(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141329
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】テープ検出装置およびテープ印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 3/36 20060101AFI20241003BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241003BHJP
B65H 26/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J3/36 T
B41J29/00 B
B65H26/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052912
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 啓心
(72)【発明者】
【氏名】樽谷 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 泰志
(72)【発明者】
【氏名】石本 章雄
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
3F105
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C061AP05
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS06
2C061BB08
2C061CD01
2C061CF01
2C061CF07
3F105AA04
3F105AB09
3F105BA37
3F105DA38
3F105DB02
3F105DC11
(57)【要約】
【課題】テープの送りを阻害することを抑制しつつ、テープの有無を適切に検出することができるテープ検出装置を提供する。
【解決手段】送られてきたテープ215に押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部97と、検出回転部97の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバー101と、光センサー77と、を備え、検出回転部97とセンサーレバー101とは、1部品で構成され、光センサー77は、センサーレバー101が第1レバー位置に位置するときには、光センサー77から発光された検出光がセンサーレバー101に当たり、センサーレバー101が第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバー101に当たらない位置に、配置されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送られてきたテープに押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部と、
前記検出回転部の前記第1回転位置から前記第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバーと、
光センサーと、を備え、
前記検出回転部と前記センサーレバーとは、1部品で構成され、
前記光センサーは、前記センサーレバーが前記第1レバー位置に位置するときには、前記光センサーから発光された検出光が前記センサーレバーに当たり、前記センサーレバーが前記第2レバー位置に位置するときには、前記検出光が前記センサーレバーに当たらない位置に、配置されていることを特徴とするテープ検出装置。
【請求項2】
前記センサーレバーは、前記第1レバー位置と前記第2レバー位置との間で回転するときに、他の部品に当たらないことを特徴とする請求項1に記載のテープ検出装置。
【請求項3】
送られてきた前記テープが当たる第1移動位置から、前記テープに押されて第2移動位置に移動する検出移動部、を備え、
前記検出回転部は、前記検出移動部を介して前記テープに押されることで、前記検出移動部の前記第1移動位置から前記第2移動位置への移動に連動して、前記第1回転位置から前記第2回転位置に回転することを特徴とする請求項1または2に記載のテープ検出装置。
【請求項4】
前記検出回転部および前記センサーレバーの回転中心となる回転軸部と、
前記回転軸部の外周面から突出し、前記回転軸部の外周面と前記センサーレバーとの間に隙間が生じるように前記センサーレバーを支持したレバー支持部と、
前記センサーレバーに対し、前記第2レバー位置から前記第1レバー位置に回転するように力を付与する弾性部材と、を備え、
前記弾性部材は、前記回転軸部の軸方向において前記隙間と前記レバー支持部の基端部との間に位置して、前記回転軸部の外周面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のテープ検出装置。
【請求項5】
テープに印刷を行う印刷ヘッドと、
テープ検出機構と、を備え、
前記テープ検出機構は、
送られてきた前記テープに押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部と、
前記検出回転部の前記第1回転位置から前記第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバーと、
光センサーと、を備え、
前記検出回転部と前記センサーレバーとは、1部品で構成され、
前記光センサーは、前記センサーレバーが前記第1レバー位置に位置するときには、前記光センサーから発光された検出光が前記センサーレバーに当たり、前記センサーレバーが前記第2レバー位置に位置するときには、前記検出光が前記センサーレバーに当たらない位置に、配置されていることを特徴とするテープ印刷装置。
【請求項6】
