▶ 前澤化成工業株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141305
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】メーターボックス
(51)【国際特許分類】
E03B 7/07 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
E03B7/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052878
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000201582
【氏名又は名称】前澤化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】根本 隆之
(57)【要約】
【課題】保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができるメーターボックスを提供すること。
【解決手段】量水器ボックス1は、蓋体4と、側壁(例えば、長側壁31、短側壁32)を構成する側枠体3と、底体2と、から構成され、蓋体4及び底体2の対向面に凹部2f,4iが形成されており、底体2と蓋体4との間に側枠体3が配置される使用状態と、凹部2f,4iを利用して蓋体4と底体2との間に側枠体3を収容する保管・運搬状態とに変化可能であることで、保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体と、側壁を構成する側枠体と、底体と、から構成されるメーターボックスであって、
前記蓋体及び前記底体の対向面のうち少なくともいずれか一方に凹部が形成されており、
前記凹部を利用して前記蓋体と前記底体との間に前記側枠体を収容可能とした
ことを特徴とするメーターボックス。
【請求項2】
前記側枠体は、前記凹部内に収容可能なサイズに分割または変形可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のメーターボックス。
【請求項3】
前記側枠体は、互いに離間対向する一対の短側壁と一対の長側壁とから四角枠状に構成され、前記一対の長側壁の長手寸法が前記凹部の長辺よりも短寸となるように分割可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のメーターボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量水器等を収納するメーターボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、量水器等のメーターを収容可能なメーターボックスとして、例えば、蓋板及び該蓋板を開閉可能に支持する蓋受枠からなる蓋体と、上下面が開口した筒状をなす側枠体と、底体と、から箱状に構成されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のメーターボックスは、内部空間を有する箱状に構成されていることで、倉庫にて保管したり運搬したりする際にメーターボックスを積み重ねる場合、内部空間を有効に利用できないと広い保管・運搬スペースが必要となる。また、設置現場の状況に応じてメーターボックスの上下寸法が長寸になると容積が増大し、限られた保管・運搬スペースに多くのメーターボックスを載置することが困難となるため、保管や運搬にかかるコストが嵩んでしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができるメーターボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のメーターボックスは、
蓋体と、側壁を構成する側枠体と、底体と、から構成されるメーターボックスであって、
前記蓋体及び前記底体の対向面のうち少なくともいずれか一方に凹部が形成されており、
前記凹部を利用して前記蓋体と前記底体との間に前記側枠体を収容可能とした
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹部を利用して蓋体と底体との間に側枠体を収容することで、上下寸法を短寸化することができ、これにより限られた保管・運搬スペースにより多くのメーターボックスを載置することができるため、保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができる。また、蓋体、側枠体及び底体をユニット化した状態で保管・運搬することができるので、設置現場での組立て作業が容易になる。
【0007】
本発明のメーターボックスは、
前記側枠体は、前記凹部内に収容可能なサイズに分割または変形可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、側枠体が凹部よりはみ出すことなく凹部内に収容することができる。
【0008】
本発明のメーターボックスは、
前記側枠体は、互いに離間対向する一対の短側壁と一対の長側壁とから四角枠状に構成され、前記一対の長側壁の長手寸法が前記凹部の長辺よりも短寸となるように分割可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、長側壁を短寸化するだけで長側壁及び短側壁を凹部内に収容可能となるため、側枠体の強度低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1としての量水器ボックスの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】(a)は
図1のA-A断面図、(b)は
図1のB-B断面図である。
【
図4】(a)は側枠体を示す平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。
【
図6】(a)は側枠体を分割した状態を示す斜視図、(b)~(d)は側枠体の要部拡大図である。
【
図7】(a)は分割体を第1形態から第2形態にする状態を示す平面図、(b)は分割体を積み重ねた状態を示す図である。
【
図8】2個の分割体をユニット化した状態を示す図、(b),(c)は(a)の要部拡大図である。
【
図9】(a),(b)は側枠体を底体と蓋体との間に収容する様子を示す斜視図である。
【
図10】
図1の量水器ボックスの保管・運搬状態を示す斜視図である。
【
図11】(a),(b)は
図10の量水器ボックスの内部を示す縦断面図である。
【
図12】本発明の実施例2としての量水器ボックスの使用状態を示す斜視図である。
