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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141348
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20241003BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241003BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
B60R11/02 C
G09G5/00 530T
G09G5/00 510A
G09G5/00 530D
G09G5/00 510Q
H04N7/18 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052940
(22)【出願日】2023-03-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】光成 貴宏
【テーマコード(参考)】
3D020
5C054
5C182
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BC03
3D020BD14
3D020BE03
5C054EA01
5C054EA05
5C054FE18
5C054FE23
5C054FF03
5C054HA30
5C182AB01
5C182AB15
5C182AB26
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA75
5C182CB47
5C182CC21
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】各装着部に応じた画面を表示パネルに表示させることができる車載装置の提供。
【解決手段】車載装置1の演算処理部10は、第1の動作モードである映像系ソースモードが選択された場合、表示パネル4が装着部2Fおよび装着ユニット3Rのいずれに装着された場合でも、映像系ソースモードで表示パネル4を制御し、映像系ソースモードから切り替えられて第2動作モードであるカメラ映像モードが選択された場合、表示パネル4が装着部2Fに装着されるとカメラ映像モードで表示パネル4を制御し、表示パネル4が装着ユニット3Rに装着されるとカメラ映像モードに切り替える前の映像系ソースモード(ラストオーディオモード)で表示パネル4を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第1検出部を有する第1装着部と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第2検出部を有する第2装着部と、
第1動作モードおよび第2動作モードからいずれかを選択する動作モード選択部と、
前記動作モード選択部の選択に基づいて前記表示装置の表示を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記第1動作モードが選択された場合、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれで前記装着が検出されても前記第1動作モードで前記表示装置を制御し、
前記第1動作モードから切り替えられて前記第2動作モードが選択された場合、前記第1検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードで前記表示装置を制御し、前記第2検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードに切り替える前の前記第1動作モードで前記表示装置を制御する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記動作モード選択部は、前記第1動作モードおよび前記第2動作モードに加えて第3動作モードが選択可能であって、
前記制御装置は、
前記第1検出部による前記装着の検出中に、前記第1動作モードから切り替えられて前記第3動作モードが選択されると、前記第1動作モードから前記第3動作モードへ切り替えて該第3動作モードの画面表示を前記表示装置に表示させ、
前記第1検出部による前記装着の検出中に前記第1モードから切り替えられて前記第3モードが選択され、その後、前記第2検出部により前記装着が検出されると、前記第3動作モードに切り替える前の前記第1動作モードの画面表示又は前記第3動作モードの選択不可を示す画面表示を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置において、
前記表示装置は、
前記第1装着部および前記第2装着部への着脱操作を行う着脱操作部と、
前記着脱操作部が操作されているか否かを検出する操作検出部と、を備え、
前記制御装置は、
前記操作検出部の検出結果に基づいて、
前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部から離脱される前に、前記表示装置の表示を停止し、
前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部に装着された後に、前記表示装置の表示を行わせる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車載装置において、
少なくとも運転者側のスピーカを含むフロント席用スピーカと、リア席用スピーカとをさらに備え、
前記第2動作モードは電話通話モードを含み、
前記制御装置は、
前記第1動作モードから切り替えられて前記電話通話モードが選択された場合、
前記フロント席用スピーカからは通話音声を出力し、
前記リア席用スピーカからは前記第1動作モードの音声を出力する、
ことを特徴とする車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の搭載される電子機器システムである車載装置には、特許文献1や特許文献2に開示されるような構成のものが知られている。特許文献1に記載の技術では、車両のインストルメントパネルに設置された着脱可能なナビゲーション装置を取外した場合に、ナビゲーション装置をポータブルナビ単体として使用可能にするとともに、カメラによって撮影された映像が表示中の場合には、ナビゲーション装置の表示を切り替えるようにしている。また、特許文献2には、電子機器に着脱可能なパネルを備える電子機器システムにおいて、パネルの着脱時の接続状態の変化に応じた動作処理を実行し、パネルの着脱が適切に行われる制御方法とそのシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5832073号公報
