(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141331
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20241003BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241003BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241003BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J29/38 350
G03G21/00 510
H04N1/00 002A
B41J29/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052914
(22)【出願日】2023-03-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】川野 葉
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061BB08
2C061BB11
2C061CG02
2C061CG15
2C061CQ04
2C061CQ22
2C061CQ24
2C061CQ42
2C061CQ44
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HV02
2C061HV19
2C061HV21
2C061HV26
2C061HV33
2C061HV34
2C061HV35
2C061HX10
2C061KK03
2C061KK35
2H270KA70
2H270LA99
2H270RB09
2H270RB10
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC22
5C062AC55
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】故障の要因となる部品を抽出して、復旧に要する時間を短縮させる電子機器を提供する。
【解決手段】複合機1は、複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部131と、故障が検出されると、集音部50が集音した集音データと、故障音データとを照合して、故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、操作履歴と、対応データと、に基づいて故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、第1候補として抽出した部品と、第2候補として抽出した部品と、に基づいて、故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部133と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集音部と、
操作を受け付ける操作部と、
複数の駆動ユニットと、
前記操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データと、を記憶する記憶部と、
前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部と、
前記故障検出部が故障を検出すると、前記集音部が集音した集音データと、前記故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、
前記操作履歴と、前記対応データと、に基づいて前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、
前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記複数の駆動ユニットに搭載される複数の部品の位置をそれぞれ検出する位置検出部を複数備え、
前記候補抽出部は、複数の前記位置検出部の検出結果に基づき、各部品が、当該部品を搭載した駆動ユニットの動作に対応した予め設定された位置にあるか否かを判定し、
前記予め設定された位置にない部品が、前記第1候補又は前記第2候補として抽出した部品に含まれる場合に、前記予め設定された位置にない部品を、前記故障の要因となる部品の候補に設定する、請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記記憶部は、前記故障検出部が検出する故障を識別する故障コードを記憶し、
前記候補抽出部は、操作履歴と、前記故障コードとに基づき、前記故障検出部が検出した故障が、ユーザーが前記電子機器に行った修理動作により生じた突発故障であるか否かを判定する、請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記候補抽出部は、前記故障検出部が検出した故障が、前記突発故障であると判定した場合、前記故障コードに基づいて前記故障の要因となる部品を抽出し、抽出した前記部品が、前記第1候補又は前記第2候補として抽出した部品に含まれる場合に、抽出した前記部品を、前記故障の要因となる部品の候補に設定する、請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記記憶部は、前記複数の駆動ユニットがそれぞれ備える複数の部品が交換された交換日と、前記複数の部品の交換目安時間と、を含むメンテナンス情報を記憶し、
