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<図1>
  • 特開-紙製の吊下用包装体 図1
  • 特開-紙製の吊下用包装体 図2
  • 特開-紙製の吊下用包装体 図3
  • 特開-紙製の吊下用包装体 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141444
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】紙製の吊下用包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/14 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B65D33/14 A ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053102
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】504129386
【氏名又は名称】有限会社 東宝ラベル
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 啓二
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064BA01
3E064BC15
3E064EA30
3E064FA01
3E064GA04
3E064HA10
3E064HB02
3E064HF02
3E064HG10
3E064HH01
3E064HH02
3E064HL05
3E064HM01
(57)【要約】
【課題】組み立てが容易で、かつ地球環境に優しい吊下用包装体を提供する。
【解決手段】本発明に係る吊下用包装体10は、平面視矩形状の正面部20と、正面部20の背面側に形成された平面視矩形状の商品収容部30と、正面20部の上辺から該上辺の下方にある商品収容部30の上辺よりさらに下方へと延びて該商品収容部30の少なくとも一部を覆うフラップ部21と、正面部20およびフラップ部21に挟まれた平面視矩形状の補強紙片40とを備えている。正面部20、商品収容部30およびフラップ部21はひと続きの紙材からなり、補強紙片40は上記紙材より厚みのある紙材からなっている。正面部20の上辺および商品収容部30の上辺の間の距離は、補強紙片40の上下方向寸法に実質的に等しい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収容した状態で吊下棒に吊り下げられることで該商品を陳列する吊下用包装体であって、
平面視矩形状の正面部と、
前記正面部の背面側に形成された、上辺のみが開口した平面視矩形状の商品収容部と、
前記正面部の上辺から該上辺の下方にある前記商品収容部の上辺よりさらに下方へと延びて該商品収容部の少なくとも一部を覆うフラップ部と、
前記正面部および前記フラップ部に挟まれた平面視矩形状の補強紙片と、
を備え、
前記正面部、前記商品収容部および前記フラップ部は、ひと続きの紙材からなり、
前記補強紙片は、前記紙材より厚みのある紙材からなり、
前記正面部の上辺および前記商品収容部の上辺の間の距離は、前記補強紙片の上下方向寸法に実質的に等しく、
前記正面部に設けられた第1挿通穴、前記フラップ部に設けられた第2挿通穴、および前記補強紙片に設けられた第3挿通穴が、互いに重なり合っている
ことを特徴とする吊下用包装体。
【請求項2】
前記商品収容部は、前記正面部の底辺から延びたボトムフラップ部、および前記正面部の左右両側辺から延びたサイドフラップ部を折り畳むことにより形成されたものである
ことを特徴とする請求項1に記載の吊下用包装体。
【請求項3】
前記商品収容部の上辺となる前記ボトムフラップ部の端部の左右方向中央部、および前記補強紙片の下端部の左右方向中央部に、位置合わせ用のマークが設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の吊下用包装体。
【請求項4】
前記正面部の上辺および前記商品収容部の上辺の間の距離は、前記補強紙片の上下方向寸法より1mm~2mmだけ大きい
ことを特徴とする請求項3に記載の吊下用包装体。
【請求項5】
前記正面部は、前記商品収容部に収容された前記商品を視認するための窓を有している
