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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141238
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/56 20060101AFI20241003BHJP
   G01F 1/32 20220101ALI20241003BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
G01N25/56 B
G01F1/32 A
G01F1/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052768
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】後藤 萌
(72)【発明者】
【氏名】岡本 和年
(72)【発明者】
【氏名】石鍋 篤史
(72)【発明者】
【氏名】林 悠一
【テーマコード(参考)】
2F030
2G040
【Fターム(参考)】
2F030CC12
2F030CE04
2G040AA04
2G040AB01
2G040BA13
2G040BA23
2G040BB04
2G040CA02
2G040CA11
2G040CA14
2G040CA15
2G040CA17
2G040CA22
2G040GA05
2G040HA01
2G040HA11
2G040HA16
2G040HA18
2G040ZA01
2G040ZA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流体の状態に応じた演算により、蒸気品質の指標である流体の液体量又は乾き度を推定する。
【解決手段】流体に関する複数の測定値を取得する測定値取得部と、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定する状態判定推定部と、推定した流体の状態に応じて、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する流体品質推定部と、推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する出力部とを備える装置を提供する。装置は、推定した流体の状態に対応する演算を、複数の演算から選択する選択部を更に備え、流体品質推定部は、選択した演算により、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体に関する複数の測定値を取得する測定値取得部と、
前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて前記流体の状態を推定する状態判定推定部と、
前記推定した流体の状態に応じて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する流体品質推定部と、
前記推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する出力部とを備える
装置。
【請求項2】
前記推定した流体の状態に対応する演算を、複数の演算から選択する選択部を更に備え、
前記流体品質推定部は、前記選択した演算により、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記状態判定推定部は、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて、前記流体の状態が、層状流、層状波状流、又は環状噴霧流のいずれであるかを推定する
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記状態判定推定部は、
前記流体の状態が湿り蒸気であるか否かを前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて判定し、
前記流体の状態が湿り蒸気であると判定した場合に、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて、前記流体の状態が、層状流、層状波状流、又は環状噴霧流のいずれであるかを推定する
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記状態判定推定部は、前記測定値取得部が取得した前記流体の圧力の測定値に基づく前記流体の沸点を前記流体の温度の測定値が超えることに応じて、前記流体の状態が湿り蒸気ではないと判定し、
前記流体品質推定部は、前記状態判定推定部が前記流体の状態が湿り蒸気ではないと判定した場合に、前記流体に関する液体量が0である又は乾き度が100%であると推定する
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記状態判定推定部は、前記流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体の状態を推定する第1モデルを用いて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて前記流体の状態を推定する
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記推定した流体の状態に応じて、前記流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する複数の第2モデルから、前記推定した流体の状態に対応する第2モデルを選択し、
前記流体品質推定部は、前記選択部により選択された前記第2モデルを用いて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する
請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する前記第2モデルを、前記流体の状態毎に生成する学習処理部を更に備える
