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特開2024-141363配送物情報管理システム、配送物情報管理装置、方法およびプログラム並びに印刷装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141363
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】配送物情報管理システム、配送物情報管理装置、方法およびプログラム並びに印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052964
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 富行
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配送物の配送過程における配送物の取り扱い作業者や配送者に対して、配送物や配送先について最適な情報を与え、作業効率の向上を図る配送物情報管理システム、配送物情報管理装置、方法およびプログラム並びに印刷装置を提供する。
【解決手段】配送される配送物に対して固有の識別情報を印刷する印刷装置45と、識別情報と配送に関する情報とを紐づけて記憶する記憶部11と、配送物の配送過程における複数の拠点において識別情報をそれぞれ読み取る複数の読取部44,54,64と、識別情報が各拠点の読取部44,54,64によって読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、配送に関する情報を表示させる制御部12とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送される配送物に対して固有の識別情報を付与する識別情報付与部と、
前記識別情報と前記配送に関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、
前記配送物の配送過程における複数の拠点において前記識別情報をそれぞれ読み取る複数の読取部と、
前記識別情報が前記各拠点の前記読取部によって読み取られた際、前記各拠点において前記配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、前記配送に関する情報を表示させる制御部とを備えた配送物情報管理システム。
【請求項2】
前記配送物を取り扱う作業者の属性が、作業者の作業内容に関する情報または作業者に固有の情報である請求項1記載の配送物情報管理システム。
【請求項3】
前記制御部が、前記作業者毎について前記配送に関する情報の表示を特定するためのマスク情報を有する請求項1記載の配送物情報管理システム。
【請求項4】
前記制御部が、前記作業者からの指示情報に応じて、前記作業者の前記マスク情報を変更する請求項3記載の配送物情報管理システム。
【請求項5】
前記制御部が、前記配送物の受取人からの前記作業者に関する情報に基づいて、前記作業者の前記マスク情報を変更する請求項3記載の配送物情報管理システム。
【請求項6】
請求項1記載の配送物情報管理システムにおける識別情報付与部を構成し、前記配送物に対して前記識別情報を印刷する印刷装置。
【請求項7】
配送される配送物に対して固有の識別情報を付与し、
前記識別情報と前記配送物の配送に関する情報とを紐づけて記憶し、
前記配送物の配送過程における複数の拠点において前記識別情報がそれぞれ読み取られた際、前記各拠点において前記配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、前記配送に関する情報を表示させる配送物情報管理方法。
【請求項8】
配送される配送物に付与された固有の識別情報と前記配送物の配送に関する情報とを紐づけて記憶するステップと、
前記配送物の配送過程における複数の拠点において前記識別情報がそれぞれ読み取られた際、前記各拠点において前記配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、前記識別情報に紐付けされた前記配送に関する情報を前記記憶部から読み出して出力するステップとをコンピュータに実行させる配送物情報管理プログラム。
【請求項9】
配送される配送物の配送に関する情報を管理する管理部と、
前記配送物の配送過程における複数の拠点において前記配送物の識別情報がそれぞれ読み取られた際、前記各拠点において前記配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、前記識別情報に紐付けされた前記配送に関する情報を表示させる制御部とを備えた配送物情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送物の配送過程における各拠点での配送に関する情報の表示を管理する配送物情報管理システム、配送物情報管理装置、方法およびプログラム並びに印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、梱包配送する配送物の情報を事前に表示するシステムが提案されている。たとえば特許文献1においては、配送物を受取人に届ける届人の顔や納入予定の梱包の荷姿の画像データを発送先に提示するシステムが提案されている。特許文献1に記載のシステムによれば、商品授受の精度、効率向上、および発送先の事前段取り作業の効率向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開1995-165310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、主に、配送物の受取人の確認作業の効率化を図るシステムであり、配送物を保管する倉庫内で配送物を取り扱う作業者や配送物を配送する配送者の作業効率の向上を図るものではない。
【0005】