【特許文献2】特許第6765944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように表示パネルを着脱可能な構成においては、表示パネルの移動先に応じた表示が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による車載装置は、表示装置と、前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第1検出部を有する第1装着部と、前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第2検出部を有する第2装着部と、第1動作モードおよび第2動作モードからいずれかを選択する動作モード選択部と、前記動作モード選択部の選択に基づいて前記表示装置の表示を制御する制御部と、を備え、前記制御装置は、前記第1動作モードが選択された場合、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれで前記装着が検出されても前記第1動作モードで前記表示装置を制御し、前記第1動作モードから切り替えられて前記第2動作モードが選択された場合、前記第1検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードで前記表示装置を制御し、前記第2検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードに切り替える前の前記第1動作モードで前記表示装置を制御する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装着される各装着部に応じた画面を表示パネルに表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態の車載装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、装着ユニットおよび表示パネルが装着された装着部の概観を示す図である。
図3図3は、表示パネルが装着された装着ユニットおよびリア席側の装着部の概観を示す図である。
図4図4は、表示パネルの着脱操作に関する機構を説明する図である。
図5図5は、表示パネルの移動と画面の表示・非表示の関係を示すタイミングチャートである。
図6図6は、表示パネルを装着部から装着ユニットへ移動させた場合の、各動作モードにおける遷移パターンを示す図である。
図7図7は、表示パネルを装着ユニットから装着部へ移動させた場合の、各動作モードにおける遷移パターンを示す図である。
図8図8は、映像系ソースモードの場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
図9図9は、AUDIO OFFモードの場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
図10図10は、映像系ソースモードからカメラ映像モードに切り替わった場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
図11図11は、映像系ソースモードから電話モードに切り替わった場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
図12図12は、カメラ割り込み動作中に表示パネルを移動した場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
図13図13は、各動作モードにおいてカメラ割込みがあった場合の遷移パターンを示す図である。
図14図14は、AUDIO OFFモードの動作中に電話モードの割込みがあった場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。また、以下の説明では、同一または類似の要素および処理には同一の符号を付し、重複説明を省略する場合がある。なお、以下に記載する内容はあくまでも本発明の実施の形態の一例を示すものであって、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、他の種々の形態でも実施をすることが可能である。
【0009】
図1は、本実施形態の車載装置1の概略構成を示すブロック図である。車載装置1は、車室のインストルメントパネルに設けられる本体部2と、車室内のリア席側に配置される装着ユニット3Rと、本体部2の装着部2Fおよび装着ユニット3Rに装着可能な表示パネル4とを備えている。表示装置である表示パネル4は、離脱させて、第1の装着部である装着部2Fと第2の装着部である装着ユニット3Rとの間で移動させることができる。
【0010】
本体部2は、演算処理部10、ナビゲーション処理部(ナビ部)11、ラジオ回路部(Radio)12、テレビ回路部(TV)13、音声出力回路(音声)14、通信部15、入力部21等を備えている。演算処理部10はCPU、RAM、ROM、各種ハードウェアを接続するためのインタフェース等を備え、車載装置1の全体的な制御を行うとともに、種々の処理を行う。ナビゲーション処理部11は、GPS受信部(GPS)110の出力情報に基づいてナビゲーション処理を行う。
【0011】
ラジオ回路部12は、ラジオアンテナ111によりラジオ放送を受信する。演算処理部10は、音声出力回路14により、受信したラジオ放送の音声をフロント席用スピーカFSおよびリア席用スピーカRSから出力させる。フロント席用スピーカは少なくとも運転者側のスピーカを含む。テレビ回路部13は、TVアンテナ112によりテレビ放送を受信する。演算処理部10は、受信したテレビ放送の映像を装着部2Fまたは装着ユニット3Rに装着された表示パネル4に表示させ、テレビ放送の音声をスピーカFS,RSから出力させる。
【0012】
通信部15は、車両乗員の携帯端末(不図示)との間で有線あるいは無線で通信を行う。演算処理部10には、不図示の車両制御部からバックギヤ位置信号BGが入力される。演算処理部10は、バックギヤ位置信号BGが入力されると、バックカメラ(BC)113で撮影された車両の後方映像を、装着部2Fまたは装着ユニット3Rに装着された表示パネル4に表示する。本体部2への入力操作は入力部21によって行われる。
【0013】
