(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141287
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報コード読取装置及び情報コード読取システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20241003BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20241003BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241003BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20241003BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q20/38
G06K7/14 017
G06K7/10 372
G06K7/10 464
G06K19/06 037
G06K19/06 112
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052841
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】澤田 展秀
(72)【発明者】
【氏名】山下 勉
(72)【発明者】
【氏名】松村 愛梨
【テーマコード(参考)】
5E555
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA11
5E555AA24
5E555AA53
5E555BA34
5E555BB34
5E555BC04
5E555CA12
5E555CA17
5E555CA42
5E555CB48
5E555DA13
5E555DA22
5E555DA23
5E555DC11
5E555DC13
5E555DC23
5E555DD01
5E555DD08
5E555FA00
5L020AA71
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】情報コードの盗撮を防止しつつ、ユーザが情報コードをかざしている位置を容易に視認可能な構成を提供する。
【解決手段】制御部21にてなされる情報コード読取処理において、撮像部24により撮像された撮像画像Pに情報コードの少なくとも一部が含まれているコード撮像状態であると判定される場合に当該情報コードの少なくとも一部が撮像画像Pに占めるコード撮像範囲Crとして特定される。そして、コード撮像状態であると判定されない場合に撮像部24により撮像された撮像画像Pに一致するように表示画像が生成され、コード撮像状態であると判定される場合に撮像画像Pのうちコード撮像範囲特定処理により特定されたコード撮像範囲CrをダミーコードDに置換するように表示画像Prが生成される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードに記録される所定の情報を光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
一面に撮像窓が設けられる筐体と、
前記撮像窓を介して前記情報コードを撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記情報コードの撮像画像から前記所定の情報を読み取る読取処理を行う読取部と、
前記一面に表示画面が設けられる表示部と、
前記情報コードを読み取る際に前記撮像部により撮像された撮像画像から生成される表示画像が順次前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮像部により撮像された撮像画像に前記情報コードの少なくとも一部が含まれているコード撮像状態であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部により前記コード撮像状態であると判定される場合に前記情報コードの少なくとも一部を前記撮像画像に占めるコード撮像範囲として特定する特定部と、
前記判定部により前記コード撮像状態であると判定されない場合に前記撮像部により撮像された撮像画像に一致するように前記表示画像を生成し、前記判定部により前記コード撮像状態であると判定される場合に前記撮像画像のうち前記特定部により特定された前記コード撮像範囲を前記情報コードと異なる所定の識別表示に置換するように前記表示画像を生成する生成部と、
を備えることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項2】
前記所定の識別表示は、前記撮像部により撮像された前記情報コードとコード種別が同じ情報コードであることを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判定部により前記コード撮像状態であると判定されない状態では、前記表示画像が前記表示画面に表示されないように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判定部により前記コード撮像状態であると判定されない状態では、前記表示画像が不鮮明に前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記読取部によるデコード処理の完了直後に、前記表示画像が前記表示画面に表示されないように前記表示部を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項6】
