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特開2024-141464印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141464
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241003BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J29/38 350
B41J29/38 401
H04N1/00 127B
H04N1/00 002B
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053138
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 昌伸
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EB03
2C056EB29
2C056HA58
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061BB08
2C061BB11
2C061CG02
2C061CG15
2C061CH03
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HK23
2C061HV02
2C061HV09
2C061HV19
2C061HV21
2C061HV26
2C061HV32
2C061KK03
2C061KK04
2C061KK06
2C061KK35
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】印刷装置における異常の有無を効率的に判別できる印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラムを提供する。
【解決手段】印刷装置管理システムは、印刷装置と、前記印刷装置との間で無線通信を行う第1通信部、前記印刷装置で生じる音を集める集音部、および、集めた前記音に基づき音声データを生成する生成部を有する通信機器と、前記通信機器と通信を行う第2通信部および前記音声データに基づき前記印刷装置の異常を解析する解析部を有し、前記第2通信部を介して前記異常の種類ごとの前記解析部による解析結果を前記通信機器に送信するサーバとを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置と、
前記印刷装置との間で無線通信を行う第1通信部、前記印刷装置で生じる音を集める集音部、および、集めた前記音に基づき音声データを生成する生成部を有する通信機器と、
前記通信機器と通信を行う第2通信部および前記音声データに基づき前記印刷装置の異常を解析する解析部を有し、前記第2通信部を介して前記異常の種類ごとの前記解析部による解析結果を前記通信機器に送信するサーバと、を備える、印刷装置管理システム。
【請求項2】
前記解析部は、前記通信機器が前記印刷装置に対して無線通信が可能な所定の範囲にあるときに前記異常を解析する、請求項1に記載の印刷装置管理システム。
【請求項3】
前記第1通信部は、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行い、
前記解析部は、前記通信機器が前記印刷装置に対して前記Bluetooth規格に準拠した無線通信が可能な所定の範囲にあるときに前記異常を解析する、請求項2に記載の印刷装置管理システム。
【請求項4】
前記印刷装置は、前記印刷装置と前記通信機器との距離に係る情報を前記通信機器に送信し、
前記通信機器は、前記距離が所定値以下である場合に、前記印刷装置で生じる前記音を前記集音部に集音させるモードに移行する、請求項1に記載の印刷装置管理システム。
【請求項5】
前記印刷装置は、前記集音部による集音を開始すべきトリガ情報を所定のタイミングで前記通信機器に送信し、
前記集音部は、前記トリガ情報を前記印刷装置から受信すると集音を開始する、請求項1に記載の印刷装置管理システム。
【請求項6】
前記印刷装置は、被印刷媒体に液滴を吐出する吐出ヘッド、前記被印刷媒体が収容される媒体収容部、および、前記媒体収容部から前記吐出ヘッドへ前記被印刷媒体を送り出す供給ローラを有し、
前記所定のタイミングは、前記供給ローラの駆動が開始されるタイミングを含む、請求項5に記載の印刷装置管理システム。
【請求項7】
前記印刷装置は被印刷媒体に液滴を吐出する吐出ヘッドを有し、
前記所定のタイミングは、前記吐出ヘッドにより前記液滴が前記被印刷媒体に向けて吐出されるタイミングを含む、請求項5に記載の印刷装置管理システム。
【請求項8】
前記印刷装置は、被印刷媒体に液滴を吐出する吐出ヘッド、および、前記吐出ヘッドよりも搬送方向の下流側に設けられて前記被印刷媒体を検知する排出センサを有し、
