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特開2024-141267ワーク位置調整装置およびこれを用いた実装装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141267
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ワーク位置調整装置およびこれを用いた実装装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241003BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
H01L21/52 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052812
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三原 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】晴 孝志
(72)【発明者】
【氏名】青木 進平
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
5F047
【Fターム(参考)】
5E353EE02
5E353EE22
5E353EE88
5E353HH08
5E353JJ02
5E353JJ13
5E353JJ29
5E353JJ52
5E353KK01
5E353KK11
5E353QQ12
5F044PP16
5F044PP17
5F044PP19
5F047FA08
5F047FA12
5F047FA51
5F047FA73
(57)【要約】
【課題】 位置調整時の回転中心をX座標、Y座標ともに高精度に求め、高精度位置合せが可能となるワーク位置調整装置およびこれを用いた実装装置を提供すること。
【解決手段】 ワーク保持部をXYθ方向で位置調整するステージと、前記ワーク保持部の画像を取得する認識手段を備え、前記ワーク保持部と連動する部位に中心特定マークを設け、前記ステージを駆動して、回転角度を複数回変化させて前記中心特定マークの画像を前記認識手段により取得し、複数の前記中心特定マークの位置情報から前記ステージの回転中心座標を算出する機能を有するもので、暫定的に設定した仮回転中心からX方向に離れた位置に前記中心特定マークを配置して、前記回転中心のY座標を求め、前記仮回転中心からY方向に離れた位置に前記中心特定マークを配置して、前記回転中心のX座標を求めるワーク位置調整装置およびこれを用いた実装装置を提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを所定の位置に配置するワーク位置調整装置であって、
前記ワークを保持するワーク保持部と、
前記ワーク保持部をXYθ方向で位置調整するステージと、
前記ワーク保持部の画像を取得する認識手段と、
前記ステージおよび前記認識手段に接続した制御部を備え、
前記ワーク保持部と連動する部位に中心特定マークを設け、
前記制御部が、前記ステージを駆動して、回転角度を複数回変化させて前記中心特定マークの画像を前記認識手段により取得し、
複数の前記中心特定マークの位置情報から前記ステージの回転中心座標を算出する機能を有するもので、
暫定的に設定した仮回転中心からX方向に離れた位置に前記中心特定マークを配置して、前記回転中心のY座標を求め、
前記仮回転中心からY方向に離れた位置に前記中心特定マークを配置して、前記回転中心のX座標を求めることを特徴とするワーク位置調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク位置調整装置であって、
前記中心特定マークを前記ワーク保持部が保持するワークに設けたワーク位置調整装置。
【請求項3】
請求項1に記載のワーク位置調整装置であって、
前記中心特定マークを前記ワーク保持部に設けたワーク位置調整装置。
【請求項4】
請求項3に記載のワーク位置調整手段であって、
前記ワーク保持部は前記ステージから脱着可能で、算出された前記回転中の座標に前記中心特定マークを合わせる機能を有したワーク位置調整装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3の何れかに記載のワーク位置調整装置であって、
前記中心特定マークが2つ設けられ、
2つの前記中心特定マークを直線でつなぐと、前記直線はX軸に対して40度から50度の傾きを有するワーク位置調整装置。
【請求項6】
チップ部品を基板に実装する実装装置であって、
請求項1から請求項4の何れかに記載のワーク位置調整装置を用いて、前記ワークである前記チップ部品の位置調整を行なう実装装置。
【請求項7】
チップ部品を基板に実装する実装装置であって、
請求項5に記載のワーク位置調整装置を用いて、前記ワークである前記チップ部品の位置調整を行なう実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワークを所定の位置に配置するワーク位置調整装置およびこれを用いた実装装置に関する。特に、ワークであるチップ部品を基板の所定位置に高精度に位置合わせする実装装置に係る。
