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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141211
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電動ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
   B60L 58/26 20190101AFI20241003BHJP
   B60L 7/22 20060101ALI20241003BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20241003BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241003BHJP
   B60L 58/27 20190101ALI20241003BHJP
   B60P 1/16 20060101ALI20241003BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   F16D 55/22 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B60L58/26
B60L7/22 Z
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L58/27
B60P1/16
B60K1/00
F16D55/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052730
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西条 公啓
(72)【発明者】
【氏名】池田 純
(72)【発明者】
【氏名】兼澤 寛
(72)【発明者】
【氏名】中手 洋平
(72)【発明者】
【氏名】木村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】阿部 佑亮
(72)【発明者】
【氏名】李 智
(72)【発明者】
【氏名】金谷 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祥太朗
(72)【発明者】
【氏名】村山 雄二
(72)【発明者】
【氏名】本多 健志
【テーマコード(参考)】
3D235
3J058
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA19
3D235BB36
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC15
3D235DD13
3D235DD33
3D235FF33
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA59
3J058AA69
3J058AA77
3J058BA35
3J058BA46
3J058DE19
3J058FA06
3J058FA17
3J058GA92
5H125AA12
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC19
5H125CB01
5H125CB02
5H125CD06
5H125CD09
5H125FF24
5H125FF27
(57)【要約】
【課題】本開示は、熱エネルギを有効利用することで、バッテリの消費電力を削減することが可能な電動ダンプトラックを提供する。
【解決手段】電動ダンプトラックは、熱媒循環回路200と、上流切替弁V10と、還流路中間弁V12と、迂回路中間弁V22と、制御装置130とを備える。熱媒循環回路200は、熱媒タンク201と、バッテリ熱交換器202と、熱媒供給路203と、熱媒還流路204と、流体系熱交換器210と、電気系熱交換器220と、迂回路205と、中間バイパス206と、を備える。制御装置130は、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1、バッテリ熱交換器202の出口の熱媒の温度T2、流体系装置110に用いられる流体の温度T3,T4、および電気系装置120の温度T5,T6に基いて、上流切替弁V10、還流路中間弁V12、および迂回路中間弁V22の開閉を制御して、熱媒の温度を調節する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵輪および駆動輪と、該駆動輪を駆動させる走行用の電動モータと、該電動モータへ電力を供給するバッテリと、前記操舵輪を転舵させる油圧装置を含む流体系装置と、前記電動モータまたは前記バッテリに接続される電気系装置と、前記バッテリを適正な温度に維持するための熱媒を循環させる熱媒循環回路と、該熱媒循環回路に設けられた複数の電磁弁と、該複数の電磁弁を制御する制御装置と、を備えた電動ダンプトラックであって、
前記熱媒循環回路は、前記熱媒を貯留する熱媒タンクと、前記バッテリと前記熱媒との熱交換を行うバッテリ熱交換器と、前記熱媒タンクと前記バッテリ熱交換器とを接続する熱媒供給路と、前記バッテリ熱交換器と前記熱媒タンクとを接続する熱媒還流路と、該熱媒還流路に設けられて前記流体系装置に用いられる流体と前記熱媒との熱交換を行う流体系熱交換器と、該流体系熱交換器よりも前記熱媒還流路の下流側に設けられて前記電気系装置と前記熱媒との熱交換を行う電気系熱交換器と、前記流体系熱交換器よりも上流側で前記熱媒還流路から分岐して前記電気系熱交換器よりも下流側で前記熱媒還流路に接続される迂回路と、前記流体系熱交換器と前記電気系熱交換器との間の前記熱媒還流路から分岐して前記迂回路に接続される中間バイパスと、を備え、
前記複数の電磁弁は、前記熱媒還流路から分岐する前記迂回路の分岐点に設けられて前記熱媒還流路と前記迂回路をそれぞれ開閉可能な上流切替弁と、前記熱媒還流路から分岐する前記中間バイパスの分岐点に設けられて前記熱媒還流路と前記中間バイパスをそれぞれ開閉可能な還流路中間弁と、前記迂回路から分岐する前記中間バイパスの分岐点に設けられて前記迂回路と前記中間バイパスをそれぞれ開閉可能な迂回路中間弁と、を備え、
前記制御装置は、前記熱媒タンクに貯留された前記熱媒の温度、前記バッテリ熱交換器の出口の前記熱媒の温度、前記流体系装置に用いられる前記流体の温度、および前記電気系装置の温度に基いて、前記上流切替弁、前記還流路中間弁、および前記迂回路中間弁の開閉を制御して、前記熱媒の温度を調節することを特徴とする電動ダンプトラック。
【請求項2】
前記流体系装置は、前記操舵輪および前記駆動輪を制動する湿式ディスクブレーキを含み、
前記流体系熱交換器は、前記湿式ディスクブレーキの冷却液と前記熱媒との熱交換を行う第1流体熱交換器と、前記油圧装置の作動油と前記熱媒との熱交換を行う第2流体熱交換器と、を含み、
前記熱媒循環回路は、前記第1流体熱交換器と前記第2流体熱交換器との間の前記熱媒還流路から分岐して前記迂回路に接続される上流バイパスをさらに備え、
前記複数の電磁弁は、前記熱媒還流路から分岐する前記上流バイパスの分岐点に設けられて前記熱媒還流路と前記上流バイパスをそれぞれ開閉可能な還流路上流弁と、前記迂回路から分岐する前記上流バイパスの分岐点に設けられて前記迂回路と前記上流バイパスをそれぞれ開閉可能な迂回路上流弁と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記流体の温度として前記冷却液および前記作動油の温度を用い、さらに前記還流路上流弁および前記迂回路上流弁の開閉を制御して、前記熱媒の温度を調節することを特徴とする請求項1に記載の電動ダンプトラック。
