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  • 特開-初期位置設定装置 図1
  • 特開-初期位置設定装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141341
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】初期位置設定装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/02 20060101AFI20241003BHJP
   G01C 21/30 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B60W40/02
G01C21/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052932
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴広
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB49
2F129BB66
2F129FF02
2F129GG03
2F129GG04
2F129GG05
2F129GG06
2F129GG18
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE05
3D241CE07
3D241DA28Z
3D241DA52Z
3D241DA58Z
3D241DB01B
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB04Z
3D241DB05Z
3D241DB12Z
3D241DB32Z
(57)【要約】
【課題】初期位置を自動的に設定可能な初期位置設定装置を提供する。
【解決手段】初期位置設定装置10は、車両1の周辺状況と自己位置とを含む自己位置データを所定の時間間隔で取得する取得部101と、自動運転システムが立ち上げられたときに、取得部101が最後に取得した自己位置データに含まれる周辺状況である最終周辺状況と、車両1の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行うマッチング計算部103と、第1マッチングの結果が一致判定であった場合に、取得部101が最後に取得した自己位置データに含まれる自己位置を初期位置として設定する設定部104と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転システムにおける自車両の初期位置を設定する初期位置設定装置であって、
前記自車両の周辺状況と自己位置とを含む自己位置データを所定の時間間隔で取得する取得部と、
前記自動運転システムが立ち上げられたときに、前記取得部が最後に取得した前記自己位置データに含まれる前記周辺状況である最終周辺状況と、前記自車両の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行うマッチング計算部と、
前記第1マッチングの結果が、前記最終周辺状況と前記現在周辺状況とが一致する一致判定であった場合に、前記取得部が最後に取得した前記自己位置データに含まれる前記自己位置を前記初期位置として設定する設定部と、
を備える初期位置設定装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記第1マッチングの結果が、前記最終周辺状況と前記現在周辺状況とが一致しない不一致判定であった場合に、GNSSにより推定された前記自車両の現在位置を取得すると共に、当該現在位置における地図データを取得し、
前記マッチング計算部は、前記第1マッチングの結果が前記不一致判定であり、且つ、前記取得部が前記現在位置を取得した場合に、前記現在位置における地図データと前記現在周辺状況との第2マッチングを行い、
前記設定部は、前記第2マッチングの結果が、前記現在位置における地図データと前記現在周辺状況とが一致する一致判定であった場合に、前記現在位置を前記初期位置として設定する、
請求項1に記載の初期位置設定装置。
【請求項3】
前記自己位置データは、前記自車両に搭載された周辺状況センサの計測により点群データとして得られる前記周辺状況と、点群データである地図データとのマッチングにより推定された前記自己位置を含み、
前記マッチング計算部は、前記第1マッチングにおいて、前記最終周辺状況と前記現在周辺状況との点群データ同士のマッチングを行う、
請求項1又は2に記載の初期位置設定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、初期位置設定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザセンサにより検出された移動体の周囲の物体までの距離と移動体の周囲環境の地図とをマッチングさせて、移動体の位置の推定演算を行うことにより、移動体の推定位置を取得する走行制御装置が記載されている。この装置では、自己位置の推定に際して、タッチパネルにより入力された特定情報に対応する走行開始場所の位置を記憶部から取得し、当該走行開始場所の位置を移動体の初期位置として設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-113195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の走行制御装置では、移動体の初期位置の設定に際して、人の介在が必須である。しかしながら、現在、完全自動化に向けて人の工数を削減する要求がある。
