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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141429
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】撮像レンズ、撮像装置及び移動体
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20241003BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20241003BHJP
【ＦＩ】
G02B13/04
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023053068
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 慶太
【テーマコード（参考）】
2H087
【Ｆターム（参考）】
2H087KA01
2H087LA03
2H087NA08
2H087PA05
2H087PA18
2H087PB06
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】より高い光学性能を有する撮像レンズを提供する。
【解決手段】本開示に係る撮像レンズ１０は、物体側から順に、物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズ１１０と、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズ１２０と、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズ１３０と、正の屈折力を有する第４レンズ１４０と、正の屈折力を有する第５レンズ１５０と、負の屈折力を有する第６レンズ１６０と、を備え、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）を満足する。
【選択図】図１
【解決手段】本開示に係る撮像レンズ１０は、物体側から順に、物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズ１１０と、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズ１２０と、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズ１３０と、正の屈折力を有する第４レンズ１４０と、正の屈折力を有する第５レンズ１５０と、負の屈折力を有する第６レンズ１６０と、を備え、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）を満足する。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズであって、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）
を満足する、撮像レンズ。
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）
を満足する、撮像レンズ。
【請求項2】
前記第１レンズの像側面の曲率半径をＲ２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
０．６５＜Ｒ２／f＜０．７３ （２）
を満足する、請求項１に記載の撮像レンズ。
０．６５＜Ｒ２／f＜０．７３ （２）
を満足する、請求項１に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
前記第３レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ３、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
２．５＜ｆ３／ｆ＜３．２ （３）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
２．５＜ｆ３／ｆ＜３．２ （３）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
前記第５レンズの軸上厚みをＤ１０、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
０．７９＜Ｄ１０／f＜０．９５ （４）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
０．７９＜Ｄ１０／f＜０．９５ （４）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項5】
前記第２レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１０＜ｆ２／ｆ＜－４．５ （５）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
－１０＜ｆ２／ｆ＜－４．５ （５）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記第６レンズの屈折率温度係数をｄＮ６／ｄＴ、前記第６レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ６、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－９＜ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆ＜－８ （６）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
－９＜ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆ＜－８ （６）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項7】
前記第６レンズのアッベ数をν６とすると、条件式、
ν６＞２０ （７）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
ν６＞２０ （７）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記第５レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ５、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
１．９５＜ｆ５／ｆ＜２．２ （８）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
１．９５＜ｆ５／ｆ＜２．２ （８）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項9】
前記第１レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ１、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．５２＜ｆ１／ｆ＜－１．３５ （９）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
－１．５２＜ｆ１／ｆ＜－１．３５ （９）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項10】
前記第４レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ４、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
２．３＜ｆ４／ｆ＜２．７５ （１０）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
２．３＜ｆ４／ｆ＜２．７５ （１０）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項11】
前記第６レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ６、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－２．２＜ｆ６／ｆ＜－１．９５ （１１）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
－２．２＜ｆ６／ｆ＜－１．９５ （１１）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項12】
前記第１レンズ、前記第２レンズ、前記第３レンズ、前記第４レンズ、前記第５レンズ、及び前記第６レンズの各々は、硝子材料である、
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項13】
前記第１レンズ及び前記第４レンズの両面の各々は、非球面形状である、
請求項１または２に記載の撮像レンズ。
請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項14】
前記第５レンズの像側面は前記第６レンズの物体側面に接する、
請求項１または２に記載の撮像レンズ。
請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項15】
