(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141398
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】データ記録装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/58 20180101AFI20241003BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20241003BHJP
F24F 11/88 20180101ALI20241003BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20241003BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20241003BHJP
F24F 140/60 20180101ALN20241003BHJP
【FI】
F24F11/58
F24F11/64
F24F11/88
F24F11/52
F24F11/46
F24F140:60
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053008
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 純
(72)【発明者】
【氏名】原田 真一郎
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA54
3L260BA64
3L260BA73
3L260CB85
3L260DA20
3L260FA20
3L260FC33
3L260HA10
3L260JA14
3L260JA18
3L260JA20
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で異常の発生の通知が可能なデータ記録装置を提供すること。
【解決手段】空気調和機20(室外機22)と有線で接続され、空気調和機20(室外機22)から供給される電力で動作するデータ記録装置10において、記録部12は、空気調和機20の運転情報データを記録し、表示部13は発光素子14を有し、無線通信部16は、運転情報データを無線通信によって端末装置30へ送信し、制御部11は、データ記録装置10に電力が供給されたときに、発光素子14を発光させるとともに、無線通信部16に端末装置30との無線通信を開始させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機と有線で接続され、前記空気調和機から供給される電力で動作するデータ記録装置であって、
前記空気調和機の運転情報データを記録する記録部と、
発光素子を有する表示部と、
前記運転情報データを無線通信によって端末装置へ送信する通信部と、
前記データ記録装置に前記電力が供給されたときに、前記発光素子を発光させるとともに、前記通信部に前記端末装置との無線通信を開始させる制御部と、
を具備するデータ記録装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記通信部が前記端末装置から記録開始指示を受信したときに、前記記録部への前記運転情報データの記録を開始するとともに、第一の光量で前記発光素子を発光させる、または、前記発光素子を消灯させ、
前記通信部が前記端末装置から記録終了指示を受信したときに、前記記録部への前記運転情報データの記録を終了するとともに、前記第一の光量より大きい第二の光量で前記発光素子を発光させる、
請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記データ記録装置に前記電力が供給されているときは前記通信部に常に電波を送信させる、
請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信部が前記端末装置から記録開始指示を受信したにもかかわらず、前記記録部が前記運転情報データの記録を開始できないときは、前記発光素子を点滅させる、
請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記データ記録装置に前記電力が供給されても前記端末装置との無線通信が成立しないときは、前記発光素子を点滅させる、
請求項1に記載のデータ記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機に接続され、空気調和機の運転情報のデータ(以下では「運転情報データ」と呼ぶことがある)を記録し、記録した運転情報データを端末装置へ出力するデータ記録装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データ記録装置と端末装置とをケーブルによって接続する作業は煩雑であるため、データ記録装置と端末装置とを無線通信によって接続することが考えられる。