前記所定の識別表示は、ダミー情報が記録された情報コードとして生成されるダミーコードであることを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報コード読取装置と、
情報コードを画面表示させた携帯端末が当該情報コードに記録されるURL情報を利用して接続可能な所定のサイトを管理する管理サーバと、
を備える情報コード読取システムであって、
前記所定のサイトは、情報コードを画面表示させた携帯端末が当該情報コードを前記情報コード読取装置に読み取らせる際に接続されるサイトであり、
前記管理サーバは、前記所定のサイトと異なる不正検知用サイトをも管理し、
前記所定の識別表示は、前記不正検知用サイトに接続するためのURL情報が記録された情報コードとして生成されることを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項8】
前記不正検知用サイトは、接続された端末の情報を収集するサイトとして構成されることを特徴とする請求項7に記載の情報コード読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置及び情報コード読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年増加しているQRコード決済などの情報コードを利用した決済方法は、便利な一方でセキュリティのリスクもある。例えば、店舗に設置された決済用の読取装置でユーザ(購入者)がスマートフォン等に画面表示した情報コードを読み取る決済方式では、その画面表示した情報コードが不正に撮像されて悪用されてしまう場合がある。特に、このような決済方式では、ユーザ自身が情報コードを読取装置に対して正しくかざしているかを確認しながら読取動作ができるように、読取装置が撮像した画像をその表示画面に表示させる機能が採用される。このような機能は、ユーザに対する視認性、利便性の向上に期待できるが、読取装置の表示画面に表示された情報コードをかざしている画像が不正に撮像されて悪用される可能性がある。
【0003】
このような問題に対して、下記特許文献1に開示される決済方法では、ワンタイムで使用されるQRコード(登録商標)などのワンタイム応答コードに有効期間を導入し、使用者端末にて決済サーバから受信したワンタイム応答コードを事業者端末に読み取らせる際に、有効期間を経過しているとその決済処理を破棄することで、決済時のセキュリティを高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように有効期間を利用する決済方法では、その有効期限内であれば盗撮等したワンタイム応答コードなどの情報コードを不正に利用することができるという問題がある。また、例えば、情報コードが表示される読取装置の表示画面に覗き見防止シートを装着したとしても、その表示画面に対して正対する方向からの情報コードの盗撮を防止できないという問題がある。このような問題は、情報コードを利用した決済に限らず、個人情報などの秘匿すべき情報を情報コードを利用して読取装置に読み取らせる用途等にも同様に生じる問題である。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報コードの盗撮を防止しつつ、ユーザが情報コードをかざしている位置を容易に視認可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
情報コード(C)に記録される所定の情報を光学的に読み取る情報コード読取装置(10)であって、
一面(11a)に撮像窓(24a)が設けられる筐体(11)と、
前記撮像窓を介して前記情報コードを撮像する撮像部(24)と、
前記撮像部により撮像された前記情報コードの撮像画像から前記所定の情報を読み取る読取処理を行う読取部(21)と、
前記一面に表示画面(23a)が設けられる表示部(23)と、
前記情報コードを読み取る際に前記撮像部により撮像された撮像画像から生成される表示画像が順次前記表示画面に表示されるように前記表示部を制御する制御部(21)と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮像部により撮像された撮像画像に前記情報コードの少なくとも一部が含まれているコード撮像状態であるか否かについて判定する判定部(21)と、
前記判定部により前記コード撮像状態であると判定される場合に前記情報コードの少なくとも一部を前記撮像画像に占めるコード撮像範囲(Cr)として特定する特定部(21)と、
前記判定部により前記コード撮像状態であると判定されない場合に前記撮像部により撮像された撮像画像(P)に一致するように前記表示画像を生成し、前記判定部により前記コード撮像状態であると判定される場合に前記撮像画像のうち前記特定部により特定された前記コード撮像範囲を前記情報コードと異なる所定の識別表示(D)に置換するように前記表示画像(Pr)を生成する生成部(21)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、情報コードを読み取る際に撮像部により撮像された撮像画像から生成される表示画像が順次表示画面に表示されるように表示部を制御する制御部では、撮像部により撮像された撮像画像に情報コードの少なくとも一部が含まれているコード撮像状態であると判定部により判定される場合に当該情報コードの少なくとも一部が撮像画像に占めるコード撮像範囲として特定部により特定される。そして、生成部により、判定部によりコード撮像状態であると判定されない場合に撮像部により撮像された撮像画像に一致するように上記表示画像が生成され、判定部によりコード撮像状態であると判定される場合に撮像画像のうち特定部により特定されたコード撮像範囲を上記情報コードと異なる所定の識別表示に置換するように上記表示画像が生成される。
