(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141237
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】直流電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/06 20060101AFI20241003BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02M7/06 H
H02M3/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052767
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】小室 陽介
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
5H006CA07
5H006CB01
5H006CC01
5H006DC05
5H006FA01
5H006FA02
5H006GA01
5H006GA04
5H730AS01
5H730BB23
5H730CC01
5H730EE02
5H730EE07
5H730EE59
5H730FD11
5H730FF19
5H730FG05
5H730XC09
5H730XX02
5H730XX12
5H730XX22
5H730XX32
5H730XX41
(57)【要約】
【課題】絶縁型直流電源装置において、突入電流防止用の抵抗と直列にヒューズを設けた場合にヒューズが溶断してもXコンデンサの放電機能が損なわれないようにする。
【解決手段】入力された交流電圧を整流するダイオード・ブリッジ回路と、Xコンデンサおよびコイルを備え前記ダイオード・ブリッジ回路の前段に設けられたフィルタ回路と、AC入力の投入時に前記ダイオード・ブリッジ回路に流れる突入電流を抑制するための第1抵抗素子(R2)と、前記第1抵抗素子と並列に設けられた電流スイッチ手段(RLY)と、を備えた直流電源装置において、前記第1抵抗素子と直列に該抵抗素子を保護するヒューズ素子(F2)が接続され、第1抵抗素子およびヒューズ素子と並例にダイオード(D3)と第2抵抗素子(R3)の直列回路が設けられており、前記ダイオードはAC入力側にカソード端子が来るように接続した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された交流電圧を整流するダイオード・ブリッジ回路と、Xコンデンサおよびコイルを備え前記ダイオード・ブリッジ回路の前段に設けられたフィルタ回路と、AC入力の投入時に前記ダイオード・ブリッジ回路に流れる突入電流を抑制するための第1抵抗素子と、前記第1抵抗素子と並列に設けられた電流スイッチ手段と、を備えた直流電源装置であって、
前記第1抵抗素子と直列に該第1抵抗素子を保護するヒューズ素子が接続され、
直列形態の前記第1抵抗素子およびヒューズ素子と並例に、ダイオードと第2抵抗素子の直列回路が設けられており、
前記ダイオードは、カソード端子がAC入力側に来るように接続されていることを特徴とする直流電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の直流電源装置は電圧変換用のトランスの一次側に備えた絶縁型直流電源装置であって、
前記電流スイッチ手段は、コイルおよび接点を備えた電磁継電器であり、
前記電磁継電器のコイルの一方の端子に、二次側に誘起された電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の直流電源装置は電圧変換用のトランスの一次側に備えた絶縁型直流電源装置であって、
前記トランスは補助巻線を備え、
前記電流スイッチ手段は、コイルおよび接点を備えた電磁継電器であり、
前記補助巻線に誘起された電圧を整流、平滑する整流平滑回路がトランスの一次側に設けられ、
前記電磁継電器のコイルの一方の端子に、前記整流平滑回路により平滑された電圧が印加されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
【請求項4】
前記ヒューズ素子が溶断された場合に、前記Xコンデンサの放電時に前記ダイオードと前記第2抵抗素子に放電電流が流れることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の直流電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACフィルタを備えた直流電源装置に関し、特にACフィルタを構成するXコンデンサの残留電荷を放電する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電源装置には、交流電源を整流するダイオード・ブリッジ回路と、該回路で整流された直流電圧を電圧変換用トランスで変換して所望の電位の直流電圧を出力する絶縁型AC-DCコンバータがある。
絶縁型のAC-DCコンバータにおいては、一般に、ノーマルモードノイズを減衰することを目的としたACフィルタが実装されている。
【0003】