また、配送物の配送過程における配送物の取り扱い作業者や配送者に、配送物の情報や配送先の情報が十分に伝わっていないため、作業効率の低下を招くことがあった。また、逆に、配送物の取り扱い作業者や配送者に配送物や配送先の警告情報を与え過ぎると、ベテランの作業者などには非常に煩わしいことがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、配送物の配送過程における配送物の取り扱い作業者や配送者に対して最適な情報を提供し、作業効率の向上を図ることができる配送物情報管理システム、配送物情報管理装置、方法およびプログラム並びに印刷装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の配送物情報管理システムは、配送される配送物に対して固有の識別情報を付与する識別情報付与部と、識別情報と配送に関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、配送物の配送過程における複数の拠点において識別情報をそれぞれ読み取る複数の読取部と、識別情報が各拠点の読取部によって読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、配送に関する情報を表示させる制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の配送物情報管理システムによれば、配送物の配送過程における複数の拠点において、配送物に付与された識別情報がそれぞれ読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、配送に関する情報を表示させるようにしたので、配送物の配送過程における配送物の取り扱い作業者や配送者に対して最適な情報を提供することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の配送物情報管理システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図
図2】ユニークIDとしてQRコードが印刷された配送物(段ボール箱)の一例を示す図
図3】配送物情報管理テーブルの一例を示す図
図4】倉庫業者用警告マスクの一例を示す図
図5】倉庫業者用端末装置における表示対象の一例を示す図
図6】倉庫業者用端末装置の表示例を示す図
図7】第1の運送業者用警告マスクの一例を示す図
図8】第1の運送業者用端末装置における表示対象の一例を示す図
図9】第1の運送業者用端末装置の表示例を示す図
図10】インクジェット方式の印刷装置の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の配送物情報管理システム1の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態の配送物情報管理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
配送物情報管理システム1は、商品(内容物)が梱包・封緘された配送物に対して固有の識別情報(以下、ユニークIDという)を印刷し、その配送物の配送過程における複数の拠点において、その印刷されたユニークIDが読み取られる。そして、各拠点においてユニークIDが読み取られた際、配送物を取り扱う作業員の属性に基づいて、配送に関する情報を表示するシステムである。なお、後で詳細に説明するが、配送に関する情報には、配送物に関する情報と配送先に関する情報とが含まれる。
【0012】
配送物を取り扱う作業員の属性としては、たとえば作業員の作業内容に基づく情報を用いることができる。たとえば配送物を梱包して出荷するまでの間で倉庫業者などにおいて作業を行う倉庫作業員や、倉庫業者から配送物が出荷された後、受取人まで配送物が届くまでの間で運送作業を行う運送作業員などといった作業員の作業内容に基づく情報を用いることができる。
【0013】
また、配送物を取り扱う作業員の属性として、作業員に固有の情報を用いることができる。本実施形態では、作業員に固有の情報として、後述する作業員の識別情報を用いる。
【0014】
本実施形態では、上述したような作業員の属性に基づいて、配送に関する情報の中から表示対象の情報を特定して作業員に対して表示させるシステムである。
【0015】
配送に関する情報としては、たとえば配送物の重量、重心偏り、3辺サイズなどといった配送物の情報や、配送物の配送先のエレベータの有無や台車の使用の可否などといった配送物の配送先に関する情報などがあるが、後で詳述する。
【0016】
本実施形態の配送物情報管理システム1は、図1に示すように、配送物情報管理装置10、発注者用端末装置20、通販業者用端末装置30、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50、および第2の運送業者用端末装置60を備えている。なお、本実施形態では、商品の発注者と受取人が同一人物であるとする。したがって、発注者用端末装置20は、受取人が使用する端末装置でもある。商品の発注者と受取人が異なる場合には、発注者用端末装置20とは別に受取人用端末装置(図示省略)が設けられるものとする。そして、受取人用端末装置は、以下で説明する発注者が受取人である場合における発注者用端末装置20の機能と同様の機能を実行する。
【0017】
発注者用端末装置20、通販業者用端末装置30、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50および第2の運送業者用端末装置60と、配送物情報管理装置10とは、インターネット回線などの通信回線を介して接続されており、互いに種々の情報のやり取りが可能に構成されている。
【0018】
また、通販業者用端末装置30、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50および第2の運送業者用端末装置60には、配送物情報管理装置10にアクセスするための専用アプリケーションがインストールされている。通販業者、倉庫業者、第1の運送業者および第2の運送業者は、上記専用アプリケーションを用いて、配送物情報管理装置10に対して予め識別情報を登録する。識別情報としては、識別番号、ログインID、ログインパスワードおよびユーザ情報(年齢、性別、身体的特徴(身長、体重)など)などが登録される。また、倉庫業者、第1の運送業者および第2の運送業者については、作業員毎について識別情報が登録される。
【0019】
通販業者、倉庫業者の作業員、第1の運送業者の作業員および第2の運送業者の作業員は、上記専用アプリケーションを起動し、ログインIDおよびログインパスワードを入力してログインする。これにより配送物情報管理装置10へのアクセスが可能となる。ログインの際のユーザ認証に生体認証などを組み合わせてもよい。
【0020】
また、以下で説明する発注者用端末装置20、通販業者用端末装置30、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50および第2の運送業者用端末装置60の種々の機能は、上記専用アプリケーションによって実行される。
【0021】
また、本実施形態では、通販業者用端末装置30、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50および第2の運送業者用端末装置60のそれぞれにインストールされた専用アプリケーションを用いるようにしたが、これに限らず、配送物情報管理装置10によってウェブブラウザ経由で提供される専用アプリケーションを利用してもよい。