【請求項3】
前記電気系装置は、前記電動モータの回生電力を熱エネルギに変換するグリッドボックスと、前記バッテリに接続される直流リアクトルと、を含み、
前記電気系熱交換器は、前記グリッドボックスと前記熱媒との熱交換を行うグリッドボックス熱交換器と、前記直流リアクトルと前記熱媒との熱交換を行うリアクトル熱交換器と、を含み、
前記熱媒循環回路は、前記グリッドボックス熱交換器と前記リアクトル熱交換器との間の前記熱媒還流路から分岐して前記迂回路に接続される下流バイパスをさらに備え、
前記複数の電磁弁は、前記熱媒還流路から分岐する前記下流バイパスの分岐点に設けられて前記熱媒還流路と前記下流バイパスをそれぞれ開閉可能な還流路下流弁と、前記迂回路から分岐する前記下流バイパスの分岐点に設けられて前記迂回路と前記下流バイパスをそれぞれ開閉可能な迂回路下流弁と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記電気系装置の温度として前記グリッドボックスおよび前記直流リアクトルの温度を用い、さらに前記還流路下流弁および前記迂回路下流弁の開閉を制御して、前記熱媒の温度を調節することを特徴とする請求項1に記載の電動ダンプトラック。
【請求項4】
積荷が積載されるベッセルをさらに備え、
前記油圧装置は、前記操舵輪を転舵させるパワーステアリング装置と、前記ベッセルの前端部を昇降させる油圧シリンダと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動ダンプトラック。
【請求項5】
前記熱媒循環回路は、前記熱媒タンクに貯留された熱媒を加熱する電気ヒータと、前記熱媒タンクから前記バッテリ熱交換器へ前記熱媒を圧送する電動ポンプと、前記熱媒タンクに接続されて前記熱媒を冷却する熱媒冷却システムと、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電動ダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動ダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から熱管理システムに関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された熱管理システムは、走行用バッテリの出力を走行駆動装置に給電することにより走行動力を発生させる車両に備えられ、その走行用バッテリの温度を管理する。この熱管理システムは、冷却装置と、バッテリ用熱交換器と、熱媒流路と、電磁弁と、温度センサと、制御装置とを備える(同文献第0007段落、請求項1、要約等)。
【0003】
上記冷却装置は、所定の熱管理用熱媒を冷却する。上記バッテリ用熱交換器は、上記走行駆動装置の輻射熱を熱管理用熱媒に回収する。上記熱媒流路は、上記冷却装置、上記バッテリ用熱交換器および上記走行用バッテリとの間に少なくとも設けられ、熱管理用熱媒が供給自在かつ回収自在である。上記電磁弁は、上記熱媒流路の途中部位に設けられ、熱管理用熱媒の流れを設定する。上記温度センサは、上記走行用バッテリの温度を検出する。上記制御装置は、上記温度センサの検出信号および上記車両の状態信号に基づいて上記電磁弁を制御する。
【0004】
また、低温時等にバッテリを昇温させることができる車両の回路温度調整システムに関する発明が知られている(下記特許文献2を参照)。特許文献2に記載された車両の回路温度調整システムは、第1冷媒回路と、第2冷媒回路と、流路切換部と、外気流入調整器と、制御装置と、を備えている(同文献第0006段落、請求項1、要約等)。
【0005】
上記第1冷媒回路は、バッテリの熱交換部に冷媒液を流す。上記第2冷媒回路は、高電圧機器の熱交換部に冷媒液を流し、外気熱交換器によって冷媒液と外気の間で熱交換を行う。上記流路切換部は、上記第1冷媒回路および上記第2冷媒回路を連結して冷媒液を流す連結循環状態と、上記第1冷媒回路および上記第2冷媒回路を分離してそれぞれに個別に冷媒液を流す独立循環状態とに切り換え可能である。
【0006】
上記外気流入調整器は、上記外気熱交換器への外気の流入量を調整可能である。上記制御装置は、上記流路切換部と上記外気流入調整器を制御する。また、上記制御装置は、上記バッテリの温度、もしくは、外気の温度と、上記第1冷媒回路内の冷媒液の温度と、上記2冷媒回路内の冷媒液の温度と、に応じて上記外気流入調整器と上記流路切換部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-043745号公報
【特許文献2】特開2022-053940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の熱管理システムは、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に搭載されることが想定されている(第0017段落等)。同様に上記特許文献2の車両の回路温度調整システムもバッテリを備えた自動車に搭載される(第0023段落、図1等)。一方、鉱山や建設現場など作業現場で鉱石や土砂などの運搬作業を行う超大型の電動ダンプトラックは、上記のような通常の自動車が有しない複数の機器を備えており、これらの機器が熱エネルギを放出している。
【0009】
本開示は、熱エネルギを有効利用することで、バッテリの消費電力を削減することが可能な電動ダンプトラックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、操舵輪および駆動輪と、該駆動輪を駆動させる走行用の電動モータと、該電動モータへ電力を供給するバッテリと、前記操舵輪を転舵させる油圧装置を含む流体系装置と、前記電動モータまたは前記バッテリに接続される電気系装置と、前記バッテリを適正な温度に維持するための熱媒を循環させる熱媒循環回路と、該熱媒循環回路に設けられた複数の電磁弁と、該複数の電磁弁を制御する制御装置と、を備えた電動ダンプトラックであって、前記熱媒循環回路は、前記熱媒を貯留する熱媒タンクと、前記バッテリと前記熱媒との熱交換を行うバッテリ熱交換器と、前記熱媒タンクと前記バッテリ熱交換器とを接続する熱媒供給路と、前記バッテリ熱交換器と前記熱媒タンクとを接続する熱媒還流路と、該熱媒還流路に設けられて前記流体系装置に用いられる流体と前記熱媒との熱交換を行う流体系熱交換器と、該流体系熱交換器よりも前記熱媒還流路の下流側に設けられて前記電気系装置と前記熱媒との熱交換を行う電気系熱交換器と、前記流体系熱交換器よりも上流側で前記熱媒還流路から分岐して前記電気系熱交換器よりも下流側で前記熱媒還流路に接続される迂回路と、前記流体系熱交換器と前記電気系熱交換器との間の前記熱媒還流路から分岐して前記迂回路に接続される中間バイパスと、を備え、前記複数の電磁弁は、前記熱媒還流路から分岐する前記迂回路の分岐点に設けられて前記熱媒還流路と前記迂回路をそれぞれ開閉可能な上流切替弁と、前記熱媒還流路から分岐する前記中間バイパスの分岐点に設けられて前記熱媒還流路と前記中間バイパスをそれぞれ開閉可能な還流路中間弁と、前記迂回路から分岐する前記中間バイパスの分岐点に設けられて前記迂回路と前記中間バイパスをそれぞれ開閉可能な迂回路中間弁と、を備え、前記制御装置は、前記熱媒タンクに貯留された前記熱媒の温度、前記バッテリ熱交換器の出口の前記熱媒の温度、前記流体系装置に用いられる前記流体の温度、および前記電気系装置の温度に基いて、前記上流切替弁、前記還流路中間弁、および前記迂回路中間弁の開閉を制御して、前記熱媒の温度を調節することを特徴とする電動ダンプトラックである。
