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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141289
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】発電ユニットおよび発電システム
(51)【国際特許分類】
   F02B 63/04 20060101AFI20241003BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F02B63/04 B
F02B63/04 C
H02K7/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052846
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和泉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】松田 義基
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607AA08
5H607BB02
5H607CC09
5H607DD18
5H607FF22
5H607JJ00
(57)【要約】
【課題】システムの保守方法を容易にする発電ユニットおよび発電システムを提供する。
【解決手段】発電ユニットは、内燃機関と、内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、
前記内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える、発電ユニット。
【請求項2】
前記発電ユニットの外部から燃料を前記内燃機関に導くための燃料受入口を更に備え、
前記燃料受入口は、前記支持構造体に支持されている、請求項1に記載の発電ユニット。
【請求項3】
前記発電機とは異なる電装品と、
前記電装品に外部から電力または信号を入力するための入力コネクタと、を更に備え、
前記入力コネクタは、前記支持構造体に支持されている、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項4】
前記支持構造体に支持された熱交換器を更に備え、
前記熱交換器は、前記内燃機関を挟んで、前記内燃機関の排気ポートに接続された排気管の反対側に配置される、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項5】
前記支持構造体に支持された熱交換器を更に備え、
前記被取付体に対して取り付けた状態の前記発電ユニットにおいて、前記熱交換器の下端は、前記内燃機関の上端よりも下方に位置する、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項6】
取込口を有し、前記取込口から取り込んだ吸気を前記内燃機関へ導く吸気管と、
排出口を有し、前記内燃機関からの排気を、前記排出口から外部に排出する排気管と、を更に備え、
前記取込口は、前記内燃機関を挟んで前記排出口の反対側に配置される、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項7】
排出口を有し、前記内燃機関からの排気を、前記排出口から外部に排出する排気管を更に備え、
前記発電機は、前記内燃機関を挟んで前記排出口の反対側に配置される、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項8】
排出口を有し、前記内燃機関からの排気を、前記排出口から外部に排出する排気管と、
前記発電機を制御する制御回路と、を更に備え、
前記制御回路は、前記内燃機関を挟んで前記排出口の反対側に配置される、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項9】
前記着脱構造は、
前記被取付体の被係合部に対して係合可能な係合部と、
前記支持構造体に対して支持されて、ロック位置とロック解除位置との2つの位置の間で変位可能な操作片と、
前記操作片が前記ロック位置にあるときに、前記係合部と前記被係合部とを係合状態とし、前記操作片が前記ロック位置から前記ロック解除位置に変位されることにより、前記係合部と前記被係合部との係合状態を解除するように、前記操作片の変位動作に前記係合部を連動させる連動部とを含む、請求項1または2に記載の発電ユニット。
【請求項10】
内燃機関と、前記内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、前記内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える、発電ユニットと、
前記発電ユニットが前記着脱構造を介して着脱される前記被取付体と、を備える、発電システム。
【請求項11】
前記被取付体は、所定の取付位置に前記発電ユニットを案内するためのガイドレールを有する、請求項10に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電ユニットおよび発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水素を燃料として運転可能な内燃機関を搭載し、当該内燃機関による出力軸の回転が駆動輪に伝達されることで推進する車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-038680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内燃機関に異常が生じた場合や定期点検などの保守作業を施す場合には、当該内燃機関を搭載したシステムによる活動が停止される。
【0005】
そこで、本開示の一態様は、システムの保守方法を容易にする発電ユニットおよび発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る発電ユニットは、内燃機関と、前記内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、前記内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る発電システムは、内燃機関と、前記内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、前記内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える、発電ユニットと、前記発電ユニットが前記着脱構造を介して着脱される前記被取付体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、システムの保守方法を容易にする発電ユニットおよび発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る発電ユニットを搭載した移動体の概略構成図である。
図2図1の移動体の駆動システムのブロック図である。
図3図3は、移動体に固定された状態の発電ユニットの概略斜視図である。
図4図4は、移動体に固定された状態の発電ユニットを、図3とは別の方向から見た概略斜視図である。
図5図5は、移動体に固定された状態の発電ユニットの概略上面図である。
図6図6は、移動体に固定された状態の発電ユニットの概略側面断面図である。
図7図7は、移動体に対するロックが解除された状態の発電ユニットの概略斜視図である。
図8図8は、ユニットロック機構を拡大して示す概略斜視図である。
図9図9は、第2実施形態に係る発電ユニットを説明するための図である。
図10図10は、図9に示すユニットロック機構を説明するための概略拡大側面断面図である。
図11図11は、第3実施形態に係る発電ユニットを説明するための図である。
図12図12は、第4実施形態に係る発電ユニットを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る発電ユニット40を搭載した移動体1の概略構成図である。本実施形態では、移動体1として鉄道車両が例示されている。移動体1は、車体2と、車体2の長手方向の両端部寄りに配置されて車体2を支持する一対の台車3とを有する。台車3は、複数の車輪3aを備える。車幅方向に間隔をあけて並ぶ2つの車輪3aは、車軸により連結される。移動体1は、電動車である。移動体1は、推進用動力発生装置である少なくとも1つの電気モータ11(図2参照)を備える。電気モータ11の出力軸は、動力伝達機構を介して少なくとも1つの車輪3aと連結されている。
【0012】
移動体1は、操作器6と、当該操作器6と通信可能に構成された車両コントローラ7を備える。操作器6は、運転室に設置された1以上のレバーまたはハンドルを含む。操作器6に対する運転手の操作入力に応じて、操作器6から車両コントローラ7に要求指令が送られる。操作器6は、走行指令を入力する走行操作器や、制動指令を入力する制動指令器などを含む。
【0013】
車両コントローラ7は、プロセッサ、システムメモリおよびストレージメモリを備える。車両コントローラ7は、操作器6から受信した要求指令に基づき、移動体1に搭載された電気モータ11を制御するための出力指令を生成する。また、車両コントローラ7は、電気モータ11の出力を制御するためのインバータ14(図2参照)に出力指令を送る。
【0014】
移動体1には、少なくとも1つの発電ユニット40と、少なくとも1つの燃料供給ユニット20と、統合装置16とが搭載されている。燃料供給ユニット20は、発電ユニット40に燃料を供給する。発電ユニット40は、電力を発生させる。統合装置16は、少なくとも1つの発電ユニット40と、少なくとも1つの燃料供給ユニット20を一括管理する。
【0015】
図2は、電気モータ11を駆動するための駆動システムのブロック図である。具体的には、図2には、発電ユニット40への燃料の供給系統、発電ユニット40で発電された電力の供給系統、電気モータ11を駆動するための通信系統が示される。なお、図2では、図の簡単化のため、移動体1が備える1つの電気モータ11のみ示す。また、図2では、4つの発電ユニット40と、1つの燃料供給ユニット20とが示されているが、移動体1に設置される発電ユニット40および燃料供給ユニット20の数はこれに限定されない。
【0016】
まず発電ユニット40および燃料供給ユニット20以外の要素について、説明する。図2に示すように、移動体1は、集電回路12、蓄電体13、インバータ14を備える。集電回路12には、移動体1の複数の発電ユニット40が、電気ケーブルなどを介して並列に電気的に接続されている。集電回路12は、複数の発電ユニット40で発生した電力を集約する。
【0017】
蓄電体13には、集電回路12を介して複数の発電ユニット40が電気的に接続されている。蓄電体13は、複数の発電ユニット40により発生した電力を充電する。蓄電体13は、例えばバッテリまたはキャパシタである。また、蓄電体13は、インバータ14を介して電気モータ11に電気的に接続されている。
【0018】
インバータ14は、直流電力を交流電力に変換して電圧調節して電気モータ11に供給するように構成されている。インバータ14は、車両コントローラ7から送られる出力指令に基づき、電気モータ11の出力を制御する。
【0019】
統合装置16は、通信インタフェース16aおよび統合コントローラ16bを含む。なお、統合コントローラ16bは、統合ECU(Electronic Control Unit)16bとも称する。通信インタフェース16aは、統合ECU16bを、車両コントローラ7、発電ユニット40、燃料供給ユニット20に通信可能に接続する。統合ECU16bは、車両コントローラ7、発電ユニット40および燃料供給ユニット20の少なくとも1つから受信した情報に基づき、燃料供給ユニット20に燃料供給指示を送ったり、複数の発電ユニット40に発電指示を送ったりする。また、統合ECU16bは、発電ユニット40から受信した情報に基づき、発電ユニット40の保守時期を判定し得る。