前記第１レンズの物体側は凸面であり、
前記第３レンズの像側は凸面であり、
前記第６レンズの像側は凸面である、
請求項１または２に記載の撮像レンズ。
前記第３レンズの像側は凸面であり、
前記第６レンズの像側は凸面である、
請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項16】
像面での最大像高位置に入射する光線の半画角をＷとすると、条件式、
Ｗ≧６３．５° （１２）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
Ｗ≧６３．５° （１２）
を満足する、請求項１または２に記載の撮像レンズ。
【請求項17】
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズと、
前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
を備え、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１３）
を満足する、撮像装置。
前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
を備え、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１３）
を満足する、撮像装置。
【請求項18】
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズと、
前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
を備え、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１４）
を満足する撮像装置を有する、移動体。
前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子と、
を備え、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１４）
を満足する撮像装置を有する、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像レンズ、撮像装置及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
監視用カメラ及び車載用カメラなどを含むカメラに用いられる撮像レンズには、環境変化に強く、画面全域で結像性能が良いことが要求される。加えて、撮像レンズをカメラに搭載するための搭載スペースが限られることが多いことなどを理由として、小型かつ軽量であることも撮像レンズに要求される。これらの要求に対応可能な単焦点の撮像レンズとして、特許文献１及び２に記載の技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２００８－００８９６０号公報
【特許文献2】特開２０１３－０４７７５３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、車載用カメラは、従来の視認用途に加えて、物体を検知するセンシング用途でも用いられるようになり、さらなる高性能化が要求されている。電荷結合素子（Ｃｈａｒｇｅ Ｃｏｕｐｌｅｄ Ｄｅｖｉｃｅ、ＣＣＤ）及び相補型金属酸化物半導体（Ｃｏｍｐｌｅｍｅｎｔａｒｙ Ｍｅｔａｌ－Ｏｘｉｄｅ－Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒ、ＣＭＯＳ）などの固体撮像素子の高画素化に伴い、それに見合う良好な光学性能がカメラに用いられる撮像レンズに対しても要求されている。
【0005】
以上のような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、より高い光学性能を有する撮像レンズ、及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る撮像レンズは、
（１）
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズであって、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）
を満足する。
（１）
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズであって、
前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）
を満足する。
【0007】
（２）
上記（１）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズの像側面の曲率半径をＲ２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
０．６５＜Ｒ２／f＜０．７３ （２）
を満足してもよい。
上記（１）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズの像側面の曲率半径をＲ２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
０．６５＜Ｒ２／f＜０．７３ （２）
を満足してもよい。
【0008】
（３）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第３レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ３、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
２．５＜ｆ３／ｆ＜３．２ （３）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第３レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ３、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
２．５＜ｆ３／ｆ＜３．２ （３）
を満足してもよい。
【0009】
（４）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第５レンズの軸上厚みをＤ１０、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
０．７９＜Ｄ１０／f＜０．９５ （４）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第５レンズの軸上厚みをＤ１０、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
０．７９＜Ｄ１０／f＜０．９５ （４）
を満足してもよい。
【0010】
（５）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第２レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１０＜ｆ２／ｆ＜－４．５ （５）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第２レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１０＜ｆ２／ｆ＜－４．５ （５）
を満足してもよい。
【0011】
（６）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第６レンズの屈折率温度係数をｄＮ６／ｄＴ、前記第６レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ６、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－９＜ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆ＜－８ （６）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第６レンズの屈折率温度係数をｄＮ６／ｄＴ、前記第６レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ６、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－９＜ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆ＜－８ （６）
を満足してもよい。
【0012】
（７）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第６レンズのアッベ数をν６とすると、条件式、
ν６＞２０ （７）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第６レンズのアッベ数をν６とすると、条件式、
ν６＞２０ （７）
を満足してもよい。
【0013】
（８）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第５レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ５、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
