(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141265
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】舗装用材料散布車とそれを用いる舗装用材料散布システム
(51)【国際特許分類】
E01C 19/16 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E01C19/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052810
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000233653
【氏名又は名称】ニチレキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003074
【氏名又は名称】弁理士法人須磨特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 成生
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 多一郎
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 敏治
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA09
2D052AB01
2D052AD13
2D052BA20
2D052DA07
2D052DA11
(57)【要約】
【課題】 大型の舗装機械車両が歓迎されない比較的小規模の施工現場にも対応でき、しかも、連続で、均一な施工が可能な舗装用材料散布車と、それを用いる舗装用材料散布システムを提供することを課題とする。
【解決手段】 複数の散布ノズルと、外部の供給源から供給される液体材料を前記散布ノズルに供給する接続供給管路と、エアコンプレッサと、エアコンプレッサの動力源と、前記接続供給管路から前記散布ノズルへの液体材料の供給をオン・オフするノズル開閉弁と、前記ノズル開閉弁に前記エアコンプレッサで生成された圧縮エアを供給する弁開閉エア管路と、前記散布ノズルからの液体材料の吐出・停止を切り替える切替スイッチとが搭載されている舗装用材料散布車と、それを用いる舗装用材料散布システムを提供することによって、上記の課題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車と、
前記台車に取り付けられた複数の散布ノズルとを有し、
さらに、前記台車に、
外部の供給源から供給される液体材料を前記散布ノズルに供給する接続供給管路と、
エアコンプレッサと、
前記エアコンプレッサの動力源と、
前記接続供給管路から前記散布ノズルへの液体材料の供給をオン・オフする、圧縮エアで作動するノズル開閉弁と、
前記ノズル開閉弁に前記エアコンプレッサで生成された圧縮エアを供給する弁開閉エア管路と、
前記弁開閉エア管路を開閉することによって前記散布ノズルからの液体材料の吐出・停止を切り替える切替スイッチと、
が搭載されている舗装用材料散布車。
【請求項2】
複数の前記散布ノズルが、少なくとも3つ以上、直線状に並んで散布ノズル列を形成しており、当該散布ノズル列の列方向と前記台車の前後方向とが直交している、請求項1記載の舗装用材料散布車。
【請求項3】
前記散布ノズル列の前記台車の前後方向と平行な軸の回りの傾きが調節可能であり、
前記傾きを変化させる手段を備えている、請求項2記載の舗装用材料散布車。
【請求項4】
前記エアコンプレッサで生成された圧縮エアを、前記散布ノズル内及び/又は前記接続供給管路内に、エア払い用の圧縮エアとして導入するエア導入管路を備えている請求項1~3のいずれかに記載の舗装用材料散布車。
【請求項5】
前記エアコンプレッサのメインタンクとは別に、前記エア導入管路の途中に配置された圧縮エアを貯留するサブタンクを備えている請求項4記載の舗装用材料散布車。
【請求項6】
前記サブタンクが、前記エア導入管路に対して着脱自在に取り付けられている請求項5記載の舗装用材料散布車。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載の舗装用材料散布車と、舗装用材料供給車両とを組み合わせてなる舗装用材料散布システムであって、前記舗装用材料供給車両は、液体材料のタンクと、前記タンクに収容されている液体材料を送出するポンプと、前記ポンプによって送出される液体材料を前記舗装用材料散布車における前記接続供給管路に供給する連絡管路を備えている、舗装用材料散布システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト乳剤などの舗装用の液体材料を施工面上に散布する舗装用材料散布車と、それを用いる舗装用材料散布システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルト乳剤や改質アスファルト乳剤などの舗装用の液体材料の散布には一般にアスファルトディストリビュータと呼ばれる作業車が用いられている。
