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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141474
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20241003BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053153
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 博志
(72)【発明者】
【氏名】石北 徹
(72)【発明者】
【氏名】小和田 貴勇
(72)【発明者】
【氏名】清水 智章
(72)【発明者】
【氏名】西本 拓矢
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA20
3K273BA24
3K273BA35
3K273CA02
3K273CA03
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA25
3K273EA26
3K273EA43
3K273FA40
3K273GA03
3K273GA08
3K273GA12
3K273GA14
3K273HA10
3K273HA13
(57)【要約】
【課題】電力供給の再開時に光源モジュールの装着の有無を適切に判定できるようにしつつ、始動時における光源モジュールの光源の点灯の遅れを抑制できる点灯装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】入力された第1直流電力を光源モジュールの光源に対応した第2直流電力に変換する変換回路と、変換回路の動作を制御する制御回路と、光源モジュールの装着の有無の検出を行い、検出結果を制御回路に入力する装着検出回路と、を備え、制御回路は、所定の装着検出時間において、装着検出回路の検出結果の取得を複数回行い、複数の検出結果を基に、光源モジュールの装着の有無を判定するとともに、始動時の動作における装着検出時間を、光源モジュールへの第2直流電力の供給を一時的に停止させた後に再開させる再開時の動作における装着検出時間よりも短く設定することを特徴とする点灯装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された第1直流電力を光源モジュールの光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の前記第2直流電力を前記光源モジュールに供給することにより、前記光源モジュールの前記光源を点灯させる変換回路と、
前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
前記光源モジュールの装着の有無の検出を行い、検出結果を前記制御回路に入力する装着検出回路と、
を備え、
前記制御回路は、所定の装着検出時間において、前記装着検出回路の検出結果の取得を複数回行い、複数の検出結果を基に、前記光源モジュールの装着の有無を判定するとともに、始動時の動作における前記装着検出時間を、前記光源モジュールへの前記第2直流電力の供給を一時的に停止させた後に再開させる再開時の動作における前記装着検出時間よりも短く設定することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記装着検出回路の検出結果に対して閾値を設定し、前記閾値に基づいて前記光源モジュールの装着の有無を判定するとともに、前記再開時の動作における前記閾値を、前記始動時の動作における前記閾値よりも前記光源モジュールの装着の有無の判定が緩くなる方向に変化させることを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記複数の検出結果に対し、所定の合格率を設定し、前記複数の検出結果のうち、前記光源モジュールが装着されていると判定される検出結果の数が、前記合格率以上である場合に、前記光源モジュールが装着されていると判定するとともに、前記再開時の動作における前記合格率を、前記始動時の動作における前記合格率よりも低く設定することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項4】
光源モジュールと、
請求項1~3のいずれか1つに記載の点灯装置と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯装置及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源を有する光源モジュールと、光源モジュールに設けられた光源を点灯させるための点灯装置と、を備えた照明装置がある。点灯装置は、入力された直流電力を光源モジュールに対応した別の直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源モジュールに供給することによって光源モジュールの光源を点灯させる変換回路(DC-DC変換回路)と、変換回路の動作を制御する制御回路と、を有する。変換回路は、スイッチング素子を有し、スイッチング素子のスイッチングによって、直流電力の変換を行う。制御回路は、スイッチング素子のスイッチングを制御することによって、変換回路による直流電力の変換の動作を制御する。
