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特開2024-141507角形容器のトリミング装置、方法、及び角形容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141507
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】角形容器のトリミング装置、方法、及び角形容器
(51)【国際特許分類】
   B21D 28/00 20060101AFI20241003BHJP
   B21D 51/26 20060101ALI20241003BHJP
   B21D 22/30 20060101ALI20241003BHJP
   B21D 22/26 20060101ALI20241003BHJP
   B21D 24/16 20060101ALI20241003BHJP
   B23D 23/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B21D28/00 A
B21D51/26 F
B21D22/30 B
B21D22/26 C
B21D24/16 Z
B23D23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053202
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000100861
【氏名又は名称】アイダエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】岩村 竜昇
(72)【発明者】
【氏名】熊坂 徹
【テーマコード(参考)】
3C039
4E048
4E137
【Fターム(参考)】
3C039DA08
4E048AA03
4E137AA10
4E137AA11
4E137AA17
4E137BA05
4E137BB01
4E137CA09
4E137CA26
4E137GA02
4E137GB18
(57)【要約】
【課題】 比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングを可能にする。
【解決手段】 本発明は、角形容器100をトリムライン100Aに沿って切断する角形容器のトリミング装置1であって、角形容器100の外周を収容し前記トリムライン100Aに沿ってその下側に配設されるダイス10と、底面101と平行な平面内にて移動可能なパンチ20と、前記パンチ20を角形容器100の長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部61と、前記長軸方向駆動部61の近位側に配設され前記パンチ20を短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部62と、前記長軸方向駆動部61から遠位側において前記第1短軸方向駆動部62と長軸方向に沿って並んで配設され前記パンチ20を角形容器100の短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部63と、を含んで構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器を、底面と平行な所定のトリムラインを含む平面に沿って切断する角形容器のトリミング装置であって、
トリミング装置本体に対して一体的に支持されると共に、角形容器の外周を収容し、前記トリムラインに沿って配設されるダイスと、
角形容器の内側の横断面形状と所定隙間を持って角形容器内に収容されるパンチであって、前記底面と平行な平面内にて移動可能にトリミング装置本体に支持されるパンチと、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部と、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部と、
前記第1短軸方向駆動部と長軸方向に沿って並んで配設され、前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部と、
を含んで構成したことを特徴とする角形容器のトリミング装置。
【請求項2】
前記長軸方向駆動部、第1短軸方向駆動部、第2短軸方向駆動部は、それぞれ相互独立に駆動されることを特徴とする請求項1に記載の角形容器のトリミング装置。
【請求項3】
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺に接続される角形容器の一の長辺の前記一の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を逆向きに駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の他の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部及び前記第2短軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを角形容器の他の長辺側に向けて平行に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記他の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の前記他の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角形容器のトリミング装置。
【請求項4】
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成する弱部形成部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角形容器のトリミング装置。
【請求項5】
一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器を、底面と平行な所定のトリムラインを含む平面に沿って切断する角形容器のトリミング装置であって、
トリミング装置本体に対して一体的に支持されると共に、角形容器の外周を収容し、前記トリムラインに沿って配設されるダイスと、