【発明の効果】
【0011】
本開示の上記一態様によれば、熱エネルギを有効に利用することで、バッテリの消費電力を削減することが可能な電動ダンプトラックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係る電動ダンプトラックの実施形態を示す側面図。
図2図1のダンプトラックに搭載される熱媒循環回路の概略を示す回路図。
図3図2の熱媒循環回路の各機器の位置を示す電動ダンプトラックの斜視図。
図4図2の熱媒循環回路の各機器の位置を示す電動ダンプトラックの斜視図。
図5図2の熱媒循環回路のレイアウトの一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示に係る電動ダンプトラックの実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本開示に係る電動ダンプトラックの実施形態を示す側面図である。図2は、図1の電動ダンプトラック100に搭載される熱媒循環回路200の概略を示す回路図である。本実施形態の電動ダンプトラック100は、たとえば、鉱山や建設現場などで鉱石や土砂などを運搬する作業車両である。
【0015】
電動ダンプトラック100は、たとえば、図1に示すように、車体フレーム101と、左右の操舵輪102と、左右の駆動輪103と、電動モータ104と、バッテリ105と、ボディまたはベッセル106と、左右の油圧シリンダ107と、を備えている。また、電動ダンプトラック100は、たとえば、図2に示すように、流体系装置110と、電気系装置120と、熱媒循環回路200と、複数の電磁弁Vと、制御装置130と、を備えている。
【0016】
車体フレーム101は、たとえば、ラダー状の構造体であり、サスペンション装置を介して左右の操舵輪102および左右の駆動輪103を支持するとともに、電動モータ104およびバッテリ105を含む電動ダンプトラック100の各構成を搭載している。電動モータ104は、たとえば、トランスミッションを介して左右の駆動輪103に接続され、左右の駆動輪103を駆動させる電動ダンプトラック100の走行用モータである。
【0017】
バッテリ105は、たとえば、リチウムイオン二次電池などの複数の電池セルによって構成され、充電された電力を走行用の電動モータ104やその他の機器へ供給する。なお、バッテリ105は、たとえば、電動ダンプトラック100に搭載される受電装置を介して架線から供給される電力によって充電されてもよく、電動ダンプトラック100に搭載されるエンジンと発電機で発電した電力によって充電されてもよい。また、バッテリ105は、たとえば、充電ステーションや移動充電車から供給される電力によって充電されてもよい。
【0018】
ボディまたはベッセル106は、たとえば、油圧ショベルなどの作業機械によって鉱石や土砂などの積荷が積載される。ベッセル106は、その後部の下端が車幅方向に平行な回転軸を介して車体フレーム101に取り付けられ、その回転軸を中心に回動する。左右の油圧シリンダ107は、たとえば、上端がベッセル106の前部の下端に回動可能に連結され、下端が車体フレーム101の前後方向の中央部に回動可能に連結されている。油圧シリンダ107は、たとえば、伸長時にベッセル106の前端部を上昇させて積荷を落下させるホイストシリンダである。
【0019】
流体系装置110は、たとえば、湿式ディスクブレーキ111と、油圧装置112とを含む。湿式ディスクブレーキ111は、たとえば、冷却液が収容されたブレーキケース内で回転軸と一体的に回転する複数の回転ディスクを各回転ディスクの間に設けられたブレーキ摩擦板で挟むことで、操舵輪102および駆動輪103を制動する。油圧装置112は、たとえば、ステアリング操作によって左右の操舵輪102を転舵させる油圧式パワーステアリング装置を含む。また、油圧装置112は、たとえば、ベッセル106の前端部を昇降させる左右の油圧シリンダ107を含む。
【0020】
電気系装置120は、たとえば、電動モータ104またはバッテリ105に接続される電気機器である。より具体的には、電気系装置120は、たとえば、電動モータ104に接続されるグリッドボックス121と、バッテリ105に接続される直流リアクトル122と、を含む。グリッドボックス121は、たとえば、電動ダンプトラック100の制動時に発生する電動モータ104の回生電力を電気抵抗によって熱エネルギに変換して大気中に放散する。直流リアクトル122は、たとえば、電動モータ104に接続されるインバータに接続され、インバータの入力側に発生する高調波を抑制するとともに、力率を改善する。
【0021】
熱媒循環回路200は、たとえば、バッテリ105を適正な温度に維持するための熱媒を循環させる流路によって構成されている。熱媒は、特に限定されないが、たとえば、高温の電気系装置120との熱交換が可能な合成有機熱媒を用いることができる。熱媒循環回路200は、たとえば、熱媒タンク201と、バッテリ熱交換器202と、熱媒供給路203と、熱媒還流路204と、流体系熱交換器210と、電気系熱交換器220と、迂回路205と、中間バイパス206と、を備えている。
【0022】
また、熱媒循環回路200は、たとえば、上流バイパス207をさらに備えてもよく、下流バイパス208をさらに備えてもよい。また、熱媒循環回路200は、たとえば、電気ヒータ201hと、電動ポンプ201pと、熱媒冷却システム230と、をさらに備えてもよい。また、熱媒循環回路200は、たとえば、熱媒の温度、流体系装置110に用いられる流体の温度、および電気系装置120の温度を検出する複数の温度センサTSをさらに備えてもよい。熱媒循環回路200の各構成の詳細は後述する。
【0023】
複数の電磁弁Vは、熱媒循環回路200に設けられている。複数の電磁弁Vは、たとえば、上流切替弁V10と、還流路中間弁V12と、迂回路中間弁V22と、を含む。また、複数の電磁弁Vは、たとえば、還流路上流弁V11と、迂回路上流弁V21と、をさらに備えてもよく、還流路下流弁V13と、迂回路下流弁V23と、をさらに含んでもよい。複数の電磁弁Vの各々の詳細は後述する。
【0024】
制御装置130は、たとえば、中央処理装置(CPU)、RAMやROMなどのメモリ、タイマ、および入出力部を備えた一つ以上のマイクロコントローラによって構成されたコンピュータである。制御装置130は、たとえば、電子制御装置(ECU)によって構成することができる。制御装置130は、たとえば、メモリに記憶されたプログラムを実行することで、複数の電磁弁Vを制御する。
【0025】
次に、熱媒循環回路200の各構成を詳細に説明する。
【0026】
熱媒タンク201は、熱媒循環回路200を循環する熱媒を貯留するタンクである。熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1は、たとえば、温度センサTS1によって検出され、制御装置130に入力される。
【0027】
電気ヒータ201hは、たとえば、バッテリ105から電力が供給され、熱媒タンク201に貯留された熱媒を加熱する。電気ヒータ201hは、たとえば、制御装置130から制御信号Shが入力され、熱媒の温度T1が所定の下限温度を下回らないように熱媒を保温する。
【0028】
電動ポンプ201pは、たとえば、バッテリ105から電力が供給され、制御装置130から制御信号Spが入力され、熱媒タンク201からバッテリ熱交換器202へ熱媒を圧送する。
【0029】