表示パネル4は、接続端子40、着脱操作部41、着脱操作検出部42およびパネル制御部43を備えている。表示パネル4の表面には入力装置としてのタッチパネルが設けられている。パネル制御部43は、表示制御およびタッチパネル制御を行う。装着部2Fおよび装着装置3Rに表示パネル4を着脱する際には、装着ロックを解除するための着脱操作部41を操作して着脱を行う。演算処理部10は、着脱操作検出部42のオンオフ状態によって、着脱操作部41の非操作状態および操作状態を検出する。
【0014】
表示パネル4を装着部2Fに装着すると、接続端子40が装着部2Fの接続端子20と接続される。表示パネル4を装着ユニット3Rに装着すると、接続端子40が装着ユニット3Rの接続端子30と接続される。接続端子20,30には、信号ライン(映像信号、着脱操作検出信号、タッチ信号)L1、電源ラインL2、接続検出信号ラインL3が接続されている。演算処理部10は、接続端子20,30が端子部40に接続されたか否かを検出することで、表示パネル4の装着部2Fおよび装着ユニット3Rへの着脱を検出する。
【0015】
図2,3は、装着部2Fおよびリア席側に設けられた装着ユニット3Rの概観を示す図である。車室内のインストルメントパネル5には車載装置1の本体部2が設けられている。本体部2の前面には、表示パネル4が着脱可能な装着部2Fが設けられている。図2,3に示す例では、装着ユニット3Rは、助手席50のヘッドレスト51の支柱52に装着されている。
【0016】
図2は、フロント席側の本体部2に設けられた装着部2Fに表示パネル4が装着されている状態を示す。一方、図3は、リア席側の装着ユニット3Rに表示パネル4が装着されている状態を示す。装着部2Fの下部には、Powerボタン21aおよびHOMEボタン21bを含む複数の操作ボタンで構成される入力部21が設けられている。装着部2Fに表示パネル4を装着してHOMEボタン21bを操作すると、表示パネル4に図2に示すようなHOME/設定画面が表示される。HOME/設定画面には、複数のアイコンIa~Ihが表示される。
【0017】
車載装置1に対する入力操作(例えば、後述する動作モードの選択等)は操作ボタン21の押下操作や、表示パネル4に表示されたアイコンのタッチ操作により行われる。Powerボタン21aを長押しすることで車載装置1の電源のオンオフが行われ、Powerボタン21aを短押しすると、後述するAUDIO OFFモードに切り替わる。なお、装着部2Fおよび装着ユニット3Rには、装着された表示パネル4の背面側に設けられた着脱操作部41と対向する領域に切り欠き22,31が形成されている。
【0018】
図4は、表示パネル4の着脱操作に関する機構を説明する図である。装着部2Fまたは装着ユニット3Rに対して表示パネル4を着脱する際には、表示パネル4の着脱操作部41が設けられている部分を手で掴み、背面側に設けられた着脱操作部41を押し込む操作をする。着脱操作検出部42はノーマリークローズのスイッチで構成されている。着脱操作部41が破線で示すように矢印Fの方向(図示左側に)に押し込まれると、着脱操作検出部42がオン状態(非操作)からオフ状態(操作)になる。
【0019】
なお、図4に示す例では、着脱操作検出部42をノーマリークローズのスイッチで構成したが、この構成に限定されない。例えば、表示パネル4の右上領域を掴む動作を、表示パネル4へのタッチ動作で操作・非操作を検出するようにしても良い。
【0020】
また、表示パネル4は、装着部2Fに装着された表示パネル4の装着状態をロックするロック機構を備えている。ロック機構は、互いに係合して揺動する第1揺動部材401と第2揺動部材402とを備えている。第1揺動部材401は軸403を支点に揺動し、上端が着脱操作部41の図示左端面に当接している。第2揺動部材402は軸404を支点に揺動し、上端が第1揺動部材401の下端に係合している。第2揺動部材402の下端には、装着部2Fに形成された係合穴23に係合可能な爪402aが形成されている。なお、装着ユニット3Rにも、爪402aが係合可能な同様の係合穴が形成されている。
【0021】
着脱操作部41が非操作状態においては、第2揺動部材402の爪402aが装着部2Fの係合穴23に係合し、表示パネル4の装着部2Fへの装着状態がロックされる。一方、着脱操作部41を破線で示すように図示左側に押し込むと、着脱操作部41の背面に当接している第1揺動部材401が反時計回りに揺動する。第1揺動部材401が反時計回りに揺動すると、上端が第1揺動部材401の下端に係合している第2揺動部材402が、時計回りに揺動する。その結果、第2揺動部材402の下端に形成されている爪402aが、係合穴23から抜け出て表示パネルのロックが解除される。その結果、表示パネル4の装着部2Fからの離脱が可能となる。
【0022】
次に、表示パネル4を本体部2の装着部2Fとリア席側の装着ユニット3Rとの間で移動した場合の、車載装置1の動作(主に、表示装置における表示動作)について説明する。車載装置1の動作モードとしては、ナビゲーションモードの他に、後述する図6,7に示すような動作モードがある。装着部2Fの入力部21を操作して、または、表示パネル4に表示されたHOME/設定画面をタッチ操作して動作モードを選択すると、選択した動作モードが起動し、例えば、その動作モードに対応する画面表示が表示パネル4に表示される。
【0023】
(1.表示パネル移動時の表示オンオフ動作)
先ず、図5のタイミングチャートを参照して、表示パネル4を装着部2Fと装着ユニット3Rとの間で移動させた場合の、画面の表示・非表示動作を説明する。図5は、(a)着脱操作検出部42のオンオフ状態、(b)装着部2Fに表示パネル4が装着されているか否かの着脱状態、(c)装着ユニット3Rに表示パネル4が装着されているか否かの着脱状態、(d)表示パネル4の画面表示のオンオフ状態、(e)スピーカFS,RSの音声出力のオンオフ状態のそれぞれを示すタイミングチャートである。
【0024】
初期状態として、表示パネル4が本体部2の装着部2Fに装着されている場合を考える。この場合、着脱操作検出部42はオン状態で、装着部2Fは装着状態で装着ユニット3Rは離脱状態になっている。この時、演算処理部10は表示パネル4の画像表示およびスピーカFS,RSからの音声出力をオン状態とする。次いで、乗員が表示パネル4の着脱操作部41が設けられている部分を掴んで表示パネル4のロックを解除し、表示パネル4を装着部2Fから外す動作をする。その際に着脱操作部41が押し込まれると、着脱操作検出部42がオンからオフに切り替わる。ここでは、オンからオフに切り替わる時刻をt1とする。
【0025】
