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特開2024-141374投写光学系、およびプロジェクター

書誌要約請求の範囲詳細な説明課題実施例実施するための形態図面の説明

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024141374

(43)【公開日】2024-10-10

(54)【発明の名称】投写光学系、およびプロジェクター

(51)【国際特許分類】

G02B 15/20 20060101AFI20241003BHJP

G02B 13/18 20060101ALI20241003BHJP

G03B 21/00 20060101ALI20241003BHJP

G03B 21/14 20060101ALI20241003BHJP

【ＦＩ】

G02B15/20

G02B13/18

G03B21/00 D

G03B21/14 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】13

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023052978

(22)【出願日】2023-03-29

(71)【出願人】

【識別番号】000002369

【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100179475

【弁理士】

【氏名又は名称】仲井智至

(74)【代理人】

【識別番号】100216253

【弁理士】

【氏名又は名称】松岡宏紀

(74)【代理人】

【識別番号】100225901

【弁理士】

【氏名又は名称】今村真之

(72)【発明者】

【氏名】影山明久

【テーマコード（参考）】

2H087

2K203

【Ｆターム（参考）】

2H087KA06

2H087KA07

2H087LA01

2H087NA02

2H087PA11

2H087PA12

2H087PA13

2H087PA16

2H087PA20

2H087PB14

2H087PB16

2H087QA02

2H087QA03

2H087QA07

2H087QA17

2H087QA22

2H087QA26

2H087QA34

2H087QA41

2H087QA45

2H087RA04

2H087RA05

2H087RA12

2H087RA13

2H087RA32

2H087SA57

2H087SA61

2H087SA63

2H087SA64

2H087SA65

2H087SA66

2H087SA71

2H087SA72

2H087SB04

2H087SB12

2H087SB14

2H087SB22

2H087SB23

2H087SB32

2H087SB33

2H087SB42

2H087SB43

2H087SB44

2H087UA01

2K203FA03

2K203FA23

2K203FA34

2K203FA62

2K203GC03

2K203GC06

2K203GC20

2K203HA53

2K203HA67

2K203HA68

2K203HA73

2K203HB07

2K203HB22

2K203HB25

2K203MA07

2K203MA32

(57)【要約】

【課題】レンズ全長をコンパクトにしつつ、諸収差を良好に補正することができる投写光学系を提供すること。
【解決手段】投写光学系は、拡大側から縮小側に向かって順に、第１レンズ群、第２レンズ群、第３レンズ群、第４レンズ群、第５レンズ群、第６レンズ群、第７レンズ群、第８レンズ群および第９レンズ群からなり、第２レンズ群および第８レンズ群の間に配置された開口絞りを有する。第１レンズ群は、負のパワーを有するとともに、１枚の非球面レンズを備える。第２レンズ群、第３レンズ群、第４レンズ群、第５レンズ群、第６レンズ群、第７レンズ群、第８レンズ群および第９レンズ群は、それぞれ、球面レンズのみからなる。変倍時には、第１レンズ群および第９レンズ群は固定され、第２レンズ群、第３レンズ群、第４レンズ群、第５レンズ群、第６レンズ群、第７レンズ群および第８レンズ群は移動する。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

拡大側から縮小側に向かって順に、第１レンズ群、第２レンズ群、第３レンズ群、第４レンズ群、第５レンズ群、第６レンズ群、第７レンズ群、第８レンズ群および第９レンズ群からなり、
前記第２レンズ群および前記第８レンズ群の間に配置された開口絞りを有し、
前記第１レンズ群は、負のパワーを有するとともに、１枚の非球面レンズを備え、
前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群、前記第８レンズ群および前記第９レンズ群は、それぞれ、球面レンズのみからなり、
変倍時には、前記第１レンズ群および前記第９レンズ群は固定され、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群および前記第８レンズ群は移動することを特徴とする投写光学系。

【請求項2】

広角端から望遠端へ変倍する際に、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群および前記第８レンズ群は、それぞれ、前記縮小側から前記拡大側に向かって移動することを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。

【請求項3】

前記第２レンズ群、前記第３レンズ群および前記第８レンズ群は、それぞれ、正のパワーを有することを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。

【請求項4】

前記開口絞りは、前記第３レンズ群および前記第４レンズ群の間、または、前記第４レンズ群および前記第５レンズ群の間に配置されることを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。

【請求項5】

前記開口絞りより前記拡大側に配置された全てのレンズの、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
０．８＜Ｆ１／Ｆｗ＜１．６（１）

【請求項6】

前記開口絞りに最も近い位置に配置された負のパワーを有するレンズ群の焦点距離をＦｇｓとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
－９．２＜Ｆｇｓ／Ｆｗ＜０（２）

【請求項7】

広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、レンズ全長をＬＬとし、縮小側の最大像高をＩＨとすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
３．４＜（ＬＬ／ＩＨ）／（Ｆｔ／Ｆｗ）＜４．９（３）

【請求項8】

広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、前記第１レンズ群の焦点距離をＦｇ１とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
－１．５＜Ｆｇ１／Ｆｗ＜－１．０（４）

【請求項9】

広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、前記第２レンズ群の焦点距離をＦｇ２とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
２．０＜Ｆｇ２／Ｆｗ＜７．５（５）

【請求項10】

前記第２レンズ群および前記第３レンズ群の少なくとも一方は、正のパワーを有する正レンズと負のパワーを有する負レンズとを含み、
前記第２レンズ群の焦点距離をＦｇ２とし、前記第３レンズ群の焦点距離をＦｇ３とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
０．６＜Ｆｇ２／Ｆｇ３＜２．４（６）

【請求項11】

正のパワーを有する第１レンズおよび負のパワーを有する第２レンズを備えるとともに、前記開口絞りより前記拡大側に配置された接合レンズを有し、
前記第１レンズの屈折率をＮｄ１とし、前記第２レンズの屈折率をＮｄ２とし、前記第１レンズのｄ線のアッベ数をＶｄ１とし、前記第２レンズのｄ線のアッベ数をＶｄ２とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１に記載の投写光学系。
１０＜｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＜２０（７）

【請求項12】

前記第２レンズの屈折率をＮｄ２とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする請求項１１に記載の投写光学系。
Ｎｄ２＜１．８５（８）

【請求項13】

請求項１から１２のうちのいずれか一項に記載の投写光学系と、
前記投写光学系の縮小側共役面に投写画像を形成する画像形成素子と、
を有することを特徴とするプロジェクター。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、投写光学系、およびプロジェクターに関する。

【背景技術】

【0002】

画像表示素子に表示された投写画像を、投写光学系により拡大して、スクリーンに投写するプロジェクターは、特許文献１に記載されている。同文献の投写光学系は、拡大側から順に、負のパワーを有する第１レンズユニットと、第２レンズユニット、第３レンズユニット、第４レンズユニット、第５レンズユニット、第６レンズユニット、第７レンズユニット、正のパワーを有する第８レンズユニットとを含む。変倍時には、第２レンズユニットから第７レンズユニットまでが移動する。第１レンズユニットは、２枚の非球面レンズを備えている。投写光学系のズーム比は、約１．３１～１．７６倍である。投写光学系のレンズ全長は、２２０ｍｍである。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１９－０１５８３０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

投写光学系では、高いズーム比を実現しつつ、レンズ全長がコンパクトであることが求められている。レンズ全長をコンパクトにする場合、非球面レンズを用いることによって、諸収差を抑制するためのレンズ枚数を減らして、投写光学系のレンズ全長をコンパクトにすることができる。ここで、非球面レンズを備える投写光学系は、諸収差を良好に補正することができるが、非球面レンズの製造精度や、投写光学系の光軸に対する非球面レンズの偏芯ズレによっては、諸収差が補正されず、諸収差が悪化する場合ある。このため、特許文献１の投写光学系は、２枚の非球面レンズを備えているので、非球面レンズの製造精度などの影響により、諸収差が悪化しやすい。よって、投写光学系としては、レンズ全長が更にコンパクトであって、諸収差が更に抑制された投写光学系が求められている。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記の課題を解決するために、本発明の投写光学系は、拡大側から縮小側に向かって順に、第１レンズ群、第２レンズ群、第３レンズ群、第４レンズ群、第５レンズ群、第６レンズ群、第７レンズ群、第８レンズ群および第９レンズ群からなり、前記第２レンズ群および前記第８レンズ群の間に配置された開口絞りを有し、前記第１レンズ群は、負のパワーを有するとともに、１枚の非球面レンズを備え、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群、前記第８レンズ群および前記第９レンズ群は、それぞれ、球面レンズのみからなり、変倍時には、前記第１レンズ群および前記第９レンズ群は固定され、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群および前記第８レンズ群は移動することを特徴とする。

【0006】

次に、本発明のプロジェクターは、上記の投写光学系と、前記投写光学系の縮小側共役面に投写画像を形成する画像形成素子と、を有することを特徴とする。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】本発明の投写光学系を備えるプロジェクターの概略構成を示す図である。

【図2】実施例１の投写光学系の光線図である。

【図3】実施例１の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図4】実施例１の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図5】実施例１の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図6】実施例１の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図7】実施例２の投写光学系の光線図である。

【図8】実施例２の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図9】実施例２の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図10】実施例２の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図11】実施例２の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図12】実施例３の投写光学系の光線図である。

【図13】実施例３の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図14】実施例３の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図15】実施例３の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図16】実施例３の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図17】実施例４の投写光学系の光線図である。

【図18】実施例４の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図19】実施例４の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図20】実施例４の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図21】実施例４の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図22】実施例５の投写光学系の光線図である。

【図23】実施例５の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図24】実施例５の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図25】実施例５の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図26】実施例５の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図27】実施例６の投写光学系の光線図である。

【図28】実施例６の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図29】実施例６の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図30】実施例６の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図31】実施例６の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図32】実施例７の投写光学系の光線図である。

【図33】実施例７の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図34】実施例７の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図35】実施例７の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図36】実施例７の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図37】実施例８の投写光学系の光線図である。

【図38】実施例８の投写光学系の広角端におけるコマ収差を示す図である。

【図39】実施例８の投写光学系の望遠端におけるコマ収差を示す図である。

【図40】実施例８の投写光学系の広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【図41】実施例８の投写光学系の望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る投写光学系、およびプロジェクターを説明する。

【0009】

（プロジェクター）
図１は本発明の投写光学系３を備えるプロジェクターの概略構成を示す図である。図１に示すように、プロジェクター１は、スクリーンＳに投写する投写画像を生成する画像形成部２と、投写画像を拡大してスクリーンＳに拡大像を投写する投写光学系３と、画像形成部２の動作を制御する制御部４と、を備える。