【0009】
これにより、ユーザが情報コードを撮像窓にかざしている場合には、そのかざしている情報コードが所定の識別表示に置換されて表示画面に表示されるので、その表示画面を盗撮できてもユーザがかざしている情報コードを盗撮することができない。そして、表示画面に占める所定の識別表示の範囲が撮像画像に占める情報コードの範囲になるため、ユーザは、表示画面での所定の識別表示の位置を情報コードの位置として認識できる。このため、ユーザは、情報コードが撮像窓に対して正しくかざされているかを確認しながら読取動作を行うことができる。したがって、情報コードの盗撮を防止しつつ、ユーザが情報コードをかざしている位置を容易に視認可能な情報コード読取装置を実現することができる。
【0010】
請求項2の発明では、所定の識別表示は、撮像部により撮像された前記情報コードとコード種別が同じ情報コードであるため、置換処理が容易になり、ユーザも情報コードをかざしている位置をより正確に視認することができる。
【0011】
請求項3の発明では、制御部は、判定部によりコード撮像状態であると判定されない状態では、表示画像が表示画面に表示されないように表示部を制御する。これにより、情報コードの少なくとも一部が像部の撮像範囲に入ってからコード撮像状態であると判定されるまでの時間差に起因して、当該情報コードの少なくとも一部が一時的に表示画面に表示されてしまうようなこともないので、情報コードの盗撮防止に関してさらにセキュリティ性を高めることができる。
【0012】
請求項4の発明では、制御部は、判定部によりコード撮像状態であると判定されない状態では、表示画像が不鮮明に表示画面に表示されるように表示部を制御する。これにより、コード撮像状態であると判定される前は、撮像画像そのものが不鮮明に画面表示され、コード撮像状態であると判定された後は、所定の識別表示が上記コード撮像範囲に画面表示される。このため、情報コードの少なくとも一部が読み取り可能に表示画面に表示されてしまうようなこともないので、情報コードの盗撮防止に関してさらにセキュリティ性を高めることができる。
【0013】
請求項5の発明では、制御部は、読取部によるデコード処理の完了直後に、表示画像が表示画面に表示されないように表示部を制御する。これにより、デコード処理が完了しても表示画像が表示画面に表示され続けているために、情報コードを撮像窓から遠ざけた動作を行ったユーザの顔が撮像されて表示画面に表示されてしまうことを防止することができる。
【0014】
請求項6の発明では、所定の識別表示は、ダミー情報が記録された情報コードとして生成されるダミーコードである。これにより、ダミー情報が読み取られた場合には、他人の情報コードの読み取り時に表示画面に表示されたダミーコードを不正に撮像した不正利用者が、その他人の情報コードを不正利用しようとして、そのダミーコードの撮像画像を撮像窓にかざさしていると判断できる。このため、情報コード読取装置単体で、上述のような不正行為を検知及び報知等することができる。
【0015】
請求項7の発明では、管理サーバは、情報コードを画面表示させた携帯端末が当該情報コードを情報コード読取装置に読み取らせる際に当該情報コードに記録されるURL情報を利用して接続される所定のサイトと、この所定のサイトと異なる不正検知用サイトとを管理する。所定の識別表示は、不正検知用サイトに接続するためのURL情報が記録された情報コードとして生成される。
【0016】
これにより、管理サーバでは、所定のサイトに接続される携帯端末等と不正検知用サイトに接続される携帯端末等とを区別することができる。特に、不正検知用サイトに接続される携帯端末等は、情報コードを読み取らせている情報コード読取装置に所定の識別表示として画面表示される別の情報コードから読み取ったURL情報を利用していることから、所定の識別表示を不正に撮像していると判断することができる。このため、不正検知用サイトに接続される携帯端末等を不正目的の端末として検知することができる。
【0017】
請求項8の発明では、不正検知用サイトは、接続された端末の情報を収集するサイトとして構成される。このため、管理サーバでは、不正検知用サイトに接続することで収集された端末の情報を、不正利用者の端末の情報として管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る読取端末を示す斜視図である。
【
図4】
図1の読取端末を差込口側から見た正面図である。
【
図5】
図1の読取端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【
図6】決済用のQRコードが画面表示された携帯端末を読取端末の撮像窓に向ける状態を説明する説明図である。
【
図7】第1実施形態において読取端末の制御部により実行される情報コード読取処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態において決済用のQRコードをかざす場合の撮像画像とこの撮像画像から生成されて画面表示される表示画像とを説明する説明図であり、
図8(A)は、撮像画像を示し、
図8(B)は、表示画像が画面表示された読取端末を示す。
【