演算処理部10は、時刻t1に着脱操作検出部42のオンからオフへの切り替わりが検出され、さらに所定時間T1が経過したならば、表示パネル4の画面表示をオフ(非表示)する。なお、スピーカFS,RSからの音声出力はオン状態を継続する。その後、表示パネル4の画面表示がオフされた後の時刻t2に、装着部2Fから表示パネル4が外される(離脱)。離脱所要時間=t2-t1は操作者によってさまざまであるが、所定時間T1は、推定される最短の離脱所要時間よりも短く設定される。
【0026】
装着部2Fから表示パネル4が外された後の時刻t3に表示パネル4がリア席側の装着ユニット3Rに装着されると、表示パネル4の接続端子40が装着ユニット3Rの接続端子30に接続される。演算処理部10は、時刻t3に接続端子30,40の接続を検出すると、接続検出から所定時間T1が経過した時点で表示パネル4の画面表示をオン状態にする。なお、スピーカFS,RSからの音声出力はオン状態を継続する。
【0027】
逆に、リア席側の装着ユニット3Rから本体部2の装着部2Fに表示パネル4を移動する際にも、表示パネル4の画面表示のオンオフ動作を同様に行う。すなわち、時刻t4に表示パネル4の着脱操作検出部42がオンからオフへの切り替わると、それから所定時間T1が経過したときに表示パネル4の画面表示をオフする。その後、時刻t5に表示パネル4が装着ユニット3Rから外されて時刻t6に装着部2Fに装着されると、装着検出(接続検出)から所定時間T1が経過した後に表示パネル4をオン状態にする。
【0028】
このように、表示パネル4を装着部2Fまたは装着ユニット3Rから離脱させる場合には、表示パネル4の接続端子40が非接続となる前に表示パネル4がオフ状態とされる。逆に、表示パネル4を装着部2Fまたは装着ユニット3Rに装着する場合には、表示パネル4の接続端子40が接続状態となってから表示パネル4がオン状態とされる。このように、表示パネル4をオフしてから表示パネル4の接続を切り、表示パネル4の接続を確認してから表示パネル4をオンするので、表示パネル4の着脱時における画面乱れを抑制することができる。
【0029】
(2.表示パネル移動時の遷移パターン)
次に、表示パネル4を装着部2Fと装着ユニット3Rとの間で移動させた場合の、画面表示および音声出力の切替動作について説明する。以下では、表示パネル4の移動に伴う画面表示および音声出力の変化のパターンを、遷移パターンと呼ぶことにする。
【0030】
車載装置1では、ナビゲーションモードの他に図6,7に示すような動作モードがある。図6は、表示パネル4が本体部2の装着部2Fに装着されている状態において各動作モードに設定され、その後、表示パネル4を装着部2Fから装着ユニット3Rに移動させた場合の遷移パターンを示したものである。一方、図7は、表示パネル4が装着ユニット3Rに装着されている状態において各動作モードに設定され、その後、表示パネル4を装着ユニット3Rから装着部2Fへ移動させた場合の遷移パターンを示したものである。
【0031】
映像系ソースモードは、例えば、TV視聴やDVD映像視聴のように表示パネル4に映像を表示し、スピーカFS,RSから映像に付随する音声を出力する動作モードである。音楽系ソースは、例えば、ラジオやCD音楽を聴いたりする動作モードであり、スピーカFS,RSから音声が出力されるとともに、表示パネル4には音楽に伴う画面表示(例えば、歌詞表示画面など)が表示される。
【0032】
カメラ映像モードは、車両後退時に車両後方撮影用のバックカメラ113の映像を表示パネル4に表示する動作モードである。電話モードは、フロント席側の乗員が電話通話を行う動作モードである。HOME/設定モードは、本体部2に装着された表示パネル4にHOME/設定画面を表示させて操作を行う動作モードである。AUDIO OFFモードは、本体部2のPowerボタン21を短押し操作して表示パネル4の表示を黒画面表示に切り替える動作モードである。なお、Powerボタン21を長押し操作すると、本体部2の電源がオフする。
【0033】
CP/AAモードにおけるCPはApple Carplay(登録商標)を略称したものであり、AAはAndroid Auto(登録商標)を略称したものである。CP/AAモードにおいては、乗員の携帯端末のCP/AA対応アプリケーションを車載装置1で利用することができる。携帯端末をCP/AA接続すると、CP/AA対応のメニューが表示パネル4に表示される。なお、CP/AAモードは、表示パネル4を本体部2の装着部2Fに装着状態での使用を条件としている。そのため、表示パネル4をリア席側の装着ユニット3Rに装着した状態では、他の動作モードからCP/AAモードに切り替えることはできない。なお、Apple Carplay(登録商標)やAndroid Auto(登録商標)は携帯端末と車載装置とを接続する規格の一例であり、他の同様のシステムも含まれる。
【0034】
図6,7には7種類の動作モードが記載されているが、2つの種類に大別することができる。第1の動作モードは、フロント席およびリア席の乗員により共通して利用されることを想定した動作モードである。例えば、映像系ソースモードおよび音楽系ソースモードが第1の動作モードには相当する。また、AUDIO OFFモードの遷移パターンも映像系ソースモードおよび音楽系ソースモードに類似しているので、ここでは第1の動作モードとして扱う。一方、第2の動作モードは、主にフロント席の乗員により利用されることを想定した動作モードであって、例えば、カメラ映像モード、電話モード、CP/AAモード、HOME/設定モードが相当する。なお、説明は省略するが、ナビゲーションモードは第2の動作モードとして扱う。
【0035】
(2-1.第1の動作モードにおける遷移パターン)
第1の動作モードにおいては、表示パネル4を本体部2の装着部2Fおよびリア席側の表示ユニット3Rのいずれに装着した場合も、表示パネル4に表示されている画面は現在の動作モードの画面が表示され、スピーカFS,RSの音声出力も現在の動作モードの音声出力に設定される。図8は、映像系ソースモードの場合に、表示パネル4を「装着部2F→装着ユニット3R→装着部2F」と移動させた場合の遷移パターンを示すタイミングチャートであり、図9はAUDIO OFFモードの場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。
【0036】
図8に示す映像系ソースモードの場合には、フロント席側の装着部2Fおよびリア席側の装着ユニット3Rのいずれに装着された場合にも、表示パネル4には映像画面が表示される。また、表示パネル4の装着場所に関係なく、また、移動時の離脱状態においても、スピーカFS,RSからは映像音が出力される。そのため、表示パネル4の装着場所に関係なく、フロント席乗員およびリア席乗員は映像系ソースを楽しむことができる。音楽系ソースモードの場合も、映像系ソースモードの場合と同様の遷移パターンとなる。音楽系ソースモードの場合には、映像画面に代えて音楽画面が表示され、映像音声に代えて音楽音声が出力される。