前記候補抽出部は、前記故障検出部が検出した故障が、前記突発故障ではないと判定した場合、前記メンテナンス情報に基づき、前回の交換日からの経過時間が、交換目安時間から予め設定された範囲内の部品を抽出し、抽出した前記部品が、前記第1候補又は前記第2候補として抽出した部品に含まれる場合に、抽出した前記部品を、前記故障の要因となる部品の候補に設定する、請求項3又は4記載の電子機器。
【請求項6】
前記集音部を複数備え、
複数の前記集音部は、前記複数の駆動ユニットにそれぞれ設けられる、請求項1記載の電子機器。
【請求項7】
複数の駆動ユニットを備える電子機器の制御方法であって、
前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出するステップと、
前記故障が検出されると、前記電子機器が備える集音部により集音された集音データと、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出するステップと、
前記電子機器が備える操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、に基づいて、前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出するステップと、
前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定するステップと、
を備える電子機器の制御方法。
【請求項8】
集音部と、
操作を受け付ける操作部と、
複数の駆動ユニットと、
前記操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データと、を記憶する記憶部と、
前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部と、
前記故障検出部が故障を検出すると、前記集音部が集音した集音データと、前記故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、
前記操作履歴と、前記対応データと、に基づいて前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、
前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部と、
を備える画像形成装置。
【請求項9】
前記集音部は、
前記複数の駆動ユニットに含まれる読取ユニットと印刷ユニットとの間に配置される中継部材に設けられる、請求項8記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の制御方法及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の故障箇所を電子機器の動作音に基づいて特定する方法が知られている。
例えば、特許文献1は、コントローラーを、検査判断部、集音報知部、実行部及び異常判断部として動作させる画像記録装置を開示する。検査判断部は、駆動部の検査の要否を判断する。集音報知部は、検査判断部により検査が必要であると判断された特定の駆動部がある場合に、外部端末による画像記録装置の動作音の集音を促す報知を行う。実行部は、集音報知部による報知の後、特定の駆動部を駆動させる処理を含む検査モードを実行する。異常判断部は、外部端末で生成された集音データから特定の駆動部位の異常の有無を判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された画像記録装置は、外部端末で生成された集音データから特定の駆動部位の異常の有無を判断しているが、故障した部品を予測することができないため、訪問修理の際に適切な修理を行うことができず、復旧までに時間を要していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、集音部と、操作を受け付ける操作部と、複数の駆動ユニットと、前記操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データと、を記憶する記憶部と、前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部と、前記故障検出部が故障を検出すると、前記集音部が集音した集音データと、前記故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、前記操作履歴と、前記対応データと、に基づいて前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部と、を備える電子機器である。
【0006】
本開示は、複数の駆動ユニットを備える電子機器の制御方法であって、前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出するステップと、前記故障が検出されると、前記電子機器が備える集音部により集音された集音データと、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出するステップと、前記電子機器が備える操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、に基づいて、前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出するステップと、前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定するステップと、を備える電子機器の制御方法である。
