(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141375
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、及び生体情報測定セット
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1455 20060101AFI20241003BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61B5/1455
A61B5/11 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023052979
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏貴
(72)【発明者】
【氏名】沢渡 彩映
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 佑一
(72)【発明者】
【氏名】小山 文夫
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK01
4C038KL05
4C038KL07
4C038KX01
4C038KY04
4C038VA04
4C038VA15
4C038VB35
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】被験者は、加速度センサーを有する生体情報測定装置を装着するとき、加速度センサーの軸の向きを所望の向きにして装着することが難しい。
【解決手段】生体情報測定装置は、発光部及び受光部を有する検出ユニットと、被験者の体動を検出する慣性センサーと、前記被験者と対向する測定面を有し、前記検出ユニット及び前記慣性センサーを収容する筐体と、を備え、前記測定面の平面視で、前記慣性センサーの軸に平行な平行軸に沿った前記筐体の第1幅は、前記慣性センサーの前記軸と直交する直交軸に沿った前記筐体の第2幅と異なる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部及び受光部を有する検出ユニットと、
被験者の体動を検出する慣性センサーと、
前記被験者と対向する測定面を有し、前記検出ユニット及び前記慣性センサーを収容する筐体と、を備え、
前記測定面の平面視で、前記慣性センサーの軸に平行な平行軸に沿った前記筐体の第1幅は、前記慣性センサーの前記軸と直交する直交軸に沿った前記筐体の第2幅と異なる、
生体情報測定装置。
【請求項2】
前記第1幅は、前記第2幅よりも短い、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
前記測定面は、粘着層を有する、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記測定面と対向する対向面を有し、
前記対向面は、凸状の曲面で構成される、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項5】
前記測定面の平面視で、前記測定面は、楕円形状で構成される、
請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項6】
発光部と受光部とを有する検出ユニット、被験者の体動を検出する慣性センサー、及び前記被験者と対向する測定面を有して前記検出ユニットと前記慣性センサーとを収容する筐体を有する生体情報測定装置と、
前記筐体を覆い、前記被験者に前記生体情報測定装置を押圧する装着具と、
を備え、
前記測定面の平面視で、前記慣性センサーの軸と平行な平行軸に沿った前記筐体の第1幅は、前記慣性センサーの前記軸と直交する直交軸に沿った前記筐体の第2幅と異なる、
生体情報測定セット。
【請求項7】
前記筐体の前記装着具と接触する対向面は、弾性部材で構成される、
請求項6に記載の生体情報測定セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報測定装置、及び生体情報測定セットに関する。
【背景技術】
【0002】
脈波、酸素飽和濃度等の生体情報を測定する生体情報測定装置が知られている。特許文献1には、生体情報測定装置の一例である脈波センサーが記載されている。脈波センサーは、被験者の上腕部、鎖骨近傍、足等に貼り付けられる。脈波センサーは、慣性センサーの一例である加速度センサーを内蔵する。脈波センサーは、加速度センサーの計測結果を制御装置に送信する。制御装置は、加速度センサーの計測結果に基づいて、脈波センサーと心臓との相対的な位置関係等を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被験者は、加速度センサーを有する生体情報測定装置を装着するとき、加速度センサーの軸の向きを所望の向きにして装着することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の生体情報測定装置は、発光部及び受光部を有する検出ユニットと、被験者の体動を検出する慣性センサーと、前記被験者と対向する測定面を有し、前記検出ユニット及び前記慣性センサーを収容する筐体と、を備え、前記測定面の平面視で、前記慣性センサーの軸に平行な平行軸に沿った前記筐体の第1幅は、前記慣性センサーの前記軸と直交する直交軸に沿った前記筐体の第2幅と異なる。
【0006】