【0037】
このように、動作モードとして映像系ソースモードおよび音楽系ソースモードが選択された場合、表示パネル4が装着部2Fおよび装着ユニット3Rのいずれに装着されても、表示パネル4の画面表示は選択されている動作モードで制御される。すなわち、映像系ソースモードが選択された場合には映像画面が表示パネル4に表示され、音楽系ソースモードが選択された場合には音楽系ソース用の画面が表示パネル4に表示される。
【0038】
図9に示すAUDIO OFFモードの場合には、表示パネル4がフロント席側の装着部2Fおよびリア席側の装着ユニット3Rのいずれに装着されている場合であっても、表示パネル4には黒画面が表示される。また、表示パネル4が黒画面表示やオフ時においては、スピーカFS,RSからは音声が出力されない。なお、表示パネル4の表示を黒画面表示とした際に、「AUDIO OFF」という文字を表示パネル4に表示するようにしても良い。
【0039】
(2-2.第2の動作モードにおける遷移パターン)
上述したように、第2の動作モードであるカメラ映像モード、電話モード、CP/AAモードおよびHOME/設定モードは、主にフロント席の乗員による利用を想定した動作モードである。第2の動作モードにおける遷移パターンでは、表示パネル4が本体部2の装着部2Fに装着されている場合とリア席側の装着ユニット3Rに装着されている場合とで、表示形態や音声出力形態が異なる。
【0040】
図10はカメラ映像モードの場合の遷移パターンを示すタイミングチャートであり、図11は電話モードの場合の遷移パターンを示すタイミングチャートである。図10,11のいずれの場合も、図5の場合と同様に、フロント席側の装着部2Fに装着されている場合においてロック解除操作(着脱操作部41の操作)が行われ、時刻t1に着脱操作検出部42がオンからオフへ切り替わる。そして、時刻t2に表示パネル4が装着部2Fから外され(離脱)、時刻t3に表示パネル4と装着ユニット3Rとの接続が検出される。さらに、時刻t4に再びロック解除操作されて着脱操作検出部42がオンからオフへ切り替わり、表示パネル4が時刻t5に装着ユニット3Rから外され、時刻t6に装着部2Fに装着される。
【0041】
なお、図10に示す例では、時刻t11までは第1の動作モード(映像系ソースモード)で動作しており、時刻t11にバックギヤ信号BGが入力され、動作モードが映像系ソースモードからカメラ映像モードに切り替わっている。言い換えると、第1の動作モードを実行中に、第2の動作モードが割込み実行される状況を表している。そのため、時刻t11までは、表示パネル4には映像画面が表示され、スピーカFS,RSからは映像音声が出力されている。
【0042】
時刻t11に映像系ソースモードからカメラ映像モードに切り替わると、表示パネル4にはバックカメラ113で撮影されたカメラ画面が表示される。なお、スピーカFS,RSからは、カメラ映像モードに切り替わった後も映像系ソースモードの映像音が継続して出力される。その後、着脱操作部41が操作されて(時刻t1)表示パネル4が本体部2の装着部2Fから外され(時刻t2)、リア席側の装着ユニット3Rに装着される(時刻t3)までの表示パネル4のオフ動作は、図5に示した動作と同様である。
【0043】
ただし、時刻t3に表示パネル4が装着ユニット3Rに装着され、所定時間T1が経過して表示パネル4がオン状態になったときには、カメラ映像モードに切り替わる直近のオーディオモード(映像系ソースモードまたは音楽系ソースモード)の画面が表示パネル4に表示される。ここでは、直近のオーディオモードは映像系ソースモードなので、表示パネル4には映像画面が表示される。さらに、カメラ映像モードが継続している状態において、表示パネル4をリア席側の装着ユニット3Rから外して(時刻t5)フロント席側の装着部2Fに装着すると(時刻t6)、所定時間T1経過後に、カメラ画面が表示パネル4に表示される。スピーカFS,RSからの音声出力に関しては、直近のオーディオモードの音声である映像音声の出力が継続される。以下では、直近のオーディオモードのことをラストオーディオモードと呼ぶことにする。
【0044】
なお、図10では、表示パネル4が装着部2Fに装着されているときにカメラ映像モードに切り替わった場合を示した。一方、表示パネル4が装着ユニット3Rに装着されているときに映像系ソースモードからカメラ映像モードに切り替わった場合には、図7に記載のように、表示パネル4の表示画面は映像画面(LA画面)が継続される。また、スピーカFS,RSの音声出力も映像音が継続される。そのため、リア席乗員は、車両後退時においても映像系ソースを継続して楽しむことができる。
【0045】
図10に示すように、第1の動作モード(映像系ソースモード)から切り替えられて第2の動作モード(カメラ映像モード)が選択される場合、表示パネル4が装着部2Fに装着されている場合には、第2の動作モードの画面(カメラ画面)が表示パネル4に表示される。一方、表示パネル4が装着ユニット3Rに装着されている場合には、第2動作モード(カメラ映像モード)に切り替える前の第1の動作モードの画面(映像画面)が表示パネル4に表示される。
【0046】
このように、カメラ映像モードの動作中においては、カメラ映像利用対象者であるフロント席乗員に対してはカメラ画像情報を提供し、カメラ映像利用対象者でないリア席乗員に対しては、現在のカメラ映像モードではなくラストオーディオモード(映像系ソースモード)の情報を提供するように動作する。すなわち、表示パネル4の画像表示に関しては、表示パネル4がフロント席側の装着部2Fに装着されている場合にはカメラ画面が表示され、リア席側の装着ユニット3Rに装着されている場合には映像画面が表示されるようにした。また、音声出力に関しては、映像系ソースモードの音声(映像音声)を前後のスピーカFS,RSから出力するようにした。このような動作を行うことにより、常に、表示パネル4の移動先の乗員にとって必要な画面が、表示パネル4に適宜表示されることになる。
【0047】
なお、図10に示す例では、第1の動作モードが映像系ソースモードの場合を例に説明したが、音楽系ソースモードの場合も同様の遷移パターンとなる。すなわち、音楽系ソースモードの場合には、映像画面に代えて音楽画面が表示パネル4に表示され、映像音声に代えて音楽音声がスピーカFS,RSから出力される。