図9】第1実施形態の第1変形例において読取端末の制御部により実行される情報コード読取処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の第3変形例において読取端末の制御部により実行される情報コード読取処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態において読取端末の制御部により実行される情報コード読取処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第3実施形態における情報コード読取システムの概略構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報コード読取装置を読取端末に適用した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る読取端末10は、決済用の情報コードに記録される決済情報を光学的に読み取る情報コード読取装置として機能するもので、情報コードから読み取った決済情報を利用した情報コード決済用の決済処理を行うように構成されている。本実施形態では、読取端末10は、決済用の情報コードを利用した情報コード決済(QR決済等)だけでなく、ICカードを利用したICカード決済など、複数の決済方式をユーザ(購入者)が選択可能なタッチパネル式の端末として構成されている。読取端末10は、ユーザがタッチ操作可能に店舗のカウンタ上に載置された状態で、上位機器となるPOS端末(図示略)に接続されて使用される。
【0020】
図1~
図4に示すように、読取端末10は、その外郭を構成する筐体11の上面11aにタッチパネルの操作面としても機能する表示画面23aが配置され、この表示画面23aに対して、ユーザから見て右側(店員から見て左側)となる位置に磁気カード用のスロット12が設けられ、ユーザから見て手前側(略長方形状に形成される上面11aの長手方向一側:
図2の下側)となる位置にICカード用の差込口13が設けられている。また、上面11aのうちユーザに対して表示画面23aよりも奥側(上面11aの長手方向他側:
図2の上側)となる位置に、撮像部24の撮像窓24aが設けられている。なお、筐体11の上面11aは、「筐体の一面」の一例に相当し得る。
【0021】
筐体11内には、読取端末10全体を制御する制御部21が設けられている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなる記憶部22とともに情報処理装置を構成している。記憶部22には、各種の決済処理を実行するためのプログラムや後述する情報コード読取処理を実行するためのプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0022】
また、
図5に示すように、読取端末10は、上述した制御部21及び記憶部22に加えて、表示部23、撮像部24、操作部25、報知部26、外部インタフェース27、決済情報読取部28などを備えている。表示部23は、公知のタッチパネル型の表示装置として構成されており、液晶表示器等の公知の表示デバイスとして構成される表示手段と、この表示手段の表示画面23aに重ねられて当該表示画面23aに対して押圧操作(接触)している範囲を操作面として検出可能な透明性の操作パネルとを備えている。この表示部23は、制御部21によって表示部の表示内容が制御される。
【0023】
撮像部24は、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成されるもので、制御部21により制御されて、撮像窓24aを介して撮像した撮像画像データを制御部21に出力するように構成されている。この撮像部24は、撮像窓24aを介した外方を撮像範囲とするように筐体11内に配置されている。制御部21では、撮像部24により撮像窓24aを介して決済用のQRコード(以下、単に、QRコードCともいう)が撮像されることで、そのQRコードCの撮像画像から当該QRコードCに所定の情報として記録される決済用の情報を光学的に読み取るための情報コード読取処理がなされる。本実施形態では、撮像窓24aは、上面11aのうちユーザに対して表示画面23aよりも奥側となる位置に設けられているが、これに限らず、撮像窓24aと表示画面23aと同じ方向を向くように、例えば、ユーザが視認容易であって上面11aと異なる他の面に対して表示画面23aの近傍にて当該表示画面23aとともに同一面上となるように設けられてもよい。なお、この情報コード読取処理を行う制御部21及び撮像部24は、「読取部」の一例に相当し得る。
【0024】
操作部25は、上記操作パネルと筐体11の側面等に設けられる1又は2以上のキーとを備えるように構成されることで、タッチパネルの操作面(表示画面23a)に対するタッチ操作やキー操作に応じた信号を制御部21に出力するように構成される。
【0025】
報知部26は、LEDなどの発光部やスピーカ、ブザー等を備えており、制御部21による制御によって発光部の発光状態やスピーカの音声ガイダンス、ブザーの鳴動状態等が制御されることで、決済処理の結果等に応じた所定の報知を行うように構成されている。
【0026】
外部インタフェース27は、決済サーバやPOS端末等の外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行うように機能する。
【0027】
決済情報読取部28は、接触ICカード用のカードリーダ(以下、ICカードリーダ28aともいう)と、磁気カード用のカードリーダ(以下、磁気カードリーダ28bともいう)と、非接触決済用の非接触読取部28cとを備えている。
【0028】
ICカードリーダ28aは、差込口13から規定位置まで差し込まれたICカードの外部接続端子に接続するカード読取端子を介して当該ICカードのICチップから読み取った決済用の情報を、制御部21に出力するように構成されている。
【0029】