【
図14】
図12の量水器ボックスの保管・運搬状態を示す斜視図である。
【
図15】(a),(b)は
図14の量水器ボックスの内部を示す縦断面図である。
【
図16】(a)は従来の量水器ボックスの載置例、(b)は本発明の量水器ボックスの載置例を示す図である。
【
図17】(a)は従来の側枠体の載置例、(b),(c)は本発明の側枠体の載置例を示す図である。
【
図18】本発明の変形例1としての量水器ボックスの保管・運搬状態を示す縦断面図である。
【
図19】(a)は本発明の変形例2としての量水器ボックスにおける側枠体の収容例を示す平面図、(b)は(a)の縦断面図である。
【
図20】(a)~(e)は本発明の変形例3としての量水器ボックスを説明するための図である。
【
図21】(a)~(e)は本発明の変形例4としての量水器ボックスを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[形態1]
形態1のメーターボックスは、
蓋体と、側壁を構成する側枠体と、底体と、から構成されるメーターボックスであって、
前記蓋体及び前記底体の対向面のうち少なくともいずれか一方に凹部が形成されており、
前記凹部を利用して前記蓋体と前記底体との間に前記側枠体を収容可能とした
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹部を利用して蓋体と底体との間に側枠体を収容することにより、メーターボックスの内部空間を有効に利用しつつ小型化することができるため、保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができる。また、蓋体、側枠体及び底体をユニット化した状態で保管・運搬することができるので、設置現場での組立て作業が容易になる。
【0011】
[形態2]
形態2のメーターボックスは、形態1に記載のメーターボックスであって、
前記側枠体は、前記凹部内に収容可能なサイズに分割または変形可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、側枠体が凹部よりはみ出すことなく凹部内に収容することができる。
【0012】
[形態3]
形態3のメーターボックスは、形態1または2に記載のメーターボックスであって、
前記側枠体は、互いに離間対向する一対の短側壁と一対の長側壁とから四角枠状に構成され、前記一対の長側壁の長手寸法が前記凹部の長辺よりも短寸となるように分割可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、長側壁を短寸化するだけで長側壁及び短側壁を凹部内に収容可能となるため、側枠体の強度低下を防止できる。
【0013】
[形態4]
形態4のメーターボックスは、形態3に記載のメーターボックスであって、
前記一対の長側壁を前記凹部の短辺方向に並設した状態で収容可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一対の長側壁を並べて収容することができる。
【0014】
[形態5]
形態5のメーターボックスは、形態3または4に記載のメーターボックスであって、
前記一対の短側壁は略コ字形をなす
ことを特徴としている。
この特徴によれば、角部以外の部分で長側壁と連結できるため、メーターボックスの強度低下を防止できる。
【0015】
[形態6]
形態6のメーターボックスは、形態1~5のいずれかに記載のメーターボックスであって、
前記側枠体を取外した状態でも前記蓋体と前記底体とを組付け可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、凹部からの側枠体の逸脱を防止することができる。
【0016】
[形態7]
形態7のメーターボックスは、形態1~6のいずれかに記載のメーターボックスであって、
前記側枠体は、上下に積み重ね可能な複数の側枠体を含み、
上下の前記側枠体同士を連結する連結手段を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、複数の側枠体を上下に積み重ねることで、地表からメーターまでの距離が長い現場に対応したメーターボックスを提供できる。また、互いに連結することで地盤沈下や浮上がりにより側枠体同士が分離することを防止できる。
【0017】
[形態8]
形態8のメーターボックスは、形態7に記載のメーターボックスであって、
上下の前記側枠体同士の連結位置を決定する位置決め手段を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、上下の側枠体同士を容易に位置決めできるので、連結作業が容易になる。
【0018】
[形態9]
形態9のメーターボックスは、形態1~8のいずれかに記載のメーターボックスであって、
前記蓋体及び前記底体のうち少なくともいずれか一方に、前記凹部内に収容された前記側枠体の移動を規制する移動規制手段が設けられている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、運搬中に凹部内で側枠体があばれて底体、蓋体及び側枠体が損傷や破損することを防止できる。
【0019】
以下に、本発明に係るメーターボックスの実施形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0020】
本発明の実施例1としてのメーターボックスについて、
図1~
図11を参照して説明する。尚、以下においては、
図1の右斜め下方をメーターボックスの前方、左斜め下方を左方、右斜め上方を右方、左斜め上方を後方として説明する。
【0021】
図1~
図3に示されるように、本発明のメーターボックスとしての量水器ボックス1は、例えば、地中に埋設されている水道管に接続されている量水器(メーター)などの構造物を内部に収容して使用するものであり、平面視略四角形状をなす直方体に形成されている。
【0022】
詳しくは、
図3に示されるように、上面が開口する有底箱状に形成される底体2と、底体2の上部に載置される平面視略四角枠状の側枠体3と、側枠体3の上部に配置される蓋受枠4a及び該蓋受枠4aに開閉可能に支持される蓋板4b(
図2(a)参照)からなる蓋体4と、から主に構成されている。
図2に示されるように、前後外寸法L13は、左右外寸法L12よりも短寸とされ(L13<L12)、上下外寸法L11は、側枠体3の上下寸法や積み上げ数によって変更可能とされている(
図2、
図13参照)。
【0023】
