することもできる。
【0016】
このような構成によれば、入浴者が浴槽から退浴したにも拘わらず、浴室乾燥装置の涼
風送風運転や換気運転が継続して実行されることを適切に回避することができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、前記第1の時間の長さは、可変であり、かつ前記浴槽内の湯水の温度または前記浴室の室温が低いときよりも高いときの方が短い長さに設定されるように構成されている。
【0018】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、浴槽内の湯水の温度または浴室の室温が高いほど、入浴者は短時間でのぼせを生じ易いが、前記構成によれば、そのような場合には前記第1の時間は短めの時間とされる。したがって、第1の時間の長さを、入浴時における実際の状況に対応した適切な長さとすることが可能である。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る浴室システムの一例を示す概略説明図である。
【
図2】
図1の浴室システムにおいて実行される動作制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1に示す浴室システムSYは、給湯装置WH、および浴室乾燥装置Aを備えている。
【0023】
浴室乾燥装置Aは、浴室1の上部に設置されており、浴室1への温風送風、涼風送風、および浴室1の換気が可能である。この浴室乾燥装置Aは、浴室1の上部に取付けられるケース2内に、送風用のファン20、熱交換器21、浴室換気用のファン22、および制御部5が組み込まれた構成である。制御部5は、浴室乾燥装置Aの各部の動作制御を実行する。この浴室乾燥装置Aにおいては、ファン20が駆動されると、浴室1の空気がケース2の下面側の空気吸い込み口23からケース2内に吸い込まれて熱交換器21を通過する。
【0024】
温風送風運転時においては、熱交換器21には給湯装置WHから配管部31を介して温水の循環供給がなされ、前記空気は熱交換器21を利用して加熱される。この加熱された空気は、ケース2の下面側に設けられたルーバの送風口24から下向きに送風され、浴室1に供給される。
一方、涼風送風運転時においては、熱交換器21に温水供給はなされず、ファン20が駆動されると、ルーバの送風口24から浴室1内には非加熱の空気送風、つまり涼風送風がなされる。
浴室1を換気する換気運転は、浴室換気用のファン22が駆動されることにより、空気吸い込み口23からケース2内に吸い込まれた浴室1内の空気が排気口29から屋外に排気される態様で行なわれる。
【0025】
給湯装置WHは、たとえば瞬間式ガス給湯装置であり、各部の動作制御やデータ処理を実行する制御部4、およびこの制御部4によって制御される給湯動作部40を備えている。給湯動作部40の詳細な図示説明は省略するが、燃料ガスを燃焼させるバーナや、このバーナにより発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なう熱交換器などを備え、温水生成が可能である。この給湯動作部40の動作により、配管部32を介しての浴槽10への湯張りを始めとし、風呂追い焚き、台所などへの一般給湯、および既述した
配管部31を介しての浴室乾燥装置Aの熱交換器21への温水給湯が可能である。
【0026】
給湯装置WHおよび浴室乾燥装置Aの制御部4,5は、いずれもマイクロコンピュータなどを用いて構成されており、これらの相互間において有線または無線でのデータ通信が可能である。
給湯装置WHの制御部4には、浴室用および台所用のリモコン7(7A,7B)が通信接続されている。これらのリモコン7には、各種のデータの画像表示が可能な表示部71に加え、複数の操作スイッチ70などが設けられている。
浴室乾燥装置Aの制御部5には、浴室乾燥装置A用のリモコン5Aが通信接続されている。リモコン5Aには、各種のデータの画像表示が可能な表示部53に加え、複数の操作スイッチ52などが設けられている。操作スイッチ52の操作により、浴室乾燥装置Aの運転のオン・オフなどの指示が可能である。
【0027】
給湯装置WHには、浴槽10に溜められた湯水の水位を検知するための浴槽水位検知センサSaが具備されており、この浴槽水位検知センサSaと制御部4との組み合わせが、本発明でいう「入浴判断手段」の具体例に相当している。
浴槽水位検知センサSaは、たとえば配管部32の水圧(浴槽10の水位に対応する圧力)を検知可能なセンサであり、その検出信号は制御部4に入力される。制御部4においては、前記入力信号に基づき、浴槽10の水位を判断し、所定以上の大幅かつ急激な水位上昇があれば、浴槽10への入浴があり、また所定以上の大幅かつ急激な水位下降があれば、浴槽10からの退浴があったものと判断される。制御部4は、入浴者の入浴があったときには、これを浴槽水位検知センサSaを介して検知し、かつその後の入浴継続時間を判断可能である。
制御部4,5は、リモコン7,5Aの操作などに対応し、互いに協働して浴室システムSYの全体の動作を制御可能である。その詳細については後述する。
【0028】
次に、前記した浴室システムSYの作用について説明する。併せて、浴室システムSYにおける動作処理手順の一例について、
