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特開2024-141309調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラム
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  • 特開-調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラム 図1
  • 特開-調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラム 図2
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  • 特開-調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141309
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241003BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052888
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下山 貴士
(72)【発明者】
【氏名】松永 昂平
(72)【発明者】
【氏名】味村 辰彦
【テーマコード(参考)】
5L010
5L040
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L010AA02
5L040BB63
5L049AA02
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)指定された対象年月と同じ売上月を有し、かつ、粗利調整区分が「1:通常売上」である売上明細データを対象として、請求先、担当者および商品の組合せ毎に売上数を集計し、(2)粗利調整台帳マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する請求先および商品と紐付く調整単価を取得し、(3)前記集計した結果の売上数に、前記取得した調整単価を乗じることにより、調整用の粗利金額を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする、制御部および記憶部を備える調整用粗利算出装置であって、
前記記憶部には、
請求先を識別するための請求先識別データと、商品を識別するための商品識別データと、会計年月と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、を含む調整マスタと、
売上年月と、前記請求先識別データと、前記営業担当を識別するための担当者識別データと、前記商品識別データと、前記商品の売上数と、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分および売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分のいずれかの売上区分と、を有する売上明細データを含む売上データと、
が格納されており、
前記制御部は、
指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計手段と、
前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得手段と、
前記売上数集計手段で集計した結果の売上数に、前記調整単価取得手段で取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出手段と、
を備えること、
を特徴とする調整用粗利算出装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記組合せと、前記粗利売上区分と、前記粗利算出手段で算出した調整用の粗利金額と、を有する売上明細データを生成し、前記売上データに格納する売上明細生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項3】
前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データが有する売上数、売上単価および売上金額が、正の値であり、
前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データが有する売上数、売上単価および売上金額が、0であること、
を特徴とする請求項2に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項4】
前記調整マスタは、更に、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものの内容を識別するための区分である貢献内容区分を含み、
前記調整単価取得手段は、更に、前記貢献内容区分を取得し、
前記売上明細生成手段は、前記貢献内容区分を更に有する前記売上明細データを生成し、前記売上データに格納すること、
を特徴とする請求項2に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項5】
前記貢献内容区分が、
前記営業担当が新規顧客の獲得に貢献したことを示す区分、前記営業担当が前記商品のロスの回避に貢献したことを示す区分、または、前記営業担当が顧客とのトラブルに対する対応に尽力したことを示す区分であること、
を特徴とする請求項4に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データ中の粗利金額と、前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データ中の前記調整用の粗利金額と、を合算することで、粗利金額の総額を算出する粗利総額算出手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項2に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データを、社外用の帳票には表示せず、社内用の帳票にのみ表示する帳票表示手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項2に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項8】
前記社外用の帳票が、納品書または請求書であり、
前記社内用の帳票が、担当者別売上実績表であること、
を特徴とする請求項7に記載の調整用粗利算出装置。
【請求項9】
前記商品が、薄利多売品であること、
を特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の調整用粗利算出装置。
【請求項10】