【0007】
本開示は、集音部と、操作を受け付ける操作部と、複数の駆動ユニットと、前記操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データと、を記憶する記憶部と、前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部と、前記故障検出部が故障を検出すると、前記集音部が集音した集音データと、前記故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、前記操作履歴と、前記対応データと、に基づいて前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部と、を備える画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。
【0010】
[1.複合機の構成]
図1は、複合機1の外観を示す斜視図である。複合機1は、電子機器及び画像形成装置の一例に対応する。複合機1は、原稿の読み取りを行う読取ユニット10と、印刷を行う印刷ユニット20と、タッチパネル30と、を備える。読取ユニット10及び印刷ユニット20は、駆動ユニットに相当する。
【0011】
複合機1は、媒体に印刷を行うプリント機能、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、生成した画像データを印刷媒体に印刷するコピー機能を備えている。また、複合機1は、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、生成した画像データを、複合機1の記憶部等に保存するスキャン機能を備えている。さらに、複合機1は、原稿の画像を読み取って生成した画像データ、又は外部から受信したデータをファックス送信するファックス機能を別途、備えていてもよい。
【0012】
読取ユニット10は、読取ユニット載置台11に載置される。読取ユニット10は、原稿を載置する載置トレイ12と、不図示の搬送経路を搬送された原稿が排出される原稿排出トレイ13と、を備える。読取ユニット10は、載置トレイ12に載置された原稿を搬送経路に沿って搬送し、原稿排出トレイ13に排出する。読取ユニット10の搬送経路には、読取センサー14が設けられる。読取センサー14は、原稿に形成された画像を読み取る。
【0013】
また、読取ユニット載置台11は、読取ユニット10と、印刷ユニット20とを中継するユニットであり、読取ユニット載置台11には、後述する集音部50の備えるマイクが搭載されている。読取ユニット載置台11は、中継部材に相当する。なお、本実施形態では、集音部50を読取ユニット載置台11に設けた構成について説明するが、集音部50を、読取ユニット10と印刷ユニット20とにそれぞれ設けてもよい。
【0014】
印刷ユニット20は、印刷媒体を収容する給紙部21と、給紙部21に収容された印刷媒体を搬送する搬送部22と、を備える。また、印刷ユニット20は、インクを収容するインクカートリッジ23と、インクカートリッジ23から供給されるインクを印刷媒体に吐出して印刷媒体に画像を印刷する印刷ヘッド24と、を備える。さらに、印刷ユニット20は、インクカートリッジ23及び印刷ヘッド24を搭載し、インクカートリッジ23及び印刷ヘッド24を主走査方向に移動させるキャリッジ25と、印刷媒体が排出される媒体排出トレイ26と、を備える。印刷ユニット20は、感光体ドラムに形成した静電潜像を現像剤により現像し、感光体ドラム上の現像剤像を印刷媒体に転写する電子写真方式であってもよい。
【0015】
タッチパネル30は、操作部に相当し、表示パネル31及びタッチセンサー33を備える。
表示パネル31には、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネルが用いられる。タッチセンサー33は、表示パネル31に対するユーザーのタッチ操作を検出する。タッチセンサー33は、タッチ操作を検出すると、検出したタッチ操作の位置を示す情報を、後述する制御部100に出力する。表示パネル31には予め座標系が設定され、タッチセンサー33は、タッチ操作を検出すると、この座標系でのタッチ操作の位置を示す座標を、位置を示す情報として制御部100に出力する。
【0016】
図2は、複合機1の機能ブロックを示す図である。
複合機1は、読取ユニット10、印刷ユニット20、タッチパネル30、通信インターフェース40、集音部50及び制御部100を備える。以下、インターフェースをI/Fと略記する。
【0017】
読取ユニット10は、載置トレイ12、原稿排出トレイ13、読取センサー14に加え、読取ユニット10が備える複数の部品の動作異常を検出するホームポジションセンサー15を備える。図示の簡略化のため、
図2には、ホームポジションセンサー15だけを示すが、読取ユニット10は、ホームポジションセンサー15を複数備える。ホームポジションセンサー15は、対象の部品が、読取ユニット10の動作に対応した予め設定された位置にあるか否かを検出する。ホームポジションセンサー15は、検出結果を示すセンサーデータを制御部100に出力する。ホームポジションセンサー15は、位置検出部に相当する。