【0010】

（画像形成部および制御部）
画像形成部２は、光源１０、第１インテグレーターレンズ１１、第２インテグレーターレンズ１２、偏光変換素子１３、重畳レンズ１４を備える。光源１０は、例えば、超高圧水銀ランプ、固体光源等で構成される。第１インテグレーターレンズ１１および第２インテグレーターレンズ１２は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子をそれぞれ有する。第１インテグレーターレンズ１１は、光源１０からの光束を複数に分割する。第１インテグレーターレンズ１１の各レンズ素子は、光源１０からの光束を第２インテグレーターレンズ１２の各レンズ素子の近傍に集光させる。

【0011】

偏光変換素子１３は、第２インテグレーターレンズ１２からの光を所定の直線偏光に変換させる。重畳レンズ１４は、第１インテグレーターレンズ１１の各レンズ素子の像を、第２インテグレーターレンズ１２を介して、後述する液晶パネル１８Ｒ、液晶パネル１８Ｇ、および、液晶パネル１８Ｂの表示領域上で重畳させる。

【0012】

また、画像形成部２は、第１ダイクロイックミラー１５、反射ミラー１６、フィールドレンズ１７Ｒ、および、液晶パネル１８Ｒを備える。第１ダイクロイックミラー１５は、重畳レンズ１４から入射した光線の一部であるＲ光を反射させ、重畳レンズ１４から入射した光線の一部であるＧ光およびＢ光を透過させる。第１ダイクロイックミラー１５で反射されたＲ光は、反射ミラー１６およびフィールドレンズ１７Ｒを経て、液晶パネル１８Ｒへ入射する。液晶パネル１８Ｒは画像形成素子である。液晶パネル１８ＲはＲ光を画像信号に応じて変調することにより、赤色の投写画像を形成する。

【0013】

さらに、画像形成部２は、第２ダイクロイックミラー２１、フィールドレンズ１７Ｇ、および、液晶パネル１８Ｇを備える。第２ダイクロイックミラー２１は、第１ダイクロイックミラー１５からの光線の一部であるＧ光を反射させ、第１ダイクロイックミラー１５からの光線の一部であるＢ光を透過させる。第２ダイクロイックミラー２１で反射されたＧ光は、フィールドレンズ１７Ｇを経て、液晶パネル１８Ｇへ入射する。液晶パネル１８Ｇは画像形成素子である。液晶パネル１８ＧはＧ光を画像信号に応じて変調することにより、緑色の投写画像を形成する。

【0014】

また、画像形成部２は、リレーレンズ２２、反射ミラー２３、リレーレンズ２４、反射ミラー２５、フィールドレンズ１７Ｂ、液晶パネル１８Ｂおよびクロスダイクロイックプリズム１９を備える。第２ダイクロイックミラー２１を透過したＢ光は、リレーレンズ２２、反射ミラー２３、リレーレンズ２４、反射ミラー２５、およびフィールドレンズ１７Ｂを経て、液晶パネル１８Ｂへ入射する。液晶パネル１８Ｂは画像形成素子である。液晶パネル１８ＢはＢ光を画像信号に応じて変調することにより、青色の投写画像を形成する。

【0015】

液晶パネル１８Ｒ、液晶パネル１８Ｇ、および、液晶パネル１８Ｂは、クロスダイクロイックプリズム１９を３方向から囲んでいる。クロスダイクロイックプリズム１９は、光合成用のプリズムであり、各液晶パネル１８Ｒ、１８Ｇ、１８Ｂで変調された光を合成した投写画像を生成する。

【0016】

投写光学系３は、クロスダイクロイックプリズム１９が合成した投写画像をスクリーンＳに拡大して投写する。

【0017】

制御部４は、ビデオ信号等の外部画像信号が入力される画像処理部６と、画像処理部６から出力される画像信号に基づいて液晶パネル１８Ｒ、液晶パネル１８Ｇおよび液晶パネル１８Ｂを駆動する表示駆動部７と、を備える。

【0018】

画像処理部６は、外部の機器から入力された画像信号を各色の階調等を含む画像信号に変換する。表示駆動部７は、画像処理部６から出力された各色の投写画像信号に基づいて液晶パネル１８Ｒ、液晶パネル１８Ｇおよび液晶パネル１８Ｂを動作させる。これにより、画像処理部６は、画像信号に対応した投写画像を液晶パネル１８Ｒ、液晶パネル１８Ｇおよび液晶パネル１８Ｂに表示する。

【0019】

（投写光学系）
次に、投写光学系３を説明する。図１に示すように、投写光学系３の拡大側共役面には、スクリーンＳが配置されている。投写光学系３の縮小側共役面には、液晶パネル１８Ｒ、液晶パネル１８Ｇおよび液晶パネル１８Ｂが配置されている。

【0020】

以下では、プロジェクター１に搭載される投写光学系３の構成例として実施例１～８を説明する。

【0021】

［実施例１］
図２に示すように、投写光学系３Ａは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、正のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、正のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、負のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ａは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。

【0022】

第１レンズ群Ｇ１は、３枚のレンズＬ１～Ｌ３からなる。レンズＬ１～Ｌ３は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１は、樹脂製である。レンズＬ１は、負のパワーを有する。レンズＬ２は、負のパワーを有する。レンズＬ２は、メニスカスレンズである。レンズＬ２は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ３は、負のパワーを有する。レンズＬ３は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。

【0023】

第２レンズ群Ｇ２は、１枚のレンズＬ４からなる。レンズＬ４は、正のパワーを有する。レンズＬ４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。第３レンズ群Ｇ３は、２枚のレンズＬ５～Ｌ６からなる。レンズＬ５～Ｌ６は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ５（正レンズ、第１レンズ）は、正のパワーを有する。レンズＬ５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ６（負レンズ、第２レンズ）は、負のパワーを有する。レンズＬ６は、メニスカスレンズである。レンズＬ６は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ５およびレンズＬ６は、接合された接合レンズＬ２１である。第４レンズ群Ｇ４は、１枚のレンズＬ７からなる。レンズＬ７は、正のパワーを有する。レンズＬ７は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0024】

第５レンズ群Ｇ５は、２枚のレンズＬ８～Ｌ９からなる。レンズＬ８～Ｌ９は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ９は、負のパワーを有する。レンズＬ９は、メニスカスレンズである。レンズＬ９は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ８およびレンズＬ９は、接合された接合レンズＬ２２である。

【0025】

第６レンズ群Ｇ６は、３枚のレンズＬ１０～Ｌ１２からなる。レンズＬ１０～Ｌ１２は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１１は、負のパワーを有する。レンズＬ１１は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１２は、正のパワーを有する。レンズＬ１２は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１１およびレンズＬ１２は、接合された接合レンズＬ２３である。

【0026】

第７レンズ群Ｇ７は、２枚のレンズＬ１３～Ｌ１４からなる。レンズＬ１３～Ｌ１４は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１３は、負のパワーを有する。レンズＬ１３は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１４は、正のパワーを有する。レンズＬ１４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１３およびレンズＬ１４は、接合された接合レンズＬ２４である。

【0027】

第８レンズ群Ｇ８は、１枚のレンズＬ１５からなる。レンズＬ１５は、正のパワーを有する。レンズＬ１５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。第９レンズ群Ｇ９は、１枚のレンズＬ１６からなる。レンズＬ１６は、正のパワーを有する。レンズＬ１６は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0028】

ここで、レンズＬ１は、拡大側および縮小側の面に非球面形状を備える非球面レンズである。レンズＬ２～Ｌ１６は、拡大側および縮小側の面に球面形状を備える球面レンズである。

【0029】

投写光学系３Ａにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。テレセントリックとは、レンズＬ１６と縮小側共役面に配置された液晶パネル１８との間を通過する各光束の中心光線が、光軸と平行または光軸と略平行となっていることをいう。本明細書において、テレセントリックとは、各光束の中心光線と投写光学系３Ａの光軸Ｎとが成す角度が±５°以内であることをいう。

【0030】

投写光学系３Ａは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３Ａは、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0031】

投写光学系３ＡのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（７枚のレンズＬ１～Ｌ７）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ａのデータは以下のとおりである。

【0032】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．１７～２．９４
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１２６．８５０ｍｍ
Ｆｇｓ－５４．７３ｍｍ
Ｆｇ１－２９．８２０ｍｍ
Ｆｇ２１５７．３３０ｍｍ
Ｆｇ３７４．８５９ｍｍ

【0033】

投写光学系３Ａのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、拡大側から縮小側に順番に付してある。符号は、スクリーン、レンズ、ダイクロイックプリズム、および液晶パネルの符号である。面番号に＊を付した面は非球面である。Ｒは曲率半径である。Ｄは軸上面間隔である。Ｎｄはｄ線の屈折率である。νｄはｄ線のアッベ数である。Ｒ、Ｄの単位はｍｍである。

【0034】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2400.0000
L01 1* -42.7605 4.0000 1.53504 55.711
2* -80.9075 0.1000
L02 3 50.8071 1.5483 1.48749 70.236
4 31.6845 17.3267
L03 5 -80.9908 2.5000 1.58313 59.375
6 56.8331 可変間隔1
L04 7 153.7668 4.0000 1.84666 23.778
8 -1053.3000 可変間隔2
L05 9 68.7129 7.5590 1.80100 34.967
L06 10 -54.4837 1.2000 1.84666 23.778
11 -325.9170 可変間隔3
L07 12 59.2704 4.2315 1.62299 58.166
13 -248.2260 可変間隔4
31 14 1.00E+18 0.7644
L08 15 -87.4190 1.2000 1.57135 52.952
L09 16 19.3906 2.9857 1.62041 60.290
17 44.2473 可変間隔5
L10 18 166.2055 2.6228 1.58313 59.386
19 -55.0546 1.5000
L11 20 -33.6834 1.2000 1.72825 28.461
L12 21 57.3284 5.0986 1.49700 81.546
22 -30.1304 可変間隔6
L13 23 -24.7792 3.0826 1.71736 29.518
L14 24 79.6539 6.7274 1.49700 81.546
25 -34.6391 可変間隔7
L15 26 250.6420 6.3553 1.80810 22.761
27 -51.4313 可変間隔8
L16 28 55.4610 5.8045 1.49700 81.546
29 -2714.7800 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18
18 32 1.00E+18

【0035】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。なお、可変間隔１は第１レンズ群Ｇ１と第２レンズ群Ｇ２との間隔、可変間隔２は第２レンズ群Ｇ２と第３レンズ群Ｇ３との間隔、可変間隔３は第３レンズ群Ｇ３と第４レンズ群Ｇ４との間隔、可変間隔４は第４レンズ群Ｇ４と第５レンズ群Ｇ５との間隔、可変間隔５は第５レンズ群Ｇ５と第６レンズ群Ｇ６との間隔、可変間隔６は第６レンズ群Ｇ６と第７レンズ群Ｇ７との間隔、可変間隔７は第７レンズ群Ｇ７と第８レンズ群Ｇ８との間隔、可変間隔８は第８レンズ群Ｇ８と第９レンズ群Ｇ９との間隔でもある。