【背景技術】
【0002】
配線基板等の基板に半導体チップ等のチップ部品を実装するとき、基板の実装箇所にチップ部品を位置合わせして実装する。位置合わせに際しては、図13(a)に示す実装箇所SCに付されている基板認識マークAS(対角線上に配置された基板認識第1マークAS1および基板認識第2マークAS2)を基準として用いている。
【0003】
チップ部品Cを基板Sの実装箇所SCに位置合わせするのは、基板Sの電極に対するチップ部品Cの電極位置を合わせて確実な導通を確保するためであり、チップ部品Cの位置合わせに用いるチップ認識マークは電極位置を高精度に認識できるよう電極面に付されている。
【0004】
このため、基板Sの電極とチップ部品Cの電極が同方向を向くフェイスアップ実装では、基板認識マークASとチップ認識マークAC(チップ認識第1マークAC1およびチップ認識第2マークAC2)が同方向を向く。また、基板Sの電極とチップ部品Cの電極が対向するフェイスダウン実装では、基板認識マークASとチップ認識マークAC(チップ認識第1マークAC1およびチップ認識第2マークAC2)が対向する。
【0005】
フェイスアップ実装とフェイスダウン実装において、基板認識マークASとチップ認識マークACを認識する手法は異なるが(例えばフェイスアップ実装で特許文献1、フェイスダウン実装で特許文献2)、両位置関係を認識した後の位置合わせ動作は共通している。すなわち、図13(a)のような基板認識第1マークAS1と基板認識マークAS2の付された基板Sに対して、チップ部品第1マークAC1とチップ部品AC2の付されたチップ部品Cの位置合わせを行う。すなわち、図13(b)のように、基板認識第1マークAS1に対してチップ認識マークAC1の相対位置と、基板認識第2マークAS2に対してチップ認識第2マークAC2の相対位置を合わせて、実装箇所SCにチップ部品Cが配置される。
【0006】
具体的な位置合わせ方法については図14を用いて説明する。まず、図14(a)は実装装置の実装ヘッドがチップ部品Cを保持した状態でありフェイスアップ実装とフェイスダウン方法では認識方法に違いがあるものの、基板認識第1マークAS1、基板認識第2マークAS2、チップ認識第1マークAC1およびチップ認識第2マークAC2を認識して、各位置情報を得る。ここで得た各認識マークの位置情報から、基板Sに対するチップ部品Cの回転角θ方向と、実装箇所SC中心SCCに対するチップ部品中心CCの水平方向(X方向、Y方向)位置ズレが求まる。
【0007】
そこで、原理的にはチップ部品中心CCを中心にチップ部品Cを回転させて角度θ分の補正を行ってから、実装箇所中心SCCに対するチップ部品中心CCの位置ズレを補正すれば、位置合わせが完了となる。しかし、実装ヘッドの回転軸とチップ部品中心CCは必ずしも一致していない。そこで、図14(b)のように、まず実装ヘッドの回転軸が通る回転中心の位置を予測して仮想中心VCとし、仮想中心VCを中心にチップ部品Cが角度θ分の補正が行われることを前提に、回転角修正後の水平方向補正(X方向のΔX、Y方向のΔY)が算出され、図14(C)のようにΔX、ΔYの補正により、チップ部品Cは所定の実装箇所SCに位置合わせされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2017-208522号公報
【特許文献2】特開2018-190958号公報
【特許文献3】特願2023-050892号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図14における仮想中心VCは回転方向の補正における回転軸の中心座標の基準であり、実装ヘッドを回転角10°程度を回転させたときのチップ認識マークAC等を認識手段で撮像して画像処理した軌跡から演算して推定している。しかし、この仮想中心VCの位置の算出に際しては種々の誤差要因を含んでいて、実際の回転中心とは一致し難い。そこで、仮想中心が回転中心と一致しない影響について図15を用いて説明する。
【0010】
図15(a)は実装ヘッドがチップ部品Cを保持した状態であり、板認識第1マークAS1、基板認識第2マークAS2、チップ認識第1マークAC1およびチップ認識第2マークAC2を認識して、各位置情報を得る。その後、実装ヘッドの仮想中心VCを回転中心としてチップ部品Cが回転角度θ分の補正が行われることを前提に、回転角修正後の水平方向補正(X方向のΔX、Y方向のΔY)が算出される。しかし、この段階で、仮想中心VCの位置は回転中心RCに対してX方向にdx1、Y方向にdy1の誤差を含んでいる(図15(b))。
【0011】
このため、図15(b)に至る段階で、チップ部品Cは回転軸RCを中心に回転角度θの補正が行われているが、図15(c)において行なう水平方向の補正は(回転中心RCに対してX方向でΔX、Y方向でΔYの誤差を含む)仮想中心VCを中心に回転させることを前提とした算出されたものである。このため、最終的には図15(c)に示すようなX方向でdx2、Y方向でdy2の誤差が生じてしまう。
【0012】