通常、このACフィルタにはXコンデンサが使用されており、電源のプラグをAC電源のコンセントから引き抜いた際に、Xコンデンサに電荷が残ることで、プラグ両端に電圧が発生し、人体が接触すると感電する可能性がある。そのため、かかる事故を防ぐため、Xコンデンサの残留電荷を、プラグ引き抜き後一定時間内に放電することが、各国の安全規格で定められている。そこで、Xコンデンサに残留する電荷を速やかに放電するため、Xコンデンサと並列に放電用の抵抗(
図1のR0)が接続されていた。
【0004】
しかしながら、Xコンデンサと並列に放電用の抵抗を接続した構成のAC-DCコンバータにあっては、AC電源接続中、放電用の抵抗が常に電力を消費するので、無負荷時やスタンバイ時の待機電力を増加させる原因となる。
そこで、待機時における消費電力を低減するため、プラグ引き抜き時にXコンデンサの残留電荷を速やかに放電する放電回路を電源制御ICに設けて抵抗損失を抑えることができるようにした発明が提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
また、AC電源からコンバータへ過剰な電流が流れ込むのを防止するため、ACフィルタの一方の端子とダイオード・ブリッジ回路との間にヒューズを設けるようした電源装置において、ヒューズが溶断してもXコンデンサの電荷を放電することができるようにした発明も提案されている(例えば特許文献2)。
一方、絶縁型直流電源装置においては、コンバータへの突入電流を防止するための抵抗を設けるとともに、該抵抗が突入電流の抑圧の効果を発揮した後に抵抗の両端子間を短絡するためのリレーを抵抗と並列に設けることがある(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-158310号公報
【特許文献2】特開2018-11439号公報
【特許文献3】特開2010-4613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載されているリレーを備えた電源装置においては、リレーがオープン故障すると、リレーと並列に接続されている突入電流防止用の抵抗に電流が流れ続けて発熱するおそれがある。そこで、本発明者は、突入電流防止用の抵抗と直列に抵抗保護用の温度ヒューズを設けることを検討した。
【0008】
その結果、
図1に示すように、XコンデンサC1の放電ループには、プラグをコンセントから引き抜かれたタイミングにおけるAC電圧の極性によって、DL1とDL2の2つのループがある。ところが、
図2に示すように、突入電流防止用の抵抗R2と直列に温度ヒューズF2を設けた場合、リレーRLYがオープン故障した状態で、抵抗に電流が流れ続けて温度ヒューズF2が溶断すると、放電ループDL2が遮断されてしまい、XコンデンサC1の放電機能が損なわれてしまうという課題があることが明らかになった。
【0009】
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、突入電流を防止するための抵抗および該抵抗と並列に設けられたリレーを備えた直流電源装置において、突入電流防止用の抵抗と直列にヒューズを設けた場合に、ヒューズが溶断してもXコンデンサの放電機能が損なわれないようにすることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明は、
入力された交流電圧を整流するダイオード・ブリッジ回路と、Xコンデンサおよびコイルを備え前記ダイオード・ブリッジ回路の前段に設けられたフィルタ回路と、AC入力の投入時に前記ダイオード・ブリッジ回路に流れる突入電流を抑制するための第1抵抗素子と、前記第1抵抗素子と並列に設けられた電流スイッチ手段と、を備えた直流電源装置において、
前記第1抵抗素子と直列に該第1抵抗素子を保護するヒューズ素子が接続され、
直列形態の前記第1抵抗素子およびヒューズ素子と並例に、ダイオードと第2抵抗素子の直列回路が設けられており、
前記ダイオードは、カソード端子がAC入力側に来るように接続されているようにした。
【0011】
上記のような構成によれば、突入電流を防止するための抵抗および該抵抗と並列に設けられた電流スイッチ手段(リレー)を備えた直流電源装置において、突入電流防止用の抵抗と直列に、該抵抗を保護するためのヒューズ素子(温度ヒューズ)を設けた場合に、抵抗が過熱してヒューズが溶断してもXコンデンサの放電機能が損なわれないようにすることができる。これにより、プラグ引き抜き時にXコンデンサの残留電荷を速やかに放電して、感電事故が発生するのを防止することができる。また、Xコンデンサと並列に放電用の抵抗を実装する必要がないため、待機電力の向上が見込まれる。さらに、ダイオード1個と抵抗1個を追加するだけで良いので、機能の追加に伴うコストも安価に抑えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、突入電流を防止するための抵抗および該抵抗と並列に設けられたリレーを備えた直流電源装置において、突入電流防止用の抵抗と直列にヒューズを設けた場合に、ヒューズが溶断してもXコンデンサの放電機能が損なわれないようにすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】放電回路を備えたICを使用した絶縁型直流電源装置におけるXコンデンサの放電ループを示す図である。