熱媒冷却システム230は、たとえば、熱媒タンク201に接続されて熱媒を冷却する。より詳細には、熱媒冷却システム230は、たとえば、熱媒を冷却するラジエータと、バッテリ105から電力が供給されて熱媒タンク201からラジエータへ熱媒を圧送するポンプと、を備えている。熱媒冷却システム230は、たとえば、制御装置130によって制御され、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1が所定の上限温度を超えないように熱媒を冷却する。
【0030】
バッテリ熱交換器202は、バッテリ105と熱媒との熱交換を行う。バッテリ105は、たとえば、高い効率を維持し、劣化を抑制するために、所定の温度範囲内の温度に維持する必要がある。より詳細には、たとえば、寒冷地で電動ダンプトラック100を長時間にわたって休止させるような場合に、バッテリ105の温度が所定の温度範囲よりも低下するおそれがある。このような場合、バッテリ熱交換器202は、たとえば、バッテリ105よりも高温の熱媒とバッテリ105との熱交換により、バッテリ105を所定の温度範囲内の温度まで昇温させる。
【0031】
一方、たとえば、バッテリ105の充放電時には、バッテリ105の温度が所定の温度範囲を超えて上昇するおそれがある。このような場合、バッテリ熱交換器202は、たとえば、バッテリ105よりも低温の熱媒とバッテリ105との熱交換により、バッテリ105を所定の温度範囲内の温度まで冷却して降温させる。バッテリ熱交換器202は、たとえば、バッテリ105を構成する各々の電池セルと伝熱可能に設けられた熱媒流路を有し、その熱媒流路を流れる熱媒と各々の電池セルとの間で熱交換を行う。バッテリ熱交換器202を通過した熱媒の温度T2は、たとえば、バッテリ熱交換器202の出口の近傍の熱媒還流路204に設けられた温度センサTS2によって検出されて制御装置130へ入力される。
【0032】
熱媒供給路203は、たとえば、熱媒タンク201の出口とバッテリ熱交換器202の入口とを接続する熱媒の流路である。熱媒供給路203は、たとえば、電動ポンプ201pによって熱媒タンク201からバッテリ熱交換器202へ圧送される熱媒を通過させてバッテリ熱交換器202へ供給する。熱媒還流路204は、たとえば、バッテリ熱交換器202の出口と熱媒タンク201の入口とを接続する熱媒の流路であり、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を熱媒タンク201へ還流させる。
【0033】
流体系熱交換器210は、たとえば、熱媒還流路204に設けられて流体系装置110に用いられる流体と熱媒との熱交換を行う。より具体的には、流体系熱交換器210は、たとえば、湿式ディスクブレーキ111の冷却液と熱媒との熱交換を行う第1流体熱交換器211と、油圧装置112の作動油と熱媒との熱交換を行う第2流体熱交換器212と、を含む。
【0034】
図3および図4は、図2に示す流体系熱交換器210および電気系熱交換器220の配置例を示す電動ダンプトラック100の斜視図である。図5は、図2の熱媒循環回路200のレイアウトの一例を示す電動ダンプトラック100の斜視図である。なお、図3から図5では、図1に示す電動ダンプトラック100のボディまたはベッセル106の図示を省略している。
【0035】
第1流体熱交換器211と第2流体熱交換器212を含む流体系熱交換器210は、たとえば、車体フレーム101の前方側上部に設けられたプラットフォームの中央部後方側で、左右の操舵輪102の間の位置に上下に重なるように隣接して配置されている。第1流体熱交換器211および第2流体熱交換器212は、たとえば、多管式(シェルアンドチューブ式)、プレート式、スパイラル式、コイル式、コンデンサ式など、流体と流体の熱交換が可能な任意の方式を採用することができる。
【0036】
なお、第1流体熱交換器211と第2流体熱交換器212は、たとえば、熱媒と熱交換を行う流体の温度が低いものほど熱媒還流路204の上流側に設置される。たとえば、第1流体熱交換器211において熱媒と熱交換を行う湿式ディスクブレーキ111の冷却液は、第2流体熱交換器212において熱媒と熱交換を行う油圧装置112の作動油よりも低温になる傾向がある。この場合、熱媒還流路204において、熱媒の流れ方向の上流側に第1流体熱交換器211が配置され、熱媒の流れ方向の下流側に第2流体熱交換器212が配置される。
【0037】
流体系装置110に用いられる流体の温度T3,T4は、図2に示すように、温度センサTSによって検出されて制御装置130へ入力される。より具体的には、湿式ディスクブレーキ111に用いられる冷却液の温度T3は、温度センサTS3によって検出され、油圧装置112に用いられる作動油の温度T4は、温度センサTS4によって検出され、それぞれ、制御装置130へ入力される。
【0038】
電気系熱交換器220は、たとえば、流体系熱交換器210よりも熱媒還流路204の下流側に設けられて、電気系装置120と熱媒との熱交換を行う。なお、電気系装置120は、たとえば、流体系装置110に用いられる流体よりも高温になる傾向がある。そのため、熱媒還流路204において、熱媒の流れ上流側に流体系熱交換器210が配置され、熱媒の流れの下流側に電気系熱交換器220が配置されている。
【0039】
電気系熱交換器220は、たとえば、電気系装置120と伝熱可能に設けられた熱媒流路を有し、その熱媒流路を流れる熱媒と電気系装置120との間で熱交換を行う。電気系熱交換器220は、たとえば、グリッドボックス121と熱媒との熱交換を行うグリッドボックス熱交換器221と、直流リアクトル122と熱媒との熱交換を行うリアクトル熱交換器222と、を含む。
【0040】
図3および図4に示すように、グリッドボックス121と直流リアクトル122とを含む電気系装置120は、たとえば、車体フレーム101の前方側上部に設けられたプラットフォームの車幅方向の一側に、前後に隣接して配置されている。また、グリッドボックス熱交換器221は、たとえば、グリッドボックス121と一体に設けられ、リアクトル熱交換器222は、たとえば、直流リアクトル122と一体に設けられている。
【0041】
なお、複数の電気系熱交換器220は、たとえば、熱媒と熱交換を行う電気系装置120の温度が低いものほど熱媒還流路204の上流側に設置される。たとえば、グリッドボックス121は、直流リアクトル122よりも低温になる傾向がある。この場合、たとえば、熱媒還流路204において、熱媒の流れ方向の上流側にグリッドボックス熱交換器221が配置され、熱媒の流れの下流側にリアクトル熱交換器222が配置される。
【0042】
電気系装置120の温度T5,T6は、温度センサTSによって検出されて制御装置130へ入力される。より具体的には、グリッドボックス121の温度T5は、温度センサTS5によって検出され、直流リアクトル122の温度T6は、温度センサTS6によって検出され、それぞれ、制御装置130へ入力される。
【0043】
迂回路205は、たとえば、第1流体熱交換器211および第2流体熱交換器212を含む流体系熱交換器210よりも上流側で熱媒還流路204から分岐している。また、迂回路205は、グリッドボックス熱交換器221およびリアクトル熱交換器222を含む電気系熱交換器220よりも下流側で、熱媒還流路204に接続される。迂回路205は、たとえば、バッテリ熱交換器202の出口の下流側から流体系熱交換器210および電気系熱交換器220を迂回して熱媒タンク201の入口の上流側へ至る熱媒の流路である。
【0044】
中間バイパス206は、流体系熱交換器210と電気系熱交換器220との間の熱媒還流路204から分岐して迂回路205に接続される熱媒の流路である。中間バイパス206は、たとえば、熱媒還流路204から迂回路205へ流入して流体系熱交換器210を迂回した熱媒を、電気系熱交換器220よりも上流側で熱媒還流路204に導入する。また、中間バイパス206は、たとえば、熱媒還流路204を流れて流体系熱交換器210を通過した熱媒を迂回路205へ導入して電気系熱交換器220を迂回させる。