例えば、回転中心RCに対する仮想中心VCの誤差が0.1mm程度だとすると、回転角θの補正が1°程度の場合で、数μm程度の誤差が生じることがある。この数μmの誤差というのは電極ピッチが100μmを超えるような実装においては許容できたものの、実装精度1μm未満が要求されるような昨今において許容できるものではなく、高精度な位置合わせを実現するためには、仮想中心VCを回転中心RCに更に近づける必要がある。
【0013】
そこで、本願出願人は、回転中心RCに近い仮想中心VCの座標位置を取得すべく、中心特定マークを用いる構成を発明した(特許文献3)。すなわち、図16に示すような、アタッチメントツール42に設けた中心特定マークTMまたは、アタッチメントツール42が保持するダミーチップTCに設けた中心特定マークTMCMを用いる方法を発明した。この方法では、アタッチメントツール42の回転角度θを変化させて、その軌跡を円弧で近似させ、その円の中心座標を算出して仮想中心としつつ、中心特定マークを仮想中心に位置合わせしながら精度を上げるものである。
【0014】
その例を図17(a)および図17(b)に示す。図17(a)は、アタッチメントツール42が保持するダミーチップTCの中心特定マークCMの位置が、アタッチメントツール42を回転中心RCで回転角度を変化させたときに移動する様子を示したものであり。図17(b)に示した画像を取得して仮想中心VCを求めるものである。
ところで、回転中心RCと中心特定マークCMの当初の位置関係から、中心特定マークTMの位置変化の様子は異なり、同じ角度変化で、回転中心RCとの距離が等しい場合であっても、図17(b)の場合と図17(c)のような違いを生じる。ここで、図17(b)の場合、X方向の変化分MXとY方向の変化分がほぼ等しいことから、仮想中心VCのX座標とY座標は同等の精度で求めることができる。一方において、図17(c)の場合、X座標の変化MXに比べてY座標の変化MYが小さく、仮想中心VCのX座標の精度に比べ、Y座標の精度が低くなるという現象が生じている。このような場合、中心特定マークと仮想中心の距離が近いほど、変化MYが小さくなって誤差が増すという現象も生じている。
【0015】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、位置調整時の回転中心をX座標、Y座標ともに高精度に求め、配線基板等の基板に半導体チップ等のチップ部品を実装する際の高精度位置合せが可能となるワーク位置調整装置およびこれを用いた実装装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明は、
ワークを所定の位置に配置するワーク位置調整装置であって、
前記ワークを保持するワーク保持部と、前記ワーク保持部をXYθ方向で位置調整するステージと、前記ワーク保持部の画像を取得する認識手段と、前記ステージおよび前記認識手段に接続した制御部を備え、
前記ワーク保持部と連動する部位に中心特定マークを設け、
前記制御部が、前記ステージを駆動して、回転角度を複数回変化させて前記中心特定マークの画像を前記認識手段により取得し、複数の前記中心特定マークの位置情報から前記ステージの回転中心座標を算出する機能を有するもので、
暫定的に設定した仮回転中心からX方向に離れた位置に前記中心特定マークを配置して、前記回転中心のY座標を求め、前記仮回転中心からY方向に離れた位置に前記中心特定マークを配置して、前記回転中心のX座標を求めることを特徴とするワーク位置調整装置である。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワーク位置調整装置であって、
前記中心特定マークを前記ワーク保持部が保持するワークに設けたワーク位置調整装置である。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のワーク位置調整装置であって、
前記中心特定マークを前記ワーク保持部に設けたワーク位置調整装置である。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のワーク位置調整手段であって、
前記ワーク保持部は前記ステージから脱着可能で、算出された前記回転中の座標に前記中心特定マークを合わせる機能を有したワーク位置調整装置である。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載のワーク位置調整装置であって、
前記中心特定マークが2つ設けられ、2つの前記中心特定マークを直線でつなぐと、前記直線はX軸に対して40度から50度の傾きを有するワーク位置調整装置である。
【0021】
請求項6に記載の発明は、位置合わせ用のチップ認識マークを有するチップ部品を、位置合わせ用の基板認識マークを有する基板に実装する実装装置であって、
請求項1から請求項4の何れかに記載のワーク位置調整装置を用いて、前記ワークである前記チップ部品の位置調整を行なう実装装置である。
【0022】
請求項7に記載の発明は、位置合わせ用のチップ認識マークを有するチップ部品を、位置合わせ用の基板認識マークを有する基板に実装する実装装置であって、
請求項5に記載のワーク位置調整装置を用いて、前記ワークである前記チップ部品の位置調整を行なう実装装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、位置調整時の回転中心をX座標、Y座標ともに高精度に求め、配線基板等の基板に半導体チップ等のチップ部品を実装する際の位置調整を高精度に行え、高精度実装が可能なる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態1に係る実装装置の概略図である。