【0036】

広角端望遠端
可変間隔１ 22.2870 5.4140
可変間隔２ 13.0530 2.5500
可変間隔３ 22.9110 0.4000
可変間隔４ 4.9640 26.3010
可変間隔５ 11.0000 1.5000
可変間隔６ 0.8000 10.6930
可変間隔７ 1.8420 0.1000
可変間隔８ 0.1000 30.0000

【0037】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0038】

面番号 1 2
Ｒ -42.7605 -80.9075
コーニック定数(K) -16.3672 -73.9469
4次の係数 2.17529900E-05 2.62645300E-05
6次の係数 -3.07738700E-08 -2.83486700E-08
8次の係数 3.34631000E-11 1.09303800E-11
10次の係数 -2.19160100E-14 2.85649500E-14
12次の係数 7.74227200E-18 -4.35734400E-17
14次の係数 -7.60324600E-22 2.18824500E-20

【0039】

ここで、本例の投写光学系３Ａは、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズの、広角端における合成焦点距離（７枚のレンズＬ１～Ｌ７）をＦ１とし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たす。
０．８＜Ｆ１／Ｆｗ＜１．６（１）

【0040】

本例では、
Ｆ１２６．８５０ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．１４２であり、条件式（１）を満たす。

【0041】

本例の投写光学系３Ａは、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５の焦点距離をＦｇｓとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たす。
－９．２＜Ｆｇｓ／Ｆｗ＜０（２）

【0042】

本例では、
Ｆｇｓ－５４．７３ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－２．３３であり、条件式（２）を満たす。

【0043】

本例の投写光学系３Ａは、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、レンズ全長をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨとすると、次の条件式を満たす。
３．４＜（ＬＬ／ＩＨ）／（Ｆｔ／Ｆｗ）＜４．９（３）

【0044】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
である。よって、（ＬＬ／ＩＨ）／（Ｆｔ／Ｆｗ）＝４．４４８であり、条件式（３）を満たす。

【0045】

本例の投写光学系３Ａは、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、次の条件式を満たす。
－１．５＜Ｆｇ１／Ｆｗ＜－１．０（４）

【0046】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－２９．８２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．２７であり、条件式（４）を満たす。

【0047】

本例の投写光学系３Ａは、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とすると、次の条件式を満たす。
２．０＜Ｆｇ２／Ｆｗ＜７．５（５）

【0048】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２１５７．３３０ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝６．６８９であり、条件式（５）を満たす。

【0049】

第３レンズ群Ｇ３は、正のパワーを有するレンズＬ５（正レンズ）と負のパワーを有するレンズＬ６（負レンズ）とを含む。本例の投写光学系３Ａは、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、次の条件式を満たす。
０．６＜Ｆｇ２／Ｆｇ３＜２．４（６）

【0050】

本例では、
Ｆｇ２１５７．３３０ｍｍ
Ｆｇ３７４．８５９ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝２．１０２であり、条件式（６）を満たす。

【0051】

本例の投写光学系３Ａは、正のパワーを有するレンズＬ５（第１レンズ）および負のパワーを有するレンズＬ６（第２レンズ）を備えるとともに、開口絞り３１より拡大側に配置された接合レンズＬ２１を有する。本例の投写光学系３Ａは、レンズＬ５の屈折率をＮｄ１とし、レンズＬ６の屈折率をＮｄ２とし、レンズＬ５のｄ線のアッベ数をＶｄ１とし、レンズＬ６のｄ線のアッベ数をＶｄ２とすると、次の条件式を満たす。
１０＜｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＜２０（７）

【0052】

本例では、
Ｎｄ１１．８０１
Ｎｄ２１．８４７
Ｖｄ１３４．９６７
Ｖｄ２２３．７７８
である。よって、｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＝１９．０６７であり、条件式（７）を満たす。

【0053】

本例の投写光学系３Ａは、レンズＬ６（第２レンズ）の屈折率をＮｄ２とすると、次の条件式を満たす。
Ｎｄ２＜１．８５（８）

【0054】

本例では、Ｎｄ２＝１．８４７であり、条件式（８）を満たす。

【0055】

（作用効果）
本例の投写光学系３Ａは、拡大側から縮小側に向かって順に、第１レンズ群Ｇ１、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群Ｇ７、第８レンズ群Ｇ８および第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ａは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。第１レンズ群Ｇ１は、負のパワーを有するとともに、１枚の非球面レンズを備える。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群Ｇ７、第８レンズ群Ｇ８および第９レンズ群Ｇ９は、それぞれ、球面レンズのみからなる。変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群Ｇ７および第８レンズ群Ｇ８は移動する。

【0056】

本例によれば、投写光学系３Ａは、非球面レンズを１枚のみ備えているので、非球面レンズを２枚以上備える場合と比較して、非球面レンズの製造精度や投写光学系の光軸に対する非球面レンズの偏芯ズレによって、諸収差が悪化することを抑制することができる。また、変倍時に７つのレンズ群が移動するので、投写光学系３Ａは、非球面レンズが１枚のみの場合であっても、諸収差を良好に補正しつつ、レンズ全長がコンパクトになる。

【0057】

ここで、比較例として、先行技術文献である、特開２０１９－０１５８３０号公報の実施例３について、本例の投写光学系３Ａと比較する。比較例の投写光学系は、拡大側から順に、負のパワーを有する第１レンズユニットと、第２レンズユニット、第３レンズユニット、第４レンズユニット、第５レンズユニット、第６レンズユニット、第７レンズユニット、正のパワーを有する第８レンズユニットとを含む。変倍時には、第２レンズユニットから第７レンズユニットまでの６つのレンズユニットが移動する。比較例のデータは以下のとおりである。

【0058】

Ｚ１．７６０
ＬＬ２２０．０００ｍｍ

【0059】

本例の投写光学系３Ａと比較例の投写光学系とを比較すると、本例の投写光学系３Ａは、比較例の投写光学系より、ズーム比が高い。また、本例の投写光学系３Ａは、比較例の投写光学系より、レンズ全長が短い。したがって、本例の投写光学系３Ａは、比較例の投写光学系より、高いズーム比を実現しつつ、レンズ全長をコンパクトにすることができる。

【0060】

本例の投写光学系３Ａにおいて、広角端から望遠端へ変倍する際に、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群Ｇ７および第８レンズ群Ｇ８は、それぞれ、縮小側から拡大側に向かって移動する。よって、変倍時には、第２レンズ群Ｇ２～第８レンズ群Ｇ８のみが同一方向に移動するので、投写光学系３Ａを保持する鏡筒の構造をシンプルにすることができる。

【0061】

本例の投写光学系３Ａにおいて、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３および第８レンズ群Ｇ８は、それぞれ、正のパワーを有する。よって、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１で発生する諸収差を、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２および第３レンズ群Ｇ３によって、良好に補正することができる。また、第８レンズ群Ｇ８が正のパワーを有するので、投写光学系３Ａの縮小側をテレセントリックにさせやすい。

【0062】

本例の投写光学系３Ａは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。よって、開口絞り３１によって、投写光学系３Ａを通過する光線の周辺光量を適切に確保しつつ、諸収差を良好に補正することができる。

【0063】

本例の投写光学系３Ａは、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズの、広角端における合成焦点距離（７枚のレンズＬ１～Ｌ７）をＦ１とし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たす。
０．８＜Ｆ１／Ｆｗ＜１．６（１）

【0064】

ここで、広角端における投写光学系では、望遠端における投写光学系と比較した場合、開口絞り３１より拡大側に配置されたレンズに入射する光線の角度が大きくなるので、諸収差が発生しやすい。このため、本例の投写光学系３Ａは、条件式（１）を満たすので、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズのレンズ長をコンパクトにしつつ、諸収差を良好に補正することができる。条件式（１）の値が下限を下回る場合には、レンズ長をコンパクトにすることができるが、レンズ長がコンパクトであるので、諸収差を補正するためのレンズを必要枚数分全て投写光学系に配置できず、諸収差を良好に補正することが困難となる。条件式（１）の値が上限を超える場合には、諸収差を補正するためのレンズを必要枚数分全て投写光学系に配置することが可能であるが、レンズ長が大型化する。

【0065】

【0066】

ここで、広角端における投写光学系では、望遠端における投写光学系と比較した場合、第５レンズ群Ｇ５に入射する光線の角度が大きくなるので、像面湾曲および非点収差が発生しやすい。このため、本例の投写光学系３Ａは、条件式（２）を満たすので、像面湾曲および非点収差の発生を抑制することができる。条件式（２）の値が範囲から外れると、像面湾曲および非点収差が発生しやすく、投写光学系３Ａで投写した投写画像の解像度が劣化する。

【0067】

【0068】

本例の投写光学系３Ａは、条件式（３）を満たすので、高いズーム比にしつつ、全系をコンパクトにすることができる。条件式（３）の値が下限を下回る場合には、高いズーム比を実現しつつ、全系をコンパクトにすることができるが、全系がコンパクトであるので、諸収差を補正するためのレンズを必要枚数分全て投写光学系に配置できず、諸収差を良好に補正することが困難となる。条件式（３）の値が上限を超える場合には、諸収差を補正するためのレンズを必要枚数分全て投写光学系に配置することが可能であるが、高いズーム比を実現すること、および、全系をコンパクトにすることが困難となる。

【0069】

【0070】

ここで、広角端における投写光学系では、望遠端における投写光学系と比較した場合、第１レンズ群Ｇ１に入射する光線の角度が大きくなるので、諸収差が発生しやすい。このため、本例の投写光学系３Ａは、条件式（４）を満たすので、諸収差を良好に補正しつつ、バックフォーカスを確保することができる。条件式（４）の値が下限を下回る場合には、バックフォーカスを確保することができるが、第１レンズ群Ｇ１のパワーが強くなりすぎるので、諸収差を補正することが困難となる。条件式（４）の値が上限を超える場合には、第１レンズ群Ｇ１のパワーが弱くなるので、諸収差を良好に補正することができるが、バックフォーカスを確保することが困難となる。

【0071】

【0072】

ここで、広角端における投写光学系では、望遠端における投写光学系と比較した場合、第２レンズ群Ｇ２に入射する光線の角度が大きくなるので、諸収差が発生しやすい。このため、本例の投写光学系３Ａは、条件式（５）を満たすので、小型化しつつ諸収差を良好に補正することができる。条件式（５）の値が下限を下回る場合には、小型化することができるが、第２レンズ群Ｇ２のパワーが強くなりすぎるので、諸収差を補正することが困難となる。条件式（５）の値が上限を超える場合には、第２レンズ群Ｇ２のパワーが弱くなるので、諸収差を良好に補正することができるが、投写光学系が大型化する。