【0045】
上流バイパス207は、第1流体熱交換器211と第2流体熱交換器212との間の熱媒還流路204から分岐して迂回路205に接続される。上流バイパス207は、たとえば、熱媒還流路204から迂回路205へ流入して第1流体熱交換器211を迂回した熱媒を、第2流体熱交換器212よりも上流側で熱媒還流路204に導入する。また、上流バイパス207は、たとえば、熱媒還流路204を流れて第1流体熱交換器211を通過した熱媒を迂回路205へ導入して第2流体熱交換器212を迂回させる。
【0046】
下流バイパス208は、グリッドボックス熱交換器221とリアクトル熱交換器222との間の熱媒還流路204から分岐して迂回路205に接続される。下流バイパス208は、たとえば、熱媒還流路204から迂回路205へ流入してグリッドボックス熱交換器221を迂回した熱媒を、リアクトル熱交換器222よりも上流側で熱媒還流路204に導入する。また、下流バイパス208は、たとえば、熱媒還流路204を流れてグリッドボックス熱交換器221を通過した熱媒を迂回路205へ導入してリアクトル熱交換器222を迂回させる。
【0047】
次に、前述の複数の電磁弁Vの各々の詳細を説明する。上流切替弁V10は、たとえば、熱媒還流路204から分岐する迂回路205の分岐点に設けられて熱媒還流路204と迂回路205をそれぞれ開閉可能な三方弁である。上流切替弁V10は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S10に応じて、熱媒の流れの下流側の熱媒還流路204と迂回路205のうち、いずれか一方を開放して他方を閉鎖する。
【0048】
還流路中間弁V12は、たとえば、熱媒還流路204から分岐する中間バイパス206の分岐点に設けられて熱媒還流路204と中間バイパス206をそれぞれ開閉可能な三方弁である。還流路中間弁V12は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S12に応じて、中間バイパス206のみを閉鎖した状態と、下流側の熱媒還流路204のみを閉鎖した状態と、上流側の熱媒還流路204のみを閉鎖した状態と、を切り替える。
【0049】
迂回路中間弁V22は、たとえば、迂回路205から分岐する中間バイパス206の分岐点に設けられて迂回路205と中間バイパス206をそれぞれ開閉可能な三方弁である。迂回路中間弁V22は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S22に応じて、中間バイパス206のみを閉鎖した状態と、下流側の迂回路205のみを閉鎖した状態と、上流側の迂回路205のみを閉鎖した状態と、を切り替える。
【0050】
還流路上流弁V11は、たとえば、熱媒還流路204から分岐する上流バイパス207の分岐点に設けられて熱媒還流路204と上流バイパス207をそれぞれ開閉可能な三方弁である。還流路上流弁V11は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S11に応じて、上流バイパス207のみを閉鎖した状態と、下流側の熱媒還流路204のみを閉鎖した状態と、上流側の熱媒還流路204のみを閉鎖した状態と、を切り替える。
【0051】
迂回路上流弁V21は、たとえば、迂回路205から分岐する上流バイパス207の分岐点に設けられて迂回路205と上流バイパス207をそれぞれ開閉可能な三方弁である。迂回路上流弁V21は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S21に応じて、上流バイパス207のみを閉鎖した状態と、下流側の迂回路205のみを閉鎖した状態と、上流側の迂回路205のみを閉鎖した状態と、を切り替える。
【0052】
還流路下流弁V13は、たとえば、熱媒還流路204から分岐する下流バイパス208の分岐点に設けられて熱媒還流路204と下流バイパス208をそれぞれ開閉可能な三方弁である。還流路下流弁V13は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S13に応じて、下流バイパス208のみを閉鎖した状態と、下流側の熱媒還流路204のみを閉鎖した状態と、上流側の熱媒還流路204のみを閉鎖した状態と、を切り替える。
【0053】
迂回路下流弁V23は、たとえば、迂回路205から分岐する下流バイパス208の分岐点に設けられて迂回路205と下流バイパス208をそれぞれ開閉可能な三方弁である。迂回路下流弁V23は、たとえば、制御装置130から入力される制御信号S23に応じて、下流バイパス208のみを閉鎖した状態と、下流側の迂回路205のみを閉鎖した状態と、上流側の迂回路205のみを閉鎖した状態と、を切り替える。
【0054】
制御装置130は、たとえば、複数の温度センサTSによって検出された温度に基いて、複数の電磁弁Vの開閉を制御することで、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒の温度を調節する。より詳細には、制御装置130は、たとえば、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1、バッテリ熱交換器202の出口の熱媒の温度T2、流体系装置110に用いられる流体の温度T3,T4、および電気系装置120の温度T5,T6を取得する。さらに制御装置130は、取得した温度T1-T6に基いて、上流切替弁V10、還流路中間弁V12、および迂回路中間弁V22の開閉を制御して、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒の温度を調節する。
【0055】
また、制御装置130は、たとえば、流体系装置110に用いられる流体の温度T3,T4として湿式ディスクブレーキ111の冷却液の温度T3および油圧装置112の作動油の温度T4を取得する。さらに、制御装置130は、たとえば、取得した温度T3,T4を用い、制御信号S11,S21を出力して還流路上流弁V11および迂回路上流弁V21の開閉を制御することで、熱媒の温度を調節する。
【0056】
また、制御装置130は、たとえば、電気系装置120の温度T5,T6としてグリッドボックス121の温度T5および直流リアクトル122の温度T6を取得する。さらに、制御装置130は、たとえば、取得した温度T5,T6を用い、制御信号S13,S23を出力して還流路下流弁V13および迂回路下流弁V23の開閉を制御することで、熱媒の温度を調節する。
【0057】
なお、各々の電磁弁Vは、三方弁に限定されない。たとえば、各々の電磁弁Vは、二つまたは三つの開閉弁を含み、これらの開閉弁のうち、一つまたは二つを開放して一つを閉鎖してもよい。また、熱媒循環回路200は、必ずしもすべての温度センサTS1-TS6を有しなくてもよい。制御装置130は、たとえば、前述の温度T1-T6のうち、一つ以上の温度推定値を使用することができる。
【0058】
以下、いくつかの温度条件における制御装置130による複数の電磁弁Vの開閉制御の例を説明する。なお、制御装置130による開閉制御が開始される前の複数の電磁弁Vの各々の初期開閉状態は、たとえば、以下のとおりである。上流切替弁V10は、下流側の熱媒還流路204を閉鎖し、迂回路205を開放している。迂回路上流弁V21、迂回路中間弁V22、および迂回路下流弁V23は、それぞれ、上流バイパス207、中間バイパス206、および下流バイパス208を閉鎖し、迂回路205を開放している。