【0003】
こうした照明装置において、制御回路が、点灯装置に対する光源モジュールの装着の有無を判定することが行われている。点灯回路は、光源モジュールの装着の有無を検出し、検出結果を制御回路に入力する装着検出回路を有する。制御回路は、装着検出回路の検出結果を基に、光源モジュールの装着の有無を判定する。
【0004】
制御回路は、光源モジュールが点灯装置に装着されていることを判定した場合に、変換回路から光源モジュールへの直流電力の供給を行い、光源モジュールが点灯装置に装着されていないことを判定した場合には、変換回路から光源モジュールへの直流電力の供給を行わない。これにより、光源モジュールが装着されていない状態で変換回路から電力が出力されてしまうことを抑制することができる。例えば、不要な電力の消費を抑制することができるとともに、点灯装置の安全性を高めることができる。
【0005】
制御回路は、装着検出回路の検出結果の取得を所定のサンプリング周期で複数回行い、複数の検出結果を基に、光源モジュールの装着の有無を判定する。これにより、光源モジュールの装着の有無をより適切に判定することができる。このように、複数の検出結果を基に、光源モジュールの装着の有無を判定する場合には、サンプリング周期と検出回数に応じた所定の装着検出時間が、光源モジュールの装着の有無の判定に必要となる。
【0006】
例えば、電源からの電力の供給が一時的に停止した電源瞬断停止が発生した際などに、変換回路から光源モジュールへの直流電力の供給を一時的に停止させ、電源からの電力の再開に応じて変換回路から光源モジュールへの直流電力の供給をすぐに再開させる場合がある。この場合には、装着検出回路の検出結果が安定するまでに時間がかかってしまう可能性がある。このため、制御回路は、装着検出時間を比較的長めに設定し、光源モジュールへの電力供給の再開時にも適切に光源モジュールの装着の有無を判定できるようにしている。
【0007】
しかしながら、光源モジュールへの電力供給の再開時に合わせて装着検出時間を設定すると、電源からの電力の供給が開始された始動時に、不要に長い装着検出時間となってしまい、始動時における光源モジュールの光源の点灯が遅れてしまうことが懸念される。
【0008】
このため、点灯装置及び照明装置では、光源モジュールへの電力の供給の一時的な停止における電力供給の再開時に光源モジュールの装着の有無を適切に判定できるようにしつつ、始動時における光源モジュールの光源の点灯の遅れを抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2016-201276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
光源モジュールへの電力の供給の一時的な停止における電力供給の再開時に光源モジュールの装着の有無を適切に判定できるようにしつつ、始動時における光源モジュールの光源の点灯の遅れを抑制できる点灯装置及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態によれば、入力された第1直流電力を光源モジュールの光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の前記第2直流電力を前記光源モジュールに供給することにより、前記光源モジュールの前記光源を点灯させる変換回路と、前記変換回路の動作を制御する制御回路と、前記光源モジュールの装着の有無の検出を行い、検出結果を前記制御回路に入力する装着検出回路と、を備え、前記制御回路は、所定の装着検出時間において、前記装着検出回路の検出結果の取得を複数回行い、複数の検出結果を基に、前記光源モジュールの装着の有無を判定するとともに、始動時の動作における前記装着検出時間を、前記光源モジュールへの前記第2直流電力の供給を一時的に停止させた後に再開させる再開時の動作における前記装着検出時間よりも短く設定することを特徴とする点灯装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、光源モジュールへの電力の供給の一時的な停止における電力供給の再開時に光源モジュールの装着の有無を適切に判定できるようにしつつ、始動時における光源モジュールの光源の点灯の遅れを抑制できる点灯装置及び照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図2】実施形態に係る装着検出回路の一例を模式的に表すブロック図である。
図3】実施形態に係る制御回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4】実施形態に係る制御回路の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図5】実施形態に係る制御回路の動作の変形例を模式的に表すグラフである。
図6】実施形態に係る制御回路の動作の変形例を模式的に表す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0015】
図1は、実施形態に係る照明装置を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明装置2は、光源モジュール4と、点灯装置10と、を備える。
