(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141465
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/375 20200101AFI20241003BHJP
【FI】
H05B45/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053141
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】石橋 久志
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA25
3K273CA02
3K273CA03
3K273GA03
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA27
3K273GA28
3K273GA29
(57)【要約】
【課題】スイッチングノイズを低減できる点灯装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】入力された第1直流電力を光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の第2直流電力を光源に供給することにより、光源を点灯させる変換回路と、変換回路の動作を制御する制御回路と、を備え、変換回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、スイッチング素子と、ダイオードと、第1インダクタと、第1コンデンサと、第2インダクタと、第2コンデンサと、を有し、第2コンデンサの一端は、ダイオードの一端と接続され、第2コンデンサの他端は、第2インダクタの一端と接続され、第2インダクタの他端は、ダイオードの他端と接続されたことを特徴とする点灯装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された第1直流電力を光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の前記第2直流電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させる変換回路と、
前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
を備え、
前記変換回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、スイッチング素子と、ダイオードと、第1インダクタと、第1コンデンサと、第2インダクタと、第2コンデンサと、を有し、
前記一対の入力端子は、前記第1直流電力の入力を受け、
前記一対の出力端子は、前記光源と接続され、
前記一対の出力端子のうちの低電位側の出力端子は、前記一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子と接続され、
前記スイッチング素子は、第1主端子と、第2主端子と、制御端子と、を有し、
前記第1主端子は、前記一対の入力端子のうちの高電位側の入力端子と接続され、
前記第2主端子は、前記ダイオードのカソードと接続され、
前記ダイオードのアノードは、前記一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子と接続され、
前記第1インダクタの一端は、前記第2主端子と接続され、
前記第1インダクタの他端は、前記一対の出力端子のうちの高電位側の出力端子と接続され、
前記第1コンデンサは、前記一対の出力端子の間に並列に接続され、
前記第2コンデンサの一端は、前記ダイオードの一端と接続され、
前記第2コンデンサの他端は、前記第2インダクタの一端と接続され、
前記第2インダクタの他端は、前記ダイオードの他端と接続され、
前記制御回路は、前記スイッチング素子の前記制御端子と接続され、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより、前記第2変換回路による前記第1直流電力から前記第2直流電力への変換を制御することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記第2コンデンサの前記一端は、前記ダイオードのアノードと接続され、
前記第2インダクタの前記他端は、前記ダイオードのカソードと接続されていることを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記第2コンデンサは、セラミックコンデンサであることを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項4】
前記第2コンデンサの静電容量は、10pF以上330pF以下であることを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項5】
光源と、
請求項1~4のいずれか1つに記載の点灯装置と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯装置及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源と、光源を点灯させるための点灯装置と、を備えた照明装置がある。点灯装置は、入力された直流電力を光源に対応した別の直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源に供給することによって光源を点灯させる変換回路(DC-DC変換回路)を有する。変換回路は、スイッチング素子を有し、スイッチング素子のスイッチングによって、直流電力の変換を行う。
【0003】
