(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141236
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】風速計測システム
(51)【国際特許分類】
G01P 13/00 20060101AFI20241003BHJP
G01P 5/12 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
G01P13/00 E
G01P5/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052766
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100121049
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 正義
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 美貴
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康隆
(72)【発明者】
【氏名】片瀬 泰幸
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 剛
(72)【発明者】
【氏名】安江 俊哉
【テーマコード(参考)】
2F034
【Fターム(参考)】
2F034AA02
2F034AC14
2F034DA09
2F034DA16
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティを向上させた風速計測システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明における風速計測システムは、表示パネルを備えた端末装置に接続して、計測領域にて計測した風速を表示パネルに表示する風速計測システムであって、計測領域に配置したセンサユニットにて、風速を計測し、表示パネルに、センサユニットに対応した表示部を表示し、表示部を、表示パネル上で、対応するセンサユニットの配置に応じて、任意に移動可能とした表示機能を備え、或いは、表示パネルに、センサユニットに対応した表示部を表示し、表示部の色表示を、対応するセンサユニットの発光状態に合わせて変更可能とした表示機能を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルを備えた端末装置に接続して、計測領域にて計測した風速を前記表示パネルに表示する風速計測システムであって、
前記計測領域に配置したセンサユニットにて、前記風速を計測し、
前記表示パネルに、前記センサユニットに対応した表示部を表示し、前記表示部を、前記表示パネル上で、対応する前記センサユニットの配置に応じて、任意に移動可能とした表示機能を備える、
ことを特徴とする風速計測システム。
【請求項2】
表示パネルを備えた端末装置に接続して、計測領域にて計測した風速を前記表示パネルに表示する風速計測システムであって、
前記計測領域に配置したセンサユニットにて、前記風速を計測し、前記センサユニットは、前記風速に基づいて発光状態が変化する発光機能を備えており、
前記表示パネルに、前記センサユニットに対応した表示部を表示し、前記表示部の色表示を、対応する前記センサユニットの発光状態に合わせて変更可能とした表示機能を備える、
ことを特徴とする風速計測システム。
【請求項3】
前記表示部が表示された画面表示から、前記風速の時系列のデータ表示に切り替え可能とする、請求項1又は請求項2に記載の風速計測システム。
【請求項4】
前記表示パネルの背景画面を任意に設定可能とする、請求項1又は請求項2に記載の風速計測システム。
【請求項5】
複数のセンサユニットが接続された1以上の系列を含み、前記表示部には、前記風速とともに、系列番号と、前記系列における接続順が示される、請求項1又は請求項2に記載の風速計測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のセンサユニットを備えた風速計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気流計測システムに関する発明が開示されている。気流計測システムは、複数のセンサを含み、風向または風速を検知する。気流計測システムを構成する情報処理装置は、センサからのデータを収集し、空気の流れを解析する。端末装置では、画面に気流を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1の