本開示の生体情報測定セットは、発光部と受光部とを有する検出ユニット、被験者の体動を検出する慣性センサー、及び前記被験者と対向する測定面を有して前記検出ユニットと前記慣性センサーとを収容する筐体を有する生体情報測定装置と、前記筐体を覆い、前記被験者に前記生体情報測定装置を押圧する装着具と、を備え、前記測定面の平面視で、前記慣性センサーの軸と平行な平行軸に沿った前記筐体の第1幅は、前記慣性センサーの前記軸と直交する直交軸に沿った前記筐体の第2幅と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、測定装置100の概略構成を示している。測定装置100は、人間等の使用者Mの生体情報、もしくは生体情報に係る各種データを測定する。使用者Mは、被験者の一例に対応する。測定装置100は、使用者Mの測定部位に装着されるコイン型の携帯機器である。
図1に示す測定装置100は、一例として使用者Mの上腕部等に貼り付けられる。測定装置100は、脈拍間隔等を含む脈波、酸素飽和濃度等の生体情報を経時的に測定する。脈波間隔は、PPI(Post Pacing Interval)と表される。脈波は、心臓の拍動に連動した血管内の体積の時間変化を示す。酸素飽和濃度は、使用者Mの動脈血液中のヘモグロビンのうち酸素と結合したヘモグロビンの割合を示す。酸素飽和濃度は、使用者Mの呼吸機能を評価する指標である。測定装置100は、脈波、及び酸素飽和濃度以外の生体情報を測定してもよい。測定装置100は、一例として、動脈血中グルコース濃度、動脈血中アルコール濃度等を測定する。測定装置100は、生体情報測定装置の一例に対応する。測定装置100は、ケース1と、電源ボタン2と、を備える。ケース1は、光学検出ユニット3、及びモーションセンサー5を収容する。
【0009】
ケース1は、測定装置100に備えられるユニット等を収容する外装である。ケース1は、光学検出ユニット3、及びモーションセンサー5を収容する。ケース1は、制御ユニット30、メモリー40、バッテリー70等を収容する。制御ユニット30、メモリー40、バッテリー70は、後述される。ケース1は、検出面1a、外装面1b、及び側面1cを有する。ケース1は、筐体の一例に対応する。
【0010】
検出面1aは、使用者Mの測定部位と対向する面である。検出面1aの少なくとも一部は、使用者Mの測定部位と接触する。検出面1aには、光学検出ユニット3が設けられる。検出面1aには、後述する粘着剤層1d等の機能層が設けられてもよい。検出面1aは、測定面の一例に対応する。
【0011】
外装面1bは、検出面1aと対向する面である。外装面1bは、使用者Mが後述するスリーブ200を用いて測定部位に装着するとき、スリーブ200と接触する。外装面1bには、電源ボタン2が設けられる。外装面1bは、対向面の一例に対応する。
【0012】
側面1cは、検出面1aと外装面1bとを接続する。側面1cは、使用者Mが測定装置100を測定部位に装着するときに把持される。側面1cは、外装面1bと一体で構成されてもよい。側面1cは、検出面1aの一部と一体で構成されてもよい。
【0013】
電源ボタン2は、使用者Mによって操作される。電源ボタン2に対して使用者Mが操作すると、測定装置100は、生体情報の測定を開始もしくは終了する。
図1に示す電源ボタン2は、外装面1bに設けられるが、これに限定されない。電源ボタン2は、検出面1aもしくは側面1cに設けられてもよい。
【0014】
光学検出ユニット3は、ケース1の検出面1aに配置される。光学検出ユニット3は、使用者Mの測定部位と対向する位置に配置される。光学検出ユニット3は、生体情報を測定する際に用いられる各種データを取得する。光学検出ユニット3は、検出ユニットの一例に対応する。
【0015】
モーションセンサー5は、使用者Mの体動を検出する。モーションセンサー5は、ケース1の内部に収容される。モーションセンサー5は、使用者Mの動作、姿勢等に係るデータを検出する。
【0016】
図2は、測定装置100の検出面1aの概略構成を示している。
図2は、測定装置100の検出面1aの平面視を示している。検出面1aには、光学検出ユニット3が配置される。光学検出ユニット3は、発光素子ユニット10と、受光素子ユニット20と、を有する。発光素子ユニット10は、発光部の一例に対応する。受光素子ユニット20は、受光部の一例に対応する。
【0017】
発光素子ユニット10は、使用者Mの測定部位に向けて光を発光する。
図2に示す発光素子ユニット10は、3つの発光素子11を有する。3つの発光素子11は、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11b、及び緑色光発光素子11cである。赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11b、及び緑色光発光素子11cは、それぞれ異なる波長域の光を発光する。3つの発光素子11の配列は、適宜設定される。発光素子11の数は、3個に限定されない。2個以下もしくは4個以上の発光素子11が、発光素子ユニット10に設けられてもよい。
【0018】
発光素子11は、ベアチップ型、もしくは砲弾型のLED(Light Emitting Diode)で構成される。発光素子11は、レーザーダイオードで構成されてもよい。発光素子11の構成は、発光する光の波長域に対応して適宜設定される。
【0019】
赤色光発光素子11aは、使用者Mの測定部位に向けて赤色光RLを発光する。赤色光発光素子11aは、600nm~800nmの波長域の赤色光RLを測定部位に向けて発光する。赤色光RLは、一例として、ピーク波長が660nmの光である。
【0020】
赤外光発光素子11bは、使用者Mの測定部位に向けて赤外光NLを発光する。赤外光発光素子11bは、800nm~1300nmの波長域の赤外光NLを測定部位に向けて発光する。赤外光NLは、一例として、ピーク波長が905nmの近赤外光である。
【0021】
緑色光発光素子11cは、使用者Mの測定部位に向けて緑色光GLを発光する。緑色光発光素子11cは、520nm~550nmの波長域の緑色光GLを測定部位に向けて発光する。緑色光GLは、一例として、ピーク波長が520nmの光である。
【0022】