【0022】
次に、本実施形態の配送物情報管理システム1の大まかな処理の流れについて説明する。なお、以下、発注者用端末装置20、通販業者用端末装置30、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50および第2の運送業者用端末装置60の全部または一部を単に端末装置ということがある。
【0023】
本実施形態の配送物情報管理システム1においては、まず、発注者が発注者用端末装置20を用いて商品の発注を行う。発注者からの商品の発注を受けた通信販売業者(以下、単に通販業者という)は通販業者用端末装置30を用いて、配送物情報管理装置10にアクセスし、ユニークIDを取得する。
【0024】
ユニークIDは、運送業者が、各配送物に対して1つ1つユニークに割り当てる管理番号であり、配送物情報管理装置10に予め設定されている。ユニークID自体に、発注者や受取人の個人情報は含まれず、たとえば単なる数字、文字および記号などの配列である。ユニークIDは、商品を受注してからその商品が受取人に届けられるまでの間の配送過程において、その商品が梱包された配送物を管理するために用いられる。
【0025】
そして、通販業者は、通販業者用端末装置30を用いて、上述した配送に関する情報のうち、配送物の重量、重心が偏りやすいか否か、3辺サイズ、壊れ物か否か、天地無用の配送物か否か、積み重ね不可な配送物か否か、精密機器であるか否かなどの配送物の情報を入力し、ユニークIDとともに配送物情報管理装置10に出力し、これらを紐づけて登録する。なお、上述した配送物に関する情報は、通販業者用端末装置30に予め設定しておき、発注者用端末装置20から発注情報として出力された商品IDおよび商品名に基づいて、自動的に取得するようにしてもよい。
【0026】
また、配送物情報管理装置10には、上述したエレベータの有無や台車の使用の可否などといった配送物の配送先に関する情報とその住所とが対応づけられて配送先情報テーブルとして記憶されている。通販業者用端末装置30から配送物情報管理装置10にはユニークIDとともに、配送物の配送先の住所の情報が出力され、配送物情報管理装置10は、その配送先の住所に基づいて上述した配送先情報テーブルを参照し、配送先の住所に対応する配送先に関する情報を取得し、ユニークIDに紐づけて記憶する。
【0027】
すなわち、通販業者用端末装置30に対して所定の商品の発注情報が入力された際には、配送物情報管理装置10において、その配送物のユニークIDと配送に関する情報(配送物に関する情報と配送先に関する情報)とが紐付けられて配送物情報管理テーブルとして記憶される。
【0028】
次いで、通販業者の通販業者用端末装置30から倉庫業者の倉庫業者用端末装置40に対して商品の発送準備の依頼が行われる。この際、通販業者用端末装置30から倉庫業者の倉庫業者用端末装置40にユニークIDも出力される。そして、倉庫業者は、発注された商品を準備し、段ボール箱のような梱包材に封入封緘する。さらに、倉庫業者においては、倉庫業者に設けられた印刷装置45を用いて、ユニークIDを段ボール箱などの配送物の梱包材の外面に印刷する。ユニークIDは、たとえばQRコード(登録商標)として印刷されるが、QRコードに限らず、2次元バーコードなどその他のコード情報でもよい。また、QRコードや2次元バーコードの生成は、配送物情報管理装置10において行って印刷装置45に出力するようにしてもよいし、印刷装置45側で生成するようにしてもよい。図2は、ユニークIDとしてQRコードが印刷された配送物の一例を示す図である。
【0029】
ユニークIDが印刷された配送物は倉庫業者内で一旦保管された後、運送業者に引き渡される。
【0030】
そして、本実施形態では、第1の運送業者および第2の運送業者の2つの運送業者を経由して発注者(受取人)まで配送物が配送される。ただし、これに限らず、1つの運送業者のみを経由して発注者(受取人)まで配送物を配送するようにしてもよいし、3以上の運送業者を経由して配送物を配送するようにしてもよい。
【0031】
そして、上述したように、ユニークIDが印刷された配送物は、倉庫業者、第1の運送業者および第2の運送業者を経由して発注者(受取人)まで配送されるが、この配送過程における各拠点の端末装置によってユニークIDが読み取られる。そして、各拠点の端末装置によって読み取られたユニークIDが配送物情報管理装置10に出力され、配送物情報管理装置10は、ユニークIDに紐付けされた配送に関する情報を各拠点の端末装置に出力して表示させる。配送物情報管理装置10は、この配送に関する情報の表示の際、ユニークIDを読み取った作業員の属性情報に応じて表示内容を特定する。配送に関する情報の表示内容の特定については、後で詳述する。
【0032】
以下、配送物情報管理システム1を構成する各装置について、より詳細に説明する。
【0033】
配送物情報管理装置10は、記憶部11および制御部12を備えている。なお、本実施形態においては、制御部12が、本発明の制御部および管理部として機能する。
【0034】
記憶部11は、図3に示すように、上述したユニークIDと配送に関する情報とを紐づけた配送物情報管理テーブルを記憶する。
【0035】
ユニークIDに紐づけて記憶される配送に関する情報としては、上述したように配送物に関する情報として、配送物の重量、重心が偏りやすいか否か、3辺サイズ、壊れ物か否か、天地無用の配送物か否か、積み重ね不可な配送物か否か、精密機器であるかの情報が記憶される。なお、図3に示す「〇」印は、その配送物に関する情報に該当することを意味する。たとえば「重心偏り」の欄に「〇」印がついている場合には、そのユニークIDが付加された配送物は、重心が偏りやすいことを意味し、「壊れ物」の欄に「〇」印が付いている場合には、そのユニークIDが付加された配送物は、壊れ物であることを意味する。一方、図3に示す「×」印は、その配送物に関する情報に該当しないことを意味する。たとえば「重心偏り」の欄に「×」印がついている場合には、そのユニークIDが付加された配送物は、重心が偏りやすくないことを意味し、「壊れ物」の欄に「×」印が付いている場合には、そのユニークIDが付加された配送物は、壊れ物ではないことを意味する。
【0036】
なお、配送物に関する情報としては、上記の例に限らず、その他の情報を含めるようにしてもよい。
【0037】