【0005】
本開示は、初期位置を自動的に設定可能な初期位置設定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る初期位置設定装置は、自動運転システムにおける自車両の初期位置を設定する初期位置設定装置であって、自車両の周辺状況と自己位置とを含む自己位置データを所定の時間間隔で取得する取得部と、自動運転システムが立ち上げられたときに、取得部が最後に取得した自己位置データに含まれる周辺状況である最終周辺状況と、自車両の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行うマッチング計算部と、第1マッチングの結果が、最終周辺状況と現在周辺状況とが一致する一致判定であった場合に、取得部が最後に取得した自己位置データに含まれる自己位置を初期位置として設定する設定部と、を備える。
【0007】
この装置では、取得部が、自車両の自己位置と周辺状況とを含む自己位置データを所定の時間間隔で取得する。また、マッチング計算部が、自動運転システムが立ち上げられたときに、取得部が取得した最後の自己位置データに含まれる周辺状況である最終周辺状況と、自車両の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行う。そして、設定部が、当該第1マッチングの結果が一致判定であった場合に、当該最後に取得された自己位置データに含まれる自己位置を、自車両の初期位置として設定する。このように、この装置では、自動運転システムにおける自車両の初期位置を自動的に設定することが可能となる。
【0008】
本開示に係る初期位置設定装置では、取得部は、第1マッチングの結果が、最終周辺状況と現在周辺状況とが一致しない不一致判定であった場合に、GNSSにより推定された自車両の現在位置を取得すると共に、当該現在位置における地図データを取得し、マッチング計算部は、第1マッチングの結果が不一致判定であり、且つ、取得部が現在位置を取得した場合に、現在位置における地図データと現在周辺状況との第2マッチングを行い、設定部は、第2マッチングの結果が、現在位置における地図データと現在周辺状況とが一致する一致判定であった場合に、現在位置を初期位置として設定してもよい。この場合、第1マッチングの結果が不一致判定であった場合にも、自車両の初期位置を自動的に設定することが可能となる。
【0009】
本開示に係る初期位置設定装置では、自己位置データは、自車両に搭載された周辺状況センサの計測により点群データとして得られる周辺状況と、点群データである地図データとのマッチングにより推定された自己位置を含み、マッチング計算部は、第1マッチングにおいて、最終周辺状況と現在周辺状況との点群データ同士のマッチングを行ってもよい。この場合、点群データ同士の比較により、容易且つ確実にマッチングを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、初期位置を自動的に設定可能な初期位置設定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係る初期位置設定装置を示すブロック図である。
図2図1に示された初期位置設定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態に係る初期位置設定装置について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る初期位置設定装置を示すブロック図である。図1に示される初期位置設定装置10は、車両1(自車両)に搭載されている。車両1は、少なくとも一部を自動運転システムにより運行される自動運転車両である。車両1は、初期位置設定装置10に加えて、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)20、地図データベース30、周辺状況センサ40、車両状態センサ50、通信装置60、自動運転制御部70、及び、走行装置80を備えている。
【0014】
GNSS20は、4個以上の測位衛星から信号を受信して、車両1の位置を示す位置情報を取得する。位置情報には、例えば、緯度及び経度が含まれる。GNSS20は、所定の時間間隔で車両1の位置情報を取得し、取得した車両1の位置情報を初期位置設定装置10に送信する。
【0015】
地図データベース30は、地図データを保持している。地図データは、一例として、例えばLiDARを使用して得られる地物等の位置及び形状等を示す3次元点群データである。地図データベース30は、初期位置設定装置10からの要求に応じて、指定位置における地図データを初期位置設定装置10に送信する。
【0016】
周辺状況センサ40は、車両1の周囲の状況(周辺状況)を検出する。周辺状況センサ40は、一例としてLiDARである。LiDARは、光を利用して車両1の周囲の物標を検出する。この場合、周辺状況センサ40は、地物等の位置及び形状等を示す3次元点群データとして、車両1の周辺状況を取得する。周辺状況センサ40は、所定の時間間隔で当該周辺状況を取得する。周辺状況センサ40は、取得した周辺情報を初期位置設定装置10に送信する。
【0017】