角形容器の内側の横断面形状と所定隙間を持って角形容器内に収容されるパンチであって、前記底面と平行な平面内にて移動可能にトリミング装置本体に支持されるパンチと、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部と、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部と、
前記第1短軸方向駆動部と長軸方向に沿って並んで配設され、前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部と、
を含んで構成したトリミング装置における角形容器のトリミング方法であって、
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺に接続される角形容器の一の長辺の前記一の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を逆向きに駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の他の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部及び前記第2短軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを角形容器の他の長辺側に向けて平行に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記他の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の前記他の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングする
ことを特徴とする角形容器のトリミング方法。
【請求項6】
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成することを特徴とする請求項5に記載の角形容器のトリミング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端が開口され他端に底部を有する角形容器のトリミング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、絞り成形では、絞り成形した成形品の側壁の開放端側の端部を切断して(切り落として)製品とするトリミングが行われる。
【0003】
従来、絞り製品の縁切り(トリミング、トリム)は、例えば、絞り成形が行われたトランスファープレス内で、スライドの縦運動を、カム(所謂よろめきカム)を利用して、製品の外形に沿ったトリム用パンチの周方向の運動(円弧運動)に変換することにより行うものがある。
【0004】
また、特許文献1には、前述のようなカムに代えて、ギヤ機構とリンク機構を用いて電動モータの回転運動をパンチの周方向の運動に変換してトリムを行う装置が記載されている。
【0005】
また、角形容器(底面に平行な断面形状が角形の容器)に関しては、角形容器を絞り成形の工程とは別工程でトリムする装置として、角形容器の対面する側壁にそれぞれ直交する二方向から切断する装置もある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-46313号公報
【特許文献2】特開2012-157959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トリミングに利用される所謂よろめきカムに関しては、プレススライドの縦運動を金型の円弧運動に変換する機構などが必要でその構成が複雑であり、カムや機構の設計、調整、保守には熟練した技術者や作業者が必要であると共に、この種のカムを利用したトリミング方法に用いる金型の設計には経験が必要とされるといった実情がある。
また、プレススライドの縦運動を、カムで金型の円弧運動に変換するため、プレスのストローク長さが長く必要であり、基本的には円筒形(底面に平行な断面形状が円形)の絞り製品に適したトリミング方法とされる。
【0008】
また、特許文献1のものは、電動モータの回転運動をパンチの周方向の運動に変換するための複雑なギヤ機構とリンク機構が必要とされる。このため、板の厚みや角形容器の形状を変更したいような場合には、その変更がわずかであっても、ギヤ機構とリンク機構を調整し直したり、専用に設計し直したり、ギヤやリンク部品を作り直したりしなければならないなど、時間を要する面倒な作業が必要になるといった実情がある。なお、ギヤ機構やリンク機構の部品の交換作業等を行う場合には、生産ラインを比較的長い時間停止する必要があるなど生産能率の低下を招くおそれがある。
また、引用文献1の装置では、トリミング開始時に斜めに切り込ませるための複雑で高精度に造り込まれた傾斜形状のパンチを必要とするため、設備のランニングコスト延いては製造コストが増大するといった実情がある。
【0009】
そして、直交する二方向からトリミングする特許文献2のものは、トリム工程が二工程に分かれるため、マッチングバリ(二方向からの切断線の合流部の誤差により生じる尖ったバリ)が発生し易いといった実情がある。このため、製品としての出来栄えを犠牲にしてトリム部に予め比較的大きな段差を設けたり、抜きダレを少なくするなど、マッチングバリの発生を抑制するための比較的面倒な対策が必要となるといった実情がある。
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングが可能な角形容器のトリミング装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明に係る角形容器のトリミング装置は、
一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器を、底面と平行な所定のトリムラインを含む平面に沿って切断する角形容器のトリミング装置であって、
トリミング装置本体に対して一体的に支持されると共に、角形容器の外周を収容し、前記トリムラインに沿って配設されるダイスと、