【0005】
ここで、何らかの異常によってデータ記録装置と端末装置との間の無線通信が成立しない場合や、無線通信が成立しても運転情報データの記録や端末装置への送信が正常に行われない場合が考えられる。しかし、従来のデータ記録装置においては、異常の発生の通知が困難であった。
【0006】
そこで、本開示は、簡易な構成で異常の発生の通知が可能なデータ記録装置を提供できる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のデータ記録装置は、空気調和機と有線で接続され、前記空気調和機から供給される電力で動作し、記録部と、表示部と、通信部と、制御部とを有する。前記記録部は、前記空気調和機の運転情報データを記録する。前記表示部は、発光素子を有する。前記通信部は、前記運転情報データを無線通信によって端末装置へ送信する。前記制御部は、前記データ記録装置に前記電力が供給されたときに、前記発光素子を発光させるとともに、前記通信部に前記端末装置との無線通信を開始させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡易な構成で異常の発生の通知が可能なデータ記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示のデータ記録装置を含む空気調和機保守システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示のデータ記録装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示のデータ記録装置の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。以下の実施例において同一の構成には同一の符号を付す。
【0011】
[実施例]
<空調機保守システムの構成>
図1は、本開示のデータ記録装置を含む空気調和機保守システムの構成例を示す図である。
図1において、空気調和機保守システム1は、可搬のデータ記録装置10と、空気調和機20と、可搬の端末装置30とを有する。空気調和機20は、室内機21と、室内機21に接続された室外機22とを有する。端末装置30の一例として、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、ラップトップ型のコンピュータ等が挙げられる。
【0012】
<データ記録装置の構成>
図2は、本開示のデータ記録装置の構成例を示す図である。
図2において、データ記録装置10は、制御部11と、記録部12と、表示部13と、有線通信部15と、無線通信部16とを有する。表示部13は、発光素子14を有する。制御部11の一例として、プロセッサが挙げられる。記録部12の一例として、メモリが挙げられる。発光素子14の一例として、LED(Light Emitting Diode)が挙げられる。有線通信部15の一例として、有線通信モジュールが挙げられる。無線通信部16の一例として、無線通信モジュールが挙げられる。
【0013】
データ記録装置10は、室外機22に有線で接続され、室外機22から供給される電力で動作する。有線通信部15と室外機22とは、例えばURAT(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)を用いて、互いに有線で通信する。無線通信部16と端末装置30とは、例えばBluetooth(登録商標)を用いて、互いに無線で通信する。制御部11と記録部12との間の通信は、例えばI2C(Inter Integrated Circuit)を用いて行われる。
【0014】
制御部11は、室外機22から有線通信部15を介して空気調和機20の運転情報データを取得し、室外機22から取得した運転情報データを記録部12に記録させる。また、制御部11は、記録部12に記録されている運転情報データを記録部12から取得し、記録部12から取得した運転情報データを無線通信部16へ出力する。無線通信部16は、制御部11から入力された運転情報データを無線通信によって端末装置30へ送信する。
【0015】
<データ記録装置の動作>
図3は、本開示のデータ記録装置の動作例を示す図である。
【0016】
時刻t0において、データ記録装置10及び端末装置30を携帯した保守作業員が、空気調和機20の故障診断等の保守作業を行うために、室外機22が設置されている場所(以下では「室外機設置場所」と呼ぶことがある)に到着する。
【0017】