前記テープを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
前記カートリッジ装着部を開閉する装着部カバーと、
第1ホルダー位置と、前記テープが送られるテープ送り経路に対して前記第1ホルダー位置よりも離れた第2ホルダー位置と、の間で、前記検出回転部、前記センサーレバーおよび前記光センサーと一体に移動可能な可動ホルダーと、
前記装着部カバーが閉じられたことに連動して、前記可動ホルダーを前記第2ホルダー位置から前記第1ホルダー位置へ移動させ、前記装着部カバーが開かれたことに連動して、前記可動ホルダーを前記第1ホルダー位置から前記第2ホルダー位置へ移動させる連動機構と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載のテープ印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ検出装置およびテープ印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1が開示するように、送られてきたテープに押されて回動する第1回動部材と、第1回動部材の回動に連動して回動する第2回動部材と、回動した第2回動部材が当接する回動当接部と、回動当接部に当接した回動部材を検出するセンサーとを備えたテープ検出機構が知られている。第1回動部材と第2回動部材とは、別々の部品で構成されており、第1回動部材は、第2回動部材が回動当接部に接触した後も、第2回動部材に対して回動可能に構成されている。これにより、比較的厚いテープが送られてきた場合に、テープ検出機構がテープの送りを阻害してしまうことが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のテープ検出機構では、回動部材が第1回動部材および第2回動部材の2部品で構成されているため、2部品間のガタにより第2回動部材の回転量にバラツキが生じ、テープの有無を適切に検出することができないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のテープ検出装置は、送られてきたテープに押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部と、検出回転部の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバーと、光センサーと、を備え、検出回転部とセンサーレバーとは、1部品で構成され、光センサーは、センサーレバーが第1レバー位置に位置するときには、光センサーから発光された検出光がセンサーレバーに当たり、センサーレバーが第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバーに当たらない位置に、配置されている。
【0006】
本発明のテープ印刷装置は、テープに印刷を行う印刷ヘッドと、テープ検出機構と、を備え、テープ検出機構は、送られてきたテープに押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部と、検出回転部の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバーと、光センサーと、を備え、検出回転部とセンサーレバーとは、1部品で構成され、光センサーは、センサーレバーが第1レバー位置に位置するときには、光センサーから発光された検出光がセンサーレバーに当たり、センサーレバーが第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバーに当たらない位置に、配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】テープ印刷装置の内部構造を示す斜視図である。
【
図4】装着部カバーが閉じられたときの可動ホルダーの位置を示す図である。
【
図5】装着部カバーが開かれたときの可動ホルダーの位置を示す図である。
【
図7】第1ローラー歯車と第2ローラー歯車との間にテープがないときの各部の位置を示す図である。
【
図8】第1ローラー歯車と第2ローラー歯車との間にテープがあるときの各部の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して、テープ印刷装置の一実施形態であるテープ印刷装置1について説明する。以下では、各図に示したXYZ直交座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0009】
[テープカートリッジ]
図1に基づいて、テープ印刷装置1に装着されるテープカートリッジ201について説明する。テープカートリッジ201は、プラテンローラー203と、テープロール205と、リボンロール207と、巻取りコア209と、これらを収容したカートリッジケース211とを備えている。
【0010】
テープロール205は、テープコア213と、テープコア213に巻回されたテープ215とを備えている。リボンロール207は、繰出しコア217と、繰出しコア217に巻回されたインクリボン219とを備えている。繰出しコア217から繰り出されたインクリボン219は、巻取りコア209に巻き取られる。カートリッジケース211には、ヘッド挿通孔221が、Z方向に貫通して設けられている。また、カートリッジケース211の-X方向の面には、Z方向に延在するテープ送出口223が設けられている。テープロール205から繰り出されたテープ215は、テープ送出口223からカートリッジケース211外に送り出される。
【0011】
[テープ印刷装置]
図1および
図2に基づいて、テープ印刷装置1について説明する。テープ印刷装置1は、装置ケース3と、装着部カバー5とを備えている。装置ケース3の+Z方向の面には、キーボード7と、ディスプレー9と、カートリッジ装着部11とが設けられている。
【0012】