前記所定のタイミングは、前記排出センサにより前記被印刷媒体が検知されるタイミングを含む、請求項5に記載の印刷装置管理システム。
【請求項9】
前記印刷装置は、前記吐出ヘッドよりも搬送方向の上流側に設けられて前記被印刷媒体を検知するレジセンサを有し、
前記集音部は、前記被印刷媒体を検知しないオフ信号を前記レジセンサから受信したときに集音を停止する、請求項6に記載の印刷装置管理システム。
【請求項10】
前記集音部は、前記被印刷媒体を検知しないオフ信号を前記排出センサから受信したときに集音を停止する、請求項8に記載の印刷装置管理システム。
【請求項11】
前記印刷装置は、第1印刷装置および第2印刷装置を含み、
前記通信機器は、前記第1印刷装置に対する第1ジョブに関する第1信号および前記第2印刷装置に対する前記第1ジョブとは異なる第2ジョブに関する第2信号に基づき、前記第1ジョブの実行期間と前記第2ジョブの実行期間との間に重複期間が存在するか否かを判別し、
前記集音部は、前記重複期間が存在する場合には集音を行わない、請求項1に記載の印刷装置管理システム。
【請求項12】
前記集音部は、集音を開始する前に、当該集音部の集音特性を補正するための音を前記印刷装置から取得する、請求項1に記載の印刷装置管理システム。
【請求項13】
前記解析部は、ニューラルネットワークを有し、
前記サーバは、前記ニューラルネットワークで、前記印刷装置の機種に応じた重みを取得する、請求項1に記載の印刷装置管理システム。
【請求項14】
前記解析部は、ニューラルネットワークを有し、
前記サーバは、取得した前記音に基づき、前記ニューラルネットワークで、前記集音部の集音特性に応じた重みに変更する、請求項12に記載の印刷装置管理システム。
【請求項15】
印刷装置で生じる音を集め、集めた前記音に基づき音声データを生成し、前記音声データに基づき前記印刷装置の異常を解析し、前記異常の種類ごとの解析結果を通信機器に送信する、印刷装置管理方法。
【請求項16】
印刷装置と、前記印刷装置との間で通信を行う通信機器と、サーバとを備える印刷装置管理システムにおけるコンピュータに実行させる印刷装置管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記印刷装置で生じる音を集め、集めた前記音に基づき音声データを生成する生成手段、
前記音声データに基づき前記印刷装置の異常を解析する解析手段、および
前記解析手段による解析結果を前記通信機器に送信する指示を行う送信手段、として機能させる、印刷装置管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の異常の有無を判別する管理システムが知られている(特許文献1)。この管理システムにおいては、画像形成装置が動作時に発生する音を集音手段によって集音し、その音データを稼動情報に関連付けて集中管理センタへ送信する。集中管理センタでは、送信されてきた音データと周辺機の稼動情報を受信して記録装置に記録すると共に、周波数解析装置で音データの周波数解析を行う。音データの周波数解析結果と各ピーク周波数においての規定値とを比較し、全ての周波数において規定値以下であれば、画像形成装置は正常であると判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-092315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の管理システムでは上記規定値を人為的に決めている。そのため、印刷装置の異常を細分化して分類するには膨大な数の規定値を設定する必要があり、効率的でなかった。
【0005】
そこで、本発明は、印刷装置における異常の有無を効率的に判別できる印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷装置管理システムは、印刷装置と、前記印刷装置との間で無線通信を行う第1通信部、前記印刷装置で生じる音を集める集音部、および、集めた前記音に基づき音声データを生成する生成部を有する通信機器と、前記通信機器と通信を行う第2通信部および前記音声データに基づき前記印刷装置の異常を解析する解析部を有し、前記第2通信部を介して前記異常の種類ごとの前記解析部による解析結果を前記通信機器に送信するサーバと、を備えるものである。
【0007】
本発明に従えば、従来のように印刷装置の異常の有無を判別するための規定値を予め設定することなく、通信機器の生成部により生成された音声データに基づき印刷装置の異常が解析される。これにより、印刷装置の異常を効率的に解析することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷装置における異常の有無を効率的に判別できる印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る印刷装置管理システムの構成を示す図である。
図2図1の印刷装置の構成を示す模式図である。
図3図2の印刷装置の構成を示すブロック図である。
図4図1のサーバの構成および通信機器の構成を示すブロック図である。