【0020】
(燃料供給ユニットの構成)
燃料供給ユニット20は、発電ユニット40の内燃機関41に燃料として水素ガスを供給する。図2に示すように、燃料供給ユニット20は、第1燃料タンク21、第2燃料タンク22、供給配管23、充填配管24、通信インタフェース25、燃料コントローラ26、支持構造体27などを備える。なお、燃料コントローラ26は、燃料ECU(Electronic Control Unit)26とも称する。
【0021】
第1燃料タンク21および第2燃料タンク22は、互いに同じ構造を有する。第1燃料タンク21および第2燃料タンク22は、燃料ガスとなる水素ガスを圧縮状態で貯留する。満タン状態の第1燃料タンク21および第2燃料タンク22の内圧は、大気圧よりも高く、具体的には内燃機関41の所定吸気圧よりも高い。
【0022】
第1燃料タンク21には、第1燃料タンク21のポートを開閉する第1開閉弁31が配置されている。第2燃料タンク22には、第2燃料タンク22のポートを開閉する第2開閉弁32が配置されている。第1開閉弁31および第2開閉弁32は、それぞれ電気的に制御可能な電磁弁である。
【0023】
供給配管23は、第1燃料タンク21および第2燃料タンク22から燃料を燃料供給ユニット20の外部に供給するための配管である。供給配管23の2つの上流側端部は、第1燃料タンク21および第2燃料タンク22に接続されている。また、供給配管23の1つの下流側端部は、供給口23dを含む。
【0024】
より詳しくは、供給配管23は、第1副供給配管23a、第2副供給配管23b、主供給配管23cを含む。第1副供給配管23aは、第1燃料タンク21を主供給配管23cに接続している。第2副供給配管23bは、第2燃料タンク22を主供給配管23cに接続している。即ち、第1副供給配管23aおよび第2副供給配管23bは、主供給配管23cの上流側において主供給配管23cから分岐している。主供給配管23cの下流側端部が、供給口23dを含む。後述するように、供給口23dは、接続管15を介して発電ユニット40の燃料受入口42aと接続されている。なお、接続管15には、開閉弁15aが配置されている。
【0025】
主供給配管23cには、減圧弁33が配置されている。減圧弁33は、主供給配管23cから内燃機関41に供給される水素ガスの圧力を所定吸気圧に維持するように、主供給配管23cを流れる水素ガスを減圧する。
【0026】
主供給配管23cにおける減圧弁33より下流側部分には、遮断弁34が配置されている。遮断弁34は、緊急時などに主供給配管23cから内燃機関41への水素ガスの供給を遮断可能なように主供給配管23cに配置されている。
【0027】
充填配管24は、第1燃料タンク21および第2燃料タンク22内に外部から燃料を導くための配管である。充填配管24の一端部は、主供給配管23cにおける減圧弁33より上流側部分に接続されている。充填配管24の他端部は、充填口24aを含む。充填配管24には、燃料が充填口24aに向かって流れることを防止する逆止弁35が配置されている。
【0028】
通信インタフェース25は、燃料ECU26を、燃料供給ユニット20の外部に設けられた統合装置16に通信可能に接続する。有線通信の場合には、通信インタフェース25は着脱自在な端子または通信コネクタである。無線通信の場合には、通信インタフェース25は公知の無線通信機である。
【0029】
燃料ECU26は、通信インタフェース25を介して統合装置16から受信した信号に基づいて、第1開閉弁31および第2開閉弁32を制御する。燃料ECU26は、プロセッサ、システムメモリおよびストレージメモリを備える。プロセッサは、例えば、中央演算処理装置(CPU)を含む。システムメモリは、例えば、RAMである。ストレージメモリは、ROMを含み得る。ストレージメモリは、ハードディスク、フラッシュメモリ又はそれらの組合せを含み得る。ストレージメモリは、プログラムを記憶している。
【0030】
燃料供給ユニット20が含む各要素21,22,23,24,25,26,31,32,33,34,35は、互いに固定されて一体化されている。具体的には、燃料供給ユニット20が含む各要素21,22,23,24,25,26,31,32,33,34,35は、支持構造体27によって支持されてユニット化されている。例えば、支持構造体27は、直方体の箱状である。燃料供給ユニット20が含む各要素21,22,23,24,25,26,31,32,33,34,35(支持構造体27を除く)が、箱状の支持構造体27の中に収容され、支持構造体27に対し直接または間接的に接続され、固定されている。
【0031】
支持構造体27は、燃料タンク21,22を支持した状態で車体2に着脱自在に構成されている。すなわち、燃料供給ユニット20は、車体2に対し着脱自在に搭載される。支持構造体27が車体2から取り外されることで、支持構造体27に搭載されている各要素を一度に車体2から取り外すことができる。燃料供給ユニット20は、車体2から取り外した状態で、メンテナンスや修理を行うことができる。燃料供給ユニット20は、同じ構造の別の燃料供給ユニット20と交換可能に構成される。
【0032】
(発電ユニットの構成)
発電ユニット40は、内燃機関41、燃料供給管42、発電機(モータ・ジェネレータ)43、インバータ44、電気インタフェース45、通信インタフェース46、電力コントローラ47などを備える。なお、電力コントローラ47は、電力ECU(Electronic Control Unit)47とも称する。
【0033】
内燃機関41は、燃料ガスを燃焼し、その燃焼エネルギーをクランクシャフト54の回転エネルギーに変換する。本実施形態では、内燃機関41は、水素ガスを燃料として使用可能に構成された水素エンジンである。内燃機関41は、例えば多気筒エンジンである。
【0034】
内燃機関41は、スロットル装置51、点火装置52、燃料供給装置53を含む。なお、発電ユニット40は、燃焼室の数に対応する数の点火装置52、燃料供給装置53を備えるが、図2では1つずつ示す。スロットル装置51は、内燃機関41の吸気量を調節する。例えばスロットル装置51は、スロットル弁をモータにより開閉動作させる電子制御スロットル装置である。点火装置52は、内燃機関41の燃焼室内の混合気に点火する。点火装置52は、例えば点火プラグである。燃料供給装置53は、内燃機関41の燃焼室内に燃料を供給する。燃料供給装置53は、例えば電子制御式のインジェクタである。
【0035】
燃料供給管42の一端部は、内燃機関41の燃料供給装置53に接続されている。燃料供給管42の他端部は、燃料受入口42aを含む。より詳しくは、燃料供給管42は、インジェクタレールを含み、燃料受入口42aから供給された燃料を複数の燃料供給装置53に分配する。燃料受入口42aは、流体インタフェース、または、流体コネクタとも称し得る。発電ユニット40の燃料受入口42aと、上述した燃料供給ユニット20の供給口23dとは、接続管15により接続されている。接続管15は、例えば車体2に支持される。供給口23dと燃料受入口42aとは、直接接続可能に構成されてもよい。水素ガスが、燃料供給ユニット20から、接続管15および燃料供給管42を介して内燃機関41の燃料供給装置53に導かれる。
【0036】
発電機43は、内燃機関41の回転動力により電力を発生させる。発電機43は、内燃機関41により駆動される。本実施形態では、2つの発電機43の回転軸43aが一体回転するように互いに連結されており、2つの発電機43の回転軸43aの一方が、クランクシャフト54と一体回転するようにクランクシャフト54に連結されている。回転軸43aには、ロータが設けられており、当該ロータに対向する位置に配置されたステータを含む。発電機43は、例えば三相誘導電動機である。
【0037】
2つのインバータ44が、2つの発電機43にそれぞれ対応して配置されている。2つのインバータ44は、それぞれ、2つの発電機43に電気的に接続されている。インバータ44は、発電機43により発電された交流電力を直流電力に変換する。インバータ44は、コンバータとも称し得る。例えばインバータ44は、インバータ回路および制御回路を含む。インバータ回路または制御回路は、「制御回路」の一例である。また、2つのインバータ44は、それぞれ、2つの電気インタフェース45に電気的に接続されている。
【0038】
電気インタフェース45は、発電ユニット40により生成された電力を外部に供給するためのインタフェースである。電気インタフェース45は、発電ユニット40のインバータ44を、発電ユニット40の外部に設けられた蓄電体13に電気的に接続する。接触給電の場合には、電気インタフェース45は電力コネクタである。非接触給電の場合には、電気インタフェース45はコイルである。本実施形態では、発電ユニット40ごとに電気インタフェース45が配置されたが、2つの発電ユニット40の電力をまとめて外部へ供給する1つの電気インタフェース45が配置されてもよい。
【0039】
通信インタフェース46は、電力ECU47を、発電ユニット40の外部にある統合装置16に通信可能に接続する。本実施形態では、有線通信の場合には、通信インタフェース46は通信コネクタである。通信インタフェース46は、「入力コネクタ」の一例である。無線通信の場合には、通信インタフェース46は公知の無線通信機である。
【0040】
電力ECU47は、通信インタフェース46を介して統合装置16から受信した発電指示に基づいて、内燃機関41およびインバータ44を制御する。電力ECU47は、プロセッサ、システムメモリおよびストレージメモリを備える。プロセッサは、例えば、中央演算処理装置(CPU)を含む。システムメモリは、例えば、RAMである。ストレージメモリは、ROMを含み得る。ストレージメモリは、ハードディスク、フラッシュメモリ又はそれらの組合せを含み得る。ストレージメモリは、プログラムを記憶している。
【0041】
また、電力ECU47は、通信インタフェース46を介して統合装置16と通信する。具体的には、電力ECU47は、発電ユニット40の状態を示す状態情報を、発電ユニット40を識別するユニット識別情報(ユニットID)に紐づけて、通信インタフェース46を介して統合装置16に送信する。
【0042】
状態情報は、経年損傷に関する情報を含む。また、状態情報は、過去の運転履歴を含んでもよい。例えば状態情報は、内燃機関41の回転数、内燃機関41の発生トルク、内燃機関41の運転履歴、発電機43の発電量、発電ユニット40が外部から受けた衝撃力、または、発電ユニット40の構成要素の寿命に関する情報を含んでもよい。
【0043】
また、発電ユニット40は、冷却流路81、ラジエータ82、冷媒ポンプ83を備える。ラジエータ82および冷媒ポンプ83は、冷却流路81に介在している。冷却流路81は、冷媒ポンプ83が吐出した冷媒を内燃機関41に導き、内燃機関41を冷却した冷媒を冷媒ポンプ83に戻す循環流路である。冷媒は、例えば水である。冷却流路81は、発電機43やインバータ44を冷却するよう、発電機43やインバータ44に冷媒を導いてもよい。ラジエータ82は、冷却流路81を循環する冷媒の放熱をする。冷媒ポンプ83は、クランクシャフト54の回転に機械的に連動して駆動される機械式ポンプでもよいし、電力ECU47により制御される電動式ポンプでもよい。ラジエータ82は、「熱交換器」の一例である。本実施例では、発電ユニット40は、2つのラジエータ82を有する。
【0044】
発電ユニット40は、支持構造体100を備える。発電ユニット40が備える各種要素(支持構造体100を除く)は、支持構造体100によって支持されてユニット化されている。発電ユニット40が含む各要素(支持構造体100を除く)が、支持構造体100に対し直接または間接的に接続され、固定されている。