キーボード7は、ユーザーからの入力操作を受け付ける。ディスプレー9は、キーボード7からの入力結果のほか、各種情報を表示する。カートリッジ装着部11は、+Z方向が開放された凹部である。カートリッジ装着部11には、テープカートリッジ201が着脱可能に装着される。
【0013】
装着部カバー5は、装置ケース3の+Y方向の端部に回動可能に取り付けられており、カートリッジ装着部11を開閉する。装着部カバー5の内側には、連動突起13が設けられている。
【0014】
カートリッジ装着部11の底面からは、プラテン軸15と、巻取り軸17とが、+Z方向に突出している。カートリッジ装着部11にテープカートリッジ201が装着されると、プラテン軸15および巻取り軸17が、それぞれ、プラテンローラー203および巻取りコア209と係合する。これにより、テープ印刷装置1に備えられた送りモーター19の回転が、プラテンローラー203および巻取りコア209に伝達可能となる。
【0015】
カートリッジ装着部11には、印刷ヘッド21と、ヘッドカバー23とが設けられている。印刷ヘッド21は、発熱素子(図示省略)を備え、テープ215に印刷を行う。ヘッドカバー23は、印刷ヘッド21を部分的に覆っている。
【0016】
カートリッジ装着部11にテープカートリッジ201が装着されると、印刷ヘッド21およびヘッドカバー23がヘッド挿通孔221に挿通される。続いて、装着部カバー5が閉じられると、図示省略したヘッド移動機構により、印刷ヘッド21がプラテンローラー203に向かって移動する。これにより、印刷ヘッド21とプラテンローラー203との間に、テープ215およびインクリボン219が挟持される。この状態でプラテンローラー203および巻取りコア209が回転すると、テープ215およびインクリボン219が送られる。このとき、印刷ヘッド21が発熱することで、インクリボン219のインクがテープ215に転写され、キーボード7からの入力結果に基づく印刷画像がテープ215に印刷される。
【0017】
装置ケース3の-X方向の面には、テープ排出口25が設けられている。テープ排出口25からは、印刷済みのテープ215が排出される。カートリッジ装着部11とテープ排出口25との間には、カッター27と、テープ排出ユニット29とが内蔵されている。カッター27は、テープ215をテープ215の幅方向に切断する。テープ排出ユニット29は、カッター27とテープ排出口25との間に設けられている。テープ排出ユニット29の詳細については、後述する。
【0018】
なお、カートリッジ装着部11からテープ排出口25に至る経路を、テープ送り経路31という。テープ送り経路31は、+Z方向が開放されX方向に延在する溝状に形成されている。テープ送り経路31の+Z方向が開放されていることで、ユーザーは、カートリッジ装着部11にテープカートリッジ201を装着するときに、テープ送出口223からカートリッジケース211外に飛び出しているテープ215を、+Z方向からテープ送り経路31に差し込むことができる。
【0019】
また、装置ケース3の+Z方向の面には、カートリッジ装着部11に対して-X方向に位置して、連動開口33が設けられている。装着部カバー5が閉じられると、装着部カバー5に設けられた連動突起13が、連動開口33から装置ケース3内に進入する。
【0020】
[テープ排出ユニット]
図3に基づいて、テープ排出ユニット29について説明する。テープ排出ユニット29は、排出送り部35と、連動機構37と、テープ検出機構39とを備えている。
【0021】
[排出送り部]
排出送り部35は、テープカートリッジ201から送り出されたテープ215をテープ排出口25に向けて送る。排出送り部35は、第1ローラー部41と、第2ローラー部43とを備えている。
【0022】
第1ローラー部41は、テープ送り経路31に対して、+Y方向に設けられている。第1ローラー部41は、第1ローラーホルダー45と、第1ローラー軸47と、第1ローラー49とを備えている。
【0023】
第1ローラーホルダー45は、ベースフレーム51(
図2参照)に固定されている。第1ローラーホルダー45は、第1ローラー軸47を支持している。第1ローラー軸47は、Z方向に延在しており、第1ローラー49を回転可能に支持している。
【0024】
第1ローラー49は、後述する第2ローラー65との間に挟持したテープ215を、テープ排出口25に向けて送る。第1ローラー49は、第1ローラー軸47に対して回転可能に設けられている。第1ローラー49は、複数の第1分割ローラー53と、ローラー歯車部55とを備えている。複数の第1分割ローラー53は、第1ローラー49の回転軸方向すなわちZ方向に並んでいる。ローラー歯車部55は、第1ローラー49の-Z方向の端部に設けられている。ローラー歯車部55は、送りモーター19に連なる輪列を構成する排出歯車56(
図2参照)と噛み合っている。このため、第1ローラー49は、送りモーター19を駆動源とした駆動ローラーとして機能する。
【0025】
また、第1ローラー49のZ方向略中間部には、第1ローラー49と同軸上に第1検出歯車57が設けられている。第1検出歯車57は、第1ローラー49と一体に回転し、後述する検出移動部69の第2検出歯車81と係合可能および離脱可能に噛み合っている。なお、
図3等では、図示の関係上、ローラー歯車部55および第1検出歯車57は、円板状に示されているが、実際には、歯車形状に形成されている。
【0026】
第2ローラー部43は、テープ送り経路31に対して、-Y方向に設けられている。第2ローラー部43は、固定ホルダー59と、可動ホルダー61と、第2ローラー軸63(
図7参照)と、第2ローラー65とを備えている。
【0027】
固定ホルダー59は、第1ローラーホルダー45に対して-Y方向に位置して、ベースフレーム51に固定されている。固定ホルダー59は、可動ホルダー61をY方向に移動可能に支持している。
【0028】