次いで、時刻t0から時刻t1の間において、保守作業員がデータ記録装置10を室外機22に接続する。そして、時刻t1において、室外機22が外部電源に接続され、室外機22に電力供給が開始されると、室外機22からデータ記録装置10への電力供給が開始されるとともに、室外機22からデータ記録装置10への運転情報データの送信が開始される。有線通信部15によって受信される運転情報データは制御部11に入力される。制御部11は、データ記録装置10への電力の供給が開始された時刻t1で、大きい光量である光量LQAで発光素子14を発光させて点灯させるとともに、無線通信部16に端末装置30との無線通信を行うための電波の送信を開始させる。制御部11は、室外機22からデータ記録装置10に電力が供給されているときは、無線通信部16に常に電波を送信させる。例えばBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて通信が行われる場合、制御部11は、無線通信部16に所定の周期(例えば100ms)でアドバタイズを発信させる。よって、端末装置30は時刻t1に無線通信部16からのアドバタイズを受信可能となる。そして、時刻t1から時刻t2の間において、保守作業員が端末装置30を操作して端末装置30から無線通信部16へ接続要求を送信することで無線通信部16と端末装置30との無線通信が成立、すなわちペアリングが完了する。ペアリングの完了後は、無線通信部16は端末装置30との間でGATT(Generic Attribute Protocol)通信を行い、電波の送信を継続する。なお、ペアリングの完了後に、保守作業員が端末装置30を持ってデータ記録装置10から離れ、無線通信部16と端末装置30との通信が切断された場合には、無線通信部16は再びアドバタイズを発信する。
【0018】
次いで、時刻t2において、保守作業員が端末装置30を用いて運転情報データの記録開始の指示(以下では「記録開始指示」と呼ぶことがある)を行うと、記録開始指示を示す制御信号(以下では「記録開始信号」と呼ぶことがある)が端末装置30からデータ記録装置10へ送信され、無線通信部16は記録開始信号を受信する。無線通信部16によって受信された記録開始信号は制御部11に入力され、制御部11は、記録開始信号を入力されると、記録部12への運転情報データの記録を開始するとともに、光量LQAより小さい光量である光量LQBで発光素子14を発光させて点灯させる、または、発光素子14を消灯させる。以上のように、記録部12への運転情報データの記録は、時刻t2で開始される。
【0019】
時刻t2で記録開始指示を行った保守作業員は、時刻t3において、室外機22にデータ記録装置10を接続したままにしてデータ記録装置10を放置する一方で、端末装置30を携帯して室外機設置場所から一旦離れる。端末装置30を携帯した保守作業員が室外機設置場所から離れることにより、無線通信部16と端末装置30との間の無線通信が切断する。一方で、データ記録装置10は室外機22に接続されたままであるため、室外機22からデータ記録装置10への電力供給、及び、室外機22からデータ記録装置10への運転情報データの送信は継続される。
【0020】
そして、時刻t4において、端末装置30を携帯した保守作業員が、室外機設置場所に再び到着する。端末装置30を携帯した保守作業員が、室外機22に接続されたままにされているデータ記録装置10に接近すると、無線通信部16と端末装置30との間の無線通信が再び開始される。このように、保守作業員は、時刻t0から時刻t3までの間は室外機設置場所に滞在し、時刻t3から時刻t4までの間は室外機設置場所に不在になり、時刻t4以降は、室外機設置場所に再び滞在する。
【0021】
次いで、時刻t5において、保守作業員が端末装置30を用いて運転情報データの記録終了の指示(以下では「記録終了指示」と呼ぶことがある)を行うと、記録終了指示を示す制御信号(以下では「記録終了信号」と呼ぶことがある)が端末装置30からデータ記録装置10へ送信され、無線通信部16は記録終了信号を受信する。無線通信部16によって受信された記録終了信号は制御部11に入力され、制御部11は、記録終了信号を入力されると、記録部12への運転情報データの記録を終了させるとともに、光量LQAで発光素子14を発光させて点灯させる。以上のように、記録部12への運転情報データの記録は、時刻t5で終了される。よって、記録部12への運転情報データの記録は、時刻t2から時刻t5までの間に行われる。また、制御部11は、記録終了信号を入力されると、記録部12に記録されている運転情報データを記録部12から取得し、記録部12から取得した運転情報データを無線通信部16へ出力する。無線通信部16は、制御部11から入力された運転情報データを無線通信によって端末装置30へ送信する。端末装置30では、データ記録装置10から受信された運転情報データが、表示及び記録される。