図2】本発明の実施形態1に係る制御系を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態1係る実装装置でダミーチップに設けた中心特定マークを用いて回転中心座標を求める過程を説明するもので、(a)中心特定マークに対する回転中心座標の相対位置を暫定的に取得している状態、(b)ダミーチップを降下させてチップ保持手段に接触させた状態、(c)ダミーチップを外した実装ヘッドが上昇した状態、(d)暫定的に求めたヘッド側ステージの回転中心座標を中心特定マークからX方向に離れた位置に合わせた状態を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る実装装置でダミーチップに設けた中心特定マークを用いて回転中心座標を求める過程を説明するもので、(a)暫定的に求めたヘッド側ステージの回転中心座標を中心特定マークからX方向に離れた位置に合わせてから実装ヘッドがダミーチップを保持する状態で、(b)チップ保持手段がダミーチップを解除してから中心特定マークを用いて回転中心のY座標を求める状態で、(c)認識手段の視野中心を回転中心に合わせた状態、(d)アタッチメントツールがダミーチップを外した状態を示す図である。
図5】本発明の実施形態1に係る実装装置でダミーチップに設けた中心特定マークを用いて、ヘッド側ステージの回転中心のX座標とY座標を求める手法について説明するもので、(a)暫定的に求めた回転中心座標を中心特定マークからX方向に離れた位置に合わせてから、回転中心のY座標を高精度に求める状態を示し、(b)暫定的に求めた回転中心座標を中心特定マークからY方向に離れた位置に合わせてから、回転中心のX座標を高精度に求める状態を示す図である。
図6】本発明の実施形態1に係る実装装置でダミーチップに設けた中心特定マークを用いて、ヘッド側ステージの回転中心のX座標とY座標を同時に求める手法を示している。
図7】本発明の実施形態1に係る実装装置でダミーチップに設けた2つの中心特定マークを用いてヘッド側ステージの回転中心のX座標とY座標を求める手法において、XY座標家における2つの中心特定マークの位置関係について説明するものである。
図8】本発明の実施形態2に係る実装装置の概略図である。
図9】本発明の実施形態2に係る実装装置でアタッチメントツールに設けた中心特定マークを用いて、ヘッド側ステージの回転中心の座標を求める手法について説明するもので、2つの中心特定マークを用いてX座標とY座標を同時に求める例を示している。
図10】本発明の実施形態2に係る実装装置でアタッチメントツールに設けた中心特定マークを用いて回転中心座標を求める過程を説明するもので、(a)中心特定マークに対する回転中心座標の相対位置を暫定的に取得している状態、(b)アタッチメントツールを降下させてツール保持手段に接触させた状態、(c)アタッチメントツールを外した実装ヘッドが上昇した状態、(d)暫定的に求めたヘッド側ステージの回転中心座標を中心特定マークからX方向に離れた位置に合わせた状態を示す図である。
図11】本発明の実施形態2に係る実装装置でアタッチメントツールに設けた中心特定マークを用いて回転中心座標を求める過程を説明するもので、(a)暫定的に求めたヘッド側ステージの回転中心座標を中心特定マークからX方向に離れた位置に合わせてから実装ヘッドがアタッチメントツールを保持する状態で、(b)ツール保持手段がアタッチメントツールを解除してから中心特定マークを用いて回転中心のY座標を求める状態で、(c)認識手段の視野中心を回転中心に合わせた状態を示す図である。
図12】本発明のワーク位置調整装置を用いたXYθ方向に位置調整可能な基板ステージを示す図である。
図13】実装箇所と基板認識マークについて説明するもので、(a)基板認識マークの配置を示し、(b)実装箇所にチップ部品が配置された状態を示す。
図14】基板の実装箇所にチップ部品を位置合わせする過程を説明するもので、(a)位置合わせ前のチップ部品の位置、(b)回転角調整を行なった状態、(c)位置合わせを行った後の状態を示す図である。
図15】アタッチメントツールの仮想中心の位置が回転中心に対して誤差を含む状態で、基板の実装箇所にチップ部品を位置合わせする過程を説明するもので、(a)位置合わせ前のチップ部品の位置、(b)回転角調整を行なった状態、(c)位置合わせを行った後の状態を示す図である。
図16】回転中心を求めるための中心特定マークについて説明する図である。
図17】中心特定マークを用いて回転中心を求める際の課題について説明するもので、(a)回転による中心特定マークの位置変化から回転中心位置が推定される理由を説明するもの、(b)回転中心のX座標とY座標が同等の精度で求まる形態、(c)回転中心のY座標が求まり難い形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態について、図を用いて説明する。図1は本発明の実施形態1における実装装置1の概略図である。また、図2は実装装置1の制御系を示すブロック図である。