図9には、気流表示の一例が示されている。特許文献1では、画面を、格子状に区切って配置領域を作成し、格子の1マス内にセンサマークを表示する。また、センサマークの表示以外のマスには推定した風向や風速を示す円周マークを表示する。
【0005】
しかしながら、特許文献1では、計測領域に配置したセンサの状態変更に応じた、センサマークの変更、更新については、特に何も開示がなされていない。
本発明は、ユーザビリティを向上させた風速計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における風速計測システムは、表示パネルを備えた端末装置に接続して、計測領域にて計測した風速を前記表示パネルに表示する風速計測システムであって、前記計測領域に配置したセンサユニットにて、前記風速を計測し、前記表示パネルに、前記センサユニットに対応した表示部を表示し、前記表示部を、前記表示パネル上で、対応する前記センサユニットの配置に応じて、任意に移動可能とした表示機能を備える、ことを特徴とする。
【0007】
本発明における風速計測システムは、表示パネルを備えた端末装置に接続して、計測領域にて計測した風速を前記表示パネルに表示する風速計測システムであって、前記計測領域に配置したセンサユニットにて、前記風速を計測し、前記センサユニットは、前記風速に基づいて発光状態が変化する発光機能を備えており、前記表示パネルに、前記センサユニットに対応した表示部を表示し、前記表示部の色表示を、対応する前記センサユニットの発光状態に合わせて変更可能とした表示機能を備える、ことを特徴とする。
【0008】
本発明における一態様は、前記表示部が表示された画面表示から、前記風速の時系列のデータ表示に切り替え可能とする。
本発明における一態様は、前記表示パネルの背景画面を任意に設定可能とする。
【0009】
本発明における一態様は、複数のセンサユニットが接続された1以上の系列を含み、前記表示部には、前記風速とともに、系列番号と、前記系列における接続順が示される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、センサユニットの配置変更に対応して表示部を、表示パネル上で任意に移動させることができたり、該表示部の色表示を、センサユニットの発光状態に合わせて、変更でき、ユーザビリティを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、複数のセンサユニットを備えた風速計測システムの構成図であり、各センサユニットを測定場所に配置した状態を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態におけるセンサユニットの斜視図である。
【
図3】
図3は、センサユニットの回路図の一例である。
【
図4】
図4は、表示パネル上に表示された各表示部の模式図である。
【
図5】
図5は、
図1の状態から、1つのセンサユニットの配置を変更したことを示す模式図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すセンサユニットの位置に合わせて、ユーザが、表示パネル上の表示部を移動させた状態を示す模式図である。
【
図7】
図7は、風速情報を時系列のデータ表示に切り替えた画面表示を示す模式図である。
【
図8】
図8は、データ収集ルーチンを示すフローチャート図である。
【
図9】
図9は、表示更新ルーチンを示すフローチャート図である。
【
図10】
図10は、グラフ更新ルーチンを示すフローチャート図である。
【
図11】
図11は、表示部の移動ルーチンを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0013】
図1は、本実施の形態における風速計測システム(風速計測装置)Sの構成図である。風速計測システムSは、複数のセンサユニット1-1~3-4と、ホストデバイス4、5、6とを有して構成される。
【0014】
図1に示すように、センサユニット1-1~1-4、センサユニット2-1~2-4、及びセンサユニット3-1~3-4は、それぞれ、X方向にデイジーチェーン接続されており、3つの系列1、2、3が構成される。これら系列1、2、3は、Z方向(X方向に対して直交方向)に、間隔をあけて配置される。
【0015】
各系列1、2、3において、各ホストデバイス4、5、6から近い順に、一番目、二番目、三番目、及び四番目のセンサユニットと規定する。そして、各系列1、2、3において、一番目のセンサユニット1-1、2-1、3-1が、例えば、計測領域の天井から一列に吊り下げられており、二番目から四番目の各センサユニットも同様に構成されている。このように、