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の吊下用包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を収容した状態で吊下棒に吊り下げられることで該商品を陳列する吊下用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の吊下用包装体が知られている。この吊下用包装体は、プラスチックフィルム等からなる袋体(商品収容部)と、袋体の開口部に装着された厚手の紙材を折り曲げてなるヘッダーと、ヘッダーに設けられた挿通穴を補強する補強主体とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56-153441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記吊下用包装体は、袋体がプラスチックフィルム等からなっている。このため、この吊下用包装体を大量に生産し、使用し、廃棄すると、SDGsの達成が困難になる。また、上記吊下用包装体は、商品を収容した袋体へのヘッダーの装着、およびヘッダーにおける補強主体の位置合わせを手際よく行うのに熟練を要するという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、組み立て(すなわち、商品の包装作業)が容易で、かつ地球環境に優しい吊下用包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る吊下用包装体は、商品を収容した状態で吊下棒に吊り下げられることで該商品を陳列するものであって、平面視矩形状の正面部と、正面部の背面側に形成された、上辺のみが開口した平面視矩形状の商品収容部と、正面部の上辺から該上辺の下方にある商品収容部の上辺よりさらに下方へと延びて該商品収容部の少なくとも一部を覆うフラップ部と、正面部およびフラップ部に挟まれた平面視矩形状の補強紙片とを備え、正面部、商品収容部およびフラップ部は、ひと続きの紙材からなり、補強紙片は、上記紙材より厚みのある紙材からなり、正面部の上辺および商品収容部の上辺の間の距離は、補強紙片の上下方向寸法に実質的に等しく、正面部に設けられた第1挿通穴、フラップ部に設けられた第2挿通穴、および補強紙片に設けられた第3挿通穴が、互いに重なり合っている、との構成を有している。
【0007】
上記吊下用包装体の商品収容部は、例えば、正面部の底辺から延びたボトムフラップ部、および正面部の左右両側辺から延びたサイドフラップ部を折り畳むことにより形成されたものであってもよい。
【0008】
上記吊下用包装体は、商品収容部の上辺となるボトムフラップ部の端部の左右方向中央部、および補強紙片の下端部の左右方向中央部に、位置合わせ用のマークが設けられていることが好ましい。
【0009】
上記吊下用包装体は、正面部の上辺および商品収容部の上辺の間の距離が、補強紙片の上下方向寸法より1mm~2mmだけ大きいことが好ましい。
【0010】
上記吊下用包装体の正面部は、商品収容部に収容された商品を視認するための窓を有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組み立てが容易で、かつ地球環境に優しい吊下用包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る吊下用包装体の正面側斜視図である。
図2】本発明の実施例に係る吊下用包装体の背面側斜視図である。
図3】本発明の実施例に係る吊下用包装体の構成要素を示す図であって、(A)および(B)は、正面部、商品収容部およびフラップ部となる紙材を示す図、(C)は、補強紙片を示す図である。
図4】本発明の実施例に係る吊下用包装体の組み立て工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る吊下用包装体の実施例について説明する。
【0014】
[実施例]
図1および図2に、本発明の実施例に係る吊下用包装体10を示す。吊下用包装体10は、商品を収容した状態で吊下棒に吊り下げられることで該商品を陳列するためのもので、商品名(本実施例では、「タオルハンカチ」)が印刷された平面視矩形状の正面部20と、正面部20の背面側に形成された平面視矩形状の袋状の商品収容部30と、正面部20の上辺から該上辺の下方にある商品収容部30の上辺よりさらに下方へと延びて該商品収容部30の少なくとも一部を覆うフラップ部21と、正面部20およびフラップ部21に挟まれた平面視矩形状の補強紙片40とを備えている。商品収容部30は、商品を出し入れするために上辺のみが開口している。
【0015】
正面部20は、吊下棒を挿通させる第1挿通穴26と、商品収容部30に収容された商品を視認するための窓25とを有している。窓25は、商品を保護するために薄手の透明プラスチックフィルムで塞がれていてもよい。
【0016】
吊下棒を挿通させる挿通穴は、フラップ部21および補強紙片40にも設けられている。すなわち、フラップ部21は第2挿通穴27を有し、補強紙片40は第3挿通穴41を有している。3つの挿通穴26,27,41は、互いに重なり合っている。
【0017】
図3(A),(B)から理解されるように、商品収容部30は、正面部20の底辺から延びたボトムフラップ部22、および正面部20の左右両側辺から延びたサイドフラップ部23,24を折り畳んで内カマス貼りすることにより形成したものである。ボトムフラップ部22およびサイドフラップ部23,24の貼り合わせは、外カマス貼りであってもよい。なお、図3(A)中の一点鎖線は山折りされる部分であることを示し、図3(B)中の破線は谷折りされる部分であることを示す。
【0018】
本実施例では、正面部20の上下方向(「天地方向」ともいう)寸法は180mm、ボトムフラップ部22の上下方向寸法は153mmである。このため、ボトムフラップ部22を折り畳んでも、正面部20の上辺および該上辺に隣接する上下方向寸法27mmの横長の帯状領域は、ボトムフラップ部22によって覆われない(図4参照)。