【0016】
光源モジュール4は、例えば、コネクタなどを介して点灯装置10に対して着脱可能に接続される。光源モジュール4は、光源4aを有する。光源4aは、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。光源4aは、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。光源4aは、例えば、電球などでもよい。光源4aは、直流電力の供給に応じて点灯する任意の光源でよい。なお、光源モジュール4は、1つの光源4aに限ることなく、例えば、直列に接続された複数の光源4aを有してもよい。
【0017】
点灯装置10は、第1変換回路21と、第2変換回路22(変換回路)と、制御回路23と、制御電源回路24と、装着検出回路25と、を有する。
【0018】
第1変換回路21は、電源PSと接続される。第1変換回路21(点灯装置10)は、例えば、図示を省略したコネクタなどを介して電源PSと着脱可能に接続される。電源PSの供給する電力は、例えば、交流電力である。第1変換回路21は、電源PSから供給された交流電力を第1直流電力に変換する。第1変換回路21は、AC-DC変換回路である。電源PSは、例えば、商用電源である。電源PSは、例えば、自家発電機などでもよい。
【0019】
第2変換回路22は、第1変換回路21から入力された第1直流電力を光源モジュール4に対応した第2直流電力に変換する。第2変換回路22は、DC-DC変換回路である。第2変換回路22は、変換後の第2直流電力を光源モジュール4に供給することにより、光源モジュール4の光源4aを点灯させる。光源モジュール4は、第2変換回路22からの第2直流電力の供給に応じて光源4aから光を照射する。
【0020】
第2変換回路22は、例えば、図示を省略したスイッチング素子を有し、スイッチング素子のスイッチングにより、第1直流電力を第2直流電力に変換する。第2変換回路22は、例えば、降圧チョッパ回路である。第2変換回路22は、第1直流電力の電圧を降圧することにより、入力された第1直流電力を光源モジュール4に対応した第2直流電力に変換する。
【0021】
制御回路23は、第1変換回路21及び第2変換回路22の動作を制御する。制御回路23は、第1変換回路21による交流電力から第1直流電力への変換を制御するとともに、第2変換回路22による第1直流電力から第2直流電力への変換を制御する。制御回路23は、例えば、第2変換回路22のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、第2変換回路22による第1直流電力から第2直流電力への変換を制御する。
【0022】
なお、電源PSから供給される電力が直流電力である場合には、第1変換回路21は、省略可能である。第2変換回路22は、例えば、電源PSから入力された第1直流電力を光源モジュール4に対応した第2直流電力に変換してもよい。第2変換回路22に対して第1直流電力を入力する構成は、上記に限ることなく、第2変換回路22に対して第1直流電力を適切に入力可能な任意の構成でよい。
【0023】
制御電源回路24は、電源PSから供給された電力を基に、制御回路23を動作させるための制御電源を生成し、生成した制御電源を制御回路23に供給する。制御電源回路24は、例えば、電源PSから供給された100V(実効値)の交流電力から3V~5V程度の直流電力の制御電源を生成する。また、制御電源回路24は、例えば、生成した制御電源を制御回路23に供給するとともに、装着検出回路25に供給する。
【0024】
装着検出回路25は、点灯装置10に対する光源モジュール4の装着の有無の検出を行う。装着検出回路25は、換言すれば、第2変換回路22に対する光源モジュール4の装着の有無の検出を行う。装着検出回路25は、例えば、制御電源回路24から供給された制御電源を基に、光源モジュール4の装着の有無を検出する。装着検出回路25は、制御回路23と接続されている。装着検出回路25は、光源モジュール4の装着の有無の検出結果を制御回路23に入力する。
【0025】
制御回路23は、装着検出回路25の検出結果を基に、光源モジュール4の装着の有無を判定する。制御回路23は、光源モジュール4が点灯装置10に装着されていることを判定した場合に、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を行い、光源モジュール4が点灯装置10に装着されていないことを判定した場合には、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を行わない。これにより、光源モジュール4が装着されていない状態で第2変換回路22から電力が出力されてしまうことを抑制することができる。
【0026】
図2は、実施形態に係る装着検出回路の一例を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、装着検出回路25は、抵抗素子31、32、33と、コンデンサ34と、整流素子35と、を有する。
【0027】
抵抗素子31、32、33は、制御電源回路24の出力の間に直列に接続される。これにより、制御電源回路24から出力された制御電源の直流電圧が、抵抗素子31、32、33の直列接続体の両端に印加される。