【0022】
以上のように、データ記録装置10への電力供給が開始された時刻t1から、記録部12への運転情報データの記録が開始された時刻t2までは、発光素子14は、光量LQAで点灯する。また、記録部12への運転情報データの記録が開始された時刻t2から、記録部12への運転情報データの記録が終了された時刻t5までは、発光素子14は、光量LQBで点灯、または、消灯する。また、記録部12への運転情報データの記録が終了された時刻t5以降は、発光素子14は、光量LQAで再び点灯する。つまり、記録部12への運転情報データの記録が行われていない時間帯である時刻t1から時刻t2までの間は、発光素子14は光量LQAで点灯し、記録部12への運転情報データの記録が行われている時間帯である時刻t2から時刻t5までの間は、発光素子14は、光量LQBで点灯、または、消灯する。そして、記録部12への運転情報データの記録が行われていない時刻t5以降は、発光素子14は光量LQAで再び点灯する。
【0023】
また、以上のように、保守作業員が室外機設置場所に不在になる時刻t3から時刻t4までの間は、記録部12への運転情報データの記録が行われている一方で、室外機22に接続されたままにされたデータ記録装置10を保守作業員が視認することがないため、発光素子14は、小さい光量の光量LQBで点灯、または、消灯する。
【0024】
ここで、制御部11は、時刻t1において、室外機22からデータ記録装置10へ電力が供給されても無線通信部16と端末装置30との間の無線通信が成立しないとき(例えば、無線通信部16との無線通信を成立させるための操作が端末装置30に対して行われないときや、無線通信部16が故障しているとき)は、発光素子14を点滅させる。
【0025】
また、制御部11は、時刻t2において、無線通信部16が端末装置30から記録開始信号を受信したにもかかわらず、記録部12が運転情報データの記録を開始できないとき(例えば、I2C通信が異常であるときや、記録部12が故障しているとき)は、発光素子14を点滅させる。
【0026】
また、制御部11は、時刻t1において、室外機22からデータ記録装置10へ電力が供給されても有線通信部15によって室外機22から受信される運転情報データが入力されないとき(例えば、UART通信が異常であるときや、有線通信部15が故障しているとき)は、発光素子14を点滅させる。
【0027】
このように、例示した各条件において発光素子14を点滅させることで、保守作業員は、空気調和機保守システム1に何らかの不具合が発生していることを容易に認識できる。
【0028】
なお、制御部11は、上記のように例示した複数の条件の各々に応じて、発光素子14が点滅する間隔や、発光素子14が連続して点滅する回数等の点滅パターンを変更しても良い。こうすることで、保守作業員は、データ記録装置10にどのような異常が発生したかを容易に判断できる。
【0029】
以上、実施例について説明した。
【0030】
なお、データ記録装置10は、室外機22ではなくて、室内機21に接続されても良い。室内機21に接続されるデータ記録装置10に対しても、本開示の技術を適用可能である。
【0031】
以上のように、本開示のデータ記録装置(実施例のデータ記録装置10)は、空気調和機(実施例の空気調和機20)と有線で接続され、空気調和機から供給される電力で動作する。また、データ記録装置は、記録部(実施例の記録部12)と、表示部(実施例の表示部13)と、通信部(実施例の無線通信部16)と、制御部(実施例の制御部11)とを有する。記録部は、空気調和機の運転情報データを記録する。表示部は、発光素子(実施例の発光素子14)を有する。通信部は、運転情報データを無線通信によって端末装置(実施例の端末装置30)へ送信する。制御部は、データ記録装置に電力が供給されたときに、発光素子を発光させるとともに、通信部に端末装置との無線通信を開始させる。
【0032】
従来のデータ記録装置は、データ記録装置の制御部における処理の状態を視認可能に出力する構成を有していないため、従来のデータ記録装置では、データ記録装置の異常の発生を判断するのが困難であった。これに対し、本開示の技術では、上記のようにすることで、データ記録装置10を使用する保守作業員は、表示部13が発光していなければ何らかの異常(例えば、端末装置30との無線通信の不成立)が発生していると判断することが可能になるため、簡易な構成で異常の発生の通知が可能なデータ記録装置を提供できる。
【0033】
また、制御部は、通信部が端末装置から記録開始指示を受信したときに、記録部への運転情報データの記録を開始するとともに、第一の光量(実施例の光量LQB)で発光素子を発光させる、または、発光素子を消灯させる。また、制御部は、通信部が端末装置から記録終了指示を受信したときに、記録部への運転情報データの記録を終了するとともに、第一の光量より大きい第二の光量(実施例の光量LQA)で発光素子を発光させる。