営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される調整用粗利算出方法であって、
前記記憶部には、
請求先を識別するための請求先識別データと、商品を識別するための商品識別データと、会計年月と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、を含む調整マスタと、
売上年月と、前記請求先識別データと、前記営業担当を識別するための担当者識別データと、前記商品識別データと、前記商品の売上数と、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分および売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分のいずれかの売上区分と、を有する売上明細データを含む売上データと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計ステップと、
前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得ステップと、
前記売上数集計ステップで集計した結果の売上数に、前記調整単価取得ステップで取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする調整用粗利算出方法。
【請求項11】
営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための調整用粗利算出プログラムであって、
前記記憶部には、
請求先を識別するための請求先識別データと、商品を識別するための商品識別データと、会計年月と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、を含む調整マスタと、
売上年月と、前記請求先識別データと、前記営業担当を識別するための担当者識別データと、前記商品識別データと、前記商品の売上数と、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分および売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分のいずれかの売上区分と、を有する売上明細データを含む売上データと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計ステップと、
前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得ステップと、
前記売上数集計ステップで集計した結果の売上数に、前記調整単価取得ステップで取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出ステップと、
を含むこと、
を特徴とする調整用粗利算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の0004段落には、「そこで本発明は、顧客に対して商品又は役務を提案する文書を生成する場合に、顧客の情報処理の環境だけに基づいた文書を生成する場合に比べ、提案する側の目的を考慮した文書を生成することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。」と記載されている。また、特許文献1の0030段落には、「例えば、顧客向けの提案書(提案書は、文書の一例である)を生成する際に、営業の利用目的を加味し、提案書の説明時間(総ページ数)に見合った適切な内容で提案書を生成する。具体的には、粗利が高い商品を優先して提案する、営業評価ポイントが高い商品を優先して提案するための提案書を生成することになる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-049045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客に対する営業を行う分野においては、上記特許文献1の記載からもわかるように、売り上げた商品の粗利金額により、営業担当の評価が決まる。
【0005】
ここで、営業担当が会社に対して行う貢献の中には、粗利金額としては計算されない特別な事情(新規顧客を獲得した、賞味期限の近い商品をさばいた、および、顧客からのクレームの処理に尽力した等)も存在する。
【0006】
しかしながら、従来においては、このような特別な事情を営業担当の評価の際に考慮しておらず、営業担当のモチベーションが低下してしまうという問題があった。また、考慮できていても、特別な事情を評価担当者がエクセル等を用いて手動で集計していたため、多大な時間および労力がかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする、制御部および記憶部を備える調整用粗利算出装置であって、前記記憶部には、請求先を識別するための請求先識別データと、商品を識別するための商品識別データと、会計年月と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、を含む調整マスタと、売上年月と、前記請求先識別データと、前記営業担当を識別するための担当者識別データと、前記商品識別データと、前記商品の売上数と、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分および売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分のいずれかの売上区分と、を有する売上明細データを含む売上データと、が格納されており、前記制御部は、指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計手段と、前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得手段と、前記売上数集計手段で集計した結果の売上数に、前記調整単価取得手段で取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記制御部は、前記組合せと、前記粗利売上区分と、前記粗利算出手段で算出した調整用の粗利金額と、を有する売上明細データを生成し、前記売上データに格納する売上明細生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データが有する売上数、売上単価および売上金額が、正の値であり、前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データが有する売上数、売上単価および売上金額が、0であること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記調整マスタは、更に、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものの内容を識別するための区分である貢献内容区分を含み、前記調整単価取