こうした照明装置において、放射電界強度規格(例えば、CISPRJ 15)に適合するため、スイッチング素子のスイッチングにより発生するスイッチングノイズを低減させることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スイッチングノイズを低減できる点灯装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、入力された第1直流電力を光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の前記第2直流電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させる変換回路と、前記変換回路の動作を制御する制御回路と、を備え、前記変換回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、スイッチング素子と、ダイオードと、第1インダクタと、第1コンデンサと、第2インダクタと、第2コンデンサと、を有し、前記一対の入力端子は、前記第1直流電力の入力を受け、前記一対の出力端子は、前記光源と接続され、前記一対の出力端子のうちの低電位側の出力端子は、前記一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子と接続され、前記スイッチング素子は、第1主端子と、第2主端子と、制御端子と、を有し、前記第1主端子は、前記一対の入力端子のうちの高電位側の入力端子と接続され、前記第2主端子は、前記ダイオードのカソードと接続され、前記ダイオードのアノードは、前記一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子と接続され、前記第1インダクタの一端は、前記第2主端子と接続され、前記第1インダクタの他端は、前記一対の出力端子のうちの高電位側の出力端子と接続され、前記第1コンデンサは、前記一対の出力端子の間に並列に接続され、前記第2コンデンサの一端は、前記ダイオードの一端と接続され、前記第2コンデンサの他端は、前記第2インダクタの一端と接続され、前記第2インダクタの他端は、前記ダイオードの他端と接続され、前記制御回路は、前記スイッチング素子の前記制御端子と接続され、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより、前記第2変換回路による前記第1直流電力から前記第2直流電力への変換を制御することを特徴とする点灯装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、スイッチングノイズを低減できる点灯装置及び照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る第2変換回路を模式的に表すブロック図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)は、参考の第2変換回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【
図4】
図4(a)~
図4(d)は、第2変換回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【
図5】
図5(a)~
図5(d)は、第2変換回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【
図6】
図6(a)~
図6(d)は、第2変換回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置2は、光源4と、点灯装置10と、を備える。
【0011】
光源4は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。光源4は、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。光源4は、例えば、電球などでもよい。光源4は、直流電力の供給に応じて点灯する任意の光源でよい。なお、光源4は、1つの素子に限ることなく、例えば、直列に接続された複数の素子で構成してもよいし、並列に接続された複数の素子で構成してもよい。
【0012】
点灯装置10は、第1変換回路21と、第2変換回路22(変換回路)と、制御回路23と、を有する。
【0013】
第1変換回路21は、電源PSと接続される。第1変換回路21(点灯装置10)は、例えば、図示を省略したコネクタなどを介して電源PSと着脱可能に接続される。電源PSの供給する電力は、例えば、交流電力である。第1変換回路21は、電源PSから供給された交流電力を第1直流電力に変換する。第1変換回路21は、AC-DC変換回路である。電源PSは、例えば、商用電源である。電源PSは、例えば、自家発電機などでもよい。
【0014】
第2変換回路22は、第1変換回路21から入力された第1直流電力を光源4に対応した第2直流電力に変換する。第2変換回路22は、DC-DC変換回路である。第2変換回路22は、変換後の第2直流電力を光源4に供給することにより、光源4を点灯させる。光源4は、第2変換回路22からの第2直流電力の供給に応じて光を照射する。
【0015】
制御回路23は、第1変換回路21及び第2変換回路22の動作を制御する。制御回路23は、第1変換回路21による交流電力から第1直流電力への変換を制御するとともに、第2変換回路22による第1直流電力から第2直流電力への変換を制御する。
【0016】
なお、電源PSから供給される電力が直流電力である場合には、第1変換回路21は、省略可能である。第2変換回路22は、例えば、電源PSから入力された第1直流電力を光源4に対応した第2直流電力に変換してもよい。第2変換回路22に対して第1直流電力を入力する構成は、上記に限ることなく、第2変換回路22に対して第1直流電力を適切に入力可能な任意の構成でよい。
【0017】
図2は、実施形態に係る第2変換回路を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、第2変換回路22は、第1入力端子22aと、第2入力端子22bと、第1出力端子22cと、第2出力端子22dと、を有する。第1入力端子22aは、第1変換回路21の高電位側の出力端子と電気的に接続される。第2入力端子22bは、第1変換回路21の低電位側の出力端子と電気的に接続される。これにより、第2変換回路22に第1変換回路21から第1直流電力が入力される。第1入力端子22aは、第1直流電力の入力を受ける一対の入力端子のうちの高電位側の入力端子である。第2入力端子22bは、第1直流電力の入力を受ける一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子である。