図5】印刷装置の正常動作時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。
図6】印刷装置における給紙失敗時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。
図7】印刷装置における印刷中ジャム発生時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。
図8】印刷装置における排紙ジャム発生時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。
図9】印刷装置管理システムにおける処理の流れを示すタイムチャートである。
図10図9に続くタイムチャートである。
図11図10に続くタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラムについて図面を参照して説明する。以下に説明する印刷装置管理システム、印刷装置管理方法および印刷装置管理プログラムは本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除および変更が可能である。
【0011】
図1は一実施形態に係る印刷装置管理システム1の構成を示す図である。図2図1の印刷装置2の構成を示す模式図である。図3図2の印刷装置2の構成を示すブロック図である。図4図1のサーバ4および通信機器3の各構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、印刷装置管理システム1は、例えばインクジェットプリンタ等の1又は複数の印刷装置2と、ユーザが所有する例えばスマートフォン等の通信機器3と、サーバ4とを含む。なお図1では、印刷装置2は第1印刷装置に相当する印刷装置2aおよび第2印刷装置に相当する印刷装置2bを含む。
【0013】
通信機器3は、印刷装置2と無線通信又は有線通信により通信可能に構成されている。具体的には、通信機器3は例えばBluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うことができる。通信機器3は印刷装置2に対して印刷を指示するための印刷ジョブに関する信号を送信する。また、通信機器3は例えばインターネット等の通信回線CLを介してサーバ4と通信可能に構成されている。本実施形態において、通信機器3はIOT(Internet of Things)機器を含む。なお、通信機器3はLAN(Local Area Network)等によりサーバ4と通信可能に構成されてもよい。
【0014】
次に、印刷装置2について説明する。以下では印刷装置2としてインクジェットプリンタを例に挙げて説明するが、印刷装置2の形態はこれに限られるものではなく、例えばレーザープリンタやサーマル(感熱式)プリンタ等の他のプリンタであってもよい。
【0015】
印刷装置2は、図2に示すように、上部に配置されている読み取り部10と、下部に配置されている印刷機構50と、コントローラユニット6(図3)とを備える。印刷装置2では、読み取り部10による読み取りにより生成された画像データを印刷機構50が被印刷媒体Wに印刷する。
【0016】
読み取り部10は、スキャナ部11および自動原稿搬送装置(ADF(Auto Document Feeder))12を有する。スキャナ部11は例えばフラットベッドスキャナである。スキャナ部11は、原稿台13、原稿カバー14および光学式のイメージセンサ16を含むスキャナ本体15を有する。イメージセンサ16は、原稿台13上の原稿に対して相対的に移動し、当該原稿に形成されている画像を光学的に読み取るものである。また、ADF12は、図2において一点鎖線で示す搬送経路H2に沿って原稿を搬送する1又は複数の搬送ローラ18を含む搬送系駆動部19を有する。
【0017】
印刷機構50は、媒体収容部51、排出トレイ52、プラテン53、被印刷媒体Wにインク滴を吐出する吐出ヘッド55、当該吐出ヘッド55を保持しつつ移動可能に構成されたキャリッジ54、および図2において一点鎖線で示す搬送経路H1に沿って被印刷媒体Wを搬送する搬送系駆動部56を有する。媒体収容部51は例えば上下方向に積み重ねた状態の被印刷媒体Wを収容する。媒体収容部51は前後方向に移動可能に構成され、当該媒体収容部51を印刷装置2の筐体内外に配置することができる。媒体収容部51内の被印刷媒体Wは、搬送経路H1に沿って搬送系駆動部56により搬送されつつ、画像が印刷され、その後排出トレイ52に搬送される。なお、媒体収容部51に収容された被印刷媒体Wの代わりに、ロール状に巻回された被印刷媒体Wを用いてもよい。
【0018】
プラテン53は、板状に形成され媒体収容部51の上方に配置されている。キャリッジ54は、インクを吐出するノズルを有する吐出ヘッド55を保持した状態でプラテン53の上方に配置されている。また、排出トレイ52はプラテン53の前方に配置されている。搬送経路H1は、媒体収容部51から排出トレイ52に至るまでの経路となっている。