【
図2】本発明に先立って検討した絶縁型直流電源装置の一次側回路を示す回路構成図である。
【
図3】本発明に係る絶縁型直流電源装置の一次側回路の一実施形態を示す回路構成図である。
【
図4】Xコンデンサの放電機能を備えた一次側制御用ICを使用した絶縁型直流電源装置に本発明を適用した場合の実施例を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明を適用した絶縁型直流電源装置(AC-DCコンバータ)の一次側回路の一実施形態を示す回路構成図である。
【0015】
本実施形態の絶縁型直流電源装置の一次側回路10は、
図3に示すように、ノーマルモードノイズを遮断するため、AC電源11からの交流電圧(AC)が入力される一対のAC端子間に接続されたXコンデンサC1とコイルL1,L2などからなるACフィルタ12と、交流電圧(AC)を整流するダイオード・ブリッジ回路13を備える。
【0016】
また、AC入力の一方の端子とフィルタ12との間には、過大な電流が流れ込むのを防止するための電流ヒューズF1が接続されている。また、ダイオード・ブリッジ回路13の後段には、整流後の電圧を平滑する平滑用コンデンサC2が設けられている。図示しないが、ダイオード・ブリッジ回路13の出力ノードに接続されている端子14a,14b間には、電圧変換用のトランスの一次側巻線とスイッチング素子が接続されている。
【0017】
また、ACフィルタ12の一対の出力ノードにそれぞれアノード端子が接続されたダイオードD1,D2が設けられ、このダイオードD1とD2のカソード端子は抵抗R1を介して、XコンデンサC1の放電回路を内蔵したIC(半導体集積回路)15に接続されている。このIC15は、図示しないが、AC電圧を監視する電圧検出回路と、抵抗R1と直列に接続されたスイッチ素子とを備えており、一次側制御ICでXコンデンサC1の放電を行う場合、AC電圧がなくなるとスイッチ素子をオンさせてXコンデンサC1の残留電荷を接地点へ放電させる機能を有している。
【0018】
さらに、本実施形態の絶縁型直流電源装置は、フィルタ12とダイオード・ブリッジ回路13との間に、電源投入時に平滑用コンデンサC2に向かって流れ込む突入電流を抑制するための抵抗R2と、通常動作状態において抵抗R2に電流が流れないようにするためのリレー(電磁継電器)RLYと、が並列に接続されている。このリレーRLYは、電源投入後の通常動作中、接点S1が連続して導通状態にされる。また、リレーRLYがオープン故障すると突入電流抑制用の抵抗R2に電流が流れ続けて発熱し破損するおそれがあるため、それを防止するため保護用の温度ヒューズF2が抵抗R2と直列に設けられている。
【0019】
また、抵抗R2に電流が流れ続けることで温度ヒューズF2が溶断すると、AC電源を供給するコンセントからプラグを引き抜いた際に、XコンデンサC1の残留電荷を放電させるループが失われてしまう。そこで、本実施形態においては、直列の抵抗R2および温度ヒューズF2と並列にダイオードD3が、XコンデンサC1の放電電流を流す向きすなわちカソード端子がAC入力側に来るように設けられている。
これにより、温度ヒューズF2が溶断されている状態で、コンセントからプラグが引き抜かれたとすると、
図3に破線DL3で示すようなループで、XコンデンサC1の残留電荷を放電させることができる。
【0020】
さらに、本実施形態においては、上記ダイオードD3と直列に抵抗R3が接続されている。この抵抗R3は、温度ヒューズF2が溶断されていない通常動作時に、ダイオードD3へ電流が流れないようにするためのものであり、少なくとも1kΩ以上の高抵抗値とする。つまり、抵抗R3はリレーRLYの接触抵抗及び抵抗R2の抵抗値よりも充分に高い抵抗値を有するようにされる。抵抗R2の抵抗値は、電源投入時の突入電流を適切に抑制できるような値に設定される。
【0021】
なお、上記リレーRLYは、電源投入時は非励磁で通常動作に入るとコイルが励磁されて接点S1が導通状態にされる常開タイプである。そして、図示しないが、リレーRLYのコイルの一方の端子には、トランスの二次側に誘起された電圧を平滑した電圧が印加されている。また、リレーRLYのコイルの他方の端子は接地点に接続され、その接地点は二次側の接地点とする。なお、二次側の接地点とするのではなく、一次側にコイルを接続して一次側の接地点を使用しても良い。また、接地点を一次側とする場合には、リレーRLYに印加される電圧は、一次側の電圧に応じた電圧とされる。
【0022】
上記のように、リレーRLYのコイルに二次側の電圧を印加することにより、電源が投入され、突入電流がなくなった後、二次側の電圧が上昇すると、リレーRLYのコイルに自動的に電流が流れて励磁され、接点S1が導通状態にされ、通常動作を継続する。そのため、リレーRLYのコイルに流す電流をオン、オフするスイッチおよび該スイッチを制御する信号を生成する回路を設ける必要がないという利点がある。また、外部信号でリレーRLYをオン、オフすることも可能であり、2コンバータ方式の場合、例えばスタンバイコンバータのみで動作しているときはリレーRLYをオフとし、メインコンバータが動作するときに一緒にリレーRLYをオンさせるようにすることも可能である。