【0018】
第2変換回路22は、スイッチング素子30と、ダイオード32と、インダクタ34(第1インダクタ)と、出力コンデンサ36(第1コンデンサ)と、を有する。
【0019】
スイッチング素子30は、第1主端子30aと、第2主端子30bと、制御端子30cと、を有する。第1主端子30aは、第1入力端子22aと電気的に接続されている。第2主端子30bは、ダイオード32のカソードと電気的に接続されている。
【0020】
スイッチング素子30は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、第1主端子30aは、ドレインであり、第2主端子30bは、ソースであり、制御端子30cは、ゲートである。スイッチング素子30は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0021】
ダイオード32のアノードは、第2入力端子22bと電気的に接続されている。ダイオード32は、例えば、還流ダイオードである。インダクタ34の一端は、第2主端子30bと電気的に接続されている。インダクタ34の他端は、第1出力端子22cと電気的に接続されている。第2出力端子22dは、第2入力端子22bと電気的に接続されている。
【0022】
出力コンデンサ36は、第1電極36aと、第2電極36bと、を有する。第1電極36aは、第1出力端子22cと電気的に接続されている。第2電極36bは、第2出力端子22dと電気的に接続されている。出力コンデンサ36は、第1出力端子22cと第2出力端子22dとの間に並列に接続される。出力コンデンサ36は、スイッチング素子30のスイッチングによって、スイッチング素子30の第1主端子30aと第2主端子30bとの間に流れる電流を平滑化する。これにより、第1出力端子22c及び第2出力端子22dから第2直流電力が出力される。
【0023】
第2変換回路22は、降圧チョッパ回路である。第2変換回路22は、第1直流電力の電圧を降圧することにより、入力された第1直流電力を光源4に対応した第2直流電力に変換する。第2変換回路22は、例えば、定電流回路である。第2変換回路22は、例えば、実質的に一定の直流電流を光源4に供給する。
【0024】
第1出力端子22cは、高電位側の出力端子であり、第2出力端子22dは、低電位側の出力端子である。第1出力端子22cの電位は、第2出力端子22dの電位よりも高い。第1電極36aの電位は、第2電極36bの電位よりも高く設定される。第1電極36aは、例えば、陽極であり、第2電極36bは、例えば、陰極である。
【0025】
第2変換回路22は、第1出力端子22c及び第2出力端子22dを介して光源4と電気的に接続される。例えば、光源4が発光ダイオードである場合には、第1出力端子22cが光源4のアノードと接続され、第2出力端子22dが光源4のカソードと接続される。これにより、第1出力端子22c及び第2出力端子22dから出力される第2直流電力により、光源4が点灯する。
【0026】
第2変換回路22は、コンデンサ40(第2コンデンサ)と、インダクタ42(第2インダクタ)と、をさらに有する。コンデンサ40の一端は、ダイオード32の一端と接続されている。コンデンサ40の他端は、インダクタ42の一端と接続されている。インダクタ42の他端は、ダイオード32の他端と接続されている。換言すれば、インダクタ42は、コンデンサ40と直列に接続されている。そして、コンデンサ40とインダクタ42との直列接続体が、ダイオード32と並列に接続されている。
【0027】
この例では、コンデンサ40が、ダイオード32のアノード側に接続され、インダクタ42が、ダイオード32のカソード側に接続されている。より詳しくは、コンデンサ40の一端が、ダイオード32のアノードと接続され、コンデンサ40の他端が、インダクタ42の一端と接続され、インダクタ42の他端が、ダイオード32のカソードと接続されている。但し、上記と反対に、コンデンサ40をダイオード32のカソード側に接続し、インダクタ42をダイオード32のアノード側に接続してもよい。
【0028】
コンデンサ40は、例えば、セラミックコンデンサである。コンデンサ40の静電容量は、例えば、10pF以上330pF以下である。但し、コンデンサ40は、セラミックコンデンサに限ることなく、他の種類のコンデンサを用いてもよい。コンデンサ40の静電容量は、上記に限ることなく、任意の静電容量値でよい。
【0029】
インダクタ42は、例えば、ビーズインダクタである。インダクタ42のインダクタンスは、例えば、200nH以上400nH以下である。但し、インダクタ42は、ビーズインダクタに限ることなく、他の種類のインダクタでもよい。インダクタ42のインダクタンスは、上記に限ることなく、任意のインダクタンス値でよい。
【0030】
なお、第2変換回路22の構成は、上記の回路に限定されるものではない。第2変換回路22の構成は、スイッチング素子30と、ダイオード32と、インダクタ34と、出力コンデンサ36と、コンデンサ40と、インダクタ42と、を有し、スイッチング素子30のスイッチングにより、第1直流電力を第2直流電力に変換可能な任意の回路でよい。
【0031】
制御回路23は、スイッチング素子30の制御端子30cと電気的に接続されている。制御回路23は、スイッチング素子30のスイッチングを制御する。すなわち、制御回路23は、スイッチング素子30のオン・オフを切り替える。制御回路23は、制御端子30cに入力する電圧(駆動信号)によって、スイッチング素子30のオン・オフを切り替える。制御回路23は、例えば、スイッチング素子30をスイッチングさせることにより、直流電圧を出力コンデンサ36の各電極36a、36b間に生じさせる。このように、制御回路23は、スイッチング素子30の制御端子30cと接続され、スイッチング素子30のスイッチングを制御することにより、第2変換回路22による第1直流電力から第2直流電力への変換を制御する。これにより、第2変換回路22から光源4に第2直流電力が供給される。
【0032】