可動ホルダー61は、固定ホルダー59に対してY方向に移動可能に設けられている。可動ホルダー61は、第2ローラー軸63を支持している。第2ローラー軸63は、Z方向に延在しており、第2ローラー65を回転可能に支持している。可動ホルダー61は、後述する連動凸部68に設けられた連動バネの弾性力により、+Y方向に力が付与されている。
【0029】
第2ローラー65は、第2ローラー軸63に対して回転可能に設けられている。第2ローラー65は、第1ローラー49に従動して回転する。第2ローラー65は、回転軸方向すなわちZ方向に並んだ2つの第2分割ローラー66を備えている。
【0030】
[連動機構]
図3ないし
図5に基づいて、連動機構37について説明する。連動機構37は、装着部カバー5の開閉動作に連動して、可動ホルダー61を第1ローラー部41に対して離接させる。連動機構37は、連動レバー67(
図2参照)と、連動凸部68と、連動バネ(図示省略)とを備えている。
【0031】
連動レバー67は、可動ホルダー61に対して-Y方向に位置して、ベースフレーム51に揺動可能に支持されている。連動レバー67の+Z方向の端部は、連動開口33に対して-Z方向に位置しており、連動レバー67の-Z方向の端部は、連動凸部68と係合している。
【0032】
連動凸部68は、可動ホルダー61の-Y方向の端部から-Y方向に突出しており、可動ホルダー61と一体に移動する。連動凸部68には、連動バネが取り付けられている。また、連動凸部68は、連動レバー67の-Z方向の端部と係合している。
【0033】
連動バネは、可動ホルダー61と連動レバー67との間で、連動凸部68に取り付けられている。連動バネとしては、例えば圧縮コイルバネを用いることができる。
【0034】
連動機構37は、
図4に示すように、装着部カバー5が閉じられると、これに連動して、可動ホルダー61を+Y方向に移動させる。すなわち、装着部カバー5が閉じられると、装着部カバー5に設けられた連動突起13が連動開口33から進入し、連動レバー67の+Z方向の端部に当たる。これにより、連動レバー67は、連動バネを圧縮させる方向に回転する。可動ホルダー61は、揺動する連動レバー67により連動バネを介して+Y方向に押されることで、+Y方向に移動する。
【0035】
一方、連動機構37は、
図5に示すように、装着部カバー5が開かれると、これに連動して、可動ホルダー61を-Y方向に移動させる。すなわち、装着部カバー5が開かれると、装着部カバー5に設けられた連動突起13が連動レバー67から離れる。このとき、連動バネの弾性力により、連動レバー67が、連動バネを伸長させる方向に揺動する。可動ホルダー61は、揺動する連動レバー67により連動凸部68が-Y方向に引き寄せられることで、-Y方向に移動する。
【0036】
ここで、
図4に示すように、装着部カバー5が閉じられたときの可動ホルダー61の位置を、第1ホルダー位置といい、
図5に示すように、装着部カバー5が開かれたときの可動ホルダー61の位置を、第2ホルダー位置という。第2ホルダー位置は、テープ送り経路31に対して第1ホルダー位置よりも離れている。
【0037】
連動機構37は、装着部カバー5が閉じられたことに連動して、可動ホルダー61を第2ホルダー位置から第1ホルダー位置へ移動させる。また、連動機構37は、装着部カバー5が開かれたことに連動して、可動ホルダー61を第1ホルダー位置から第2ホルダー位置へ移動させる。
【0038】
このように、装着部カバー5が開かれたときに、可動ホルダー61が第2ホルダー位置に移動することで、可動ホルダー61をテープ送り経路31から遠ざけることができる。ゆえに、ユーザーは、カートリッジ装着部11にテープカートリッジ201を装着するときに、テープ送出口223からカートリッジケース211外に飛び出したテープ215を、+Z方向からテープ送り経路31に容易に差し込むことができる。すなわち、可動ホルダー61をテープ送り経路31から離すことで、第1ローラー49と第2ローラー65との間、および第1検出歯車57と第2検出歯車81との間に隙間を生じさせることができる(
図5参照)。
【0039】
[テープ検出機構]
図6に基づいて、テープ検出機構39について説明する。テープ検出機構39は、第1ローラー49と第2ローラー65との間にテープ215があるか否かを検出する。テープ検出機構39は、可動ホルダー61に設けられており、可動ホルダー61と一体に移動する。テープ検出機構39は、検出移動部69と、検出回転軸71と、回転部材73と、戻しバネ75と、光センサー77とを備えている。
【0040】
検出移動部69は、第2ローラー65のZ方向略中間部、すなわち2つの第2分割ローラー66の相互間に位置して(
図4参照)、Y方向に移動可能に設けられている。検出移動部69は、検出スライダー79と、第2検出歯車81とを備えている。
【0041】
検出スライダー79は、可動ホルダー61によりY方向に移動可能に支持されている。検出スライダー79には、ローラー軸係合穴(図示省略)と、歯車係合凸部85と、検出係合穴87とが設けられている。ローラー軸係合穴は、検出スライダー79の+Y方向の端部に位置して、Y方向に長い長穴に形成されており、第2ローラー軸63が挿通している(
図7参照)。歯車係合凸部85は、略「C」字状に形成されており、ローラー軸係合穴の周縁部から+Z方向に突出している。歯車係合凸部85には、第2検出歯車81が回転可能に係合している。検出係合穴87は、検出スライダー79の-Y方向の端部に位置して、略「L」字状に形成されている。検出係合穴87は、Y方向に延在した第1係合穴部89と、X方向に延在した第2係合穴部91とを備えている。第1係合穴部89には、検出回転軸71が挿入され、第2係合穴部91には、回転部材73の検出回転部97が挿入されている(
図7参照)。
【0042】
第2検出歯車81は、検出スライダー79に回転可能に支持されている。第2検出歯車81には、歯車係合穴93が形成されている。歯車係合穴93は、歯車係合凸部85と係合している。第2検出歯車81は、第1検出歯車57と係合可能および離脱可能に噛み合っている。