【0003】
アスファルトディストリビュータは、通常、8トンクラスの車両に、2トン程度のアスファルト乳剤を収容した乳剤タンクとポンプ等を積載し、車両後部に取り付けられた複数の散布ノズルから施工面上にアスファルト乳剤を散布する比較的大型の舗装機械車両であり、広い面積の施工面に大量のアスファルト乳剤を均一に散布する能力を有している。
【0004】
しかしながら、近年、特に、都市中心部の舗装補修工事では、施工に起因する交通渋滞時間の短縮化を図るため、一日当たりの施工面積を小さくして施工する場合があり、そのような現場では、施工面積に比べて過大なアスファルトディストリビュータの使用は敬遠されることがある。また、アスファルトディストリビュータの操作には熟練を要するところ、熟練者の数には限りがあるので、舗装補修工事の繁忙期にアスファルトディストリビュータの出動回数が増すと、アスファルトディストリビュータを操作できる一部の熟練者に過度の労務負担が掛かってしまうという問題点がある。
【0005】
一方、小規模面積の施工に適した散布機械としては、アスファルト乳剤タンクと小型ポンプを積載した手押し式又は牽引式の散布機が提案されている(特許文献1、2)。しかしながら、これら従来から提案されている小型の散布機は、アスファルト乳剤を収容した乳剤タンクと、ポンプと、発動機等を人が牽引若しくは手押しできる大きさの台車に搭載したものであるので、搭載できるアスファルト乳剤の量には限度があり、逆に、極めて小さな施工面積の現場にしか使用できないという欠点を有している。
【0006】
例えば、アスファルト乳剤をタックコートとして散布する場合、通常、散布量は0.4リットル/m2が必要とされているが、小型の散布機に搭載されるアスファルト乳剤タンクが一斗缶(容量18リットル)程度の大きさのものであるとすると、18リットル/0.4リットル/m2=45m2程度の施工面にしか散布できないということになる。勿論、搭載している乳剤タンクが空になるタイミングで乳剤タンクを交換すれば、より広い面積の施工が可能であるが、交換の度に作業を中断しなければならず、作業効率を低下させ、均一で連続した施工に支障をきたす恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭63-100506号公報
【特許文献2】実用新案登録第3157017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の欠点を解消するために為されたもので、大型の舗装機械車両が歓迎されない比較的小規模の施工現場にも対応でき、しかも、連続で、均一な施工が可能な舗装用材料散布車と、それを用いる舗装用材料散布システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、鋭意研究と試行錯誤を重ねた結果、本発明者らは、必要な資材の全てを人が手押し又は牽引できる大きさの台車上に搭載するという従来の考え方を改め、これまでは台車上に搭載することが必須と考えられていたアスファルト乳剤等のタンクを別車両に分離することによって、小型で、人が手押し又は牽引できる重量でありながら、連続で均一な施工ができる舗装用材料散布車を実現できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、台車と、前記台車に取り付けられた複数の散布ノズルとを有し、さらに、前記台車に、外部の供給源から供給される液体材料を前記散布ノズルに供給する接続供給管路と、エアコンプレッサと、前記エアコンプレッサの動力源と、前記接続供給管路から前記散布ノズルへの液体材料の供給をオン・オフする、圧縮エアで作動するノズル開閉弁と、前記ノズル開閉弁に前記エアコンプレッサで生成された圧縮エアを供給する弁開閉エア管路と、前記弁開閉エア管路を開閉することによって前記散布ノズルからの液体材料の吐出・停止を切り替える切替スイッチとが搭載されている舗装用材料散布車を提供することによって、上記の課題を解決するものである。
【0011】
上記のとおり、本発明に係る舗装用材料散布車の台車には、散布する液体材料のタンクは搭載されておらず、代わりに、外部の供給源から供給される液体材料を散布ノズルに供給する接続供給管路が装備されているだけである。施工に際し、本発明に係る舗装用材料散布車は、自身が搭載するこの接続供給管路と外部の供給源とを接続し、外部の供給源から液体材料の供給を受けながら走行して、施工面上に液体材料を散布する。このため、本発明に係る舗装用材料散布車は、液体材料タンクの重量や、それが占める容積から解放され、軽量化と小型化が可能となり、結果として、作業員が一人でも容易に走行させることができると共に、移動時には、例えば、中型トラックの荷台に積載することもできるので、施工現場への搬入、搬出が容易である。