また、配送物の配送先に関する情報としては、配送先におけるエレベータの有無、配送先における台車使用の可否および配送先の入り口を間違えやすいか否かが記憶される。また、上記の配送先に関する情報以外に配送先に関する情報がある場合には、「トピック」の欄に記憶される。図3に示す例では、「トピック」の欄に「番犬あり」の情報が記憶されているが、これに限らず、「トピック」の欄には、その他の任意の配送先に関する情報が記憶される。「トピック」の欄に、たとえば配達時間帯や季節、天候を考慮して、「18時以降受付口が変わる」や「台風の予報あり。置き配禁止」などを記憶するようにしてもよい。
【0038】
なお、配送先に関する情報についても、図3に示す例に限らず、その他の情報を含めるようにしてもよい。
【0039】
また、記憶部11は、所定の配送物のユニークIDが端末装置によって読み取られた際に、その端末装置に表示させる配送に関する情報を特定するために使用する警告マスク(情報を表示させるか否かを示すもの)を記憶する。図4は、倉庫業者の作業員の倉庫業者用端末装置40に表示される配送に関する情報を特定するための倉庫業者用警告マスクの一例を示す図である。
【0040】
図4に示すように、倉庫業者用警告マスクでは、倉庫業者の各作業員の属性情報としての識別番号と、各作業員に対して表示する配送に関する情報を特定するためのマスク情報(マスクをする対象を示す情報)とが対応づけられて記憶されている。倉庫業者の作業員に必要な配送に関する情報は、配送物に関する情報だけであり、配送先に関する情報は必要ないので、倉庫業者用警告マスクでは、マスク情報として、配送物に関する情報のみが記憶される。
【0041】
マスク情報の「重量」の欄には、図3に示す配送物に関する情報の中の「重量」の情報を倉庫業者用端末装置40に表示するか否かを決定するための閾値重量が作業者毎に予め記憶される。具体的には、たとえば識別番号が「10003」の作業員の「重量」の欄には、「25kg」が記憶されているので、図3に示す配送物に関する情報の「重量」が「25kg」以上である場合に、その重量の情報が、「10003」の作業員の倉庫業者用端末装置40に表示される。すなわち、たとえば図3に示すユニークID「1234570」が、「10003」の作業員の倉庫業者用端末装置40によって読み取られた場合、ユニークID「1234570」に対応する「重量」の情報である「30kg」が表示される。
【0042】
一方、図3に示す配送物に関する情報の「重量」が「25kg」未満である場合には、「10003」の作業員の倉庫業者用端末装置40にその重量は表示されない。すなわち、たとえば図3に示すユニークID「1234567」、ユニークID「1234568」およびユニークID「1234569」が、「10003」の作業員の倉庫業者用端末装置40によって読み取られた場合、上記ユニークID「1234567」、「1234568」および「1234569」に対応する「重量」の情報である「2kg」、「10kg」および「20kg」は表示されない。
【0043】
なお、本実施形態では、「重量」の欄に閾値重量が設定されていない場合には「非表示」とする。
【0044】
また、マスク情報の「3辺サイズ」の欄には、図3に示す配送物に関する情報の中の「3辺サイズ」の情報を倉庫業者用端末装置40に表示するか否かを決定するための閾値サイズが作業者毎に予め記憶される。具体的には、たとえば識別番号が「10002」の作業員の「3辺サイズ」の欄には、「160cm」が記憶されているので、図3に示す配送物に関する情報の「3辺サイズ」が「160cm」以上である場合に、その3辺サイズの情報が、「10002」の作業員の倉庫業者用端末装置40に表示される。すなわち、たとえば図3に示すユニークID「1234569」、「1234570」が、「10002」の作業員の倉庫業者用端末装置40によって読み取られた場合、ユニークID「1234569」、「1234570」に対応する「3辺サイズ」の情報である「160cm」、「200cm」が表示される。
【0045】
一方、図3に示す配送物に関する情報の「3辺サイズ」が「160cm」未満である場合には、「10002」の作業員の倉庫業者用端末装置40にその3辺サイズは表示されない。すなわち、たとえば図3に示すユニークID「1234567」、「1234568」が、「10002」の作業員の倉庫業者用端末装置40によって読み取られた場合、上記ユニークID「1234567」、「1234568」「1234569」に対応する「3辺サイズ」の情報である「60cm」、「100cm」は表示されない。
【0046】
なお、本実施形態では、「3辺サイズ」の欄に閾値サイズが設定されていない場合には「非表示」とする。
【0047】
また、図4に示す倉庫業者用警告マスクでは、その他のマスク情報として「重心偏り」、「壊れ物」、「天地無用」、「積み重ね不可」、「精密機器」が記憶されており、その欄には「表示」または「非表示」が記憶されている。「表示」が記憶されている場合には、その配送物に関する情報は表示対象であることを意味し、「非表示」が記憶されている場合には、その配送物に関する情報は非表示対象であることを意味する。
【0048】
具体的には、たとえば「10003」の作業員の倉庫業者用端末装置40によって、ユニークID「1234570」が読み取られた場合、倉庫業者用警告マスクの「10003」の「重心偏り」の欄には、「表示」が記憶されているので、倉庫業者用端末装置40には「重心偏りあり」が表示される。また、倉庫業者用警告マスクの「10003」の「壊れ物」の欄にも、「表示」が記憶されているので、倉庫業者用端末装置40には「壊れ物」が表示される。
【0049】
一方、倉庫業者用警告マスクの「10003」の「3辺サイズ」の欄には、「非表示」が記憶されているので、倉庫業者用端末装置40には、ユニークID「1234570」に対応する「3辺サイズ」の情報である「200cm」は表示されない。また、倉庫業者用警告マスクの「10003」の「天地無用」、「積み重ね可否」、「精密機器」の欄にも、「非表示」が記憶されているので、倉庫業者用端末装置40には、これらの情報は表示されない。
【0050】
図5は、識別番号が「10003」の作業者が、倉庫業者用端末装置40によってユニークID「1234570」を読み取った場合に、倉庫業者用端末装置40における表示対象を示す図である。図5に示すように、上記の場合、図3に示すユニークID「1234570」の配送物に関する情報のうち、「重量」、「重心偏り」および「壊れ物」の情報が倉庫業者用端末装置40に表示され、その他の配送物に関する情報については、倉庫業者用警告マスクに「非表示」が記憶されているので表示されない。図6は、倉庫業者用端末装置40の表示例を示す図である。図6に示すように、図3に示すユニークID「1234570」の配送物に関する情報のうち、「重量」、「重心偏り」および「壊れ物」の情報のみが倉庫業者用端末装置40に表示されている。