また、特に図示しないが、蓋受枠4a及び閉状態の蓋板4bの上面は、宅地等の地表面と略同一面上に位置する。また、これら底体2、側枠体3及び蓋体4は合成樹脂材にて形成されているが、例えば、これらのうちの少なくとも1つの部材が鋳物等の金属材など他の素材にて構成されていてもよい。
【0024】
また、本実施例の量水器ボックス1は、量水器(メーター)や止水栓などの構造物を内部に収容して使用する使用状態(
図1、
図2参照)と、後述するように、底体2と蓋体4との間に側枠体3が収容される保管・運搬状態(
図10、
図11参照)と、に変化可能とされている。保管・運搬状態については後述する。
【0025】
[底体]
図2及び
図3に示されるように、底体2は、底壁2aと、該底壁2aの周縁に立設される前壁2b,後壁2c,左側壁2d,右側壁2eと、により構成されており、内部には上面が開放する凹部2fが形成されている。凹部2fは、左側壁2d及び右側壁2eにそれぞれ形成された切欠部5に挿入される水道管や、該水道管に接続された量水器(図示略)等を収容可能な深さ寸法L1a(
図2(b)参照)を有している。
【0026】
前壁2b,後壁2c,左側壁2d,右側壁2eそれぞれの上端からは、外側方に向けて突出するフランジ部2gが連設されており、フランジ部2gの上面に側枠体3を載置できるようになっている。また、フランジ部2gは縦断面視略クランク状に形成されていることで、外縁には周方向に向けて段部2hが形成されている(
図2(a)拡大図参照)。
【0027】
底壁2aの前後方向の中央位置には、水抜き孔としての複数の長孔6aが左右方向に向けて貫通して形成されているとともに、四つの角部近傍位置には、水抜き孔としての複数の丸孔6bが貫通して形成されている。また、複数の長孔6aの前後側の左右位置には、位置決め孔7がそれぞれ貫通して形成されている。また、本実施例1では、底体2の上下外寸法L1は75mm(L1=75mm)とされているが、上下外寸法L1は種々に変更可能である。
【0028】
[蓋体]
図2及び
図3に示されるように、蓋体4の蓋受枠4aは、平面視四角形状をなす開口4cの周縁に形成された蓋受部4dと、蓋受部4dの外側下方に形成される周壁4eと、を有している。蓋受部4dに蓋板4bが載置されることで開口4cが閉鎖され、蓋板4bを後辺に沿う回動軸を中心として上方に回動することで開口4cが開放される(
図2(a)中2点鎖線参照)。
【0029】
周壁4eは、外壁4f、内壁4g及び上壁4hにより縦断面視略下向きコ字形に形成されている。また、外壁4f、内壁4g及び上壁4hは内部に形成された複数のリブ(図示略)に連結して補強されている。上壁4hの前後辺それぞれの左右側には、蓋受枠4aを側枠体3に組付けるためのねじ部材N1の取付孔8が形成されている。尚、
図2及び
図3では、後側の左右の取付孔8の図示は省略している。また、外壁4fは内壁4gよりも下方に突出しており、側枠体3の上端の外周縁部に形成された段部3eに嵌合可能とされている(
図2(a)拡大図参照)。また、このように蓋受枠4aと蓋板4bとから下向き略コ字形に形成される蓋体4の内部には、下方に開放する凹部4iが形成されている。尚、本実施例1では、蓋体4の上下外寸法L4は75mm(L4=75mm)とされているが、上下外寸法L4は種々に変更可能である。
【0030】
[側枠体]
図2~
図4に示されるように、側枠体3は、平面視略J字形をなす分割体30Aと分割体30Bとを接続することにより、平面視略四角枠状に構成されている(
図6参照)。尚、分割体30A,30Bは同様に構成されているため、以下においては、分割体30Aについてのみ説明し、分割体30Bの説明は省略する。
【0031】
図4~
図6に示されるように、分割体30Aは、底体2の長辺に沿って配置される平面視板形状の長側壁31と、底体2の短辺及び長辺の一部に沿って配置される平面視略コ字形の短側壁32と、長側壁31と短側壁32とを分割方向にスライド移動可能、かつ、回動可能に連結するスライド回動手段50と、から主に構成されている。長側壁31及び短側壁32は、外壁3a、内壁3b及び上壁3cにより縦断面視略下向きコ字形に形成されている(
図2(a)参照)。外壁3a、内壁3b及び上壁3cは、内部に形成された複数のリブ3d(
図5参照)により補強されている。上壁3cは、縦断面視略クランク状に形成されていることで、外縁には段部3eが周方向に延設されている。
【0032】
図2及び
図4に示されるように、長側壁31の左右寸法L15は、量水器ボックス1の左右外寸法L12より短寸であり、かつ、左右外寸法L12より短寸の底体2の左右内寸法L2よりも短寸である(L15<L2<L12)。また、短側壁32の前後外寸法L13は、量水器ボックス1の左右外寸法L12より短寸であり、かつ、底体2の左右内寸法L2よりも短寸とされている(L13<L2<L12)。つまり、長側壁31及び短側壁32は、底体2の長辺に沿う方向に向けて凹部2f内に収容することができるようになっている。
【0033】
また、長側壁31及び短側壁32の上下寸法L14は、底体2の前後内寸法L3よりも短寸であるとともに(L14<L3)、上下寸法L14の2倍の上下寸法L14A(L14A=L14+L14)も、底体2の前後内寸法L3よりも短寸である(L14A<L3)。また、本実施例1では、長側壁31及び短側壁32の上下寸法L14は100mm(L14=100mm)とされているが、上下寸法は種々に変更可能である。
【0034】
図4及び
図6に示されるように、長側壁31の上壁3cの左右側には、蓋受枠4aを側枠体3に組付けるためのねじ部材N1(
図3参照)のねじ孔34が形成されている。左右のねじ孔34の間には、上下の長側壁31の連結位置を決定する位置決め手段としての円柱状の位置決め突部35が左右側に突設されている。また、
図5に示されるように、長側壁31の下面における左右の位置決め突部35それぞれの直下には、位置決め突部35が嵌合可能な被嵌合部36が形成されている(
図8(c)参照)。尚、被嵌合部36は、外壁3a、内壁3b及びリブ3dに突設された上下方向を向く3つの嵌合部形成用リブ36aにより形成されている。
【0035】
図4及び
図6に示されるように、長側壁31の上壁3cにおける左右の位置決め突部35の間には、上下の長側壁31同士を連結する連結手段としての弾性係止爪33が上方に向けて突設されている。また、弾性係止爪33の鉛直下方における内壁3bの下部位置には係止孔37が形成されおり、下方の長側壁31の弾性係止爪33が係止孔37の下縁部に係脱可能とされている(
図8(b)参照)。
【0036】
長側壁31の内壁3bにおける右側上部位置には、後述する短側壁32の回動を規制するための円筒状の回動規制突部38が突設されている。また、外壁3aにおける上下方向の中央位置には、凹部2f内に収容されたときの前後左右方向への移動を規制する移動規制手段としての円柱状の規制突部39が左右側に突設されている。また、短側壁32の外壁3aにおける上下方向の略中央位置には、規制突部39が嵌合可能な被嵌合部40が前後に形成されている。