【0012】
外部の液体材料供給源とは、例えば、本発明に係る舗装用材料散布車とは別の車両に搭載された液体材料タンクである。当該別車両は、搭載している液体材料タンクと本発明に係る舗装用材料散布車が備える上記接続供給管路とを連絡管路でつないだ状態で、本発明に係る舗装用材料散布車と共に走行し、上記接続供給管路に液体材料を供給する。液体材料の供給源となるこの別車両には、前記液体材料タンクから、本発明に係る舗装用材料散布車が備える上記接続供給管路に液体材料を送り出すポンプや、その動力源が備えられているのが望ましい。また、当該別車両はエンジン及び/又は電動機といった自走手段を備えているのが望ましい。当該別車両は、舗装用材料供給車両として機能し、本発明に係る舗装用材料散布車と組み合わせて用いられるのに好適である。斯かる観点からすれば、本発明は、舗装用材料散布車と舗装用材料供給車両とを組み合わせてなる舗装用材料散布システムを提供することによって上記課題を解決するものでもある。
【0013】
好適な一態様において、本発明に係る舗装用材料散布車においては、複数の前記散布ノズルが、少なくとも3つ以上、直線状に並んで散布ノズル列を形成しており、その列方向が前記台車の前後方向と直交している。
【0014】
前記散布ノズル列は、当該散布ノズル列の前記台車の前後方向と平行な軸の回りの傾きが調節可能に前記台車に取り付けられているのが好ましく、かつ、その傾きを変化させる手段を備えているのが好ましい。散布ノズル列の台車に対する台車前後方向と平行な軸の回りの傾きが調節可能であり、かつ、その傾きを変化させる手段を備えている場合には、例えば、舗装用材料散布車の車輪が施工面の凹部に嵌り込んだり、凸部に乗り上げたりして、舗装用材料散布車の台車を施工面に対して平行に維持できないような現場であっても、散布ノズル列の台車の前後方向と平行な軸の回りの傾きを調節することによって散布ノズル列の台車に対する傾きを調節し、散布ノズル列を常に施工面と平行に位置させることができるので、液体材料の散布量を均一に保つことができるという利点が得られる。
【0015】
さらに好適な他の一態様において、本発明に係る舗装用材料散布車は、搭載しているエアコンプレッサで生成された圧縮エアを、散布ノズル内及び/又は前記接続供給管路内に、エア払い用の圧縮エアとして導入するエア導入管路を備えている。このようなエア払い用のエア導入管路が設けられている場合には、散布直後若しくは適宜のタイミングで圧縮エアを散布ノズル内、又は前記接続供給管路内、若しくはその双方に導入して、残存する液体材料を吹き払い、散布ノズルや接続供給管路内を、常に、詰まりのない清浄な状態に維持することができる。
【0016】
なお、上記のようなエア導入管路を備えている場合には、圧縮エアを生成するエアコンプレッサの主タンクとは別に、前記エア導入管路の途中に圧縮エアを貯留するサブタンクを配置するのが望ましい。エア導入管路の途中にサブタンクが設けられている場合には、万が一、散布ノズル又は接続供給管路からエア導入管路内に液体材料が一部逆流するようなことがあったとしても、逆流してきた液体材料はサブタンク内に滞留し、そこにとどまるので、エアコンプレッサのメインタンクまで達してメインタンクやメインタンクと連結されているエアコンプレッサを損傷することが防止される。
【0017】
人が手押し又は牽引して走行させることができる程度の大きさの舗装用材料散布車においては、散布ノズル及び/又は液体材料の供給管路とエアコンプレッサのメインタンクとの高低差を大きくとることが難しく、ややもすれば逆流した液体材料がメインタンクに流入することが有り得るので、上記のようなサブタンクの配置は、メインタンク及びエアコンプレッサの汚損防止に極めて有用である。
【0018】
なお、前記サブタンクが前記エア導入管路に対して着脱自在に取り付けられている場合には、サブタンクが汚損した場合には、適宜取り外して交換又は清掃することが可能であるので、好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る舗装用材料散布車によれば、小型で、人が手押し又は牽引できる重量でありながら、舗装用の液体材料を連続して均一に散布することができるという利点が得られる。また、本発明に係る舗装用材料散布システムによれば、小型で、人が手押し又は牽引できる重量の舗装用材料散布車を用いながら、比較的大面積の施工面に対し、舗装用材料を連続して均一に散布することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の舗装用材料散布車の一例を示す平面図である。
【