【0043】
検出回転軸71は、第2ローラー軸63に対して-Y方向に位置して、可動ホルダー61に支持されている。検出回転軸71は、Z方向に延在しており、回転部材73を回転可能に支持している。
【0044】
回転部材73は、検出回転軸71に対して回転可能に設けられている。回転部材73は、例えば樹脂製の成形品であり、1部品で構成されている。回転部材73は、回転軸部95と、検出回転部97と、レバー支持部99と、センサーレバー101とを備えている。
【0045】
回転軸部95は、略円筒状に形成されており、検出回転軸71が挿通している。回転軸部95は、検出回転部97、レバー支持部99およびセンサーレバー101の回転中心となる。
【0046】
検出回転部97は、回転軸部95の+Z方向の端面から+Z方向に略円柱状に突出している。検出回転部97は、検出係合穴87の第2係合穴部91と係合している(
図7参照)。
【0047】
レバー支持部99は、回転軸部95の外周面から突出している。レバー支持部99は、回転軸部95の外周面から回転軸部95の径方向に延びた後、-Z方向に屈曲したアーム状に形成されている。このため、レバー支持部99は、回転軸部95の外周面とセンサーレバー101との間に隙間が生じるように、センサーレバー101を支持している。なお、回転軸部95の外周面とセンサーレバー101との間の隙間を、軸レバー間隙103という。レバー支持部99の屈曲部近傍には、バネ掛止部105が設けられている。
【0048】
センサーレバー101は、回転軸部95の径方向に長い板状に形成されており、レバー支持部99の先端部99aから回転軸部95の径方向に延在している。
【0049】
戻しバネ75は、回転部材73に対し、+Z方向から見て反時計回りに回転するように、力を付与している。なお、以下では、回転部材73の回転方向について、「+Z方向から見て反時計回り」を単に「反時計回り」といい、「+Z方向から見て時計回り」を単に「時計回り」という。戻しバネ75としては、例えば、ねじりコイルバネを用いることができる。
【0050】
戻しバネ75は、回転軸部95の軸方向すなわちZ方向において、レバー支持部99の基端部99bと軸レバー間隙103との間に位置して、回転軸部95の外周面に設けられている。作業者は、戻しバネ75を回転軸部95に取り付けるときに、戻しバネ75が回転軸部95の-Z方向の端部から軸レバー間隙103を通るようにして、戻しバネ75に回転軸部95を挿入することで、戻しバネ75をレバー支持部99の基端部99bと軸レバー間隙103との間に取り付けることができる。戻しバネ75の一端は、回転部材73のバネ掛止部105に掛止めされ、戻しバネ75の他端は、可動ホルダー61に掛止めされている。
【0051】
光センサー77は、回転部材73に対して-Y方向に位置して、可動ホルダー61に設けられている。光センサー77は、透過型のものであって、受発光部107と、センサー基板109とを備えている。
【0052】
受発光部107は、発光素子および受光素子を備え、センサー基板109に取り付けられている。受発光部107の発光素子から発光された検出光が、センサーレバー101により遮られるか否かにより、受光素子に受光される光量が変化し、光センサー77から出力される電圧或いは電流が変化する。テープ印刷装置1に設けられた制御部は、光センサー77からの出力に基づいて、例えば、カートリッジ装着部11に装着されたテープカートリッジ201がテープエンド状態であるか否か、すなわちテープコア213に巻回されたテープ215の終端がテープ排出ユニット29を通過したか否か、を検出する。なお、光センサー77は、反射型のものでもよい。
【0053】
センサー基板109は、可動ホルダー61の移動方向に対して垂直な姿勢で、すなわちXZ平面と平行な姿勢で、可動ホルダー61に固定されている。センサー基板109は、センサーレバー101の回転軌跡に対して、外側に設けられている。すなわち、センサー基板109は、センサーレバー101が回転したときに、センサーレバー101と当たらない位置に設けられている。
【0054】
図8に示すように、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215が送られてくると、第1検出歯車57と第2検出歯車81とにテープ215が当たり、第1検出歯車57と第2検出歯車81との噛み合いが外れる。そして、第2検出歯車81は、テープ215に押されて検出スライダー79と共に-Y方向に移動する。すなわち、検出移動部69は、テープ215の厚さおよび第1検出歯車57と第2検出歯車81との噛み合い量に応じて、-Y方向に移動する。
【0055】
検出移動部69が-Y方向に移動すると、検出移動部69の第2係合穴部91と回転部材73の検出回転部97とが係合していることで、検出移動部69の-Y方向への移動に連動して、回転部材73が、戻しバネ75の弾性力に抗して、時計回りに回転する。
【0056】
一方、
図7に示すように、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間からテープ215が抜けると、戻しバネ75の弾性力により、回転部材73が反時計回りに回転する。回転部材73が反時計回りに回転すると、検出移動部69の第2係合穴部91と回転部材73の検出回転部97とが係合していることで、回転部材73の反時計回りの回転に連動して、検出移動部69が+Y方向へ移動する。これにより、第1検出歯車57と第2検出歯車81とが再び噛み合う。
【0057】
このように、回転部材73の検出回転部97が検出移動部69の第2係合穴部91と係合していることで、回転部材73は、検出移動部69のY方向への移動に連動して回転する。すなわち、検出移動部69および回転部材73は、Y方向への往復運動を回転運動に変換するカムとして機能する。
【0058】
ここで、