角形容器の内側の横断面形状と所定隙間を持って角形容器内に収容されるパンチであって、前記底面と平行な平面内にて移動可能にトリミング装置本体に支持されるパンチと、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部と、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部と、
前記第1短軸方向駆動部と長軸方向に沿って並んで配設され、前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部と、
を含んで構成したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る角形容器のトリミング装置において、
前記長軸方向駆動部、第1短軸方向駆動部、第2短軸方向駆動部は、それぞれ相互独立に駆動されることを特徴とすることができる。
【0013】
本発明に係る角形容器のトリミング装置において、
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺に接続される角形容器の一の長辺の前記一の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を逆向きに駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の他の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部及び前記第2短軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを角形容器の他の長辺側に向けて平行に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記他の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の前記他の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングする
ことを特徴とすることができる。
【0014】
本発明に係る角形容器のトリミング装置において、
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成する弱部形成部を備えることを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明に係る角形容器のトリミング方法は、
一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器を、底面と平行な所定のトリムラインを含む平面に沿って切断する角形容器のトリミング装置であって、
トリミング装置本体に対して一体的に支持されると共に、角形容器の外周を収容し、前記トリムラインに沿って配設されるダイスと、
角形容器の内側の横断面形状と所定隙間を持って角形容器内に収容されるパンチであって、前記底面と平行な平面内にて移動可能にトリミング装置本体に支持されるパンチと、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部と、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部と、
前記第1短軸方向駆動部と長軸方向に沿って並んで配設され、前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部と、
を含んで構成したトリミング装置における角形容器のトリミング方法であって、
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺に接続される角形容器の一の長辺の前記一の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を逆向きに駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の他の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部及び前記第2短軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを角形容器の他の長辺側に向けて平行に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記他の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の前記他の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングする
ことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る角形容器のトリミング方法において、前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングが可能な角形容器のトリミング装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(A)は、本発明の一実施の形態に係る絞り成形品及びV突起金型の平面図(絞り成形品の底面に直交する方向に沿って上面開口側から見た図)であり、(B)は同上絞り成形品及びV突起金型の正面図(長辺の側壁と直交する方向から見た図)であり、(C)はトリミング処理によりスクラップと製品に分離された絞り成形品を示す正面図であり、(D)は(B)の右側面図であり、(E)は(C)の右側面図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る角形容器のトリミング装置の正面図である。
図3図2の右側面図である。
図4】同上トリミング装置のパンチホルダ、スライドプレート、パンチの支持構造部分を抜き出して示す平面図である。
図5】同上トリミング装置の3つの駆動部(長軸方向駆動部、第1短軸方向駆動部、第2短軸方向駆動部)を示す平面図である。
図6】(A)は本発明の一実施の形態に係る角形容器のトリミング装置及び方法により行われるトリミング処理(絞り成形品に対するパンチの動き)のステップ1を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ2を説明する模式図的な平面図であり、(C)は同上ステップ3を説明する模式図的な平面図である。