【0018】
印刷ユニット20は、印刷ユニット20が備える複数の部品の動作異常を検出するホームポジションセンサー27を備える。図示の簡略化のため、
図2には、ホームポジションセンサー27だけを示すが、印刷ユニット20は、ホームポジションセンサー27を複数備える。ホームポジションセンサー27は、対象の部品が、印刷ユニット20の動作に対応した予め設定された位置にあるか否かを検出する。ホームポジションセンサー27は、検出結果を示すセンサーデータを制御部100に出力する。ホームポジションセンサー27は、位置検出部に相当する。
【0019】
通信I/F40は、コネクター及びインターフェース回路を備え、ネットワークに有線接続される。通信I/F40は、例えば、NIC(Network Interface Card)を備える。本実施形態では、通信I/F40が有線によりネットワークに接続される形態について説明するが、通信I/F40のネットワークへの接続形態は、無線であってもよい。
【0020】
集音部50は、マイク及び音声処理部を備える。マイク及び音声処理部の図示は省略する。集音部50は、制御部100の指示に従い、マイクから入力されるアナログの音声データを音声処理部によりデジタル形式に変換する。集音部50は、変換したデジタルの音声データを制御部100に出力する。
【0021】
制御部100は、記憶部110と、プロセッサー130と、を備えるコンピューター装置である。
【0022】
記憶部110は、揮発性メモリーと、不揮発性メモリーと、を備える。
揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される。
不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read-Only Memory)やフラッシュメモリー、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等により構成される。
【0023】
揮発性メモリーは、プロセッサー130の演算領域として使用される。また、揮発性メモリーは、ホームポジションセンサー15、27や、複合機1に搭載された不図示の複数のセンサーが出力するセンサーデータ111を記憶する。
【0024】
不揮発性メモリーは、ファームウェア112や、エラー履歴データ113、操作履歴データ114、故障音データ115、動作部品データ116及びメンテナンスデータ117を記憶する。
【0025】
ファームウェア112は、プロセッサー130が実行する制御プログラムである。
【0026】
エラー履歴データ113は、制御部100が、センサーデータ111に基づいて検出した故障の種別を示す故障コードを記録したデータである。
【0027】
操作履歴データ114は、ユーザーがタッチパネル30により入力した操作の履歴を記録したデータである。
【0028】
故障音データ115は、読取ユニット10や印刷ユニット20が備える部品に故障が発生したときに検出される音声である故障音を録音したデータである。複合機1は、読取ユニット10や印刷ユニット20が備える主要な部品ごとに、故障が発生したときに検出される音声を、故障音データ115として記憶する。
【0029】
動作部品データ116は、複合機1が実行する処理と、この処理を実行しているときに動作する部品と、を対応づけて登録したデータである。
【0030】
メンテナンスデータ117は、部品の前回の交換日と、部品の交換目安の経過時間と、を対応づけて登録したデータである。交換目安の経過時間は、日数、年で示してもよいし、印刷枚数で示してもよい。メンテナンスデータ117は、メンテナンス情報に相当する。
【0031】
プロセッサー130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサーを備える演算処理装置である。プロセッサー130は、単一のプロセッサーにより構成してもよいし、複数のプロセッサーにより構成することも可能である。また、プロセッサー130は、記憶部110の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System-on-a-chip)により構成してもよい。また、プロセッサー130は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサー130は、プロセッサー130の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0032】
[2.複合機の動作]
【0033】
制御部100は、故障検出部131と、候補抽出部133と、を機能ブロックとして備える。機能ブロックとは、これらの機能ブロックは、プロセッサー130がファームウェア112に従った演算を行うことで実現される機能である。
【0034】
故障検出部131は、複合機1の故障を検出する。故障検出部131は、複合機1に搭載された各種センサーから入力されるセンサーデータ111に基づいて、複合機1に発生した故障を検出する。故障検出部131は、検出した故障の種別を示す故障コードをエラー履歴データ113に記録する。
【0035】
候補抽出部133は、故障検出部131により複合機1の故障が検出されると、故障が発生した部品の候補を抽出する。候補抽出部133は、第1検出処理と、第2検出処理と、第3検出処理と、第4検出処理と、を実行することで、最終的な故障の発生要因となる部品の候補を抽出する。