磁気カードリーダ28bは、スロット12をスワイプされる磁気カードから読み取った決済用の情報を、制御部21に出力するように構成されている。
【0030】
非接触読取部28cは、近距離無線通信(NFC)機能等を有し、筐体11内部の上面11a側に設けられる非接触決済用アンテナ(図示略)を利用して、上面11aにかざされた決済用の非接触通信媒体(非接触ICカードや非接触決済機能を有する携帯端末、電子マネー用の媒体等)から読み取った決済用の情報を、制御部21に出力するように構成されている。
【0031】
このように構成される読取端末10では、決済用の情報が、情報コード読取処理による決済用のQRコードCの光学的読み取り、ICカードリーダ28aによるICカードからの読み取り、磁気カードリーダ28bによる磁気カードからの読み取り、非接触読取部28cによる非接触通信媒体からの読み取りのいずれかの選択後に取得されることで、その決済用の情報を利用した決済処理が制御部21にてなされる。
【0032】
本実施形態では、情報コード決済が選択されることで制御部21にてなされる情報コード読取処理中に、
図6に例示するように、決済アプリを起動した携帯端末30等を利用して画面表示された決済用のQRコードCが筐体11の上面11aに設けられる撮像窓24aにかざされる。その際、QRコードCをかざすべき位置をユーザに対して明示するため、撮像部24により撮像された撮像画像から生成される表示画像が順次表示画面23aに表示されるように表示部23が制御される。そして、正しい位置にかざされたQRコードCから決済用の情報が読み取られることで、その読み取った決済用の情報を利用した情報コード決済が実行される。
【0033】
特に、本実施形態では、QRコードCをかざすべき位置を明示しつつ表示画面23aに表示されるQRコードCの盗撮を防止するため、撮像画像のうちQRコードCが占める撮像範囲(以下、コード撮像範囲Crともいう)を特定して、この特定されたコード撮像範囲Crの画像を後述する所定の識別表示に置換した表示画像Prを生成して表示画面23aに表示する。
【0034】
以下、本実施形態において制御部21にてなされる情報コード読取処理について、
図7に示すフローチャートを参照して詳述する。なお、本実施形態での情報コード決済は、決済用の情報が読取端末10によってQRコードCから読み取られて決済サーバ等に送信され、この決済サーバ等にて決済用の情報を利用した決済処理が完了することで、決済完了情報が決済サーバ等から読取端末10に送信される処理となっている。
【0035】
ユーザによって情報コード決済が選択されることで制御部21にて情報コード読取処理が開始されると、まず、
図7のステップS101に示す撮像処理がなされ、撮像窓24aを介して情報コードを撮像部24にて撮像するための処理がなされる。次に、ステップS103に示す撮像画像表示処理にて、上記撮像処理により得られた撮像画像に一致するように表示画像を生成して、このように生成された表示画像を表示画面23aに表示するための処理がなされる。なお、上記ステップS103では、撮像画像に対して後述するような表示画像生成処理等がなされることなく、撮像画像がほぼそのまま表示画像として表示画面23aにて表示される。
【0036】
続いて、ステップS105に示す判定処理にて、上記撮像画像にQRコードC等の情報コードの少なくとも一部が含まれているコード撮像状態であるか否かについて判定される。ここで、QRコードC等が撮像されていないためにコード撮像状態でないと判定される場合には(S105でNo)、QRコードC等が撮像されるまで上記ステップS101からの処理が繰り返されて、撮像画像が表示画面23aにて表示される状態が維持される。なお、本実施形態では、読取対象の情報コードにおける予め定められた形状の特定パターンが認識可能に撮像されていることで、コード撮像状態であると判定される。より具体的には、例えば、決済用のQRコードCの特定パターンである三隅の位置検出パターン(ファインダパターン)等が認識可能に撮像されていることで、コード撮像状態であると判定される。なお、上記ステップS105の判定処理を行う制御部21は、「判定部」の一例に相当し得る。
【0037】
その後、上記特定パターンが認識可能に撮像されていることからコード撮像状態であると判定されると(S105でYes)、ステップS107に示すコード撮像範囲特定処理がなされ、撮像画像のうちQRコードCが占めるコード撮像範囲Crを特定するための処理がなされる。なお、上記ステップS107のコード撮像範囲特定処理を行う制御部21は、「特定部」の一例に相当し得る。
【0038】
撮像画像に占める三隅の位置検出パターン等の位置を利用することでコード撮像範囲Crの特定が成功すると(S109でYes)、ステップS111に示す表示画像生成処理がなされる。この処理では、撮像画像のうち上述のように特定されたコード撮像範囲Crを所定の識別表示に置換するように表示画像Prが生成される。本実施形態では、上記所定の識別表示として、予め決められたダミー情報が記録されるようにQRコードCと同じコード種別(QRコード)で生成されるダミーコードDが採用されており、撮像画像のうちコード撮像範囲CrをダミーコードDに置換するようにして表示画像Prが生成される。本実施形態では、上記ダミー情報として、例えば、読取端末10を特定可能な端末IDが採用されている。なお、上記ステップS111の表示画像生成処理を行う制御部21は、「生成部」の一例に相当し得る。
【0039】
続いて、ステップS113に示す画像表示処理がなされ、上述のように生成された表示画像Prが表示部23の表示画面23aに表示される。例えば、
図8(A)に示す撮像画像PのようにQRコードCが撮像されている場合には、その撮像画像PのQRコードC(コード撮像範囲Cr)がダミーコードDに置換された表示画像Prが生成されて、