図1に示す計測領域7には、12個のセンサユニット1-1~3-4を配置している。なお、
図1に示すセンサ配列は、あくまでも一例である。
【0016】
図1に示すように、各系列1、2、3において、隣り合うセンサユニットが通信線8を介して接続されており、各センサユニット1-1~3-4に内蔵されるマイコン(図示しない)間でのデータのやり取りを可能とする。
【0017】
また、ホストデバイス4、5、6は、端末装置9から各センサユニット1-1~3-4に送られる命令信号や、センサユニット1-1~3-4から端末装置9に送られる風速信号を、各センサユニット1-1~3-4と端末装置9との間で橋渡しする。ホストデバイス4、5、6は、通信においてマスターとなる装置を意味する。
【0018】
図1に示すように、各ホストデバイス4、5、6同士もデイジーチェーン接続される。これにより、配線を複雑にせず、センサユニット1-1~3-4の接続数を大幅に増やすことができる。
【0019】
ここで、本実施の形態に適用するセンサユニットの一例を
図2に示す。センサユニットは、感温抵抗体を備えた風速検知用素子10と、温度補償用素子11とを備える。
【0020】
図3に示すように、風速検知用素子10は、温度補償用素子11とともに、ブリッジ回路12を構成する。
図3に示すように、風速検知用素子(抵抗体)10と、温度補償用素子(抵抗体)11と、抵抗器13、14とでブリッジ回路12を構成している。
図3に示すように、風速検知用素子10と抵抗器13とで第1の直列回路15を構成し、温度補償用素子11と抵抗器14とで第2の直列回路16を構成している。そして、第1の直列回路15と第2の直列回路16とが、並列に接続されてブリッジ回路12を構成している。
【0021】
図3に示すように、第1の直列回路15の出力部17と、第2の直列回路16の出力部18とが、夫々、差動増幅器(アンプ)19に接続されている。ブリッジ回路12には、差動増幅器19を含めたフィードバック回路20が接続されている。フィードバック回路20には、トランジスタ(図示せず)等が含まれる。
【0022】
抵抗器13、14は、風速検知用素子10、及び温度補償用素子11よりも抵抗温度係数(TCR)が小さい。風速検知用素子10は、例えば、所定の周囲温度よりも所定値だけ高くなるようにされた加熱状態で、所定の抵抗値Rs1を有し、また、温度補償用素子11は、例えば、前記の周囲温度にて、所定の抵抗値Rs2を有するように制御されている。なお、抵抗値Rs1は、抵抗値Rs2よりも小さい。風速検知用素子10と第1の直列回路15を構成する抵抗器13は、例えば、風速検知用素子10の抵抗値Rs1と同様の抵抗値R1を有する固定抵抗器である。また、温度補償用素子11と第2の直列回路16を構成する抵抗器14は、例えば、温度補償用素子11の抵抗値Rs2と同様の抵抗値R2を有する固定抵抗器である。
【0023】
風速検知用素子10は、周囲温度よりも高い温度となるように調整されており、風速検知用素子10が風を受けると、発熱抵抗である風速検知用素子10の温度は低下する。このため、風速検知用素子10が接続された第1の直列回路15の出力部17の出力が変動する。これにより、差動増幅器19により差動出力が得られる。そして、フィードバック回路20では、差動出力に基づいて、風速検知用素子10に駆動電圧を印加する。そして、風速検知用素子10の加熱に要する電圧の変化に基づき、センサユニット内に配置されたマイコンにて風速を換算し出力することができる。
【0024】
また、温度補償用素子11は、流体そのものの温度を検知し、流体の温度変化の影響を補償する。このように、温度補償用素子11を備えることで、流体の温度変化が風速検知に影響するのを低減でき、風速検知を精度よく行うことができる。なお、
図3に示す回路構成は、一例であり、これに限定されるものではない。
【0025】
図2に示すセンサユニットには、筐体21に複数のコネクタ22(裏面にあるコネクタは不図示)が設けられており、コネクタを介して、通信線8を接続することで、
図1に示すように、複数のセンサユニット1-1~3-4をデイジーチェーン接続できる。
【0026】
また、
図2に示すように、本実施の形態のセンサユニットには、LED等の発光部23が設けられている。例えば、発光部23を、所定以上の大きさの風速を検知した際に点灯させたり、風速の大きさに応じて明滅させたりできる。
【0027】
図1に示すように、風速計測システムSは、パソコンなどの端末装置9に接続される。風速計測システムSとの接続により、風速計測システムSに内蔵された風速計測ソフトウェアを、端末装置9にて実行できる。本実施の形態の風速計測システムSによれば、以下の表示機能の実行により、端末装置9の表示パネル9aに、風速分布を可視化できる。