【0019】
被印刷媒体Wを搬送経路H1に沿って搬送する搬送系駆動部56は、供給ローラ61、レジストローラ62、搬送ローラ63および排紙ローラ64を含む。これらの供給ローラ61、レジストローラ62、搬送ローラ63および排紙ローラ64は、それぞれ図略のクラッチおよび搬送モータ33(図3)に連結されており、当該モータから駆動力を得て回転する。なお、搬送系駆動部56は搬送ローラ63のみならず他の1又は複数の搬送ローラを含んでもよい。
【0020】
供給ローラ61は媒体収容部51の近傍に配置されている。供給ローラ61は媒体収容部51から吐出ヘッド55へ被印刷媒体Wを送り出す。この場合、供給ローラ61は媒体収容部51に収容されている被印刷媒体Wをピックアップしてレジストローラ62に送り出す。レジストローラ62は、被印刷媒体Wの搬送方向DCにおいて吐出ヘッド55の上流側に配置され、被印刷媒体Wをプラテン53へ送り出す。また、搬送ローラ63および排紙ローラ64は、被印刷媒体Wの搬送方向DCにおいて吐出ヘッド55の下流側に配置され、吐出ヘッド55により画像が印刷された被印刷媒体Wを排紙トレイ52へ送り出す。
【0021】
印刷装置2には、搬送経路H1,H2に配されて被印刷媒体Wのジャムを検出するADFセンサ17、後端センサ65、レジセンサ66、および排出センサ68が設けられている。ADFセンサ17は、読み取り部10に設けられ、原稿の搬送経路H2におけるジャムを検出し、その検出信号をコントローラユニット6に送信する。また、後端センサ65は、印刷機構50に設けられ、被印刷媒体Wの搬送経路H1における供給ローラ61近傍のジャムを検出し、その検出信号をコントローラユニット6に送信する。レジセンサ66は印刷機構50に設けられると共に吐出ヘッド55よりも搬送方向DCの上流側に設けられて被印刷媒体を検知する。この場合、レジセンサ66は搬送経路H1におけるレジストローラ62の上流側のジャムを検出し、その検出信号をコントローラユニット6に送信する。排出センサ68は印刷機構50に設けられると共に吐出ヘッド55よりも搬送方向DCの下流側に設けられて被印刷媒体Wを検知する。この場合、排出センサ68は搬送経路H1における排紙ローラ64近傍のジャムを検出し、その検出信号をコントローラユニット6に送信する。
【0022】
図3に示すように、印刷装置2は、操作キー70、表示部71およびコントローラユニット6の他、上記の印刷機構50を構成する要素および上記の読み取り部10を構成する要素を備える。印刷機構50は、モータドライバIC30,31、ヘッドドライバIC32、搬送モータ33、キャリッジモータ34、および通信部35をさらに有する。また、読み取り部10は、モータドライバIC36および搬送モータ37をさらに有する。
【0023】
コントローラユニット6は、CPU20、ROM21、RAM22、EEPROM23、HDD24、およびASIC25を有する。CPU20は、ROM21、RAM22、EEPROM23、HDD24、およびASIC25に電気的に接続されていると共に、各ドライバIC30~32,36および表示部71を制御する。また、CPU20は、ROM21に記憶された所定のプログラムを実行することにより種々の機能を実行する。なお、CPU20は、コントローラユニット6に1つのプロセッサとして実装されていてもよいし、互いに協働する複数のプロセッサとして実装されていてもよい。
【0024】
ROM21には、CPU20が読み取り部10に原稿の画像の読取処理(スキャン処理)を実行させるための読取制御プログラムと、CPU20が印刷機構50に印刷処理を実行させるための印刷制御プログラムとが格納されている。これらのプログラムは、コンピュータ読取可能な光磁気ディスク等又はUSBフラッシュメモリ等の記録媒体KBから読取装置38で読み出されてROM21に記憶されてもよい。
【0025】
RAM22には外部から受信した画像データおよびCPU20の演算結果等が記憶される。EEPROM23には、ユーザが入力した各種の初期設定情報や印刷枚数および読取枚数の各累計値が格納される。HDD24には、特定情報や、搬送経路H1,H2における各ジャムの発生回数、異常判断を行うための正常データ等が記憶される。なお、上記特定情報は外部漏洩が好ましくない機密性の高い情報でありユーザに関する情報等を含む。
【0026】
ASIC25には、モータドライバIC30,31,36およびヘッドドライバIC32が接続されている。CPU20は、ユーザから印刷ジョブを受け付けると、印刷制御プログラムに基づいて、印刷指令をASIC25へ出力する。ASIC25は、印刷指令に基づいて各ドライバIC30~32を駆動する。CPU20は、モータドライバIC30により搬送モータ33を駆動する。それにより、被印刷媒体Wが搬送経路H1に沿って搬送される。CPU20は、モータドライバIC31によりキャリッジモータ34を駆動する。それによりキャリッジ54が所定の移動方向に移動する。CPU20は、ヘッドドライバIC32により、キャリッジ54に設けられた吐出ヘッド55からインクを吐出させる。また、CPU20は、ユーザから読取ジョブを受け付けると、読取制御プログラムに基づいて、読取指令をASIC25へ出力する。ASIC25は、読取指令に基づいてモータドライバIC36を駆動する。CPU20はモータドライバIC36により搬送モータ37を駆動させる。それにより原稿が搬送経路H2に沿って搬送される。また、通信部35は、通信機器3と無線通信又は有線通信により通信可能に構成されている。