図8(B)に示すように、表示部23の表示画面23aに表示される。なお、表示画像Prは、表示画面23aの全表示領域にて表示されてもよい。また、表示画像Prは、撮像窓24aに近い表示画面23aの上側領域にて表示されてもよいし、撮像窓24aにかざしている携帯端末30によって隠されないように表示画面23aの下側領域にて表示されてもよい。その際、表示画像Prが表示されていない領域にて、
図8(B)に例示するように、「QRコードをかざしてください。」などの指示を表示してもよい。
【0040】
上述のように表示画像Prが表示画面23aに表示された状態で、ステップS115に示すデコード処理がなされて、撮像画像PのQRコードCから決済用の情報をデコードするための処理がなされる。そして、決済用の情報のデコードに成功することで(S117でYes)、ステップS119に示す決済用情報送信処理がなされる。この処理では、上述のように読み取られた決済用の情報やその読取時刻等の情報が外部インタフェース27を介してPOS端末等に送信されて、本情報コード読取処理が終了する。
【0041】
読取端末10から決済用の情報等を受信したPOS端末等では、その決済用の情報等を購入品情報(商品名や価格情報等)とともに決済サーバ等に送信するなどの情報コード決済処理を開始する。なお、読取端末10では、POS端末等から決済処理の成否に関する情報が外部インタフェース27を介して受信されることを前提に、その決済処理の成否に関する情報を表示部23による画面表示や報知部26を利用して報知してもよい。
【0042】
一方、デコードが失敗した場合、又は、決済用の情報と異なる情報がデコードされている場合(決済用のQRコードCと異なるQRコードのデコードに成功している場合)、決済用の情報のデコードに失敗しているとして(S117でNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。また、コード撮像範囲Crの特定が失敗した場合でも(S109でNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る読取端末10では、制御部21にてなされる情報コード読取処理において、撮像部24により撮像された撮像画像Pに情報コードの少なくとも一部が含まれているコード撮像状態であると判定される場合に当該情報コードの少なくとも一部が撮像画像Pに占めるコード撮像範囲Crとして特定される。そして、コード撮像状態であると判定されない場合に撮像部24により撮像された撮像画像Pに一致するように表示画像が生成され、コード撮像状態であると判定される場合に撮像画像Pのうちコード撮像範囲特定処理により特定されたコード撮像範囲CrをダミーコードDに置換するように表示画像Prが生成される。
【0044】
これにより、ユーザが決済用のQRコードCを撮像窓にかざしている場合には、そのかざしている決済用のQRコードCがダミーコードDに置換されて表示画面23aに表示されるので、その表示画面23aを盗撮できてもユーザがかざしている決済用のQRコードCを盗撮することができない。そして、表示画面23aに占めるダミーコードDの範囲が撮像画像に占める決済用のQRコードCの範囲になるため、ユーザは、表示画面23aでのダミーコードDの位置を決済用のQRコードCの位置として認識できる。このため、ユーザは、決済用のQRコードCが撮像窓24aに対して正しくかざされているかを確認しながら読取動作を行うことができる。したがって、決済用のQRコードCの盗撮を防止しつつ、ユーザが決済用のQRコードCをかざしている位置を容易に視認可能な読取端末(情報コード読取装置)10を実現することができる。
【0045】
特に、ダミーコードDは、撮像部24により撮像され決済用のQRコードCとコード種別(QRコード)が同じ情報コードであるため、置換処理が容易になり、ユーザも決済用のQRコードCをかざしている位置をより正確に視認することができる。
【0046】
なお、上記ステップS111の表示画像生成処理では、特定されたコード撮像範囲Crを、ダミーコードDに置換するように表示画像Prが生成されることに限らず、他の識別表示、例えば、コード撮像範囲Crの四隅に合わせた所定色の区形状領域やコード撮像範囲Crの四隅を通る円又は楕円を外縁とする所定色の湾曲領域に置換するように表示画像Prが生成されてもよい。
【0047】
本実施形態の第1変形例として、制御部21にてなされる情報コード読取処理では、
図9に示すフローチャートのように、コード撮像状態であると判定されない状態では(S105でNo)、上記ステップS103の撮像画像表示処理を行わないことで、撮像画像(表示画像)が表示画面23aに表示されないように表示部23が制御されてもよい。
【0048】
これにより、決済用のQRコードCの少なくとも一部が像部の撮像範囲に入ってからコード撮像状態であると判定されるまでの時間差に起因して、当該決済用のQRコードCの少なくとも一部が一時的に表示画面23aに表示されてしまうようなこともないので、決済用のQRコードCの盗撮防止に関してさらにセキュリティ性を高めることができる。
【0049】
本実施形態の第2変形例として、制御部21にてなされる情報コード読取処理における上記ステップS103の撮像画像表示処理では、撮像画像をほぼそのまま表示画像として表示画面23aにて表示することに限らず、撮像画像をぼかすように画像処理した画像を表示画像として表示画面23aにて表示してもよい。
【0050】