【0051】
次に、図7は、第1の運送業者の作業員の第1の運送業者用端末装置50に表示される配送に関する情報を特定するための第1の運送業者用警告マスクの一例を示す図である。
【0052】
図7に示すように、第1の運送業者用警告マスクでは、第1の運送業者の各作業員の属性情報としての識別番号と、各作業員に対して表示する配送に関する情報を特定するためのマスク情報とが対応づけられて記憶されている。第1の運送業者の作業員は、配送物に関する情報だけでなく、配送先に関する情報の情報も必要であるので、第1の運送業者用警告マスクでは、マスク情報として、配送物に関する情報と配送先に関する情報の両方が記憶される。
【0053】
第1の運送業者用警告マスクにおける配送物に関する情報のマスク情報については、上述した倉庫業者用警告マスクと同様である。
【0054】
また、第1の運送業者用警告マスクの配送先に関する情報のマスク情報としては、図7に示すように、「エレベータの有無」、「台車使用の可否」および「入り口を間違えやすい」および「トピック」が記憶されており、その欄には「表示」または「非表示」が記憶されている。「表示」が記憶されている場合には、その配送先に関する情報は表示対象であることを意味し、「非表示」が記憶されている場合には、その配送先に関する情報は非表示対象であることを意味する。
【0055】
具体的には、たとえば「20001」の作業員の第1の運送業者用端末装置50によって、ユニークID「1234570」が読み取られた場合、第1の運送業者用警告マスクの「10003」の行には、「壊れ物」、「精密機器」、「入口を間違えやすい」および「トピック」の欄のみに「表示」が記憶されているので、第1の運送業者用端末装置50には、図3に示すユニークID「1234570」に対応する配送に関する情報のうち、「壊れ物」、「精密機器」、「入口を間違えやすい」および「トピック」の情報のみが表示される。
【0056】
図8は、識別番号が「20001」の作業者が、第1の運送業者用端末装置50によってユニークID「1234570」を読み取った場合に、第1の運送業者用端末装置50に表示される内容を示す図である。また、図9は、第1の運送業者用端末装置50の表示例を示す図である。図9に示すように、図3に示すユニークID「1234570」の配送に関する情報のうち、「壊れ物」、「精密機器」、「入口を間違えやすい」および「トピック」の情報のみが倉庫業者用端末装置40に表示されている。
【0057】
なお、本実施形態では、図3に示す配送に関する情報が「×」(該当しない)であって、マスク情報が「表示」である場合には、図6および図9に示すように何も表示しない。
【0058】
また、記憶部11には、第2の運送業者の作業員の第2の運送業者用端末装置60に表示される配送に関する情報を特定するための第1の運送業者用警告マスクも記憶されるが、第1の運送業者用警告マスクと類似するものであるので、ここでは図示省略する。また、第2の運送業者用警告マスクを用いた配送に関する情報の表示制御についても、第1の運送業者用警告マスクの場合と同様であるので、説明を省略する。
【0059】
また、本実施形態においては、作業員の識別番号とマスク情報と紐付けて各警告マスクを生成するようにしたが、作業員の識別情報に含まれるユーザ情報(年齢、性別、身体的特徴(身長、体重)など)とマスク情報とを紐付けて各警告マスクを生成するようにしてもよい。
【0060】
また、作業員のユーザ情報とマスク情報との関係を予め設定しておき、作業員のユーザ情報を取得した際に、マスク情報を自動的に生成するようにしてもよい。また、業員のユーザ情報とマスク情報との関係を機械学習させて学習済みモデルに対して、作業員のユーザ情報を入力することによって、マスク情報を推定して自動的に設定するようにしてもよい。
【0061】
制御部12は、記憶部11に記憶された配送に関する情報を管理する。具体的には、倉庫業者、第1の運送業者および第2の運送業者の各拠点において、配送物に印刷されたユニークIDを読み取った読取情報を受け付ける。そして、その受け付けたユニークIDに基づいて、記憶部11に記憶された配送物情報管理テーブルを参照し、ユニークIDに対応する配送に関する情報を特定する。
【0062】
そして、制御部12は、ユニークIDを読み取った作業者の識別番号と、倉庫業者用警告マスク、第1の運送業者用警告マスクおよび第2の運送業者用警告マスクとに基づいて、各拠点の端末装置に表示させる配送に関する情報を特定して表示させる。
【0063】
なお、上述した倉庫業者用警告マスク、第1の運送業者用警告マスクおよび第2の運送業者用警告マスクの内容については変更可能である。
【0064】
たとえば現場責任者が判断して、作業者が新人の場合には、図3に示す配送に関する情報が全て端末装置に表示されるように設定してもよいし、作業者自身が、作業に慣れた際に、「表示」の情報を「非表示」の情報に変更するようにしてもよい。たとえば「重心偏り」の情報が表示(警告)不要の場合には、「表示」から「非表示」に変更するようにしてもよい。「表示」および「非表示」の変更は、たとえば現場責任者や各作業者の端末装置から行うようにすればよい。
【0065】
また、たとえば第2の運送業者の作業者が、配送物の配送後に配送先に関するアンケートに回答し、そのアンケートの回答を反映させて配送先に関する情報を変更するようにしてもよい。たとえば配送先に関する情報である「トピック」に、「8月1日から受け渡しは裏口のみ」などの情報を追加してもよい。
【0066】
また、発注者(受取人)が、配送物を受け取った後、発注者用端末装置20を用いて配送物のユニークIDを読み取ることによって、着荷の状態に関するアンケート画面を表示させ、そのアンケートに対する回答を配送に関する情報に反映させるようにしてもよい。
【0067】
たとえば発注者(受取人)が、天地無用が守られていなかったと回答した場合には、第1および第2の運送業者の管理者が確認し、その配送物を配達した作業員の第1および第2の運送業者用警告マスクの「天地無用」の欄を「非表示」から「表示」に変更するようにしでもよい。
【0068】
また、発注者(受取人)のアンケートの回答における配達エラー情報(上述した天地無用が守られていなかった旨の回答や、配送物の積み重ねをした形跡があったなどの回答)を分析した結果、配達エラー情報が回答に含まる作業員の傾向がある場合には、その傾向に当てはまる作業員の第1または第2の運送業者用警告マスクにおける配達エラー情報に対応する欄を「非表示」から「表示」に変更するようにしてもよい。
【0069】