図2】本発明の舗装用材料散布車の一例を示す右側面図である。
【
図3】本発明の舗装用材料散布車の一例を示す正面図である。
【
図4】本発明の舗装用材料散布車の一例を示す背面図である。
【
図5】傾動フレームとその関連部材のみを取り出して示す平面図である。
【
図6】傾動フレームとその関連部材のみを取り出して示す右側面図である。
【
図7】傾動フレームとその関連部材のみを取り出して示す正面図である。
【
図8】傾動フレームとその関連部材のみを取り出して示す背面図である。
【
図9】散布ノズル列が台車に対して傾いた状態を示す背面図である。
【
図10】配管系統と信号線系統を示す概略図である。
【
図11】配管系統と信号線系統の動作を示す概略図である。
【
図12】配管系統と信号線系統の動作を示す概略図である。
【
図13】配管系統と信号線系統の動作を示す概略図である。
【
図14】本発明に係る舗装用材料散布システムの一例を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明に係る舗装用材料散布車について説明するが、本発明が、図示のものに限られないことはいうまでもない。
【0022】
図1は、本発明に係る舗装用材料散布車の一例を示す平面図であり、
図2はその右側面図である。なお、説明の便宜上、圧縮エアの配管系統と、電磁弁並びに電磁弁に制御信号を伝える信号線系統は図示を省略してある。
【0023】
図1及び
図2において、1は舗装用材料散布車である。舗装用材料散布車1は、台車部2と散布部3とから構成されている。
【0024】
台車部2は、台車4と、台車4に取り付けられた牽引用のハンドル5を備えている。6はエアコンプレッサ、7はエアコンプレッサ6のメインタンク、8はサブタンク、9は制御ボックス、10は切替スイッチ、11はメインスイッチである。12は接続供給管路であり、その一端には、後述する舗装用材料供給車両から伸びる連絡管路と接続される接続口12aが設けられており、他端は、後述するスプレーバーを介して散布ノズルと接続されている。接続供給管路12の内部を流れる液体材料の温度低下を防止したり、昇温したりする必要がある場合には、接続供給管路12の周囲を断熱材又はヒータ入りの断熱材などの保温手段又は加温手段でくるんでおくのが望ましい。13は傾動フレーム、21a、21bはジャッキである。
【0025】
散布部3は、ノズル支持板14と、ノズル支持板14に取り付けられた複数の散布ノズル15を有している。複数の散布ノズル15は、
図1に示すとおり、直線状に並べて配置されており、散布ノズル列を形成している。なお、図示の例では、散布ノズル15は9個設けられているが、散布ノズルの数が9個に限られないのはいうまでもない。散布ノズルの数は9個よりも少なくても、9個よりも多くてもよいが、少なくとも3個以上であるのが好ましい。また、複数の散布ノズルは直線状に配置されているのが好ましいが、1個おきに前方又は後方に位置がずれた千鳥状に配置されていても良い。
【0026】
図2に示すとおり、散布ノズル15は、ノズル本体16、ノズルチップ17、ノズル開閉弁18、ノズル開閉弁18を開閉動作させるエアシリンダー19を含んでいる。20はスプレーバーである。スプレーバー20の端部には、前述した接続供給管路12の一端が接続されている。
【0027】
台車4には、その走行手段として、車輪22a~22dが取り付けられている(
図2では、車輪22b、22dは図示されていない)。車輪22a~22dのうち、少なくとも前方側の2つの車輪22a、22bは垂直軸の回りに360度旋回可能な自在車輪であるのが望ましい。なお、台車4の走行手段としては、車輪に限られず、例えばクローラーであっても良い。Sは路面である。
【0028】
なお、本明細書において前方とは、施工時において台車4を走行させるときの前方側(
図1及び
図2に矢印で示す方向の前方側であって、ハンドル5が存在する図中右側)をいい、後方とは、施工時において台車4を走行させるときの後方側(
図1及び
図2に矢印で示す方向の後方側であって、散布部3が存在する図中左側)をいうものとする。因みに、台車4を走行させる方向とは、とりもなおさず、舗装用材料散布車1を走行させる方向でもある。また、本明細書において左右とは、舗装用材料散布車1又は台車4の前方に向かっての左右方向をいうものとする。
【0029】
図3は、本発明に係る舗装用材料散布車1の正面図、
図4は背面図である。
図1及び
図2におけると同じ部材には同じ符号を付してある。
図3において、Bはバッテリーである。バッテリーBは、エアコンプレッサ6の動力源として機能し、さらには、各種電磁弁の動力源としても機能する。また、接続供給管路12に前述した保温又は昇温手段が設けられている場合には、バッテリーBは、そのエネルギー源としても機能する。
【0030】
図5~
図8は、それぞれ
図1~