【0028】
(1)表示パネル9aに、センサユニット1-1~3-4に対応した表示部30~41を表示し、表示部30~41を、表示パネル9a上で、対応するセンサユニット1-1~3-4の配置に応じて、任意に移動可能とした表示機能。
(2) 表示パネル9aに、センサユニット1-1~3-4に対応した表示部30~41を表示し、表示部30~41の色表示を、対応するセンサユニット1-1~3-4の発光状態に合わせて変更可能とした表示機能。
表示パネル9aの画面表示を参照しながら、上記の表示機能について説明する。
【0029】
図4に示すように、表示パネル9aには、各センサユニット1-1~3-4に対応した12個の表示部30~41が表示される。表示部30~41は、タイル表示で表れているが、タイル表示以外であっても構わない。
【0030】
各表示部30~41には、「1-1」、「1-2」・・・「3-4」で示される上段表示と、その下側に括弧書きで示された下段表示とが示される。上段表示は、対応するセンサユニット1-1~3-4の配置を示していて、「系列-接続順」を表している。すなわち、「1-1」は、系列1の1番目を示す。下段表示は、風速(m/s)を示す。
【0031】
図4に示す表示部30~41の下段表示の風速は、
図2に示すセンサユニット1-1~3-4で検知された風速を数値化したものである。
【0032】
初期画面(アプリケーション起動時の画面)では、前回の配置状態を反映するか、或いは、各表示部を新規で整列させるかを、ユーザに選択させることができる。このとき、初期画面において、
図4に示す12個の表示部30~41が、
図1のセンサユニット1-1~3-4の配置に一致していなくても、上記(1)の表示機能では、各表示部30~41を、表示パネル9a上で、任意に移動させることができるため、
図4に示すように、各表示部30~41を、
図1に示すセンサユニット1-1~3-4の配置に合わせることができる。
【0033】
したがって、
図5に示すように、例えば、センサユニット1-3を、
図1の位置から、図示上方向(Z方向)に移動させたとき、
図6に示すように、ユーザは、マウスを用いて、センサユニット1-3に対応する表示部32を、表示パネル9a上にて上方向に移動させて、センサユニット1-3の配置と、表示パネル9a上での表示部32の位置とを一致させることができる。これにより、各センサユニット1-1~3-4の配置と、表示パネル9a上での各表示部30~41の位置とを、風速計測中などにおいても、簡単に一致させることができる。
【0034】
また、
図4に示すように、表示パネル9a上での各表示部30~41は、異なる色表示とされるが、各色表示は、
図1に示すセンサユニット1-1~3-4の発光部23(
図2参照)の発光色と一致し、或いは、似た色に制御される。すなわち、各センサユニット1-1~3-4は、検知した風量に基づいて発光部23の発光状態が変化するが、各センサユニット1-1~3-4に対応する各表示部30~41の色表示を、各センサユニット1-1~3-4の発光状態に合わせることができる(上記(2)の表示機能)。なお「発光状態に合わせる」とは、色を一致させる場合のほか、その色に近づける場合も含め、範囲を持たせることができる。特に、ユーザが、表示パネル9a内の表示部30~41の色表示と、センサユニット1-1~3-4の発光状態とを見比べたときに、表示部30~41とセンサユニット1-1~3-4とを対応付けることができれば、「発光状態に合わせる」との範囲に含まれる。なお、
図4では、色が異なることを模様で示した。
色の変更については、ユーザが、表示パネル9aから設定変更できる。例えば、ユーザは、赤色に光る風速を2m/sから3m/sに変更したいときなど、表示パネル9aにて操作し変更する。この設定変更により、表示パネル9aの表示部30~41の発光色の設定の変更だけでなく、発光部23の色も、配線を通して、色設定情報が全てのセンサユニット1-1~3-4に送られて更新される。このため、発光部23の色と表示部の色とを常に一致させることができる。
【0035】
本実施の形態では、時間差無しで、或いは、小さい時間差で、各表示部の色表示を、各センサユニットの発光状態に合わせて変更でき、リアルタイム性を高めることができる。
【0036】
このように本実施の形態では、表示パネル9aに表された各表示部30~41を、センサユニット1-1~3-4の配置や発光状態の変化に容易に合わせることができ、ユーザビリティを高めることができる。本実施の形態では、上記(1)(2)の表示機能を別々に有していてもよいが、
図4、
図6に示すように、(1)(2)の双方の表示機能を備えることがより好適である。
【0037】