得手段は、更に、前記貢献内容区分を取得し、前記売上明細生成手段は、前記貢献内容区分を更に有する前記売上明細データを生成し、前記売上データに格納すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記貢献内容区分が、前記営業担当が新規顧客の獲得に貢献したことを示す区分、前記営業担当が前記商品のロスの回避に貢献したことを示す区分、または、前記営業担当が顧客とのトラブルに対する対応に尽力したことを示す区分であること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記制御部は、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データ中の粗利金額と、前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データ中の前記調整用の粗利金額と、を合算することで、粗利金額の総額を算出する粗利総額算出手段を更に備えること、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記制御部は、前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データを、社外用の帳票には表示せず、社内用の帳票にのみ表示する帳票表示手段を更に備えること、を特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記社外用の帳票が、納品書または請求書であり、前記社内用の帳票が、担当者別売上実績表であること、を特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る調整用粗利算出装置においては、前記商品が、薄利多売品であること、を特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る調整用粗利算出方法においては、営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される調整用粗利算出方法であって、前記記憶部には、請求先を識別するための請求先識別データと、商品を識別するための商品識別データと、会計年月と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、を含む調整マスタと、売上年月と、前記請求先識別データと、前記営業担当を識別するための担当者識別データと、前記商品識別データと、前記商品の売上数と、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分および売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分のいずれかの売上区分と、を有する売上明細データを含む売上データと、が格納されており、前記制御部で実行される、指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計ステップと、前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得ステップと、前記売上数集計ステップで集計した結果の売上数に、前記調整単価取得ステップで取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る調整用粗利算出プログラムにおいては、営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための調整用粗利算出プログラムであって、前記記憶部には、請求先を識別するための請求先識別データと、商品を識別するための商品識別データと、会計年月と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、を含む調整マスタと、売上年月と、前記請求先識別データと、前記営業担当を識別するための担当者識別データと、前記商品識別データと、前記商品の売上数と、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分および売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分のいずれかの売上区分と、を有する売上明細データを含む売上データと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計ステップと、前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得ステップと、前記売上数集計ステップで集計した結果の売上数に、前記調整単価取得ステップで取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、調整用粗利算出装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、粗利調整計算処理の対象となる対象年月を入力するための画面の一例を示す図である。
図3図3は、粗利調整計算処理実行前の売上データの一例を示す図である。
図4図4は、粗利調整台帳マスタ、売上集計データおよび生成された売上明細データ(売上伝票)の一例を示す図である。
図5図5は、粗利調整計算処理実行後の売上データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る調整用粗利算出装置、調整用粗利算出方法および調整用粗利算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0022】
[1.概要]
食品卸業界等においては、卸売の営業担当は、自身が売り上げた商品の粗利金額によって業績評価されることが多い。
【0023】
しかしながら、以下に例示する特別な事情のために、粗利金額上の数字と営業担当の成果・評価とが結びつかない場合がある。
(特別な事情の例)
・重要顧客への新規案件獲得のために粗利額は少ないものの取引を獲得した。言い換えると、大口の得意先の取引開始のために、少し安くしてでも取引を獲得した。
・賞味期限や消費期限の近いB級品についてロスとなることを回避するために粗利額は少ないものの販売を行った。言い換えると、賞味期限や消費期限が近い商品を少し安くしてでも(粗利を少し落としてでも)売りさばいた。
・顧客からのクレームの処理に尽力した。
【0024】
従来においては、このような特別な事情を営業担当の評価の際に考慮しておらず、営業担当のモチベーションが低下してしまうという問題があった。また、考慮できていても、特別な事情を評価担当者がエクセル等を用いて手動で集計していたため、多大な時間および労力がかかるという問題があった。
【0025】
そこで、本実施形態においては、特別な事情を加味して、粗利の調整(補填)額をシステムで計算できるようにした。具体的には、請求先別かつ商品別に粗利調整(補填)をするためのマスタを用意し、月末に、当該マスタ中の調整単価を売上データ中の販売数量(売上数)と掛け合わせることで、実際の会計の計上数字とは別に、社内評価表の粗利を計上する売上伝票を生成できるようにした。