図4における傾動フレーム13とその動きに関連する部材のみを取り出して示す平面図、右側面図、正面図、及び背面図である。説明の便宜上、その他の部材の表示は省略してある。
【0031】
図5~
図8に示すとおり、傾動フレーム13は、右側腕13a、左側腕13bを有しており、右側腕13aと左側腕13bとは、前方側においては前方連結部13cによって、後方側においては後方連結部13dによって、それぞれ連結されている。
【0032】
図6及び
図8に示すとおり、傾動フレーム13の右側腕13a及び左側腕13bの後方側端部の下面からは、下方に向かって、それぞれ連結柱14a及び14bが伸びており、その下端は、ノズル支持板14に連結されている。これにより、傾動フレーム13とノズル支持板14とは一体となって傾動する。
【0033】
図7に示すとおり、傾動フレーム13の前方連結部13cは、その左右方向略中央部に設けられた連結凸部23aにおいて、台車4の左右方向略中央部に立設された前方支柱24aに対し、前方傾動軸25aを介して傾動自在に取り付けられている。また、
図8に示すとおり、傾動フレーム13の後方連結部13dは、その左右方向略中央部に設けられた連結凸部23bにおいて、台車4の左右方向略中央部に立設された後方支柱24bに対し、後方傾動軸25bを介して傾動自在に取り付けられている。
【0034】
前方傾動軸25aと後方傾動軸25bは、台車4の前後方向と平行な同一直線上に整列しているので、揺動フレーム13は、連結柱14a及び14bを介して連結されたノズル支持板14とともに、台車4に対して、台車4の前後方向と平行な軸の回りに傾動自在である。ノズル支持板14には複数の散布ノズル15が取り付けられており、散布ノズル列を形成しているので、ノズル支持板14に取り付けられている散布ノズル列もまた、台車4に対して傾動自在に支持されており、その台車4に対する傾きは調節可能である。
【0035】
ジャッキ21a及び21bは、それぞれ、傾動フレーム13の右側腕13aの前方端部近傍と台車4との間、及び、左側腕13bの前方端部近傍と台車4との間に設置されている。ジャッキ21a及び21bの荷受部は、それぞれ右側腕13a及び左側腕13bの下面と当接しており、ジャッキ21a及び21bを操作することによって、傾動フレーム13の台車4に対する傾きを調節し、結果として、ノズル支持板14に取り付けられている散布ノズル列の台車4に対する傾きを調節することができる。したがって、本例の舗装用材料散布車1においては、ジャッキ21a及び21bが、散布ノズル列の台車4の前後方向と平行な軸の回りの傾きを変化させる手段ということになる。
【0036】
図9は、舗装用材料散布車1の背面図であり、ジャッキ21aの荷台を下降させるとともに、ジャッキ21bの荷台を上昇させて、傾動フレーム13を傾け、それによって傾動フレーム13と連結されているノズル支持板14に取り付けられている複数の散布ノズルからなる散布ノズル列を台車4に対して傾けた状態を示している。
図9では、散布ノズル列は、台車4の前方に向かって時計回りに傾動した状態にあるが、逆に、ジャッキ21aの荷台を上昇させるとともに、ジャッキ21bの荷台を下降させて、散布ノズル列を台車4の前方に向かって反時計回りに傾動させることもできる。
【0037】
また、ジャッキ21a、21bの荷台の昇降長さを調節することによって、散布ノズル列の台車4に対する傾動角度の調節も可能である。このため、施工面が平坦ではなく、台車4を施工面に対して平行に維持することが困難な現場においても、散布ノズル列を適宜傾動させて、散布ノズル列と施工面とを平行に位置させることができるので、液体材料の均一な散布を実現することができる。
【0038】
なお、本例においては、2個のジャッキ21a及び21bが、傾動フレーム13の右側腕13a及び左側腕13bのそれぞれの下に配置されているので、ジャッキ21a及び21bの荷台を適宜上下動させて右側腕13a及び左側腕13bとそれぞれの下面と当接させることによって、傾動フレーム13は、時計回り、反時計回りのいずれの方向にもそれ以上傾動することができなくなる。このため、傾動フレーム13と連結されているノズル支持板14に取り付けられている散布ノズル列もいずれの方向への傾動が阻止され、散布ノズル列を所望の傾斜位置に安定して保持することができるという利点が得られる。
【0039】
なお、ジャッキ21aの荷台と右側腕13a連結とをしておくか、又はジャッキ21bの荷台と左側腕13bとを連結しておく場合には、ジャッキ21a又は21bは、右側腕13a又は左側腕13bのいずれか一方の下に1つだけ配置するだけで足りるので、ジャッキの数は1個でも良い。
【0040】
なお、ジャッキ21a及び21bとしては、ネジ式、油圧式、エア式等、いずれの作動機構によるものであっても良いが、人力で操作でき、動力源を必要としないという観点からはネジ式が好ましく、或いは、エアコンプレッサからの圧縮エアを利用できるエア式であっても良い。