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、前記流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体の状態を推定するための、外部の学習装置で生成された第1モデル、および前記推定した流体の状態に応じて、前記流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定するための、外部の学習装置で生成された第2モデルを記憶し、
前記状態判定推定部は、前記第1モデルを用いて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて前記流体の状態を推定し、
前記流体品質推定部は、前記第2モデルを用いて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記測定値取得部は、前記流体に関する複数の測定値として、前記流体について測定された流速、温度、圧力、粘度、濃度、密度、信号振幅、又は渦周波数の少なくとも1つを取得する
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記測定値取得部は、前記流体に関する複数の測定値を渦流量計から取得する
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する第2モデルを、前記流体の状態毎に生成する学習処理部を備える
学習装置。
【請求項13】
コンピュータが、流体に関する複数の測定値を取得する段階と、
前記コンピュータが、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて前記流体の状態を推定する段階と、
前記コンピュータが、前記推定した流体の状態に応じて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する段階と、
前記コンピュータが、前記推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する段階とを備える
方法。
【請求項14】
コンピュータを、
流体に関する複数の測定値を取得する測定値取得部と、
前記取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて前記流体の状態を推定する状態判定推定部と、
前記推定した流体の状態に応じて、前記取得した複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する流体品質推定部と、
前記推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する出力部
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、前記流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する第2モデルを、前記流体の状態毎に生成する学習処理部
として機能させるための学習プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「管内を流通する湿り蒸気の流量を渦流量計又は超音波流量計の一方及びオリフィス流量計により計測し、流量計測値を用いて管内の湿り度を取得する湿り度の計測方法」が記載されている。特許文献2には、「渦流測定装置は、使用中に通常、流れる2相以上の媒体の第一相の流速を、渦流センサによって記録されたカルマン渦周波数を用いて測定することが可能であると同時に、分散された粒子流及び/又は液滴流の形態での少なくとも第二相の発生を迅速に(すなわちオンラインで)検出することも可能である」と記載されている。特許文献3には、「渦流測定装置使用中は、測定信号ならびに渦周波数から決定される標準偏差又は尖度に基づいて、また、相関関係を参照しつつ、第二相の壁流の質量流量が簡易な方法にて定量的に測定される」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特開2013-185915号公報
特許文献2 特許第5443514号
特許文献3 特許第5355724号
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、流体に関する複数の測定値を取得する測定値取得部と、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定する状態判定推定部と、推定した流体の状態に応じて、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する流体品質推定部と、推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する出力部とを備える装置を提供する。
【0004】
上記の装置において、推定した流体の状態に対応する演算を、複数の演算から選択する選択部を更に備え、流体品質推定部は、選択した演算により、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定してよい。
【0005】
上記のいずれかの装置において、状態判定推定部は、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて、流体の状態が、層状流、層状波状流、又は環状噴霧流のいずれであるかを推定してよい。
【0006】
上記の装置において、状態判定推定部は、流体の状態が湿り蒸気であるか否かを取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて判定し、流体の状態が湿り蒸気であると判定した場合に、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて、流体の状態が、層状流、層状波状流、又は環状噴霧流のいずれであるかを推定してよい。
【0007】