【0028】
コンデンサ34は、抵抗素子33と並列に接続されている。コンデンサ34は、例えば、制御回路23へのノイズの流入及び制御回路23からのノイズの流出を抑制するためのバイパスコンデンサである。
【0029】
整流素子35の一端は、抵抗素子31と抵抗素子32との接続点に接続されている。整流素子35の他端は、第2変換回路22と光源モジュール4との接続点に接続されている。整流素子35は、制御電源回路24から供給された制御電源が、光源モジュール4に供給される方向に整流する。整流素子35は、例えば、ダイオードである。整流素子35の一端は、例えば、ダイオードのアノードであり、整流素子35の他端は、例えば、ダイオードのカソードである。
【0030】
装着検出回路25は、抵抗素子32と抵抗素子33との接続点を介して制御回路23と接続されている。この例において、装着検出回路25は、抵抗素子32と抵抗素子33との接続点の電圧を光源モジュール4の装着の有無の検出結果として制御回路23に入力する。
【0031】
整流素子35は、制御電源回路24から供給された制御電源の光源モジュール4側への供給を可能にしつつ、第2変換回路22から光源モジュール4に供給される大きな電力が制御回路23側に流入することを抑制する。整流素子35は、例えば、逆流防止ダイオードである。
【0032】
図2に表したように、光源モジュール4は、例えば、直列に接続された複数の光源4aを有するとともに、複数の光源4aに対して並列に接続された抵抗素子4bを有する。
【0033】
この場合、抵抗素子32と抵抗素子33との接続点の電圧の大きさは、抵抗素子31、32、33と抵抗素子4bとの分圧比により、光源モジュール4が装着された時に、光源モジュール4が装着されていない時よりも小さくなる。このため、この例において、制御回路23は、光源モジュール4の装着の有無の検出結果として装着検出回路25から入力された電圧が、所定の閾値以上の時に、光源モジュール4が装着されていないと判定し、所定の閾値未満の時に、光源モジュール4が装着されていると判定する。
【0034】
このように、装着検出回路25は、例えば、複数の抵抗素子31、32、33を有し、光源モジュール4に設けられた抵抗素子4bの有無による分圧比の変化にともなう電圧の大きさの変化により、光源モジュール4の装着の有無を検出できるようにする。
【0035】
なお、装着検出回路25の構成は、上記に限定されるものではない。装着検出回路25の構成は、例えば、複数の抵抗素子を有し、光源モジュール4に設けられた抵抗素子4bの有無による分圧比の変化にともなう電圧の大きさの変化により、光源モジュール4の装着の有無を検出可能とする任意の構成でよい。
【0036】
例えば、上記と反対に、光源モジュール4の装着の有無の検出結果として制御回路23に入力する電圧の大きさが、光源モジュール4が装着された時に、光源モジュール4が装着されていない時よりも大きくなるようにしてもよい。また、例えば、制御回路23は、装着検出回路25から入力された電圧に対し、上限側の閾値と下限側の閾値とを設定し、入力された電圧が上限側の閾値と下限側の閾値との間の範囲内にある場合に、光源モジュール4が装着されていると判定してもよい。
【0037】
また、装着検出回路25に供給される電力は、必ずしも制御電源回路24から供給される制御電源に限ることなく、別の電源回路から供給される別の電源としてもよい。例えば、第1変換回路21及び第2変換回路22の出力は、制御回路23が起動していないと出力されない可能性がある。装着検出回路25に供給される電力は、制御回路23が起動していなくても供給される任意の電力でよい。
【0038】
さらに、光源モジュール4の構成も、上記に限定されるものではない。例えば、抵抗素子4bは、光源4aに対して直列的に接続してもよい。
【0039】
図3は、実施形態に係る制御回路の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図3の縦軸は、光源モジュール4の装着の有無の検出結果として装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧を表す。図3の横軸は、時間を表す。
【0040】
図3は、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を一時的に停止(第2変換回路22のスイッチング素子の発振を一時的に停止)させた後、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給(スイッチング素子の発振)をすぐに再開させる場合の制御回路23の動作の一例を模式的に表している。換言すれば、図3は、光源モジュール4の光源4aを一時的に消灯させた後、すぐに点灯させる場合の制御回路23の動作の一例を模式的に表している。このような動作は、例えば、電源PSからの電力の供給が一時的に停止した電源瞬断停止が発生した際に行われる。あるいは、壁スイッチなどの連続的な操作で消灯後、すぐに点灯に切り替えた際に行われる。光源モジュール4への電力の供給を一時的に停止させる動作が行われるタイミングは、上記に限ることなく、任意のタイミングでよい。
【0041】