たとえば天地無用が守られていなかった旨の配達エラー情報が、50歳以上の男性作業員に多い場合、該当する作業員全員の第1または第2の運送業者用警告マスクの「天地無用」の欄を「非表示」から「表示」変更するようにしてもよい。また、55歳以上の男女を対象としてもよい。
【0070】
また、たとえば配達エラー情報と作業員の年齢、性別、身体的特徴(身長、体重)などのユーザ情報との関係を予め機械学習して学習済モデルを生成しておき、その学習済モデルに作業員のユーザ情報を入力することによって、配達エラー情報を推定するようにしてもよい。そして、その配達エラー情報に対応する第1または第2の運送業者用警告マスクの情報を「非表示」から「表示」に自動的に変更するようにしてもよい。
【0071】
また、上述したような配達エラー情報に基づく第1または第2の運送業者用警告マスクの情報の変更があった後、さらに同じ作業員について同様の配達エラー情報が続く場合には、その配達エラー情報(たとえば天地無用が守られていなかった)に対応する配送に関する情報(「天地無用」)を表示する際、より詳細に表示したり、色を変えた表示や点滅表示などといった強調表示を行ったりしてもよい。
【0072】
また、同じ作業員について同様の配達エラー情報が続く場合には、その配達エラー情報に対応する配送に関する情報(たとえば「天地無用」)が付加された配送物については、上記作業員に配達させないようにしてもよい。すなわち、配達エラー情報に対応する配送に関する情報に対して、配達を許容する作業員のユーザ情報を特定し、そのユーザ情報の作業員に配達させるようにしてもよい。
【0073】
配送物情報管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリやハードディスクなどのストレージ、並びに通信I/F(Interface)などを備えている。
【0074】
配送物情報管理装置10のストレージには、本発明の配送物情報管理プログラムの一実施形態がインストールされている。この配送物情報管理プログラムがCPUによって起動されることによって、配送物情報管理装置10の上述した機能が実行される。
【0075】
また、本実施形態においては、CPUによって配送物情報管理プログラムを実行することによって上述した機能を実行するようにしたが、配送物情報管理プログラムが実行する一部の機能または全部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアから構成するようにしてもよい。
【0076】
次に、発注者用端末装置20について説明する。
【0077】
発注者用端末装置20は、上述したように商品の発注者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0078】
発注者用端末装置20は、制御部21、表示部22、入力部23および読取部24を備えている。制御部21は、発注者用端末装置20全体を制御する。特に、制御部21は、商品の発注画面を表示部22に表示させ、その発注画面内において、商品の情報、発注者の情報および受取人の情報、配送時の指示事項(配送条件)などの設定入力を受け付ける。制御部21は、発注画面において設定入力された種々の情報を必要に応じて出力する。
【0079】
表示部22は、液晶ディスプレイなどを備え、発注画面を表示する。入力部23は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを備え、発注画面における種々の情報の設定入力や、上述した着荷の状態のアンケートに対する回答の設定入力を受け付ける。なお、発注者用端末装置20がタブレット端末またはスマートフォンである場合には、タブレット端末またはスマートフォンが有するタッチパネルが表示部22および入力部23に相当する。
【0080】
読取部24は、受取人(発注者)によって受け取られた梱包体の外面に印刷されたユニークID(QRコード)を読み取る。
【0081】
読取部24によって読み取られたユニークIDは、配送物情報管理装置10に出力される。配送物情報管理装置10の制御部12は、入力されたユニークIDに基づいて、そのユニークIDに対応する配送物の着荷の状態に関するアンケートを発注者用端末装置20に出力する。そして、発注者のアンケートに対する回答は、発注者用端末装置20から配送物情報管理装置10に出力される。
【0082】
配送物情報管理装置10は、アンケートの回答を受け取ると、そのアンケートに対応するユニークIDの配送物を配送した作業員の識別番号を特定し、その作業員の識別情報を第1の運送業者用端末装置50または第2の運送業者用端末装置60に出力し、第1の運送業者または第2の運送業者において確認可能とする。
【0083】
次に、通販業者用端末装置30について説明する。
【0084】
通販業者用端末装置30は、上述したように通販業者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0085】
通販業者用端末装置30は、制御部31、表示部32および入力部33を備えている。制御部31は、通販業者用端末装置30全体を制御する。特に、制御部31は、発注者用端末装置20から出力された発注情報に応じて、配送物情報管理装置10にアクセスし、ユニークIDを取得する。
【0086】
そして、制御部31は、上述したように配送物の「重量」および「重心偏り」の情報などの配送物に関する情報の入力を受け付け、ユニークIDとともに配送物情報管理装置10に出力し、配送物情報管理テーブルに記憶させる。
【0087】
表示部32は、液晶ディスプレイなどを備え、上述した種々の入力情報を表示する。また、入力部33は、マウスやキーボードなどの入力デバイスを備え、上述した配送物に関する情報の入力を受け付ける。なお、通販業者用端末装置30がタブレット端末またはスマートフォンである場合には、タブレット端末またはスマートフォンが有するタッチパネルが、表示部32および入力部33に相当する。
【0088】
次に、倉庫業者用端末装置40について説明する。
【0089】
倉庫業者用端末装置40は、上述したように倉庫業者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末、スマートフォンおよびハンディーターミナルなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0090】
倉庫業者用端末装置40は、制御部41、表示部42、入力部43および読取部44を備えている。制御部41は、倉庫業者用端末装置40全体を制御する。特に、制御部41は、読取部44によって配送物に印刷されたユニークIDが読み取られた際、そのユニークIDを配送物情報管理装置10に出力する。
【0091】