これにより、コード撮像状態であると判定される前は(S105でNo)、撮像画像そのものが不鮮明に画面表示され、コード撮像状態であると判定された後は(S105でYes)、ダミーコードDなどの所定の識別表示がコード撮像範囲Crに画面表示される。これにより、決済用のQRコードCの少なくとも一部が読み取り可能に表示画面23aに表示されてしまうようなこともないので、決済用のQRコードCの盗撮防止に関してさらにセキュリティ性を高めることができる。
【0051】
本実施形態の第3変形例として、制御部21にてなされる情報コード読取処理では、
図10に示すフローチャートのように、決済用の情報のデコードに成功することで(S117でYes)、画像表示を停止した後に(S121)、ステップS119以降の処理を行ってもよい。すなわち、デコード処理の完了直後に、表示画像Prが表示画面23aに表示されないように表示部23が制御される。
【0052】
これにより、デコード処理が完了しても撮像画像が表示画面23aに表示され続けているために、QRコードCを撮像窓24aから遠ざけた動作を行ったユーザの顔が撮像されて表示画面23aに表示されてしまうことを防止することができる。さらに、QRコードCを読み取った読取端末10に、ユーザの顔画像がQRコードCとともに関連付けられて記憶されてしまうことを防止することができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る情報コード読取装置を読取端末に適用した第2実施形態について、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、ダミーコードDに記録される情報を利用して不正を検知する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、撮像画像のうち上述のように特定されたコード撮像範囲Crを置換するための所定の識別表示として、上述したダミー情報が記録されるダミーコードDが採用されている。そして、読取端末10の制御部21にてなされる情報コード読取処理において、上述したダミー情報が読み取られると、読取端末10の表示画面23aに表示されたダミーコードDを不正に撮像した不正利用者がそのダミーコードDを不正利用しているとして、所定の報知がなされる。
【0055】
具体的には、
図11に示すフローチャートのように、決済用の情報と異なる情報がデコードされていることから、決済用の情報のデコードに失敗していると判定されると(S117でNo)、ステップS123の判定処理にて、ダミー情報が読み取られているか否かについて判定される。ここで、ダミー情報が読み取られていない場合には、上記ステップS101からの処理がなされる。
【0056】
一方、他人の購入時に読取端末10の表示画面23aに表示されたダミーコードDを不正に撮像した不正利用者が、その他人の決済用のQRコードを不正利用しようとして、そのダミーコードDの撮像画像を撮像窓24aにかざさしている場合には、そのダミーコードDからダミー情報が読み取られる(S117でNo,S123でYes)。
【0057】
この場合には、ステップS125に示す報知処理がなされる。この処理では、ダミーコードDが読み取られたことを示す情報が、表示部23による表示画面23aの表示、報知部26による発光部の発光状態やスピーカの音声ガイダンス、ブザーの鳴動状態等を利用して報知される。
【0058】
このように、本実施形態では、読取端末10にてダミー情報が読み取られた場合には、他人のQRコードCの読み取り時に表示画面23aに表示されたダミーコードDを不正に撮像した不正利用者が、その他人のQRコードCを不正利用しようとして、そのダミーコードDの撮像画像を撮像窓24aにかざさしていると判断できる。このため、読取端末10単体で、上述のような不正行為を検知及び報知等することができる。
【0059】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、ダミーコードDに記録されるURL情報を利用して接続された不正検知用サイトで不正利用者に関する情報を収集等する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
本実施形態に係る情報コード読取システム1は、
図12に示すように、上述した情報コード読取装置として機能する読取端末10と、決済用のサイト(所定のサイト)等を管理する管理サーバとして機能する決済サーバ40とを備えるように構成されている。
【0061】
本実施形態における情報コード決済の決済方式は、ユーザ(購入者)が、タッチパネル式の携帯端末30にて所定の決済アプリによって画面表示した決済用のQRコードCを店舗側の読取端末10に読み取らせた後に、決済アプリでの所定の操作を行うことを前提としている。このため、決済用のQRコードCには、決済用の情報として、決済用に予め登録されているユーザID及び決済サーバ40にて管理される決済用のサイトでのユーザ専用のURL情報等が記録される。携帯端末30の決済アプリでは、ユーザによって読取端末10に読み取らせた後の決済用のQRコードCがタップ操作されることで、上記URL情報から特定される決済用のサイトにインターネットNを介して接続されて、その決済用のサイトでの情報管理画面が画面表示される。すなわち、上記決済用のサイトは、決済用のQRコードCを画面表示させた携帯端末30が当該QRコードCを読取端末10に読み取らせる際に接続されるサイトである。決済サーバ40では、上記情報管理画面にてユーザによって入力された個人IDや名前など決済処理のためのアカウント情報と、QRコードCを読み取った読取端末10から受信したユーザID及び購入商品情報等とに基づいて、決済処理が行われる。
【0062】
このような決済方式では、決済用のQRコードCが盗撮等されてしまうと、そのQRコードCに記録されるユーザ専用のURL情報を不正利用して接続された決済用のサイトで、そのユーザの個人情報等が閲覧されて盗まれてしまうという問題がある。