【0036】
第1検出処理は、集音部50から入力される音声データを、記憶部110が記憶する故障音データ115と照合することで、故障が発生している部品を検出する処理である。候補抽出部133は、集音部50から入力される音声データの波形に最も近い故障音の波形を検出し、検出した故障音に対応する部品を、第1仮候補部品に設定する。第1仮候補部品は、故障の要因となる部品の第1候補に相当する。
【0037】
また、第1検出処理は、エラー履歴データ113に記録された故障の種別を示す故障コードに基づいて、故障が発生している部品を検出する処理である。候補抽出部133は、検出した部品を、第1仮候補部品に設定する。
【0038】
候補抽出部133は、集音部50から入力される音声データと故障音データ115とを照合して検出した部品と、エラー履歴データ113から検出される部品とに共通する部品を、第1仮候補部品に設定してもよい。また、候補抽出部133は、共通する部品が存在しない場合、集音部50から入力される音声データと故障音データ115とを照合して検出した部品と、エラー履歴データ113から検出される部品との両方を、第1仮候補部品に設定してもよい。
【0039】
第2検出処理は、故障が発生する直前に駆動している部品を特定し、特定した部品を第2候補部品に設定する処理である。候補抽出部133は、操作履歴データ114を参照して、複合機1の故障が発生する直前に、ユーザーが入力した操作を特定する。次に、候補抽出部133は、動作部品データ116を参照して、特定した操作により駆動状態にあった部品を検出する。候補抽出部133は、検出した部品を第2仮候補部品に設定する。第2仮候補部品は、故障の要因となる部品の第2候補に相当する。
【0040】
第3検出処理は、読取ユニット10や印刷ユニット20に複数設けられたホームポジションセンサー15、27の検出結果に基づき、故障が発生している部品を検出する。候補抽出部133は、故障が発生している部品を検出すると、検出した部品が、第1仮候補部品又は第2仮候補部品に含まれるか否かを判定する。候補抽出部133は、検出した部品が、第1仮候補部品又は第2仮候補部品に含まれる場合、この部品を、故障した部品の候補である故障候補に設定する。
【0041】
第4検出処理は、発生した故障が、突発的に生じた故障か、消耗品の消耗によって生じた故障であるかを判定し、判定結果に基づいて、故障している部品の候補を検出する処理である。突発的に生じた故障を、以下では、突発故障といい、消耗品の消耗によって生じた故障を消耗故障という。
まず、候補抽出部133は、発生した故障が、突発故障であるのか、消耗故障であるのかを判定する。
候補抽出部133は、エラー履歴データ113や操作履歴データ114に基づき、発生した故障が、突発故障であるか否かを判定する。
例えば、故障が発生する直前に、紙ジャムの発生がエラー履歴データ113に記録され、ユーザーが発生した紙ジャムを解消する修理動作を行ったことが操作履歴データ114に記録されている場合、候補抽出部133は、突発故障が発生したと判定する。この場合、ユーザーが、紙ジャムを解消するために、例えば、強引に詰まった紙を引っ張り、部品が故障した可能性が高い。
【0042】
候補抽出部133は、発生した故障が突発故障であると判定すると、エラー履歴データ113に基づいて、故障が発生する部品を検出する。例えば、候補抽出部133は、エラー履歴データ113に紙ジャムが記録されている場合、紙ジャムの発生箇所に基づいて、故障が発生する部品を検出する。
【0043】
また、候補抽出部133は、突発故障が生じていないと判定すると、前回の交換日からの経過時間と、メンテナンスデータ117に記録された交換目安の経過時間とを比較して、交換目安の経過時間との差が予め設定された範囲内の部品を検出する。
【0044】
候補抽出部133は、第3検出処理又は第4検出処理により部品を検出すると、検出した部品が、第1仮候補部品又は第2仮候補部品に含まれるか否かを判定する。候補抽出部133は、検出した部品が、第1仮候補部品又は第2仮候補部品に含まれる場合、この部品を、故障した部品の候補である故障候補に設定する。
【0045】
また、候補抽出部133は、第3検出処理及び第4検出処理で検出した部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品に含まれない場合、第1仮候補部品及び第2仮候補部品と、第3検出処理及び第4検出処理で検出した部品とを、故障候補に設定する。
【0046】
図3は、複合機1の動作を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートを参照しながら複合機1の動作を説明する。
まず、制御部100は、複合機1の故障を検出したか否かを判定する(ステップS1)。制御部100は、複合機1に搭載された各種センサーから入力されるセンサーデータに基づいて、複合機1に発生した故障を検出する。
【0047】
制御部100は、複合機1の故障を検出していない場合(ステップS1/NO)、故障を検出するまで待機する。制御部100は、複合機1の故障を検出すると(ステップS1/YES)、記憶部110から音声データを取得する(ステップS2)。この音声データは、集音部50から入力される音声データを記憶部110に一時的に記憶したデータである。
【0048】
次に、制御部100は、取得した音声データと故障音データ115とを照合して(ステップS3)、故障が発生している部品を検出する。