１．９５＜ｆ５／ｆ＜２．２ （８）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第５レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ５、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
１．９５＜ｆ５／ｆ＜２．２ （８）
を満足してもよい。
【0014】
（９）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ１、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．５２＜ｆ１／ｆ＜－１．３５ （９）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ１、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．５２＜ｆ１／ｆ＜－１．３５ （９）
を満足してもよい。
【0015】
（１０）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第４レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ４、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離
をｆとすると、条件式、
２．３＜ｆ４／ｆ＜２．７５ （１０）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第４レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ４、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離
をｆとすると、条件式、
２．３＜ｆ４／ｆ＜２．７５ （１０）
を満足してもよい。
【0016】
（１１）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第６レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ６、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－２．２＜ｆ６／ｆ＜－１．９５ （１１）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第６レンズのｄ線に対する焦点距離をｆ６、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－２．２＜ｆ６／ｆ＜－１．９５ （１１）
を満足してもよい。
【0017】
（１２）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズ、前記第２レンズ、前記第３レンズ、前記第４レンズ、前記第５レンズ、及び前記第６レンズの各々は、硝子材料であってよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズ、前記第２レンズ、前記第３レンズ、前記第４レンズ、前記第５レンズ、及び前記第６レンズの各々は、硝子材料であってよい。
【0018】
（１３）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズ及び前記第４レンズの両面の各々は、非球面形状であってもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズ及び前記第４レンズの両面の各々は、非球面形状であってもよい。
【0019】
（１４）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第５レンズの像側面は、前記第６レンズの物体側面に接してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第５レンズの像側面は、前記第６レンズの物体側面に接してもよい。
【0020】
（１５）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズの物体側は凸面であってもよく、
前記第３レンズの像側は凸面であってもよく、
前記第６レンズの像側は凸面であってもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
前記第１レンズの物体側は凸面であってもよく、
前記第３レンズの像側は凸面であってもよく、
前記第６レンズの像側は凸面であってもよい。
【0021】
（１６）
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
像面での最大像高位置に入射する光線の半画角をＷとすると、条件式、
Ｗ≧６３．５° （１２）
を満足してもよい。
上記（１）又は（２）に記載の撮像レンズであって、
像面での最大像高位置に入射する光線の半画角をＷとすると、条件式、
Ｗ≧６３．５° （１２）
を満足してもよい。
【0022】
本開示の一実施形態に係る撮像装置は、
（１７）
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズと、前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備え、前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１３）
を満足する。
（１７）
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズと、前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備え、前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１３）
を満足する。
【0023】
本開示の一実施形態に係る移動体は、
（１８）
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２
レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズと、前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備え、前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１４）
を満足する撮像装置を有する。
（１８）
物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズと、負の屈折力を有し、両凹形状の第２
レンズと、開口絞りと、正の屈折力を有する第３レンズと、正の屈折力を有する第４レンズ、正の屈折力を有する第５レンズ、負の屈折力を有する第６レンズとを備える撮像レンズと、前記撮像レンズを介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備え、前記第１レンズ及び前記第２レンズのｄ線に対する合成焦点距離をｆ１２、前記撮像レンズのｄ線に対する焦点距離をｆとすると、条件式、
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１４）
を満足する撮像装置を有する。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一実施形態によれば、より高い光学性能を有する撮像レンズ及び撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本開示の実施例１に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図3】本開示の実施例２に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図5】本開示の実施例３に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図7】本開示の実施例４に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図9】本開示の実施例５に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図11】本開示の実施例６に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図13】本開示の実施例７に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【図15】本開示の実施例８に係る撮像レンズのレンズ構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態に係る撮像レンズ１０及び撮像装置１について詳細に説明する。より具体的には、後述する各実施例に対して共通する撮像レンズ１０及び撮像装置１の構成及び機能について説明する。撮像レンズ１０及び撮像装置
１の構成を示す各添付図面において、「物体側」は左側に対応し、「像側」は右側に対応する。以下の説明で用いられる各図は模式的なものであり、図面上の寸法比率などは現実のものとは必ずしも一致していない。
１の構成を示す各添付図面において、「物体側」は左側に対応し、「像側」は右側に対応する。以下の説明で用いられる各図は模式的なものであり、図面上の寸法比率などは現実のものとは必ずしも一致していない。
【0027】