【0059】
還流路上流弁V11、還流路中間弁V12、および還流路下流弁V13は、それぞれ、上流バイパス207、中間バイパス206、および下流バイパス208を閉鎖し、熱媒還流路204を開放している。したがって、制御装置130による開閉制御が開始される前の各々の電磁弁Vの初期開閉状態において、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、上流切替弁V10から迂回路205へ流入し、流体系熱交換器210および電気系熱交換器220を迂回して熱媒タンク201へ還流する。
【0060】
(温度条件1:温度T2<温度T3-T6)
温度条件1は、バッテリ熱交換器202の出口の熱媒の温度T2が、流体系装置110の流体の温度T3,T4および電気系装置120の温度T5,T6よりも低い場合である。この温度条件1において、制御装置130は、たとえば、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1を昇温させる場合に、複数の電磁弁Vの各々を以下のように制御する。
【0061】
制御装置130は、たとえば、制御信号S10を出力して上流切替弁V10の開閉を制御し、上流切替弁V10により下流側の熱媒還流路204を開放するともに迂回路205を閉鎖し、その他の電磁弁Vの初期開閉状態を維持する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、熱媒還流路204を流れ、流体系熱交換器210および電気系熱交換器220を通過することで加熱されて昇温する。その結果、熱媒タンク201に貯留された熱媒を加熱する電気ヒータ201hの消費電力を削減することができる。
【0062】
また、上記温度条件1において、流体系熱交換器210に熱媒を通過させることで、流体系装置110に用いられる流体を熱媒との熱交換により冷却して降温させることができる。その結果、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、たとえば、湿式ディスクブレーキ111の冷却液の温度を適正な範囲に維持して、湿式ディスクブレーキ111の耐用期間を延長することができる。また、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、たとえば、油圧装置112の作動油の温度を適正な範囲に維持して、油圧装置112を安定して動作させることができる。
【0063】
また、上記温度条件1において、電気系熱交換器220に熱媒を通過させることで、電気系装置120を熱媒との熱交換により冷却して降温させることができる。その結果、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、たとえば、グリッドボックス121の温度上昇を抑制して、回生ブレーキの使用時間を延長することができる。また、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、たとえば、直流リアクトル122の温度上昇を抑制して、高電流負荷の持続時間を延長することができる。さらに、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、たとえば、グリッドボックス121および直流リアクトル122の小型化や設置数の削減が可能になる。
【0064】
(温度条件2:温度T2>温度T3-T6)
温度条件2は、バッテリ熱交換器202の出口の熱媒の温度T2が、流体系装置110の流体の温度T3,T4および電気系装置120の温度T5,T6よりも高い場合である。この温度条件2において、制御装置130は、たとえば、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1を降温させる場合に、複数の電磁弁Vの各々を以下のように制御する。
【0065】
制御装置130は、たとえば、制御信号S10を出力して上流切替弁V10の開閉を制御し、上流切替弁V10により下流側の熱媒還流路204を開放するともに迂回路205を閉鎖し、その他の電磁弁Vの初期開閉状態を維持する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、熱媒還流路204を流れ、流体系熱交換器210および電気系熱交換器220を通過することで冷却されて降温する。その結果、熱媒タンク201に貯留された熱媒を冷却する熱媒冷却システム230の消費電力を削減することができる。
【0066】
一方、上記温度条件1,2において、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1を昇温させる必要も降温させる必要もない場合、制御装置130は、たとえば、各々の電磁弁Vの初期開閉状態を維持する。その結果、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、上流切替弁V10から迂回路205へ流入し、流体系熱交換器210および電気系熱交換器220を迂回して熱媒タンク201へ還流する。
【0067】
(温度条件3:温度T3,T4<温度T2<温度T5,T6)
温度条件3は、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒の温度T2が、流体系装置110の流体の温度T3,T4よりも高く、電気系装置120の温度T5,T6よりも低い場合である。この温度条件3において、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1を昇温させる場合に、制御装置130は、たとえば、各々の電磁弁Vを以下のように制御する。
【0068】
制御装置130は、たとえば、制御信号S22を出力して迂回路中間弁V22の開閉を制御し、迂回路中間弁V22により下流側の迂回路205を閉鎖するともに中間バイパス206を開放する。また、制御装置130は、たとえば、制御信号S12を出力して還流路中間弁V12の開閉を制御し、還流路中間弁V12により中間バイパス206を開放するとともに熱媒還流路204の上流側を閉鎖する。また、制御装置130は、その他の電磁弁Vの初期開閉状態を維持する。
【0069】
これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、上流切替弁V10から迂回路中間弁V22まで迂回路205を流れて流体系熱交換器210を迂回する。さらに、熱媒は、迂回路中間弁V22から中間バイパス206を流れて還流路中間弁V12から下流側の熱媒還流路204へ流入し、熱媒還流路204を流れて電気系熱交換器220を通過することで、電気系装置120との熱交換により加熱されて昇温する。その結果、熱媒タンク201に貯留された熱媒を加熱する電気ヒータ201hの消費電力を削減することができる。
【0070】
また、上記温度条件3において、制御装置130は、たとえば、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1を降温させる場合、複数の電磁弁Vの各々を以下のように制御する。制御装置130は、たとえば、制御信号S10を出力して上流切替弁V10の開閉を制御し、上流切替弁V10により迂回路205を閉鎖するともに下流側の熱媒還流路204を開放する。また、制御装置130は、たとえば、制御信号S12を出力して還流路中間弁V12の開閉を制御し、還流路中間弁V12により下流側の熱媒還流路204を閉鎖するとともに中間バイパス206を開放する。さらに、制御装置130は、たとえば、制御信号S22を出力して迂回路中間弁V22の開閉を制御し、迂回路中間弁V22により中間バイパス206を開放するとともに上流側の迂回路205を閉鎖する。