図3では、制御回路23が、タイミングt1において、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を停止させている。制御回路23は、例えば、各部の電圧の検出結果などに基づいて電源PSからの電力の供給の停止を検出した際に、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を停止させる。制御回路23は、例えば、制御電源回路24からの制御電源の供給により、瞬断などの一時的な電力供給の停止があった際にも動作を継続できるものとする。換言すれば、制御電源回路24は、例えば、内部に設けられたコンデンサなどに蓄積された電力に基づき、瞬断などが発生した際にも、所定時間は、制御回路23への制御電源の供給を継続できるようにする。制御回路23は、例えば、内蔵のバッテリなどにより、瞬断時に動作を継続できるようにしてもよい。
【0042】
制御回路23は、前述のように、光源モジュール4の装着の有無の検出結果として装着検出回路25から入力された電圧に対し、所定の閾値th1を設定する。この例において、制御回路23は、装着検出回路25から入力された電圧が閾値th1以上の時に、光源モジュール4が装着されていないと判定し、装着検出回路25から入力された電圧が閾値th1未満の時に、光源モジュール4が装着されていると判定する。
【0043】
図3に表したように、光源4aを点灯させている状態においては、光源モジュール4が装着されている場合にも、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が、閾値th1以上となる。これは、第2変換回路22から光源モジュール4の抵抗素子4bに制御電源よりも大きな直流電力が供給されているためである。
【0044】
装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧は、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を停止した後も、急激には低下せず、徐々に低下していく。これは、例えば、第2変換回路22に設けられた出力平滑コンデンサ22aの影響である。第2変換回路22は、光源モジュール4に供給する直流電力を平滑化するための出力平滑コンデンサ22aを有する。このため、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を停止した後も、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧は、急激には低下せず、出力平滑コンデンサ22aの放電にともなって徐々に低下する。
【0045】
図3では、タイミングt2において、電源PSからの電力の供給が再開された例を表している。電源PSからの電力の供給が再開されたとしても、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧は、急激には上昇せず、徐々に上昇していく。これは、例えば、装着検出回路25に設けられたコンデンサ34(バイパスコンデンサ)の充電の影響である。但し、例えば、瞬断において、制御電源回路24からの制御電源の出力が継続されている場合などには、図3に表したように、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が、0付近までは低下しない可能性もある。
【0046】
このように、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を一時的に停止させた後、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給をすぐに再開させる場合には、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が安定するまでに時間がかかってしまう可能性がある。
【0047】
制御回路23は、装着検出回路25の検出結果の取得を所定のサンプリング周期で複数回行い、複数の検出結果を基に、光源モジュール4の装着の有無を判定する。制御回路23は、例えば、複数の検出結果に対し、所定の合格率を設定する。制御回路23は、複数の検出結果のうち、光源モジュール4が装着されていると判定される検出結果の数が、所定の合格率以上である場合に、光源モジュール4が装着されていると判定する。
【0048】
制御回路23は、例えば、1msecのサンプリング周期で100個の検出結果を取得する。また、制御回路23は、例えば、合格率を50%に設定する。この場合、制御回路23は、100個の検出結果のうち、光源モジュール4が装着されていると判定される検出結果の数が、50個以上である場合に、光源モジュール4が装着されていると判定する。これにより、光源モジュール4の装着の有無をより適切に判定することができる。
【0049】
このように、複数の検出結果を基に、光源モジュール4の装着の有無を判定する場合には、サンプリング周期と検出回数とに応じた所定の装着検出時間が、光源モジュール4の装着の有無の判定に必要となる。換言すれば、制御回路23は、所定の装着検出時間において、装着検出回路25の検出結果の取得を複数回行う。
【0050】