受光素子ユニット20は、発光素子ユニット10で発光された各種光を受光する。受光素子ユニット20は、各種光を受光する受光素子21を有する。受光素子21は、発光素子ユニット10で発光された光の透過光、もしくは反射光を受光する。透過光は、使用者Mを透過した光である。反射光は、使用者Mの内部で反射され、使用者Mの内部を透過した光である。受光素子21は、1または複数のフォトダイオードで構成される。
【0023】
図3は、測定装置100のブロック構成を示している。測定装置100は、ケース1内に各種ユニット等を収容する。測定装置100は、電源ボタン2と、光学検出ユニット3と、モーションセンサー5と、制御ユニット30と、メモリー40と、通信インターフェイス60と、バッテリー70と、を備える。
【0024】
電源ボタン2は、バッテリー70の電力を光学検出ユニット3、制御ユニット30等へ供給もしくは遮断させる。電源ボタン2は、機械式機構でもよいし、ソフトウェアスイッチでもよい。使用者Mは、電源ボタン2に接触することで、検出面1aと外装面1bとを識別することができる。
【0025】
光学検出ユニット3は、各種波長域の光を用いて測定される生体情報に係るデータを検出信号として検出する光学センサーモジュールである。光学検出ユニット3は、発光素子ユニット10と受光素子ユニット20とを備える。
【0026】
発光素子ユニット10は、赤色光発光素子11aと、赤外光発光素子11bと、緑色光発光素子11cと、駆動回路13と、を備える。赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11b、及び緑色光発光素子11cは、それぞれ、使用者Mの測定部位と対向する位置に配置される。発光素子ユニット10は、制御ユニット30の制御によって動作する。
【0027】
駆動回路13は、複数の発光素子11を駆動させる。駆動回路13は、制御ユニット30の制御によって、複数の発光素子11を発光させる。
図3に示す駆動回路13は、赤色光発光素子11a、赤外光発光素子11b、及び緑色光発光素子11cを発光させる。
【0028】
受光素子ユニット20は、受光素子21と、出力回路23と、を備える。受光素子ユニット20は、制御ユニット30の制御によって動作する。受光素子21は、発光素子11で発光され、使用者Mの測定部位で反射された光を受光する。受光素子21は、受光した光の強度に応じた受光信号を生成する。受光素子21は、受光信号を出力回路23に送信する。受光素子21は、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RL、赤外光NL、及び緑色光GLを受光する。受光素子21は、複数の領域に分割される。受光素子21は、図示しない光学フィルターを用いて複数の領域に区画されてもよい。
図3に示す受光素子21は、第1受光エリア21aと、第2受光エリア21bとに分割される。
【0029】
第1受光エリア21aは、赤色光RL、及び赤外光NLを受光する。第1受光エリア21aは、赤色光発光素子11aで発光され、使用者Mの測定部位で反射された赤色光RLを受光する。第1受光エリア21aは、赤外光発光素子11bで発光され、使用者Mの測定部位で反射された赤外光NLを受光する。第1受光エリア21aは、光学フィルターを介して、赤色光RL、赤外光NLの内の少なくとも一方を受光してもよい。第1受光エリア21aは、赤色光RL、及び赤外光NLを時分割で交互に受光してもよい。
【0030】
第2受光エリア21bは、緑色光GLを受光する。第2受光エリア21bは、緑色光発光素子11cで発光され、使用者Mの測定部位で反射された緑色光GLを受光する。第2受光エリア21bは、光学フィルターを介して緑色光GLを受光してもよい。
【0031】
図3に示す受光素子21は、第1受光エリア21aで、赤色光RL、及び赤外光NLを受光するが、これに限定されない。第1受光エリア21a、及び第2受光エリア21bと異なる第3受光エリアが設けられてもよい。第3受光エリアで赤色光RL、もしくは赤外光NLが受光されてもよい。このとき、第3受光エリアで赤外光NLが受光される場合、第1受光エリア21aは、赤色光RLを受光する。受光素子21は、複数の領域に分割されなくてもよい。受光素子21は、時分割で赤色光RL、赤外光NL、及び緑色光GLを受光してもよい。
【0032】
出力回路23は、受光素子21から受信した受光信号に基づく検出信号を生成し、制御ユニット30に出力する。出力回路23は、受光信号に対してアナログ-デジタル変換等の処理を行うことによって検出信号を生成する。出力回路23は、第1受光エリア21aで生成した赤色光受光信号に基づいて赤色光検出信号を生成する。出力回路23は、第1受光エリア21aで生成した赤外光受光信号に基づいて赤外光検出信号を生成する。出力回路23は、第2受光エリア21bで生成した緑色光受光信号に基づいて緑色光検出信号を生成する。
【0033】
出力回路23は、バンドパスフィルター25を有する。バンドパスフィルター25は、受光信号から交流成分を抽出する。バンドパスフィルター25は、受光信号から交流成分を抽出することによって、交流成分と直流成分とに分離する。バンドパスフィルター25は、分離した交流成分と直流成分とを検出信号として制御ユニット30に出力する。
図3に示す測定装置100は、バンドパスフィルター25を有しているが、これに限定されない。出力回路23は、バンドパスフィルター25を有していなくてもよい。
【0034】
制御ユニット30は、各種ユニットの動作を制御する制御コントローラーである。制御ユニット30は、一例として、CPU(Central Processing Unit)を有するプロセッサーである。制御ユニット30は、1又は複数のプロセッサーで構成される。制御ユニット30は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の半導体メモリーを有してもよい。半導体メモリーは、制御ユニット30のワークエリアとして機能する。制御ユニット30は、メモリー40に記憶される制御プログラムCPを実行することによって、検出制御部31、データ処理部33、及び判別部35として機能する。検出制御部31、データ処理部33、及び判別部35は、機能部である。制御ユニット30は、各機能部の制御によって、発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20を動作させる。