【0037】
図6及び
図7に示されるように、長側壁31と短側壁32との一端部同士を接離可能、かつ、回動可能に連結するスライド回動手段50は、長側壁31の内壁3bにおける左側端部に突設された軸部51と、短側壁32の内壁3bにおける前側端部に突設された上下一対の軸受部52と、からなる。軸部51の上下面には、上下方向を向く円柱状の凸部51aがそれぞれ突設されている。また、軸受部52には、凸部51aが挿入可能な軸受孔52a,52bが形成されている。尚、軸部51が短側壁32に設けられ、軸受部52が長側壁31に設けられていてもよい。
【0038】
軸受孔52a,52bは、2個の丸孔それぞれの一部が互いに重合するように連設されており、軸受孔52a,52bの間に形成された幅狭部により、凸部51aを軸受孔52aまたは軸受孔52bに保持できるようになっている。また、水平方向に外力を加えることで凸部51aが幅狭部を通過して、軸受孔52aまたは軸受孔52bに選択的に保持されるようになっている(
図6(c),(d)参照)。
【0039】
図6(b)に示されるように、長側壁31における軸部51側の端面には、短側壁32の軸受部52側の端面に突設された筒状突部55が嵌合可能な凹状の被嵌合部56が形成されている。尚、被嵌合部56の内周面には、筒状突部55の挿入方向に延設される複数の圧入リブ56aが突設されていることで、被嵌合部56から筒状突部55が抜けにくくなる。また、筒状突部55と被嵌合部56は、側面視略長孔形状をなし、上部は湾曲状に形成される一方で、下部は直線状に形成されている。つまり、上下非対称構造であり、上下反転した状態で筒状突部55を被嵌合部56に嵌合することができないため、逆付けが防止される。
【0040】
図6(a)に示されるように、長側壁31における軸部51と反対側の端面には、短側壁32の軸受部52と反対側の端面に突設された筒状突部65が嵌合可能な凹状の被嵌合部66が形成されている。尚、被嵌合部66の内周面には、筒状突部65の挿入方向に延設される複数の圧入リブ66aが突設されていることで、被嵌合部66から筒状突部65が抜けにくくなる。
【0041】
また、長側壁31における内壁3bの被嵌合部66に対応する箇所には、係止孔68が形成されている。一方、筒状突部65の一部には、該筒状突部65の一部を切欠くことにより弾性係止爪67が形成されており、筒状突部65を被嵌合部66に嵌合したときに、弾性係止爪67が係止孔68に弾性的に係止され、筒状突部65の被嵌合部66からの逸脱が規制されるようになっている。また、筒状突部65の内部上側には、長側壁31の内壁3bに突設された円筒状の回動規制突部38が嵌合可能な円形状の被嵌合部69が形成されている。
【0042】
また、筒状突部65と被嵌合部66は、側面視略長孔形状をなし、上部は湾曲状に形成される一方で、下部は直線状に形成され、さらに筒状突部65の上部にのみ被嵌合部69が形成されている。つまり、上下非対称構造であり、上下反転した状態で筒状突部65を被嵌合部66に嵌合することができないため、逆付けが防止される。
【0043】
このように分割体30Aは、筒状突部55を被嵌合部56に嵌合して、長側壁31と短側壁32との端面同士を当接させることにより、平面視略J字形をなす第1形態となる(
図4(a)参照)。また、被嵌合部56から筒状突部55の一部を抜き出し、凸部51aを中心として短側壁32を回動させることにより、長側壁31に対し短側壁32が略平行となる第2形態となる(
図7(b)参照)。また、軸受孔52a内に凸部51aが保持されることにより、被嵌合部56からの筒状突部55の逸脱が抑制され(
図6(c)参照)、軸受孔52b内に凸部51aが保持されることにより、長側壁31と短側壁32との分離が防止されるとともに、凸部51aを中心とする回動が可能となる(
図6(d)参照)。
【0044】
[側枠体の形態変化について]
次に、側枠体3の形態変化について説明する。
【0045】
まず、側枠体3を組立形態とする場合について説明する。
図6に示されるように、まず、分割体30A及び分割体30Bを、平面視略J字形をなす第1形態とする。次いで、それぞれの長側壁31の端面に形成された被嵌合部66に、それぞれの短側壁32の端面に形成された筒状突部65を嵌合する。これにより、側枠体3は、平面視略J字形の分割体30Aと分割体30Bとが一体に組付けられ、平面視略四角枠状をなす組立形態となる。
【0046】
組立形態において、長側壁31と短側壁32の一端側はスライド回動手段50により連結されている。また、他端側は弾性係止爪67が係止孔68に弾性的に係止されているとともに、短側壁32の両端面に形成された筒状突部55,65が、長側壁31の両端面に形成された被嵌合部56,66に圧入されることで、長側壁31と短側壁32との接続が容易に解除されないようになっている。
【0047】
次に、側枠体3を、底体2と蓋体4との間に収容可能な収容形態とする場合について説明する。
図6に示されるように、まず、長側壁31の係止孔68に係止されている弾性係止爪67を内側から押圧して係止状態を解除したまま、被嵌合部66から筒状突部65を抜き出し、長側壁31と短側壁32との接続を解除する。これにより側枠体3は、周方向の所定箇所を分割することで、分割体30Aと分割体30Bとに分割される。
【0048】
次いで、平面視略J字形をなす第1形態の分割体30A,30Bについて、長側壁31と短側壁32とを互いに離れる方向に引っ張り、被嵌合部56から筒状突部55を抜き出す。これにより、凸部51aが軸受孔52b内に保持されるので、凸部51aを中心として短側壁32を回動させて第2形態とする(
図7(b)参照)。
【0049】
次いで、
図8(a)に示されるように、第2形態とした分割体30A,30Bを前後に並設した状態で連結する。具体的には、分割体30Aの長側壁31及び短側壁32の上壁3cに、分割体30Bの長側壁31及び短側壁32の下端を突き合わせる。このとき、
図8(b)に示されるように、弾性係止爪33が係止孔37に係止されることで、分割体30A,30Bが連結される。また、
図8(c)に示されるように、連結状態で、分割体30Bの外壁3aの下端が分割体30Aの上壁3cの段部3eに嵌合するとともに、位置決め突部35が被嵌合部36に嵌合することで、分割体30Aと分割体30Bとの位置ずれが防止される。これにより側枠体3は、
図8(a)に示されるように、分割体30Aと分割体30Bとが第2形態のまま連結された収容形態となる。
【0050】