【0045】
本実施形態では、支持構造体100が移動体1に対して着脱自在に構成された着脱構造を有している。すなわち、互いに着脱可能な発電ユニット40側の着脱構造と移動体1側の着脱構造とにより、移動体1に対して発電ユニット40の移動が規制されるようロックすることができる。支持構造体100の着脱構造は、ボルトおよびナットによる締結を不要とするボルトレスの着脱構造である。
【0046】
なお、移動体1の車体2は、所定の取付位置に発電ユニット40を案内するための一対のガイドレール203(図3参照)を備えており、一対のガイドレール203が、移動体1側の上記着脱構造を有している。発電ユニット40の支持構造体100を一対のガイドレール203に沿わせた状態で移動させることで、取付位置への支持構造体100の位置決め作業を容易化することができる。
【0047】
(発電ユニットの具体的構成)
次に、発電ユニット40の具体的構成について、図3乃至6を参照して説明する。なお、図3乃至6および後述の図7乃至12の各図において、発電ユニット40が有する一部の要素を省略して示す。
【0048】
図3乃至6は、移動体1における所定の設置位置に発電ユニット40を設置して、移動体1に固定された状態の発電ユニット40を示す。図3は、移動体1に固定された状態の発電ユニット40の概略斜視図である。図4は、移動体1に固定された状態の発電ユニット40を、図3とは別の方向から見た概略斜視図である。図5は、移動体1に固定された状態の発電ユニット40の概略上面図である。図6は、移動体1に固定された状態の発電ユニット40の概略側面断面図である。
【0049】
以下の説明では、便宜上、発電ユニット40について、ガイドレール203に沿って動かされる水平方向を第1方向と称し、上下方向および第1方向に直交する水平方向を第2方向と定義する。特に、ガイドレール203に置かれた発電ユニット40においては、取付位置に向かって発電ユニット40を移動させる方向を、第1方向における奥側とし、取付位置から発電ユニット40を遠ざける方向を、第1方向における手前側と定義し、第2方向における一対のガイドレール203の中間に近い方を第2方向内側とし、当該中間から遠ざかる方を第2方向外側とする。本実施形態において、発電ユニット40は、第2方向の長さよりも第1方向の長さが大きい。このため、発電ユニット40の第1方向は、長手方向とも称し、発電ユニット40の第2方向を短手方向とも称し得る。
【0050】
図3に示すように、本実施形態では、支持構造体100は、複数のフレーム101を含む。複数のフレーム101は、互いに組み合わされて全体として略直方体形状を呈している。発電ユニット40が有する各種要素(支持構造体100を除く)は、複数のフレーム101によって囲まれた空間である略直方体状の空間S(以下、「収容空間S」と称する)内に配置されている。発電ユニット40が有する各種要素は、支持構造体100により支持されている。
【0051】
複数のフレーム101は、第2方向に所定の間隔をあけて配置された2つの略方形状の環状の第1フレーム101aと、2つの環状の第1フレーム101aを連結する複数の第2フレーム101bとを含む。本実施形態では、第1フレーム101aの第1方向の長さは、第1フレーム101aの上下方向の長さより長い。第1フレーム101aの第1方向の長さは、第2フレーム101bの長さより長い。複数のフレーム101は、上下方向や上下方向に対し斜めに延びるフレームを含んでもよい。
【0052】
2つの第1フレーム101aの間隔は、一対のガイドレール203の間隔に対応した長さである。第1フレーム101aのうち第1方向に直線状に延在するフレーム下部は、ガイドレール203(より詳しくは後述の水平部203a)上をスライドする部分である。第1フレーム101aは、第2方向に見て角丸方形状の環状である。すなわち、第1フレーム101aの4つの角部は、第2方向に見て略円弧状である。これにより、ガイドレール203上を第1方向に発電ユニット40をスライドさせやすい。なお、第1フレーム101aの4つの角部のうち、下側の2つの角部のみスライドさせやすい形状であってもよい。また、角部は、第2方向に見て略円弧状でなくてもよく、面取り加工により形成された形状でもよい。各第2フレーム101bは、棒状であり、第2方向に延在する。
【0053】
また、支持構造体100は、底板102を有する。底板102は、2つの第1フレーム101aの下部の間に配置され、2つの第1フレーム101aの下部に接続されている。底板102は、内燃機関41を下方から支持する。
【0054】
より詳しくは、内燃機関41は、エンジン本体55を含む。エンジン本体55は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケースを有する。シリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケースが、上下方向に上から順に連結されている。なお、シリンダヘッドは、シリンダヘッドカバーも含む。本実施形態では、クランクシャフト54の延びる方向が、支持構造体100の長手方向に平行に延びる。これによって気筒が一列に並ぶ多気筒エンジンを支持構造体100で囲まれた収容空間S内に収容しやすい。
【0055】
エンジン本体55には、複数(本例では4本)の脚91が取り付けられている。複数の脚91は、エンジン本体55から下方へと延び、エンジン本体55を支持する。各脚91の下端部に、防振部材であるラバーマウント92が取り付けられている。ラバーマウント92は、支持構造体100に固定されている。より詳しくは、ラバーマウント92は、底板102に固定されている。ラバーマウント92により、被設置対象である移動体1およびエンジン本体55の一方から他方に伝わる振動を低減する。本実施形態では、内燃機関41は、支持構造体100に対して防振部材を介して固定される、いわゆるラバーマウントされている。内燃機関41以外の発電ユニット40が含む各種要素は、支持構造体100に対して、防振部材を介さずに固定される、いわゆるリジッドマウントされている。ラバーマウントされる各種要素として、エンジン本体55のほかに、エンジン本体55に配管を介して接続される構成要素、たとえば後述のエアクリーナ71、過給機73およびマフラ79が挙げられる。リジットマウントされる各種要素として、発電機43、電力ECU47、インバータ44などの電装部品が挙げられる。
【0056】
発電ユニット40が有する各種インタフェース、例えば流体インタフェース42a、電気インタフェース45、通信インタフェース46は、複数のフレーム101によって囲まれた空間である略直方体状の収容空間Sにおける4つの側面の中の同じ1つの側面付近に配置されている。例えば図3に示すように、支持構造体100は、収容空間Sにおける第1方向手前側の側面付近においてフレーム101に固定された側板104を有する。側板104は、電気インタフェース45および通信インタフェース46を一体的に支持する。また、図6に示すように、燃料供給管42の流体インタフェース42aも、収容空間Sにおける第1方向手前側の側面付近に配置されている。なお、図6以外の図では、燃料供給管42を省略している。流体インタフェース42aは、側板104に支持されていてもよいし、あるいはフレーム101に直接または側板104とは別の部材により支持されていてもよい。このように、各種インタフェースを収容空間Sの一側面に集約することで、移動体1への発電ユニット40を設置する際の各種インタフェースへの接続作業や移動体1から発電ユニット40を取り外す際の各種インタフェースの切り離し作業を作業者がスムーズに行うことができる。
【0057】
図6に示すように、エンジン本体55内におけるクランクシャフト54の延在方向B1は、第1方向に平行である。また、エンジン本体55内におけるクランクシャフト54の上方において、吸気弁および排気弁を開閉駆動するカムシャフトが配置されている。なお、図6では、カムシャフトの延在方向B2を示す。カムシャフトは、クランクシャフト54から動力が伝達されて駆動する。具体的には、エンジン本体55内における第1方向一方側(本例では手前側)には、動力伝達空間Dがあり、当該動力伝達空間Dに、クランクシャフト54の一端部とカムシャフトの一端部と接続するカムチェーンが配置されている。クランクシャフト54の駆動力が、カムチェーンを介してカムシャフト61に伝達される。
【0058】
カムチェーンと接続される端部とは反対側のクランクシャフト54の端部54bが、発電機43の回転軸43aと結合されている。発電機43の回転軸43aとクランクシャフト54とは、同軸上に位置する。発電機43の回転軸43aとクランクシャフト54とは、いずれも第1方向に延びている。クランクシャフト54と発電機43の回転軸43aとは、自在接手93で接続されている。ただし、クランクシャフト54と発電機43の回転軸43aとが、自在接手なしで直接的に連結されていてもよい。本実施形態では、クランクシャフト54の延長線上に、2つの発電機43が配置されている。2つの発電機43は、軸方向に連結されている。2つの発電機43の回転軸43aは同軸上に位置し、互いに共回転するように互いに結合されている。
【0059】
図3に示すように、発電ユニット40は、取込口P1から取り込んだ吸気を内燃機関41の吸気ポートへ導く吸気管70Aと、内燃機関41の排気ポートからの排気を排出口P2に導いて外部へ排出する排気管70Bとを備える。
【0060】
吸気管70Aは、エアクリーナ71、過給機73、吸気チャンバボックス75を備える。エアクリーナ71、過給機73、吸気チャンバボックス75が、吸気の流れ方向の上流から下流に向かってこの順に配置されている。エアクリーナ71は取込口P1を有する。エアクリーナ71と過給機73とが吸気管部72により接続され、過給機73と吸気チャンバボックス75とが吸気管部74により接続される。エアクリーナ71は、吸気として取り込まれた外気を浄化する。過給機73は、エアクリーナ71を通過した吸気を圧縮し、吸気チャンバボックス75に送る。過給機73は、排気ガスの流れを利用して空気を圧縮するターボチャージャーである。吸気チャンバボックス75は、吸気圧脈動を吸収する。
【0061】
吸気チャンバボックス75から、複数の燃焼室にそれぞれ対応する複数の吸気管部76がそれぞれ延びている。吸気チャンバボックス75から吸気管部76を通じて燃焼室に吸気が送られる。
【0062】
吸気管部74には、電子制御式のスロットル装置51が配置されている。スロットル装置51は、吸気管部74の吸気通路に配置され、開度の変更により内燃機関41に取り込む空気量を調整するためのスロットルバルブを含む。ただし、スロットル装置51は、複数のスロットルバルブを備えてもよく、複数のスロットルバルブが、複数の燃焼室に対応する複数の吸気管部76にそれぞれ配置されてもよい。
【0063】
排気管70Bは、マフラ79を備える。具体的には、複数の排気ポートからは、それぞれ、排気管70Bの一部である複数の排気管部77が延びている。複数の排気管部77は、過給機73に排気を導く。過給機73は、複数の排気管部77により導かれた排気によって駆動する。過給機73を通過した排気は、排気管部78を通じてマフラ79へ導かれる。マフラ79は、内燃機関41の排気音を消音する。マフラ79を通過した排気は、排出口P2から外部に放出される。排気管70Bには、排気を浄化するための触媒が介在されていてもよい。
【0064】
エアクリーナ71は、内燃機関41を挟んでマフラ79の反対側に配置される。図5に示すように、エアクリーナ71、エンジン本体55およびマフラ79は、第1方向に垂直な方向から見て互いに重ならない。エアクリーナ71、エンジン本体55およびマフラ79は、第1方向における手前側に向かってこの順に並んでいる。すなわち、エアクリーナ71は、エンジン本体55に対して第1方向における一方側(奥側)に位置し、マフラ79は、エンジン本体55に対して第1方向における他方側(手前側)に位置する。エアクリーナ71と過給機73とを接続する吸気管部72は、過給機73から第1方向奥側に延びており、また、過給機73とマフラ79とを接続する排気管部78は、過給機73から第1方向手前側に延びている。