【0027】
図4に示すように、通信機器3は集音部43、第1通信部44および生成部45を有する。集音部43は集音機能を有し、当該集音機能を用いて印刷装置1で生じる音を集める。このとき、印刷装置2は当該印刷装置2と通信機器3との距離に係る情報を通信機器3に送信する。この場合、印刷装置2はGPS機能に基づき通信機器3に対する当該印刷装置2の位置情報を通信機器3に送信してもよい。そして、通信機器3は印刷装置2と通信機器3との距離が所定値以下である場合に、印刷装置2で生じる音を集音部43に集音させるモードに移行する。この集音部43は例えばマイクで構成してもよい。また、第1通信部44は印刷装置2との間で無線通信を行う。第1通信部44は上述したようにBluetooth(登録商標)等による無線通信を印刷装置2との間で行う。また、第1通信部44はインターネット等の通信回線CLを介してサーバ4と通信を行う。生成部45は集音部43により集めた上記音に基づき音声データを生成する。
【0028】
複数の印刷装置2(図1では印刷装置2aおよび印刷装置2b)が通信機器3と通信可能な範囲にあるときで且つ当該複数の印刷装置2の各々に対して印刷を指示するときに、通信機器3の集音部43は以下の場合には集音を行わない。すなわち、通信機器3は、印刷装置2aに対する第1ジョブに関する第1信号および印刷装置2bに対する第1ジョブとは異なる第2ジョブに関する第2信号に基づき、第1ジョブの実行期間と第2ジョブの実行期間との間に重複期間が存在するか否かを判別する。ジョブの実行期間は被印刷媒体Wの供給(給紙)から印刷後の被印刷媒体Wの排出(排紙)までの期間を含む。そして、集音部43は上記重複期間が存在する場合には集音を行わない。
【0029】
サーバ4は解析部40および第2通信部42を有する。第2通信部42は通信機器3と通信を行う。第2通信部42は上述したようにインターネット等の通信回線CLを介して通信機器3と通信を行う。解析部40は通信機器3から送信される音声データを受信する。解析部40は通信機器3から送信される、音声データに基づくオクターブ周波数分析の分析結果を基に印刷装置2の異常を解析する。解析部40はニューラルネットワーク41を有する。解析部40においてニューラルネットワーク41により人工知能が形成される。解析部40はニューラルネットワーク41を用いて例えば深層学習等の機械学習を行う。この場合、解析部40はニューラルネットワーク41において印刷装置2の機種に応じた重みを取得する。サーバ4は通信機器3から取得した音声データに対応するオクターブ周波数分析の分析結果に基づきニューラルネットワーク41において集音部43の集音特性に応じた重みに変更する。サーバ4は、第2通信部42を介して異常の種類ごとの解析部40による解析結果を通信機器3に送信する。
【0030】
解析部40は通信機器3が印刷装置2に対して無線通信が可能な所定の範囲にあるときに印刷装置2の異常を解析する。具体的には、解析部40は通信機器3が印刷装置2に対してBluetooth規格に準拠した無線通信が可能な所定の範囲にあるときに上記異常を解析する。
【0031】
ここで、印刷装置2は集音部43による集音を開始すべきトリガ情報を所定のタイミングで通信機器3に送信する。この場合、印刷装置2は、集音部43に集音させるモードに移行した通信機器3に対して後記の種々のタイミングでトリガ情報を送信する。集音部43はトリガ情報を印刷装置2から受信すると、印刷装置2の各処理により生じる音の収集を開始する。一方、集音部43は被印刷媒体Wを検知しない信号であるオフ信号をレジセンサ66から受信したときに集音を停止する。また、集音部43は被印刷媒体Wを検知しないオフ信号を排出センサ68から受信したときに集音を停止する。
【0032】
印刷装置2がトリガ情報を通信機器3に送信する所定のタイミングは供給ローラ61の駆動が開始されるタイミングを含む。また、上記所定のタイミングは吐出ヘッド55によりインク滴が被印刷媒体Wに向けて吐出されるタイミングを含む。さらに、上記所定のタイミングは排出センサ68により被印刷媒体Wが検知されるタイミングを含む。
【0033】
図5は印刷装置2の正常動作時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。図6は印刷装置2における給紙失敗時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。図7は印刷装置2における印刷中ジャム発生時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。図8は印刷装置2における排紙ジャム発生時の音声データに基づく周波数の変化を示す図である。