【0035】
検出制御部31は、発光素子ユニット10、及び受光素子ユニット20を制御する。検出制御部31は、発光素子ユニット10、及び受光素子ユニット20を動作させる。検出制御部31は、駆動回路13を介して、発光素子11の発光タイミング、消灯タイミング、光量調整等を行う。検出制御部31は、受光素子ユニット20に対して、各種光の受光タイミング、受光時間、デジタルーアナログ変換等を制御する。検出制御部31は、発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20を制御することによって、赤色光検出信号、赤外光検出信号、及び緑色光検出信号を光学検出ユニット3に生成させる。検出制御部31は、判別部35の判別結果に基づいて発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20を制御する。
【0036】
検出制御部31は、モーションセンサー5で検出した検出データを取得してもよい。検出制御部31は、検出データに基づいて、発光素子ユニット10、及び受光素子ユニット20の動作を制御する。検出制御部31は、検出データに基づいて、各発光素子11の発光、もしくは消灯タイミングを制御する。検出制御部31は、検出データに基づいて、各検出信号の出力タイミングを制御する。
【0037】
データ処理部33は、受光素子ユニット20から出力された各検出信号の処理を行う。データ処理部33は、受光素子ユニット20から、赤色光検出信号、赤外光検出信号、及び緑色光検出信号を取得する。
【0038】
データ処理部33は、検出信号に対して短時間フーリエ変換等の時間周波数解析を行う。データ処理部33は、時間周波数解析を行うことによって、検出信号に対して周波数解析を行う。データ処理部33は、検出信号に基づいて、脈波、酸素飽和濃度等の生体情報、もしくは生体情報に係るデータを算出する。データ処理部33は、一例として赤色光検出信号、赤外光検出信号、及び校正データPTを用いて、酸素飽和濃度を算出する。データ処理部33は、緑色光検出信号を用いて、脈波を算出する。データ処理部33は、算出した生体情報を用いて、不整脈、睡眠時無呼吸症候群等の解析を行ってもよい。データ処理部33は、生体情報等の算出データ、解析データ等を通信インターフェイス60を介して外部装置に送信する。データ処理部33は、生体情報等の算出データ、解析データ等をメモリー40に記憶させてもよい。
【0039】
データ処理部33は、モーションセンサー5で検出した検出データを取得してもよい。データ処理部33は、検出データに基づいて、算出データの信頼度、解析データの補正等を行う。
【0040】
判別部35は、モーションセンサー5で検出した検出データを取得する。判別部35は、検出データに基づいて、使用者Mの体動、状態、姿勢等を判別する。判別部35は、検出データを用いて、使用者Mの体動の強度を判別する。判別部35は、検出データを用いて、使用者Mが睡眠中であるか、活動中であるかを判別する。判別部35は、検出データを用いて、使用者Mが起立状態であるか、横臥状態であるか等を判別する。判別部35は、使用者Mの状態に応じた識別信号を通信インターフェイス60等に出力してもよい。
【0041】
メモリー40は、各種データを記憶する。メモリー40は、各種ユニットを動作させる制御データ、制御ユニット30で算出された各種データ等を記憶する。メモリー40は、判別部35等で用いられる各種評価データを記憶してもよい。メモリー40は、データ処理部33で算出された脈波、酸素飽和濃度等を記憶してもよい。メモリー40は、制御ユニット30で動作する制御プログラムCPを記憶する。メモリー40は、データ処理部33で用いられる校正テーブルPTを記憶する。メモリー40は、変換式、もしくは変換テーブルを記憶してもよい。メモリー40は、ROMやRAM等で構成される。
【0042】
制御プログラムCPは、制御ユニット30で実行されることによって、各種機能部を動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット30を検出制御部31、データ処理部33、及び判別部35として動作させる。制御プログラムCPは、制御ユニット30を検出制御部31、データ処理部33、及び判別部35以外の機能部として動作させてもよい。
【0043】
校正テーブルPTは、変動成分振幅比と酸素飽和濃度とを関連付けて記憶するテーブルである。変動成分振幅比は、赤色光透過光量と赤外光透過光量の比率である。赤色光透過光量は、赤色光発光素子11aから発光され、使用者Mの測定部位内を透過して受光素子21に到達する赤色光RLの光量である。赤外光透過光量は、赤外光発光素子11bから発光され、使用者Mの測定部位内を透過して受光素子21に到達する赤外光NLの光量である。赤色光透過光量は、赤色光検出信号に基づいて算出される。赤外光透過光量は、赤外光検出信号に基づいて算出される。校正テーブルPTは、変動成分振幅比と酸素飽和濃度との関係を示している。校正テーブルPTは、予め測定装置100の製造者によって作成される。データ処理部33は、校正テーブルPTを参照することによって、算出された変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を決定する。
【0044】
メモリー40は、校正テーブルPTに代えて、校正式を記憶してもよい。校正式は、変動成分振幅比と酸素飽和濃度との間の関係式である。データ処理部33は、校正式を用いて、算出された変動成分振幅比に対応する酸素飽和濃度を算出する。