次に、量水器ボックス1を、保管・運搬状態とする場合について説明する。
図9(a)に示されるように、収容形態とされた分割体30A,30Bの長側壁31及び短側壁32を、底体2の前壁2b及び後壁2cに沿う方向に向けた姿勢で、底体2の底壁2a上に載置し、凹部2f内に収容する(
図9(b)参照)。
【0051】
また、分割体30A,30Bの短側壁32の上面に、円盤状のメーター台41を載置した後、蓋体4を下降させて底体2の上面を閉塞する(
図9(b)参照)。ここで、
図10に示されるように、底体2と蓋体4の周囲にバンド42を巻き付けて、蓋体4が開放しないように組付ける。尚、バンド42でなく、ねじ部材等により底体2に蓋体4を組付けてもよい。
【0052】
図11(a),(b)に示されるように、量水器ボックス1は、保管・運搬状態において、底体2と蓋体4とにより箱状に形成される。そして、蓋体4の下面に形成された凹部4i及び底体2の上面に形成された凹部2fにて内部空間が形成されることにより、収容形態の側枠体3を収容可能となる。
【0053】
凹部4i,2f内に収容された収容形態の側枠体3は、分割体30A,30Bの規制突部39が底壁2aの位置決め孔7に嵌合することで、底壁2a上での前後左右方向へのスライド移動が規制される。また、分割体30A,30Bの上面と蓋板4bとの間に生じた隙間にメーター台41が配置されることで、側枠体3の上下方向の移動が規制される。つまり、メーター台41はスペーサ部材として機能している。よって、凹部4i,2f内において側枠体3があばれることがないので、運搬時の振動等により側枠体3が底体2や蓋体4に衝突してこれら部材が破損または損傷することが防止される。
【0054】
尚、本実施例では、側枠体3とともにメーター台41を内部に収容する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、少なくとも側枠体3を収容可能であれば、必ずしも側枠体3とともにメーター台41を内部に収容しなくてもよい。この場合、規制突部39を底壁2aの位置決め孔7に圧入すれば、前後左右方向への移動だけでなく、上下方向の移動を規制することができる。これにより、側枠体3を梱包材により梱包しなくても側枠体3や底体2や蓋体4の損傷を防止できる。また、蓋体4の下面に設けられた耐寒用の発泡材(図示略)やリブ(図示略)などにより蓋体4の板厚が大きい場合、蓋体4にて側枠体3を直接押えることができるので、メーター台41等を収容しなくても側枠体3の上下方向の移動を規制することができる。さらに、側枠体3の梱包材をスペーサ部材として用いてもよい。
【0055】
このように、側枠体3をコンパクトな収容形態とし、この状態で、凹部4i,2fを利用して底体2と蓋体4との間に収容することで、量水器ボックス1の保管・運搬状態での上下外寸法L11A(L11A=150mm、
図11(b)参照)が、量水器ボックス1の使用状態での上下外寸法L11(L11=250mm、
図2(b)参照)よりも短寸となって上下にコンパクト化される(L11A<L11)。よって、限られた保管・運搬スペースにより多くの量水器ボックス1を載置することが可能となる。また、量水器ボックス1の構成に必要な蓋体4、側枠体3及び底体2をユニット化して保管・運搬することができるので、設置現場にて量水器ボックス1を使用状態とする組立て作業が容易になる。
【実施例0056】
次に、本発明の実施例2としての量水器ボックス71について、
図12~
図15に基づいて説明する。尚、本実施例2では、主に実施例1と異なる構成について説明し、実施例1と同様の構成や部位については、同様の符号を付すことにより詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施例2としての量水器ボックス71は、
図12及び
図13に示される使用状態において、3個の側枠体3が上方に積み重ねられており、上下外寸法L21(L21=450mm)は、実施例1の量水器ボックス1の上下外寸法L11(L11=250mm)よりも長寸とされている(L21>L11)。このように側枠体3を上方に複数段積み重ねることにより、量水器ボックス71の上下外寸法を長寸にすることができる。また、積み重ねる側枠体3の個数を調整することで、設置現場の状況に応じた上下外寸法とすることができる。
【0058】
本実施例2の量水器ボックス71を使用状態から保管・運搬状態にする場合、
図14及び
図15に示されるように、3個のうち1個の側枠体3を組立形態のまま底体2の上方に載置し、残りの2個の側枠体3を、分割体30A,30Bに分割して各々第2形態とした後、前後に連結して収容形態とする。そして、収容形態とした2個の側枠体3のうち1個を底体2の凹部2f内に収容するとともに、その上方に残りの側枠体3を積み重ねる(
図15(b)参照)。その後、組立形態の側枠体3の上方に蓋体4を載置することで、量水器ボックス71を保管・運搬状態とすることができる。また、側枠体3を上下に積み重ねたときに、下方の側枠体3の外壁3aに形成された被嵌合部40に、上方の側枠体3の規制突部39が嵌合することで、上下の側枠体3の前後左右方向への位置ずれが防止される。
【0059】
このように、使用状態において側枠体3が複数段積み重ねられた量水器ボックス71は、保管・運搬状態とする場合に、複数の側枠体3全てを底体2と蓋体4との間に収容するのではなく、複数のうち一部の側枠体3を組立形態のまま底体2の上方に載置し、残りの側枠体3を収容形態として底体2と蓋体4との間に上下に積み重ねた状態で収容することができる。よって、保管・運搬状態での上下外寸法L21A(L21A=250mm)を、使用状態での上下外寸法L21(L21=450mm)よりも短寸化しつつ(L21A<L21)、全ての側枠体3を底体2及び蓋体4と一緒にユニット化することができる。
【0060】
また、量水器ボックス71を限られたスペース内に積み重ねて保管または運搬する場合、従来では、
図16(a)に示されるように、限られたスペースS上に、量水器ボックス71を使用状態のまま上方に高く積み重ねていく一方で、本発明では、
図16(b)に示されるように、限られたスペースS上に、量水器ボックス71を、上下外寸法を短寸とした保管・運搬状態で上方に積み重ねていくことで、全体の上下外寸法を約45%削減することができる。よって、例えば、運搬車の荷台などの限られた運搬スペースにより多くの量水器ボックス71を詰め込んで、より多くの量水器ボックス71を1度にまとめて運搬することができるため、トラックなどによる運搬にかかるコストを効果的に低減することができる。さらに、運搬回数を低減できることにより、二酸化炭素の排出量等を低減できるので環境にもよい。
【0061】