【0041】
なお、散布ノズル列の台車4の前後方向を向いた軸の回りの傾きを変化させる手段は上述したジャッキに限られない。例えば、電動機と歯車機構によって、傾動フレーム13を前方傾動軸25a及び後方傾動軸25bの回りに所望の角度だけ回転させ、その回転位置に保持するようにしても良い。
【0042】
また、散布ノズル列を台車4の前後方向と平行な軸の回りに傾きが調節可能に支持する機構も前述したものに限られず、散布ノズル列を台車4の前後方向と平行な軸の回りに傾きが調節可能に支持することができる限り、どのような機構を採用しても良いことはいうまでもない。
【0043】
図10は、本発明に係る舗装用材料散布車1における配管系統及び信号線系統を示す概略図である。図中、A1は、エアコンプレッサ6のメインタンク7から伸びる主エア管路である。主エア管路A1は、それぞれ電磁弁V
10及びV
11を介してノズル開閉弁の開閉をコントロールするコントロール管路A2及びエア払い用のエアを導入する第1エア導入管路A3に分かれている。
【0044】
コントロール管路A2は、さらに分岐して、それぞれ電磁弁V1~V9を介して、各散布ノズルのノズル開閉弁18を開閉動作させるエアシリンダー19に接続されている。
【0045】
一方、第1エア導入管路A3はサブタンク8に接続され、サブタンク8には第2エア導入管路A4が接続されている。第2エア導入管路A4のサブタンク8とは反対側は2つに分岐して、一方は、電磁弁V12を介して散布ノズルのエア払い用の第3エア導入管路A5となり、各散布ノズルのノズル本体16に接続されている。他方は、電磁弁V13を介して接続供給管路12のエア払い用の第4エア導入管路A6となり、接続供給管路12に接続されている。VRは第2エア導入管路A4と第4エア導入管路A6との間に接続された逆止弁である。逆止弁VRは、電磁弁V13から接続供給管路12へと向かう流体の流れは許容するが、その反対方向の流れは阻止する。
【0046】
各電磁弁V1~V13と制御ボックス9とは破線で示す信号線で接続されており、制御ボックス9からの適宜の信号に基づいて、各電磁弁V1~V13は開閉動作する。なお、図では、各散布ノズルのエアシリンダー19毎に電磁弁が取り付けられており、制御ボックス9からの信号に基づいて、散布ノズル毎にノズルの開閉動作を制御することができるようになっているが、いずれか2個若しくは3個以上の散布ノズルに対して1個の電磁弁を設け、いずれか2個若しくは3個以上の散布ノズルの開閉動作をまとめて制御するようにしても良い。
【0047】
切替スイッチ10及びメインスイッチ11は、制御ボックス9と接続されており、制御ボックス9を介して舗装用材料散布車1全体の電源のオン・オフや、液体材料の散布のオン・オフを制御する。さらに、制御ボックス9は、エアコンプレッサ6及びバッテリーBとも接続されており、図示しないスイッチ等を介してエアコンプレッサの動作を制御したり、バッテリーBからの電力の供給を制御することが可能である。
【0048】
次に、
図11~
図13を用いて舗装用材料散布車1における配管系統及び信号線系統の動作を説明する。
【0049】
舗装用材料散布車1が動作を開始するにあたっては、事前にエアコンプレッサ6を作動させ、メインタンク7内に所定圧の圧縮エアを貯留するとともに、適宜のタイミングで電磁弁V11を「開」として、サブタンク8にも所定圧の圧縮エアを貯留しておく。次いで、接続供給管路12の接続口12aに、図示しない外部の舗装用材料供給源からの連絡管路36の接続口36aを接続し、舗装用材料供給源に付随するポンプを作動させると、例えばアスファルト乳剤などの舗装用の液体材料が、接続供給管路12内に、接続供給管路12に残る空気の圧力と平衡する位置まで流入する。
図11は、この状態を示している。
【0050】
この状態では、少なくとも電磁弁V1~V9は「閉」となっており、各散布ノズルのノズル開閉弁18も「閉」状態にある。このため、各散布ノズルからの液体材料の散布は為されていない。また、電磁弁V12及びV13も「閉」となっており、第3エア導入管路A5及び第4エア導入管路A6のいずれにも圧縮エアは供給されていない。
【0051】
図12は、
図11に示す状態から、切替スイッチ10を操作して電磁弁V
1~V
9を「開」とし、各散布ノズルのエアシリンダー19を作動させた状態を示している。エアシリンダー19が作動すると、対応するノズル開閉弁18は「開」となり、図に示すとおり、各散布ノズルから液体の舗装用材料Asが施工面上に散布される。なお、切替スイッチ10の動作をメインスイッチ11に従属させておき、メインスイッチ11がオンであるときだけに切替スイッチ10をオンにすることができるようにしておくのが望ましい。このようにしておくと、意図せずに切替スイッチ10に触って散布ノズルから舗装用材料を散布してしまうといった不都合を防止することができる。
【0052】