一実施形態に係る撮像レンズ１０及び撮像装置１のレンズ構成を、実施例１の撮像レンズ１０及び撮像装置１の構成を示す後述の図１を参照しながら主に説明する。
【0028】
撮像装置１は、撮像レンズ１０及び撮像レンズ１０を介して結像する光学像を電気信号に変換する撮像素子２０を含んで構成される。撮像素子２０は、例えばＣＣＤ及びＣＭＯＳなどの固体撮像素子を含む。撮像素子２０は、表面に、像面２１が位置する。撮像装置１は、被写体としての物体の像を撮像レンズ１０が撮像素子２０の像面２１に結像することで被写体を撮像する。例えば、撮像装置１は、連続的に撮像を繰り返す動画撮影に用いることができる。より具体的には、例えば、撮像装置１は、監視用カメラ又は車載用カメラなどに用いられる。撮像装置１が車載用カメラに用いられる場合、例えば、撮像装置１は、撮像装置１を制御する制御装置を備える車両の、側方部、前方部及び後方部の少なくとも１つに位置する。すなわち、撮像装置１は、車両の側方、前方及び後方の少なくとも１つを撮影する。
【0029】
撮像レンズ１０は、物体側から順に配置される、第１レンズ１１０、第２レンズ１２０、第３レンズ１３０、開口絞り１７０、第４レンズ１４０、第５レンズ１５０、第６レンズ１６０、及び平板１８０を含んで構成される。第５レンズ１５０と第６レンズ１６０とは、接合レンズとして形成されている。撮像レンズ１０は、６枚構成の単焦点の撮像レンズである。第１レンズ１１０は、硝子材料で形成されてよい。第２レンズ１２０は、硝子材料で形成されてよい。第３レンズ１３０は、硝子材料で形成されてよい。第４レンズ１４０は、硝子材料で形成されてよい。第５レンズ１５０は、硝子材料で形成されてよい。第６レンズ１６０は、硝子材料で形成されてよい。
【0030】
第１レンズ１１０は、非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側の面である面Ｓ１及び像側の面である面Ｓ２を有してよい。第１レンズは光線を集光する役目を持つ。第２レンズ１２０は、球面形状を有する。第２レンズ１２０は、物体側の面である面Ｓ３及び像側の面である面Ｓ４を有してよい。第３レンズ１３０は、球面形状を有する。第３レンズ１３０は、物体側の面である面Ｓ６及び像側の面である面Ｓ７を有してよい。第４レンズ１４０は、非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、物体側の面である面Ｓ８及び像側の面である面Ｓ９を有してよい。第５レンズ１５０は、球面形状を有する。第５レンズ１５０は収差を補正するととともに像面２１への光線入射角を０に近づける役目を持つ。第５レンズ１５０は、物体側の面である面Ｓ１０及び像側の面である面Ｓ１１を有してよい。第６レンズ１６０は、球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側の面である面Ｓ１１及び像側の面である面Ｓ１２を有してよい。
【0031】
光線のコントロールが必要な第１レンズ１１０及び第４レンズ１４０に非球面形状を適用することで大型化を防ぐ効果を持つ。
【0032】
また、第５レンズ１５０と第６レンズ１６０が貼り合わせていることが好ましい。第５レンズ１５０と第６レンズ１６０は、接着剤で張り付けてよい。第５レンズ１５０と第６レンズ１６０が貼り合わせていることで、色収差の発生を抑えることができる。また、第５レンズ１５０と第６レンズ１６０が貼り合わせていることで、枚数構成の削減にも寄与できる。
【0033】
撮像レンズ１０は、第１レンズ１１０、第２レンズ１２０、第３レンズ１３０、第４レンズ１４０、第５レンズ１５０、及び第６レンズ１６０から実質的に構成される。本開示
において、「実質的に構成される」とは、撮像レンズ１０を実質的に構成する光学要素が第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０の６枚のレンズであるが、それ以外にも実質的に屈折率を有さないレンズ、並びに絞り及びカバーガラスを含むレンズ以外の他の光学要素などを撮像レンズ１０が有してもよいことを意味する。例えば、撮像レンズ１０は、第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０に加えて、開口絞り１７０、及び平板１８０を有してよい。
において、「実質的に構成される」とは、撮像レンズ１０を実質的に構成する光学要素が第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０の６枚のレンズであるが、それ以外にも実質的に屈折率を有さないレンズ、並びに絞り及びカバーガラスを含むレンズ以外の他の光学要素などを撮像レンズ１０が有してもよいことを意味する。例えば、撮像レンズ１０は、第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０に加えて、開口絞り１７０、及び平板１８０を有してよい。
【0034】
撮像レンズ１０は、物体側から順に、負の屈折力を有する第１レンズ１１０、負の屈折力を有する第２レンズ１２０、開口絞り１７０、正の屈折力を有する第３レンズ１３０、正の屈折力を有する第４レンズ１４０、正の屈折力を有する第５レンズ１５０、及び負の屈折力を有する第６レンズ１６０を有する。
【0035】
広角の撮像レンズ１０では、広い画角を得るために焦点距離を短くする必要があるが、撮像レンズ１０の機構的な制約からバックフォーカスは焦点距離に比べて長い必要がある。そこで、撮像レンズ１０の前方に負の屈折力を有するレンズを配置し、物体側から撮像レンズ１０に入射した光を一度発散させて、後方の正の屈折力を有するレンズで集光する。これにより、レンズ系の主点を撮像レンズ１０の後方に飛出させ焦点距離に比べて長いバックフォーカスを確保することが可能となる。また、後方の正の屈折力を有するレンズより像側に配置される負の屈折力を有するレンズで色収差を補正することが可能となる。
【0036】
より具体的には、負の屈折力を有する第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０で光を発散させ、正の屈折力を有する第３レンズ１３０、第４レンズ１４０、及び第５レンズ１５０で集光する。負の屈折力を有する第６レンズ１６０で色収差を補正する。撮像レンズ１０は、最も物体側に負屈折力を有する第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０を配置する。撮像レンズ１０は、主点を後方に置くのに十分な負の屈折力を得ることができる。開口絞り１７０は、負の屈折力を有する第２レンズ１２０と正の屈折力を有する第３レンズ１３０との間に配置してよい。撮像レンズ１０は、倍率色収差に関する良好な補正が可能となる。開口絞り１７０より像側に正の屈折力を有する第３レンズ１３０、第４レンズ１４０、及び第５レンズ１５０を配置してよい。撮像レンズ１０は、像面２１への光の入射角度を小さくし、かつ収差を良好に補正することができる。負の屈折力を有する第６レンズ１６０を正の屈折力を有する第５レンズ１５０より像側に配置することで、色収差を補正することが出来る。
【0037】
仮に開口絞り１７０を第６レンズ１６０より像側に配置すると、撮像レンズ１０が大型化し好ましくない。加えて、仮に開口絞り１７０を第２レンズ１２０より物体側に配置すると、撮像レンズ１０を広角化することが困難となり好ましくない。したがって、上述した第２レンズ１２０と第３レンズ１３０との間に開口絞り１７０を配置することで、撮像レンズ１０は、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などの良好な補正及びレンズ系のコンパクト化を実現可能である。
【0038】
一実施形態に係る撮像レンズ１０及び撮像装置１における機能について主に説明する。
【0039】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（１）を満足する。
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）
ただし、ｆ１２は、第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０のｄ線に対する合成焦点距離である。ｆは、撮像レンズ１０のｄ線に対する焦点距離である。
－１．１４＜ｆ１２／ｆ＜－１．０５ （１）
ただし、ｆ１２は、第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０のｄ線に対する合成焦点距離である。ｆは、撮像レンズ１０のｄ線に対する焦点距離である。
【0040】
条件式（１）は、第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０の合成焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ１２／ｆの値が上限値である－１．０５以上となると、絞り１７０よりも物体側の前群である第１レンズ１１０及び第２レンズ１２
０の合成焦点距離の屈折率が大き過ぎることに起因して、軸上と周辺の光線のピント位置にずれが発生し、球面収差の補正が困難となる。ｆ１２／ｆの値が下限値である－１．１４以下となると、絞り１７０よりも物体側の前群である第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０の合成焦点距離の屈折率が小さ過ぎることに起因して、像面湾曲が大きく発生する。条件式（１）が満たされることで、球面収差の補正が容易となり、且つ像面湾曲の発生を抑制する。