【0034】
上述の通り、サーバ4の解析部40は集音部43による印刷装置2における給紙、印刷および排紙に関する集音に基づく音声データを基に印刷装置2の異常を解析する。この場合、通信機器3は上記音声データに対して例えばオクターブ周波数分析を行い、解析部40はオクターブ周波数分析の分析結果に基づき印刷装置2の異常を解析する。印刷装置2が正常に動作するときの音声データに対するオクターブ周波数分析による分析結果は例えば図5に示すようなものとなる。
【0035】
印刷装置2において給紙が失敗したときの音声データに対するオクターブ周波数分析による分析結果は例えば図6に示すようなものとなる。図6は、給紙に失敗し、被印刷媒体Wを収容する媒体収容部51を再配置するもののその後再度給紙に失敗した場合の分析結果である。給紙に失敗とは供給ローラ61による被印刷媒体Wのピックアップに失敗するという意である。被印刷媒体Wに多くのシワが付いている場合に給紙に失敗することが多い。図6における給紙時の周波数の変化は図5とは明らかに異なっている。
【0036】
印刷装置2において印刷中にジャムが発生したときの音声データに対するオクターブ周波数分析による分析結果は例えば図7に示すようなものとなる。図7においては、給紙時および印刷時の一部期間における周波数の変化は図5とほぼ同じであるが、印刷中に生じたジャムに起因した異常停止が発生し、排紙ローラ64による被印刷媒体Wの排出に失敗することによる周波数の大きな変化が確認できる。また、印刷中の全周波数帯でスペクトル強度の増加が確認できる。
【0037】
印刷装置2において排紙中にジャムが発生したときの音声データに対するオクターブ周波数分析による分析結果は例えば図8に示すようなものとなる。ここでは、多くのシワが付いた被印刷媒体Wに対する印刷を行ったことで、印刷中の全周波数帯でスペクトル強度の増加が確認できる。また、排紙時の全周波数帯でスペクトル強度の増加が確認できる。解析部40は以上のような各音声データを学習データとし、当該学習データを用いて周波数の高低およびスペクトル強度等から結論付けできる類別内容を学習する。
【0038】
次いで、印刷装置管理システム1における一連の処理の流れについて説明する。図9乃至図11は印刷装置管理システム1における処理の流れを示すタイムチャートである。なお、図9乃至図11では、印刷装置2における処理をステップSpと序数で示し、通信機器3における処理をステップSiと序数で示し、サーバ4における処理をステップSsと序数で示している。
【0039】
図9に示すように、通信機器3が印刷装置2と通信可能な範囲にあるときに、当該通信機器3から印刷装置2に対して当該印刷装置2の機種情報の問い合わせを行う(ステップSi1)。印刷装置2は通信機器3から上記問い合わせを受け付ける(ステップSp1)。印刷装置2は当該印刷装置2の機種情報を通信機器3に送信する(ステップSp2)。
【0040】
次に、通信機器3は印刷装置2の機種情報を認識し、当該印刷装置2の機種情報をサーバ4に送信する(ステップSi2)。サーバ4は受信した印刷装置2の機種情報を基に学習データベースから当該印刷装置2の機種に応じた重みを読み込む(ステップSs1)。
【0041】
続いて、通信機器3の集音部43は集音を開始する前に、当該集音部43の集音特性を補正するための音を印刷装置2から取得する。具体的には、印刷装置2は当該印刷装置2に内蔵されるスピーカーから音(同定用パターン音)を発する(ステップSp3)。通信機器3は印刷装置2からの同定用パターン音を集音する(ステップSi3)。次に、印刷装置2は被印刷媒体Wを搬送しない状態でキャリッジ54を移動させることで音(メカ側同定音)を発する(ステップSp4)。通信機器3は印刷装置2からのメカ側同定音を集音する(ステップSi4)。そして、印刷装置2は動作終了信号としての所定の音を発する(ステップSp5)。通信機器3は印刷装置2からの上記音を集音する(ステップSi5)。次いで、通信機器3は集音した音源をサーバ4にアップロードする(ステップSi6)。サーバ4は通信機器3によりアップロードされた音源を基に学習データベースから当該通信機器3の集音部43の集音特性に応じた重みを読み込む(ステップSs2)。
【0042】
次に、通信機器3は当該通信機器3の外部から送信される印刷用画像又は通信機器3内に保存される印刷用画像を読み込み(ステップSi7)、読み込んだ印刷用画像に基づき印刷データを生成する(ステップSi8)。そして、通信機器3は生成した印刷データに係る印刷ジョブを印刷装置2に送信する(ステップSi9)。印刷装置2は通信機器3からの印刷ジョブを受け付ける(ステップSp6)。
【0043】