なお、リレーRLYのコイルの一方の端子に印加する電圧は、トランスの二次側に誘起された電圧でなく、以下に説明するように、例えばトランスの補助巻線に誘起された電圧を平滑した電圧のような一次側の電圧であっても良い。
【0023】
図4には、本発明を適用したAC-DCコンバータのより具体的な実施例が示されている。この実施例においては、一次側のICとして、Xコンデンサの放電回路を内蔵した一次側制御用IC15’が使用されている。Xコンデンサの放電回路を内蔵した一次側制御用ICは、例えば前述の特許文献1に記載されている。
図4に示すように、本実施例においては、トランス16の一次側巻線Npと直列に接続されたNチャネルMOSFETからなるスイッチングトランジスタSW1を駆動する機能を一次側制御用IC15’が有している。
【0024】
また、この実施例のAC-DCコンバータにおいては、トランス16として、補助巻線Nbを備えたものが使用されており、この補助巻線Nbと直列に接続された整流用ダイオードD4と、該ダイオードD4のカソード端子と接地点との間に接続された平滑用コンデンサC3とからなる整流平滑回路が設けられ、該整流平滑回路で整流、平滑された電圧が上記電源制御用IC15’の電源電圧端子に印加されている。
また、上記整流平滑回路(D4、C3)で整流、平滑された電圧が、突入電流抑制用の抵抗R2と並列に設けられたリレーRLYのコイルの一方の端子に抵抗R5を介して印加されている。コイルの他方の端子は、一次側の接地点に接続されている。
【0025】
この実施例においても、電源が投入され、突入電流がなくなり電源装置が正常に動作を開始して、補助巻線Nbに誘起された電圧を平滑する整流平滑回路の電圧が上昇すると、リレーRLYのコイルに自動的に電流が流れて励磁され、接点S1が導通状態にされる。そのため、リレーRLYのコイルに流す電流をオン、オフするスイッチおよび該スイッチを制御する信号を生成する回路を設ける必要がないという利点がある。
ただし、抵抗R5と直列にトランジスタスイッチ回路を設けて、外部信号によりこのスイッチ回路をオン、オフしてリレーRLYのコイルに電流を流したり遮断したりするように構成しても良い。これにより、スタンバイ時のリレーRLYの内部コイルにおける消費電力を削除することができる。
【0026】
なお、図示しないが、上記トランス16の二次側には、二次側巻線と直列に接続された整流用ダイオードと、このダイオードのカソード端子と二次側巻線の他方の端子との間に接続された平滑用コンデンサとが設けられ、スイッチングトランジスタSW1により一次側巻線Npに間歇的に電流を流すことで二次側巻線に誘起される交流電圧を整流し平滑することによって、一次側巻線Npと二次側巻線との巻線比に応じた直流電圧を出力する。
【0027】
さらに、図示しないが、トランス16の二次側には、出力電圧を検出するための検出回路が設けられ、該検出回路により検出された電圧に応じた信号がフォトカプラを介して電源制御用IC15’へ伝達するように構成される。そして、電源制御用IC15’は、二次側より伝達された信号に応じて、スイッチングトランジスタSW1のスイッチング周波数あるいはSW1の駆動パルスのデューティを変化させるように構成される。なお、本発明は、トランスを用いない非絶縁型にも適用可能である。
【0028】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、突入電流抑制用の抵抗R2と並列にリレーRLYを設けているが、リレーの代わりに半導体スイッチ(例えばトライアック、サイリスタ、FET、トランジスタ)を使用しても良い。また、リレーRLY又は半導体スイッチ及び温度ヒューズF2の実装箇所も、AC電圧を整流するブリッジダイオード回路13の前段に限定されず後段(整流後のプラス側またはマイナス側)に実装するようにしても良い。さらに、ACフィルタとリレーの位置関係は、図示のもの限定されるものではない。例えば、リレーをACフィルタの前段に設けても良いし、フィルタ回路がACフィルタ(C1,L1,L2)を2個備える場合に、2個のACフィルタの中段にリレーを設けるようにしても良い。
【0029】
また、前記実施形態では、リレーRLYとして常開タイプのものを使用しているが、リレーRLYは常閉タイプであってもよい。ただし、リレーRLYが常閉タイプの場合、電源が立ち上がる際に、一時的にコイルを励磁させて接点S1をオフにさせる電流をリレーへ供給する電源が必要である。例えばバックアップ電源を有するシステムに使用する場合には、リレーとして常閉タイプのものを使用することが可能である。その場合、電流スイッチや制御回路が必要になるというデメリットがある一方、突入電流防止素子(抵抗やサーミスタなど)に電流が流れる時間は短いので、システムの消費電力を減らすことができるという利点がある。
【符号の説明】
【0030】
11…AC電源、12…ACフィルタ、13…ダイオード・ブリッジ回路(整流回路)、15…放電回路を内蔵したIC、15’…電源制御回路(電源制御用IC)、16…トランス、C1…Xコンデンサ、R2…突入電流抑制用の抵抗、RLY…リレー(電磁継電器)、F1…電流ヒューズ、F2…温度ヒューズ