【0048】
図11は、電話モードの場合のタイミングチャートを示す図である。図11の場合も、図10の場合と同様のタイミングで、表示パネル4を装着部2Fと装着ユニット3Rとの間で移動させるようにした。また、図10の場合と同様に、時刻t11までは映像系ソースモードで動作しており、時刻t11に電話の着信または発信があって、動作モードは映像系ソースモードから電話モードに切り替わっている。表示パネル4に表示される画像に関しては、電話モードの場合もカメラ映像モードの場合と同様の遷移パターンになっている。一方、音声出力に関しては、カメラ映像モードの場合と異なっている。
【0049】
時刻t11に映像系ソースモードから電話モードに切り替わると、表示パネル4には電話使用時の画面(以下では、電話画面と呼ぶ)が表示される。また、フロント席用スピーカFSからは通話音声(通話音)が出力される。一方、リア席用スピーカRSについては、ラストオーディオモードである映像系ソースモードの映像音声の出力が継続される。その後、着脱操作部41が操作されて(時刻t1)表示パネル4が本体部2の装着部2Fから外され(時刻t2)、リア席側の装着ユニット3Rに装着される(時刻t3)までの表示パネル4のオフ動作は、図10に示した動作と同様である。
【0050】
電話モードの場合も、時刻t3に表示パネル4が装着ユニット3Rに装着され、所定時間T1が経過して表示パネル4がオン状態になったときには、ラストオーディオモード(すなわち、映像系ソースモード)の画像が表示パネル4に表示される。さらに、電話モードが継続している状態において、表示パネル4をリア席側の装着ユニット3Rから外して(時刻t5)フロント席側の装着部2Fに装着し(時刻t6)、所定時間T1が経過すると、表示パネル4には電話画面が表示される。スピーカFS,RSからの音声出力に関しては、フロント席用スピーカFSからは通話音の出力が、リア席用スピーカRSからは映像音声の出力がそれぞれ継続される。
【0051】
なお、図11では、表示パネル4が装着部2Fに装着されているときに電話モードに切り替わった場合を示した。一方、表示パネル4が装着ユニット3Rに装着されているときに映像系ソースモードから電話モードに切り替わった場合には、図7に記載のように、表示パネル4の表示画面は映像画面(LA画面)が継続される。また、リア席用スピーカRSの音声出力も映像音声が継続される。そのため、リア席乗員は、電話着信時においても映像系ソースを継続して楽しむことができる。
【0052】
このように、電話モードの動作中においては、電話使用対象者であるフロント席乗員に対しては電話モードの情報を提供し、電話使用対象者でないリア席乗員に対しては、ラストオーディオモード(映像系ソースモード)の情報を提供するように動作する。すなわち、音声出力に関しては、フロント席用スピーカFSからは通話音を出力し、リア席用スピーカRSからは映像音声(ラストオーディオモードの音声)を出力する。また、表示パネル4の画面表示に関しては、表示パネル4がフロント席側の装着部2Fに装着されている場合には電話画面が表示され、リア席側の装着ユニット3Rに装着されている場合には映像画面(ラストオーディオモードの画面)が表示されるようにした。このような表示動作を行うことにより、常に、表示パネル4の移動先の乗員にとって必要な画面が、表示パネル4に適宜表示されることになる。
【0053】
前述したように、カメラ映像モードや電話モードはフロント席乗員に関係するモードである。また、映像系ソースモードや音楽系ソースモードを利用している最中であっても、電話着信や車両後退動作の発生によって、それらに割り込むようにカメラ映像モードや電話モードが優先的に実行される。図10,11に示したカメラ映像モードおよび電話モードにおいては、表示パネル4をフロント席側の装着部2Fからリア席側の装着ユニット3Rへ移動した場合に、カメラ映像モードや電話モードに切り替わる前のラストオーディオモードの画像を表示パネル4に表示するようにした。その結果、リア席乗員は、映像系ソースモードや音楽系ソースモードの画像を継続して利用することができる。図6,7では、切り替わり前のラストオーディオモードの画面をラストオーディオ画面(LA画面)と称し、ラストオーディオモードの音声についてはラストオーディオ音声(LA音声)と称することにする。
【0054】
図6,7に戻って、カメラ映像モードおよび電話モード以外の、CP/AAモードおよびHOME/設定モードの場合の遷移パターンについて説明する。なお、これらの場合においても、図10,11に示したカメラ映像モードおよび電話モードの場合と同様に、ラストオーディオモードが映像系ソースモードである場合について説明する。
【0055】
(CP/AAモード)
図6に示すように、表示パネル4が本体部2の装着部2Fに装着されている状態において、CP/AAモードに切り替えられると、表示パネル4にCP/AAモード専用の画面表示(CP/AA画面と称する)が表示される。その場合、スピーカFS,RSからはCP/AAモード専用の音声(CP/AA音声と称する)が出力される。
【0056】
表示パネル4が装着部2Fから外されて装着ユニット3Rに装着されるまでの離脱状態においては、すなわち、図10,11における時刻t1+T1から時刻t3+T1までは、表示パネル4の画面表示はオフとされ、音声出力はラストオーディオモード(映像系ソースモード)の音声、すなわちラストオーディオ音声(映像音声)に切り替えられる。表示パネル4がリア席側の装着ユニット3Rに装着されると、表示パネル4にラストオーディオ画面(映像系ソースモードの映像画面)が表示され、音声出力はラストオーディオ音声(映像音声)が継続される。
【0057】
一方、表示パネル4がリア席側の装着ユニット3Rに装着されている場合には、図7に示すように、CP/AAモードへ切り替えることができない。すなわち、動作モードとしては、CP/AAモードを選択する前の動作モードであるラストオーディオモードが継続される。そして、スピーカFS,RSからはラストオーディオ音声(LA音声)が出力される。表示パネル4には、選択不可であることを示す画面が表示される。もちろん、ラストオーディオ画面(LA画面)を表示しても構わない。
【0058】
その後、表示パネル4を装着ユニット3Rから外すと、すなわち表示パネル4を未装着状態(離脱状態)にすると、表示パネル4は画面表示がオフとなり、音声出力はラストオーディオ音声(LA音声)が継続される。そして、表示パネル4を本体部2の装着部2Fに装着すると、表示パネル4にはラストオーディオ画面(LA画面)が表示され、音声出力はラストオーディオ音声(LA音声)が継続される。
【0059】