次いで、印刷装置2は給紙を開始する(図10のステップSp7)。これに伴い、通信機器3の集音部43は印刷装置2による給紙時における音の取得を開始する(ステップSi10)。通信機器3は取得した上記音を給紙音として保存する(ステップSi11)。そして、通信機器3は上記音を基に生成した音声データに対するオクターブ周波数分析を開始する(ステップSi12)。通信機器3は印刷装置2からレジセンサ66によるオン信号が送信されてきた後(ステップSp8)、つまり被印刷媒体Wがレジセンサ66を通過した後、オクターブ周波数分析を終了する(ステップSi13)。サーバ4の解析部40は学習データベースから集音部43の集音特性に応じた重みを読み込むと共に通信機器3から送信される上記分析結果に基づき給紙音の解析を行う(ステップSs3)。そして、解析部40は解析を終了した後、当該解析結果を通信機器3に送信する(ステップSs4)。通信機器3はサーバ4から送信される解析結果を基に給紙異常の有無を認識する(ステップSi14)。
【0044】
続いて、印刷装置2は印字を開始する(ステップSp9)。これに伴い、通信機器3の集音部43は印刷装置2による印字における音の取得を開始する(ステップSi15)。通信機器3は取得した上記音を印字音として保存する(ステップSi16)。そして、通信機器3は上記音を基に生成した音声データに対するオクターブ周波数分析を開始する(ステップSi17)。通信機器3は印刷装置2から排出センサ68によるオン信号が送信されてきた後(ステップSp10)、つまり被印刷媒体Wが排出センサ68を通過した後、オクターブ周波数分析を終了する(ステップSi18)。サーバ4の解析部40は学習データベースから集音部43の集音特性に応じた重みを読み込むと共に通信機器3から送信される上記分析結果に基づき印字音の解析を行う(ステップSs5)。そして、解析部40は解析を終了した後、当該解析結果を通信機器3に送信する(ステップSs6)。通信機器3はサーバ4から送信される解析結果を基に印字異常の有無を認識する(ステップSi19)。
【0045】
次に、印刷装置2は排紙を開始する(図11のステップSp11)。これに伴い、通信機器3の集音部43は印刷装置2による排紙における音の取得を開始する(ステップSi20)。通信機器3は取得した上記音を排紙音として保存する(ステップSi21)。そして、通信機器3は上記音を基に生成した音声データに対するオクターブ周波数分析を印刷装置2による排紙を含む全ての処理が終了(ステップSp12)するまでの間行う(ステップSi22)。サーバ4の解析部40は学習データベースから集音部43の集音特性に応じた重みを読み込むと共に通信機器3から送信される上記分析結果に基づき排紙音の解析を行う(ステップSs7)。そして、解析部40は解析を終了した後、当該解析結果を通信機器3に送信する(ステップSs8)。通信機器3はサーバ4から送信される解析結果を基に排紙異常の有無を認識する(ステップSi23)。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の印刷装置管理システム1によれば、従来のように印刷装置の異常の有無を判別するための規定値を予め設定することなく、通信機器3の生成部45により生成された音声データに基づき印刷装置2の異常が解析される。これにより、印刷装置2の異常を効率的に解析することができる。
【0047】
また、本実施形態では、解析部40は通信機器3が印刷装置2に対してBluetooth規格に準拠した無線通信が可能な所定の範囲にあるときに印刷装置2の異常を解析する。これにより、通信機器3の集音部43により拾われるノイズ成分が解析部40による解析結果に含まれることを回避することができ、もって当該解析結果の信頼性を向上できる。
【0048】
また、本実施形態では、通信機器3は印刷装置2と通信機器3との距離が所定値以下である場合に、印刷装置2で生じる音を集音部43に集音させるモードに移行する。この場合、集音部43の立ち上げが不要な場合にまで当該集音部43を立ち上げることによる電力消費を避けることができる。
【0049】
また、本実施形態では、印刷装置2は、集音部43に集音させるモードに移行した通信機器3に対して種々のタイミングでトリガ情報を送信する。集音部43はトリガ情報を印刷装置2から受信すると、印刷装置2の各処理により生じる音の収集を開始する。この場合、集音を開始すべきタイミングを明確に規定することができる。
【0050】
また、本実施形態では、印刷装置2がトリガ情報を通信機器3に送信する所定のタイミングは供給ローラ61の駆動が開始されるタイミングを含む。この場合、印刷装置2による給紙時の音を基に当該印刷装置2における給紙の異常の有無を判別することができる。
【0051】
また、本実施形態では、印刷装置2がトリガ情報を通信機器3に送信する所定のタイミングは吐出ヘッド55によりインク滴が被印刷媒体Wに向けて吐出されるタイミングを含む。この場合、印刷装置2による印刷時の音を基に当該印刷装置2における印刷の異常の有無を判別することができる。
【0052】
また、本実施形態では、印刷装置2がトリガ情報を通信機器3に送信する所定のタイミングは排出センサ68により被印刷媒体Wが検知されるタイミングを含む。この場合、印刷装置2による排紙時の音を基に当該印刷装置2における排紙の異常の有無を判別することができる。