【0045】
モーションセンサー5は、使用者Mの体動を検出する。モーションセンサー5は、使用者Mの体動を示す検出データを生成する。モーションセンサー5は、生成した検出データを制御ユニット30に出力する。モーションセンサー5としては、加速度センサー、方位センサー、ジャイロセンサー等が用いられる。モーションセンサー5は、加速度センサーであることが好ましい。加速度センサーは、測定装置100が装着される測定部位の動き、姿勢等を検出する。モーションセンサー5は、慣性センサーの一例に対応する。
【0046】
通信インターフェイス60は、外部装置と通信接続するインターフェイス回路である。通信インターフェイス60は、外部装置と所定のプロトコルに従って、有線、もしくは無線で接続する。通信インターフェイス60は、例えば、有線通信用の接続ポート、無線通信用のアンテナ等を備える。通信インターフェイス60は、外部装置から制御データ、使用者Mに係る情報等を受信する。通信インターフェイス60は、外部装置に脈波、酸素飽和濃度等の生体情報、生体情報に係るデータ等を送信する。通信インターフェイス60は、赤色光検出信号、及び赤外光検出信号等の各種測定データを送信する。通信インターフェイス60は、モーションセンサー5で検出された検出データを外部装置に送信する。
【0047】
バッテリー70は、測定装置100の各種ユニット等に電力を供給する。バッテリー70は、リチウム一次電池、リチウムイオン二次電池等で構成される。バッテリー70は、充電式のリチウムイオン二次電池であることが好ましい。リチウムイオン二次電池は、有線、もしくは無線で充電される。
【0048】
図4は、モーションセンサー5の概略構成を示している。
図4は、モーションセンサー5の一例を示している。モーションセンサー5の構成は、
図4に示す構成に限定されない。モーションセンサー5は、水晶振動子51、錘53、及び固定部材55を有する。
図4は、モーションセンサー5の軸5Aを示している。
【0049】
水晶振動子51は、ばねとして機能する。軸5Aに沿って加速度が加わると、水晶振動子51には、応力が加えられる。水晶振動子51に応力が加えられると、水晶振動子51の共振周波数が変化する。図示しないセンサーが共振周波数の変化を検出することによって、軸5Aに沿った加速度が検出される。
図4に示す水晶振動子51は、水晶双音叉振動子である。水晶双音叉振動子は、2つの音叉振動子を結合して構成される。
【0050】
錘53は、水晶振動子51の一端に接続される。錘53は、水晶振動子51の自由端に配置される。軸5Aに沿って加速度が加えられると、錘53の位置は変動する。錘53の位置が変動することによって、水晶振動子51は軸5Aに沿って振動する。
【0051】
固定部材55は、水晶振動子51の他端を固定する。固定部材55は、軸5Aに沿って錘53を支持する水晶振動子51の一端と反対側の端部である他端を固定する。固定部材55によって固定される水晶振動子51の他端は、固定端となる。固定部材55は、水晶振動子51、及び錘53を収容する収容容器の一部でもよいし、収容容器に支持される支持部材でもよい。
【0052】
軸5Aは、モーションセンサー5によって測定される加速度の向きに対応する仮想軸である。軸5Aの向きが所望の向きに設定されると、使用者Mの姿勢、体動等の測定精度が向上する。
【0053】
モーションセンサー5は、1軸の加速度センサーでもよいし、3軸の加速度センサーでもよい。モーションセンサー5は、6軸の加速度センサーでもよい。3軸の加速度センサー、もしくは6軸の加速度センサーが用いられる場合、軸5Aは、複数軸のうちの1つを示す。
【0054】
図5は、測定装置100の検出面1aの平面視を示している。
図5は、測定装置100の一例である第1測定装置100aを示している。
図5は、ケース1の検出面1a、及び光学検出ユニット3を示している。第1測定装置100aは、モーションセンサー5をケース1内に収容する。
図5は、軸5A、仮想水平線HL、及び仮想垂直線VLを示している。
図5では、光学検出ユニット3内の発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20は省略されている。
【0055】
仮想水平線HLは、モーションセンサー5の軸5Aに平行な仮想軸である。仮想水平線HLは、平行軸の一例に対応する。仮想垂直線VLは、モーションセンサー5の軸5Aと直交する仮想軸である。仮想垂直線VLは、直交軸の一例に対応する。
【0056】
検出面1aの平面視で、ケース1の検出面1aの形状は、楕円形状である。検出面1aの形状は、ケース1の外周形状に対応する。検出面1aは、仮想水平軸HLに沿った第1ケース幅W1で、仮想垂直軸VLに沿った第2ケース幅W2の楕円形状で構成される。第1ケース幅W1は、検出面1aの短径に対応する。第2ケース幅W2は、検出面1aの長径に対応する。第1ケース幅W1は、第2ケース幅W2と異なる。ケース1が
図5に示す形状であることによって、使用者Mは、ケース1内に収容されたモーションセンサー5の軸5Aの向きを確認することができる。使用者Mは、手指で第1測定装置100aを保持するときに、モーションセンサー5の軸5Aの向きを意識することができる。使用者Mは、上腕部等の視認し難い測定位置に第1測定装置100aを装着するとき、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所望の向きにして装着し易くなる。第1ケース幅W1は、第1幅の一例に対応する。第2ケース幅W2は、第2幅の一例に対応する。
【0057】
第1ケース幅W1は、第2ケース幅W2よりも長くてもよいし、短くてもよい。第1ケース幅W1は、第2ケース幅W2よりも短いことが好ましい。使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所定の向きとするときに、ケース1の向きを調整し易い。