【0065】
エアクリーナ71とマフラ79とは、上下方向にずれて配置されている。エアクリーナ71の中心が、マフラ79の中心よりも上方に配置される。エアクリーナ71の長手方向が第1方向に延びるのに対して、マフラ79の長手方向が第2方向に延びる。エアクリーナ71の取込口P1と、マフラ79の排気排出口とが、第1方向にそれぞれ離れて配置される。取込口P1は、内燃機関41を挟んで排出口P2の反対側に配置される。取込口P1が奥側に開放され、排出口P2が手前側に開放される。マフラ79と内燃機関41とが第1方向から見て一部重なる。本実施形態では、取込口P1と排出口P2とが、互いに逆方向に向いている。取込口P1と排出口P2の一方は、第2方向一方側を向いており、他方は、第2方向他方側を向いている。エアクリーナ71と内燃機関41とが第1方向から見て一部重なる。第1方向におけるエアクリーナ71とマフラ79との間に過給機73が配置される。過給機73は、内燃機関41に対して第2方向に並んで配置される。
【0066】
また、2つの発電機43は、内燃機関41を挟んでマフラ79の反対側に配置される。図5に示すように、発電機43、エンジン本体55およびマフラ79は、第1方向に垂直な方向から見て互いに重ならない。発電機43、エンジン本体55およびマフラ79は、第1方向における手前側に向かってこの順に並んでいる。すなわち、発電機43は、エンジン本体55に対して第1方向における一方側(奥側)に位置し、マフラ79は、エンジン本体55に対して第1方向における他方側(手前側)に位置する。発電機43とエアクリーナ71とが隣接して配置される。図5に示すように、上下方向に見て、発電機43とエアクリーナ71とが一部重なる。発電機43よりも上方にエアクリーナ71が配置される。
【0067】
また、2つのインバータ44は、内燃機関41を挟んでマフラ79の反対側に配置される。インバータ44、エンジン本体55およびマフラ79は、第1方向に垂直な方向から見て互いに重ならない。インバータ44、エンジン本体55およびマフラ79は、第1方向における手前側に向かってこの順に並んでいる。インバータ44は、第2方向における内燃機関41に対してラジエータ82が位置する側とは反対側に配置される。
【0068】
2つのインバータ44は、複数のフレーム101によって囲まれた空間である略直方体状の収容空間Sにおける側面付近に配置されている。2つのインバータ44は、第1フレーム101aに上面視で重なり、且つ、上下方向における第1フレーム101aの上部と下部との間にあるように配置されている。インバータ44が外方に向いていることで、インバータ44と外気とを接触させやすく、インバータ44の温度上昇を抑えやすい。また、インバータ44は、取込口P1の近傍に配置される。具体的には、収容空間Sにおける同じ側面付近に、インバータ44と取込口P1とは配置されている(図5参照)。このため、インバータ44周囲の空気に流れを与えやすく、インバータ44と空気の接触によるインバータ44の放熱効果を高めやすい。
【0069】
2つのラジエータ82は、複数のフレーム101によって囲まれた空間である略直方体状の収容空間Sにおける側面付近に配置されている。2つのラジエータ82は、第1フレーム101aに上面視で重なり、且つ、上下方向における第1フレーム101aの上部と下部との間にあるように配置されている。
【0070】
ラジエータ82は、第2方向に見て方形状である。各ラジエータ82は、方形状のラジエータ本体と、当該ラジエータ本体に固定された冷却ファン82aとを含む。2つのラジエータ82は、第1方向に、言い換えればクランクシャフト54の延在方向に並んで配置されている。2つのラジエータ82は、冷却ファン82aの回転軸が第2方向に平行となるように配置されている。
【0071】
ラジエータ82は、内燃機関41または内燃機関41に接続される複数の吸気管部76を挟んで、内燃機関41の排気ポートに接続された複数の排気管部77の反対側に配置されている。具体的には、図5に示すように、ラジエータ82が位置する側で内燃機関41に複数の吸気管部76が接続されており、ラジエータ82が位置する側とは反対側で内燃機関41に複数の排気管部77が接続されている。すなわち、内燃機関41は、吸気ポートが排気ポートよりラジエータ82に近い側に位置するように配置されている。ラジエータ82は、複数の吸気管部76よりも複数の排気管部77が遠位側に位置するように支持構造体100に固定されている。
【0072】
図6に示すように、被取付体である移動体1に対して発電ユニット40を取り付けた状態において、ラジエータ82の下端は、内燃機関41の上端よりも下方に位置している。被取付体である移動体1に対して発電ユニット40を取り付けた状態において、ラジエータ82の上端は、内燃機関41の上端よりも下方に位置していてもよい。
【0073】
次に、互いに着脱可能な発電ユニット40側の着脱構造と移動体1側の着脱構造とについて、説明する。発電ユニット40側の着脱構造と移動体1側の着脱構造の一方の着脱構造は、被係合部を有しており、他方の着脱構造は、被係合部に対して係合可能な係合部と、ロック位置とロック解除位置との2つの位置の間で変位可能な操作片と、操作片がロック位置にあるときに、係合部と被係合部とを係合状態とし、操作片がロック位置からロック解除位置に変位されることにより、係合部と被係合部との係合状態を解除するように、操作片の変位動作に係合部を連動させる連動部とを含む。このような着脱構造であるため、作業者が操作する操作片の位置の変更により、連動部を介して、移動体1に対して発電ユニット40をロックした状態とロックを解除した状態とが切り替わる。
【0074】
例えば係合部を有する着脱構造は、被係合部に対して係合可能な係合部と、支持構造体に対して、ロック位置とロック解除位置との間で回転可能に軸支された回転部材と、回転部材に対して接続された付勢部材であって、回転部材がロック位置にあるときに、係合部と被係合部との係合状態を保持するための付勢力を発生させる付勢部材と、を含み、着脱構造は、付勢力に抗して回転部材がロック位置からロック解除位置に回動されることにより、係合部と被係合部との係合状態が解除されるように構成されてもよい。
【0075】
以下、互いに着脱可能な発電ユニット40側の着脱構造と移動体1側の着脱構造のセットを、ユニットロック機構と称することとする。本実施形態では、2種類のユニットロック機構M1,M2により、移動体1に対して発電ユニット40をロックされる。以下、ユニットロック機構M1,M2を、区別するために、それぞれ、第1ユニットロック機構M1および第2ユニットロック機構M2と称することとする。
【0076】
図7は、ロックが解除された状態の発電ユニット40を示す概略斜視図である。本実施形態において、発電ユニット40の設置個所は、移動体1における上下方向に垂直な設置面201上であって、当該設置面201から直立した壁面202に面する位置である。設置面201上には、上述した一対のガイドレール203が固定されている。一対のガイドレール203は、発電ユニット40の着脱構造によって移動体1に対して取り付け可能な位置である所定の取付位置に発電ユニット40を案内するためのものである。なお、各図では、1組のガイドレール203と1つの発電ユニット40を示すが、移動体1は、複数組のガイドレール203を備えていてもよい。例えば複数組のガイドレール203は、例えば壁面202に沿って並んでいてもよい。
【0077】
一対のガイドレール203は、互いに所定の間隔をあけて配置される。一対のガイドレール203は、壁面202に対し垂直な方向に延びている。一対のガイドレール203は互いに対称な形状である。一方のガイドレール203は、延在方向に見て略L字状であり、他方のガイドレール203は逆L字状である。各ガイドレール203は、壁面202に対し垂直な方向に延在し上下方向に垂直な板状の水平部203aと、当該水平部203aの幅方向における他方のガイドレール203の遠位側の端縁部から垂直に立ち上がる垂直部203bとを含む。発電ユニット40は水平部203aの上をスライドする。一対のガイドレール203の垂直部203bの間の間隔は、発電ユニット40に応じた長さである。第1ユニットロック機構M1および第2ユニットロック機構M2は、ガイドレール203上の所定の取付位置に置かれた状態の発電ユニット40を、移動体1に対して移動が規制されるようにロックする。
【0078】
(第1ユニットロック機構)
第1ユニットロック機構M1は、発電ユニット40の着脱構造である2つの被係合部103と、被取付体である移動体1の着脱構造である2つのロック装置210とを含む。ロック装置210は、被係合部103と係合可能な係合部211を有する。
【0079】
2つのロック装置210は、壁面202に沿った水平方向に互いに間隔をあけて配置され、壁面202に固定されている。発電ユニット40における2つの被係合部103は、第2方向(すなわち短手方向)に互いに間隔をあけて配置される。
【0080】
被係合部103は、収容空間Sにおける第1方向奥側の側面付近において、1以上のフレーム101に固定されている。被係合部103は、水平方向に垂直な板状部103aと、当該板状部103aを貫通する係合孔103bとを含む。板状部103aは、発電ユニット40がガイドレール203上の取付位置に位置するときに、第1方向に壁面202に向き合う。係合孔103bは、長穴である。図4に示すように、2つの被係合部103の係合孔103bは、別々の板部材に配置されているが、1つの板部材に配置されてもよい。
【0081】
ロック装置210は、ツイストロック式である。ロック装置210は、係合部211と、基台212と、軸213と、を有する。基台212は、例えば被取付体である移動体1における壁面202上に固定されている。軸213は、壁面202から垂直に延びている。言い換えれば、軸213は、ガイドレール203の延在方向に延びる。軸213は、基台212に回転可能に支持されている。軸213は、基台212から突き出ており、軸213の端部に係合部211が固定されている。係合部211は、軸213と一体的に回転する。
【0082】
係合部211は、軸213の延在方向に垂直な方向に延びる横長形状である。係合部211は、係合部211と係合孔103bの延びる方向が一致するときに、係合孔103bを通過可能であり、係合部211と係合孔103bの延びる方向が一致しないとき、係合孔103bを通過不能となる。
【0083】
ロック装置210は、軸213を手動で回転させるように構成されてもよいし、自動で回転させるように構成されてもよい。例えば、基台212には、軸213を、当該軸213の軸線回りに人力で回転操作するためのレバーが配置されていてもよい。この場合、レバーは、上述の操作片に対応し、軸213は、上述の連動部に対応する。あるいは、例えば、軸213は、アクチュエータにより回転可能であってもよい。例えば基台212に軸213を回転駆動するアクチュエータが配置されてもよい。この場合、例えばアクチュエータは、自動で軸213を回転させるように構成されてもよい。
【0084】
第1ユニットロック機構M1による移動体1に対する発電ユニット40のロックについて説明する。係合孔103bの延びる方向と、係合部211の延びる方向を合わせた状態で、ガイドレール203に沿って取付位置に発電ユニット40をスライドさせて、係合部211を係合孔103bに挿通させる。その後、軸213を90度回転すると、係合部211は係合孔103bから抜け出し不能となる。こうして、移動体1に対する発電ユニット40の第1方向手前側の移動を規制できる。
【0085】