【0034】
上記のとおり、データ記録装置10は室外機22から電力供給を受ける。ここで、データ記録装置10において消費される電力として、無線通信部16における電波の送信、有線通信部15と室外機22との通信、制御部11と記録部12との通信、記録部12への運転情報データの記録、及び、発光素子14の発光に要する電力が挙げられる。室外機22にデータ記録装置10が接続された場合、これらの合計の電力の分だけ室外機22での消費電力が増加し、室外機22に流れる電流が増加することになる。これにより、室外機22に流れる最大電流が室外機22の許容電流を超えてしまうおそれがある。このような場合、室外機22の許容電流を上げるために定格電流の大きい部品を室外機22に採用すると、室外機22の製造コストの増加を招く。また、データ記録装置10を接続することが想定されていなかった室外機については、データ記録装置10を接続することができないおそれがある。
【0035】
これに対し、データ記録装置10の消費電力を抑えることで、室外機22の製造コストの増加を抑制したり、データ記録装置10を接続可能な室外機の種類を増やしたりすることができる。データ記録装置10の消費電力を抑える制御方法としては、例えば、無線通信部16における電波の送信、有線通信部15と室外機22との通信、及び、制御部11と記録部12との通信については、データ記録装置10が室外機22から電力を供給されている間は常時実行されて電力を消費するようにする。一方で、記録部12への運転情報データの記録については、保守作業員による運転情報データの記録の指示を受けた場合にのみ実行されて電力を消費するようにする。このように、データ記録装置10における電力消費の内容に優先順位をつけることで、室外機22に流れる最大電流が室外機22の許容電流を超えてしまう事態を回避できる。
【0036】
例えば、データ記録装置10と他の機器(例えば、室外機22や、保守作業員が所持する端末装置30)との通信を優先することで、保守作業員による保守作業の開始が迅速に行える。また、記録部12への運転情報データの記録を保守作業員の指示により行うようにすることで、保守作業に不必要なデータを記録せずに済む。また、発光素子14の発光は、制御部11が記録部12に運転情報データの記録を行っている間は光量を低下させるようにする。したがって、記録部12への運転情報データの記録を行いつつ、記録部12への運転情報データの記録と発光素子14の発光とに要する合計の消費電力は低く抑えられる。これにより、室外機22に流れる最大電流を抑制することができるため、室外機22の製造コストの増加を招くことがない。また、データ記録装置10を接続することが想定されていなかった室外機にも、データ記録装置10を接続することが可能になる。
【0037】
また、保守作業員は、表示部13の光量の低下によってデータ記録装置10への運転情報データの記録の開始が容易に確認でき、光量が低下しない場合には、運転情報データの記録に異常が発生したと判断できる。また、記録開始指示が受信されたときにだけ記録部12への運転情報データの記録が行われるため、記録部12の寿命を延ばすこともできる。
【0038】
また、制御部は、データ記録装置に電力が供給されているときは通信部に常に電波を送信させる。
【0039】
こうすることで、端末装置30側の操作により直ちに端末装置30との無線通信を開始できる。例えば、保守作業員が不在になった後、改めて滞在することになった場合でも、端末装置30との無線通信を容易に再開できる。なお、無線通信部16に常に電波を送信させることにより他の機器とのペアリングが為される可能性があるが、例えば端末装置30にインストールされた専用のアプリケーションからの接続要求が受信された場合にしかペアリングができないようにすることにより、他の機器との無駄なペアリングを防止することができる。
【0040】
また、制御部は、通信部が端末装置から記録開始指示を受信したにもかかわらず、記録部が運転情報データの記録を開始できないときは、発光素子を点滅させる。
【0041】
こうすることで、保守作業員は、運転情報データの記録に異常が発生したことを容易に判断できる。
【0042】
また、制御部は、データ記録装置に電力が供給されても端末装置との無線通信が成立しないときは、発光素子を点滅させる。
【0043】
こうすることで、保守作業員は、端末装置30との無線通信に異常が発生したことを容易に判断できる。
【符号の説明】
【0044】
1 空気調和機保守システム
10 データ記録装置
11 制御部
12 記録部
13 表示部
14 発光素子
15 有線通信部
16 無線通信部
20 空気調和機
21 室内機
22 室外機
30 端末装置