【0026】
実装装置1はチップ部品Cを基板Sに実装する装置であり、基板Sの基板認識マークASとチップ部品Cのチップ認識マークASを認識して位置合わせする構成となっている。
【0027】
実装装置1は、基板ステージ2、昇降ヘッド3、実装ヘッド4、認識手段5、チップ搬送手段6および制御部10を構成要素としている。
【0028】
なお、本発明においてチップ部品Cおよび基板Sは平坦面を有する板状部材であり、平坦面を保持される。
【0029】
図1の実装装置1において、基板ステージ2は、ステージ移動制御手段20と吸着テーブル23によって構成される。吸着テーブル23は表面上に配置した基板を吸着保持するものであり、吸着テーブル23は、ステージ移動制御手段20により、基板を保持した状態で、基板面の面内方向に移動することが可能である。
【0030】
ステージ移動制御手段20は、吸着テーブル23をY方向に直線移動可能なY方向ステージ移動制御手段22と、Y方向ステージ移動制御手段22をX方向に直線移動可能で基台200上に設けられたX方向ステージ移動制御手段21によって構成されている。Y方向移動制御手段22はスライドレール上に配置した可動部に吸着テーブル23を搭載しており、可動部はY方向サーボ221により移動および位置制御される。また、X方向移動制御手段21はスライドレール上に配置した可動部にY方向移動制御手段22を搭載しており、可動部はX方向サーボ211により移動および位置制御される。
【0031】
昇降手段3は図示していない門型フレームに固定されており、上下駆動軸が吸着テーブル23に対して垂直方向に設けられており、上下駆動軸に実装ヘッド4を連結している。昇降手段3は実装ヘッド4を上下駆動するとともに、設定に応じた加圧力を印加する機能を有している。更に、上下駆動軸を中心に実装ヘッド4を回転させる機能を有していることが望ましい。
【0032】
実装装置1では、昇降手段3を(図示しない門型フレームにより)2方向から支持するとともに、実装ヘッド4に直線的に連結しているため、加圧時に実装ヘッド4への横方向の力は加わり難くなっている。
【0033】
実装ヘッド4は、チップ部品Cを保持して(基板ステージ2の吸着テーブル23に保持された)基板と平行な状態で圧着するものである。実装ヘッド4は、ヘッド本体40、ヒーター部41、アタッチメントツール42およびヘッド側ステージ43を構成要素としている。ヘッド本体40はヘッド側ステージ43を介して昇降手段3と連結しており、下側にヒーター部41を固定配置している。ヒーター部41は発熱機能を有し、アタッチメントツール42を介してチップ部品Cを加熱するものである。また、ヒーター部41は減圧流路を用いてアタッチメントツール42を吸着保持する機能を有している。アタッチメントツール42はチップ部品Cを吸着保持するものであり、チップ部品Cの形状に応じて交換される。ヘッド側ステージ43はアタッチメントツール42を(チップ部品Cを吸着する面内の)X方向、Y方向および回転角θ方向に調整するものであるが、本実施形態の実装装置1ではヘッド側ステージ43と直結したヘッド本体およびヒーター部41を介してアタッチメントツール42の位置は調整される。
【0034】
ヘッド側ステージ43は、θ角度調整手段430、X方向調整手段431、Y方向調整手段432によって構成されている位置調整可能なステージである。なお、実装装置1の構成において、アタッチメントツール42に最も近いのがθ角度調整手段430であるため、θ角度調整手段430の回転中心は、X方向調整手段431とY方向調整手段432によって、XY平面内を移動可能となっている。また、実装ヘッド4がアタッチメントツール42を保持している状態において、(XY座標系の)θ角度調整手段430の回転中心がアタッチメントツール42の回転中心となる。
【0035】
本実施形態1の実装装置1では、基板面を実装ヘッド4越しに観察することが可能な構成となっており、アタッチメントツール42を透明部材で形成したり、貫通孔を設けたりしている。また、ヒーター部41についても透明部材を用いるか開口部を設けている。また、実装ヘッド4は、置認識手段5の画像取込部50が移動できる空間を有している。すなわち、ヘッド本体40は、ヒーター41上で連結した側板、両側板を連結する天板に囲まれたヘッド空間40Vを有する構造となっている。
認識手段5は、(アタッチメントツール42およびヒーター部41を透過して)実装ヘッド4越しに、アタッチメントツール42がチップ部品Cを保持する面と垂直な方向から、対象物に焦点を合わせて撮像する。本実施形態において、認識手段5は、画像取込部50、光路52、ならびに光路52に連結する(図示しない)撮像手段53を構成要素としている。
【0036】
画像取込部50は、撮像手段53が画像を取得する認識対象に対向するよう(上部に)配置され、認識対象を視野内に納めるものである。
【0037】
また、認識手段5は図示していない駆動機構により、ヘッド空間内で、基板S(およびチップ部品C)の面内方向で移動することが可能な構成となっている。更に、焦点位置が調整できるように、基板Sの垂直方向(Z方向)に移動する機能も有していることが望ましい。
【0038】