第1ユニットロック機構M1による移動体1に対する発電ユニット40のロックの解除は、上述のロックに関する手順とは逆の手順により実施できる。
【0086】
(第2ユニットロック機構)
一対のガイドレール203の奥側端部に2つの被係合部220が配置されている。発電ユニット40は、2つのロック装置110を備えており、ロック装置110は、被係合部220と係合可能な係合部115aを有する。第2ユニットロック機構M2は、移動体1の着脱構造である被係合部220と、発電ユニット40の着脱構造であるロック装置110とにより構成される。
【0087】
図8は、第2ユニットロック機構M2を拡大して示す概略斜視図である。被係合部220は、フック状である。フック状の被係合部220は、奥側に開口している。被係合部220は、例えば垂直部203bから第2方向外側に突出している。
【0088】
2つのロック装置110は、発電ユニット40が取付位置に位置する状態で被係合部220と着脱できるよう、第1フレーム101aの下部の奥側端部近傍に位置する。ロック装置110は、レバー111と、レバー支持部112と、保持部材113と、付勢部材114と、係合部材115とを含む。レバー111は、回転部材の一例である。
【0089】
レバー111は、棒状である。レバー支持部112は、第1フレーム101aの下部に固定されている。レバー111の一端部が、レバー支持部112により軸支されている。具体的には、レバー支持部112は、第1フレーム101aの下部から第2方向外側に突出した突出片112aと、突出片112aとレバー111とを連結する連結体112bとを含む。連結体112bは、突出片112aを上下方向に貫通する貫通孔と、レバー111の一端部を上下方向に貫通する貫通孔とを挿通している。こうして、レバー111は、レバー支持部112に対して、上下方向に延びる軸線C1を中心に所定のロック位置とロック解除位置との間で回転可能となっている。
【0090】
本実施形態において、ロック位置は、軸線C1から軸線C2に向かう方向が第1方向に平行となるようにレバー111を軸線C1から後方に延在させたときのレバー111の位置である。言い換えれば、ロック位置は、軸線C2が被係合部220から最も遠い位置にあるときのレバー111の位置である。ロック解除位置は、軸線C1から軸線C2に向かう方向が第1方向に対して傾けたときのレバー111の位置である。
【0091】
また、保持部材113は、レバー111に対して揺動自在に連結されている。具体的には、レバー111は、レバー支持部112と連結するための貫通孔とは別に、保持部材113と連結するための貫通孔を有する。保持部材113は、略U字状であり、その両端部にそれぞれ2つの貫通孔がある。レバー111の貫通孔が保持部材113の貫通孔と上下方向に並ぶように、保持部材113の両端部でレバー111を挟んだ状態で、連結体116が、保持部材113の貫通孔およびレバー111の貫通孔とを挿通している。こうして、保持部材113は、レバー111に対して、上下方向に延びる軸線C2を中心に揺動可能となっている。
【0092】
保持部材113は、付勢部材114を保持する。また、保持部材113は、係合部材115と互いに対して相対移動可能に接続されている。すなわち、保持部材113、付勢部材114および係合部材115が、一体的にレバー111に対して、軸線C2を中心に揺動可能に接続されている。
【0093】
係合部材115は、環状の係合部115aと、保持部材113の中央部を貫通する棒状部115bと、ストッパ115cとを含む。ストッパ115cは、保持部材113に覆われた空間、つまり、保持部材113の中央部と両端部との間に配置されている。棒状部115bの一端部は、環状の係合部115aに接続され、棒状部115bの他端部は、ストッパ115cに接続されている。
【0094】
付勢部材114は、圧縮コイルバネである。付勢部材114は、保持部材113に覆われた空間に配置されている。保持部材113の中央部の貫通孔を挿通した棒状部115bは、付勢部材114の径方向内方を挿通している。このため、付勢部材114の両端部は、ストッパ115cと保持部材113の中央部とにそれぞれ当接している。こうして、付勢部材114は、ストッパ115cと保持部材113の中央部との間に保持される。レバー111は、上述の操作片に対応し、レバー111と係合部115aとを接続する各種要素(棒状部115b、保持部材113など)は、上述の連動部に対応する。
【0095】
第2ユニットロック機構M2による移動体1に対する発電ユニット40のロックについて説明する。ガイドレール203に沿って取付位置へ向けて発電ユニット40をスライドさせる。発電ユニット40が取付位置に位置するときに、レバー111をロック解除位置に回動させた状態で、被係合部220と係合部115aとを係合させる。すなわち、フック状の被係合部220に環状の係合部115aを引っ掛ける。その後、レバー111を付勢部材114の付勢力に抗してロック解除位置からロック位置に揺動させる。これにより、移動体1に対して発電ユニット40がロックされる。より詳しくは、付勢部材114の付勢力により、係合部115aと被係合部220との係合状態が保持され、移動体1に対する発電ユニット40の第1方向手前側の移動を規制できる。
【0096】
なお、取付位置では、壁面202があるため、発電ユニット40の奥側への移動も規制されている。本実施形態では、壁面202に固定された基台212に支持構造体100が当接することで、発電ユニット40の奥側への移動が規制される。このため、レバー111をロック解除位置からロック位置に揺動させる際に、付勢部材114の付勢力で発電ユニット40が奥側へ動かない。
【0097】
ユニットロック機構M2による移動体1に対する発電ユニット40のロックを解除する場合、付勢力に抗してレバー111をロック位置からロック解除位置に回動させる。これにより、軸線C2が被係合部220に近づき、付勢部材114の付勢力が消失し、付勢部材114がフリーの状態となる。その後、フック状の被係合部220から環状の係合部115aを取り外すことで、ユニットロック機構M2による移動体1に対する発電ユニット40の移動の規制が解除される。
【0098】
(作用効果)
以上に説明したように、本実施形態によれば、発電ユニット40の支持構造体100が、被取付体である移動体1に着脱自在に構成された着脱構造を有する。このため、発電ユニット40を移動体1から取り外してメンテナンスすることができる。また、被取付体である移動体1に取り付けられた状態でのメンテナンス作業を省略することができるため、被取付体に取り付けられた状態でメンテナンス作業が必要となる内燃機関や発電機と比べて、メンテナンス作業が容易となる。
【0099】
発電ユニット40は、同じ構造の別の発電ユニット40と交換可能に構成される。このため、移動体1に搭載された1以上の発電ユニット40のうち、保守が必要な発電ユニット40がある場合、当該保守が必要な発電ユニット40を、保守済みの別の発電ユニット40に交換することによって、内燃機関41を搭載したシステムによる活動が停止されることを防ぐことができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、発電ユニット40が、外部から燃料を内燃機関41に導くための燃料受入口42aを備えている。このため、内燃機関41が発電ユニット40の外部から燃料を受け入れるため、発電ユニット40が燃料タンクを備える必要がない。
【0101】
また、本実施形態によれば、発電ユニット40の電装品に、通信インタフェース46を介して外部から信号を入力できるため、電装品へ信号を供給する装置を、発電ユニット40自体が備える必要がない。
【0102】
また、本実施形態によれば、ラジエータ82は、内燃機関41を挟んで、内燃機関41の排気ポートに接続された排気管部77の反対側に配置されている。このため、排気管部77からラジエータ82を遠ざけることができ、排気管部77から熱がラジエータ82に伝わるのを抑制できる。
【0103】
また、本実施形態によれば、移動体1に対して発電ユニット40を取り付けた状態において、ラジエータ82の下端は、内燃機関41の上端よりも下方に位置している。このため、内燃機関41から上方に向かう熱気がラジエータ82に向かうのを抑制できる。
【0104】
また、本実施形態によれば、エアクリーナ71は、内燃機関41を挟んでマフラ79の反対側に配置されるため、マフラ79からの排気がエアクリーナ71に流入することを抑制できる。
【0105】
また、本実施形態によれば、発電機43が、内燃機関41を挟んでマフラ79の反対側に配置されるため、マフラ79を通過する排気の熱が発電機43に伝わるのを抑制できる。
【0106】
また、本実施形態によれば、インバータ44が、内燃機関41を挟んでマフラ79の反対側に配置されるため、マフラ79を通過する排気の熱がインバータ44に伝わるのを抑制できる。
【0107】
また、本実施形態によれば、ロック装置110は、レバー111の回転操作で、発電ユニット40側の係合部115aと移動体1側の被係合部220との係合または係合解除を行うことができるため、移動体1側に発電ユニット40の着脱のための構成を簡素化できる。
【0108】
また、本実施形態によれば、移動体1がガイドレール203を有するため、発電ユニット40を、ガイドレール203上を滑らせながら所定の取付位置に案内することができ、発電ユニット40を所定の取付位置に位置決めしやすい。
【0109】
また、本実施形態によれば、インバータ44やラジエータ82が、複数のフレーム101によって囲まれた空間である略直方体状の収容空間Sにおける側面付近に配置されているため、内燃機関41の熱がインバータ44やラジエータ82に伝わるのを抑制できる。
【0110】
また、本実施形態によれば、インバータ44やラジエータ82が、複数のフレーム101によって囲まれた空間である略直方体状の収容空間Sにおける側面付近に配置されているため、内燃機関41の熱がインバータ44やラジエータ82に伝わるのを抑制できる。
【0111】
また、本実施形態によれば、発電機43、エアクリーナ71が、上面視でエンジン本体55に重ならない位置にあるため、エンジン本体55の真上に発電機43またはエアクリーナ71を配置する場合と比べて、内燃機関41の熱がインバータ44やラジエータ82に伝わるのを抑制できる。
【0112】
また、本実施形態によれば、エンジン本体55が、上面視で排気管部78やマフラ79に重ならない位置にあるため、排気管部78またはマフラ79の真上にエンジン本体55を配置する場合と比べて、排気管部78やマフラ79の熱がエンジン本体55に伝わるのを抑制できる。
【0113】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る発電ユニット40Aについて説明する。図9および10は、第2実施形態に係る発電ユニット40Aを説明するための図である。図9は、第2実施形態に係るユニットロック機構M3により移動体1に固定された状態の発電ユニット40Aの概略斜視図を示す。図10は、ユニットロック機構M3を説明するための概略拡大側面断面図である。第2実施形態では、第1実施形態で説明されたユニットロック機構M2とは異なる構成のユニットロック機構M3により移動体1に対して発電ユニット40Aの移動の規制が可能となっている。
【0114】
なお、本実施形態および後述の第3実施形態、第4実施形態において、発電ユニット40が備える着脱構造と、当該着脱構造と着脱可能な被取付体側の着脱構造の構成とを除いて、第1実施形態の各種要素と同じである。このため、本実施形態および後述の第3実施形態、第4実施形態の説明において、着脱構造に関連する要素を主に説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。
【0115】