【0073】

本例の投写光学系３Ａにおいて、第２レンズ群Ｇ２および第３レンズ群Ｇ３の少なくとも一方の第３レンズ群Ｇ３は、正のパワーを有するレンズＬ５（正レンズ）と負のパワーを有するレンズＬ６（負レンズ）とを含み、
第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、次の条件式を満たす。
０．６＜Ｆｇ２／Ｆｇ３＜２．４（６）

【0074】

本例によれば、正レンズと負レンズとのレンズパワーを調整することにより、本例の投写光学系３Ａが条件式（６）の範囲となるようにすることができる。これにより、投写光学系３Ａは、条件式（６）を満たすので、色収差と諸収差を良好に補正することができる。条件式（６）の値が下限を下回る場合には、第２レンズ群Ｇ２と第３レンズ群Ｇ３とのパワーの差が大きくなるので、色収差を良好に補正することができるが、諸収差を補正することが困難となる。条件式（６）の値が上限を超える場合には、第２レンズ群Ｇ２と第３レンズ群Ｇ３とのパワーの差が小さくなるので、諸収差を良好に補正することができるが、色収差を補正することは困難となる。

【0075】

本例の投写光学系３Ａは、正のパワーを有するレンズＬ５（第１レンズ）および負のパワーを有するレンズＬ６（第２レンズ）を備えるとともに、開口絞り３１より拡大側に配置された接合レンズＬ２１を有し、
レンズＬ５の屈折率をＮｄ１とし、レンズＬ６の屈折率をＮｄ２とし、レンズＬ５のｄ線のアッベ数をＶｄ１とし、レンズＬ６のｄ線のアッベ数をＶｄ２とすると、次の条件式を満たす。
１０＜｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＜２０（７）

【0076】

本例の投写光学系３Ａは、条件式（７）を満たすので、色収差を良好に補正することができる。条件式（７）の値が範囲から外れると、色収差を補正することが困難となる。

【0077】

本例の投写光学系３Ａは、レンズＬ６（第２レンズ）の屈折率をＮｄ２とすると、次の条件式を満たす。
Ｎｄ２＜１．８５（８）

【0078】

本例の投写光学系３Ａは、条件式（８）を満たすので、色収差を良好に補正することができるとともに、レンズ材料のコストを低減することができる。すなわち、条件式（８）の値が上限を超える場合には、色収差を良好に補正することが困難となるとともに、レンズ材料のコストが増大する。

【0079】

図３は、投写光学系３Ａの広角端におけるコマ収差を示す図である。図４は、投写光学系３Ａの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図５は、投写光学系３Ａの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図６は、投写光学系３Ａの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。なお、収差図において、「Ｇ」は、波長５５０．０ｎｍでの収差、「Ｒ」は、波長６２０．０ｎｍでの収差、「Ｂ」は、波長４７０．０ｎｍでの収差、「Ｓ」は、波長５５０．０ｎｍでのサジタル像面、「Ｔ」は、波長５５０．０ｎｍでのタンジェンシャル像面を示す。図３～図６に示すように、本例の投写光学系３Ａでは、諸収差が抑制されている。

【0080】

［実施例２］
図７は、実施例２の投写光学系３Ｂの光線図である。図７に示すように、投写光学系３Ｂは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、正のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、負のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、負のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｂは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。

【0081】

【0082】

第２レンズ群Ｇ２は、１枚のレンズＬ４からなる。レンズＬ４は、正のパワーを有する。レンズＬ４は、メニスカスレンズである。レンズＬ４は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。第３レンズ群Ｇ３は、２枚のレンズＬ５～Ｌ６からなる。レンズＬ５～Ｌ６は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ５（正レンズ、第１レンズ）は、正のパワーを有する。レンズＬ５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ６（負レンズ、第２レンズ）は、負のパワーを有する。レンズＬ６は、メニスカスレンズである。レンズＬ６は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ５およびレンズＬ６は、接合された接合レンズＬ２１である。第４レンズ群Ｇ４は、１枚のレンズＬ７からなる。レンズＬ７は、正のパワーを有する。レンズＬ７は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0083】

第５レンズ群Ｇ５は、１枚のレンズＬ８からなる。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。第６レンズ群Ｇ６は、２枚のレンズＬ９～Ｌ１０からなる。レンズＬ９～Ｌ１０は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ９は、負のパワーを有する。レンズＬ９は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ９およびレンズＬ１０は、接合された接合レンズＬ２２である。

【0084】

第７レンズ群Ｇ７は、２枚のレンズＬ１１～Ｌ１２からなる。レンズＬ１１～Ｌ１２は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１１は、負のパワーを有する。レンズＬ１１は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１２は、正のパワーを有する。レンズＬ１２は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１１およびレンズＬ１２は、接合された接合レンズＬ２３である。

【0085】

第８レンズ群Ｇ８は、１枚のレンズＬ１３からなる。レンズＬ１３は、正のパワーを有する。レンズＬ１３は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。第９レンズ群Ｇ９は、１枚のレンズＬ１４からなる。レンズＬ１４は、正のパワーを有する。レンズＬ１４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0086】

ここで、レンズＬ１は、拡大側および縮小側の面に非球面形状を備える非球面レンズである。レンズＬ２～Ｌ１４は、拡大側および縮小側の面に球面形状を備える球面レンズである。

【0087】

投写光学系３Ｂにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１４より縮小側は、テレセントリックである。

【0088】

投写光学系３Ｂは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0089】

投写光学系３ＢのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１４の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（７枚のレンズＬ１～Ｌ７）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｂのデータは以下のとおりである。

【0090】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．４５～２．７７
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１３６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１２０．６１２ｍｍ
Ｆｇｓ－７５．５６ｍｍ
Ｆｇ１－３１．３８８ｍｍ
Ｆｇ２１１２．９３１ｍｍ
Ｆｇ３７４．１９９ｍｍ

【0091】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2400.0000
L01 1* -36.9127 2.7751 1.53504 55.711
2* -71.5601 5.7197
L02 3 57.9884 1.5000 1.48749 70.236
4 28.0798 14.1196
L03 5 -87.1212 2.3841 1.53996 59.463
6 97.1945 可変間隔1
L04 7 86.8774 3.9056 1.84666 23.778
8 856.3821 可変間隔2
L05 9 66.6678 5.3230 1.80100 34.967
L06 10 -44.9629 1.2000 1.84666 23.778
11 -337.0690 可変間隔3
L07 12 45.4127 3.8597 1.60311 60.641
13 -669.1450 可変間隔4
31 14 1.00E+18 0.3335
L08 15 -366.5520 1.2000 1.51633 64.142
16 43.8697 可変間隔5
L09 17 -62.1975 1.2000 1.78470 26.291
L10 18 35.1592 4.7046 1.49700 81.546
19 -35.1302 可変間隔6
L11 20 -21.4219 1.6188 1.71736 29.518
L12 21 76.2695 6.4237 1.49700 81.546
22 -28.3796 可変間隔7
L13 23 363.1262 5.7789 1.80810 22.761
24 -47.6668 可変間隔8
L14 25 55.8929 6.1212 1.49700 81.546
26 -211.6680 5.1000
19 27 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
28 1.00E+18 0.0000
18 29 1.00E+18 11.8300

【0092】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0093】

広角端望遠端
可変間隔１ 23.1700 3.9300
可変間隔２ 16.0300 2.1800
可変間隔３ 4.9100 0.1000
可変間隔４ 0.6300 18.1300
可変間隔５ 19.9200 3.9800
可変間隔６ 1.5000 9.7500
可変間隔７ 1.9100 0.1000
可変間隔８ 0.1000 30.0000

【0094】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0095】

面番号 1 2
Ｒ -36.9127 -71.5601
コーニック定数(K) -20.9334 -100.0000
4次の係数 3.911140E-05 5.141869E-05
6次の係数 -8.439868E-08 -1.025969E-07
8次の係数 1.308602E-10 1.483457E-10
10次の係数 -1.294703E-13 -1.324732E-13
12次の係数 7.489504E-17 7.782971E-17
14次の係数 -1.943793E-20 -2.806663E-20

【0096】

ここで、本例の投写光学系３Ｂは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0097】

本例では、
Ｆ１２０．６１２ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝０．８７６であり、条件式（１）を満たす。

【0098】

本例では、
Ｆｇｓ－７５．５６ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－３．２１であり、条件式（２）を満たす。

【0099】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
ＬＬ１３６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
である。よって、（ＬＬ／ＩＨ）／（Ｆｔ／Ｆｗ）＝３．８７７であり、条件式（３）を満たす。

【0100】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－３１．３８８ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．３３であり、条件式（４）を満たす。

【0101】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２１１２．９３１ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝４．８０１であり、条件式（５）を満たす。

【0102】

本例では、
Ｆｇ２１１２．９３１ｍｍ
Ｆｇ３７４．１９９ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝１．５２２であり、条件式（６）を満たす。

【0103】

【0104】

本例では、Ｎｄ２＝１．８４７であり、条件式（８）を満たす。

【0105】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｂは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0106】

本例の投写光学系３Ｂは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0107】

図８は、投写光学系３Ｂの広角端におけるコマ収差を示す図である。図９は、投写光学系３Ｂの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図１０は、投写光学系３Ｂの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図１１は、投写光学系３Ｂの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図８～図１１に示すように、本例の投写光学系３Ｂでは、諸収差が抑制されている。

【0108】

［実施例３］
図１２は、実施例３の投写光学系３Ｃの光線図である。図１２に示すように、投写光学系３Ｃは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、負のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、正のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、負のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、負のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｃは、第３レンズ群Ｇ３および第４レンズ群Ｇ４の間に配置された開口絞り３１を有する。

【0109】

【0110】

第２レンズ群Ｇ２は、３枚のレンズＬ４～Ｌ６からなる。レンズＬ４～Ｌ６は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ４は、正のパワーを有する。レンズＬ４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ５（正レンズ、第１レンズ）は、正のパワーを有する。レンズＬ５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ６（負レンズ、第２レンズ）は、負のパワーを有する。レンズＬ６は、メニスカスレンズである。レンズＬ６は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ５およびレンズＬ６は、接合された接合レンズＬ２１である。第３レンズ群Ｇ３は、１枚のレンズＬ７からなる。レンズＬ７は、正のパワーを有する。レンズＬ７は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0111】