【0026】
これにより、例えば、営業担当のモチベーションを確保することができる。また、顧客満足度の向上を図ることができる。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0027】
[2.構成]
本実施形態に係る調整用粗利算出装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、調整用粗利算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
調整用粗利算出装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、調整用粗利算出装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0029】
調整用粗利算出装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。調整用粗利算出装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、調整用粗利算出装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、調整用粗利算出装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0032】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0033】
記憶部106は、例えば、調整マスタとしての粗利調整台帳マスタ106aと、売上データ106bと、売上集計データ106cと、を備えている。
【0034】
ここで、本実施形態に係る調整用粗利算出装置100によれば、営業担当が、自身が売り上げた商品の粗利金額により評価される場合において、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額として算出することができる。前記商品は、例えば、薄利多売品である。
【0035】
粗利調整台帳マスタ106aは、請求先別かつ商品別に調整単価を設定するためのマスタである。粗利調整台帳マスタ106aは、図4に示すように、例えば、請求先を識別するための請求先識別データ(請求先)と、商品を識別するための商品識別データ(商品)と、会計年月と、前記営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものの内容を識別するための区分である貢献内容区分(調整区分)と、算出された調整用の粗利金額の端数処理の方法を識別するための区分である金額端数処理区分と、前記調整用の粗利金額を算出するために用いる単価である調整単価と、等を含む。
【0036】
前記貢献内容区分(調整区分)としては、例えば、前記営業担当が新規顧客の獲得のために貢献したことを示す区分(「1:重要顧客」の区分)、前記営業担当が前記商品のロスの回避に貢献したことを示す区分(「2:B級品」の区分)、および、前記営業担当が顧客とのトラブルに対する対応に尽力したことを示す区分(「3:トラブル対応」の区分)等が挙げられる。前記貢献内容区分(調整区分)は、粗利調整の要因を判断するための区分であるということもできる。なお、前記貢献内容区分(調整区分)は、これら以外にも、適宜追加することが可能である。
【0037】
前記金額端数処理区分としては、例えば、算出された調整用の粗利金額の小数点以下を切り捨てることを示す区分(「0:切り捨て」の区分)、算出された調整用の粗利金額の小数点以下を四捨五入することを示す区分(「1:四捨五入」の区分)、および、算出された調整用の粗利金額の小数点以下を切り上げることを示す区分(「2:切り上げ」の区分)等が挙げられる。
【0038】
前記調整単価は、前記調整用の粗利金額を算出する際に、前記商品の売上数に乗じる単価である。前記調整単価は、例えば、会社の経営層等により適切な値が設定される。前記調整単価の設定の仕方の例を以下に2つ示す。
・重要顧客については、通常顧客に対して商品を販売する際に想定される粗利の10%を前記調整単価として設定する。
・B級品(賞味期限や消費期限が近い商品)については、安い価格で顧客に販売し粗利が低いため、通常商品を販売した際の利益と同等の利益となる様に前記調整単価を設定する。
【0039】
売上データ106bは、図5に示すように、例えば、売上番号と、売上年月(売上月)と、売上日と、前記請求先識別データ(請求先)と、前記営業担当を識別するための担当者識別データ(担当者)と、前記商品識別データ(商品)と、前記商品の売上数と、前記商品の売上単価と、前記商品の売上金額と、前記商品の粗利金額と、売上区分(粗利調整区分)と、前記貢献内容区分(調整区分)と、摘要と、等を有する売上明細データを含む。
【0040】
前記売上区分(粗利調整区分)は、売上の方法が通常の売上であること示す区分である通常売上区分(「1:通常売上」の区分)、および、売上の方法が粗利調整による売上であることを示す区分である粗利売上区分(「2:粗利調整」の区分)のいずれかの区分である。
【0041】
売上集計データ106cは、前記売上数を、前記請求先識別データ(請求先)、前記担当者識別データ(担当者)および前記商品識別データ(商品)の組合せ毎に集計した結果を含むデータである。売上集計データ106cは、図4に示すように、例えば、前記売上年月(売上月)と、前記請求先識別データ(請求先)と、前記担当者識別データ(担当者)と、前記商品識別データ(商品)と、集計した結果の売上数(売上数)と、等を含む。
【0042】
制御部102は、調整用粗利算出装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0043】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)指定された対象年月と同じ売上年月を有し、かつ、前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ、前記担当者識別データおよび前記商品識別データの組合せ毎に前記売上数を集計する売上数集計手段としての売上数集計部102aと、(2)前記調整マスタから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データおよび前記商品識別データと紐付く調整単価を取得する調整単価取得手段としての調整単価取得部102bと、(3)前記売上数集計手段で集計した結果の売上数に、前記調整単価取得手段で取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する粗利算出手段としての粗利算出部102cと、(4)前記組合せと、前記粗利売上区分と、前記粗利算出手段で算出した調整用の粗利金額と、を有する売上明細データを生成し、前記売上データに格納する売上明細生成手段としての売上明細生成部102dと、(5)前記売上区分が前記通常売上区分である前記売上明細データ中の粗利金額と、前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データ中の前記調整用の粗利金額と、を合算することで、粗利金額の総額を算出する粗利総額算出手段としての粗利総額算出部102eと、(6)前記売上区分が前記粗利売上区分である前記売上明細データを、社外用の帳票には表示せず、社内用の帳票にのみ表示する帳票表示手段としての帳票表示部102fと、を備えている。なお、各部が実行する処理の内容は、以下の[4.処理の具体例]で詳細に説明する。