図7に示すように、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215がないときの検出移動部69、検出回転部97およびセンサーレバー101の位置を、それぞれ、第1移動位置、第1回転位置および第1レバー位置という。
【0059】
また、
図8に示すように、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215があるときの検出移動部69、検出回転部97およびセンサーレバー101の位置を、それぞれ、第2移動位置、第2回転位置および第2レバー位置という。なお、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215が送られてきたときの検出移動部69の移動量は、テープ215の厚さによって異なる。このため、第2移動位置、第2回転位置および第2レバー位置は、テープ215の厚さによって変動する。
【0060】
第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215が送られてくると、上述したように、検出移動部69が-Y方向に移動し、これに連動して、回転部材73が時計回りに回転する。このとき、検出移動部69は、テープ送り経路31を送られてきたテープ215が当たる第1移動位置から、テープ215に押されて第2移動位置に移動する。検出回転部97は、検出移動部69を介してテープ215に押されることで、検出移動部69の第1移動位置から第2移動位置への移動に連動して、第1回転位置から第2回転位置に回転する。センサーレバー101は、検出回転部97の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転する。
【0061】
一方、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間からテープ215が抜けると、上述したように、回転部材73が反時計回りに回転し、これに連動して、検出移動部69が+Y方向に移動する。このとき、センサーレバー101は、第2レバー位置から第1レバー位置に回転する。検出回転部97は、センサーレバー101の第2レバー位置から第1レバー位置への回転に連動して、第2回転位置から第1回転位置に回転する。検出移動部69は、検出回転部97の第2回転位置から第1回転位置への回転に連動して、第2移動位置から第1移動位置へ移動する。
【0062】
光センサー77は、
図7に示すように、センサーレバー101が第1レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバー101に当たり、
図8に示すように、センサーレバー101が第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバー101に当たらない位置に配置されている。すなわち、センサーレバー101が第1レバー位置に位置するときには、センサーレバー101が受発光部107の発光素子と受光素子との間に位置するため、発光素子から受光素子へ向けて発光された検出光がセンサーレバー101により遮られる。センサーレバー101が第2レバー位置に位置するときには、センサーレバー101が受発光部107の発光素子と受光素子との間から外れるため、発光素子から受光素子へ向けて発光された検出光がセンサーレバー101により遮られることなく、受光素子に受光される。
【0063】
このように、光センサー77が、センサーレバー101が第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバー101に当たらない位置に配置されていることで、センサーレバー101が第2レバー位置に回転したときに、センサーレバー101がセンサー基板109に当たることを抑制することができる。これにより、比較的厚いテープ215が送られてきた場合にも、センサーレバー101の回転がセンサー基板109により規制されることが抑制される。このため、検出移動部69がテープ215の厚さに応じた移動量で第1移動位置から第2移動位置へ移動することができ、検出回転部97がテープ215の厚さに応じた回転量で第1回転位置から第2回転位置に回転することができる。ゆえに、テープ検出機構39がテープ215の送りを阻害してしまうことを抑制することができる。
【0064】
なお、センサーレバー101は、第1レバー位置と第2レバー位置との間で回転するときに、センサー基板109に当たらないだけでなく、他の部品にも当たることがない。センサーレバー101が他の部品と当たらないようにするために、第1レバー位置と第2レバー位置との間の回転量は、できるだけ小さいことが好ましく、例えば、15°以上35°以下である。
【0065】
また、回転部材73および光センサー77は、いずれも可動ホルダー61に支持されており、可動ホルダー61と一体にY方向に移動する。このため、可動ホルダー61が第1ホルダー位置と第2ホルダー位置との間で移動しても、センサーレバー101と光センサー77との位置関係が変わることがない(
図4および
図5参照)。ゆえに、センサーレバー101が第1レバー位置に回転したときに、センサーレバー101が、検出光が当たる位置からずれてしまうことを抑制することができる。
【0066】
本実施形態とは異なり、検出回転部97とセンサーレバー101とが別々の部品で構成されていると、部品間のガタにより、センサーレバー101の回転量が、検出回転部97の回転量に応じた回転量にならず、光センサー77の検出精度が低下するおそれがある。例えば、所定の厚さのテープ215が第1検出歯車57と第2検出歯車81との間に送られてきた場合に、検出回転部97の回転量が同じ15°でも、センサーレバー101の回転量が、15°の場合と10°の場合とがあり得る。そして、センサーレバー101の回転量が15°の場合には、光センサー77の出力が「High」から「Low」或いは「Low」から「High」に切り替わることで、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215が送られてきたことが検出される。一方、センサーレバー101の回転量が10°の場合には、光センサー77の出力が「High」のまま或いは「Low」のままであり、第1検出歯車57と第2検出歯車81との間にテープ215が送られてきたことが検出されない。