図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0029】
まず、浴槽10への入浴があり、かつその入浴が所定の第1の時間以上継続する第1の特定状態が発生する場合がある(S1:YES,S2:YES)。この場合には、その時点における浴室乾燥装置Aの運転状況が判断され、たとえば浴室乾燥装置Aによる涼風送風運転および浴室1の換気運転のいずれもが停止中であれば、それら涼風送風運転および換気運転の双方が開始される(S3:YES,S4)。このような運転がなされると、入浴者の頭部などに涼風送風がなされ、また浴室1の換気により浴室1の室温を低下させることができるため、入浴者の体温上昇の抑制、ひいてはのぼせを抑制することが可能となる。なお、好ましくは、涼風送風の方向は、入浴者の頭部に効果的に作用するように制御される(たとえば、浴槽10に向けて涼風送風がなされるようにルーバの向きが固定状態とされる)。
【0030】
前記とは異なり、前記第1の特定状態が発生したときに、浴室乾燥装置Aの涼風送風が停止中である一方、換気運転が既になされている場合には、涼風送風が開始される(S3:NO,S7:YES,S8)。また、涼風送風運転はなされているものの、換気が停止中である場合には、換気運転を開始する制御、および/または涼風送風の送風量をそれ迄よりも増加させる制御がなされる(S7:NO,S9:YES,S10)。さらに、これらとは異なり、涼風送風運転および換気運転の双方がなされている場合には、それらの送風量または換気量をそれ迄よりも増加させる制御がなされる(S9:NO,S17)。これらのいずれの場合においても、第1の特定状態が発生した後においては、それ以前よりも入浴者の体温を低下させ、のぼせを抑制するのに好ましい状況にすることが可能である
。
【0031】
前記したように第1の特定状態が発生したことに対応して浴室乾燥装置Aを運転させた後において、入浴者が浴槽10から退浴すると、浴室乾燥装置Aの運転は停止され、涼風送風および浴室1の換気の双方は停止される(S5:YES,S6)。このような制御によれば、入浴者が浴槽10から退浴しているにも拘わらず、浴室乾燥装置Aがなおも継続して運転されていることが自動的に回避されることとなり、便利である。
なお、浴室乾燥装置Aの運転は、たとえばリモコン5Aが利用され、浴室乾燥装置Aの運転を停止する旨の所定のスイッチ操作がなされた場合にも停止する(S5:NO,S11:YES,S6)。
【0032】
なお、入浴者が浴槽10から退浴せず、しかも浴室乾燥装置Aの運転を停止する操作もなされていない状態において、入浴者の入浴が所定の第2の時間以上さらに継続する第2の特定状態が発生する場合がある。この場合には、涼風送風の送風量および/または浴室1の換気の換気量がそれまでよりも増加する制御がなされる(S11:NO,S12:YES,S13)。このことにより、入浴者の体温を下げる作用がより強められることとなり、入浴者ののぼせを抑制する上でより好ましいものとなる。
【0033】
その後、入浴者が浴槽10から退浴せず、浴槽10への入浴が所定の第3の時間以上さらに継続した場合には、異常が発生した可能性が高いと考えられ、警報がなされる(S14:NO,S15:YES,S16)。この警報は、たとえばリモコン7A,7Bの双方において、浴室1において異常が発生している可能性が高い旨を音声メッセージや画像表示により報知させる態様で行なわれる。このことにより、入浴者の家族などが浴室1における異常を的確に察知することができる。なお、前記第1の特定状態、あるいは前記第2の特定状態が発生した時点で、S16の警報よりも軽めの警報が発せられるように構成してもよい。
【0034】
なお、前記第1の時間の長さは、制御部4の制御による可変とし、浴槽10内の湯水の温度、または浴室1の室温が低いときよりも高いときの方が短い長さに設定されるように構成することが可能である。このように構成によれば、第1の時間の長さを、入浴時における実際の状況に対応した適切な長さとすることが可能であり、入浴者ののぼせを的確に抑制する上で、より好ましい。前記第2の時間、および前記第3の時間についても、前記第1の時間と同様に変更される構成とすることが可能である。
【0035】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る浴室システムの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0036】
上述の実施形態においては、浴槽水位検知センサを用いて入浴の判断を行なっているが、これに代えて、たとえば赤外受光素子、あるいは撮像カメラなどを利用した画像認識の手法により、浴槽への入浴者の入浴の有無などを判断してもよい。
浴室乾燥装置は、涼風送風運転と浴室の換気運転の双方が可能であるが、涼風送風運転機能を有する部分と、浴室の換気運転機能を有する部分とは、必ずしも同一ケース内に収納されていなくてもよく、それらの部分はセパレート状態で設けられていてもよい。
給湯装置は、瞬間式のものに限らず、貯湯式の給湯装置とすることもできる。
【符号の説明】
【0037】
SY 浴室システム
WH 給湯装置
A 浴室乾燥装置
Sa 浴槽水位検知センサ(入浴判断手段)
1 浴室
10 浴槽
4 制御部(入浴判断手段)