【0071】
これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、上流切替弁V10から還流路中間弁V12まで熱媒還流路204を流れ、流体系熱交換器210を通過することで冷却されて降温する。その後、熱媒は、還流路中間弁V12を通過して中間バイパス206を流れ、迂回路中間弁V22を通過して下流側の迂回路205を流れて電気系熱交換器220を迂回し、熱媒タンク201へ還流する。その結果、熱媒タンク201に貯留された熱媒を冷却する熱媒冷却システム230の消費電力を削減することができる。
【0072】
また、上記温度条件3において、制御装置130は、たとえば、流体系装置110に用いられる流体の温度を昇温させる場合に、上記熱媒を降温させる場合と同様に、複数の電磁弁Vの各々を制御する。その結果、流体系装置110に用いられる流体の温度を、熱媒との熱交換により昇温させて適正な温度範囲に維持することができ、湿式ディスクブレーキ111の冷却液や油圧装置112の作動油の温度を適正な範囲に維持することができる。
【0073】
また、上記温度条件3において、制御装置130は、たとえば、電気系装置120を降温させる場合に、上記熱媒を降温させる場合と同様に、複数の電磁弁Vの各々を制御する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒は、上流切替弁V10を通過して熱媒還流路204を流れ、流体系熱交換器210を通過することで降温し、さらに電気系熱交換器220を通過することで電気系装置120を冷却して降温させることができる。
【0074】
その結果、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、グリッドボックス121の温度上昇を抑制して、回生ブレーキの使用時間を延長することができ、直流リアクトル122の温度上昇を抑制して、高電流負荷の持続時間を延長することができる。さらに、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、グリッドボックス121および直流リアクトル122の小型化や設置数の削減が可能になる。
【0075】
以上のように、本実施形態の電動ダンプトラック100は、操舵輪102および駆動輪103と、その駆動輪103を駆動させる走行用の電動モータ104と、その電動モータ104へ電力を供給するバッテリ105と、を備えている。また、電動ダンプトラック100は、操舵輪102を転舵させる油圧装置112を含む流体系装置110と、電動モータ104またはバッテリ105に接続される電気系装置120と、を備えている。さらに、電動ダンプトラック100は、バッテリ105を適正な温度に維持するための熱媒を循環させる熱媒循環回路200と、熱媒循環回路200に設けられた複数の電磁弁Vと、複数の電磁弁Vを制御する制御装置130と、を備えている。また、熱媒循環回路200は、熱媒を貯留する熱媒タンク201と、バッテリ105と熱媒との熱交換を行うバッテリ熱交換器202と、熱媒タンク201とバッテリ熱交換器202とを接続する熱媒供給路203と、バッテリ熱交換器202と熱媒タンク201とを接続する熱媒還流路204と、を備えている。また、熱媒循環回路200は、熱媒還流路204に設けられて流体系装置110に用いられる流体と熱媒との熱交換を行う流体系熱交換器210と、流体系熱交換器210よりも熱媒還流路204の下流側に設けられて電気系装置120と熱媒との熱交換を行う電気系熱交換器220と、を備えている。さらに、熱媒循環回路200は、流体系熱交換器210よりも上流側で熱媒還流路204から分岐して電気系熱交換器220よりも下流側で熱媒還流路204に接続される迂回路205と、流体系熱交換器210と電気系熱交換器220との間の熱媒還流路204から分岐して迂回路205に接続される中間バイパス206と、を備えている。また、複数の電磁弁Vは、上流切替弁V10と、還流路中間弁V12と、迂回路中間弁V22とを備えている。上流切替弁V10は、熱媒還流路204から分岐する迂回路205の分岐点に設けられて熱媒還流路204と迂回路205をそれぞれ開閉可能な構成を有している。還流路中間弁V12は、熱媒還流路204から分岐する中間バイパス206の分岐点に設けられて熱媒還流路204と中間バイパスをそれぞれ開閉可能な構成を有している。迂回路中間弁V22は、迂回路205から分岐する中間バイパス206の分岐点に設けられて迂回路205と中間バイパス206をそれぞれ開閉可能な構成を有している。制御装置130は、熱媒タンク201に貯留された熱媒の温度T1、バッテリ熱交換器202の出口の熱媒の温度T2、流体系装置110に用いられる流体の温度T3,T4、および電気系装置120の温度T5,T6に基いて、上流切替弁V10、還流路中間弁V12、および迂回路中間弁V22の開閉を制御して、熱媒の温度を調節する。
【0076】
このような構成により、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、バッテリ105と、流体系装置110の流体と、電気系装置120との間の温度条件に応じて、これらの間で熱媒を介した熱交換を行い、熱エネルギを有効利用することができる。より具体的には、制御装置130は、上記温度条件に応じて、熱媒循環回路200に設けられた上流切替弁V10と、還流路中間弁V12と、迂回路中間弁V22を含む複数の電磁弁Vの開閉を制御する。これにより、熱媒タンク201に貯留される熱媒の温度T1の目標値と、上記温度条件に基いて、熱媒を流体系熱交換器210と電気系熱交換器220に選択的に通過させることができる。その結果、バッテリ105、流体系装置110の流体、および電気系装置120の温度を、これらの間の熱媒を介した熱交換により、目的に応じて昇温または降温させることができる。したがって、本実施形態の電動ダンプトラック100によれば、熱エネルギの有効利用によりバッテリ105の消費電力を削減し、稼働時間および航続距離の延長、回生ブレーキによる減速持続時間の延長、および高負荷運転の持続時間の延長が可能になる。
【0077】
また、本実施形態の電動ダンプトラック100において、流体系装置110は、操舵輪102および駆動輪103を制動する湿式ディスクブレーキ111を含む。また、流体系熱交換器210は、湿式ディスクブレーキ111の冷却液と熱媒との熱交換を行う第1流体熱交換器211と、油圧装置112の作動油と熱媒との熱交換を行う第2流体熱交換器212と、を含む。また、熱媒循環回路200は、第1流体熱交換器211と第2流体熱交換器212との間の熱媒還流路204から分岐して迂回路205に接続される上流バイパス207をさらに備えている。また、複数の電磁弁Vは、熱媒還流路204から分岐する上流バイパス207の分岐点に設けられて熱媒還流路204と上流バイパス207をそれぞれ開閉可能な還流路上流弁V11と、迂回路205から分岐する上流バイパス207の分岐点に設けられて迂回路205と上流バイパス207をそれぞれ開閉可能な迂回路上流弁V21と、をさらに備えている。制御装置130は、流体の温度T5,T6として冷却液および作動油の温度T5,T6を用い、さらに還流路上流弁V11および迂回路上流弁V21の開閉を制御して、熱媒の温度を調節する。
【0078】