第４レンズ群Ｇ４は、２枚のレンズＬ８～Ｌ９からなる。レンズＬ８～Ｌ９は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ９は、正のパワーを有する。レンズＬ９は、メニスカスレンズである。レンズＬ９は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ８およびレンズＬ９は、接合された接合レンズＬ２２である。

【0112】

第５レンズ群Ｇ５は、１枚のレンズＬ１０からなる。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ８は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0113】

第６レンズ群Ｇ６は、２枚のレンズＬ１１～Ｌ１２からなる。レンズＬ１１～Ｌ１２は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１１は、負のパワーを有する。レンズＬ１１は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１２は、正のパワーを有する。レンズＬ１２は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１１およびレンズＬ１２は、接合された接合レンズＬ２３である。

【0114】

【0115】

【0116】

【0117】

投写光学系３Ｃにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。

【0118】

投写光学系３Ｃは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0119】

投写光学系３ＣのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（７枚のレンズＬ１～Ｌ７）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｃのデータは以下のとおりである。

【0120】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．４０～３．１１
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１２５．７３８ｍｍ
Ｆｇｓ－４９．０９ｍｍ
Ｆｇ１－２９．４６３ｍｍ
Ｆｇ２５３．６７０ｍｍ
Ｆｇ３６９．９５８ｍｍ

【0121】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2400.0000
L01 1* -42.2699 4.0000 1.53504 55.711
2* -87.7601 0.1000
L02 3 51.6807 1.8158 1.48749 70.236
4 31.4124 18.0875
L03 5 -82.2390 2.5000 1.56883 56.364
6 58.6579 可変間隔1
L04 7 137.0761 4.0000 1.84666 23.778
8 2014.7060 3.2905
L05 9 80.1117 8.3144 1.80100 34.967
L06 10 -50.7030 2.3100 1.84666 23.778
11 -190.1780 可変間隔2
L07 12 51.2319 4.4907 1.62299 58.166
13 -289.1790 可変間隔3
31 14 1.00E+18 0.7652
L08 15 -73.8655 1.2000 1.57135 52.952
L09 16 21.4786 2.4968 1.62041 60.290
17 42.3981 可変間隔4
L10 18 296.9137 3.1997 1.60311 60.641
19 -48.3909 可変間隔5
L11 20 -39.3149 1.2000 1.72825 28.461
L12 21 59.4910 5.2426 1.49700 81.546
22 -31.0013 可変間隔6
L13 23 -24.5907 1.4550 1.71736 29.518
L14 24 72.1540 7.5766 1.49700 81.546
25 -36.7772 可変間隔7
L15 26 438.6982 5.9815 1.80810 22.761
27 -51.2980 可変間隔8
L16 28 59.1826 6.6496 1.49700 81.546
29 -240.1480 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18 0.0000
18 32 1.00E+18 11.8300

【0122】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0123】

広角端望遠端
可変間隔１ 26.1400 3.9900
可変間隔２ 25.6800 0.4000
可変間隔３ 4.1000 25.7800
可変間隔４ 10.8800 1.0000
可変間隔５ 1.4300 2.2500
可変間隔６ 0.8000 7.4100
可変間隔７ 2.6800 1.7900
可変間隔８ 0.3900 29.4800

【0124】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0125】

面番号 1 2
Ｒ -42.2699 -87.7601
コーニック定数(K) -17.7508 -100.0000
4次の係数 2.220515E-05 2.868826E-05
6次の係数 -3.435636E-08 -3.754573E-08
8次の係数 3.817514E-11 2.613379E-11
10次の係数 -2.647810E-14 5.142597E-15
12次の係数 1.056591E-17 -1.849835E-17
14次の係数 -1.819882E-21 8.139862E-21

【0126】

ここで、本例の投写光学系３Ｃは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0127】

本例では、
Ｆ１２５．７３８ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．０９４であり、条件式（１）を満たす。

【0128】

本例では、
Ｆｇｓ－４９．０９ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－２．０９であり、条件式（２）を満たす。

【0129】

【0130】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－２９．４６３ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．２５であり、条件式（４）を満たす。

【0131】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２５３．６７０ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝２．２８２であり、条件式（５）を満たす。

【0132】

本例では、
Ｆｇ２５３．６７０ｍｍ
Ｆｇ３６９．９５８ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝０．７６７であり、条件式（６）を満たす。

【0133】

【0134】

本例では、Ｎｄ２＝１．８４７であり、条件式（８）を満たす。

【0135】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｃは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0136】

本例の投写光学系３Ｃは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0137】

図１３は、投写光学系３Ｃの広角端におけるコマ収差を示す図である。図１４は、投写光学系３Ｃの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図１５は、投写光学系３Ｃの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図１６は、投写光学系３Ｃの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図１４～図１６に示すように、本例の投写光学系３Ｃでは、諸収差が抑制されている。

【0138】

［実施例４］
図１７は、実施例４の投写光学系３Ｄの光線図である。図１７に示すように、投写光学系３Ｄは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、正のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、正のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、正のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｄは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。

【0139】

【0140】

第２レンズ群Ｇ２は、１枚のレンズＬ４からなる。レンズＬ４は、正のパワーを有する。レンズＬ４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。第３レンズ群Ｇ３は、２枚のレンズＬ５～Ｌ６からなる。レンズＬ５（正レンズ、第１レンズ）は、正のパワーを有する。レンズＬ５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ６は、負のパワーを有する。レンズＬ６（負レンズ、第２レンズ）は、メニスカスレンズである。レンズＬ６は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ５およびレンズＬ６は、接合された接合レンズＬ２１である。第４レンズ群Ｇ４は、１枚のレンズＬ７からなる。レンズＬ７は、正のパワーを有する。レンズＬ７は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0141】

第５レンズ群Ｇ５は、２枚のレンズＬ８～Ｌ９からなる。レンズＬ８～Ｌ９は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ９は、正のパワーを有する。レンズＬ９は、メニスカスレンズである。レンズＬ９は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ８およびレンズＬ９は、接合された接合レンズＬ２２である。第６レンズ群Ｇ６は、１枚のレンズＬ１０からなる。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0142】

【0143】

第８レンズ群Ｇ８は、３枚のレンズＬ１３～Ｌ１５からなる。レンズＬ１３～Ｌ１５は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１３は、負のパワーを有する。レンズＬ１３は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１４は、正のパワーを有する。レンズＬ１４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１３およびレンズＬ１４は、接合された接合レンズＬ２４である。レンズＬ１５は、正のパワーを有する。レンズＬ１５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0144】

第９レンズ群Ｇ９は、１枚のレンズＬ１６からなる。レンズＬ１６は、正のパワーを有する。レンズＬ１６は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0145】

【0146】

投写光学系３Ｄにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。

【0147】

投写光学系３Ｄは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0148】

投写光学系３ＤのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（７枚のレンズＬ１～Ｌ７）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｄのデータは以下のとおりである。

【0149】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．２０～２．９０
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１２７．６１７ｍｍ
Ｆｇｓ－５４．７９ｍｍ
Ｆｇ１－３０．５１９ｍｍ
Ｆｇ２１５６．２１０ｍｍ
Ｆｇ３７９．３４９ｍｍ

【0150】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2400.0000
L01 1* -47.6547 4.0000 1.53504 55.711
2* -95.3407 0.1000
L02 3 47.6647 1.6450 1.48749 70.236
4 29.9552 14.7864
L03 5 -75.2274 2.5000 1.57135 52.952
6 58.6628 可変間隔1
L04 7 170.7181 4.0000 1.84666 23.778
8 -604.2360 可変間隔2
L05 9 76.6923 11.2189 1.80100 34.967
L06 10 -53.5985 1.2000 1.84666 23.778
11 -270.0010 可変間隔3
L07 12 56.3570 4.3176 1.62299 58.166
13 -252.2550 可変間隔4
31 14 1.00E+18 1.9787
L08 15 -81.1194 1.2000 1.57135 52.952
L09 16 19.5777 3.0074 1.60311 60.641
17 48.0177 可変間隔5
L10 18 270.4008 2.1261 1.62041 60.290
19 -92.4801 可変間隔6
L11 20 -50.7571 2.0150 1.71736 29.518
L12 21 54.9961 5.4964 1.49700 81.546
22 -29.3709 可変間隔7
L13 23 -24.5998 3.5783 1.71736 29.518
L14 24 79.6962 6.9588 1.49700 81.546
25 -37.7482 0.1000
L15 26 239.4948 6.0629 1.80810 22.761
27 -55.2129 可変間隔8
L16 28 54.3293 6.1172 1.49700 81.546
29 -636.2420 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18 0.0000
18 32 1.00E+18 11.8624

【0151】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0152】

広角端望遠端
可変間隔１ 22.4700 4.6100
可変間隔２ 10.4400 1.4600
可変間隔３ 22.5200 0.4000
可変間隔４ 2.4600 25.0000
可変間隔５ 10.9500 1.5000
可変間隔６ 1.7900 2.1400
可変間隔７ 0.6400 6.2600
可変間隔８ 0.1000 30.0000

【0153】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0154】

面番号 1 2
Ｒ -47.6547 -95.3407
コーニック定数(K) -19.3545 -100.0000
4次の係数 2.124963E-05 2.550879E-05
6次の係数 -3.169335E-08 -3.151684E-08
8次の係数 3.367682E-11 1.534206E-11
10次の係数 -2.146961E-14 1.748011E-14
12次の係数 7.688045E-18 -2.621090E-17
14次の係数 -1.002380E-21 1.100578E-20

【0155】

ここで、本例の投写光学系３Ｄは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0156】

本例では、
Ｆ１２７．６１７ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．１７４であり、条件式（１）を満たす。

【0157】

本例では、
Ｆｇｓ－５４．７９ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－２．３３であり、条件式（２）を満たす。

【0158】

【0159】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－３０．５１９ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．３０であり、条件式（４）を満たす。

【0160】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２１５６．２１０ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝６．６４２であり、条件式（５）を満たす。

【0161】

本例では、
Ｆｇ２１５６．２１０ｍｍ
Ｆｇ３７９．３４９ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝１．９６９であり、条件式（６）を満たす。

【0162】

【0163】

本例では、Ｎｄ２＝１．８４７であり、条件式（８）を満たす。

【0164】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｄは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0165】

本例の投写光学系３Ｄは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0166】

図１８は、投写光学系３Ｄの広角端におけるコマ収差を示す図である。図１９は、投写光学系３Ｄの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図２０は、投写光学系３Ｄの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図２１は、投写光学系３Ｄの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図１８～図２１に示すように、本例の投写光学系３Ｄでは、諸収差が抑制されている。