上記の装置において、状態判定推定部は、測定値取得部が取得した流体の圧力の測定値に基づく流体の沸点を流体の温度の測定値が超えることに応じて、流体の状態が湿り蒸気ではないと判定し、流体品質推定部は、状態判定推定部が流体の状態が湿り蒸気ではないと判定した場合に、流体に関する液体量が0である又は乾き度が100%であると推定してよい。
【0008】
上記のいずれかの装置において、状態判定推定部は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体の状態を推定する第1モデルを用いて、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定してよい。
【0009】
上記のいずれかの装置において、流体品質推定部は、推定した流体の状態に応じて、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する第2モデルを用いて、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定してよい。
【0010】
上記のいずれかの装置において、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する第2モデルを、流体の状態毎に生成する学習処理部を更に備えてよい。
【0011】
上記のいずれかの装置において、測定値取得部は、流体に関する複数の測定値として、流体について測定された流速、温度、圧力、粘度、濃度、密度、信号振幅、又は渦周波数の少なくとも1つを取得してよい。
【0012】
上記のいずれかの装置において、測定値取得部は、流体に関する複数の測定値を渦流量計から取得してよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、コンピュータが、流体に関する複数の測定値を取得する段階と、コンピュータが、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定する段階と、コンピュータが、推定した流体の状態に応じて、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する段階と、コンピュータが、推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する段階とを備える方法を提供する。
【0014】
本発明の第3の態様においては、コンピュータを、流体に関する複数の測定値を取得する測定値取得部と、取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定する状態判定推定部と、推定した流体の状態に応じて、取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する流体品質推定部と、推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを出力する出力部として機能させるためのプログラムを提供する。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るシステム10を示すブロック図の一例である。
図2】管内での流体の流動様式を説明するための説明図である。
図3】本実施形態に係る処理装置30の動作の例を示すフロー図である。
図4】第1モデルの例を説明する説明図である。
図5】第2モデルの例を説明する説明図である。
図6】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態に係るシステム10を示すブロック図の一例である。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際の装置構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つの装置により構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々の装置により構成されていなくてもよい。これより先のブロック図についても同様である。
【0019】
システム10は、プラント等の設備に設置された機器20からデータを収集する。プラントとしては、化学又はバイオ等の工業プラントの他、ガス田、油田等の井戸元、又はその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光又は風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水又はダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。システム10は、1又は複数の機器20と、処理装置30と、外部装置40とを備える。
【0020】
1又は複数の機器20は、処理装置30に有線又は無線で接続される。1又は複数の機器20の少なくとも1つは、フィールド機器であってよく、一例として、流体に発生する渦を計測して流量を測定する渦流量計である。また機器20は、例えば圧力センサ、流量計、温度センサ、密度計、粘度計、又は濃度計等であってもよい。機器20は、設備の管内に流れる流体に関する測定値を処理装置30に送信してよい。
【0021】
処理装置30は、外部装置40に接続される。処理装置30は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、又は汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。また、処理装置30は、渦流量計等のフィールド機器の内部コンピュータであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、処理装置30は、コンピュータ内で1又は複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。
【0022】
処理装置30は、1又は複数の機器20から取得した流体に関する測定値に基づいて、流体の液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する。処理装置30は、測定値取得部100と、状態判定推定部110と、選択部120と、流体品質推定部130と、学習処理部140と、出力部150とを備える。