このような構成により、本実施形態の電動ダンプトラック100は、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を、第1流体熱交換器211と第2流体熱交換器212に選択的に通過させることが可能になる。より具体的には、制御装置130は、たとえば、熱媒を第1流体熱交換器211のみに通過させる場合に、制御信号S10,S11,S21を出力して、上流切替弁V10、還流路上流弁V11、および迂回路上流弁V21の開閉を、上記初期開閉状態から次のように制御する。上流切替弁V10において、熱媒還流路204を閉鎖して迂回路205を開放する。還流路上流弁V11において、下流側の熱媒還流路204を閉鎖して上流バイパス207を開放する。迂回路上流弁V21において、上流側の迂回路205を閉鎖して上流バイパス207および下流側の迂回路205を開放する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を、第1流体熱交換器211のみに選択的に通過させることができる。
【0079】
また、制御装置130は、たとえば、熱媒を第2流体熱交換器212のみに通過させる場合に、制御信号S21,S11,S12,S22を出力して、迂回路上流弁V21、還流路上流弁V11、還流路中間弁V12、および迂回路中間弁V22の開閉を、上記初期開閉状態から次のように制御する。迂回路上流弁V21において、下流側の迂回路205を閉鎖して上流バイパス207を開放する。還流路上流弁V11において、上流側の熱媒還流路204を閉鎖して上流バイパス207を開放する。還流路中間弁V12において、下流側の熱媒還流路204を閉鎖して中間バイパス206を開放する。迂回路中間弁V22において上流側の迂回路205を閉鎖して中間バイパス206を開放する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を、第2流体熱交換器212のみに選択的に通過させることができる。
【0080】
また、本実施形態の電動ダンプトラック100において、電気系装置120は、電動モータ104の回生電力を熱エネルギに変換するグリッドボックス121と、バッテリ105に接続される直流リアクトル122と、を含む。また、電気系熱交換器220は、グリッドボックス121と熱媒との熱交換を行うグリッドボックス熱交換器221と、直流リアクトル122と熱媒との熱交換を行うリアクトル熱交換器222と、を含む。また、熱媒循環回路200は、グリッドボックス熱交換器221とリアクトル熱交換器222との間の熱媒還流路204から分岐して迂回路205に接続される下流バイパス208をさらに備えている。また、複数の電磁弁Vは、還流路下流弁V13と、迂回路下流弁V23と、をさらに備えている。還流路下流弁V13は、熱媒還流路204から分岐する下流バイパス208の分岐点に設けられて熱媒還流路204と下流バイパス208をそれぞれ開閉可能な構成を有している。迂回路下流弁V23は、迂回路205から分岐する下流バイパス208の分岐点に設けられて迂回路205と下流バイパス208をそれぞれ開閉可能な構成を有している。制御装置130は、電気系装置120の温度T5,T6としてグリッドボックス121および直流リアクトル122の温度T5,T6を用い、さらに還流路下流弁V13および迂回路下流弁V23の開閉を制御して、熱媒の温度を調節する。
【0081】
このような構成により、本実施形態の電動ダンプトラック100は、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を、グリッドボックス熱交換器221とリアクトル熱交換器222に選択的に通過させることが可能になる。より具体的には、制御装置130は、たとえば、熱媒をグリッドボックス熱交換器221のみに通過させる場合に、制御信号S22,S12,S13,S23を出力して、迂回路中間弁V22、還流路中間弁V12、還流路下流弁V13、および迂回路下流弁V23の開閉を、上記初期開閉状態から次のように制御する。迂回路中間弁V22において、下流側の迂回路205を閉鎖して中間バイパス206を開放する。還流路中間弁V12において、上流側の熱媒還流路204を閉鎖して中間バイパス206を開放する。還流路下流弁V13において、下流側の熱媒還流路204を閉鎖して下流バイパス208を開放する。迂回路下流弁V23において上流側の迂回路205を閉鎖して下流バイパス208を開放する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を、グリッドボックス熱交換器221のみに選択的に通過させることができる。
【0082】
また、制御装置130は、たとえば、熱媒をリアクトル熱交換器222のみに通過させる場合に、制御信号S23,S13を出力して、迂回路下流弁V23、および還流路下流弁V13の開閉を、上記初期開閉状態から次のように制御する。迂回路下流弁V23において、下流側の迂回路205を閉鎖して下流バイパス208を開放する。還流路下流弁V13において、上流側の熱媒還流路204を閉鎖して下流バイパス208を開放する。これにより、バッテリ熱交換器202を通過した熱媒を、リアクトル熱交換器222のみに選択的に通過させることができる。
【0083】
また、本実施形態の電動ダンプトラック100は、積荷が積載されるベッセル106をさらに備え、油圧装置112は、操舵輪102を転舵させるパワーステアリング装置と、ベッセル106の前端部を昇降させる油圧シリンダ107と、を含む。このような構成により、本実施形態の電動ダンプトラック100は、油圧装置112の作動油の温度T4を適切な温度範囲に維持して、パワーステアリング装置および油圧シリンダ107の信頼性を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態の電動ダンプトラック100において、熱媒循環回路200は、熱媒タンク201に貯留された熱媒を加熱する電気ヒータ201hと、熱媒タンク201からバッテリ熱交換器202へ熱媒を圧送する電動ポンプ201pと、熱媒タンク201に接続されて熱媒を冷却する熱媒冷却システム230と、をさらに備える。このような構成により、バッテリ105から電気ヒータ201hおよび熱媒冷却システム230へ電力を供給する場合に、熱媒を介した機器間の熱交換により電気ヒータ201hおよび熱媒冷却システム230の消費電力を低減することができる。これにより、バッテリ105の電力消費を低減し、電動ダンプトラック100の稼働時間および航続距離を延長することができる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、熱エネルギを有効利用することで、バッテリ105の消費電力を削減することが可能な電動ダンプトラック100を提供することができる。以上、図面を用いて本開示に係る電動ダンプトラックの実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
100 電動ダンプトラック
102 操舵輪
103 駆動輪
104 電動モータ
105 バッテリ
106 ベッセル
107 油圧シリンダ
110 流体系装置
111 湿式ディスクブレーキ
112 油圧装置
120 電気系装置
121 グリッドボックス
122 直流リアクトル
130 制御装置
200 熱媒循環回路
201 熱媒タンク
201h 電気ヒータ
201p 電動ポンプ
202 バッテリ熱交換器
203 熱媒供給路
204 熱媒還流路
205 迂回路
206 中間バイパス
207 上流バイパス
208 下流バイパス
210 流体系熱交換器
211 第1流体熱交換器
212 第2流体熱交換器
220 電気系熱交換器
221 グリッドボックス熱交換器
222 リアクトル熱交換器
230 熱媒冷却システム
T1-T6 温度
V 電磁弁
V10 上流切替弁
V11 還流路上流弁
V12 還流路中間弁
V13 還流路下流弁
V21 迂回路上流弁
V22 迂回路中間弁
V23 迂回路下流弁
図1
図2
図3
図4
図5