【0058】
ケース1の検出面1aの形状が楕円形状で構成されると、ケース1の側面1cが曲面となる。第1測定装置100aが両面テープ等で測定部位に装着される場合、服等に引っ掛かることによって剥離する状況が起こり難くなる。第1ケース幅W1と第2ケース幅W2の寸法比である第1ケース幅W1/第2ケース幅W2は、0.2~0.8の範囲であることが好ましい。第1ケース幅W1/第2ケース幅W2が0.2未満であると、光学検出ユニット3やモーションセンサー5等を収容する空間が小さくなる。第1ケース幅W1/第2ケース幅W2が0.8よりも大きいと、使用者Mがケース1に触れたときにモーションセンサー5の軸5Aの向きが認識し難くなる。
【0059】
第1測定装置100aは、発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20を有する光学検出ユニット3と、使用者Mの体動を検出するモーションセンサー5と、使用者Mと対向する検出面1aを有し、光学検出ユニット3及びモーションセンサー5を収容するケース1と、を備える。検出面1aの平面視で、モーションセンサー5の軸5Aに平行な仮想平行軸HLに沿ったケース1の第1ケース幅W1は、モーションセンサー5の軸5Aと直交する仮想垂直軸VLに沿ったケース1の第2ケース幅W2と異なる。
使用者Mは、第1測定装置100aのモーションセンサー5の軸5Aの向きを所定の向きに装着することが可能となる。
【0060】
第1ケース幅W1は、第2ケース幅W2よりも短いことが好ましい。
使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所定の向きとするときに、ケース1の向きを調整し易い。
【0061】
検出面1aの平面視で、検出面1aは、楕円形状で構成されることが好ましい。
ケース1の側面1cが曲面となり、ケース1が使用者Mの服等に引っ掛かり難くなる。第1測定装置100aは、両面テープ等で測定部位に装着される場合、使用者Mから剥がれ難くなる。
【0062】
図6は、測定装置100の検出面1aの平面視を示している。
図6は、測定装置100の一例である第2測定装置100bの構成を示している。
図6は、ケース1の検出面1a、及び光学検出ユニット3を示している。第2測定装置100bは、モーションセンサー5をケース1内に収容する。
図6は、軸5A、仮想水平線HL、及び仮想垂直線VLを示している。
図6では、光学検出ユニット3内の発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20は省略されている。
【0063】
検出面1aの平面視で、ケース1の検出面1aの形状は、円の一部に切欠きを有する形状である。切欠きは、仮想平行軸HLに直交して設けられる。検出面1aの形状は、ケース1の外周形状に対応する。検出面1aは、仮想水平軸HLに沿った第3ケース幅W3で、仮想垂直軸VLに沿った第4ケース幅W4の形状で構成される。第3ケース幅W3は、第4ケース幅W4と異なる。第3ケース幅W3は、第4ケース幅W4よりも短い。ケース1が
図6に示す形状であることによって、使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aの向きを確認することができる。使用者Mは、手指で第2測定装置100bを保持するときに、モーションセンサー5の軸5Aの向きを意識することができる。使用者Mは、上腕部等の視認し難い測定位置に第2測定装置100bを装着するとき、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所望の向きにして装着し易くなる。第3ケース幅W3は、第1幅の一例に対応する。第4ケース幅W4は、第2幅の一例に対応する。
【0064】
図7は、測定装置100の検出面1aの平面視を示している。
図7は、測定装置100の一例である第3測定装置100cの構成を示している。
図7は、ケース1の検出面1a、及び光学検出ユニット3を示している。第3測定装置100cは、モーションセンサー5をケース1内に収容する。
図7は、軸5A、仮想水平線HL、及び仮想垂直線VLを示している。
図7では、光学検出ユニット3内の発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20は省略されている。
【0065】
検出面1aの平面視で、ケース1の検出面1aの形状は、三角形状である。三角形状のコーナー部はR形状で構成される。検出面1aの形状は、ケース1の外周形状に対応する。検出面1aは、仮想水平軸HLに沿った第5ケース幅W5で、仮想垂直軸VLに沿った第6ケース幅W6の形状で構成される。第5ケース幅W5は、第6ケース幅W6と異なる。第5ケース幅W5は、第6ケース幅W6よりも短い。ケース1が
図7に示す形状であることによって、使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aの向きを確認することができる。使用者Mは、手指で第3測定装置100cを保持するときに、モーションセンサー5の軸5Aの向きを意識することができる。使用者Mは、上腕部等の視認し難い測定位置に第3測定装置100cを装着するとき、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所望の向きにして装着し易くなる。第5ケース幅W5は、第1幅の一例に対応する。第6ケース幅W6は、第2幅の一例に対応する。
【0066】
コーナー部は、R形状で構成されることが好ましい。コーナー部がR形状で構成されることによって、第3測定装置100cが測定部位に装着されたときに、使用者Mに与える違和感が減少する。
【0067】
図8は、測定装置100の検出面1aの平面視を示している。