０の合成焦点距離の屈折率が大き過ぎることに起因して、軸上と周辺の光線のピント位置にずれが発生し、球面収差の補正が困難となる。ｆ１２／ｆの値が下限値である－１．１４以下となると、絞り１７０よりも物体側の前群である第１レンズ１１０及び第２レンズ１２０の合成焦点距離の屈折率が小さ過ぎることに起因して、像面湾曲が大きく発生する。条件式（１）が満たされることで、球面収差の補正が容易となり、且つ像面湾曲の発生を抑制する。
【0041】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（２）をさらに満足してもよい。
０．６５＜Ｒ２／f＜０．７３ （２）
ただし、Ｒ２は、第１レンズ１１０の像側面の曲率半径である。ｆは、撮像レンズ１０のｄ線に対する焦点距離である。
０．６５＜Ｒ２／f＜０．７３ （２）
ただし、Ｒ２は、第１レンズ１１０の像側面の曲率半径である。ｆは、撮像レンズ１０のｄ線に対する焦点距離である。
【0042】
条件式（２）は、第１レンズ１１０の像側面の曲率半径と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。Ｒ２／fの値が上限値である０．７３以上となると、第１レン
ズ１１０の像側面の曲率半径が大き過ぎてしまい、球面収差の補正が困難となる。Ｒ２／fの値が下限値である０．６５以下となると、第１レンズ１１０の像側面の曲率半径が小
さ過ぎてしまい、同心円（以下、サジタル）方向と放射（以下、メリディオナル）方向でのパワーの違いが顕著となり、非点収差が大きく発生する。さらに、第１レンズ１１０を保持するためのリテーナなどから圧力が加わることで、第１レンズ１１０が割れる可能性もある。条件式（２）が満たされることで、球面収差の補正が容易となり、且つ非点収差の発生を抑制する。加えて第１レンズ１１０の加工が容易となり、リテーナなどによる第１レンズ１１０の破損も抑制される。
ズ１１０の像側面の曲率半径が大き過ぎてしまい、球面収差の補正が困難となる。Ｒ２／fの値が下限値である０．６５以下となると、第１レンズ１１０の像側面の曲率半径が小
さ過ぎてしまい、同心円（以下、サジタル）方向と放射（以下、メリディオナル）方向でのパワーの違いが顕著となり、非点収差が大きく発生する。さらに、第１レンズ１１０を保持するためのリテーナなどから圧力が加わることで、第１レンズ１１０が割れる可能性もある。条件式（２）が満たされることで、球面収差の補正が容易となり、且つ非点収差の発生を抑制する。加えて第１レンズ１１０の加工が容易となり、リテーナなどによる第１レンズ１１０の破損も抑制される。
【0043】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（３）をさらに満足してもよい。
２．５＜ｆ３／ｆ＜３．２ （３）
ただし、ｆ３は、第３レンズ１３０のｄ線に対する焦点距離である。
２．５＜ｆ３／ｆ＜３．２ （３）
ただし、ｆ３は、第３レンズ１３０のｄ線に対する焦点距離である。
【0044】
条件式（３）は、第３レンズ１３０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ３／ｆの値が上限値である３．２以上となると、凸レンズである第３レンズ１３０の屈折率が小さ過ぎてしまい、光軸上における色収差(以下、軸上色収差)の補正が困難となる。ｆ３／ｆの値が下限値である２．５以下となると、第３レンズ１３０の屈折率が大き過ぎてしまい、球面収差の補正が困難となる。条件式（３）が満たされることで、軸上色収差及び球面収差の補正が容易となる。
【0045】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（４）をさらに満足してもよい。
０．７９＜Ｄ１０／f＜０．９５ （４）
ただし、Ｄ１０は、第５レンズ１５０の軸上厚みである。
０．７９＜Ｄ１０／f＜０．９５ （４）
ただし、Ｄ１０は、第５レンズ１５０の軸上厚みである。
【0046】
条件式（４）は、第５レンズ１５０の軸上厚みと撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。Ｄ１０／fの値が上限値である０．９５以上となると、第５レンズ１５
０の軸上厚みが大き過ぎることに起因して、第５レンズ１５０の軸上厚みでの軸上光束における周辺光線の高さが低くなるため、球面収差の補正が困難となる。Ｄ１０／fの値が
上限値である０．７９以下となると、第５レンズ１５０の軸上厚みが小さ過ぎることに起因して周辺画角の光線のピント位置をずらしてしまい、非点収差が発生する。条件式（４）が満たされることで、球面収差の補正が容易となり、且つ非点収差の発生を抑制する。
０の軸上厚みが大き過ぎることに起因して、第５レンズ１５０の軸上厚みでの軸上光束における周辺光線の高さが低くなるため、球面収差の補正が困難となる。Ｄ１０／fの値が
上限値である０．７９以下となると、第５レンズ１５０の軸上厚みが小さ過ぎることに起因して周辺画角の光線のピント位置をずらしてしまい、非点収差が発生する。条件式（４）が満たされることで、球面収差の補正が容易となり、且つ非点収差の発生を抑制する。
【0047】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（５）をさらに満足してもよい。
－１０＜ｆ２／ｆ＜－４．５ （５）
ただし、ｆ２は、第２レンズ１２０のｄ線に対する焦点距離である。
－１０＜ｆ２／ｆ＜－４．５ （５）
ただし、ｆ２は、第２レンズ１２０のｄ線に対する焦点距離である。
【0048】
条件式（５）は、第２レンズ１２０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ２／ｆの値が上限値である－４．５以上となると、第２レンズ１２０の屈折率が大き過ぎてしまい、像面湾曲の補正が困難となる。ｆ２／ｆの値が下限値である－１０以下となると、第２レンズ１２０の屈折率が小さ過ぎてしまい、非点収差の補正が困難となる。条件式（５）が満たされることで、像面湾曲及び非点収差の補正が容易となる。
【0049】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（６）をさらに満足してもよい。
－９＜ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆ＜－８ （６）
ただし、ｄＮ６／ｄＴは、第６レンズ１６０のｄ線（波長λ＝５８７．５６ｎｍ）に対する２０℃から４０℃までの温度範囲での屈折率温度係数である。ｆ６は、第６レンズ１６０のｄ線に対する焦点距離である。
－９＜ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆ＜－８ （６）
ただし、ｄＮ６／ｄＴは、第６レンズ１６０のｄ線（波長λ＝５８７．５６ｎｍ）に対する２０℃から４０℃までの温度範囲での屈折率温度係数である。ｆ６は、第６レンズ１６０のｄ線に対する焦点距離である。
【0050】
条件式（６）は、第６レンズ１６０の屈折率温度係数、第６レンズ１６０の焦点距離、及び撮像レンズ１０の焦点距離を関連づけたものである。
ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆの値が上限値である－８以上となると、第６レンズ１６０を含む凹レンズの屈折率温度係数が低過ぎるため、絶対値が小さ過ぎてしまい、温度によるピント位置のずれを補正が困難となる。
ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆの値が下限値である－９以下となると、第６レンズ１６０を含む凹レンズの屈折率温度係数が高過ぎるため、絶対値が大き過ぎてしまい、温度によるピント位置のずれの過補正が発生する。条件式（６）が満たされることで、温度によるピント位置のずれの補正が容易となり、且つ温度によるピント位置のずれの過補正の発生を抑制する。
ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆの値が上限値である－８以上となると、第６レンズ１６０を含む凹レンズの屈折率温度係数が低過ぎるため、絶対値が小さ過ぎてしまい、温度によるピント位置のずれを補正が困難となる。
ｄＮ６／ｄＴ×ｆ６／ｆの値が下限値である－９以下となると、第６レンズ１６０を含む凹レンズの屈折率温度係数が高過ぎるため、絶対値が大き過ぎてしまい、温度によるピント位置のずれの過補正が発生する。条件式（６）が満たされることで、温度によるピント位置のずれの補正が容易となり、且つ温度によるピント位置のずれの過補正の発生を抑制する。
【0051】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（７）をさらに満足してもよい。
ν６＞２０ （７）
ただし、ν６は、第６レンズ１６０のアッベ数である。
ν６＞２０ （７）
ただし、ν６は、第６レンズ１６０のアッベ数である。
【0052】
ν６の値が下限値である２０以下となると、凹レンズである第６レンズ１６０の軸上色収差によって、他のレンズで発生した軸上色収差の補正が困難となる。条件式（７）が満たされることで、軸上色収差の補正が容易となる。
【0053】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（８）をさらに満足してもよい。
１．９５＜ｆ５／ｆ＜２．２ （８）
ただし、ｆ５は、第５レンズ１５０のｄ線に対する焦点距離である。
１．９５＜ｆ５／ｆ＜２．２ （８）
ただし、ｆ５は、第５レンズ１５０のｄ線に対する焦点距離である。
【0054】