図6に示すように、表示パネル4が本体部2の装着部2Fに装着されている場合にはCP/AAモードが利用でき、表示パネル4をリア席側の装着ユニット3Rに装着すると、ラストオーディオモード(映像系ソースモードまたは音楽系ソースモード)を利用することができる。一方、図7に示すように表示パネル4をリア席側の装着ユニット3Rに装着した状態では、動作モードをCP/AAモードに切り替えることはできないが、その代わりにラストオーディオモード(映像系ソースモードまたは音楽系ソースモード)を利用することができる。
【0060】
(HOME/設定モード)
HOME/設定モードの遷移パターンは、CP/AAモードの遷移パターンとほぼ同様の遷移パターンである。図6において、表示パネル4の表示に関しては、上述したCP/AAモードの遷移パターンの説明において、CP/AAモードおよびCP/AA画面という記載を、HOME/設定モードおよびHOME/設定画面と置き換えれば良い。また、音声出力に関しても、HOME/設定モード用の音声(HOME/設定音声)がスピーカFS,RSから出力される。また、図7における遷移パターンも、CP/AAモードの場合と同様であり、表示パネル4が装着ユニット3Rに装着されている状態では、装着部2FのHOMEボタン21b(図3参照)を操作しても、HOME/設定モードに切り替えることはできない。
【0061】
(2-2.カメラ割り込み動作における遷移パターン)
図12は、カメラ割り込み動作中に表示パネル4を移動した場合の遷移パターンの一例を示すタイミングチャートである。図12のタイミングチャートは、図11において時刻t12にカメラ映像モードが割り込んだ場合である。電話モード動作中の時刻t12にバックギヤ信号BGが演算処理部10に入力されると、動作モードが電話モードからカメラ映像モードに切り替わる。その結果、表示パネル4の表示は電話画面からカメラ画面に切り替わる。そして、時刻t1に着脱操作検出部42がオンからオフへの切り替わると(時刻t1)、所定時間T1経過後に表示パネル4の画面表示がオフとなる。
【0062】
その後、表示パネル4が装着ユニット3Rから外され時刻t6に装着部2Fに装着されるまでは、図11の場合と同様の遷移パターンとなる。表示パネル4が時刻t6に装着部2Fに装着され所定時間T1が経過すると、表示パネル4にカメラ画面が表示される。このようにカメラ映像モードの割り込み後に表示パネル4が装着部2F→装着ユニット3R→装着部2Fと移動した場合には、表示パネル4の表示は電話画面→映像画面→カメラ画面のように遷移する。
【0063】
図13は、映像系ソースモード、電話モード(LMは映像系ソースモード)、CP/AAモード(LMは映像系ソースモード)、HOME/設定モード(LMは映像系ソースモード)の動作中にカメラ割込みがあり、その後、表示パネル4をフロント席側の装着部2Fからリア席側の装着ユニット3Rに移動させた場合の遷移パターンを示したものである。なお、音楽系ソースモードは映像系ソースモードと同様の遷移パターンなので記載を省略し、CP/AAモード(LMは音楽系ソースモード)、HOME/設定モード(LMは音楽系ソースモード)については記載を省略した。CP/AAモード(LMは音楽系ソースモード)、HOME/設定モード(LMは音楽系ソースモード)は、CP/AAモード(LMは映像系ソースモード)、HOME/設定モード(LMは映像系ソースモード)の記載において、映像画面を音声用の画面に置き換え、映像音声を音楽音声に置き換えたものになる。
【0064】
図14は、第1の動作モードであるAUDIO OFFモードの動作中に第2の動作モード(電話モード)の割込みがあり、その後、表示パネル4の移動動作を行った場合のタイミングチャートである。時刻t11に電話モードの割り込み(例えば、電話着信)があると、表示パネル4は黒画面から電話画面に切り替わり、フロント席用スピーカFSからは通話音が出力される。ここで、表示パネル4をフロント席側の装着部2Fからリア席側の装着ユニット3Rに移動した場合(時刻t3)、表示パネル4には、AUDIO OFFモードの前のラストオーディオモードの画面(LA画面)が表示される。表示パネル4をフロント席側の装着部2Fに再び戻すと(時刻t6)、表示パネル4の表示は電話画面に戻る。
【0065】
このように、AUDIO OFFモードで表示パネル4がフロント席側の装着部2Fに装着されている場合に、電話着信があると表示パネル4の画面表示は、黒画面から電話画面に切り替わる。
【0066】
以上説明した各種の実施の形態や変形例はあくまでも一例であり、発明の特徴を損なわない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1…車載装置、2…本体部、2F…装着部、3R…装着ユニット、4…表示パネル、10…演算処理部、11…ナビゲーション処理部、12…ラジオ回路部、13…テレビ回路部、14…音声出力回路、15…通信部、20,30,40…接続端子、21…入力部、41…着脱操作部、42…着脱操作検出部、43…パネル制御部、113…バックカメラ、FS…フロント席用スピーカ、RS…リア席用スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第1検出部を有する第1装着部と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第2検出部を有する第2装着部と、
第1動作モードおよび第2動作モードからいずれかを選択する動作モード選択部と、
前記動作モード選択部の選択に基づいて前記表示装置の表示を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記第1動作モードが選択された場合、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれで前記装着が検出されても前記第1動作モードで前記表示装置を制御し、
前記第1動作モードから切り替えられて前記第2動作モードが選択された場合、前記第1検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードで前記表示装置を制御し、前記第2検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードに切り替える前の前記第1動作モードで前記表示装置を制御する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記動作モード選択部は、前記第1動作モードおよび前記第2動作モードに加えて第3動作モードが選択可能であって、
前記制御装置は、