制御回路23は、例えば、スイッチング素子30をオフ状態にすることにより、第2変換回路22から光源4への第2直流電力の供給を停止させる。また、制御回路23は、例えば、スイッチング素子30のオン・オフの周期(デューティ比)を変化させることにより、光源4に供給する第2直流電力の電圧値や電流値を変化させることができる。これにより、例えば、光源4から照射される光の明るさを変化させることができる。
【0033】
図3(a)~
図3(c)は、参考の第2変換回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3(a)~
図3(c)は、コンデンサ40及びインダクタ42を設けていない参考の第2変換回路22(降圧チョッパ回路)の動作の一例を模式的に表す。
図3(a)は、スイッチング素子30の第1主端子30aと第2主端子30bとの間に印加される電圧Vds、及びスイッチング素子30の第1主端子30aと第2主端子30bとの間に流れる電流Idの一例を模式的に表す。
図3(b)は、
図3(a)の期間P1の部分における電流Idを拡大して表している。換言すれば、
図3(b)は、スイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idを拡大して表している。
図3(c)は、
図3(a)の期間P2の部分における電流Idを拡大して表している。換言すれば、
図3(c)は、スイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idを拡大して表している。
【0034】
図3(a)~
図3(c)に表したように、スイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時、及びスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時には、スイッチング素子30に瞬時的に大きな電流が流れるとともに、所定の周波数で振動しながら減衰する。このように、スイッチング素子30のオン状態及びオフ状態の切り替え時に瞬時的に流れる電流は、空気中に放射される放射ノイズの要因となる。換言すれば、スイッチング素子30のスイッチングノイズの要因となる。従って、スイッチング素子30の切り替え時に瞬時的に流れる電流の大きさ(振幅)を抑制することにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズを抑制することができる。
【0035】
本願発明者は、鋭意の検討の結果、コンデンサ40及びインダクタ42の直列接続体をダイオード32と並列に接続することによって、スイッチング素子30のオン状態及びオフ状態の切り替え時に瞬時的に流れる電流の大きさを抑制できることを見出した。
【0036】
図4(a)~
図4(d)、
図5(a)~
図5(d)、
図6(a)~
図6(d)は、第2変換回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4(a)~
図4(d)、
図5(a)~
図5(d)、
図6(a)~
図6(d)は、本願発明者の行った検討結果の一例を表す。
図4(a)は、コンデンサ40の静電容量を47pF、インダクタ42を無しとした場合のスイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図4(b)は、コンデンサ40の静電容量を47pF、インダクタ42を無しとした場合のスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図4(c)は、コンデンサ40の静電容量を47pF、インダクタ42のインダクタンスを280nHとした場合のスイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図4(d)は、コンデンサ40の静電容量を47pF、インダクタ42のインダクタンスを280nHとした場合のスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
【0037】
図5(a)は、コンデンサ40の静電容量を100pF、インダクタ42を無しとした場合のスイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図5(b)は、コンデンサ40の静電容量を100pF、インダクタ42を無しとした場合のスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図5(c)は、コンデンサ40の静電容量を100pF、インダクタ42のインダクタンスを280nHとした場合のスイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図5(d)は、コンデンサ40の静電容量を100pF、インダクタ42のインダクタンスを280nHとした場合のスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
【0038】
図6(a)は、コンデンサ40の静電容量を220pF、インダクタ42を無しとした場合のスイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図6(b)は、コンデンサ40の静電容量を220pF、インダクタ42を無しとした場合のスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図6(c)は、コンデンサ40の静電容量を220pF、インダクタ42のインダクタンスを280nHとした場合のスイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
図6(d)は、コンデンサ40の静電容量を220pF、インダクタ42のインダクタンスを280nHとした場合のスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の電流Idの一例を表している。
【0039】
図4(a)~
図4(d)、
図5(a)~
図5(d)、
図6(a)~
図6(d)に表したように、コンデンサ40の静電容量値を大きくすると、スイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時にスイッチング素子30の切り替え時に瞬時的に流れる電流Idの大きさを抑制することができる反面、スイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時にスイッチング素子30の切り替え時に瞬時的に流れる電流Idの大きさが大きくなってしまう傾向にある。