図13は、液体の舗装用材料の散布が終了し、各散布ノズル内及び/又は接続供給管路12内に圧縮エアを供給して、エア払いを行っている状態を示している。すなわち、制御ボックス9からの信号によって電磁弁V
12が「開」になると、サブタンク8内に蓄積されている圧縮エアが第3エア導入管路A5内に導入される。第3エア導入管路A5は、各散布ノズルのノズル本体16に接続されているので、第3エア導入管路A5に導入された圧縮エアAirは、ノズル本体16内に残る液体材料を吹き飛ばしながらノズル本体16を通過してノズルチップから外部に噴出する。これによって、ノズル本体内並びにノズルチップ内に残存付着していた液体の舗装用材料は吹き払われ、ノズル本体16及びノズルチップ17は清浄化される。
【0053】
同時に、制御ボックス9からの信号によって電磁弁V13が「開」になると、サブタンク8内に蓄積されている圧縮エアが第4エア導入管路A6内に導入される。第4エア導入管路A6は、逆止弁VRを介して接続供給管路12に接続されているので、第4エア導入管路A6に導入された圧縮エアは、第4エア導入管路A6内に残存する液体材料を吹き飛ばしながら接続供給管路12内へと進入し、接続口12a側及び/又はスプレーバー20側へと流れ、残存付着している液体の舗装用材料を吹き払い、スプレーバー20や接続供給管路12を清浄化する。
【0054】
上記のようにして、散布ノズル15及び接続供給管路12並びにスプレーバー20内の舗装用材料が吹き払われ清浄化されると、舗装用材料散布車1はスタンバイ状態に戻り、次の散布作業に備えることができる。なお、接続供給管路12のエア払いは、接続供給管路12の接続口12aから図示しない外部の舗装用材料供給源からの連絡管路36を取り外した状態で行っても良い。制御ボックス9は、メインタンク7及びサブタンク8内の圧縮エアの圧力を常時監視しており、圧力が所定値を下回ると、エアコンプレッサ6を作動させ、或いは、電磁弁V11を「開」にして、メインタンク7内及びサブタンク8内に常に所定圧以上の圧縮エアが蓄積、貯留されているように制御している。
【0055】
本発明に係る舗装用材料散布車1の配管系統及び信号線系統の動作は上述したとおりであるが、本発明に係る舗装用材料散布車1においては、小型化し、人が手押し又は牽引することができる程度の大きさの台車4に、舗装用材料のタンク以外の他の必要な機材をコンパクトに搭載する都合上、舗装用材料が通過する接続供給管路12や散布ノズル15と、エアコンプレッサ6のメインタンク7などの圧縮エア源との高低差を大きくとることが難しい。このため、ややもすれば散布ノズル15にエア払い用の圧縮エアを供給する第3エア導入管路内、及び/又は、接続供給管路12にエア払い用の圧縮エアを供給する第4エア導入管路内に流入した舗装用材料がエアコンプレッサ6のメインタンク7にまで達することがある。液体の舗装用材料がメインタンク7にまで流入すると、メインタンク7が汚損することは勿論、場合によっては、エアコンプレッサ6自体が破損する危険性がある。
【0056】
しかしながら、本例の舗装用材料散布車1においては、エアコンプレッサ6のメインタンク7とは別に、エア導入管路の途中、すなわち、エア導入管路を構成する第1エア導入管路A3と第2エア導入管路A4の間にサブタンク8が配置されている。このため、何らかの不都合によって、第3エア導入管路A5及び/又は第4エア導入管路A6から、第2エア導入管路A4へと液体材料が逆流することがあっても、第2エア導入管路A4の上流側にはサブタンク8が設けられているので、逆流した液体材料は、せいぜいサブタンク8内にとどまり、サブタンク8よりも上流側へと流入することはない。これにより、エアコンプレッサ6やメインタンク7は逆流する舗装用の液体材料の汚損から免れることができる。
【0057】
なお、サブタンク8は、第1エア導入管路A3と第2エア導入管路A4との間に着脱自在に取り付けられているので、液体材料によるサブタンク8の汚損が限度を超えた場合には、適宜、新しいサブタンク8と交換すれば良い。
【0058】
本発明に係る舗装用材料散布車1が上述したようなサブタンク8を備える場合には、小型化し、必要な資材をコンパクトに搭載した舗装用材料散布車でありながら、エアコンプレッサ6及びそのメインタンク7の舗装用液体材料による汚損を効果的に回避することができるという利点が得られる。
【0059】
図14は、本発明に係る舗装用材料散布システムの一例を示す概略側面図である。
図14において、30は舗装用材料散布システムであり、31は舗装用材料供給車両、1は舗装用材料散布車である。図に示すとおり、本発明に係る舗装用材料散布システム30は、舗装用材料散布車1と舗装用材料供給車両31の組合せとして構成されている。
【0060】