前記第1検出部による前記装着の検出中に、前記第1動作モードから切り替えられて前記第3動作モードが選択されると、前記第1動作モードから前記第3動作モードへ切り替えて該第3動作モードの画面表示を前記表示装置に表示させ、
前記第1検出部による前記装着の検出中に前記第1動作モードから切り替えられて前記第3動作モードが選択され、その後、前記第2検出部により前記装着が検出されると、前記第3動作モードに切り替える前の前記第1動作モードの画面表示又は前記第3動作モードの選択不可を示す画面表示を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置において、
前記表示装置は、
前記第1装着部および前記第2装着部への着脱操作を行う着脱操作部と、
前記着脱操作部が操作されているか否かを検出する操作検出部と、を備え、
前記制御装置は、
前記操作検出部の検出結果に基づいて、
前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部から離脱される前に、前記表示装置の表示を停止し、
前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部に装着された後に、前記表示装置の表示を行わせる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車載装置において、
少なくとも運転者側のスピーカを含むフロント席用スピーカと、リア席用スピーカとをさらに備え、
前記第2動作モードは電話通話モードを含み、
前記制御装置は、
前記第1動作モードから切り替えられて前記電話通話モードが選択された場合、
前記フロント席用スピーカからは通話音声を出力し、
前記リア席用スピーカからは前記第1動作モードの音声を出力する、
ことを特徴とする車載装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第1検出部を有する第1装着部と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第2検出部を有する第2装着部と、
第1動作モードおよび第2動作モードからいずれかを選択する動作モード選択部と、
前記動作モード選択部の選択に基づいて前記表示装置の表示を制御する制御装置と、を備え、
前記表示装置は、
前記第1装着部および前記第2装着部への着脱操作を行う着脱操作部と、
前記着脱操作部が操作されているか否かを検出する操作検出部と、を備え、
前記制御装置は、
前記操作検出部の検出結果に基づいて、
前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部から離脱される前に、前記表示装置の表示を停止し、
前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部に装着された後に、前記表示装置の表示を行わせる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記制御装置は、
前記第1動作モードが選択された場合、前記第1検出部および前記第2検出部のいずれで前記装着が検出されても前記第1動作モードで前記表示装置を制御し、
前記第1動作モードから切り替えられて前記第2動作モードが選択された場合、前記第1検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードで前記表示装置を制御し、前記第2検出部により前記装着が検出されると前記第2動作モードに切り替える前の前記第1動作モードで前記表示装置を制御する、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載装置において、
前記動作モード選択部は、前記第1動作モードおよび前記第2動作モードに加えて第3動作モードが選択可能であって、
前記制御装置は、
前記第1検出部による前記装着の検出中に、前記第1動作モードから切り替えられて前記第3動作モードが選択されると、前記第1動作モードから前記第3動作モードへ切り替えて該第3動作モードの画面表示を前記表示装置に表示させ、
前記第1検出部による前記装着の検出中に前記第1動作モードから切り替えられて前記第3動作モードが選択され、その後、前記第2検出部により前記装着が検出されると、前記第3動作モードに切り替える前の前記第1動作モードの画面表示又は前記第3動作モードの選択不可を示す画面表示を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
表示装置と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第1検出部を有する第1装着部と、
前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第2検出部を有する第2装着部と、
第1動作モードおよび第2動作モードからいずれかを選択する動作モード選択部と、
前記動作モード選択部の選択に基づいて前記表示装置の表示を制御する制御装置と、
少なくとも運転者側のスピーカを含むフロント席用スピーカと、リア席用スピーカと、を備え、
前記第2動作モードは電話通話モードを含み、
前記制御装置は、
前記第1動作モードから切り替えられて前記電話通話モードが選択された場合、
前記フロント席用スピーカからは通話音声を出力し、
前記リア席用スピーカからは前記第1動作モードの音声を出力する、
ことを特徴とする車載装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一態様による車載装置は、表示装置と、前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第1検出部を有する第1装着部と、前記表示装置が着脱され、該表示装置の装着を検出する第2検出部を有する第2装着部と、第1動作モードおよび第2動作モードからいずれかを選択する動作モード選択部と、前記動作モード選択部の選択に基づいて前記表示装置の表示を制御する制御部と、を備え、前記表示装置は、前記第1装着部および前記第2装着部への着脱操作を行う着脱操作部と、前記着脱操作部が操作されているか否かを検出する操作検出部と、を備え、前記制御装置は、前記操作検出部の検出結果に基づいて、前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部から離脱される前に、前記表示装置の表示を停止し、前記表示装置が前記第1装着部および前記第2装着部に装着された後に、前記表示装置の表示を行わせる。