図7】(A)は同上角形容器のトリミング装置及び方法により行われるトリミング処理(絞り成形品に対するパンチの動き)のステップ4を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ5を説明する模式図的な平面図であり、(C)は同上ステップ6を説明する模式図的な平面図である。
図8】(A)は同上角形容器のトリミング装置及び方法により行われるトリミング処理(絞り成形品に対するパンチの動き)のステップ7を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ8を説明する模式図的な平面図であり、(C)は同上ステップ9を説明する模式図的な平面図である。
図9】(A)は同上角形容器のトリミング装置及び方法により行われるトリミング処理(絞り成形品に対するパンチの動き)のステップ10を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ11を説明する模式図的な平面図である。
図10】(A)は同上角形容器のトリミング装置及び方法により行われるトリミング処理のステップ1を絞り成形品及びパンチを抜き出して説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ2を説明する模式図的な平面図であり、(C)は同上ステップ3を説明する模式図的な平面図である。
図11】(A)は同上ステップ4を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ5を説明する模式図的な平面図であり、(C)は同上ステップ6を説明する模式図的な平面図である。
図12】(A)は同上ステップ7を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ8を説明する模式図的な平面図であり、(C)は同上ステップ9を説明する模式図的な平面図である。
図13】(A)は同上ステップ10を説明する模式図的な平面図であり、(B)は同上ステップ11を説明する模式図的な平面図である。
図14】(A)は各ステップにおける長軸方向駆動部の電動モータの回転角度位置(駆動状態:パンチの位置)を示すタイミングチャートであり、(B)は各ステップにおける第1短軸方向駆動部の電動モータの回転角度位置(駆動状態:パンチの位置)を示すタイミングチャートであり、(C)は各ステップにおける第2短軸方向駆動部の電動モータの回転角度位置(駆動状態:パンチの位置)を示すタイミングチャートである。
図15】本発明に係る角形容器のトリミング装置の駆動部の他の一構成例を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0020】
本実施の形態に係る角形容器(或いは角筒容器)のトリミング装置及び方法は、トリミングのためのパンチを移動させるための駆動を3方向から行い、それぞれパンチの押しと引きが可能で制御装置により順次連続して切断が進行し、製品の変形等が発生しないトリムが可能である。また、1パンチでトリムが完了するのでマッチングバリを気にすることなく、適正な抜きクリアランスを確保するだけでダレ・バリの発生を抑制することが可能である。
【0021】
本実施の形態では、一例として、図1(A)~図1(E)に示すように、角形容器100の底面101に平行な横断面(絞り方向(プレスマシンのスライドの移動方向)に直交する横断面)が長方形の角形容器である絞り成形品100の開口端側の上縁部付近を横断面にて切断する場合を示す。
すなわち、図1(B)~図1(E)に示したように、本実施の形態に係る角形容器のトリミング装置及び方法においては、絞り加工により生産(成形)された絞り成形品100を、トリムライン100Aに沿ってトリミングして、スクラップ100Cを切り離して製品(絞り成形製品)100Bを生産する。符号102A,102Bは短辺に係る側壁であり、符号103A、103Bは長辺に係る側壁である。
【0022】
本実施の形態に係る角形容器100の一例としては、例えば、板厚1mm程度のアルミ合金を絞り成形して得られる上面開口の中空容器で、例えば、短辺102A,102Bが数十mmから数百mm(例えば40mm程度)で、長辺103A、103Bが数十mmから数百mmm(例えば300mm程度)、深さ数十mmから数百mm(例えば60から100mm程度)の中空容器で、底面101や各側壁(短辺102A,102B、長辺103A、103B)の厚さ0.5~1.2mm程度のものが挙げられる。但し、これらの寸法に本発明は限定されるものではない。
本実施の形態に係る角形容器100が、本発明に係る「一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器」の一例に相当する。
【0023】
図2に、本実施の形態に係るトリミング装置1の正面図を示す。図3にその右側面図を示す。
図2図3に示すように、トリミング装置1において、角形容器である絞り成形品100は、その外周面がダイス10の内周面に接するように保持される。ダイス10は、装置フレーム2に一体的に支持されているベース部110に一体的に支持されている。また、ダイス10の上には、トリムライン100Aより上側の絞り成形品100の上縁部(スクラップ100Cとなる部分)を、略垂直に(縦に)延びるV字溝状にトリムライン100Aまで凹ませるV突起金型11が備えられている(図1(A)、図1(B)、図2参照)。
【0024】
ダイス10と協働して絞り成形品100に対してトリミング処理を行うパンチ20は、パンチホルダ30に支持され、当該パンチホルダ30は、直動式アクチュエータの一例であるシリンダ40に連結されて昇降方向(上下方向)に移動されるシャフト41に支持されている。シリンダ40は、装置フレーム2に一体的に支持されている。
【0025】
パンチホルダ30は、シリンダ40によって、図2図3において初期位置Aからトリミング作業位置Bまで下降され、パンチホルダと一体のパンチ20は、これに伴い、ダイス10の内側に収容されている絞り成形品100の内側に挿入されてトリミング位置へともたらされる。パンチ20の外周は絞り成形品100の内側壁に対して全周に亘って所定の隙間(クリアランス)を持つように構成されている。符号110Aは、パンチホルダ30延いてはパンチ20と、ベース部110延いてはダイス10と、の間で、高さ方向及び水平方向における位置決めをする位置決めピンであり、位置決めピン110Aは複数設けることもできる。