【0067】
これに対し、本実施形態では、検出回転部97とセンサーレバー101とが1部品で構成されていることで、部品間のガタによる影響がなく、センサーレバー101の回転量を、検出回転部97の回転量に応じた回転量にすることができる。このため、センサーレバー101の回転量が検出回転部97の回転量に応じた回転量にならないために光センサー77の出力が切り替わらないことを抑制することができ、テープ215の有無を適切に検出することができる。
【0068】
以上のように、本実施形態のテープ検出機構39は、検出回転部97と、センサーレバー101と、光センサー77とを備えている。検出回転部97は、テープ215に押された第1回転位置から第2回転位置に回転する。センサーレバー101は、検出回転部97の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転する。検出回転部97とセンサーレバー101とは、1部品で構成されている。光センサー77は、センサーレバー101が第1レバー位置に位置するときには、光センサー77から発光された検出光がセンサーレバー101に当たり、センサーレバー101が第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバー101に当たらない位置に配置されている。
【0069】
この構成によれば、検出回転部97とセンサーレバー101とが1部品で構成されていることで、部品間のガタによる影響がなく、センサーレバー101の回転量を、検出回転部97の回転量に応じた回転量にすることができる。したがって、センサーレバー101の回転量が検出回転部97の回転量に応じた回転量にならないために光センサー77の出力が切り替わらないことを抑制することができ、テープ215の有無を適切に検出することができる。
【0070】
また、光センサー77が、センサーレバー101が第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバー101に当たらない位置に配置されていることで、センサーレバー101が第2レバー位置に回転したときに、センサーレバー101が光センサー77に当たることを抑制することができる。このため、比較的厚いテープ215が送られてきた場合に、センサーレバー101の回転が光センサー77により規制されることが抑制される。このため、検出回転部97がテープ215の厚さに応じた回転量で第1回転位置から第2回転位置に回転することができる。ゆえに、検出回転部97とセンサーレバー101とが1部品で構成されていても、テープ検出機構39がテープ215の送りを阻害してしまうことを抑制することができる。
【0071】
[その他の変形例]
上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。また、実施形態や変形例を、それぞれ組み合わせた構成でもよい。
【0072】
検出回転部97は、検出移動部69を介してテープ215に押されることで、第1回転位置から第2回転位置に回転する構成に限定されるものではない。例えば、検出回転部97は、送られてきたテープ215が当たる第1回転位置から、テープ215に直接押されて第2回転位置に回転する構成でもよい。
【0073】
テープ検出機構39は、テープ排出ユニット29に設けられた構成に限定されず、例えば、カートリッジ装着部11とカッター27との間に設けられた構成でもよい。すなわち、テープ検出機構39は、テープ排出ユニット29におけるテープ215の有無を検出する構成に限定されず、カートリッジ装着部11とカッター27との間におけるテープ215の有無を検出する構成でもよい。
【0074】
印刷ヘッド21の印刷方式は、サーマル方式に限定されず、例えば、インクジェット方式でもよく、電子写真方式でもよい。
【0075】
[付記]
以下、テープ検出装置およびテープ印刷装置について付記する。
テープ検出装置は、送られてきたテープに押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部と、検出回転部の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバーと、光センサーと、を備え、検出回転部とセンサーレバーとは、1部品で構成され、光センサーは、センサーレバーが第1レバー位置に位置するときには、光センサーから発光された検出光がセンサーレバーに当たり、センサーレバーが第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバーに当たらない位置に、配置されている。
【0076】
この構成によれば、検出回転部とセンサーレバーとが1部品で構成されていることで、部品間のガタによる影響がなく、センサーレバーの回転量を、検出回転部の回転量に応じた回転量にすることができる。したがって、センサーレバーの回転量が検出回転部の回転量に応じた回転量にならないために光センサーの出力が切り替わらないことを抑制することができ、テープの有無を適切に検出することができる。また、光センサーが、センサーレバーが第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバーに当たらない位置に配置されていることで、センサーレバーが第2レバー位置に回転したときに、センサーレバーが光センサーに当たることを抑制することができる。このため、比較的厚いテープが送られてきた場合に、センサーレバーの回転が光センサーにより規制されることが抑制される。ゆえに、検出回転部がテープの厚さに応じた回転量で第1回転位置から第2回転位置に回転することができる。したがって、検出回転部とセンサーレバーとが1部品で構成されていても、テープ検出装置がテープの送りを阻害してしまうことを抑制することができる。