上記のように、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を一時的に停止させた後、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給をすぐに再開させる場合には、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が安定するまでに時間がかかってしまう可能性がある。
【0051】
このため、制御回路23は、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を一時的に停止させた後、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給をすぐに再開させる場合には、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が安定するまでの時間に対応した比較的長い第1装着検出時間を設定する。換言すれば、制御回路23は、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を一時的に停止させた後、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給をすぐに再開させる場合には、装着検出回路25の検出結果の検出回数を比較的多く設定する。制御回路23は、上記のように、例えば、1msecのサンプリング周期で100個の検出結果を取得する。この場合、第1装着検出時間は、100msecである。
【0052】
制御回路23は、例えば、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を停止させたタイミングt1において、光源モジュール4の装着の有無の判定を開始する。そして、制御回路23は、光源モジュール4の装着の有無の判定の開始から所定数の装着検出回路25の検出結果を取得したタイミングt3において、光源モジュール4の装着の有無の判定を終了する。第1装着検出時間は、例えば、タイミングt1からタイミングt3までの期間の時間である。
【0053】
但し、タイミングt1からタイミングt3までの期間は、光源モジュール4が装着されていると判定された場合の最短の検出時間である。制御回路23は、光源モジュール4が装着されていないと判定した場合には、例えば、所定のサンプリング周期での検出結果の取得、及び装着の有無の判定を継続する。
【0054】
図4は、実施形態に係る制御回路の別の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4の縦軸は、光源モジュール4の装着の有無の検出結果として装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧を表す。図4の横軸は、時間を表す。
【0055】
図4は、制御回路23の始動時における制御回路23の動作の一例を模式的に表している。制御回路23の始動時の動作とは、より詳しくは、電源PSから電力の供給が開始され、制御電源回路24から制御回路23に制御電源の供給が開始されることによる制御回路23の動作である。
【0056】
図4に表したように、制御回路23の始動時の動作においては、例えば、出力平滑コンデンサ22aを放電するための時間が必要なく、装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が、再開時よりも早く安定する。
【0057】
このため、制御回路23は、制御回路23の始動時においては、再開時の第1装着検出時間よりも短い第2装着検出時間を設定する。換言すれば、制御回路23は、制御回路23の始動時においては、再開時よりも装着検出回路25の検出結果の検出回数を少なくする。
【0058】
制御回路23は、例えば、始動時においては、1msecのサンプリング周期で50個の検出結果を取得する。この場合、第2装着検出時間は、50msecである。制御回路23は、例えば、始動時においても、合格率を50%に設定する。この場合、制御回路23は、50個の検出結果のうち、光源モジュール4が装着されていると判定される検出結果の数が、25個以上である場合に、光源モジュール4が装着されていると判定する。
【0059】
制御回路23は、例えば、制御電源回路24からの制御電源の供給開始に応じて始動したタイミングt11において、光源モジュール4の装着の有無の判定を開始する。そして、制御回路23は、光源モジュール4の装着の有無の判定の開始から所定数の装着検出回路25の検出結果を取得したタイミングt12において光源モジュール4の装着の有無の判定を終了する。第2装着検出時間は、例えば、タイミングt11からタイミングt12までの期間の時間である。上記と同様に、タイミングt11からタイミングt12までの期間は、光源モジュール4が装着されていると判定された場合の最短の検出時間である。
【0060】
このように、本実施形態に係る照明装置2及び点灯装置10では、制御回路23が、始動時の動作における第2装着検出時間を再開時の動作における第1装着検出時間よりも短く設定する。これにより、光源モジュール4への電力の供給の一時的な停止における電力供給の再開時に光源モジュール4の装着の有無を適切に判定できるようにしつつ、始動時における光源モジュール4の点灯の遅れを抑制することができる。
【0061】
図5は、実施形態に係る制御回路の動作の変形例を模式的に表すグラフである。