図8は、測定装置100の一例である第4測定装置100dを示している。
図8は、ケース1の検出面1a、及び光学検出ユニット3を示している。第4測定装置100dは、モーションセンサー5をケース1内に収容する。
図8は、軸5A、第2軸5B、第3軸5C、仮想水平線HL、及び仮想垂直線VLを示している。
図8では、光学検出ユニット3内の発光素子ユニット10及び受光素子ユニット20は省略されている。
【0068】
第4測定装置100dは、モーションセンサー5として、X軸、Y軸、及びZ軸の3軸の加速度センサーを備える。X軸、Y軸、及びZ軸は、それぞれ軸5A、第2軸5B、及び第3軸5Cと表す。軸5A及び第2軸5Bは、検出面1aと平行、もしくは略平行な面上にある。第3軸5Cは、検出面1aと直交する。第2軸5Bは、仮想垂直軸VLに対して平行である。
【0069】
検出面1aの平面視で、ケース1の検出面1aの形状は、楕円形状である。検出面1aの形状は、ケース1の外周形状に対応する。検出面1aは、仮想水平軸HLに沿った第7ケース幅W7で、仮想垂直軸VLに沿った第8ケース幅W8の楕円形状で構成される。第7ケース幅W7は、検出面1aの短径に対応する。第8ケース幅W8は、検出面1aの長径に対応する。第7ケース幅W7は、第8ケース幅W8と異なる。ケース1が
図8に示す形状であることによって、使用者Mは、モーションセンサー5の軸5A及び第2軸5Bの向きを確認することができる。使用者Mは、手指で第4測定装置100dを保持するときに、モーションセンサー5の軸5A及び第2軸5Bの向きを意識することができる。使用者Mは、上腕部等の視認し難い測定位置に第4測定装置100dを装着するとき、モーションセンサー5の軸5A及び第2軸5Bの向きを所望の向きにして装着し易くなる。第7ケース幅W7は、第1幅の一例に対応する。第8ケース幅W8は、第2幅の一例に対応する。
【0070】
図9は、測定装置100の側面1cの平面視を示している。
図9は、測定装置100の一例である第5測定装置100eの概略構成を示している。第5測定装置100eの検出面1aの形状は、第1測定装置100aの形状と同じである。第5測定装置100eの検出面1aの形状は、第2測定装置100bもしくは第3測定装置100cと同じ形状でもよい。
【0071】
第5測定装置100eは、検出面1aの少なくとも一部に粘着剤層1dを有する。粘着剤層1dは、検出面1aの使用者Mの測定部位と接触する位置に設けられる。粘着剤層1dは、光学検出ユニット3と使用者Mの測定部位の間の位置には設けられない。粘着剤層1dは、使用者Mの測定部位に第5測定装置100eを装着させる。粘着剤層1dは、基材と粘着剤とで構成される。基材には、不織布、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン等が用いられる。粘着剤には、アクリル系粘着剤、ゲル粘着剤、合成ゴム系粘着剤等が用いられる。検出面1aに粘着剤層1dが設けられることによって、使用者Mの任意の測定部位に第5測定装置100eが装着可能となる。粘着剤層1dは、粘着層の一例に対応する。
【0072】
検出面1aは、粘着剤層1dを有することが好ましい。
使用者Mは、任意の測定部位に第5測定装置100eを装着することができる。
【0073】
図10は、測定装置100の側面1cの平面視を示している。
図10は、測定装置100の一例である第6測定装置100fの概略構成を示している。第6測定装置100fの検出面1aの形状は、第1測定装置100aと同じ形状である。第6測定装置100fの検出面1aの形状は、第2測定装置100bもしくは第3測定装置100cと同じ形状でもよい。
【0074】
図10は、外装面1bを示している。外装面1bは、凸状の曲面で構成される。第6測定装置100fは、外装面1bを覆うスリーブ200、固定テープ等で使用者Mの測定部位に装着される。スリーブ200は、後述される。外装面1bが凸状の曲面で構成されることによって、スリーブ200等との接触面積が増加する。第6測定装置100fは、使用者Mの測定部位に固定され易くなる。また、外装面1bが曲面で構成されることによって、第6測定装置100fがスリーブ200等に引っ掛かり難くなる。スリーブ200等の弾性によって、第6測定装置100fに余分な応力が掛かって、第6測定装置100fが測定部位から移動することを低減できる。外装面1bは、対向面の一例に対応する。
【0075】
外装面1bは、弾性を有する弾性部材で構成されることが好ましい。スリーブ200等から加えられる応力によって生じる第6測定装置100fの測定部位からのずれが抑えられる。弾性部材には、天然ゴム、アクリロニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が用いられる。
【0076】
ケース1は、検出面1aと対向する外装面1bを有し、外装面1bは、凸状の曲面で構成されることが好ましい。
スリーブ200、固定テープ等が第6測定装置100fの外装面1bを覆って、使用者Mの測定部位に装着するとき、第6測定装置100fが使用者Mの測定部位からずれることが低減される。
【0077】
図11は、使用者Mに装着される測定装置100を示している。
図11は、スリーブ200によって、測定装置100を使用者Mの上腕部に装着する状態を示している。
図11は、スリーブ200の一例である第1スリーブ200a、及び第6測定装置100fを示している。第1スリーブ200aと第6測定装置100fとで、装着セットが構成される。装着セットは生体情報測定セットの一例に対応する。
【0078】
図11は、測定装置100として第6測定装置100fを示しているが、これに限定されない。第6測定装置100fに代えて、第1測定装置100a、第2測定装置100b、第3測定装置100c、及び第4測定装置100dのいずれかが用いられてもよい。スリーブ200に装着される測定装置100として、第6測定装置100fが用いられることが好ましい。スリーブ200は、装着具の一例に対応する。