条件式（８）は、第５レンズ１５０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ５／ｆの値が上限値である２．２以上となると、第５レンズ１５０の屈折率が小さ過ぎてしまい、メリディオナル方向の像面が像側に倒れてしまい、非点収差の補正が困難となる。ｆ５／ｆの値が下限値である１．９５以下となると、第５レンズ１５０の屈折率が大き過ぎてしまい、メリディオナル方向の像面が物体側に倒れてしまい、非点収差の補正が困難となる。条件式（８）が満たされることで、非点収差の補正が容易となる。
【0055】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（９）をさらに満足してもよい。
－１．５２＜ｆ１／ｆ＜－１．３５ （９）
条件式（９）は、第１レンズ１１０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ１／ｆの値が上限値である－１．３５以上となると、第１レンズ１１０の屈折率が大き過ぎてしまい、像面湾曲の補正が困難となる。ｆ１／ｆの値が下限値である－１．５２以下となると、第１レンズ１１０の屈折率が小さ過ぎてしまい、非点収差の
補正が困難となる。条件式（９）が満たされることで、像面湾曲及び非点収差の補正が容易となる。
－１．５２＜ｆ１／ｆ＜－１．３５ （９）
条件式（９）は、第１レンズ１１０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ１／ｆの値が上限値である－１．３５以上となると、第１レンズ１１０の屈折率が大き過ぎてしまい、像面湾曲の補正が困難となる。ｆ１／ｆの値が下限値である－１．５２以下となると、第１レンズ１１０の屈折率が小さ過ぎてしまい、非点収差の
補正が困難となる。条件式（９）が満たされることで、像面湾曲及び非点収差の補正が容易となる。
【0056】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（１０）をさらに満足してもよい。
２．３＜ｆ４／ｆ＜２．７５ （１０）
ただし、ｆ４は、第４レンズ１４０のｄ線に対する焦点距離である。
２．３＜ｆ４／ｆ＜２．７５ （１０）
ただし、ｆ４は、第４レンズ１４０のｄ線に対する焦点距離である。
【0057】
条件式（１０）は、第４レンズ１４０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ４／ｆの値が上限値である２．７５以上となると、第４レンズ１４０の屈折率が小さ過ぎてしまい、球面収差の補正が困難となる。ｆ４／ｆの値が下限値である２．３以下となると、第４レンズ１４０の屈折率が大き過ぎてしまい、非点収差の補正が困難となる。条件式（１０）が満たされることで、球面収差及び非点収差の補正が容易となる。
【0058】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（１１）をさらに満足してもよい。
－２．２＜ｆ６／ｆ＜－１．９５ （１１）
ただし、ｆ６は、第６レンズ１６０のｄ線に対する焦点距離である。
－２．２＜ｆ６／ｆ＜－１．９５ （１１）
ただし、ｆ６は、第６レンズ１６０のｄ線に対する焦点距離である。
【0059】
条件式（１１）は、第６レンズ１６０の焦点距離と撮像レンズ１０の焦点距離とを関連付けたものである。ｆ６／ｆの値が上限値である－１．９５以上となると、第６レンズ１６０の屈折率が大き過ぎてしまい、非点収差の補正が困難となる。ｆ６／ｆの値が下限値である－２．２以下となると、凹レンズである第６レンズ１６０の屈折率が小さ過ぎてしまい、軸上色収差の補正が困難となる。条件式（１１）が満たされることで、非点収差及び軸上色収差の補正が容易となる。
【0060】
撮像レンズ１０は、第２レンズ１２０の両面の各々が凹面であることで、第２レンズ１２０に対して追加の加工を施すことなく、第１レンズ１１０及びスペーサなどに対し平面で接触させることが可能な平坦受け部を容易に形成することができる。これにより、公差感度の低い構成が実現可能となる。図１に示されるように、平坦受け部は、光軸Ａｘから最も離れた領域であって、第１レンズ１１０と第２レンズ１２０とが互いに接触している領域において、第２レンズ１２０に形成されている。
【0061】
例えば、レンズ面が凸形状の場合、レンズの外周において光軸から最も離れた領域で平坦受け部を付加的に形成する必要がある。このような平坦受け部が凸レンズに存在しない場合、凹レンズに対する凸レンズの受け位置が安定せずに凸レンズの光軸がずれたりする。その結果、凸レンズをレンズ系に組み込むときに、組立て公差に収まらない可能性もある。凸形状のレンズ面の外周に平坦受け部を付加的に形成する加工は容易ではないため、平坦受け部を通常の加工の結果有する凹形状のレンズ面が第２レンズ１２０に形成されていることが望ましい。
【0062】
撮像レンズ１０は、第１レンズ１１０の物体側面が凸面であることで、第１レンズ１１０に対して追加の加工を施すことなく、リテーナなどでの被保持構造を容易に形成することが可能である。加えて、撮像レンズ１０に入射した光の像面２１での反射光が第１レンズ１１０の物体側面に入射したときにその再反射光が集光せずに発散しやすくなる。したがって、このような再反射光が像面２１で再結像してゴーストが発生するようなことを抑制可能である。
【0063】
撮像レンズ１０は、第５レンズ１５０と第６レンズ１６０とが接合レンズとして形成されていることで、軸ずれ感度が高い第５レンズ１５０及び第６レンズ１６０を接合レンズとして構成でき、公差感度の低い光学系を実現可能である。加えて、撮像レンズ１０は、
接合レンズにより構成枚数を低減し、撮像レンズ１０への組み込みの作業負荷を低減することが可能である。
接合レンズにより構成枚数を低減し、撮像レンズ１０への組み込みの作業負荷を低減することが可能である。
【0064】
撮像レンズ１０は、第１レンズ１１０、第２レンズ１２０、第３レンズ１３０、第４レンズ１４０、第５レンズ１５０、及び第６レンズ１６０の各々が硝子材料で形成されてよい。紫外線による黄変及び温度変化による光学特性の変化などを抑制可能である。第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０の各々は、屈折率が異なる硝子材料が用いられてもよい。第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０の材料は、硝子に限らない。例えば、第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０のうち、いずれか１つのレンズのみが、硝子以外の材料から構成されていてもよい。例えば、第１レンズ１１０乃至第６レンズ１６０のうち、いずれか１つのレンズのみが、樹脂材料などから構成されていてもよい。
【0065】
撮像レンズ１０は、以下の条件式（１２）をさらに満足してもよい。
Ｗ≧６３．５ （１２）
ただし、Ｗは、像面２１での最大像高位置に入射する光線の半画角である。
Ｗ≧６３．５ （１２）
ただし、Ｗは、像面２１での最大像高位置に入射する光線の半画角である。
【0066】
条件式（１２）は、撮像レンズ１０全系の画角に関する式である。Ｗの値が上限値である６３．５より大きくとなると、例えば車載用カメラに用いられる撮像装置１が満たすべき撮像範囲を確保することが困難となる。条件式（１２）が満たされることで、例えば車載用カメラに用いられる撮像装置１が満たすべき撮像範囲が容易に確保される。
【0067】
（実施例）
次に、本開示の撮像レンズ１０に係る実施例のレンズ構成について主に説明する。より具体的には、撮像レンズ１０の具体的な数値による実施例１乃至８を示す。実施例１乃至８は、各レンズの屈折力の正負、面形状、及び条件式（１）乃至（１２）に示すパラメータなどについて、上述した一実施形態の特徴を有する。
次に、本開示の撮像レンズ１０に係る実施例のレンズ構成について主に説明する。より具体的には、撮像レンズ１０の具体的な数値による実施例１乃至８を示す。実施例１乃至８は、各レンズの屈折力の正負、面形状、及び条件式（１）乃至（１２）に示すパラメータなどについて、上述した一実施形態の特徴を有する。
【0068】
実施例１乃至８において、上述した撮像レンズ１０の焦点距離及び撮像レンズ１０の光軸Ａｘ上での全長Ｄａ、並びにＦ値及び像高の各々の値は、次の表１のとおりである。表１の各実施例における諸データにおいて、焦点距離などを含む、レンズ諸元から導出される値についても、特記のない限りｄ線に対する値である。
【0069】
【表1】
【0070】
実施例１乃至８において、条件式（１）乃至（１２）の各々に含まれるパラメータの値は、次の表２のとおりである。
【0071】
【表2】
【0072】
各実施例における基本レンズデータにおいて、レンズ諸元中の番号ｉ（ｉは自然数）は、撮像レンズ１０に含まれる全てのレンズ、開口絞り１７０、平板１８０の各面に対して物体側から順番に付された面番号である。Ｒｉはｉ番目の面の曲率半径である。Ｄｉはｉ番目の面とｉ＋１番目の面との間の光軸Ａｘ上での間隔である。Ｎｄはｄ線に対する屈折率である。νｄはｄ線に対するアッベ数である。
【0073】
以下の全ての諸元の値において、記載されている曲率半径Ｒｉ及び面間隔Ｄｉなどの長さの単位は特記のない限りミリメートル（ｍｍ）を使用し、各表での記載を省略する。しかしながら、撮像レンズ１０では比例拡大と比例縮小とにおいても同等の光学性能が得られるので、これに限定されない。
【0074】
以下の実施例において記載されるレンズの非球面の形状は、物体側から像側へ向かう方向を正とし、ｋを円錐係数、Ａを４次の非球面係数、Ｂを６次の非球面係数、Ｃを８次の非球面係数、Ｄを１０次の非球面係数としたとき、次の数式（１３）、すなわち非球面方程式で表される。ただし、ｈは光線の高さ、ｃは中心曲率半径の逆数、Ｚは面頂点に対する接平面からの深さ、をそれぞれ表している。