また、本実施の形態では、表示パネル9aの背景画面を任意に設定できる。すなわち、表示部30~41の背景に表示する画像をユーザーが任意に設定できる。
図4に示すように、表示パネル9aの背景画面は、センサユニット1-1~3-4を配置した計測現場の写真などを用いて設定できる。これにより、センサユニット1-1~3-4を計測場所に設置したイメージで、表示部30~41を、表示パネル9a上にレイアウトでき、リアリティに優れた風量分布の可視化を実現できる。
【0038】
また、本実施の形態では、表示パネル9aの画面表示を、
図4、
図6の風量分布表示から、
図7に示す時系列のデータ表示に切り替えることもできる。
図7のグラフは、各センサユニット1-1~3-4の時間に対する風速を示している。なお、
図7のグラフは、一部のセンサユニット1-1~3-4の風速のみグラフ化したものである。
【0039】
本実施の形態における風速計測システムSのフローチャートを説明する。
図8は、データ収集ルーチン50、
図9は、表示更新ルーチン51及び、
図10は、グラフ更新ルーチン52を示すフローチャート図である。
図11は、表示部の移動ルーチンを表示するフローチャート図である。
【0040】
データ更新ルーチン50、表示更新ルーチン51、及びグラフ更新ルーチン52を、非同期処理しており、これにより、それぞれを独立して動かすことができ、表示更新及びグラフ更新を適切に行うことができる。
【0041】
データ更新ルーチン50では、各センサユニット1-1~3-4から風速のデータを収集するステップST1、及び、表示用データを生成するステップST2を備える。「表示用データ」には、センサユニット1-1~3-4の接続情報(系列及び接続順)、風量情報及び、発光情報などを含む。
【0042】
表示更新ルーチン51では、まず、表示更新タスクの終了フラグの有無を判断する(ステップST3)。タスクが有効であるとき、ステップST4に移行する。ステップST4では、最新の風速データを表示部(タイル)30~41に反映する。最新の風速データは、ステップST2から取得できる。最新の風速データを反映させた後、例えば、15ms待ってから(ステップST5)、ステップST3に戻り、再び、最新の風速データを取得する。
【0043】
グラフ更新ルーチン52では、まず、グラフタスクの終了フラグの有無を判断し(ステップST6)、終了していなければ、ステップST7に移行して、処理中フラグを有効化する。続いて、非同期処理起動を実行し(ステップST8)、ステップST2から取得した風速データによりグラフ化する(ステップST9)。グラフ化した後、例えば、500ms待ってから(ステップST10)、ステップST6に戻り、再び、最新の風速データを取得しグラフ化する。このように、非同期処理にて、例えば、500msごとにデータ更新を行うことで、グラフを精度よく作成できる。
【0044】
表示パネル9a上にて、表示部30~41を任意の場所に移動させる場合、
図9(a)に示すように、ユーザは、マウス等の外部入力装置を操作して、動かしたい表示部上に画像表示されたポインタを移動し、マウスを押下げる動作を行うことで対象の表示部を指定する。これにより、マウス押下ポイントが記録され、表示部移動フラグが起動する。次に、
図9(b)に示すように、ユーザは、表示部上でマウスを任意の場所まで移動させる。このとき、表示部移動フラグが有効であれば、表示部移動距離を算出し、算出した移動距離に基づいて、表示部を表示パネル9a上で移動させる。次に、ユーザは、表示部上でマウスを離す。これにより、タイル移動フラグが無効化し、表示部の移動が確定する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明では、表示パネル上に、センサユニットの配置に対応した表示部を表示でき、該表示部を任意に移動させたり、センサユニットの発光状態に合わせて表示部の色表示を変化可能な風速計測システムを提供できる。本発明の風速計測システムは、例えば、風を検知するセンサユニットを備えており、屋内屋外を問わず、適用できる。風速計測システムは、例えば、空調設備や、イルミネーション、実験・分析用などで用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1~3 :系列
1-1~3-4 :センサユニット
4~6 :ホストデバイス
7 :計測領域
8 :通信線
9 :端末装置
9a :表示パネル
10 :風速検知用素子
11 :温度補償用素子
12 :ブリッジ回路
13、14 :抵抗器
15 :第1の直列回路
16 :第2の直列回路
17、18 :出力部
19 :差動増幅器
20 :フィードバック回路
21 :筐体
22 :コネクタ
23 :発光部
30~41 :表示部
S 風速計測システム