【0167】

［実施例５］
図２２は、実施例５の投写光学系３Ｅの光線図である。図２２に示すように、投写光学系３Ｅは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、負のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、正のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、正のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、負のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｅは、第３レンズ群Ｇ３および第４レンズ群Ｇ４の間に配置された開口絞り３１を有する。より具体的には、開口絞り３１は、第４レンズ群Ｇ４の内側に配置されている。

【0168】

【0169】

【0170】

第４レンズ群Ｇ４は、２枚のレンズＬ８～Ｌ９からなる。レンズＬ８～Ｌ９は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、メニスカスレンズである。レンズＬ８は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ９は、負のパワーを有する。レンズＬ９は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。開口絞り３１は、レンズＬ８とレンズＬ９との間に配置されている。

【0171】

第５レンズ群Ｇ５は、１枚のレンズＬ１０からなる。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、メニスカスレンズである。レンズＬ１０は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。

【0172】

【0173】

【0174】

【0175】

【0176】

投写光学系３Ｅにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。

【0177】

投写光学系３Ｅは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0178】

投写光学系３ＥのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（８枚のレンズＬ１～Ｌ８）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｅのデータは以下のとおりである。

【0179】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．３５～２．８７
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１３２．６５３ｍｍ
Ｆｇｓ－３６．２１ｍｍ
Ｆｇ１－３２．０４７ｍｍ
Ｆｇ２６０．４３１ｍｍ
Ｆｇ３７６．９６５ｍｍ

【0180】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2390.0000
L01 1* 20.2344 2.8296 1.53504 55.711
2* 12.2674 13.4331
L02 3 88.8105 2.0000 1.48749 70.236
4 48.7683 10.3304
L03 5 -77.3188 1.2000 1.51584 63.162
6 466.4574 可変間隔1
L04 7 209.0301 3.4556 1.74950 35.333
8 -236.7410 3.9992
L05 9 91.1441 7.3103 1.72047 34.708
L06 10 -56.6231 2.5000 1.75505 27.586
11 -251.9710 可変間隔2
L07 12 56.7573 3.7295 1.60351 61.224
13 -254.2790 可変間隔3
L08 14 54.2293 1.2000 1.49700 81.546
31 15 35.7542 2.5048
L09 16 -68.6194 1.2000 1.56908 52.653
17 39.6637 可変間隔4
L10 18 38.1230 2.7298 1.62226 59.954
19 392.3853 可変間隔5
L11 20 -255.0530 1.2000 1.75520 27.580
L12 21 37.2785 7.0694 1.49700 81.546
22 -37.6510 可変間隔6
L13 23 -26.9756 1.2000 1.72989 28.693
L14 24 89.1130 7.9222 1.49700 81.546
25 -36.4487 可変間隔7
L15 26 200.5031 5.7005 1.80810 22.761
27 -63.3241 可変間隔8
L16 28 54.2581 5.8899 1.43875 94.661
29 -758.8300 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18 0.0000
18 32 1.00E+18 11.8287

【0181】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0182】

広角端望遠端
可変間隔１ 31.5800 3.5000
可変間隔２ 17.1200 1.0000
可変間隔３ 0.1000 22.8700
可変間隔４ 1.1900 0.7900
可変間隔５ 16.8500 1.6700
可変間隔６ 1.5400 14.3100
可変間隔７ 0.1100 0.2700
可変間隔８ 0.1000 24.5400

【0183】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0184】

面番号 1 2
Ｒ 20.2344 12.2674
コーニック定数(K) -3.5135 -0.8392
4次の係数 -3.982168E-05 -9.719805E-05
6次の係数 1.763340E-07 3.777594E-07
8次の係数 -4.892525E-10 -1.380270E-09
10次の係数 9.480933E-13 4.491765E-12
12次の係数 -1.297511E-15 -1.306456E-14
14次の係数 1.242310E-18 3.006711E-17
16次の係数 -8.078447E-22 -4.744525E-20
18次の係数 3.283094E-25 4.385511E-23
20次の係数 -6.407864E-29 -1.766523E-26

【0185】

ここで、本例の投写光学系３Ｅは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0186】

本例では、
Ｆ１３２．６５３ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．３８８であり、条件式（１）を満たす。

【0187】

本例では、
Ｆｇｓ－３６．２１ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－１．５４であり、条件式（２）を満たす。

【0188】

【0189】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－３２．０４７ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．３６であり、条件式（４）を満たす。

【0190】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２６０．４３１ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝２．５６９であり、条件式（５）を満たす。

【0191】

本例では、
Ｆｇ２６０．４３１ｍｍ
Ｆｇ３７６．９６５ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝０．７８５であり、条件式（６）を満たす。

【0192】

本例では、
Ｎｄ１１．７２０
Ｎｄ２１．７５５
Ｖｄ１３４．７０８
Ｖｄ２２７．５８６
である。よって、｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＝１１．３００であり、条件式（７）を満たす。

【0193】

本例では、Ｎｄ２＝１．７５５であり、条件式（８）を満たす。

【0194】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｅは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0195】

本例の投写光学系３Ｅは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0196】

図２３は、投写光学系３Ｅの広角端におけるコマ収差を示す図である。図２４は、投写光学系３Ｅの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図２５は、投写光学系３Ｅの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図２６は、投写光学系３Ｅの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図２３～図２６に示すように、本例の投写光学系３Ｅでは、諸収差が抑制されている。

【0197】

［実施例６］
図２７は、実施例６の投写光学系３Ｆの光線図である。図２７に示すように、投写光学系３Ｆは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、正のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、正のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、正のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｆは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。より具体的には、開口絞り３１は、第５レンズ群Ｇ５の内側に配置されている。

【0198】

【0199】

【0200】

第５レンズ群Ｇ５は、２枚のレンズＬ８～Ｌ９からなる。レンズＬ８～Ｌ９は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、メニスカスレンズである。レンズＬ８は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ９は、負のパワーを有する。レンズＬ９は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。開口絞り３１は、レンズＬ８とレンズＬ９との間に配置されている。

【0201】

第６レンズ群Ｇ６は、１枚のレンズＬ１０からなる。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、メニスカスレンズである。レンズＬ１０は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。

【0202】

【0203】

第８レンズ群Ｇ８は、３枚のレンズＬ１３～Ｌ１５からなる。レンズＬ１３～Ｌ１５は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ１３は、負のパワーを有する。レンズＬ１３は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１４は、正のパワーを有する。レンズＬ１４は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズＬ１３およびレンズＬ１４は、接合された接合レンズＬ２３である。レンズＬ１５は、正のパワーを有する。レンズＬ１５は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。

【0204】

【0205】

【0206】

投写光学系３Ｆにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。

【0207】

投写光学系３Ｆは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0208】

投写光学系３ＦのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（８枚のレンズＬ１～Ｌ８）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｆのデータは以下のとおりである。

【0209】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．３３～２．８８
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１３１．３２４ｍｍ
Ｆｇｓ－３６．７０ｍｍ
Ｆｇ１－３２．１４６ｍｍ
Ｆｇ２１３８．５２０ｍｍ
Ｆｇ３１０７．２６２ｍｍ

【0210】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2390.0000
L01 1* 20.0458 2.7981 1.53504 55.711
2* 12.2186 13.4460
L02 3 87.8779 2.0000 1.48749 70.236
4 48.0463 10.2888
L03 5 -71.6094 1.2000 1.51434 67.651
6 972.1127 可変間隔1
L04 7 217.3140 3.4567 1.74950 35.333
8 -199.7172 可変間隔2
L05 9 99.5045 7.4687 1.72047 34.708
L06 10 -51.2689 2.1882 1.75520 27.580
11 -268.6169 可変間隔3
L07 12 57.0394 3.7975 1.60381 60.996
13 -216.9517 可変間隔4
L08 14 42.4128 1.2000 1.49877 64.061
31 15 31.5674 2.6526
L09 16 -72.3615 1.2000 1.56839 60.206
17 37.2788 可変間隔5
L10 18 35.3459 2.7079 1.62353 59.703
19 188.6762 可変間隔6
L11 20 -221.0245 1.2000 1.75520 27.580
L12 21 38.1236 7.2028 1.49700 81.546
22 -36.2941 可変間隔7
L13 23 -26.9669 1.2000 1.73019 28.667
L14 24 86.1976 7.8766 1.49700 81.546
25 -36.6618 0.1042
L15 26 202.9524 5.7388 1.80810 22.761
27 -63.5908 可変間隔8
L16 28 53.4373 6.1731 1.43875 94.661
29 -626.3333 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18 0.0000
18 32 1.00E+18 11.8300

【0211】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0212】

広角端望遠端
可変間隔１ 31.4100 3.4100
可変間隔２ 3.9000 4.5100
可変間隔３ 17.1100 1.0000
可変間隔４ 0.1000 22.8700
可変間隔５ 1.0650 0.7610
可変間隔６ 16.9600 1.6100
可変間隔７ 1.4500 13.9900
可変間隔８ 0.1000 24.5700

【0213】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0214】

面番号 1 2
Ｒ 20.0458 12.2186
コーニック定数(K) -3.4621 -0.8387
4次の係数 -3.973372E-05 -9.739418E-05
6次の係数 1.764911E-07 3.777112E-07
8次の係数 -4.895007E-10 -1.379045E-09
10次の係数 9.480503E-13 4.489673E-12
12次の係数 -1.297442E-15 -1.306716E-14
14次の係数 1.242370E-18 3.007133E-17
16次の係数 -8.077884E-22 -4.747110E-20
18次の係数 3.282877E-25 4.393617E-23
20次の係数 -6.414240E-29 -1.773577E-26

【0215】

ここで、本例の投写光学系３Ｆは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0216】

本例では、
Ｆ１３１．３２４ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．３３２であり、条件式（１）を満たす。

【0217】

本例では、
Ｆｇｓ－３６．７０ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－１．５６であり、条件式（２）を満たす。

【0218】

【0219】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－３２．１４６ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．３７であり、条件式（４）を満たす。

【0220】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２１３８．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝５．８８９であり、条件式（５）を満たす。

【0221】

本例では、
Ｆｇ２１３８．５２０ｍｍ
Ｆｇ３１０７．２６２ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝１．２９１であり、条件式（６）を満たす。

【0222】

本例では、
Ｎｄ１１．７２０
Ｎｄ２１．７５５
Ｖｄ１３４．７０８
Ｖｄ２２７．５８０
である。よって、｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＝１１．３０６であり、条件式（７）を満たす。

【0223】

本例では、Ｎｄ２＝１．７５５であり、条件式（８）を満たす。

【0224】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｆは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0225】

本例の投写光学系３Ｆは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0226】

図２８は、投写光学系３Ｆの広角端におけるコマ収差を示す図である。図２９は、投写光学系３Ｆの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図３０は、投写光学系３Ｆの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図３１は、投写光学系３Ｆの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図２８～図３１に示すように、本例の投写光学系３Ｆでは、諸収差が抑制されている。