【0075】
【数1】
【0076】
以下の各実施例における非球面データは、基本レンズデータにおいて「※」を付したレンズ面の非球面形状を与える非球面係数などを示す。
【0077】
【0078】
図１に示されるように、実施例１の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈
折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0079】
図１において、Ｄ１は、第１レンズ１１０の軸上厚みに対応し、面Ｓ１と面Ｓ２との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ２は、面Ｓ２と面Ｓ３との間の軸上距離である。Ｄ３は、第２レンズ１２０の軸上厚みに対応し、面Ｓ３と面Ｓ４との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ４は、面Ｓ４と面Ｓ５との間の軸上距離である。Ｄ５は、面Ｓ５と面Ｓ６との間の軸上距離である。Ｄ６は、第３レンズ１３０の軸上厚みに対応し、面Ｓ６と面Ｓ７との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ７は、面Ｓ７と面Ｓ８との間の軸上距離である。Ｄ８は、第４レンズ１４０の軸上厚みに対応し、面Ｓ８と面Ｓ９との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ９は、面Ｓ９と面Ｓ１０との間の軸上距離である。Ｄ１０は、第５レンズ１５０の軸上厚みに対応し、面Ｓ１０と面Ｓ１１との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ１１は、第６レンズ１６０の軸上厚みに対応し、面Ｓ１１と面Ｓ１２との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ１２は、面Ｓ１２と面Ｓ１３との間の軸上距離である。Ｄ１３は、平板１８０の軸上厚みに対応し、面Ｓ１３と面Ｓ１４との間の光軸Ａｘ上の距離である。Ｄ１４は、面Ｓ１４と像面２１との間の軸上距離である。
【0080】
面間隔Ｄｉに関する上記の説明は、以下の他の実施例においても同様に当てはまる。
【0081】
表３は、実施例１に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及びＳ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0082】
第１レンズ１１０の面Ｓ１は凸面であるため、水滴などの付着がしにくい。第３レンズ１３０の面Ｓ７は凸面であるため、絞り１７０を通過した光線のコントロールが容易である。第６レンズ１６０の面Ｓ１３は凸面であるため、ゴーストの発生を抑えることができる。
【0083】
【表3】
【0084】
表４は、実施例１に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0085】
【表4】
【0086】
【0087】
図２Ａは、図１の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図２Ａにおいて、縦軸は瞳径を１に正規化した入射瞳上の入射高を示し、横軸は結像位置のずれを示す。グラフ中の各線は、グラフ右に示す各波長の光に対する球面収差（ｍｍ）を示す。
【0088】
図２Ｂは、図１の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図２Ｂにおいて、縦軸は瞳径を１に正規化した入射瞳上の入射高を示し、横軸は結像位置のずれを示す。グラフ中の各線は、グラフ右に示す各波長の光に対する非点収差（ｍｍ）を示す。「Ｓａｇｉｔｔａｌ」はサジタル方向における像面の値を意味し、「Ｔａｎｇｅｎｔｉａｌ」は垂直（タンジェンシャル）方向における像面の値を意味する。
【0089】
図２Ｃは、図１の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図２Ｃにおいて、縦軸は瞳径を１に正規化した入射瞳上の入射高を示し、横軸は結像位置のずれを示す。グラフ中の各線は、グラフ右に示す各波長の光に対する歪曲収差（％）を示す。
【0090】
【0091】
以上の収差図に関する説明は、他の各実施例で示す収差図においても同様に当てはまるため、以下では説明を省略する。
【0092】
【0093】
図３に示されるように、実施例２の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニ
スカス形状のレンズである。
スカス形状のレンズである。
【0094】
表５は、実施例２に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0095】
【表5】
【0096】
表６は、実施例２に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0097】
【表6】
【0098】
図４Ａ、図４Ｂ及び図４Ｃは、図３の撮像レンズ１０の収差図である。図４Ａは、図３の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図４Ｂは、図３の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図４Ｃは、図３の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図４Ａ、図４Ｂ及び図４Ｃに示されるように、実施例２によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0099】
【0100】
図５に示されるように、実施例３の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0101】
表７は、実施例３に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0102】
【表7】
【0103】
表８は、実施例３に係るに係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0104】
【表8】
【0105】
図６Ａ、図６Ｂ及び図６Ｃは、図５の撮像レンズ１０の収差図である。図６Ａは、図５の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図６Ｂは、図５の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図６Ｃは、図５の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図６Ａ、図６Ｂ及び図６Ｃに示されるように、実施例３によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0106】
【0107】
図７に示されるように、実施例４の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0108】
表９は、実施例４に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0109】
【表9】
【0110】
表１０は、実施例４に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0111】
【表10】
【0112】
図８Ａ、図８Ｂ及び図８Ｃは、図７の撮像レンズ１０の収差図である。図８Ａは、図７の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図８Ｂは、図７の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図８Ｂは、図７の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図８Ａ、図８Ｂ及び図８Ｃに示されるように、実施例４によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0113】
【0114】
図９に示されるように、実施例５の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0115】
表１１は、実施例５に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0116】
【表11】
【0117】
表１２は、実施例５に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0118】
【表12】
【0119】
図１０Ａ、図１０Ｂ及び図１０Ｃは、図９の撮像レンズ１０の収差図である。図１０Ａは、図９の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図１０Ｂは、図９の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図１０Ｃは、図９の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図１０Ａ、図１０Ｂ及び図１０Ｃに示されるように、実施例５によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0120】
【0121】
図１１に示されるように、実施例６の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有