なお、テープ検出機構39は、「テープ検出装置」の一例である。
【0077】
この場合、センサーレバーは、第1レバー位置と第2レバー位置との間で回転するときに、他の部品に当たらないことが好ましい。
【0078】
この構成によれば、比較的厚いテープが送られてきた場合に、センサーレバーの回転が他の部品により規制されることが抑制される。ゆえに、検出回転部がテープの厚さに応じた回転量で第1回転位置から第2回転位置に回転することができる。
【0079】
この場合、送られてきたテープが当たる第1移動位置から、テープに押されて第2移動位置に移動する検出移動部、を備え、検出回転部は、検出移動部を介してテープに押されることで、検出移動部の第1移動位置から第2移動位置への移動に連動して、第1回転位置から第2回転位置に回転することが好ましい。
【0080】
この構成によれば、第1移動位置に位置する検出移動部にテープが当たり、検出移動部がテープに押されて第2移動位置へ移動することで、検出回転部を第1回転位置から第2回転位置へ回転させることができる。
【0081】
この場合、検出回転部およびセンサーレバーの回転中心となる回転軸部と、回転軸部の外周面から突出し、回転軸部の外周面とセンサーレバーとの間に隙間が生じるようにセンサーレバーを支持したレバー支持部と、センサーレバーに対し、第2レバー位置から第1レバー位置に回転するように力を付与する弾性部材と、を備え、弾性部材は、回転軸部の軸方向において隙間とレバー支持部の基端部との間に位置して、回転軸部の外周面に設けられていることが好ましい。
【0082】
この構成によれば、作業者は、弾性部材を回転軸部に取り付けるときに、弾性部材が回転軸部の一方の端部から、回転軸部の外周面とセンサーレバーとの間の隙間を通るようにして、弾性部材に回転軸部を挿入することで、弾性部材をレバー支持部の基端部と当該隙間との間に取り付けることができる。
なお、戻しバネ75は、「弾性部材」の一例である。
【0083】
テープ印刷装置は、テープに印刷を行う印刷ヘッドと、テープ検出機構と、を備え、テープ検出機構は、送られてきたテープに押されて第1回転位置から第2回転位置に回転する検出回転部と、検出回転部の第1回転位置から第2回転位置への回転に連動して、第1レバー位置から第2レバー位置に回転するセンサーレバーと、光センサーと、を備え、検出回転部とセンサーレバーとは、1部品で構成され、光センサーは、センサーレバーが第1レバー位置に位置するときには、光センサーから発光された検出光がセンサーレバーに当たり、センサーレバーが第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバーに当たらない位置に、配置されている。
【0084】
この構成によれば、検出回転部とセンサーレバーとが1部品で構成されていることで、部品間のガタによる影響がなく、センサーレバーの回転量を、検出回転部の回転量に応じた回転量にすることができる。したがって、センサーレバーの回転量が検出回転部の回転量に応じた回転量にならないために光センサーの出力が切り替わらないことを抑制することができ、テープの有無を適切に検出することができる。また、光センサーが、センサーレバーが第2レバー位置に位置するときには、検出光がセンサーレバーに当たらない位置に配置されていることで、センサーレバーが第2レバー位置に回転したときに、センサーレバーが光センサーに当たることを抑制することができる。このため、比較的厚いテープが送られてきた場合に、センサーレバーの回転が光センサーにより規制されることが抑制される。ゆえに、検出回転部がテープの厚さに応じた回転量で第1回転位置から第2回転位置に回転することができる。したがって、検出回転部とセンサーレバーとが1部品で構成されていても、テープ検出装置がテープの送りを阻害してしまうことを抑制することができる。
【0085】
この場合、テープを収容したテープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部を開閉する装着部カバーと、第1ホルダー位置と、テープが送られるテープ送り経路に対して第1ホルダー位置よりも離れた第2ホルダー位置と、の間で、検出回転部、センサーレバーおよび光センサーと一体に移動可能な可動ホルダーと、装着部カバーが閉じられたことに連動して、可動ホルダーを第2ホルダー位置から第1ホルダー位置へ移動させ、装着部カバーが開かれたことに連動して、可動ホルダーを第1ホルダー位置から第2ホルダー位置へ移動させる連動機構と、を備えたことが好ましい。
【0086】
この構成によれば、装着部カバーが開かれたときに、可動ホルダーが第2ホルダー位置に移動することで、可動ホルダーをテープ送り経路から遠ざけることができる。ゆえに、ユーザーは、カートリッジ装着部にテープカートリッジを装着するときに、カートリッジケース外に飛び出したテープを、テープ送り経路に容易に差し込むことができる。また、センサーレバーおよび光センサーが可動ホルダーと一体に移動するため、可動ホルダーが第1ホルダー位置と第2ホルダー位置との間で移動しても、センサーレバーと光センサーとの位置関係が変わることがない。ゆえに、センサーレバーが第1レバー位置に回転したときに、センサーレバーが、検出光が当たる位置からずれてしまうことを抑制することができる。
【符号の説明】
【0087】
1:テープ印刷装置、11:カートリッジ装着部、21:印刷ヘッド、31:テープ送り経路、37:連動機構、39:テープ検出機構、61:可動ホルダー、69:検出移動部、77:光センサー、97:検出回転部、101:センサーレバー、103:軸レバー間隙、201:テープカートリッジ、215:テープ。