【0227】

［実施例７］
図３２は、実施例７の投写光学系３Ｇの光線図である。図３２に示すように、投写光学系３Ｇは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、正のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、正のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、負のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｇは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。より具体的には、開口絞り３１は、第５レンズ群Ｇ５の内側に配置されている。

【0228】

【0229】

【0230】

第５レンズ群Ｇ５は、３枚のレンズＬ８～Ｌ１０からなる。レンズＬ８～Ｌ１０は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、メニスカスレンズである。レンズＬ８は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ９は、負のパワーを有する。レンズＬ９は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、メニスカスレンズである。レンズＬ１０は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。開口絞り３１は、レンズＬ８とレンズＬ９との間に配置されている。

【0231】

【0232】

【0233】

【0234】

【0235】

投写光学系３Ｇにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。

【0236】

投写光学系３Ｇは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0237】

投写光学系３ＧのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（８枚のレンズＬ１～Ｌ８）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｇのデータは以下のとおりである。

【0238】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．３５～２．８５
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１３３．３１７ｍｍ
Ｆｇｓ－８２．６１ｍｍ
Ｆｇ１－３２．１１６ｍｍ
Ｆｇ２１４３．８６４ｍｍ
Ｆｇ３１００．１１７ｍｍ

【0239】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2390.0000
L01 1* 20.1301 2.8463 1.53504 55.711
2* 12.2359 13.3811
L02 3 88.8167 2.0000 1.48749 70.236
4 48.5410 10.3274
L03 5 -79.2914 1.2274 1.51542 67.551
6 413.2381 可変間隔1
L04 7 209.1647 3.5012 1.74587 39.944
8 -221.1640 可変間隔2
L05 9 91.1381 7.4613 1.72047 34.708
L06 10 -58.4609 1.6156 1.75393 28.228
11 -279.2460 可変間隔3
L07 12 56.8285 3.8324 1.60418 60.915
13 -245.0030 可変間隔4
L08 14 55.5021 1.2000 1.49700 81.546
31 15 35.4724 2.5386
L09 16 -65.9979 1.2000 1.56801 54.591
17 42.8589 1.4187
L10 18 40.4976 2.6818 1.62392 59.628
19 542.9665 可変間隔5
L11 20 -246.1490 1.2000 1.75520 27.580
L12 21 37.6621 7.1391 1.49700 81.546
22 -37.1400 可変間隔6
L13 23 -27.1235 1.2000 1.72990 28.681
L14 24 87.9931 7.8816 1.49700 81.546
25 -36.7091 可変間隔7
L15 26 198.5995 5.6821 1.80810 22.761
27 -63.8884 可変間隔8
L16 28 53.9192 5.8708 1.43875 94.661
29 -910.9640 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18 0.0000
18 32 1.00E+18 11.8300

【0240】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0241】

広角端望遠端
可変間隔１ 31.6900 3.4300
可変間隔２ 4.2000 3.9400
可変間隔３ 17.2000 1.0000
可変間隔４ 0.1000 22.8600
可変間隔５ 16.9000 1.6900
可変間隔６ 1.5000 14.3500
可変間隔７ 0.1100 0.4200
可変間隔８ 0.1000 24.5600

【0242】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0243】

面番号 1 2
Ｒ 20.1301 12.2359
コーニック定数(K) -3.4871 -0.8445
4次の係数 -4.013925E-05 -9.773576E-05
6次の係数 1.764436E-07 3.793081E-07
8次の係数 -4.891010E-10 -1.383170E-09
10次の係数 9.481087E-13 4.491488E-12
12次の係数 -1.297609E-15 -1.304884E-14
14次の係数 1.242138E-18 3.005649E-17
16次の係数 -8.078438E-22 -4.745170E-20
18次の係数 3.285837E-25 4.380567E-23
20次の係数 -6.419826E-29 -1.758697E-26

【0244】

ここで、本例の投写光学系３Ｇは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0245】

本例では、
Ｆ１３３．３１７ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．４１７であり、条件式（１）を満たす。

【0246】

本例では、
Ｆｇｓ－８２．６１ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－３．５１であり、条件式（２）を満たす。

【0247】

【0248】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－３２．１１６ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．３７であり、条件式（４）を満たす。

【0249】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２１４３．８６４ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝６．１１７であり、条件式（５）を満たす。

【0250】

本例では、
Ｆｇ２１４３．８６４ｍｍ
Ｆｇ３１００．１１７ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝１．４３７であり、条件式（６）を満たす。

【0251】

本例では、
Ｎｄ１１．７２０
Ｎｄ２１．７５４
Ｖｄ１３４．７０８
Ｖｄ２２８．２２８
である。よって、｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＝１０．２０５であり、条件式（７）を満たす。

【0252】

本例では、Ｎｄ２＝１．７５４であり、条件式（８）を満たす。

【0253】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｇは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0254】

本例の投写光学系３Ｇは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0255】

図３３は、投写光学系３Ｇの広角端におけるコマ収差を示す図である。図３４は、投写光学系３Ｇの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図３５は、投写光学系３Ｇの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図３６は、投写光学系３Ｇの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図３３～図３６に示すように、本例の投写光学系３Ｇでは、諸収差が抑制されている。

【0256】

［実施例８］
図３７は、実施例８の投写光学系３Ｈの光線図である。図３７に示すように、投写光学系３Ｈは、拡大側から縮小側に向かって順に、負のパワーを有する第１レンズ群Ｇ１、正のパワーを有する第２レンズ群Ｇ２、正のパワーを有する第３レンズ群Ｇ３、負のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４、負のパワーを有する第５レンズ群Ｇ５、正のパワーを有する第６レンズ群Ｇ６、負のパワーを有する第７レンズ群Ｇ７、正のパワーを有する第８レンズ群Ｇ８および正のパワーを有する第９レンズ群Ｇ９からなる。投写光学系３Ｈは、第４レンズ群Ｇ４および第５レンズ群Ｇ５の間に配置された開口絞り３１を有する。

【0257】

【0258】

【0259】

第３レンズ群Ｇ３は、１枚のレンズＬ７からなる。レンズＬ７は、正のパワーを有する。レンズＬ７は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。第４レンズ群Ｇ４は、１枚のレンズＬ８からなる。レンズＬ８は、負のパワーを有する。レンズＬ８は、メニスカスレンズである。レンズＬ８は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。

【0260】

第５レンズ群Ｇ５は、２枚のレンズＬ９～Ｌ１０からなる。レンズＬ９～Ｌ１０は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズＬ９は、負のパワーを有する。レンズＬ９は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズＬ１０は、正のパワーを有する。レンズＬ１０は、メニスカスレンズである。レンズＬ１０は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。

【0261】

【0262】

【0263】

【0264】

【0265】

投写光学系３Ｈにおいて、第９レンズ群Ｇ９のレンズＬ１６より縮小側は、テレセントリックである。

【0266】

投写光学系３Ｈは、ズームレンズであり、画角を広角端と望遠端との間で変化させる。投写光学系３は、変倍時には、第１レンズ群Ｇ１および第９レンズ群Ｇ９は固定され、第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は光軸Ｎに沿って移動する。第２レンズ群Ｇ２、第３レンズ群Ｇ３、第４レンズ群Ｇ４、第５レンズ群Ｇ５、第６レンズ群Ｇ６、第７レンズ群および第８レンズ群Ｇ８は、広角端から望遠端に変倍する際に、それぞれ、光軸Ｎに沿って縮小側から拡大側に移動する。本例では、ズーム比は、約２．０８倍である。

【0267】

投写光学系３ＨのＦナンバーをＦＮｏとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、ズーム比をＺとし、バックフォーカスをＢＦとし、レンズ全長（レンズＬ１の物体側の面からレンズＬ１６の縮小側の面までの距離）をＬＬとし、液晶パネル１８の最大像高をＩＨと、開口絞り３１より拡大側に配置された全てのレンズ（８枚のレンズＬ１～Ｌ８）の、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、開口絞り３１に最も近い位置に配置された負のパワーを有する第４レンズ群Ｇ４の焦点距離をＦｇｓとし、第１レンズ群Ｇ１の焦点距離をＦｇ１とすると、第２レンズ群Ｇ２の焦点距離をＦｇ２とし、第３レンズ群Ｇ３の焦点距離をＦｇ３とすると、投写光学系３Ｈのデータは以下のとおりである。

【0268】

ＦＮｏ（広角端～望遠端）２．４０～２．８７
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｔ４８．９６０ｍｍ
Ｚ２．０８２
ＢＦ５２．４８７ｍｍ
ＬＬ１５６．０００ｍｍ
ＩＨ１６．８５０ｍｍ
Ｆ１３３．７８７ｍｍ
Ｆｇｓ－１９５．５３ｍｍ
Ｆｇ１－３２．０５１ｍｍ
Ｆｇ２６１．８２７ｍｍ
Ｆｇ３７４．８５６ｍｍ

【0269】

符号面番号 R D Nd Vd
S 0 1.00E+18 2390.0000
L01 1* 20.1289 2.7927 1.53504 55.711
2* 12.2103 13.3732
L02 3 85.4921 2.0000 1.48749 70.236
4 47.9675 10.3044
L03 5 -78.3723 1.2109 1.51560 67.534
6 436.2567 可変間隔1
L04 7 210.5310 3.4773 1.74950 35.333
8 -229.4780 可変間隔2
L05 9 91.7219 6.3047 1.72047 34.708
L06 10 -59.4167 1.5741 1.75520 27.512
11 -303.9680 可変間隔3
L07 12 55.8241 3.7912 1.60360 60.490
13 -235.2930 可変間隔4
L08 14 60.3098 1.2000 1.49700 81.546
31 15 37.0047 2.4211
L09 16 -69.0355 1.2000 1.56529 47.787
17 38.7743 1.8302
L10 18 38.3477 2.9027 1.62794 48.029
19 2355.7420 可変間隔5
L11 20 -274.2950 1.2000 1.75519 27.580
L12 21 36.0508 7.2041 1.49700 815459.000
22 -38.8026 可変間隔6
L13 23 -27.2281 1.2071 1.73096 28.631
L14 24 87.1251 8.0028 1.49700 81.546
25 -36.8220 可変間隔7
L15 26 199.0360 6.0787 1.80810 22.761
27 -63.8429 可変間隔8
L16 28 55.7768 5.9693 1.43875 94.661
29 -806.5830 5.1000
19 30 1.00E+18 35.5400 1.51680 64.198
31 1.00E+18 0.0000
18 32 1.00E+18 11.8700