実装ヘッド4は昇降手段3により基板Sと垂直方向に移動するが、この動作は置認識手段5の動作と独立して行うことが可能である。このため、実装ヘッド4が垂直方向に移動しても、ヘッド空間に進入した認識手段5が干渉しない寸法にヘッド空間40Vを設計する必要がある。
【0039】
なお、認識手段5の画像取込部50の可動範囲は、ヘッド空間内に限られたものではなく、ヘッド空間から外れて基板S上を移動して基板認識マークAS等の位置情報を取得することも可能である。
【0040】
また、画像取込部50の可動範囲内での位置情報を取得できる構成としておけば、撮像した画像内各点の位置情報を算出することも可能である。
【0041】
チップ搬送手段6は、搬送レール60とチップスライダ61によって構成されており、図示しないチップ供給部から供給されたチップ部品Cをチップスライダ61が保持してアタッチメントツール42の直下までスライドして搬送するものである。
【0042】
ここで、図示しないチップ供給部は、チップスライダ61上の定まった位置にチップ部品Cを配置する。必要に応じて、チップスライダ61に配置されたチップ部品Cは図示しない認識機構で配置位置を認識してもよい。また、チップスライダ61に搭載されたチップ部品Cを面内方向(XY方向)に位置調整する位置調整手段をチップ搬送手段6が有していてもよい。このように、チップスライダ61およびチップスライダ61に配置するチップ部品Cの位置を制御することで、アタッチメントツール42の所定範囲内にチップ部品Cを受け渡すことが可能である。アタッチメントツール42がチップ部品Cを保持した後に、チップ部品Cの保持を解除したチップスライダ61は退避位置に移動する。
【0043】
実装装置1は図2のブロック図で示すように、基板ステージ2、昇降手段3、実装ヘッド4、認識手段5、搬送手段6および保持手段7と接続する制御部10を備えている。
【0044】
制御部10は、実体的にはCPUと記憶装置を主要な構成要素とし、必要に応じてインターフェイスを各装置との通信に介在させている。また、制御部10はプログラムを内蔵することにより、取得データを用いた演算を行い、演算結果に応じた出力を行うこともできる。更に、取得データや演算結果を記録して新たな演算用のデータとして用いる機能も備えていることが望ましい。
【0045】
制御部10は、基板ステージ2と接続し、X方向ステージ移動制御手段21とY方向ステージ移動制御手段22の動作制御を行って吸着テーブル23の面内移動制御を行う。また、制御部10は、吸着テーブル23を制御して、基板Sの吸着保持および解除の制御を行う。
【0046】
制御部10は、昇降手段3と接続し、実装ヘッド4の上下方向(Z方向)の位置制御を行うとともに、チップ部品Cを基板Sに圧着する際の加圧力を制御する機能を有している。また、昇降手段3が実装ヘッド4の(Z方向を軸とする)回転角を変化させる機能を有している場合は、回転角制御を行なう。
【0047】
制御部10は実装ヘッド4と接続し、アタッチメントツール42によるチップ部品Cの吸着保持および解除、ヒーター部41の加熱温度を制御する機能を有している。また、制御部10は実装ヘッド4のヘッド側ステージ43と接続し、アタッチメントツール42(およびヘッド本体40とヒーター部41)のXYの位置および回転角度θを制御する機能を有している。
【0048】
制御部10は認識手段5と接続し、画像取込部50の水平(XY面内)方向および垂直方向(Z方向)の位置制御を行なうとともに、撮像手段53を制御して画像データを取得する機能を有している。更に制御部10は画像処理機能を有しており、撮像手段画像各点の位置情報を算出する機能を有している。また、回転によって移動した点の軌跡から回転中心座標を算出する機能を有している。
【0049】
制御部10はチップ搬送手段6と接続し、搬送レール60に沿って移動するチップスライダ61の位置を制御する機能を有している。
【0050】
以下、実装装置1において、ヘッド側ステージ43の回転中心座標を求める過程を説明する。
【0051】
図3および図4は、ヘッド側ステージ43によるθ角調整を行なう際のアタッチメントツール42の回転中心を求める過程を説明するもので、実施形態1としてダミーチップTCに設けた中心特定マークCMを用いる例を示している。
【0052】
図3(a)は、アタッチメントツール42が図8に示したダミーチップTCを保持した状態である。ここで、アタッチメントツール42の(XY平面内における)回転中心座標は、θ角度調整手段430の回転中心RCの座標と一致している。
【0053】
図3(a)の状態で、ダミーチップTCの中心特定マークCMは回転中心RCと一致していない。そこで、θ角度調整手段430によってアタッチメントツール42の回転角を図17(a)のように変化させて中心特定マークCMの位置変化から、演算により仮想中心VCを算出することができる。ここで、θ角度の変化量は、中心特定マークTMを用いる場合と同様、正負各10度前後が望ましく、5度から15度の範囲にすることが好ましい。
【0054】
なお、仮想中心VCを求めるのに際して、必ずしも中心特定マークCMを用いる手法に限定しない。例えば、図16に示すようなアタッチメントツール42を用いる場合、ツール認識第1マークAT1とツール認識第2マークAT2の両方が視野に入るような広視野状態でアタッチメントツール42の回転角を変化させて、少なくとも何れかのツール認識マークATの位置変化から仮想中心を求めてもよい。