また、側枠体3を、底体2や蓋体4とは別個に倉庫などにて保管するために、限られたスペース内に側枠体3を載置する場合、従来では、
図17(a)に示されるように、限られたスペースS上に、側枠体3を組立形態のまま複数載置している一方で、本発明では、
図17(b),(c)に示されるように、限られたスペースS上に、複数の側枠体3を分割体30A,30Bに分割してコンパクト化した状態で載置することができる。
【0062】
具体的には、
図17(a)に示される従来では、限られたスペースS(保管スペース)上に7個の側枠体3を載置できるのに対し、
図17(b)に示される本発明では、限られたスペースS上に、従来の約1.4倍となる10個の側枠体3を載置できるとともに、
図17(c)に示される本発明では、限られたスペースS上に、従来の2倍となる14個の側枠体3を載置できる。このように、限られたスペースS上により多くの側枠体3を載置することができるため、保管にかかるコストを効果的に低減することができる。
【0063】
[作用・効果]
以上説明したように、本発明の実施例1、2の量水器ボックス1,71にあっては、蓋体4と、側壁(例えば、長側壁31、短側壁32)を構成する側枠体3と、底体2と、から構成され、蓋体4及び底体2の対向面のうち少なくともいずれか一方に凹部2f,4iが形成されており、凹部2f,4iを利用して蓋体4と底体2との間に側枠体3を収容可能である。これによれば、凹部2f,4iを利用して蓋体4と底体2との間に側枠体3を収容することで、上下外寸法を短寸化することができ、これにより限られた保管・運搬スペースにより多くの量水器ボックス1,71を載置することができるため、保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができる。また、製造メーカーは、注文等に応じて、蓋体4、側枠体3及び底体2をユニット化した状態で保管・運搬することができるので、設置現場での組立て作業が容易になる。
【0064】
また、側枠体3は、凹部2f,4i内に収容可能なサイズに変形可能である。具体的には、組立形態の側枠体3を、分割体30A,30Bに分割した後、分割体30A,30B各々を折り畳み、両者を連結して収容形態に変形することで、側枠体3を外部にはみ出すことなく凹部2f,4i内に収容することができる。
【0065】
また、側枠体3は、互いに離間対向する一対の短側壁32と一対の長側壁31とから平面視略四角枠状に構成され、一対の長側壁31の長手寸法が凹部2f,4iの長辺よりも短寸となるように分割可能である。具体的には、長側壁31の左右寸法L15が底体2の左右内寸法L2よりも短寸となるように分割可能である(L15<L2)。これによれば、長側壁31を短寸化するだけで長側壁31及び短側壁32を凹部2f,4i内に収容可能となり、必要以上に長側壁31や短側壁32を分割せずに済む。よって、組立形態としたときの側枠体3の強度低下を防止できる。
【0066】
また、一対の長側壁31を凹部2f,4iの短辺方向(前後方向)に並設した状態で収容可能である。具体的には、長側壁31及び短側壁32の上下寸法L14の2倍の上下寸法L14Aは、底体2の前後内寸法L3よりも短寸であることで(L14A<L3)、一対の長側壁31を前後に並べた収容形態にて凹部2f,4i内に収容することができる。
【0067】
また、一対の短側壁32は平面視略コ字形をなすことで、角部以外の部分で長側壁31と連結できるため、量水器ボックス1の強度低下を防止できる。
【0068】
また、側枠体3を取外した状態でも蓋体4と底体2とを組付け可能である。例えば、
図10に示すように、底体2の上部に蓋体4を直接載置して、底体2と蓋体4の周囲にバンド42を巻き付けて蓋体4が開放しないように組付けることで、凹部2f,4iからの側枠体3の逸脱を防止することができる。
【0069】
また、側枠体3は、上下に積み重ね可能な複数の側枠体を含み、上下の側枠体3同士を連結する連結手段(例えば、弾性係止爪33と係止孔37)を備える。これによれば、複数の側枠体3を上下に積み重ねることで、地表からメーターまでの距離が長い現場に対応した上下外寸法が大きい量水器ボックス1,71を提供できる。また、互いに連結することで地盤沈下や浮上がりにより側枠体3同士が分離することを防止できる。
【0070】
尚、本実施例の量水器ボックス1,71は、上下の側枠体3同士を連結する連結手段(例えば、弾性係止爪33と係止孔37)を備えていたが、必ずしも連結手段を備えていなくてもよい。また、連結手段は上記のような係止手段に限らず、ねじ部材やラッチ部材等を適用してもよい。
【0071】
また、上下の側枠体3同士の連結位置を決定する位置決め手段(例えば、位置決め突部35と被嵌合部36)を備える。これによれば、上下の側枠体3同士を容易に位置決めできるので、連結作業が容易になる。
【0072】
尚、本実施例の量水器ボックス1,71は、上下の側枠体3同士の連結位置を決定する位置決め手段(例えば、位置決め突部35と被嵌合部36)を備えていたが、必ずしも位置決め手段を備えていなくてもよい。また、位置決め手段は上記のように嵌合部と被嵌合部との嵌合によるものだけでなく、側枠体3の周面にガイド部を当接することにより位置決めするものでもよい。
【0073】
また、蓋体4及び底体2のうち少なくともいずれか一方に、凹部2f,4i内に収容された側枠体3の移動を規制する移動規制手段(例えば、規制突部39と位置決め孔7など)が設けられている。これによれば、運搬中に凹部2f,4i内で側枠体3があばれて底体2、蓋体4及び側枠体3に接触し、これら部材が損傷したり破損することを防止できる。
【0074】
尚、本実施例の量水器ボックス1,71は、蓋体4及び底体2のうち少なくともいずれか一方に、凹部2f,4i内に収容された側枠体3の移動を規制する移動規制手段(例えば、規制突部39と位置決め孔7など)が設けられていたが、必ずしも移動規制手段が設けられていなくてもよい。また、移動規制手段は上記のように嵌合部と被嵌合部との嵌合によるものだけでなく、側枠体3の周面に当接部を当接することにより移動を規制するものでもよい。
【0075】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0076】
以下、本発明の変形例1~4について、
図18~
図21に基づいて説明する。尚、変形例1~4では、主に実施例1、2と異なる構成について説明し、実施例1、2と同様の構成や部位については、同様の符号を付すことにより詳細な説明は省略する。
【0077】
[変形例1]
本発明の変形例1について、
図18に基づいて説明する。
【0078】