【0270】

変倍を行った際の可変間隔１、可変間隔２、可変間隔３、可変間隔４、可変間隔５、可変間隔６、可変間隔７、可変間隔８を以下に示す。

【0271】

広角端望遠端
可変間隔１ 31.7900 3.4400
可変間隔２ 17.3200 1.0000
可変間隔３ 0.1000 22.7400
可変間隔４ 2.4200 3.1600
可変間隔５ 16.9500 1.2400
可変間隔６ 1.6100 14.5200
可変間隔７ 0.1000 0.5500
可変間隔８ 0.1000 24.6000

【0272】

各非球面係数は以下のとおりである。

【0273】

面番号 1 2
Ｒ 20.1289 12.2103
コーニック定数(K) -3.5695 -0.8438
4次の係数 -3.950127E-05 -9.779225E-05
6次の係数 1.756658E-07 3.811875E-07
8次の係数 -4.887410E-10 -1.386252E-09
10次の係数 9.483987E-13 4.489820E-12
12次の係数 -1.297709E-15 -1.304176E-14
14次の係数 1.241896E-18 3.007133E-17
16次の係数 -8.078803E-22 -4.748685E-20
18次の係数 3.287584E-25 4.381519E-23
20次の係数 -6.424307E-29 -1.758420E-26

【0274】

ここで、本例の投写光学系３Ｈは、実施例１の投写光学系３Ａと同様に、条件式（１）～（８）を満たす。

【0275】

本例では、
Ｆ１３３．７８７ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆ１／Ｆｗ＝１．４３７であり、条件式（１）を満たす。

【0276】

本例では、
Ｆｇｓ－１９５．５３ｍｍ
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
である。よって、Ｆｇｓ／Ｆｗ＝－８．３１であり、条件式（２）を満たす。

【0277】

【0278】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ１－３２．０５１ｍｍ
である。よって、Ｆｇ１／Ｆｗ＝－１．３６であり、条件式（４）を満たす。

【0279】

本例では、
Ｆｗ２３．５２０ｍｍ
Ｆｇ２６１．８２７ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｗ＝２．６２９であり、条件式（５）を満たす。

【0280】

本例では、
Ｆｇ２６１．８２７ｍｍ
Ｆｇ３７４．８５６ｍｍ
である。よって、Ｆｇ２／Ｆｇ３＝０．８２６であり、条件式（６）を満たす。

【0281】

本例では、
Ｎｄ１１．７２０
Ｎｄ２１．７５５
Ｖｄ１３４．７０８
Ｖｄ２２７．５１２
である。よって、｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＝１１．４２５であり、条件式（７）を満たす。

【0282】

本例では、Ｎｄ２＝１．７５５であり、条件式（８）を満たす。

【0283】

（作用効果）
本例によれば、投写光学系３Ｈは、実施例１の投写光学系３Ａと同様の構成を備えるので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0284】

本例の投写光学系３Ｈは、条件式（１）～（８）を満たすので、実施例１の投写光学系３Ａと同様の作用効果を得ることができる。

【0285】

図３８は、投写光学系３Ｈの広角端におけるコマ収差を示す図である。図３９は、投写光学系３Ｈの望遠端におけるコマ収差を示す図である。図４０は、投写光学系３Ｈの広角端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図４１は、投写光学系３Ｈの望遠端における球面収差、非点収差、ディストーションを示す図である。図３８～図４１に示すように、本例の投写光学系３Ｈでは、諸収差が抑制されている。

【0286】

［本開示のまとめ］
以下、本開示のまとめを付記する。

【0287】

（付記１）
拡大側から縮小側に向かって順に、第１レンズ群、第２レンズ群、第３レンズ群、第４レンズ群、第５レンズ群、第６レンズ群、第７レンズ群、第８レンズ群および第９レンズ群からなり、
前記第２レンズ群および前記第８レンズ群の間に配置された開口絞りを有し、
前記第１レンズ群は、負のパワーを有するとともに、１枚の非球面レンズを備え、
前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群、前記第８レンズ群および前記第９レンズ群は、それぞれ、球面レンズのみからなり、
変倍時には、前記第１レンズ群および前記第９レンズ群は固定され、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群および前記第８レンズ群は移動することを特徴とする投写光学系。

【0288】

これにより、投写光学系は、非球面レンズが１枚のみの場合であっても、諸収差を良好に補正しつつ、レンズ全長がコンパクトになる。

【0289】

（付記２）
広角端から望遠端へ変倍する際に、前記第２レンズ群、前記第３レンズ群、前記第４レンズ群、前記第５レンズ群、前記第６レンズ群、前記第７レンズ群および前記第８レンズ群は、それぞれ、前記縮小側から前記拡大側に向かって移動することを特徴とする付記１に記載の投写光学系。

【0290】

これにより、変倍時には、第２レンズ群～第８レンズ群のみが同一方向に移動するので、投写光学系を保持する鏡筒の構造をシンプルにすることができる。

【0291】

（付記３）
前記第２レンズ群、前記第３レンズ群および前記第８レンズ群は、それぞれ、正のパワーを有することを特徴とする付記１または２に記載の投写光学系。

【0292】

これにより、負のパワーを有する第１レンズ群で発生する諸収差を、正のパワーを有する第２レンズ群および第３レンズ群によって、良好に補正することができる。また、第８レンズ群が正のパワーを有するので、投写光学系の縮小側をテレセントリックにさせやすい。

【0293】

（付記４）
前記開口絞りは、前記第３レンズ群および前記第４レンズ群の間、または、前記第４レンズ群および前記第５レンズ群の間に配置されることを特徴とする付記１から３のうち何れか一項に記載の投写光学系。

【0294】

（付記５）
前記開口絞りより前記拡大側に配置された全てのレンズの、広角端における合成焦点距離をＦ１とし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から４のうち何れか一項に記載の投写光学系。
０．８＜Ｆ１／Ｆｗ＜１．６（１）

【0295】

これにより、投写光学系は、開口絞りより拡大側に配置された全てのレンズのレンズ長をコンパクトにしつつ、諸収差を良好に補正することができる。

【0296】

（付記６）
前記開口絞りに最も近い位置に配置された負のパワーを有するレンズ群の焦点距離をＦｇｓとし、広角端における全系の焦点距離をＦｗとすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から５のうち何れか一項に記載の投写光学系。
－９．２＜Ｆｇｓ／Ｆｗ＜０（２）

【0297】

これにより、投写光学系は、像面湾曲および非点収差の発生を抑制することができる。

【0298】

（付記７）
広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、望遠端における全系の焦点距離をＦｔとし、レンズ全長をＬＬとし、縮小側の最大像高をＩＨとすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から６のうち何れか一項に記載の投写光学系。
３．４＜（ＬＬ／ＩＨ）／（Ｆｔ／Ｆｗ）＜４．９（３）

【0299】

これにより、投写光学系は、高いズーム比にしつつ、全系をコンパクトにすることができる。

【0300】

（付記８）
広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、前記第１レンズ群の焦点距離をＦｇ１とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から７のうち何れか一項に記載の投写光学系。
－１．５＜Ｆｇ１／Ｆｗ＜－１．０（４）

【0301】

これにより、投写光学系は、諸収差を良好に補正しつつ、バックフォーカスを確保することができる。

【0302】

（付記９）
広角端における全系の焦点距離をＦｗとし、前記第２レンズ群の焦点距離をＦｇ２とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から８のうち何れか一項に記載の投写光学系。
２．０＜Ｆｇ２／Ｆｗ＜７．５（５）

【0303】

これにより、投写光学系は、小型化しつつ諸収差を良好に補正することができる。

【0304】

（付記１０）
前記第２レンズ群および前記第３レンズ群の少なくとも一方は、正のパワーを有する正レンズと負のパワーを有する負レンズとを含み、
前記第２レンズ群の焦点距離をＦｇ２とし、前記第３レンズ群の焦点距離をＦｇ３とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から９のうち何れか一項に記載の投写光学系。
０．６＜Ｆｇ２／Ｆｇ３＜２．４（６）

【0305】

これにより、投写光学系は、色収差と諸収差を良好に補正することができる。

【0306】

（付記１１）
正のパワーを有する第１レンズおよび負のパワーを有する第２レンズを備えるとともに、前記開口絞りより前記拡大側に配置された接合レンズを有し、
前記第１レンズの屈折率をＮｄ１とし、前記第２レンズの屈折率をＮｄ２とし、前記第１レンズのｄ線のアッベ数をＶｄ１とし、前記第２レンズのｄ線のアッベ数をＶｄ２とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１から１０のうち何れか一項に記載の投写光学系。
１０＜｜（Ｎｄ１×Ｖｄ１）－（Ｎｄ２×Ｖｄ２）｜＜２０（７）

【0307】

これにより、投写光学系は、色収差を良好に補正することができる。

【0308】

（付記１２）
前記第２レンズの屈折率をＮｄ２とすると、次の条件式を満たすことを特徴とする付記１１に記載の投写光学系。
Ｎｄ２＜１．８５（８）

【0309】

これにより、投写光学系は、色収差を良好に補正することができるとともに、レンズ材料のコストを低減することができる。

【0310】

（付記１３）
付記１から１２のうちのいずれか一項に記載の投写光学系と、
前記投写光学系の縮小側共役面に投写画像を形成する画像形成素子と、
を有することを特徴とするプロジェクター。

【符号の説明】

【0311】

１…プロジェクター、２…画像形成部、３・３Ａ・３Ｂ・３Ｃ・３Ｄ・３Ｅ・３Ｆ・３Ｇ・３Ｈ…投写光学系、４…制御部、６…画像処理部、７…表示駆動部、１０…光源、１１…インテグレーターレンズ、１２…インテグレーターレンズ、１３…偏光変換素子、１４…重畳レンズ、１５…ダイクロイックミラー、１６…反射ミラー、１７Ｒ…フィールドレンズ、１７Ｇ…フィールドレンズ、１７Ｂ…フィールドレンズ、１８（１８Ｂ・１８Ｒ・１８Ｇ）…液晶パネル、１９…クロスダイクロイックプリズム、２１…ダイクロイックミラー、２２…リレーレンズ、２３…反射ミラー、２４…リレーレンズ、２５…反射ミラー、３１…開口絞り、Ｇ１…第１レンズ群、Ｇ２…第２レンズ群、Ｇ３…第３レンズ群、Ｇ４…第４レンズ群、Ｇ５…第５レンズ群、Ｇ６…第６レンズ群、Ｇ７…第７レンズ群、Ｇ８…第８レンズ群、Ｇ９…第９レンズ群、Ｌ１～Ｌ１６…レンズ、Ｌ２１～Ｌ２４…接合レンズ、Ｎ…光軸、Ｓ…スクリーン。

【図1】