【0055】
図3(a)において、中心特定マークCMと仮想中心VCの位置関係が求まったことから、この仮想中心VCを用いて回転中心RCのY座標を求める様子を示したのが図3(b)から図4(b)である。
【0056】
図3(b)は、ダミーチップTCの下にチップスライダ61を配置した後に実装ヘッド4を降下してダミーチップTCをチップスライダ61に接触、密着させた状態である。この状態において、チップスライダ61はダミーチップTCを吸着等により保持する。その後、図3(c)のように、アタッチメントツール42はダミーチップTCの保持を解除して上昇する。
【0057】
この後、図3(d)では、仮想中心VCからX方向に所定距離LXだけ離れた位置に中心特定マークCMが配置されるようヘッド側ステージ43のX方向調整手段431とY方向調整手段432を駆動してヘッド本体40、ヒーター部41およびアタッチメントツール42の位置を調整する。図5(a)には、調整後に画像取込部50が取得する画像における中心特定マークCMと仮想中心VCおよび回転中心RCの位置関係を示している。
【0058】
図3(d)の状態から、図4(a)のように実装ヘッド4を降下して、アタッチメントツール42をダミーチップTCに密着して吸着してから、チップスライダ61によるダミーチップTCの保持を解除して、実装ヘッド4を上昇して図4(b)の状態となる。
【0059】
図4(b)では、アタッチメントツール42にダミーチップTCが保持された状態で、図5(a)に示した中心特定マークCMと仮想中心VCおよび回転中心RCの位置関係となっている。そこで、 θ角度調整手段430によってアタッチメントツール42の回転角を変化させて中心特定マークCMの位置変化から、回転中心RCのY座標を算出する。すなわち、図5(a)に示すように、仮想中心VCからX方向に所定距離LXだけ離れた位置に中心特定マークCMを配置してθ角度を変化させると、Y方向の変化量は大きいので、回転中心RCのY座標を高精度に求めることができる。なお、図4(b)の状態で、θ角度調整手段430によってアタッチメントツール42の回転角を変化させて回転中心RCのY座標を求める動作を複数回行って、その平均値を求めることで回転中心RCのY座標の測定精度を上げることができる。ここで、θ角度の変化量は、中心特定マークTMを用いる場合と同様、正負各10度前後が望ましく、5から15度の範囲にすることが好ましい。
【0060】
図4(b)で回転中心RCのY座標を求めた後は、回転中心RCのX座標を求める。回転中心RCのX座標を求めるに際しては、図3(b)から図3(c)と同様な動作の後、図3(d)に示す状態で、先に求めた仮想中心VCからY方向に所定距離LYだけ離れた位置に中心特定マークCMが配置されるようヘッド側ステージ43のX方向調整手段431とY方向調整手段432を駆動してヘッド本体40、ヒーター部41およびアタッチメントツール42の位置を調整する。図5(b)には、調整後に画像取込部50が取得する画像における中心特定マークCMと回転中心RCの位置関係を示している。
【0061】
それから、図4(a)のように実装ヘッド4を降下して、アタッチメントツール42をダミーチップTCに密着して吸着してから、チップスライダ61によるダミーチップTCの保持を解除して、実装ヘッド4を上昇して図4(b)の状態となる。
【0062】
図4(b)では、アタッチメントツール42にダミーチップTCが保持された状態で、図5(b)に示した中心特定マークCMと回転中心RCの位置関係となっている。そこで、 θ角度調整手段430によってアタッチメントツール42の回転角を変化させて中心特定マークCMの位置変化から、回転中心RCのY座標を算出する。すなわち、図5(b)に示すように、仮想中心VCからY方向に所定距離LYだけ離れた位置に中心特定マークCMを配置してθ角度を変化させると、X方向の変化量は大きいので、回転中心RCのX座標を高精度に求めることができる。なお、図4(b)の状態で、θ角度調整手段430によってアタッチメントツール42の回転角を変化させて回転中心RCのX座標を求める動作を複数回行って、その平均値を求めることで回転中心RCのX座標の測定精度を上げることができる。ここで、θ角度の変化量は、中心特定マークTMを用いる場合と同様、正負各10度前後が望ましく、5から15度の範囲にすることが好ましい。
【0063】
以上の過程を経て、図6に示すように、XY座標系における回転中心RCの座標位置を高精度に求めることができる。
【0064】
図4(b)の後、 図4(c)のように、認識手段5が取得する画像で設定した画像中心FCに回転中心RCが配置されるよう、中心特定マークCMを観察して画像取込部50の位置を調整してもよく、その後にダミーチップTCの保持を解除する(図4(d))。ダミーチップTCの解除に際しては、チップスライダ61に受け渡すのが好ましい。
【0065】
ところで、図5(a)および図5(b)に示した所定距離LXおよび所定距離LYは、画像取込部50から取得される視野範囲および分解能と、回転中心RCのX座標およびY座標に求められる精度を勘案して決定すればよいが、0.5mmから3.0mmの範囲が適切である。
【0066】
また、回転中心RCのY座標を求めてからX座標を求めるという順番に特に理由はなく、X座標を求めてからY座標を求めてもよい。