車両状態センサ50は、車両の走行状態を検出する。車両状態センサ50としては、例えば、車速センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ、加速度センサ、ステアリングのトルクセンサ、モータの出力トルクセンサ、車輪速センサ、推進軸の回転数を検出するセンサ(例えば、クラッチに設けられるセンサ)などが例示される。車速センサは、車両1の速度を検出する。舵角センサは、車両1の操舵角を検出する。ヨーレートセンサは、車両1のヨーレートを検出する。加速度センサは、車両1に作用する加速度を検出する。車両状態センサ50は、検出した情報を初期位置設定装置10に送信することができる。
【0018】
通信装置60は、例えばV2X通信(車車間通信および路車間通信)を行う。具体的には、通信装置60は、他の車両との間でV2V通信(車車間通信)を行う。また、通信装置60は、周囲のインフラとの間でV2I通信(路車間通信)を行う。V2X通信を通して、通信装置60は、車両の周囲の環境に関する情報を取得することができる。通信装置60は、取得した情報を初期位置設定装置10に送信することができる。
【0019】
自動運転制御部70は、車両1の自動運転を制御する。自動運転制御部70は、初期位置設定装置10から車両1の初期位置を示す情報を受信する。自動運転制御部70は、受信した車両1の初期位置を示す情報に基づいて、車両1の自動運転制御を行う。より具体的には、自動運転制御部70は、受信した情報に基づき、車両1が走行する経路を生成する。また、自動運転制御部70は、生成した経路に基づき、実際に車両1が走行する目標経路をリアルタイムに生成する。自動運転制御部70は、生成した目標経路に基づき、車両1の経路追従制御を行う。自動運転制御部70は、目標経路に追従して車両1が走行するように、走行装置80に含まれる各装置を制御する。
【0020】
走行装置80は、操舵装置、駆動装置、制動装置、トランスミッション等を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジンや電動機が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。また、走行装置80には、操舵装置、駆動装置、制動装置、トランスミッション等の操作を電気指令によって行えるように、プロセッサ、記憶装置、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータを含めても良い。
【0021】
ここで、初期位置設定装置10は、取得部101、保持部102、マッチング計算部103、及び、設定部104を備えている。初期位置設定装置10は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、データ送受信デバイスである通信モジュール等を含むコンピュータシステムとして構成され得る。初期位置設定装置10の各機能部は、上記のハードウェア上に所定のプログラムを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで、通信モジュールを動作させるとともにRAM等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現され得る。
【0022】
取得部101は、定期的に、周辺状況センサ40から車両1の周辺状況を取得する。また、取得部101は、地図データベース30から地図データを取得する。そして、取得部101は、周辺状況センサ40から取得した周辺状況と地図データベースから取得した地図データとのマッチングにより車両1の自己位置を推定する。
【0023】
一例として、取得部101は、3次元点群データである周辺状況と3次元点群データである地図データとのマッチングにより自己位置を推定する。これにより、取得部101は、車両1の周辺状況と自己位置とを含む自己位置データを所定の時間間隔で取得することができる。取得部101は、取得した自己位置データを保持部102に送信する。
【0024】
保持部102は、取得部101から継続的に送信される自己位置データを順次記録して保持する。保持部102は、マッチング計算部103からの要求に応じて、保持している自己位置データのうちの最後に記録した自己位置データをマッチング計算部103に送信することができる。
【0025】
マッチング計算部103は、自動運転制御部70により自動運転システムが立ち上げられたときに、保持部102が保持している取得部101が最後に取得した自己位置データを読み込む。そして、マッチング計算部103は、当該自己位置データに含まれる周辺状況である最終周辺状況と、周辺状況センサ40によりリアルタイムで計測されることで取得される車両1の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行う。一例として、マッチング計算部103は、最終周辺状況と現在周辺状況との3次元点群データ同士のマッチングを行うことができる。
【0026】
設定部104は、マッチング計算部103での第1マッチングの結果が、最終周辺状況と現在周辺状況とが一致する一致判定であった場合に、取得部101が最後に取得した自己位置データに含まれる自己位置(すなわち、最終周辺状況と地図データとに基づいて推定された自己位置)を、自度運転システムにおける車両1の初期位置として設定する。設定部104は、設定した車両1の初期位置を自動運転制御部70に送信する。
【0027】
引き続いて、図2を参照して初期位置設定装置の詳細について説明する。図2に示されるように、まず、自動運転システムが立ち上げられると、マッチング計算部103が、保持部102に自己位置データがあるか否かの判定を行う(工程S11)。
【0028】
工程S11の判定の結果、保持部102に自己位置データがある場合(工程S11:YES)、マッチング計算部103が、取得部101が最後に取得した自己位置データを保持部102から読み込む(工程S12)。
【0029】