【0040】
コンデンサ40に加えてインダクタ42を設けた場合には、上記と反対に、スイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時にスイッチング素子30の切り替え時に瞬時的に流れる電流Idの大きさを抑制することができる反面、スイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時にスイッチング素子30の切り替え時に瞬時的に流れる電流Idの大きさが大きくなってしまう傾向にある。
【0041】
従って、コンデンサ40及びインダクタ42の直列接続体をダイオード32と並列に接続し、コンデンサ40の静電容量値及びインダクタ42のインダクタンス値を適切に設定することにより、スイッチング素子30をオン状態からオフ状態に切り替えた時、及びスイッチング素子30をオフ状態からオン状態に切り替えた時の双方において、スイッチング素子30の切り替え時に瞬時的に流れる電流Idの大きさを適切に抑制できる。そして、これにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズを適切に抑制することができる。
【0042】
以上、説明したように、本実施形態に係る照明装置2及び点灯装置10では、コンデンサ40及びインダクタ42の直列接続体をダイオード32と並列に接続している。これにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズを低減させることができる。例えば、照明装置2及び点灯装置10を放射電界強度規格に適合させることができる。
【0043】
また、本実施形態に係る照明装置2及び点灯装置10では、コンデンサ40が、ダイオード32のアノード側に接続され、インダクタ42が、ダイオード32のカソード側に接続されている。これにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズをより適切に低減させることができる。
【0044】
また、本実施形態に係る照明装置2及び点灯装置10では、コンデンサ40が、セラミックコンデンサである。これにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズをより適切に低減させることができる。
【0045】
さらに、本実施形態に係る照明装置2及び点灯装置10では、コンデンサ40の静電容量が、10pF以上330pF以下である。これにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズをより適切に低減させることができる。コンデンサ40の静電容量は、例えば、47pF以上220pF以下とすることがより好適である。これにより、スイッチング素子30のスイッチングノイズをさらに適切に低減させることができる。
【0046】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
入力された第1直流電力を光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の前記第2直流電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させる変換回路と、
前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
を備え、
前記変換回路は、一対の入力端子と、一対の出力端子と、スイッチング素子と、ダイオードと、第1インダクタと、第1コンデンサと、第2インダクタと、第2コンデンサと、を有し、
前記一対の入力端子は、前記第1直流電力の入力を受け、
前記一対の出力端子は、前記光源と接続され、
前記一対の出力端子のうちの低電位側の出力端子は、前記一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子と接続され、
前記スイッチング素子は、第1主端子と、第2主端子と、制御端子と、を有し、
前記第1主端子は、前記一対の入力端子のうちの高電位側の入力端子と接続され、
前記第2主端子は、前記ダイオードのカソードと接続され、
前記ダイオードのアノードは、前記一対の入力端子のうちの低電位側の入力端子と接続され、
前記第1インダクタの一端は、前記第2主端子と接続され、
前記第1インダクタの他端は、前記一対の出力端子のうちの高電位側の出力端子と接続され、
前記第1コンデンサは、前記一対の出力端子の間に並列に接続され、
前記第2コンデンサの一端は、前記ダイオードの一端と接続され、
前記第2コンデンサの他端は、前記第2インダクタの一端と接続され、
前記第2インダクタの他端は、前記ダイオードの他端と接続され、
前記制御回路は、前記スイッチング素子の前記制御端子と接続され、前記スイッチング素子のスイッチングを制御することにより、前記第2変換回路による前記第1直流電力から前記第2直流電力への変換を制御することを特徴とする点灯装置。
【0047】
(付記2)
前記第2コンデンサの前記一端は、前記ダイオードのアノードと接続され、
前記第2インダクタの前記他端は、前記ダイオードのカソードと接続されていることを特徴とする付記1記載の点灯装置。
【0048】
(付記3)
前記第2コンデンサは、セラミックコンデンサであることを特徴とする付記1又は2に記載の点灯装置。
【0049】
(付記4)
前記第2コンデンサの静電容量は、10pF以上330pF以下であることを特徴とする付記1~3のいずれか1つに記載の点灯装置。
【0050】
(付記5)
光源と、
付記1~4のいずれか1つに記載の点灯装置と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
2…照明装置、 4…光源、 10…点灯装置、 21…第1変換回路、 22…第2変換回路、 23…制御回路、 30…スイッチング素子、 32…ダイオード、 34…インダクタ、 36…出力コンデンサ、 40…コンデンサ、 42…インダクタ、 PS…電源