【0019】
また、本実施例では、フラップ部21の上下方向寸法は上記27mmよりも大きい47mmである。このため、フラップ部21を折り畳むと、ボトムフラップ部22の上辺(=商品収容部30の開口部)および該上辺に隣接する上下方向寸法20mmの領域は、フラップ部21によって覆われる。これにより、商品収容部30の開口部は閉じられる。
【0020】
商品収容部30の上辺となるボトムフラップ部22の端部の左右方向中央部には、図3(A)に示すように、位置合わせ用マーク28が印刷により設けられている。
【0021】
第1挿通穴26は、8mmの直径を有している。第1挿通穴26は、上記帯状領域の中央に設けられている。
【0022】
第2挿通穴27は、9mmの直径を有している。第2挿通穴27は、フラップ部21を折り畳んだときに第1挿通穴26に重なるような位置に設けられている。
【0023】
正面部20、フラップ部21および商品収容部30(ボトムフラップ部22、サイドフラップ部23,24)は、ひと続きの紙材からなっている。本発明では、紙材の種類は特に限定されないが、商品の形状に追従可能な比較的薄手のものが好ましい。
【0024】
図3(C)に示すように、本実施例における補強紙片40は、上下方向寸法が26mm、左右方向寸法が40mmである。補強紙片40の上下方向寸法は、前述の帯状領域の上下方向寸法(27mm)に実質的に等しく、その差は僅か1mmである。
【0025】
補強紙片40は、正面部20等を構成する紙材より厚みのある紙材からなっている。
【0026】
第3挿通穴41は、10mmの直径を有している。第3挿通穴41は、補強紙片40の中央に設けられている。
【0027】
補強紙片40の下端部の左右方向中央部には、位置合わせ用マーク42が印刷により設けられている。
【0028】
続いて、本実施例に係る吊下用包装体10の組み立てについて説明する。
【0029】
第1工程:サイドフラップ部23,24を順不同で折り畳み、次いでボトムフラップ部22を折り畳むとともに適当な糊でサイドフラップ部23,24およびボトムフラップ部22を貼り合わせることにより、商品収容部30を形成する。
【0030】
第2工程:補強紙片40を正面部20の帯状領域内にある所定位置に配置する(図4参照)。ボトムフラップ部22および補強紙片40に位置合わせ用マーク28,42が設けられており、しかも帯状領域の上下方向寸法と補強紙片40の上下方向寸法とが実質的に同一であるため、作業者は、一切迷うことなく補強紙片40を所定位置に配置することができる。なお、補強紙片40の正面部20に接することになる面は、粘着性を有していることが好ましい。
【0031】
第3工程:フラップ部21を折り畳んで商品収容部30の開口部を覆い隠す(図4参照)。
【0032】
このように、本実施例に係る吊下用包装体10の組み立ては、補強紙片40を挟み込むように1枚の紙材を折り畳んでいくだけで完了する。補強紙片40の位置合わせも容易である。
【0033】
また、本実施例に係る吊下用包装体10は、正面部20、フラップ部21、商品収容部30(ボトムフラップ部22、サイドフラップ部23,24)および補強紙片40が紙材からなっているので、自然環境に優しい。
【0034】
[変形例]
以上、本発明に係る吊下用包装体の実施例について説明してきたが、本発明の構成はこれに限定されない。
【0035】
例えば、帯状領域の上下方向寸法は、補強紙片の上下方向寸法と同一であってもよいし、補強紙片の上下方向寸法より0mm~3mmだけ大きくてもよいが、補強紙片の上下方向寸法より1mm~2mmだけ大きいことが特に好ましい。なお、両者の差が3mmを超えると、補強紙片を配置するときに迷いが生じる。
【0036】
補強紙片の形状は、矩形状に限定されない。例えば、補強紙片は、第1挿通穴および第2挿通穴よりも大きな円形状であってもよい。
【0037】
ボトムフラップ部および補強紙片に設けられた位置合わせ用マークは、単なる棒線以外の形態を有していてもよい。例えば、補強紙片側の位置合わせ用マークを「▼」とし、ボトムフラップ部側の位置合わせ用マークを「▲」としてもよい。
【0038】
ボトムフラップ部および補強紙片に設けられた位置合わせ用マークの一方または両方は、任意の形状(例えば、V字状)の切り欠きであってもよい。
【0039】
商品を視認させる必要がない場合、正面部に設けられた窓は省略されてもよい。
【0040】
第1挿通穴、第2挿通穴および第3挿通穴の直径および形状は、吊下棒を挿通させることができ、かつ吊下棒に対して過度のガタつきが生じない限りにおいて、任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 吊下用包装体
20 正面部
21 フラップ部
22 ボトムフラップ部
23 サイドフラップ部
24 サイドフラップ部
25 窓
26 第1挿通穴
27 第2挿通穴
28 位置合わせ用マーク
30 商品収容部
40 補強紙片
41 第3挿通穴
42 位置合わせ用マーク
図1
図2
図3
図4