続いて、マッチング計算部103が、工程S12で読み込まれた自己位置データに含まれる周辺状況である最終周辺状況と、周辺状況センサ40によりリアルタイムで計測されることで取得される車両1の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行う(工程S13)。
【0030】
続いて、工程S13での第1マッチングの結果が一致判定であったか否かの判定が行われる(工程S14)。そして、工程S13での第1マッチングの結果が一致判定であった場合(工程S14:YES)、設定部104が、取得部101が最後に取得した自己位置データに含まれる自己位置(すなわち、最終周辺状況と地図データとに基づいて推定された自己位置)を、自度運転システムにおける車両1の初期位置として設定する(工程S15)。
【0031】
一方、工程S11の判定の結果、保持部102に自己位置データがない場合(工程S11:NO)、及び、工程S13での第1マッチングの結果が不一致判定であった場合、取得部101が、GNSS20により推定された車両1の現在位置を取得すると共に、地図データベース30から当該現在位置における地図データを取得する(工程S16)。取得部101は、取得した現在位置と地図データとをマッチング計算部103に送信する。
【0032】
続いて、マッチング計算部103が、取得部101から送信された現在位置における地図データと、周辺状況センサ40によりリアルタイムで計測されることで取得される車両1の現在の周辺状況である現在周辺状況との第2マッチングを行う(工程S17)。
【0033】
続いて、工程S17での第2マッチングの結果が一致判定であったか否かの判定が行われる(工程S14)。そして、工程S17での第2マッチングの結果が一致判定であった場合(工程S14:YES)、設定部104が、GNSS20により推定されて取得部101により取得された現在位置を、自度運転システムにおける車両1の初期位置として設定する(工程S15)。以上により、処理を終了する。
【0034】
以上説明したように、初期位置設定装置10では、取得部101が、車両1の自己位置と周辺状況とを含む自己位置データを所定の時間間隔で取得する。また、マッチング計算部103が、自動運転システムが立ち上げられたときに、取得部101が取得した(保持部102が記録した)最後の自己位置データに含まれる周辺状況である最終周辺状況と、車両1の現在の周辺状況である現在周辺状況との第1マッチングを行う。そして、設定部104が、当該第1マッチングの結果が一致判定であった場合に、当該最後に取得された自己位置データに含まれる自己位置を、車両1の初期位置として設定する。このように、初期位置設定装置10では、自動運転システムにおける車両1の初期位置を自動的に設定することが可能となる。
【0035】
また、初期位置設定装置10では、取得部101が、第1マッチングの結果が、最終周辺状況と現在周辺状況とが一致しない不一致判定であった場合に、GNSS20により推定された車両1の現在位置を取得すると共に、当該現在位置における地図データを取得しする。また、マッチング計算部103が、第1マッチングの結果が不一致判定であり、且つ、取得部101が現在位置を取得した場合に、現在位置における地図データと現在周辺状況との第2マッチングを行う。そして、設定部104が、第2マッチングの結果が、現在位置における地図データと現在周辺状況とが一致する一致判定であった場合に、GNSS20により取得された現在位置を初期位置として設定する。このため、第1マッチングの結果が不一致判定であった場合にも、車両1の初期位置を自動的に設定することが可能となる。
【0036】
さらに、初期位置設定装置10では、自己位置データが、車両1に搭載された周辺状況センサ40の計測により点群データとして得られる周辺状況と、点群データである地図データとのマッチングにより推定された自己位置を含む。そして、マッチング計算部103が、第1マッチングにおいて、最終周辺状況と現在周辺状況との点群データ同士のマッチングを行ってもよい。この場合、点群データ同士の比較により、容易且つ確実にマッチングを行うことが可能となる。
【0037】
以上の実施形態は、本発明に係る初期位置設定装置の一形態を説明したものである。したがって、本発明に係る初期位置設定装置は、上記の初期位置設定装置10を任意に変形したものとされ得る。
【0038】
例えば、上記実施形態では、周辺状況センサ40がLiDARを含み、LiDARの計測によって点群データとして車両1の周辺状況が取得され、同様に点群データである地図データとのマッチングを行う場合について例示した。しかし、周辺状況センサ40がカメラを含む場合、当該カメラでの撮像によりが画像として得られた車両1の周辺状況が取得され、同様に画像としての地図データや別の周辺状況とのマッチングが行われてもよい。
【0039】
また、自動運転システムが終了されてから再度立ち上げられるまでの間に車両1が移動しているといった理由により、第1マッチングの結果が不一致判定であった場合、車両1の乗員によるマニュアル運転で車両1をある程度走行させることにより、GNSS20によって自己位置を推定するようにしてもよい。この場合、工程S17での第2マッチングの結果が工程S14で一致判定と判定されるまで、マニュアル運転で車両1を走行させることにより、GNSS20を用いて確実に初期位置を設定することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…車両(自車両)、10…初期位置設定装置、20…GNSS、40…周辺状況センサ、101…取得部、103…マッチング計算部、104…設定部。
図1
図2