【0023】
ここで、本実施形態における流体は、水等が蒸発した気体(蒸気)又は気体が凝縮した液体のうち少なくとも一方を含んでよい。また、推定する液体量は、例えば、蒸気の中で凝縮した液体が占める質量を示す。推定する乾き度は、例えば、蒸気の質量に対する気体蒸気の質量割合を示す。
【0024】
測定値取得部100は、1又は複数の機器20及び状態判定推定部110に接続される。測定値取得部100は、機器20から流体に関する複数の測定値を取得する。測定値取得部100は、1つの機器20で測定された異なる複数の種類の測定値を取得してよく、また、複数の機器20でそれぞれ測定された複数の測定値を取得してもよい。
【0025】
状態判定推定部110は、学習処理部140及び選択部120に接続される。状態判定推定部110は、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定する。状態判定推定部110は、測定値に基づいて、管内での流体の流動様式を、流体の状態として推定してよい。なお、流動様式については、図2において後述する。状態判定推定部110は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体の状態を推定する第1モデルを用いて、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体の状態を推定してよい。
【0026】
選択部120は、学習処理部140及び流体品質推定部130に接続される。選択部120は、推定した流体の状態に対応する演算を、複数の演算から選択する。選択部120は、流体の流動様式に応じて異なる演算を選択してよい。選択部120は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する複数の第2モデルから、流体の状態に対応する1つの第2モデルを選択してよい。
【0027】
流体品質推定部130は、学習処理部140及び出力部150に接続される。流体品質推定部130は、状態判定推定部110が推定した流体の状態に応じて、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する。流体品質推定部130は、選択部120が選択した演算により、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定してよい。流体品質推定部130は、状態判定推定部110が推定した流体の状態に応じて、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する第2モデルを用いて、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定してよい。流体品質推定部130は、乾き度又は液体量の一方の推定結果から、流体の蒸気の流量を用いて他方を算出することができる。
【0028】
学習処理部140は、処理装置30内で用いる複数のモデルを学習処理する。学習処理部140は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する第2モデルを、流体の状態毎に生成する。学習処理部140は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体の状態を推定する第1モデルを生成してよい。
【0029】
出力部150は、外部装置40に接続される。出力部150は、流体品質推定部130が推定した液体量又は乾き度の少なくともいずれかを外部装置40に出力する。
【0030】
外部装置40は、処理装置30の推定結果を表示する表示装置、又は処理装置30の推定結果を記憶するPC等であってよい。
【0031】
図2は、管内での流体の流動様式を説明するための説明図である。図2は、流動様式である層状流、層状波状流、及び環状噴霧流について、それぞれ管内でのXZ断面及びYZ断面を示す。図2において、管内でY軸方向に流体が流れる。
【0032】
例えば蒸発した水を含む流体は、気体蒸気に液体の水が混じった湿り蒸気の状態で、3つの流れの状態(流動様式)を有する。層状流は、管の底を液体が穏やかに流れる。層状波状流は、管の底を液体が波打ちながら流れる。環状噴霧流は、管の内壁全周に接触して液体が流れ、蒸気に混じる液滴が多くなる。これのような流動様式は、流体の気体流速及び湿り度合いによって変化する。3つの流動様式は、渦流量計の測定におけるカルマン渦の状態や渦を検出するセンサー信号が異なり、流体に関する測定に与える影響も異なる。このような流体の状態は、蒸発した水以外の流体についても同様である。
【0033】
従って、本実施形態では、流体の状態に応じた演算により、蒸気品質の指標である流体の液体量又は乾き度を推定する。
【0034】
図3は、本実施形態に係る処理装置30の動作の例を示すフロー図である。図3の実施形態において、機器20は、一例として渦流量計である。
【0035】
渦流量計は、測定対象である流体が流れる検出部を有し、流体が一定流速以上になると、検出部内の渦発生体の下流にカルマン渦と呼ばれる渦が発生する。カルマン渦は、渦発生体の軸中心に左右(又は上下)で交互に発生し、渦発生によって流体中の圧力が変化する。渦発生体の内部には、2つの圧電素子が配置されており、2つの圧電素子は、渦発生による圧力を検知するとともに、流体が流れる管等を伝わってくる外部振動をキャンセルする働きも有する。渦流量計は、カルマン渦の発生周期を圧力変動として2つの圧電素子により測定し、流体の体積流量を取得することができる。また、検出部の内部には測温抵抗体等の温度センサ及び圧力センサ等の内部センサが配置されており、流体の温度及び圧力を測定する。渦流量計は、内部センサからの流体温度、及び圧力センサからの流体圧力を測定し、流体の温度及び圧力から密度を求めて、質量流量(体積流量×密度)を算出することもできる。また、渦流量計は、渦発生による音速の影響を超音波センサ又は光学的なセンサで検出することもできる。渦流量計は、このように取得した複数の測定値を処理装置30に送信してよい。