舗装用材料供給車両31には、液体材料のタンク32と、タンク32内の液体材料を送出するポンプ33と、ポンプ33に駆動力を供給する発電機34が搭載されている。35は液体材料のタンク32の加温装置であり、発電機34からの電力はこの加温装置35を作動させる動力源としても使用される。36は連絡管路であり、可撓性のあるホースで構成されている。連絡管路36の一方端はポンプ33に接続されており、他方端には接続口36aが取り付けられている。Pは、舗装用材料散布車1を牽引する作業者である。なお、舗装用材料供給車両31としては、通常、2トン車クラスのトラックが用いられる。
【0061】
舗装用材料散布システム30を作動させるには、舗装用材料散布車1のエアコンプレッサ6を作動させ、メインタンク7とサブタンク8の双方に所定圧の圧縮エアを貯留するとともに、連絡管路36の接続口36aを接続口12aに接続して、舗装用材料供給車両31の連絡管路36を舗装用材料散布車1の接続供給管路12と接続すれば良い。圧縮エアの貯留と連絡管路36の接続とはどちらを先にしても良い。また、タンク32内の液体材料を加温する必要がある場合には、舗装用材料供給車両31における発電機34を適宜駆動して、加温装置35に電力を供給し、タンク32内の液体材料を適宜の所定温度に加温すれば良い。
【0062】
次いで、舗装用材料供給車両31のポンプ33を駆動して、タンク32内の液体材料を連絡管路36に送出する。送出された液体材料は連絡管路36から舗装用材料散布車1の接続供給管路12内に流入する。この状態で、舗装用材料散布車1の作業者Pがメインスイッチ11をオンにし、続けて切替スイッチ10をオンにすると、接続供給管路12に流入した液体材料は、スプレーバー20を通過し、散布ノズル15から路面Sに向かって散布される。接続供給管路12が適宜の保温手段又は加温手段によって必要に応じて保温乃至加温されていても良いことは前述したとおりである。
【0063】
散布ノズル15からの液体材料の散布が開始されると、作業者Pは、ハンドル5を把持し、舗装用材料散布車1を図中矢印で示す進行方向前方へと牽引、走行させる。舗装用材料散布車1の牽引と走行によって、路面S上には液体の舗装用材料が順次散布されていく。同時に、舗装用材料供給車両31の図示しないドライバーは、舗装用材料散布車1の走行に合わせて、舗装用材料供給車両31をゆっくりと図中矢印で示す進行方向前方に向かって走行させる。舗装用材料散布車1の走行速度と、舗装用材料供給車両31の走行速度とを合わせることで、舗装用材料散布車1は、液体材料供給車両31からの液体材料の供給を受けながら、途切れることなく、比較的広い施工面積の全域にわたって液体材料を散布することができる。
【0064】
エンジン又は電動機による自走手段を備える舗装用材料供給車両31には、人が牽引することができる大きさの台車に搭載できるものよりも遥に大きな容量の液体材料タンク32を搭載することができる。このため、本発明に係る舗装用材料散布システム30によれば、液体材料のタンクも含めて必要とする全ての資材を一台の台車に積み込んで作業する従来の小型散布車に比べて、散布車自体の大きさはさほど変わらないにもかかわらず、遥に大きな施工面積の現場に、途切れることなく、効率よく、液体材料を散布することができるという利点が得られる。また、舗装用材料供給車両31から十分な量の液体材料の供給を受けながら走行、散布することができるので、従来のアスファルトディストリビュータと同様に、複数の散布ノズルを列状に配置して、幅広い施工面に一気に液体材料を散布することができるという利点を有している。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上説明したとおり、本発明に係る舗装用材料散布車並びに舗装用材料散布システムによれば、舗装用の液体材料の散布車と供給車両とを別車両とすることによって、小型で、人が手押し又は牽引できる重量の舗装用材料散布車を用いながら、舗装用の液体材料を連続して均一に散布することができる。このため、アスファルトディストリビュータなどの大型の施工機械を投入することが難しい現場にも機動力をもって対応することができ、その産業上の利用可能性は多大である。
【符号の説明】
【0066】
1 舗装用材料散布車
2 台車部
3 散布部
4 台車
5 ハンドル
6 エアコンプレッサ
7 メインタンク
8 サブタンク
9 制御ボックス
10 切替スイッチ
11 メインスイッチ
12 接続供給管路
13 傾動フレーム
14 ノズル支持板
15 散布ノズル
16 ノズル本体
17 ノズルチップ
18 ノズル開閉弁
19 エアシリンダー
20 スプレーバー
21a、21b ジャッキ
22a~22d 車輪
23a、23b 連結凸部
24a、24b 前方支柱、後方支柱
25a、25b 前方傾動軸、後方傾動軸
30 舗装用材料散布システム
31 舗装用材料供給車両
32 液体材料のタンク
33 ポンプ
34 発電機
35 加温装置
36 連絡管路
B バッテリー
V1~V13 電磁弁