【0049】
次に、制御部100は、音声データと故障音データ115との照合結果と、エラー履歴データ113と、に基づき、第1仮候補部品を検出する(ステップS4)。例えば、制御部100は、照合結果により検出される部品と、エラー履歴データ113から検出される部品とに共通する部品を、第1仮候補部品として検出する。また、制御部100は、照合結果により検出される部品と、エラー履歴データ113から検出される部品とに共通する部品が存在しない場合、照合結果により検出される部品と、エラー履歴データ113から検出される部品との両方を第1仮候補部品に設定する。
【0050】
次に、制御部100は、操作履歴データ114を参照して、故障発生の直前に実行していた処理を特定する(ステップS5)。そして、制御部100は、動作部品データ116を参照して、特定した処理の実行時に駆動する部品を、第2仮候補部品に設定する(ステップS6)。
【0051】
次に、制御部100は、ホームポジションセンサー15、27のセンサーデータを取得し(ステップS7)、取得したセンサーデータに基づき、第3仮候補部品を検出する(ステップS8)。制御部100は、ホームポジションセンサー15、27のセンサーデータがエラーを示しているか否かを判定し、センサーデータがエラーを示している場合、エラーを示したホームポジションセンサー15、27に基づいて第3仮候補部品を設定する。
【0052】
次に、制御部100は、検出した第3仮候補部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品の少なくとも一方に含まれるか否かを判定する(ステップS9)。制御部100は、検出した部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品の少なくとも一方に含まれる場合(ステップS9/YES)、検出した第3仮候補部品を、候補部品に設定し(ステップS10)、ステップS11の処理に移行する。
また、制御部100は、検出した第3仮候補部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品の少なくとも一方に含まれない場合(ステップS9/NO)、ステップS11の処理に移行する。
【0053】
次に、制御部100は、エラー履歴データ113及び操作履歴データ114を参照して、発生した故障が突発故障であるか否かを判定する(ステップS11)。制御部100は、故障が発生する直前に、紙ジャムの発生がエラー履歴データ113に記録され、ユーザーが発生した紙ジャムを解消させたことが操作履歴データ114に記録されている場合、発生した故障が突発故障であると判定する。
【0054】
制御部100は、発生した故障が突発故障であると判定した場合(ステップS12/YES)、エラー履歴データ113に基づいて第4仮候補部品を検出する(ステップS13)。制御部100は、エラー履歴データ113に紙ジャムが含まれる場合、紙ジャムの発生箇所に基づいて第4仮候補部品を検出する。
【0055】
また、制御部100は、発生した故障が突発故障ではないと判定すると(ステップS12/NO)、前回の交換日からの経過時間と、メンテナンスデータ117に記録された交換目安の経過時間とを比較する。制御部100は、前回の交換日からの経過時間と、交換目安の経過時間との差が予め設定された範囲内の第4仮候補部品を検出する(ステップS14)。
【0056】
次に、制御部100は、ステップS13又はS14で検出した第4仮候補部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品の少なくとも一方に含まれるか否かを判定する(ステップS15)。制御部100は、検出した第4仮候補部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品の少なくとも一方に含まれる場合(ステップS15/YES)、検出した第4仮候補部品を、候補部品に設定し(ステップS16)、ステップS17の判定に移行する。
また、制御部100は、検出した部品が、第1仮候補部品及び第2仮候補部品の少なくとも一方に含まれない場合(ステップS15/NO)、ステップS17の判定に移行する。
【0057】
次に、制御部100は、候補部品に設定された部品が存在するか否かを判定する(ステップS17)。制御部100は、ステップS10及びステップS16の少なくとも一方で、候補部品に設定した部品があるか否かを判定する。
【0058】
制御部100は、候補部品に設定した部品がある場合(ステップS17/YES)、設定した候補部品をタッチパネル30に表示させる(ステップS19)。
また、制御部100は、候補部品に設定した部品がない場合(ステップS17/NO)、第1仮候補部品、第2仮候補部品、第3仮候補部品、及び、第4仮候補部品を候補部品に設定する(ステップS18)。制御部100は、設定した候補部品をタッチパネル30に表示させる。
【0059】
[3.他の態様]
上述した実施形態は、本発明の好適な実施の形態である。但し、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、第1仮候補部品及び第2仮候補部品を抽出した後に、第3検出処理及び第4検出処理によりさらに故障の要因となる部品を検出したが、第1仮候補部品及び第2仮候補部品を候補部品としてタッチパネル30に表示させてもよい。
【0060】
また、