図5は、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給を一時的に停止させた後、第2変換回路22から光源モジュール4への直流電力の供給をすぐに再開させる場合の制御回路23の動作の変形例を模式的に表している。
【0062】
図5に表したように、この例において、制御回路23は、光源モジュール4の装着の有無の検出結果として装着検出回路25から入力される電圧に設定する閾値を始動時と再開時とで変更する。制御回路23は、再開時の動作における閾値th2を始動時の動作における閾値th1よりも光源モジュール4の装着の有無の判定が緩くなる方向に変化させる。この例においては、制御回路23は、再開時の閾値th2を始動時の閾値th1よりも高く設定する。これにより、例えば、出力平滑コンデンサ22aの放電にともなって装着検出回路25から制御回路23に入力される電圧が低下する際に、より早期から光源モジュール4の装着を判定することが可能となる。
【0063】
また、制御回路23は、再開時の閾値th2を始動時の閾値th1よりも光源モジュール4の装着の有無の判定が緩くなる方向に変化させるとともに、再開時の装着検出時間を、図3に表した第1装着検出時間よりも短い第3装着検出時間に設定する。このように、閾値の設定を緩和し、より早期から光源モジュール4の装着を判定できるようにしつつ、装着検出時間の設定を短くする。これにより、図3に表した例と比べて、再開時における光源4aの再点灯までの時間をより短くすることができる。
【0064】
図6は、実施形態に係る制御回路の動作の変形例を模式的に表す表である。
図6に表したように、この例において、制御回路23は、装着検出回路25の複数の検出結果に対して設定する合格率を、始動時と再開時とで変更する。図6に表したように、制御回路23は、再開時の動作における合格率を始動時の動作における合格率よりも低く設定する。
【0065】
制御回路23は、例えば、再開時の合格率を始動時の合格率よりも低く設定し、より早期から光源モジュール4の装着を判定できるようにしつつ、再開時の装着検出時間を、図3に表した第1装着検出時間よりも短い第3装着検出時間に設定する。この場合にも、図5に関する説明と同様に、図3に表した例と比べて、再開時における光源4aの再点灯までの時間をより短くすることができる。
【0066】
なお、制御回路23は、例えば、再開時の閾値th2を始動時の閾値th1よりも光源モジュール4の装着の有無の判定が緩くなる方向に変化させつつ、再開時の合格率を始動時の合格率よりも低く設定してもよい。これにより、例えば、再開時における光源4aの再点灯までの時間をより短くすることができる。
【0067】
本実施形態は、以下の態様を含む。
(付記1)
入力された第1直流電力を光源モジュールの光源に対応した第2直流電力に変換し、変換後の前記第2直流電力を前記光源モジュールに供給することにより、前記光源モジュールの前記光源を点灯させる変換回路と、
前記変換回路の動作を制御する制御回路と、
前記光源モジュールの装着の有無の検出を行い、検出結果を前記制御回路に入力する装着検出回路と、
を備え、
前記制御回路は、所定の装着検出時間において、前記装着検出回路の検出結果の取得を複数回行い、複数の検出結果を基に、前記光源モジュールの装着の有無を判定するとともに、始動時の動作における前記装着検出時間を、前記光源モジュールへの前記第2直流電力の供給を一時的に停止させた後に再開させる再開時の動作における前記装着検出時間よりも短く設定することを特徴とする点灯装置。
【0068】
(付記2)
前記制御回路は、前記装着検出回路の検出結果に対して閾値を設定し、前記閾値に基づいて前記光源モジュールの装着の有無を判定するとともに、前記再開時の動作における前記閾値を、前記始動時の動作における前記閾値よりも前記光源モジュールの装着の有無の判定が緩くなる方向に変化させることを特徴とする付記1記載の点灯装置。
【0069】
(付記3)
前記制御回路は、前記複数の検出結果に対し、所定の合格率を設定し、前記複数の検出結果のうち、前記光源モジュールが装着されていると判定される検出結果の数が、前記合格率以上である場合に、前記光源モジュールが装着されていると判定するとともに、前記再開時の動作における前記合格率を、前記始動時の動作における前記合格率よりも低く設定することを特徴とする付記1又は2に記載の点灯装置。
【0070】
(付記4)
光源モジュールと、
付記1~3のいずれか1つに記載の点灯装置と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態または実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態または実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態または実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
2…照明装置、 4…光源モジュール、 4a…光源、 4b…抵抗素子、 10…点灯装置、 21…第1変換回路、 22…第2変換回路、 23…制御回路、 24…制御電源回路、 25…装着検出回路、 31、32、33…抵抗素子、 34…コンデンサ、 35…整流素子、 PS…電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6