配送物情報管理装置10の制御部12は、入力されたユニークIDに基づいて、図3に示す配送情報管理テーブルを参照し、ユニークIDに紐付けされた配送に関する情報を倉庫業者用端末装置40に出力する。この際、制御部12は、図4に示す倉庫業者用警告マスクを用いて、倉庫業者用端末装置40に出力する配送に関する情報を特定する。配送物情報管理装置10から出力された配送に関する情報は、表示部42に表示される。
【0092】
表示部22は、液晶ディスプレイなどを備え、配送物情報管理装置10から出力された配送に関する情報を表示する。入力部23は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを備え、種々の情報の設定入力を受け付ける。
【0093】
なお、倉庫業者用端末装置40がタブレット端末またはスマートフォンである場合には、タブレット端末またはスマートフォンが有するタッチパネルが表示部42および入力部43に相当する。
【0094】
読取部44は、上述したように、倉庫業者によって受け取られた配送物の外面に印刷されたユニークID(QRコード)を読み取る。
【0095】
また、倉庫業者には、ユニークIDを梱包体に印刷するための印刷装置45が設けられている。印刷装置45は、配送物情報管理装置10から出力されたユニークIDを配送物の梱包材の外面に印刷する。印刷方式としては、インクジェット方式および感熱方式などを用いることができる。図10は、インクジェット方式の印刷装置45の一例を示す図である。
【0096】
図10に示す印刷装置45は、ヘッドユニット46と搬送ユニット2を備えている。
【0097】
搬送ユニット2は、印刷媒体Pを図10に示す矢印方向に搬送する。印刷媒体Pは、たとえば図10に示すような搬送面に対して垂直方向に立設する印刷面Psを有する梱包材(たとえば段ボール箱)である。
【0098】
搬送ユニット2は、支持台3と、搬送ベルト部4とを備えている。支持台3は、搬送ベルト部4を支持する台である。
【0099】
搬送ベルト部4は、印刷媒体Pの搬送方向に直交する方向に延設された2本のプラテンローラと搬送ベルトなどを備える。2本のプラテンローラは、印刷媒体Pの搬送方向について離間して平行に配置される。そして、平行に配列された2本のプラテンローラ間に環状の搬送ベルトが掛け渡され、プラテンローラが回転して搬送ベルトが移動し、これにより印刷媒体Pが搬送される。
【0100】
ヘッドユニット46は、搬送ユニット2によって搬送された印刷媒体Pの印刷面Psに対してインクを吐出することによって印刷を施す。
【0101】
ヘッドユニット46は、図10に示すように、4本のラインヘッド46a,46b,46c,46dを有する。4本のラインヘッド46a~46dは、複数のインクジェットヘッドが鉛直方向に配列されたものであり、印刷媒体Pの搬送方向について平行に配列される。
【0102】
4本のラインヘッド46a~46dは、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)のインクを吐出するものである。
【0103】
搬送ユニット2による印刷媒体Pの搬送に伴って、各ラインヘッド46a~46dから水平方向にインクが順次吐出され、これにより印刷処理が施される。
【0104】
本実施形態のように配送物の梱包材に対してユニークIDを直接印刷した場合、たとえば置き配時にラベルをはがされたりすることがない。またリサイクルのためにラベルなどを分離する手間が省ける。また、印刷されるユニークIDには個人情報は含まれないため、廃棄時にも秘匿性が担保される。
【0105】
次に、第1の運送業者用端末装置50について説明する。
【0106】
第1の運送業者用端末装置50は、上述したように第1の運送業者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末、スマートフォンおよびハンディーターミナルなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0107】
第1の運送業者用端末装置50は、制御部51、表示部52、入力部53および読取部54を備えている。制御部51は、第1の運送業者用端末装置50全体を制御する。特に、制御部51は、読取部54によって配送物に印刷されたユニークIDが読み取られた際、そのユニークIDを配送物情報管理装置10に出力する。
【0108】
配送物情報管理装置10の制御部12は、入力されたユニークIDに基づいて、図3に示す配送情報管理テーブルを参照し、ユニークIDに紐付けされた配送に関する情報を第1の運送業者用端末装置50に出力する。この際、制御部12は、図7に示す第1の運送業者用警告マスクを用いて
この際、制御部12は、図7に示す第1の運送業者用警告マスクを用いて、第1の運送業者用端末装置50に出力する配送に関する情報を特定する。配送物情報管理装置10から出力された配送に関する情報は、表示部52に表示される。
【0109】
表示部52は、液晶ディスプレイなどを備え、配送物情報管理装置10から出力された配送に関する情報を表示する。入力部53は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを備え、種々の情報の設定入力を受け付ける。
【0110】
なお、第1の運送業者用端末装置50がタブレット端末またはスマートフォンである場合には、タブレット端末またはスマートフォンが有するタッチパネルが表示部52および入力部53に相当する。
【0111】
読取部54は、上述したように、第1の運送業者によって受け取られた配送物の外面に印刷されたユニークID(QRコード)を読み取る。
【0112】
次に、第2の運送業者用端末装置60について説明する。
【0113】
第2の運送業者用端末装置60は、上述したように第1の運送業者が利用するものであり、たとえばデスクトップパソコンまたはノート型パソコンなどが用いられるが、これに限らず、タブレット端末、スマートフォンおよびハンディーターミナルなどの移動体端末を用いるようにしてもよい。
【0114】
第2の運送業者用端末装置60は、制御部61、表示部62、入力部63および読取部64を備えている。第2の運送業者用端末装置60の構成および動作は、第1の運送業者用端末装置50と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0115】
また、上記実施形態においては、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50および第2の運送業者用端末装置60の読取部44,54,64によって配送物のユニークIDを読み取るようにしたが、これに限らず、たとえば監視カメラなどの別のカメラによってユニークIDを読み取り、その読取情報を倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50、第2の運送業者用端末装置60に出力するようにしてもよい。