【0067】
なお、以上の過程で求めた回転中心RCの座標を仮想中心VCとして、図3(b)から図4(b)に示した動作を行って回転中心RC座標の精度検証や、更なる高精度化を図ってもよい。
【0068】
更に、図7に示すようにダミーチップTCに2つの中心特定マークCMを設けてもよい。その際、2つの中心特定マークCMの中心を結ぶ直線と方向(およびY方向)の角度を40度から50度にしておけば、一方の中心特定マークCMを仮想中心からX方向に所定距離だけ離れた位置に配置することで、図7に示すように他方の中心特定マークCMは仮想中心からY方向に所定距離だけ離れた位置に配置したのと同等に扱える。このため、回転中心RCのX座標(Y座標)を求めてから、Y座標(X座標)を求める際に、ダミーチップTCを取外す必要がない。
【0069】
2つの中心特定マークCMに加えて、図7のVC部分に仮想中心特定マークVCMを設けてもよい。この場合、中心特定マークVCMによって図3(a)を用いた手法で仮想中心VCを求めてから、図7に例示するように一方の中心特定マークCMを回転中心のX座標を求める位置に配置して、他方の中心特定マークCMを回転中心のY座標を求める位置に配置する。その際、X方向調整手段431とY方向調整手段432に加えて、θ角度調整手段430を駆動させる。
【0070】
以上、実施形態1においてアタッチメントツール42が保持するダミーチップTCに設けた中心特定マークCMを用いてヘッド側ステージ43による回転中心RCのX座標とY座標を求めたが、別の手法で回転中心RCの位置を求める方法として実施形態2について説明する。
【0071】
実施形態2では、図16に示した、中心特定マークTMを設けたアタッチメントツール42を用い、ダミーチップTCは用いない。実施形態2に用いる実装装置101は、図1の実装装置1と異なり、ツール保持手段7を備えている。
【0072】
実施形態2は、図9に示すように、実施形態1と同様に仮想中心VCを求めてから、仮想中心VCに対して中心特定マークTMをX方向に所定距離LXだけ話した状態に配置してから回転中心RCのX座標を求め、仮想中心VCに対して中心特定マークTMをY方向に所定距離LYだけ話した状態に配置してから回転中心RCのY座標を求めることに関しては共通している。
【0073】
図10および図11は、実施形態2で。ヘッド側ステージ43によるθ角調整を行なう際のアタッチメントツール42の回転中心RCを求める過程を説明するものである。
【0074】
図10(a)から図11(b)で行っている内容は、図3(a)から図4(b)で説明した内容において、中心特定マークCMを中心特定マークTMと読み替え、アタッチメントツール42とチップスライダ61との間のダミーチップTCの移動を、ヒーター部41とツール保持手段7との間のアタッチメントツール42の移動と読み替えることで説明できる。
【0075】
また、実施形態1において、図7に示したように複数の回転中心特定マークCMを用いる手法は、実施形態2の回転中心特定マークTMに適用することも可能である。
【0076】
実施形態2では中心特定マークTMを用いて回転中心RCのX座標とY座標を求めた後、 図11(c)のように、認識手段5が取得する画像で設定した画像中心FCに回転中心RCが配置されるよう、中心特定マークTMを観察してから画像取込部50の位置を調整してもよい。
【0077】
以上、これまでの説明において、本発明を実装装置の実装ヘッド側の精密位置合わせに用いる実施形態について説明したが、用途は実装ヘッドに限定されるものではない。例えば、X方向ステージ移動制御手段21とY方向ステージ移動制御手段22に搭載された吸着テーブル23がθ角度調整機能を有している場合において、吸着テーブル23または吸着テーブル23が保持する基板に中心特定マークを設けて、吸着テーブル23の回転中心座標を高精度に求めることも可能である。
【0078】
以上のように、本発明は仮想中心を求めた後に、仮想中心に対する中心特定マークの相対位置位置を定めることで、回転中心のX座標とY座標を個別に高精度に求めることができ、位置調整の際の誤差要因を抑制することで、高精度な位置合わせを可能としている。
【符号の説明】
【0079】
1、101 実装装置
2 基板ステージ
3 昇降手段
4 実装ヘッド
5 認識手段
6 チップ搬送手段
7 ツール保持手段
10 制御部
20 ステージ移動制御手段
21 X方向ステージ移動制御手段
22 Y方向ステージ移動制御手段
23 吸着テーブル
40 ヘッド本体
41 ヒーター部
42 アタッチメントツール
43 ヘッド側ステージ
50 画像取込部
52 光路
60 搬送レール
61 チップスライダ
430 θ角度調整手段
431 X方向調整手段
432 Y方向調整手段
AC、AC1、AC2 チップ認識マーク
AS、AS1、AS2 基板認識マーク
AT、AT1、AT2 ツール認識マーク
C チップ部品
CM 中心特定マーク
FC 視野中心
RC 回転中心
S 基板
SC (チップ部品)実装箇所
SCC 実装箇所中心
TM 中心特定マーク
VC 仮想回転中心
XR 回転中心X座標
YR 回転中心Y座標
θ 回転角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17