【0036】
ステップS300において、測定値取得部100は、流体に関する複数の測定値として、機器20により流体について測定された流速、温度、圧力、粘度、濃度、密度、信号振幅、又は渦周波数の少なくとも1つを取得する。測定値取得部100は、機器20である渦流量計で測定又は算出した複数の測定値を取得してよい。また、測定値取得部100は、渦流量計で測定した測定値を取得して、流体の体積流量又は質量流量等の測定値を算出してもよい。測定値取得部100は、例えば、渦周波数から求めた流速、渦発生体の2つの圧電素子で検出される信号振幅、又は周波数成分のうち少なくとも1つを測定値として渦流量計から取得し、処理装置30は、当該測定値を、以下のステップにおいて状態推定及びパラメータ推定に用いてよい。これらの測定値を用いることで、流体に関する状態推定の精度、及び液体量又は乾き度の推定の精度を向上できる。
【0037】
測定値取得部100は、同時に又は同じ周期に取得した複数の測定値を対応付けて状態判定推定部110及び流体品質推定部130に出力してよい。状態判定推定部110及び流体品質推定部130は、以下のステップにおいて、測定値取得部100が同時に又は同じ周期に取得した複数の測定値を対応付けたセット毎に、推定を実行してよい。
【0038】
ステップS305において、状態判定推定部110は、測定値取得部100が取得した流体の測定値に基づいて、流体の状態が過熱蒸気であるか否かを判定する。状態判定推定部110は、測定値取得部100が取得した流体の測定値を閾値と比較することによって、流体の状態が過熱蒸気であるか否かを判定してよい。状態判定推定部110は、測定値取得部100が取得した流体の圧力の測定値に基づく流体の沸点(流体に含まれる液体の沸点)を流体の温度の測定値が超えることに応じて、流体の状態が過熱蒸気である(すなわち、湿り蒸気ではない)と判定してよい。例えば、状態判定推定部110は、流体中の液体の蒸気曲線から、流体の圧力の測定値に対応する沸点を取得し、流体の温度の測定値が沸点を超える場合に、流体が過熱蒸気であると判定してよい。このような、流体の温度の測定値が流体の沸点を超える場合に、処理装置30は、ステップS330に移行し、流体の温度の測定値が流体の沸点以下である場合に、処理装置30は、ステップS310に移行してよい。
【0039】
ステップS310において、状態判定推定部110は、測定値取得部100が取得した流体の測定値に基づいて、流体の状態が湿り蒸気であるか否かを判定する。状態判定推定部110は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体が湿り蒸気であるかを推定する湿り蒸気判定モデルを用いて、複数の測定値の少なくとも1つに基づいて流体が湿り蒸気であるかを判定してよい。湿り蒸気判定モデルは、ロジスティク回帰、ニューラルネットワーク、サポートベクトルマシン、分類木、変化点検知、k近傍法、又はk平均法等の判定結果を出力するモデルであってよい。
【0040】
また、状態判定推定部110は、測定値取得部100が取得した流体の温度の測定値が流体の沸点未満であることに応じて、流体の状態が湿り蒸気である(すなわち、過熱蒸気ではない)と判定してもよい。この場合、状態判定推定部110は、蒸気曲線を用いて流体の状態を判定してよい。
【0041】
状態判定推定部110は、ステップS305及びステップS310により、流体の状態が湿り蒸気であるか否かを、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて判定する。状態判定推定部110は、ステップS305において流体が過熱蒸気ではないと判定しステップS310において流体が湿り蒸気であると判定すると、ステップS320に移行し、流体が湿り蒸気ではないと判定すると、ステップS330に移行してよい。
【0042】
ステップS320において、状態判定推定部110は、ステップS305及びステップS310により流体の状態が湿り蒸気であると判定した場合に、測定値取得部100が取得した複数の測定値の少なくとも1つに基づいて、流体の状態が、層状流、層状波状流、又は環状噴霧流のいずれであるかを推定する。状態判定推定部110は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体の状態を推定する第1モデルを用いて、流体の流動様式を推定してよい。第1モデルは、分類モデルであってよく、ロジスティク回帰、ニューラルネットワーク、サポートベクトルマシン、分類木、変化点検知、k近傍法、又はk平均法等のモデルであってよい。
【0043】
ステップS325において、選択部120は、液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する複数の演算から、状態判定推定部110が推定した流体の状態に応じた演算を選択する。選択部120は、液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する複数の第2モデルから、流体の状態に応じた第2モデルを選択してよい。選択部120は、層状流に対応する第2モデル、層状波状流に対応する第2モデル、又は環状噴霧流に対応する第2モデルのうち、状態判定推定部110が推定した流体の流動様式に対応する第2モデルを選択してよい。複数の第2モデルは、対応する流動様式毎に学習処理で生成されたものであってよく、互いに異なるものであってよい。選択部120は、予め学習処理部140により生成された複数の第2モデルを格納してよい。
【0044】