前記実施例1、2では、底体2と蓋体4との間に収容された側枠体3は、移動規制手段としての規制突部39と位置決め孔7との嵌合により前後左右方向の移動が規制されていたが、
図18に示される変形例1としての量水器ボックス81のように、底体2の凹部2f内における側枠体3と底体2の前壁2b,後壁2c,左側壁2d,右側壁2eとの間に、移動規制部材21(移動規制手段)を配置することで、前後左右方向の移動が規制されるようにしてもよい。このようにすることで、設置現場において使用状態とするときに移動規制部材21を除去できるので、メーター等の点検作業等の際に邪魔になることがない。
【0079】
尚、移動規制部材21の配置位置、配置数、形状等は任意であり、
図18に記載のものに限定されるものではない。また、移動規制部材21は、底体2に一体に形成されていてもよい。
【0080】
また、前記実施例1、2では、底体2と蓋体4との間に収容された側枠体3は、蓋体4と側枠体3との間にメーター台41が配置されることで上下方向の移動が規制されていたが、
図18に示される変形例1としての量水器ボックス81のように、蓋体4の蓋板4b下面に突設された凸状の移動規制部22(移動規制手段)により側枠体3を押さえることで、上下方向の移動を規制するようにしてもよい。このようにすることで、使用状態において開口4cを開放するときに、蓋板4bとともに移動規制部22も移動して底体2内に残らないので、メーター等の点検作業等の際に邪魔になることがない。
【0081】
尚、移動規制部22の配置位置、配置数、形状等は任意であり、
図18に記載のものに限定されるものではなく、例えば、蓋板4bの下面でなく、蓋受部4dなどに形成されていてもよい。また、凹部2f,4i内に収容された側枠体3の移動を規制する移動規制手段は、底体2または蓋体4にのみ設けられていてもよいし、底体2及び蓋体4双方に設けられていてもよい。
【0082】
[変形例2]
次に、本発明の変形例2について、
図19に基づいて説明する。
【0083】
前記実施例1、2では、組立形態の側枠体3を分割体30A,30Bに分割した後、それぞれを連結して収容形態とし、長側壁31を下方に向けて底体2の底壁2a上に載置して凹部2f内に収容する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特に図示しないが、短側壁32を下方にして底体2の底壁2a上に載置し、凹部2f内に収容するようにしてもよい。
【0084】
また、
図19(a),(b)に示されるように、分割体30A,30Bの長側壁31及び短側壁32を側方に傾倒させて、長側壁31及び短側壁32の下端(または上壁3c)が底壁2a上面に対向する傾倒姿勢で収容してもよい。
【0085】
[変形例3]
次に、本発明の変形例3について、
図20に基づいて説明する。
【0086】
前記実施例1、2では、側枠体3の上下寸法L14は所定の上下寸法(L14=100mm)とされていたが、例えば、上下寸法が異なる複数種類の側枠体3を組合せて積み重ねることで、上下外寸法が異なる複数種類の量水器ボックスを構成できるようにしてもよい。
【0087】
具体的には、例えば、
図20(a)に示されるように、上下寸法が第1上下寸法(例えば、100mm)の側枠体3Aと、上下寸法が第1上下寸法とは異なる第2上下寸法(例えば、200mm)の側枠体3Bと、を用いて量水器ボックスを構成する場合について説明する。尚、以下において、底体2及び蓋体4の上下外寸法L1、L4はそれぞれ75mmとするが、底体2及び蓋体4の上下外寸法は種々に変更可能である。また、底体2及び蓋体4の上下外寸法は同寸でなくてもよい。
【0088】
まず、
図20(b)に示されるように、使用状態において上下外寸法が450mmとなる量水器ボックス82を構成する場合、第1上下寸法(例えば、100mm)の側枠体3Aと第2上下寸法(例えば、200mm)の側枠体3Bとを1個ずつ用いて上下に積み重ねる。
【0089】
また、
図20(c)に示されるように、量水器ボックス82を保管・運搬状態とする場合、側枠体3Aを組立形態のまま底体2と蓋体4との間に配置するとともに、側枠体3Bを分割体30A,30Bに分割して第2形態とし、上下に積み重ねる。よって、底体2と側枠体3Aと蓋体4とに囲まれる内部空間に極力大きな隙間が生じないように、側枠体3Bを収容することができる。また、量水器ボックス82の保管・運搬状態での上下外寸法(250mm、
図20(c)参照)が、使用状態での上下外寸法(450mm、
図20(b)参照)よりも短寸となって上下にコンパクト化される。
【0090】
次に、
図20(d)に示されるように、使用状態において上下外寸法が850mmとなる量水器ボックス83を構成する場合、第1上下寸法(例えば、100mm)の側枠体3Aを3個、第2上下寸法(例えば、200mm)の側枠体3Bを2個用いて上下に積み重ねる。
【0091】
また、
図20(e)に示されるように、量水器ボックス83を保管・運搬状態とする場合、1個の側枠体3A及び1個の側枠体3Bを組立形態のまま底体2と蓋体4との間に上下に積み重ねるとともに、2個の側枠体3A各々を分割体30A,30Bに分割して第2形態とした後に前後に連結して収容形態とし、上下に積み重ねる。また、1個の側枠体3Bを分割体30A,30Bに分割して第2形態とし、上下に積み重ねる。よって、底体2と側枠体3A、3Bと蓋体4とに囲まれる内部空間に極力大きな隙間が生じないように、側枠体3A,3Bを収容することができる。また、量水器ボックス83の保管・運搬状態での上下外寸法(450mm、
図20(e)参照)が、使用状態での上下外寸法(850mm、
図20(d)参照)よりも短寸となって上下にコンパクト化される。
【0092】
また、量水器ボックス83にあっては、例えば、2個の側枠体3Aを1個の側枠体3Bにて代用することができる。しかし、量水器ボックス83を
図20(e)に示される保管・運搬状態とする場合に、内部空間に極力大きな隙間が生じないように側枠体3A,3Bを収容することができる側枠体3A,3Bの組合せを優先して考えた上で決定すればよい。このように側枠体3A,3Bの最適な組合せを決定することで、保管や運搬にかかるコストを効果的に低減することができる。
【0093】
また、2種類の側枠体3A,3Bの組合せにより、
図20(b),(d)に示される量水器ボックス82,83だけでなく、これらとは上下外寸法が異なる複数種類の量水器ボックス(例えば、上下外寸法が200,250,300,350,400,450,500,550,600,650,700、750,800,850mm・・・などの量水器ボックス)を構成することができる。尚、上下外寸法は50mm単位でなくてもよい。つまり、上下外寸法が異なる多数の側枠体3を製造することなく、少なくとも2種類の側枠体3A,3Bを製造するだけで上下外寸法が異なる複数種類の量水器ボックスを製造できるため、製造コストを低減することができる。