一対のガイドレール203の奥側端部に2つの被係合部220が配置されている。発電ユニット40Aは、ロック装置120を備えており、ロック装置120は、2つの被係合部230とそれぞれ係合可能な係合部123bを有する。ユニットロック機構M3は、移動体1の着脱構造である2つの被係合部230と、発電ユニット40Aの着脱構造であるロック装置120とにより構成される。なお、図10において、ガイドレール203に沿って取付位置へ向けてスライドさせている状態の発電ユニット40Aを二点鎖線で示し、取付位置で係合部123bが被係合部230と係合した状態の発電ユニット40Aを実線で示す。
【0116】
図10に示すように、被係合部230は、各ガイドレール203の水平部203aに形成された係合孔である。被係合部230は、各ガイドレール203の奥側端部に配置されている。
【0117】
ロック装置120は、軸121と、2つの回転支持部122と、2つの回転部材123と、2つの付勢部材124と、受け部材125とを含む。
【0118】
軸121は、一対の第1フレーム101aの間を第2方向に延びている。2つの回転支持部122は、それぞれ、一対の第1フレーム101aの下部に固定されている。2つの回転支持部122は、軸121が中心線C3を中心に回転可能に当該軸121の両端部を支持する。
【0119】
2つの回転部材123は、それぞれ、軸121の両端部近傍に固定されている。より詳しくは、回転部材123は、軸121における回転支持部122よりも第2方向内側に位置する部分に固定されている。発電ユニット40がガイドレール203上に位置する場合に、回転部材123は、上面視してガイドレール203の水平部203aに重なる。本実施形態において、一対の回転部材123は、軸121に固定されているため、一対の回転部材123の一方が軸121の中心線C3を中心に回転すると、他方の回転部材123も一緒に回転する。
【0120】
回転部材123は、回転操作部123aと、係合部123bとを有する。回転操作部123aは、中心線C3から後方に延びている。付勢部材124は、回転操作部123aの下方にて、上下方向に付勢可能に配置されている。付勢部材114は、圧縮コイルバネである。受け部材125は、付勢部材124の上方に位置し、ガイドレール203の水平部203a上をスライドする板状体である。付勢部材124は、回転操作部123aと受け部材125とに上下方向に挟まれている。付勢部材124の一端部は、回転操作部123aに接続され、付勢部材124の他端部は、受け部材125に接続されている。
【0121】
係合部123bは、中心線C3から斜め前方に延びる。すなわち、係合部123bは、回転操作部123aを押し下げることで中心線C3を中心に上昇するように、中心線C3に対して回転操作部123aの反対側に位置する。係合部123bの長さは、中心線C3から第1フレーム101aの下面までの長さ、発電ユニット40の中心線C3から第1フレーム101aの下面までの長さよりも長い。すなわち、発電ユニット40がガイドレール203上に位置する場合、係合部123bの先端部が、ガイドレール203の水平部203aに当接している。回転操作部123aは、上述の操作片に対応し、回転部材123における回転操作部123aと係合部123bとを接続する部分は、上述の連動部に対応する。
【0122】
ユニットロック機構M3による移動体1に対する発電ユニット40Aのロックについて説明する。図10に二点鎖線で示すように、発電ユニット40Aがガイドレール203に沿って取付位置へ向けてスライドさせている状態にあるとき、係合部123bおよび受け部材125は、ガイドレール203の水平部203a上をスライドしている。付勢部材124には、回転操作部123aを押し上げる方向に付勢力が発生している。このため、係合部123bの先端部は、付勢部材124の付勢力によりガイドレール203の水平部203aを下方に押圧しながらスライドしている。
【0123】
取付位置に発電ユニット40Aが到達すると、言い換えれば、係合部123bの先端部が、被係合部230である係合孔に到達すると、係合部123bは、付勢部材124の付勢力により被係合部230である係合孔に入り込む。このときの回転操作部123aの中心線C3回りの回転位置をロック位置と称し得る。被係合部230である係合孔から抜け出ているときの回転操作部123aの中心線C3回りの回転位置をロック解除位置と称し得る。係合部123bは、被係合部230である係合孔に引っかかる形状となっている。このため、付勢部材124の付勢力により、係合部123bと被係合部230との係合状態が保持され、移動体1に対する発電ユニット40Aの第1方向手前側の移動を規制できる。
【0124】
ユニットロック機構M3による移動体1に対する発電ユニット40Aのロックを解除する場合、付勢力に抗して回転操作部123aをロック位置からロック解除位置に押し下げる。つまり、係合部123bが被係合部230である係合孔から抜け出し、移動体1に対する発電ユニット40Aの移動の規制が解除される。
【0125】
本実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0126】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る発電ユニット40Bについて説明する。図11は、第3実施形態に係る発電ユニット40Bを説明するための図である。第3実施形態に係る発電ユニット40Bは、水平方向に別の発電ユニット40Bと連結可能となっている。図11には、2つの発電ユニット40Bが示されている。2つの発電ユニット40Bは、第2方向に並んでおり、ユニットロック機構M4により互いに連結された状態である。本実施形態および後述の第4実施形態において、発電ユニットの着脱構造は、別の発電ユニットと連結するための着脱構造である。すなわち、本実施形態および後述の第4実施形態において、発電ユニット40Bが取り付けられる対象となる被取付体は、移動体ではなく、別の発電ユニット40Bである。発電ユニット40Bが、後述するように、係合部115aと被係合部130とを有している。
【0127】
発電ユニット40Bは、支持構造体100Bを備える。発電ユニット40Bが有する各種要素(支持構造体100Bを除く)は、支持構造体100Bにより支持されている。支持構造体100Bは、第1実施形態同様に、複数のフレーム101を含む。複数のフレーム101は、第2方向に所定の間隔をあけて配置された2つの略方形状の第1フレーム101aと、2つの略方形状の第1フレーム101aを連結する複数の第2フレーム101bとを含む。
【0128】
また、支持構造体100Bは、2つのロック装置110Bと、2つの被係合部130とを備える。ロック装置110Bの構成は、第1実施形態のロック装置110の構成と同じである。すなわち、ロック装置110Bは、レバー111と、レバー支持部112と、保持部材113と、付勢部材114と、係合部材115とを含む。これらの要素については説明を省略する。被係合部130は、第2方向内側に開口するフック状である。
【0129】
本実施形態のロック装置110Bと第1実施形態のロック装置110とは、第1実施形態のロック装置110の係合部115aが、移動体1のガイドレール203に固定された被係合部220と係合するためのものであるのに対し、本実施形態のロック装置110Bの係合部115aが、別の発電ユニット40の支持構造体100Bの被係合部130と係合するためのものである点で異なる。
【0130】
発電ユニット40Bの2つのロック装置110Bの2つの係合部115aおよび2つの被係合部130は、上面視して発電ユニット40の4つの角部にそれぞれ配置されている。2つのロック装置110Bのレバー支持部112は、複数のフレーム101のうち第1方向一方側に配置された第2フレーム101bと、第1方向他方側に配置された第2フレーム101bとにそれぞれ固定されている。
【0131】
2つのロック装置110Bの一方は、発電ユニット40Bの第2方向一方側に隣接する別の発電ユニット40Bの被係合部130と係合するように配置されており、2つのロック装置110Bの他方は、発電ユニット40Bの第2方向他方側に隣接する別の発電ユニット40Bの被係合部130と係合するように配置されている。2つの被係合部130の一方は、発電ユニット40Bの右に隣接する別の発電ユニット40Bの係合部115aと係合するように配置されており、2つの被係合部130の他方は、発電ユニット40Bに第2方向に隣接する別の発電ユニット40Bの係合部115aと係合するように配置されている。
【0132】
2つのロック装置110Bは、発電ユニット40Bの中央を通過する上下方向に延びる中心線C4に対して、上面視して点対称な位置にある。2つの被係合部130も、中心線C4に対して、上面視して点対称な位置にある。具体的には、2つのロック装置110Bは、上面視して発電ユニット40Bの右前と左後ろの角部にそれぞれ配置され、2つの被係合部130は、上面視して発電ユニット40Bの左前と右後ろの角部にそれぞれ配置されている。このため、発電ユニット40Bは、中心線C4を中心に180度回転させて、別の発電ユニット40と連結することもできる。つまり、図11に示すように、2つの発電ユニット40Bを、ラジエータ82が向き合うようにして互いに連結することも可能である。2つの発電ユニット40Bを、ラジエータ82が向き合うようにして互いに連結することにより、2つの発電ユニット40Bのうちの一方の発電ユニット40Bのラジエータ82を、他方の発電ユニット40Bの排気管部77から遠ざけることができ、ラジエータ82の冷却効率の低下を抑制できる。
【0133】
本実施形態では、複数の発電ユニット40B同士を水平方向に連結することが可能であるため、複数の発電ユニット40Bを一体的にすることができ、複数の発電ユニット40Bの配置を整えることが容易となる。
【0134】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る発電ユニット40Cについて説明する。図12は、第4実施形態に係る発電ユニット40Cを説明するための図である。第4実施形態に係る発電ユニット40Cは、上方に別の発電ユニット40Cを積み重ね可能に構成されている。
【0135】
発電ユニット40Cは、支持構造体100Cを備える。発電ユニット40Cが有する各種要素(支持構造体100C)は、支持構造体100Cにより支持されている。支持構造体100Cは、第1実施形態同様に、複数のフレーム101を含む。複数のフレーム101は、第2方向に所定の間隔をあけて配置された2つの略方形状の第1フレーム101aと、2つの略方形状の第1フレーム101aを連結する複数の第2フレーム101bとを含む。
【0136】
また、発電ユニット40Cの支持構造体100Cは、一対のガイドレール140を備える。一対のガイドレール140は、発電ユニット40Cの上に別の発電ユニット40Cを載置して、所定の取付位置に案内するためのものである。一対のガイドレール140は、である。一対のガイドレール140は、一対の第1フレーム101aの上部にそれぞれ固定されている。一対のガイドレール140は、第1方向、すなわち長手方向に延在する。ガイドレール140は、第1方向に延在し上下方向に垂直な板状の水平部140aと、当該水平部140aの幅方向一端部から垂直に立ち上がる垂直部140bとを含む。
【0137】
発電ユニット40Cは、第1実施形態と同様に、ロック装置110を備える。また、発電ユニット40Cの一対のガイドレール140の奥側端部に、それぞれ、被係合部141が配置されている。被係合部141は、ロック装置110の係合部115aと係合可能である。すなわち、被係合部141は、移動体1側のガイドレール203の被係合部220と同様ものである。すなわち、被係合部141は、フック状である。フック状の被係合部141は、奥側に開口している。被係合部141は、例えば垂直部140bから第2方向外側に突出している。このため、一対のガイドレール140は、上方に載置される別の発電ユニット40を、取付位置に案内する役割を果たす。
【0138】