図2に示した複合機1の機能部は、機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一又は複数のプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、また、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、複合機1の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0061】
また、
図3に示すフローチャートの処理単位は、複合機1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。
図3のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。また、複合機1の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0062】
また、複合機1が備えるコンピューターにより電子機器の制御方法を実現する場合、コンピューターに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD、Blu-ray Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。Blu-rayは、登録商標である。
【0063】
また、本実施形態では電子機器の一例として複合機1を説明したが、電子機器は、例えば、プリンター、ファクシミリ装置、スキャナー、パソコン等であってもよい。
【0064】
また、制御部100は、第1仮候補部品、第2仮候補部品、第3仮候補部品、及び、第4仮候補部品と、設定した候補部品と、に係る情報を、電子機器のメーカー及び電子機器のメンテナンス会社の少なくとも一方に送信してもよい。送信の手段は、メール配信、ネットワークを介して電子機器のメーカー及び電子機器のメンテナンス会社の少なくとも一方のサーバーへ送信するなど、特に限定されない。
【0065】
[4.本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
【0066】
(付記1)
集音部と、
操作を受け付ける操作部と、
複数の駆動ユニットと、
前記操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データと、を記憶する記憶部と、
前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部と、
前記故障検出部が故障を検出すると、前記集音部が集音した集音データと、前記故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、
前記操作履歴と、前記対応データと、に基づいて前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、
前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部と、
を備える電子機器。
【0067】
この構成によれば、集音部の集音データと、故障音データとを照合して、故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、故障が発生する直前に駆動状態にある部品を、故障の要因となる部品の第2候補として抽出する。このため、故障の要因となる部品を抽出することができ、電子機器の復旧に要する時間を短縮させることができる。
【0068】
(付記2)
前記複数の駆動ユニットに搭載される複数の部品の位置をそれぞれ検出する位置検出部を複数備え、
前記候補抽出部は、複数の前記位置検出部の検出結果に基づき、各部品が、当該部品を搭載した駆動ユニットの動作に対応した予め設定された位置にあるか否かを判定し、
前記予め設定された位置にない部品が、前記第1候補又は前記第2候補として抽出した部品に含まれる場合に、前記予め設定された位置にない部品を、前記故障の要因となる部品の候補に設定する、付記1記載の電子機器。
【0069】
この構成によれば、位置検出部の検出結果に基づいて故障の要因となる部品が抽出される。このため、部品の位置が正常な位置にない部品を故障の要因となる部品の候補に設定することができる。
【0070】
(付記3)
前記記憶部は、前記故障検出部が検出する故障を識別する故障コードを記憶し、
前記候補抽出部は、操作履歴と、前記故障コードとに基づき、前記故障検出部が検出した故障が、ユーザーが前記電子機器に行った修理動作により生じた突発故障であるか否かを判定する、付記1又は2記載の電子機器。
【0071】
この構成によれば、操作履歴と、故障コードとに基づき、故障検出部が検出した故障が、ユーザーが電子機器に行った修理動作により生じた突発故障であるか否かが判定される。このため、故障の要因となる部品の抽出精度を向上させることができる。
【0072】
(付記4)
前記候補抽出部は、前記故障検出部が検出した故障が、前記突発故障であると判定した場合、前記故障コードに基づいて前記故障の要因となる部品を抽出し、抽出した前記部品が、前記第1候補又は前記第2候補として抽出した部品に含まれる場合に、抽出した前記部品を、前記故障の要因となる部品の候補に設定する、付記3記載の電子機器。
【0073】
この構成によれば、故障検出部が検出した故障が突発故障である場合、故障コードに基づいて故障の要因となる部品が抽出される。このため、ユーザーが電子機器に行った修理動作により生じた突発故障である場合に、故障の要因となる部品の抽出精度を向上させることができる。