【0053】
また、本実施形態では、集音部43は被印刷媒体Wを検知しない信号であるオフ信号をレジセンサ66から受信したときに集音を停止する。この場合、給紙時の異常の有無を判別するのに不要な音を集音するのを回避することができる。
【0054】
また、本実施形態では、集音部43は被印刷媒体Wを検知しない信号であるオフ信号を排出センサ68から受信したときに集音を停止する。この場合、排紙時の異常の有無を判別するのに不要な音を集音するのを回避することができる。
【0055】
また、本実施形態では、通信機器3は、印刷装置2aに対する第1ジョブに関する第1信号および印刷装置2bに対する第1ジョブとは異なる第2ジョブに関する第2信号に基づき、第1ジョブの実行期間と第2ジョブの実行期間との間に重複期間が存在する場合には集音を行わない。この場合、印刷装置2aに対応する音声データおよび印刷装置2bに対応する音声データが混在することにより当該印刷装置2aおよび当該印刷装置2bの何れに異常が生じているかにつき判別が付かないような事態が招来されるのを回避することができる。
【0056】
また、本実施形態では、通信機器3の集音部43は集音を開始する前に当該集音部43の集音特性を補正するための音を印刷装置2から取得する。この場合、集音部43による集音を適切に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態では、解析部40はニューラルネットワーク41において印刷装置2の機種に応じた重みを取得する。この場合、解析部40は印刷装置2の機種に応じた異常の解析を行うことができる。これにより、印刷装置2の異常の解析の精度が高まる。
【0058】
さらに、本実施形態では、サーバ4は通信機器3から取得した音声データに対応するオクターブ周波数分析の分析結果に基づきニューラルネットワーク41において集音部43の集音特性に応じた重みに変更する。この場合、解析部40は集音部43の集音特性に応じて印刷装置2の異常の解析を行うことができる。れにより、印刷装置2の異常の解析の精度がより高まる。
【0059】
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば以下の通りである。
【0060】
上記実施形態では、通信機器3はBluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うこととしたが、これに限られるものではない。通信機器3は他の通信方式としてWi-Fi(登録商標)規格に準拠した無線通信又はNFC(近距離無線通信)規格に準拠した無線通信等を行うことができる。
【0061】
また、上記実施形態では、通信機器3はBluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信を行うこととしたが、これに限られるものではない。通信機器3はインターネット等の通信回線CLを介して印刷装置2と通信可能に構成されてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、印刷装置2は通信機器3の集音部43による集音を開始すべきトリガ情報を所定のタイミングで通信機器3に送信することとしたが、これに限られない。集音部43は印刷装置2における印刷処理の開始から終了に至るまでの間集音を行ってもよい。
【0063】
また、上記実施形態において、印刷装置2の駆動の開始の度に当該印刷装置2の異常の有無を判別してもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、通信機器3は印刷装置2と当該通信機器3との距離が所定値以下である場合に集音部43において集音させるモードに移行させたが、これに限らず、印刷装置2と通信機器3との距離が所定値を超える場合でも集音部43による集音を行うモードに移行させておいてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、解析部40による学習方法として深層学習等のニューラルネットワーク41を採用したが、これに限定されるものではなく、例えばランダムフォレストやルールベース等の他の学習方式を採用してもよい。
【0066】
さらに、上記実施形態では、通信機器3の例としてスマートフォンを挙げたが、通信機器3はこれに限らず、例えばスマートスピーカー等の音声認識デバイス又はタブレット端末等の他の通信機器であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 印刷装置管理システム
2,2a,2b 印刷装置
3 通信機器
4 サーバ
40 解析部
41 ニューラルネットワーク
42 第2通信部
43 集音部
44 第1通信部
45 生成部
51 媒体収容部
55 吐出ヘッド
61 供給ローラ
66 レジセンサ
68 排出センサ
DC 搬送方向
W 被印刷媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11