第2モデルは、回帰モデルであってよく、重回帰分析、ニューラルネットワーク、サポートベクトル回帰、ガウス過程回帰、回帰木、自己回帰モデル、ロジスティク回帰、分類木,変化点検知、k近傍法、又はk平均法等のモデルであってよい。ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、又は長短記憶型ニューラルネットワークを含んでよい。渦流量計で測定された圧電素子の信号強度、密度、及び渦周波数は、乾き度又は液体量との間に相関関係があるため、第2モデルは、少なくとも、信号強度、密度、又は渦周波数のうち少なくとも1つの入力に応じて、乾き度又は液体量を出力する回帰モデルであってよい。一例として、渦流量計から取得される信号強度、密度、又は渦周波数のうち少なくとも1つから算出される流体の流量と流体の乾き度又は液体量との間に相関関係があるため、第2モデルは、渦流量計から取得する信号強度、密度、又は渦周波数のうち少なくとも1つを入力として、流体の乾き度又は液体量を出力することができる。なお、第2モデルは、流体に関する複数の測定値(例えば信号強度、密度、又は渦周波数のうち少なくとも1つ)を訓練データ、当該複数の測定値に対応する乾き度又は液体量を教師データとして用いて学習処理により生成されてよい。
【0045】
ステップS330において、流体品質推定部130は、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定する。流体品質推定部130は、複数の測定値を選択部120が選択した第2モデルに入力することに応じて出力された液体量又は乾き度の少なくともいずれかを、推定結果としてよい。流体品質推定部130は、測定値取得部100が取得した全ての種類の測定値を第2モデルに入力してよく、又は、測定値取得部100が取得した複数の測定値のうち予め定められた種類の測定値を第2モデルに入力してよい。流体品質推定部130は、液体量又は乾き度の一方を推定し、当該推定した一方から液体量又は乾き度の他方を算出してもよい。
【0046】
流体品質推定部130は、ステップS305又はS310において状態判定推定部110が流体の状態が湿り蒸気ではないと判定した場合に、流体に関する液体量が0である又は乾き度が100%であると推定してよい。流体品質推定部130は、流体が過熱蒸気である又は湿り蒸気でないと状態判定推定部110により判定されたため、液体量0又は乾き度100%を推定結果としてよい。この場合、流体品質推定部130は、複数の測定値から、過熱蒸気のエンタルピー又は熱量を、流体に関する推定結果として算出してよい。
【0047】
ステップS335において、出力部150は、流体品質推定部130の推定結果を外部装置40に出力する。出力部150は、推定結果を外部装置40に表示させるための表示データを出力してよい。また、出力部150は、推定結果を外部装置40のアラーム等でユーザに通知するデータを出力してもよい。一例として、出力部150は、推定結果である液体量又は乾き度が予め定められた閾値を超える又は予め定められた閾値以下である場合に、外部装置40のアラームでユーザに通知するデータを出力してもよい。予め定められた閾値は、ユーザ等により予め設定されてよい。また、出力部150は、推定結果に応じたプラントの制御を行うための制御データを外部装置40に出力し、外部装置40は、当該制御データに応じてプラントの制御を行ってよい。
【0048】
図4は、第1モデルの例を説明する説明図である。図4の例において第1モデルは、ニューラルネットワークのモデルであり、各ノードを円で表す。第1モデルは、入力層の各ノードに、渦流量計及び他のセンサから測定値取得部100が取得した流体に関する測定値(渦周波数、流速、信号振幅、圧力、及び温度)が入力され、出力層のノードに、流体の流動様式の推定結果を出力する。出力層の3つのノードは、それぞれ、層状流についての計算結果(例えば、流体が層状流である確率)が出力されるノード、層状波状流についての計算結果(例えば、流体が層状波状流である確率)が出力されるノード、及び環状噴霧流についての計算結果(例えば、流体が環状噴霧流である確率)が出力されるノードである。
【0049】
第1モデルの中間層は、任意の層数及びニューロン数が設定されてよい。第1モデルの活性化関数は、ランプ関数、シグモイド関数、双曲線正接関数等の一般的な非線形関数が設定されてよい。誤差逆伝播法の観点から、出力層には、多値分類時にソフトマックス関数が設けられてよい。
【0050】
第1モデルは、入力層に測定値が入力されることに応じて、中間層のノード間に割り当てられた重みに応じた計算結果が出力層のノードに出力され、状態判定推定部110は、最も確率が高い流動様式を流体の状態として出力してよい。なお、状態判定推定部110は、各測定値を予め定められた範囲に正規化して、正規化した値を入力層の各ノードに入力してもよい。測定値は、学習処理部140は、複数の測定値のデータ群を訓練データとし、測定値に関する流動様式を教師データとして用いて学習処理を行い、重みを最適化することにより、第1モデルを生成してよい。学習処理部140が用いる各流動様式における複数の測定値は、実験、シミュレーション、又はプラントの操業等により予め得られたデータであってよい。
【0051】
なお、第1モデルは、入力層のノードを少なくとも1つ有し、入力層のノードに、測定値取得部100が取得した流体に関する複数の測定値のうちの全て又は一部が入力されてよい。また、湿り蒸気判定モデルについても、第1モデルと同様のモデルであってよく、また、第1モデルと同様に学習処理されてよい。
【0052】
図5は、第2モデルの例を説明する説明図である。図5の例において第2モデルは、ニューラルネットワークのモデルであり、各ノードを円で表す。第2モデルは、入力層の各ノードに、渦流量計及び他のセンサから測定値取得部100が取得した流体に関する測定値(渦周波数、流速、信号振幅、圧力、及び温度)が入力され、出力層のノードに、流体の液体量又は乾き度を出力する。第2モデルの中間層は、任意の層数及びニューロン数が設定されてよい。第2モデルの活性化関数は、ランプ関数、シグモイド関数、双曲線正接関数等の一般的な非線形関数が設定されてよい。誤差逆伝播法の観点から、出力層には、多値分類時にソフトマックス関数が設けられてよい。
【0053】