する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0122】
表１３は、実施例６に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0123】
【表13】
【0124】
表１４は、実施例６に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0125】
【表14】
【0126】
図１２Ａ、図１２Ｂ及び図１２Ｃは、図１１の撮像レンズ１０の収差図である。図１２Ａは、図１１の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図１２Ｂは、図１１の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図１２Ｃは、図１１の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図１２Ａ、図１２Ｂ及び図１２Ｃに示されるように、実施例６によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能
に優れた撮像レンズ１０が得られる。
に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0127】
【0128】
図１３に示されるように、実施例７の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0129】
表１５は、実施例７に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0130】
【表15】
【0131】
表１６は、実施例７に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0132】
【表16】
【0133】
図１４Ａ、図１４Ｂ及び図１４Ｃは、図１３の撮像レンズ１０の収差図である。図１４Ａは、図１３の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図１４Ｂは、図１３の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図１４Ｃは、図１３の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図１４Ａ、図１４Ｂ及び図１４Ｃに示されるように、実施例７によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0134】
【0135】
図１５に示されるように、実施例８の撮像レンズ１０において、第１レンズ１１０は、負の屈折力及び非球面形状を有する。第１レンズ１１０は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズである。第２レンズ１２０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第２レンズ１２０は、両凹レンズである。第３レンズ１３０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第３レンズ１３０は、両凸レンズである。第４レンズ１４０は、正の屈折力及び非球面形状を有する。第４レンズ１４０は、両凸レンズである。第５レンズ１５０は、正の屈折力及び球面形状を有する。第５レンズ１５０は、両凸レンズである。第６レンズ１６０は、負の屈折力及び球面形状を有する。第６レンズ１６０は、物体側に凹面を向けたメニスカス形状のレンズである。
【0136】
表１７は、実施例８に係る撮像レンズ１０の諸元値を含む基本レンズデータを示す。表３において、「※」で示される非球面としての面Ｓ１、面Ｓ２、面Ｓ８及び面Ｓ９に対しては、曲率半径Ｒｉの値は、近軸曲率半径を示している。
【0137】
【表17】
【0138】
表１８は、実施例８に係る撮像レンズ１０の非球面係数を含む非球面データを示す。表４に示す非球面データは、第１レンズ１１０の面Ｓ１及びＳ２、第４レンズ１４０の面Ｓ８及び面Ｓ９の各々に対するデータである。
【0139】
【表18】
【0140】
図１６Ａ、図１６Ｂ及び図１６Ｃは、図１５の撮像レンズ１０の収差図である。図１６Ａは、図１５の撮像レンズ１０の球面収差を示すグラフ図である。図１６Ｂは、図１５の撮像レンズ１０の非点収差を示すグラフ図である。図１６Ｃは、図１５の撮像レンズ１０の歪曲収差を示すグラフ図である。図１６Ａ、図１６Ｂ及び図１６Ｃに示されるように、実施例８によれば、非点収差、歪曲収差、又は球面収差などが良好に補正され、結像性能に優れた撮像レンズ１０が得られる。
【0141】
以上のような本開示の一実施形態に係る撮像レンズ１０及び撮像装置１によれば、より高い光学性能を実現可能である。その結果、監視用カメラ及び車載用カメラなどを含むカメラに搭載可能なコンパクトで高い光学性能を有する撮像レンズ１０及び撮像装置１を実現することが可能である。本開示の一実施形態に係る撮像レンズ１０及び撮像装置１は、移動体に搭載されてよい。移動体は例えば、自動車両、産業車両、鉄道車両、生活車両、および滑走路を走行する固定翼機等を含んでよい。自動車両は、例えば乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含んでよい。産業車両は、例えば農業および建設向けの産業車両等を含んでよい。産業車両は、例えばフォークリフトおよびゴルフカー
ト等を含んでよい。農業向けの産業車両は、例えばトラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機等を含んでよい。建設向けの産業車両は、例えばブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラ等を含んでよい。移動体は、人力で移動するものを含んでよい。
ト等を含んでよい。農業向けの産業車両は、例えばトラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機等を含んでよい。建設向けの産業車両は、例えばブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラ等を含んでよい。移動体は、人力で移動するものを含んでよい。
【0142】
撮像レンズ１０は、条件式（１）を満たすことで、球面収差を容易に補正可能であり、且つ像面湾曲の発生を抑制可能である。
【0143】
撮像レンズ１０は、条件式（２）を満たすことで、球面収差を容易に補正可能であり、且つ非点収差の発生を抑制可能である。加えて、第１レンズ１１０の加工が容易となり、リテーナなどによる第１レンズ１１０の破損も抑制可能である。
【0144】
撮像レンズ１０は、条件式（３）を満たすことで、軸上色収差及び球面収差を容易に補正可能である。
【0145】
撮像レンズ１０は、条件式（４）を満たすことで、球面収差を容易に補正可能であり、且つ非点収差の発生を抑制可能である。
【0146】
撮像レンズ１０は、条件式（５）を満たすことで、像面湾曲及び非点収差を容易に補正可能である。
【0147】
撮像レンズ１０は、条件式（６）を満たすことで、温度によるピント位置のずれの補正が容易に可能であり、且つ温度によるピント位置のずれの過補正が抑制可能である。
【0148】
撮像レンズ１０は、条件式（７）を満たすことで、軸上色収差を容易に補正可能である。
【0149】
撮像レンズ１０は、条件式（８）を満たすことで、非点収差を容易に補正可能である。
【0150】
撮像レンズ１０は、条件式（９）を満たすことで、像面湾曲及び非点収差を容易に補正可能である。
【0151】
撮像レンズ１０は、条件式（１０）を満たすことで、球面収差及び非点収差を容易に補正可能である。
【0152】
撮像レンズ１０は、条件式（１１）を満たすことで、非点収差及び軸上色収差を容易に補正可能である。
【0153】
撮像レンズ１０は、条件式（１２）を満たすことで、車載用カメラに用いられる撮像装置１が満たすべき撮像範囲を容易に確保可能である。
【0154】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0155】
例えば、上述した各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数などは、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0156】
一実施形態に係る撮像レンズ１０について説明したが、本開示は上述した各実施例の撮像レンズ１０に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、各実施例の撮像レンズ１０の諸元は例示であって、本開示の範囲内で種々のパラメータの変更が可能である。
【符号の説明】
【0157】
１ 撮像装置
１０ 撮像レンズ
１１０ 第１レンズ
１２０ 第２レンズ
１３０ 第３レンズ
１４０ 第４レンズ
１５０ 第５レンズ
１６０ 第６レンズ
１７０ 開口絞り
１８０ 平板
２０ 撮像素子
２１ 像面
Ａｘ 光軸
Ｄｉ 面間隔
Ｄａ 全長
Ｒｉ 曲率半径
Ｓｉ 面
１０ 撮像レンズ
１１０ 第１レンズ
１２０ 第２レンズ
１３０ 第３レンズ
１４０ 第４レンズ
１５０ 第５レンズ
１６０ 第６レンズ
１７０ 開口絞り
１８０ 平板
２０ 撮像素子
２１ 像面
Ａｘ 光軸
Ｄｉ 面間隔
Ｄａ 全長
Ｒｉ 曲率半径
Ｓｉ 面
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】