【0044】
[3.処理の概要]
本項目では、本実施形態に係る処理の概要について説明する。
【0045】
本実施形態においては、粗利調整計算処理により、粗利調整用の売上伝票を生成することができる。粗利調整計算処理は、例えば月次締時に一度実行される。粗利調整計算処理は、以下の4つのフローからなる。
【0046】
最初に、売上数集計部102aは、図2に示す画面で指定された「対象年月」より、売上データ106bを参照し、請求先、担当者および商品の組合せ毎に売上数を集計する。
【0047】
次に、調整単価取得部102bは、集計したデータと粗利調整台帳マスタ106aとを突合し、粗利調整用の売上伝票の生成に用いる調整単価を取得する。
【0048】
次に、粗利算出部102cは、粗利調整台帳マスタ106aから取得した調整単価に集計した売上数を掛けることで、調整用の粗利金額を算出する。
【0049】
最後に、売上明細生成部102dは、粗利調整用の売上伝票を生成する。
【0050】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。本項目では、粗利調整計算処理実行前の売上データ106bが図3に示す内容で存在し、粗利調整台帳マスタ106aが図4に示す内容で予め設定されているという前提で説明を進める。また、本項目では、本実施形態に係る調整用粗利算出装置100が、食品卸会社において、営業担当を評価する評価担当者によって使用されるものとする。
【0051】
図3の売上データ106bを参照すると、営業担当「鈴木」についての2023/2の粗利金額の総額は7,530円であるが、この金額は、営業担当「鈴木」が行った新規顧客獲得のための貢献が考慮されていないため、営業担当「鈴木」が正当に評価されているとはいえない。そこで、当該貢献を適切に評価するために、以下で説明する粗利調整計算処理が実行される。
【0052】
[4-1.売上数集計処理]
売上数集計部102aは、指定された対象年月と同じ売上年月(売上月)を有し、かつ、前記売上区分(粗利調整区分)が前記通常売上区分(「1:通常売上」の区分)である前記売上明細データを対象として、前記請求先識別データ(請求先)、前記担当者識別データ(担当者)および前記商品識別データ(商品)の組合せ毎に前記売上数を集計する。
【0053】
具体的には、図2の画面において対象年月として「2023/2」が指定されたとする。図3の売上データ106bを参照すると、4つの売上明細データすべてが、指定された対象年月「2023/2」と同じ売上月「2023/2」を有し、かつ、粗利調整区分が「1:通常売上」である。このため、売上数集計部102aは、当該4つの売上明細データすべてを集計の対象とする。
【0054】
図3に示す前記4つの売上明細データのうち、1~3行目の売上明細データは、請求先「A商店」、担当者「鈴木」および商品「冷凍餃子」という組合せであり、一方で、4行目の売上明細データは、請求先「B商店」、担当者「鈴木」および商品「冷凍餃子」という組合せである。
【0055】
このため、売上数集計部102aは、1~3行目の売上明細データを対象として、1行目の売上明細データ中の売上数100と2行目の売上明細データ中の売上数70と3行目の売上明細データ中の売上数31を集計することで、201と算出する。一方で、売上数集計部102aは、4行目の売上明細データを対象として、4行目の売上明細データ中の売上数50を集計することで、50と算出する。
【0056】
そして、売上数集計部102aは、図4に示すように、当該集計した結果の売上数を含む売上集計データ106cを生成する。
【0057】
[4-2.調整単価取得処理]
次に、調整単価取得部102bは、粗利調整台帳マスタ106aから、前記指定された対象年月と同じ会計年月と紐付き、かつ、前記組合せを構成する前記請求先識別データ(請求先)および前記商品識別データ(商品)と紐付く調整単価を取得する。なお、調整単価取得部102bは、粗利調整台帳マスタ106aから、更に、前記貢献内容区分(調整区分)を取得してもよい。
【0058】
具体的には、調整単価取得部102bは、図4の粗利調整台帳マスタ106aから、前記指定された対象年月「2023/2」と同じ会計年月「2023/2」と紐付き、かつ、請求先「A商店」および商品「冷凍餃子」と紐付く調整単価として「3.5円」を取得する。
【0059】
[4-3.粗利算出処理]
次に、粗利算出部102cは、売上数集計部102aで集計した結果の売上数に、調整単価取得部102bで取得した調整単価を乗じることにより、前記調整用の粗利金額を算出する。
【0060】
具体的には、粗利算出部102cは、売上数集計部102aで集計した結果の売上数「201」に、調整単価取得部102bで取得した調整単価「3.5円」を乗じることにより、703.5円と算出する。
【0061】
ここで、図4の粗利調整台帳マスタ106aを参照すると、調整単価「3.5円」についての金額端数処理区分は「0:切り捨て」であるため、粗利算出部102cは、当該算出した703.5円の小数点以下を切り捨てることにより、703円という金額を最終的に算出する。
【0062】
このように、本実施形態に係る調整用粗利算出装置100によれば、営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを調整用の粗利金額(本例では703円)として算出することで、前記貢献を適切に評価することを可能とする。
【0063】
[4-4.売上明細生成処理]
次に、売上明細生成部102dは、前記組合せと、前記粗利売上区分(「2:粗利調整」の区分)と、粗利算出部102cで算出した調整用の粗利金額と、を有する売上明細データを生成し、売上データ106bに格納する。なお、売上明細生成部102dは、前記貢献内容区分(調整区分)を更に有する前記売上明細データを生成し、売上データ106bに格納してもよい。
【0064】
具体的には、売上明細生成部102dは、図4の下のテーブルに示すように、売上番号「U005」と、売上月「2023/2」と、売上日「2023/2/28」と、請求先「A商店」と、担当者「鈴木」と、商品「冷凍餃子」と、売上数「0」と、売上単価「0円」と、売上金額「0円」と、粗利算出部102cで算出した調整用の粗利金額「703円」と、粗利調整区分「2:粗利調整」と、調整区分「1:重要顧客」と、摘要「売上数:201,調整単価:3.5円」と、を有する売上明細データを生成する。生成された売上明細データが有する各要素について、以下説明する。