第2モデルは、入力層に測定値が入力されることに応じて、中間層のノード間に割り当てられた重みに応じた計算結果(液体量又は乾き度)が出力層のノードに出力され、流体品質推定部130は、当該出力された液体量又は乾き度を推定結果として出力してよい。なお、流体品質推定部130は、各測定値を予め定められた範囲に正規化して、正規化した値を入力層の各ノードに入力してもよい。学習処理部140は、流動様式毎に得られた複数の測定値のデータ群を訓練データとして用いて学習処理を行い、重みを最適化することにより、第2モデルを生成してよい。学習処理部140は、流体が層状流である場合の複数の測定値を訓練データとして用いて層状流に対応する第2モデルを生成してよい。学習処理部140は、流体が層状波状流である場合の複数の測定値を訓練データとして用いて層状波状流に対応する第2モデルを生成してよい。学習処理部140は、流体が環状噴霧流である場合の複数の測定値を訓練データとして用いて環状噴霧流に対応する第2モデルを生成してよい。学習処理部140が用いる各流動様式における複数の測定値は、実験、シミュレーション、又はプラントの操業等により予め得られたデータであってよい。
【0054】
なお、第2モデルは、入力層のノードを少なくとも1つ有し、入力層のノードに、測定値取得部100が取得した流体に関する複数の測定値のうちの全て又は一部が入力されてもよい。
【0055】
本実施形態における処理装置30は、流体の状態を推定し、流体の状態に対応するモデルを用いて液体量又は乾き度を推定できるため、推定精度が高い。
【0056】
なお、流体品質推定部130は、測定値と液体量又は乾き度との関係を規定する関数又はテーブルを用いて演算を行ってもよい。
【0057】
また、処理装置30は、学習処理部140を有さなくてよく、処理装置30は、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体の状態を推定するための、外部の学習装置で生成された第1モデル、および推定した流体の状態に応じて、流体に関する複数の測定値の少なくとも1つから、流体に関する液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定するための、外部の学習装置で生成された第2モデルを予め記憶してよい。この場合、状態判定推定部110は、記憶された第1モデルを用いて流体の状態を推定し、流体品質推定部130は、記憶された第2モデルを用いて液体量又は乾き度の少なくともいずれかを推定してよい。当該学習装置は、上記本実施形態の学習処理部140を少なくとも備えるものであればよい。学習装置は、PC等のコンピュータ又はクラウド等の外部装置に含まれてよい。
【0058】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階又は(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階及びセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0059】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0060】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0061】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能な処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0062】
図6は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作又は当該装置の1又は複数のセクションとして機能させることができ、又は当該操作又は当該1又は複数のセクションを実行させることができ、及び/又はコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0063】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、及びディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、及びICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230及びキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0064】
CPU2212は、ROM2230及びRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0065】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラム又はデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0066】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0067】
プログラムが、DVD-ROM2201又はICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、又はROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0068】
例えば、通信がコンピュータ2200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0069】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0070】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0071】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上又はコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0073】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0074】
10 システム
20 機器
30 処理装置
40 外部装置
100 測定値取得部
110 状態判定推定部
120 選択部
130 流体品質推定部
140 学習処理部
150 出力部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6