本実施形態では、複数の発電ユニット40C同士を上下方向に積み重ねることができるため、発電ユニット40の上方のスペースを有効に利用できる。また、複数の発電ユニット40C同士を上下方向に連結できるため、複数の発電ユニット40Cを一体的にすることができ、複数の発電ユニット40Cの配置を整えることが容易となる。
【0139】
<その他の実施形態>
以上、実施形態について説明したが、上記構成は本発明の趣旨の範囲内で変更、削除および追加することができる。
【0140】
例えば上記実施形態では、移動体として、鉄道車両が例示されたが、移動体はこれに限定されない。例えば移動体は、駆動輪を備える別の種類の陸上移動体であってもよい。例えば、陸上移動体としては、例えば、軌道車のほか、LTV、トラック、バスなどの四輪以上の車輪を備える車両でもよいし、ユーティリティビークル、モータサイクル、PTVなどでもよい。また、移動体は、推進装置を備える水上移動体または水中移動体でもよいし、空中を飛行する空中移動体などであってもよい。水上移動体としては、船、タンカー、パーソナルウォータークラフト等が例示される。水中移動体としては、潜水機などが例示される。空中移動体としては、航空機、ヘリコプター、ドローンなどが例示される。回転体は、プロペラであってもよい。
【0141】
発電ユニットが搭載される被設置対象は、移動体でなくてもよい。例えば発電ユニットが搭載される被設置対象は、例えば電力を必要とする建物や施設でもよい。すなわち、発電ユニットの着脱構造により当該発電ユニットが取り付けられる対象となる被取付体は、移動体でもよいし、固定体でもよいし、第3,4実施形態のように別の発電ユニットでもよい。被取付体は、燃料供給ユニットでもよい。
【0142】
発電ユニットの設置個所は、設置面201から直立した壁面202に面する位置でなくてもよい。発電ユニットが、被取付体のロック装置210によってロックされる構成である場合、ロック装置210は、壁面202の代わりに、設置面201に設置された構造物に固定されていればよい。発電ユニットの設置個所にガイドレールはなくてもよい。設置個所には、発電ユニットの着脱構造に対して着脱可能な被取付体側の着脱構造が配置されていればよい。
【0143】
燃料供給ユニットの構成は、上記実施形態で説明されたものに限定されない。例えば、燃料供給ユニットは、上記実施形態で説明された要素の一部または全部を備えなくてもよい。例えば燃料供給ユニットが備える燃料タンクの数は2つでなくてもよく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、移動体などの発電ユニットの被設置対象は、燃料供給ユニットを備えなくてもよい。
【0144】
また、燃料供給ユニットの支持構造体は、発電ユニットと同様の着脱構造が採用されることが好ましい。この場合、燃料供給ユニットと発電ユニットの一方を設置する箇所に他方を設置するような着脱間違いを防ぐために、燃料供給ユニットの支持構造体と発電ユニットの支持構造体とが、異なる種類の着脱構造を備えてもよい。燃料供給ユニットの支持構造体と発電ユニットの支持構造体とで寸法が異なってもよく、燃料供給ユニット用の一対のガイドレールと発電ユニット用の一対のガイドレールとで、レール幅(すなわち一対のガイドレールの間隔)が異なってもよい。
【0145】
発電ユニットは、上記実施形態で説明された要素の一部を備えなくてもよい。例えば、上記実施形態では、発電ユニットが、外部から燃料を内燃機関に導くための燃料受入口を備えていたが、発電ユニットは、燃料受入口を備える代わりに、内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクを備えてもよい。発電ユニットと燃料供給ユニットとが1つのユニットを構成してもよい。発電ユニットは、エアクリーナを備えなくてもよく、エアクリーナが発電ユニット外に配置されてもよい。
【0146】
また、発電ユニットは、吸気を取り込む取込口P1を備える代わりに、発電ユニット外部の吸気ダクトと接続するためのダクトインタフェースを備えてもよく、当該吸気ダクトの取込口から取り込まれた空気がダクトインタフェースを介して内燃機関に導かれてもよい。これによって発電ユニットから離れた吸気取込口から吸気を取り入れることができ、吸気の温度を低下させやすい。
【0147】
発電ユニットは、上記実施形態で説明された要素の代わりの要素を備えてもよい。例えば発電ユニットが備える過給機は、ターボチャージャーでなくてもよく、別の形式の過給機でもよい。例えば過給機は、クランクシャフトなどによって回転駆動されるスーパーチャージャでもよい。内燃機関は、既存の構造を採用できる。例えば内燃機関は、他気筒エンジンでなくてもよく、単気筒エンジンでもよい。また、例えば内燃機関は、4ストロークエンジンでもよいし、2ストロークエンジンでもよい。発電ユニットは過給機を備えなくてもよい。内燃機関は、水素ガス以外を燃料としてもよい。すなわち、燃料としては、内燃機関を駆動できればよく、ガソリン、軽油、液化天然ガス、メタノール、バイオフューエルなどが用いられてもよい。
【0148】
上記実施形態では、2つの発電機が直列に接続されていたが、これに限られない。発電ユニットが備える発電機の数も2つに限られない。内燃機関は、2つの発電機ではなく、1つの発電機を駆動してもよいし、3つ以上の発電機を駆動してもよい。また発電ユニットが複数の発電機を備える場合、複数の発電機に対して共通のインバータが接続されてもよい。
【0149】
上記実施形態では、複数の発電ユニットが、共通の1つの燃料供給ユニットから燃料が供給されたが、発電ユニットごとに燃料供給ユニットが設置されてもよい。発電ユニットが備える複数のインバータに対して、共通の電気インタフェースが設けられてもよい。発電ユニットが備えるラジエータは、2つでなくてもよく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、発電ユニットは、内燃機関用のラジエータと、発電機およびインバータ用のラジエータとを備えてもよい。
【0150】
また、上記実施形態では、クランクシャフトと、発電機の回転軸とが同軸に配置されたが、発電機の回転軸が、クランクシャフトの軸線に対して非同軸、すなわちずれていてもよい。この場合、歯車やチェーンなどの動力伝達部材を介して、発電機の回転軸が、クランクシャフトに対して間接的に接続される。発電機は、三相交流モータを用いて発電する構造でなくてもよく、既存の発電機を用いることができる。たとえば発電機は、直流発電機であってもよい。
【0151】
発電ユニットは、上記実施形態で説明された要素以外の別の要素を備えてもよい。例えば発電ユニットが蓄電体を備えてもよい。また、発電ユニットは、オイルポンプにより内燃機関のオイルパンら汲み上げられたオイルを、潤滑油として内燃機関のギヤなどの各所へ導くための要素、例えば、潤滑油路や当該潤滑油路に配置されたオイルポンプなどを備えてもよい。
【0152】
発電ユニットは、発電機、インバータ、電力コントローラなどの上記実施形態で説明された電装品以外の電装品を含んでもよい。また、発電ユニットは、当該発電ユニットの状態を検出するための少なくとも1つのセンサを含んでもよい。発電ユニットの状態には、内燃機関の状態、発電機の状態などが含まれ得る。例えば少なくとも1つのセンサには、油温を検出する温度センサ、冷却水の温度を検出する温度センサ、発電機の温度を検出する温度センサ、インバータの温度を検出する温度センサ、インバータが含む電流センサ、内燃機関の回転数(回転速度)を検出する回転数センサ、スロットル開度センサ、発電ユニットが有する機械部品や構造体の機械的な負荷を検出するための歪みゲージ、または、燃料供給管を流れる燃料の流量を検出する流量センサ、などが含まれ得る。
【0153】
発電ユニットが含む各種要素の配置も上記実施形態で説明されたものに限定されない。なお、発電ユニットが含む各種要素は、発電ユニットの内燃機関の熱が別の発電ユニットの内燃機関の熱が伝わりにくいような配置であることが好ましい。
【0154】
また、発電ユニットは、当該発電ユニットにより生成された電力を外部に供給するためのインタフェースである電気インタフェース45に加え、発電ユニットが備える電装品に外部から電力を入力するための電気入力コネクタを備えてもよい。この場合、電気入力コネクタは、支持構造体に支持されていてもよい。
【0155】
また、支持構造体の形状や構造は、上記実施形態で説明されたものに限定されない。例えば支持構造体の複数のフレーム101は、互いに組み合わされて全体として上下方向に長い形状を呈してもよい。
【0156】
上記実施形態では、支持構造体100は、内燃機関41を下方から支持する底板102を有したが、底板102は、内燃機関41だけでなく、発電機43などの別の要素も下方から支持してもよい。
【0157】
支持構造体は底板102を含まなくてもよい。この場合、複数のフレーム101bによって内燃機関41を下方から支持してもよい。フレーム101bと内燃機関41との間にラバーマウント92が介在してもよい。支持構造体は、支持構造体によって支持された発電ユニットの要素を側方から覆う側板を有してもよい。
【0158】
また、支持構造体は、例えばフレームや底板などに回転自在に支持された移動用の複数の車輪を有していてもよい。
【0159】
支持構造体は、被設置対象に設けられる電力消費対象と接続されて、出力電力を供給するための電気出力コネクタを支持していてもよい。着脱構造を有する支持構造体に対して、電気出力コネクタが支持されているため、被設置対象と発電ユニットとの着脱作業を容易化しやすい。電気出力コネクタは、内燃機関などの熱源から離れた位置に配置されることが好ましい。電気出力コネクタは、着脱構造または燃料受入口に隣接して配置されることが好ましい。これにより、着脱作業にあたって作業者の移動量を減らすことができる。
【0160】
第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態で説明された構成は適宜組み合わせることができる。例えば発電ユニットは、上記実施形態で説明された複数の着脱構造の1つのみを備えてもよいし、任意に選択された複数の着脱構造を備えてもよい。例えば第1実施形態では、2種類のユニットロック機構M1,M2により、移動体1に対して発電ユニット40をロックする構成が説明されたが、移動体1に対して発電ユニット40をロックする構成は、2種類のユニットロック機構M1,M2のいずれか1つのみでもよい。すなわち、発電ユニット40が備える着脱構造は、被係合部103とロック装置110のいずれか一方のみでもよい。
【0161】
また、上記実施形態で説明された支持構造体が有する着脱構造も、例示に過ぎない。例えば発電ユニットは、第1実施形態で説明された被係合部103の代わりに、ロック装置210を備えてもよく、この場合、被取付体が被係合部103を備えてもよい。発電ユニットは、第1実施形態で説明されたロック装置110の代わりに、被係合部220を備えてもよく、この場合、被取付体がロック装置110を備えてもよい。第3実施形態についても同様である。
【0162】
上記第3実施形態では、発電ユニット40Bの支持構造体100Bが有する着脱構造が、上面視して点対称な位置にあったが、第1、第2、第4実施形態においても、発電ユニットの向きを変えて取付位置にロックできるように構成されていてもよい。例えば支持構造体は、上面視して点対称な位置にある一対の着脱構造を備えてもよい。また、例えば支持構造体は、上面視して線対称な位置にある一対の着脱構造を備えてもよい。例えば第1実施形態の発電ユニット40は、収容空間Sにおける第1方向奥側の側面付近に被係合部103を有することに加えて、反対側である収容空間Sにおける第1方向手前側の側面付近にも別の被係合部103を有してもよい。これにより、複数の発電ユニットを第2方向に横並びに設置する際に、隣接する2つの発電ユニットを、ラジエータが向き合うように配置することができる。これにより、隣接する2つの発電ユニットのうちの一方の発電ユニットのラジエータを、他方の発電ユニットの排気管から遠ざけることができ、ラジエータの冷却効率の低下を抑制できる。