【0074】
(付記5)
前記記憶部は、前記複数の駆動ユニットがそれぞれ備える複数の部品が交換された交換日と、前記複数の部品の交換目安時間と、を含むメンテナンス情報を記憶し、
前記候補抽出部は、前記故障検出部が検出した故障が、前記突発故障ではないと判定した場合、前記メンテナンス情報に基づき、前回の交換日からの経過時間が、交換目安時間から予め設定された範囲内の部品を抽出し、抽出した前記部品が、前記第1候補又は前記第2候補として抽出した部品に含まれる場合に、抽出した前記部品を、前記故障の要因となる部品の候補に設定する、付記3又は4記載の電子機器。
【0075】
この構成によれば、故障検出部が検出した故障が突発故障ではない場合、メンテナンス情報に基づいて前回の交換日からの経過時間が、交換目安時間から予め設定された範囲内の部品が抽出される。ユーザーが電子機器に行った修理動作により生じた突発故障ではない場合に、故障の要因となる部品の抽出精度を向上させることができる。
【0076】
(付記6)
前記集音部を複数備え、
複数の前記集音部は、前記複数の駆動ユニットにそれぞれ設けられる、付記1から5のいずれか一項記載の電子機器。
【0077】
この構成によれば、故障が生じる部品のより近くに集音部を配置することができ、集音する集音データの精度を向上させることができる。
【0078】
(付記7)
複数の駆動ユニットを備える電子機器の制御方法であって、
前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出するステップと、
前記故障が検出されると、前記電子機器が備える集音部により集音された集音データと、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出するステップと、
前記電子機器が備える操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、に基づいて、前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出するステップと、
前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定するステップと、
を備える電子機器の制御方法。
【0079】
この構成によれば、集音部の集音データと、故障音データとを照合して、故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、故障が発生する直前に駆動状態にある部品を、故障の要因となる部品の第2候補として抽出する。このため、故障の要因となる部品を抽出することができ、電子機器の復旧に要する時間を短縮させることができる。
【0080】
(付記8)
集音部と、
操作を受け付ける操作部と、
複数の駆動ユニットと、
前記操作部が受け付ける操作と、前記操作を受け付けた場合に駆動する駆動ユニットの部品と、を対応づける対応データと、前記操作部が受け付けた操作の履歴である操作履歴と、前記複数の駆動ユニットの各々に駆動が生じたときに発生する故障音を記録した故障音データと、を記憶する記憶部と、
前記複数の駆動ユニットに生じる故障を検出する故障検出部と、
前記故障検出部が故障を検出すると、前記集音部が集音した集音データと、前記故障音データとを照合して、前記故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、
前記操作履歴と、前記対応データと、に基づいて前記故障が発生する直前に駆動状態にある部品を特定し、特定した部品を、前記故障の要因となる部品の第2候補として抽出し、
前記第1候補として抽出した部品と、前記第2候補として抽出した部品と、に基づいて、前記故障の要因となる部品の候補を設定する候補抽出部と、
を備える画像形成装置。
【0081】
この構成によれば、集音部の集音データと、故障音データとを照合して、故障の要因となる部品の第1候補を抽出し、故障が発生する直前に駆動状態にある部品を、故障の要因となる部品の第2候補として抽出する。このため、故障の要因となる部品を抽出することができ、電子機器の復旧に要する時間を短縮させることができる。
【0082】
(付記9)
前記集音部は、
前記複数の駆動ユニットに含まれる読取ユニットと印刷ユニットとの間に配置される中継部材に設けられる、付記8記載の画像形成装置。
【0083】
この構成によれば、読取ユニットと印刷ユニットとに生じる音声を集音部で集音して音声データを生成することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…複合機、10…読取ユニット、11…読取ユニット載置台、12…載置トレイ、13…原稿排出トレイ、14…読取センサー、15…ホームポジションセンサー、20…印刷ユニット、21…給紙部、22…搬送部、23…インクカートリッジ、24…印刷ヘッド、25…キャリッジ、26…媒体排出トレイ、27…ホームポジションセンサー、30…タッチパネル、31…表示パネル、33…タッチセンサー、40…通信I/F、50…集音部、100…制御部、110…記憶部、111…センサーデータ、112…ファームウェア、113…エラー履歴データ、114…操作履歴データ、115…故障音データ、116…動作部品データ、117…メンテナンスデータ、130…プロセッサー、131…故障検出部、133…候補抽出部。