【0065】
売上番号は、新規に採番される番号である。売上日「2023/2/28」は、前記指定された対象年月「2023/2」の月末日付である。
【0066】
ここで、図3の売上データ106bに示すように、前記売上区分(粗利調整区分)が前記通常売上区分(「1:通常売上」の区分)である前記売上明細データが有する売上数、売上単価および売上金額は、正の値であるのに対して、図4に示すように、前記売上区分(粗利調整区分)が前記粗利売上区分(「2:粗利調整」の区分)である前記売上明細データが有する売上数、売上単価および売上金額は、以下の理由により0である。
【0067】
売上数を0に固定するのは、在庫への影響を与えないようにするためである。売上単価および売上金額を0に固定するのは、債権への影響を与えないようにするためである。このように、本実施形態に係る調整用粗利算出装置100によれば、在庫や債権には影響を与えない様に工夫された、粗利調整用の売上明細データを生成することができる。
【0068】
生成された売上明細データが有する各要素の説明に戻り、生成された売上明細データが調整区分を有することで、評価担当者は、営業担当の貢献であって数字には直接現れないものの内容を一瞬で把握することができる。本例の場合、評価担当者は、生成された売上明細データを参照することで、営業担当の「鈴木」が新規顧客獲得のための貢献を行ったということを瞬時に把握することができる。
【0069】
そして、売上明細生成部102dは、生成した売上明細データを、図3に示す売上データ106bに格納する。生成した売上明細データを格納した後(=粗利調整計算処理実行後)の売上データ106bを図5に示す。図5の売上データ106bにおいて、ハッチングを付した売上明細データが、新たに格納された売上明細データである。
【0070】
なお、自動生成された粗利調整用の売上伝票(売上明細データ)は、「売上入力」から、手動で修正することが可能である。
【0071】
[4-5.粗利総額算出処理]
粗利総額算出部102eは、前記売上区分(粗利調整区分)が前記通常売上区分(「1:通常売上」の区分)である前記売上明細データ中の粗利金額と、前記売上区分(粗利調整区分)が前記粗利売上区分(「2:粗利調整」の区分)である前記売上明細データ中の前記調整用の粗利金額と、を合算することで、粗利金額の総額を算出する。
【0072】
具体的には、粗利総額算出部102eは、図5の売上データ106bにおいて、粗利調整区分が「1:通常売上」である1~4行目の売上明細データ中の粗利金額の総額7,530円と、粗利調整区分が「2:粗利調整」である5行目の売上明細データ中の粗利金額703円と、を合算することで、8,233円という金額を算出する。
【0073】
ここで、営業担当「鈴木」が行った新規顧客獲得のための貢献を考慮しない場合の粗利金額の総額は、[4.処理の具体例]の冒頭で説明したように7,530円であったのに対し、営業担当「鈴木」が行った新規顧客獲得のための貢献を考慮した場合の粗利金額の総額は、本項目[4-5]で説明したように8,233円となった。
【0074】
このように、本実施形態に係る調整用粗利算出装置100によれば、営業担当による会社への貢献であって数字には直接現れないものを考慮した粗利金額の総額を算出することができる。
【0075】
[4-6.帳票表示処理]
帳票表示部102fは、前記売上区分(粗利調整区分)が前記粗利売上区分(「2:粗利調整」の区分)である前記売上明細データを、社外用の帳票には表示せず、社内用の帳票にのみ表示する。
【0076】
具体的には、売上伝票(売上明細データ)のうち、粗利調整用の伝票は、粗利調整区分によりシステム上判断可能であるため、帳票表示部102fは、粗利調整区分が「2:粗利調整」である売上明細データを、対外帳票(例えば、納品書および請求書)には表示せず、社内帳票(例えば、担当者別売上実績表)にのみ表示する。
【0077】
このように、本実施形態に係る調整用粗利算出装置100によれば、対外帳票には表示されない様に工夫された、粗利調整用の売上明細データを生成することができる。
【0078】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0081】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0082】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0083】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0084】
また、調整用粗利算出装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0085】
例えば、調整用粗利算出装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて調整用粗利算出装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0086】
また、このコンピュータプログラムは、調整用粗利算出装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0087】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0088】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0089】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0090】
また、調整用粗利算出装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、調整用粗利算出装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0091】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、例えば、薄利多売品を扱うために利益を確保しにくい業界において有用であり、特に、食品業界および食品卸業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0093】
100 調整用粗利算出装置
102 制御部
102a 売上数集計部
102b 調整単価取得部
102c 粗利算出部
102d 売上明細生成部
102e 粗利総額算出部
102f 帳票表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 粗利調整台帳マスタ
106b 売上データ
106c 売上集計データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5