【0163】
なお、支持構造体は、被設置対象に対して複数の発電ユニットを配置する際に、発電ユニットの設置向きを誤らないような構造となっていることが好ましい。
【0164】
また、発電ユニットが備える着脱構造の数や、発電ユニットにおける着脱構造の位置、着脱構造の構成などについても、上記実施形態で説明されたものに限定されない。
【0165】
例えば第1実施形態において、被係合部220は、ガイドレール203の奥側端部ではなくてもよい。例えば被係合部220は、ガイドレール203の第1方向における中央付近などに位置してもよい。例えば第2実施形態において、軸121は、一対の第1フレーム101aの間を第2方向に延びていなくてもよい。軸121の両端部を支持する2つの回転支持部122が、1つの第1フレーム101aに固定されていてもよい。軸121は、第2方向に延在していなくてもよく、第1方向に延在していてもよい。
【0166】
各着脱構造において、係合部と被係合部とは、互いに係合可能な形状であればよい。例えば、係合部115aがフック状で、被係合部220が環状でもよい。係合部115aと被係合部220のどちらもフック状でもよい。
【0167】
複数のフレームによって囲まれた空間である略直方体状の収容空間Sに、発電ユニットが有する各種要素(支持構造体を除く)が配置されているため、発電ユニットが落下したり障害物と接触したりしたとしても、支持構造体のフレームで各種要素が保護されて、各種要素の損傷を防ぎやすい。フレームよりも内側に、エンジン本体、発電機、エアクリーナ、マフラなどが配置される。収容空間Sは密閉されていない、言い換えれば支持構造体の少なくとも一部のフレーム同士の間が塞がれていないため、収容空間Sで生じた熱気を逃しやすく、発電ユニットの温度上昇を防ぎやすい。
【0168】
支持構造体は、上記実施形態で説明された構成に限られず、多種多様な構造を採用し得る。支持構造体における一部のフレームとフレームとの間が、パネルで覆われていてもよい。支持構造体は、フレームの変形を防ぐための補強部材を備えてもよい。発電ユニットは、内燃機関の振動が発電ユニット内の各電装部品に伝達することを防ぐための防振構造を備えてもよい。支持構造体は、ガイドレールに沿って移動するための車輪を備えてもよい。支持構造体は、当該支持構造体を懸架するためのフックを備えてもよく、当該フックによって、車体に固定される固定位置と、車体から離反した離反位置とにわたる支持構造体の搬送作業を容易化しやすい。
【0169】
上記実施形態では、各種インタフェースが、収容空間Sにおける第1方向手前側の側面に集約されていたが、発電ユニット40が有する各種インタフェースが、収容空間Sにおけるバラバラな位置に点在していてもよい。例えば、電気インタフェース45および通信インタフェース46等の電力および通信に関するインタフェースは、流体インタフェース42aとは異なる箇所に配置されてもよい。
【0170】
少なくとも2つのインタフェースが、略直方体状の収容空間Sにおける同じ面に配置されることで、作業者によるインタフェースの着脱作業を容易にすることができる。たとえば、電気関係のインタフェースが2つ以上同じ面に形成されることが好ましい。また電気関係のインタフェースは、内燃機関の発熱源となるラジエータ、マフラ、排気管から離れた位置に配置されることが好ましい。また、発電ユニットは、支持構造体内に熱気が留まることを防ぐためのファンを備えてもよい。ファンは、電装部品や電気関係のインタフェース周囲に外気を流すように配置されてもよい。ファンにより、電装部品や電気関係のインタフェースの温度上昇を防ぐことができる。また発電ユニットの温度上昇を防ぐために、発電ユニットの周囲に外気を導くダクトやファンが、発電ユニットではなく、発電ユニットが設置される被設置対象に配置されてもよい。複数の発電ユニットが間隔をあけて配置されてもよい。これによって一方の発電ユニットの熱気が他方の発電ユニットに伝わることを防ぎやすい。
【0171】
ガイドレールの形状についても適宜選択可能である。ガイドレールは、一本で支持構造体を支持する構成であってもよい。例えば、支持構造体の第2方向中央に一本形成されてもよい。この場合、支持構造体は、第1方向に延びる、ガイドレールに嵌合可能な溝を有してもよい。逆に、ガイドレールが溝を有し、支持構造体は、ガイドレールの溝に嵌合する突起部を有してもよい。
【0172】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、または、それらの任意の組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアまたはプロセッサの構成に使用される。
【0173】
[開示態様]
以下の態様のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
【0174】
[態様1]
内燃機関と、
前記内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、
前記内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える、発電ユニット。
【0175】
前記構成によれば、支持構造体が着脱構造を有するため、発電ユニットを被取付体から取り外してメンテナンスすることができる。また、被取付体に取り付けられた状態でのメンテナンス作業を省略することができるため、被取付体に取り付けられた状態でメンテナンス作業が必要となる内燃機関や発電機と比べて、メンテナンス作業が容易となる。
【0176】
[態様2]
前記発電ユニットの外部から燃料を前記内燃機関に導くための燃料受入口を更に備え、
前記燃料受入口は、前記支持構造体に支持されている、態様1に記載の発電ユニット。
【0177】
前記構成によれば、内燃機関が発電ユニットの外部から燃料を受け入れるため、発電ユニットが燃料タンクを備える必要がない。
【0178】
[態様3]
前記発電機とは異なる電装品と、
前記電装品に外部から電力または信号を入力するための入力コネクタと、を更に備え、
前記入力コネクタは、前記支持構造体に支持されている、態様1または2に記載の発電ユニット。
【0179】
前記構成によれば、発電ユニットの電装品に、入力コネクタを介して外部から電力または信号を入力できるため、電装品へ電力または信号を供給する装置を、発電ユニット自体が備える必要がない。
【0180】
[態様4]
前記支持構造体に支持された熱交換器を更に備え、
前記熱交換器は、前記内燃機関を挟んで、前記内燃機関の排気ポートに接続された排気管の反対側に配置される、態様1乃至3のいずれかに記載の発電ユニット。
【0181】
前記構成によれば、排気管から熱交換器を遠ざけることができ、排気管から熱が熱交換器に伝わるのを抑制できる。
【0182】
[態様5]
前記支持構造体に支持された熱交換器を更に備え、
前記被取付体に対して取り付けた状態の前記発電ユニットにおいて、前記熱交換器の下端は、前記内燃機関の上端よりも下方に位置する、態様1乃至4のいずれかに記載の発電ユニット。
【0183】
前記構成によれば、内燃機関から上方に向かう熱気が熱交換器に向かうのを抑制できる。
【0184】
[態様6]
取込口を有し、前記取込口から取り込んだ吸気を前記内燃機関へ導く吸気管と、
排出口を有し、前記内燃機関からの排気を、前記排出口から外部に排出する排気管と、を更に備え、
前記取込口は、前記内燃機関を挟んで前記排出口の反対側に配置される、態様1乃至5のいずれかに記載の発電ユニット。
【0185】
前記構成によれば、排出口から排出された排気が取込口に流入することを抑制できる。
【0186】
[態様7]
排出口を有し、前記内燃機関からの排気を、前記排出口から外部に排出する排気管を更に備え、
前記発電機は、前記内燃機関を挟んで前記排出口の反対側に配置される、態様1乃至6のいずれかに記載の発電ユニット。
【0187】
前記構成によれば、排出口から排出された排気の熱が発電機に伝わるのを抑制できる。
【0188】
[態様8]
排出口を有し、前記内燃機関からの排気を、前記排出口から外部に排出する排気管と、
前記発電機を制御する制御回路と、を更に備え、
前記制御回路は、前記内燃機関を挟んで前記排出口の反対側に配置される、態様1乃至7のいずれかに記載の発電ユニット。
【0189】
前記構成によれば、排出口から排出された排気の熱が制御回路に伝わるのを抑制できる。
【0190】
[態様9]
前記着脱構造は、
前記被取付体の被係合部に対して係合可能な係合部と、
前記支持構造体に対して支持されて、ロック位置とロック解除位置との2つの位置の間で変位可能な操作片と、
前記操作片が前記ロック位置にあるときに、前記係合部と前記被係合部とを係合状態とし、前記操作片が前記ロック位置から前記ロック解除位置に変位されることにより、前記係合部と前記被係合部との係合状態を解除するように、前記操作片の変位動作に前記係合部を連動させる連動部とを含む、態様1乃至8のいずれかに記載の発電ユニット。
【0191】
前記構成によれば、作業者が操作する操作片の位置の変更により、連動部を介して、被取付体に対して発電ユニットをロックした状態とロックを解除した状態とを切り替わることができる。
【0192】
例えば、前記着脱構造は、
前記被取付体の被係合部に対して係合可能な係合部と、
前記支持構造体に対して、ロック位置とロック解除位置との間で回転可能に軸支された回転部材と、
前記回転部材に対して接続された付勢部材であって、前記回転部材が前記ロック位置にあるときに、前記係合部と前記被係合部との係合状態を保持するための付勢力を発生させる付勢部材と、を含み、
前記着脱構造は、前記付勢力に抗して前記回転部材が前記ロック位置から前記ロック解除位置に回動されることにより、前記係合部と前記被係合部との係合状態が解除されるように構成されてもよい。
【0193】
前記構成によれば、発電ユニットの着脱構造が、発電ユニット側の係合部と被取付体側の被係合部との係合状態を解除するために回転操作される回転部材を備えるため、発電ユニットの着脱に必要となる被取付体側の構成を簡素化できる。
【0194】
[態様10]
内燃機関と、前記内燃機関の出力によって電力を発生させる発電機と、前記内燃機関および発電機の双方を支持する支持構造体であって、被取付体に着脱自在に構成された着脱構造を有する支持構造体と、を備える、発電ユニットと、
前記発電ユニットが前記着脱構造を介して着脱される前記被取付体と、を備える、発電システム。
【0195】
前記構成によれば、支持構造体が着脱構造を有するため、発電ユニットを被取付体から取り外してメンテナンスすることができる。また、被取付体に取り付けられた状態でのメンテナンス作業を省略することができるため、被取付体に取り付けられた状態でメンテナンス作業が必要となる内燃機関や発電機と比べて、メンテナンス作業が容易となる。
【0196】
[態様11]
前記被取付体は、所定の取付位置に前記発電ユニットを案内するためのガイドレールを有する、態様10に記載の発電システム。
【0197】
発電ユニットを、ガイドレール上を滑らせながら取付位置に案内することができるため、発電ユニットを取付位置に位置決めしやすい。
【符号の説明】
【0198】
1 :移動体
40,40A,40B,40C :発電ユニット
41 :内燃機関
42 :燃料供給管
42a :燃料受入口
43 :発電機
44 :インバータ
45 :電気インタフェース
46 :通信インタフェース
47 :電力コントローラ
71 :エアクリーナ
79 :マフラ
82 :ラジエータ
100,100B,100C :支持構造体
203 :ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図12