【0079】
第1スリーブ200aは、第6測定装置100fを使用者Mに装着するときに用いられる。第1スリーブ200aは、第6測定装置100fのケース1の少なくとも1部を覆う。使用者Mが、上腕部、前腕部、下腿部、足部等に第6測定装置100fを装着するときに、第1スリーブ200aは、用いられる。第1スリーブ200aは、円筒状の部材である。第1スリーブ200aは、使用者Mの測定部位に装着すると、内側に向けて押圧する押圧力を発生させる。第1スリーブ200aは、押圧力によって、第6測定装置100fを測定部位に固定する。
【0080】
第1スリーブ200aは、第6測定装置100fのケース1を覆って、使用者Mの測定部位に第6測定装置100fを押圧する。第1ケース幅W1と第2ケース幅W2とが異なる第6測定装置100fが用いられることによって、使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所定の方向に合わせることができる。使用者Mは、一例として、第1ケース幅W1に対応する仮想水平軸HLを上腕部の長手方向に合わせる。使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aを、上腕部の長手方向と一致もしくは略一致させることができる。使用者Mは、第2ケース幅W2に対応する仮想垂直軸VLを上腕部の周方向に合わせる。使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aを、上腕部の長手方向と一致もしくは略一致させることができる。使用者Mは、第6測定装置100fを直接視認できない状態で、モーションセンサー5の軸5Aを、上腕部の長手方向と一致もしくは略一致させることができる。
【0081】
装着セットは、第6測定装置100fと第1スリーブ200aとを備える。第6測定装置100fは、発光素子ユニット10と受光素子ユニット20とを有する光学検出ユニット3、使用者Mの体動を検出するモーションセンサー5、及び使用者Mと対向する検出面1aを有して光学検出ユニット3とモーションセンサー5とを収容するケース1を有する。第1スリーブ200aは、ケース1を覆い、使用者Mに第6測定装置100fを押圧する。検出面1aの平面視で、モーションセンサー5の軸5Aと平行な仮想平行軸HLに沿ったケース1の第1ケース幅W1は、モーションセンサー5の軸5Aと直交する仮想垂直軸VLに沿ったケース1の第2ケース幅W2と異なる。
使用者Mは、モーションセンサー5の軸5Aの向きを所定の方向に合わせることができる。使用者Mは、第6測定装置100fを直接視認できない状態で、モーションセンサー5の軸5Aを、上腕部の長手方向と一致もしくは略一致させることができる。
【0082】
ケース1の第1スリーブ200aと接触する外装面1bは、弾性部材で構成されることが好ましい。
スリーブ200から加えられる応力によって生じる第6測定装置100fの測定部位からのずれが抑えられる。
【0083】
図12は、使用者Mに装着される測定装置100を示している。
図12は、スリーブ200によって、測定装置100を使用者Mの上腕部に装着する状態を示している。
図12は、スリーブ200の一例である第2スリーブ200b、及び第1測定装置100aを示している。
図12では、第2スリーブ200bと第1測定装置100aとで、装着セットが構成される。
【0084】
図12は、測定装置100として第1測定装置100aを示しているが、これに限定されない。第1測定装置100aに代えて、第2測定装置100b、第3測定装置100c、第4測定装置100d、第5測定装置100e、及び第6測定装置100fのいずれかが用いられてもよい。
【0085】
第2スリーブ200bは、第1測定装置100aを使用者Mに装着するときに用いられる。第2スリーブ200bは、第1測定装置100aを挿入可能なポケット210を有する。ポケット210は、第1測定装置100aを保持する。ポケット210の形状は、第1測定装置100aの形状と一致もしくは略一致する。第1測定装置100aがポケット210に挿入されると、モーションセンサー5の軸5Aの向きが、所望の向きに設定される。使用者Mが、ポケット210に第1測定装置100aを挿入すると、モーションセンサー5の軸5Aが上腕部の長手方向と一致もしくは略一致する姿勢で、第1測定装置100aは、第2スリーブ200bに保持される。第2スリーブ200bは、ポケット210を有する以外、第1スリーブ200aと同じ構成である。
【符号の説明】
【0086】
1…ケース、1a…検出面、1b…外装面、1c…側面、1d…粘着剤層、2…電源ボタン、3…光学検出ユニット、5…モーションセンサー、5A…軸、5B…第2軸、5C…第3軸、10…発光素子ユニット、11…発光素子、11a…赤色光発光素子、11b…赤外光発光素子、11c…緑色光発光素子、13…駆動回路、20…受光素子ユニット、21…受光素子、21a…第1受光エリア、21b…第2受光エリア、23…出力回路、25…バンドパスフィルター、30…制御ユニット、31…検出制御部、33…データ処理部、35…判別部、40…メモリー、51…水晶振動子、53…錘、55…固定部材、60…通信インターフェイス、70…バッテリー、100…測定装置、100a…第1測定装置、100b…第2測定装置、100c…第3測定装置、100d…第4測定装置、100e…第5測定装置、100f…第6測定装置、200…スリーブ、200a…第1スリーブ、200b…第2スリーブ、210…ポケット、CP…制御プログラム、GL…緑色光、HL…仮想水平軸、M…使用者、NL…赤外光、PT…校正テーブル、RL…赤色光、VL…仮想垂直軸、W1…第1ケース幅、W2…第2ケース幅、W3…第3ケース幅、W4…第4ケース幅、W5…第5ケース幅、W6…第6ケース幅、W7…第7ケース幅、W8…第8ケース幅。