【0116】
または、監視カメラなどによって配送物とその配送物を取り扱う作業員を撮影し、倉庫業者用端末装置40、第1の運送業者用端末装置50、第2の運送業者用端末装置60において、撮影画像に基づいて配送物のユニークIDを認識するとともに、予め記憶された作業員の画像による認証を行って作業員を特定し、ユニークIDと作業員の識別情報を配送物情報管理装置10に出力するようにしてもよい。
【0117】
上記実施形態の配送物情報管理システム1によれば、配送物の配送過程における複数の拠点において、配送物に付与された識別情報がそれぞれ読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、配送に関する情報を表示させるようにしたので、配送物の配送過程における配送物の取り扱い作業者や配送者に対して最適な情報を提供することができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0118】
また、上記実施形態の配送物情報管理システム1においては、配送物を取り扱う作業者の属性として、作業者の作業内容に関する情報または作業者に固有の情報(識別情報)を用いるようにしたので、作業員に対してより最適な情報を提供することができる。
【0119】
また、上記実施形態の配送物情報管理システム1においては、作業者毎について配送に関する情報の表示を特定するためのマスク情報を用いるようにしたので、簡易な方法により、各作業員に最適な情報を提供することができる。
【0120】
また、上記実施形態の配送物情報管理システム1においては、作業者からの指示情報に応じて、作業者のマスク情報を変更可能としたので、作業者の希望に応じて、マスク情報を最適化することができる。
【0121】
また、上記実施形態の配送物情報管理システム1においては、配送物の受取人からの作業者に関する情報に基づいて、作業者のマスク情報を変更可能としたので、客観的な情報から作業員に最適なマスク情報に変更することができる。
【0122】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【0123】
本発明に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0124】
(付記1)
本発明の配送物情報管理システムは、配送される配送物に対して固有の識別情報を付与する識別情報付与部と、識別情報と配送に関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、配送物の配送過程における複数の拠点において識別情報をそれぞれ読み取る複数の読取部と、識別情報が各拠点の読取部によって読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、配送に関する情報を表示させる制御部とを備える。
【0125】
(付記2)
付記1記載の配送物情報管理システムにおいて、配送物を取り扱う作業者の属性は、作業者の作業内容に関する情報または作業者に固有の情報とすることができる。
【0126】
(付記3)
付記1記載の配送物情報管理システムにおいて、制御部は、作業者毎について配送に関する情報の表示を特定するためのマスク情報を有することができる。
【0127】
(付記4)
付記3記載の配送物情報管理システムにおいて、制御部は、作業者からの指示情報に応じて、作業者のマスク情報を変更することができる。
【0128】
(付記5)
付記3記載の配送物情報管理システムにおいて、制御部は、配送物の受取人からの作業者に関する情報に基づいて、作業者のマスク情報を変更することができる。
【0129】
(付記6)
本発明の配送物情報管理装置は、配送される配送物に付与された固有の識別情報と配送に関する情報とを紐づけて記憶する記憶部と、配送物の配送過程における複数の拠点において識別情報がそれぞれ読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、識別情報に紐付けされた配送に関する情報を記憶部から読み出して出力する制御部とを備える。
【0130】
(付記7)
本発明の印刷装置は、付記1から付記5いずれかに記載の配送物情報管理システムにおける識別情報付与部を構成し、配送物に対して識別情報を印刷する。
【0131】
(付記8)
本発明の配送物情報管理方法は、配送される配送物に対して固有の識別情報を付与し、識別情報と配送に関する情報とを紐づけて記憶し、配送物の配送過程における複数の拠点において識別情報がそれぞれ読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、配送に関する情報を表示させる。
【0132】
(付記9)
本発明の配送物情報管理プログラムは、配送される配送物に付与された固有の識別情報と配送に関する情報とを紐づけて記憶するステップと、配送物の配送過程における複数の拠点において識別情報がそれぞれ読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、識別情報に紐付けされた配送に関する情報を記憶部から読み出して出力するステップとをコンピュータに実行させる配送物情報管理プログラム。
【0133】
(付記10)
本発明の配送物情報管理装置は、配送される配送物の配送に関する情報を管理する管理部と、配送物の配送過程における複数の拠点において配送物の識別情報がそれぞれ読み取られた際、各拠点において配送物を取り扱う作業者の属性に基づいて、識別情報に紐付けされた配送に関する情報を表示させる制御部とを備える。
【符号の説明】
【0134】
1 配送物情報管理システム
2 搬送ユニット
3 支持台
4 搬送ベルト部
10 配送物情報管理装置
11 記憶部
12 制御部
20 発注者用端末装置
21 制御部
22 表示部
23 入力部
24 読取部
30 通販業者用端末装置
31 制御部
32 表示部
33 入力部
40 倉庫業者用端末装置
41 制御部
42 表示部
43 入力部
44 読取部
45 印刷装置
46 ヘッドユニット
46a,46b,46c,46d ラインヘッド
50 第1の運送業者用端末装置
51 制御部
52 表示部
53 入力部
54 読取部
60 第2の運送業者用端末装置
61 制御部
62 表示部
63 入力部
64 読取部
P 印刷媒体
Ps 印刷面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10