【0094】
また、本変形例3では、側枠体3として、第1上下寸法(例えば、100mm)の側枠体3Aと第2上下寸法(例えば、200mm)の側枠体3Bを含む形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3上下寸法(例えば、50mm、150mm、250mmなど)の側枠体を含むようにしてもよい。このように側枠体3は、分割体30A,30Bのように周方向の2箇所以上の部分を分割可能とするだけでなく、側壁の幅方向(上下方向)の所定箇所を分割可能とし、上下寸法が異なる側枠体に分割可能としてもよい。
【0095】
[変形例4]
次に、本発明の変形例4について、
図21に基づいて説明する。
【0096】
前記実施例1、2では、側枠体3を構成する分割体30A,30Bは、長側壁31と短側壁32とがスライド回動手段50を介して折り畳み可能に連結されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図21に示される分割体130A,130Bのように、長側壁131と短側壁132とが接続及び分割可能に構成されていてもよい。
【0097】
具体的に説明すると、
図21(a)に示されるように、本変形例4の分割体130A,130Bそれぞれの長側壁131の両端には縦長筒状の嵌合突部45が突設されているとともに、短側壁132の両端には、嵌合突部45が嵌合可能な縦長孔状の被嵌合部46が形成されている。そして、嵌合突部45を被嵌合部46に嵌合することで長側壁131と短側壁132とが接続され、被嵌合部46から嵌合突部45を抜き抜くことで長側壁131と短側壁132とが分割されるようになっている。
【0098】
尚、長側壁131の両端に被嵌合部46を形成し、短側壁132の両端に嵌合突部45を形成してもよい。また、接続手段は嵌合によるものだけでなく、係止部材、ねじ部材、ラッチ部材等を適用してもよい。
【0099】
このような側枠体130を底体2の凹部2f内に収容するには、長側壁131と短側壁132とを分割(分離)し、
図21(b),(c)に示されるように、長側壁131の上方に短側壁132を積み重ねる。また、長側壁131の内壁3bには、凹状の被嵌合部39aが左右に形成されているとともに、短側壁132の外壁3aには、被嵌合部39aに嵌合可能な凸状の規制突部40aが突設されている。よって、底体2の底壁2a上に載置した長側壁131の上方に短側壁132を積み重ねたときに、短側壁132の規制突部40aが被嵌合部39aに嵌合され、分割体130Aの前後左右方向への移動が規制される。
【0100】
また、
図21(d),(e)に示されるように、分割体130Aの上方に分割体130Bを積み重ねる場合、長側壁131の上下一対の規制突部39が短側壁132の両端の被嵌合部46に嵌合され、分割体130Bの前後左右方向への移動が規制される。尚、規制突部39,40aや被嵌合部39a,40といった移動規制手段の形状、配置位置、配置数等は種々に変更可能である。また、長側壁131の上方に短側壁132を積み上げているが、分割体130A,130Bの長側壁131だけを上方に積み上げた後、短側壁132を上方に積み上げてもよい。つまり、長側壁131と短側壁132とを別々に積み上げて収容してもよい。
【0101】
[その他の変形・応用例]
また、前記実施例では、蓋体4及び底体2の対向面双方に凹部2f,4iが形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも蓋体4または底体2のいずれかに凹部が形成されていればよい。
【0102】
また、前記実施例では、側枠体3を分割体30A,30Bに2分割した後、各分割体30A,30Bを第1形態から第2形態に変形させることで凹部2f,4i内に収容可能なサイズとなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平面視略四角枠状の側枠体3を分割体30A,30Bに分割することなく、周方向の複数個所を内側または外側に屈曲変形させて折り畳むことにより、凹部2f,4i内に収容可能としてもよい。
【0103】
また、前記実施例では、分割体30A,30Bは、長側壁31が底体2の長辺に沿う姿勢で凹部2f内に収容する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、長側壁31を底体2の短辺に沿う姿勢で凹部2f内に収容するようにしてもよい。
【0104】
また、前記実施例では、側枠体3は、長側壁31の左右寸法L15が底体2の左右内寸法L2よりも短寸となるように分割可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、側枠体3の分割数は任意であり、3分割や4分割(変形例4参照)または5分割以上でもよい。また、短側壁32は平面視略コ字形に分割される形態を例示したが、必ずしも平面視略コ字形に分割されなくてもよい。具体的には、側枠体3を角部にて4分割して長側壁31と短側壁32とを板状に分割するとともに、長側壁31をさらに2分割して凹部2f内に収容可能とすればよい。
【0105】
また、前記実施例では、長側壁31と短側壁32とがスライド回動手段50を介して連結されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スライド回動手段50を設けずに、変形例4の側枠体130のように、長側壁131と短側壁132とが全て分割可能とされていてもよい。
【0106】
また、前記実施例では、分割体30A,30Bは、収容形態において前後に連結されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、分割体30A,30Bをそれぞれ連結せずに凹部2f,4i内に収容してもよい。
【0107】
また、前記実施例では、量水器ボックス1,71,81~83は、平面視略長方形状をなす立体である形態を例示したが、平面視略正方形状や円形状の立体でもよく、形状は任意である。
【0108】
また、前記実施例では、メーターボックスの一例として量水器ボックスを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、量水器以外のメーターや止水栓などの構造物を内部に収容可能であってもよい。
【0109】
また、本発明のいくつかの実施例及びその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各実施例及び各変形例を適宜組合せることも可能である。