【0063】
このため、本実施形態では、決済用のQRコードCに置換されるダミーコードDに、上述した端末IDに加えて、決済サーバ40にて管理される不正検知用サイトに接続するためのURL情報等が、上記ダミー情報として記録されている。これにより、他人のQRコードCの読み取り時に表示画面23aに表示されたダミーコードDを不正に撮像した不正利用者は、その他人のQRコードCに記録されるURL情報を利用して接続された決済用のサイトにて個人情報等を閲覧しようとして、上記不正検知用サイトに接続することになる。
【0064】
このため、決済サーバ40では、決済用のサイトに接続される携帯端末等と不正検知用サイトに接続される携帯端末等とを区別することができる。そして、不正検知用サイトに接続される携帯端末等は、QRコードCを読み取らせている読取端末10に画面表示されるダミーコードDから読み取ったURL情報を利用していることから、ダミーコードDを不正に撮像していると判断することができる。このため、不正検知用サイトに接続される携帯端末等を不正目的の端末として検知することができる。
【0065】
特に、本実施形態では、上記不正検知用サイトは、一見して上述した情報管理画面のサイトと同じフォームであって、閲覧者である不正利用者に対して、氏名や住所、クレジット番号等の個人情報の入力を促すように構成されている。このため、決済サーバ40では、上記不正検知用サイトにて入力等された情報を不正利用者の個人情報等として収集することができるだけでなく、ブラックリスト化等によって以降の不正検知に利用することができる。
【0066】
また、上記不正検知用サイトは、接続される端末の情報(例えば、MACアドレスやIPアドレス等)を、閲覧者である不正利用者による許可を得ることなく自動収集するサイトとして構成されている。このため、決済サーバ40では、上記不正検知用サイトに接続することで収集された端末の情報を、不正利用者の端末の情報として管理することができるだけでなく、ブラックリスト化等によって以降の不正検知に利用することができる。
【0067】
また、上記不正検知用サイトは、上記URL情報を利用して接続している端末から当該URL情報とともに読み取った端末IDを自動収集するように構成されている。このため、決済サーバ40では、上述のように収集された端末IDから特定される読取端末10に対して、ダミーコードDが不正に撮像された不正行為があったことを報知等することができる。これにより、上記報知を受けた読取端末10の店舗管理者等は、決済処理を一時的に停止するとともに、表示画面23aを盗撮している隠しカメラ等を探す等して、以降の不正行為を防止することができる。
【0068】
また、上記不正検知用サイトは、読取端末10のダミーコード表示中の時刻と携帯端末30での決済アプリの利用時刻、読取端末10の設置情報と携帯端末30のGPS等を用いた位置情報から、携帯端末30を推定することで、ダミーコードDが撮像された決済時のユーザ(購入者)のIDを取得するように構成されている。このため、決済サーバ40では、上述のように取得されたユーザIDについて予め登録された連絡先(例えば、携帯端末30のアドレス等)に対して、決済用のQRコードCの盗撮が未然に防止された事案があったことを、決済アプリなどを介して報知等することができる。これにより、上記報知を受けた携帯端末30のユーザは、不正行為の対象となったことを把握できるだけでなく、その対策を検討等することができる。
【0069】
なお、不正検知用サイト及び決済用サイト(所定のサイト)は、双方とともに同じ決済サーバ40にて管理されることに限らず、決済用サイト(所定のサイト)が第1のサーバにて管理され、不正検知用サイトが第2のサーバにて管理されてもよい。この構成では、第1のサーバ及び第2のサーバが「管理サーバ」の一例に相当し得る。
【0070】
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明は、上述した各種の決済情報を読み取り可能な読取端末に適用されることに限らず、決済用のQRコードなどの情報コードのみから決済情報を光学的に読み取り可能な読取端末に適用されてもよいし、決済機能を備えずに真贋判定用途などの秘匿すべき情報が記録される情報コードを光学的に読み取り可能な読取装置に適用されてもよい。また、本発明は、タッチパネル式の読取端末に適用されることに限らず、タッチパネルと異なる公知の表示デバイスを有する読取端末に適用されてもよい。また、読取端末10に読み取らせる情報コードは、携帯端末30にて画面表示されることに限らず、例えば、所定の表示媒体に印字等されてもよい。
【0071】
(2)情報コード読取処理での読取対象となる情報コードとして、QRコードが採用されることに限らず、他のコード種別の情報コード、例えば、バーコード等の一次元コードやデータマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードが採用されてもよい。例えば、バーコードが読取対象として採用される場合には、一方向に沿って明暗の線状領域が交互に配列される範囲がコード撮像範囲Crとして特定される。
【0072】
1…情報コード読取システム
10…読取端末(情報コード読取装置)
11…筐体
11a…上面(一面)
21…制御部(読取部,判定部,特定部,生成部)
22…記憶部
23…表示部
23a…表示画面
24…撮像部
24a…撮像窓
30…携帯端末
40…決済サーバ(管理サーバ)
C…QRコード(情報コード)
Cr…コード撮像範囲
D…ダミーコード(所定の識別表示)
P…撮像画像
Pr…表示画像