【0026】
なお、ダイス10の内側に収容されている絞り成形品100の内側に挿入され、支持台131との間で、絞り成形品100の底面101を、弾性付勢要素121,122の所定押圧力で押さえて、トリミング処理の際における変形を押さえる押え板120を備えることができる。押え板120は、弾性付勢要素121,122を介してパンチホルダ30に支持され、シリンダ40によるシャフト41の初期位置Aとトリミング作業位置Bの範囲での上下動に応じて、絞り成形品100の搬入、搬出などの際に上下動される。
支持台131は、直動機構であるシリンダ機構130に連結され、絞り成形品100の搬入、搬出などの際に、図2の符号Cの矢印の範囲で上下動される。
【0027】
パンチホルダ30は、スライドプレート31を水平面(図2図3平面に直交し左右方向に沿った平面:図4平面)内にてスライド(移動)可能に支持し、当該スライドプレート31に対してパンチ20は固定的に支持され(取り付けられ)ている。
従って、パンチ20は、トリミング装置1に対して一体的に支持されているダイス10及び絞り成形品100に対して、水平面内で移動可能に構成されている。
【0028】
本実施の形態では、スライドプレート31は、図4に示すように、パンチ20の長軸方向への移動のみを許容する長軸方向スライダ51と、パンチ20の短軸方向への移動のみを許容する第1短軸方向スライダ52と、短軸方向スライダ52に対してパンチ20の長軸方向に所定間隔を持って配設されパンチ20の短軸方向への移動のみを許容する第2短軸方向スライダ53と、を介して、パンチホルダ30に対して水平面内で移動可能に支持されている。
なお、本実施の形態において、長軸方向という場合には、図4平面におけるパンチ20或いは絞り成形品100の長軸方向(図4の左右方向)を指し、短軸方向という場合には、図4平面におけるパンチ20或いは絞り成形品100の短軸方向(図4の上下方向)を指し、垂直軸という場合には、絞り成形方向(図4平面に垂直な軸)を指すものとする。
【0029】
長軸方向スライダ51、第1短軸方向スライダ52、第2短軸方向スライダ53の基本的な構成は同じで、配設場所が異なっている。
本実施の形態に係る長軸方向スライダ51は、図4においてスライドプレート31の左端部に配設され、長軸方向へのみ移動可能なスライド要素51Aと、当該スライド要素51Aと係合して該スライド要素51Aを長軸方向へのみ移動可能に案内しつつ支持するガイド51Bと、を含んで構成されている。
【0030】
スライド要素51Aのパンチ20の近位側には、スライダ51Cがスライド要素51Aに対して短軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、このスライダ51Cには、スライドプレート31に連結されているシャフト51Dが垂直軸廻りに回転可能に支持されている。
従って、スライドプレート31及びこれに支持されているパンチ20と一体的なシャフト51Dは、スライダ51Cを介して、その軸中心廻りに回転可能に、かつ、短軸方向に移動可能に、スライド要素51Aに連結(支持)されている。
【0031】
また、スライド要素51Aのパンチ20の遠位側には、スライダ51Eがスライド要素51Aに対して短軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、このスライダ51Eには、長軸方向駆動部61の出力回転軸に所定の偏心量E1を持って連結されているエキセンシャフト(偏心シャフト)51Fが垂直軸廻りに回転可能に支持されている。
従って、長軸方向駆動部61の出力回転軸61Aに回転連結されているエキセンシャフト51Fは、スライダ51Eを介して、その軸中心廻りに回転可能に、かつ、短軸方向に移動可能に、スライド要素51Aに連結(支持)されている。
【0032】
このため、長軸方向駆動部61を駆動して出力回転軸61Aを所定方向に回転させると、エキセンシャフト51Fが偏心回転するため、スライダ51Eを長軸方向に移動させることになる。そして、スライダ51Eを介してスライド要素51Aが長軸方向に移動され、延いてはシャフト51Dを介してスライドプレート31が、シャフト51D廻りに回転可能に、長軸方向に移動されるように構成されている。
【0033】
本実施の形態に係る第1短軸方向スライダ52は、図4においてスライドプレート31の下端部であって前記長軸方向スライダ51に比較的近い位置に配設され、短軸方向へのみ移動可能なスライド要素52Aと、当該スライド要素52Aと係合して該スライド要素52Aを短軸方向へのみ移動可能に案内しつつ支持するガイド52Bと、を含んで構成されている。
【0034】
スライド要素52Aのパンチ20の近位側には、スライダ52Cがスライド要素52Aに対して長軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、このスライダ52Cには、スライドプレート31に連結されているシャフト52Dが垂直軸廻りに回転可能に支持されている。
従って、スライドプレート31及びこれに支持されているパンチ20と一体的なシャフト52Dは、スライダ52Cを介して、その軸中心廻りに回転可能に、かつ、長軸方向に移動可能に、スライド要素52Aに連結(支持)されている。
【0035】
また、スライド要素52Aのパンチ20の遠位側には、スライダ52Eがスライド要素51Aに対して短軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、このスライダ51Eには、第1短軸方向駆動部62の出力回転軸に所定の偏心量E2を持って連結されているエキセンシャフト52Fが垂直軸廻りに回転可能に支持されている。
従って、第1短軸方向駆動部62の出力回転軸62Aに回転連結されているエキセンシャフト52Fは、スライダ52Eを介して、その軸中心廻りに回転可能に、かつ、短軸方向に移動可能に、スライド要素52Aに連結(支持)されている。
【0036】
このため、第1短軸方向駆動部62を駆動して出力回転軸62Aを所定方向に回転させると、エキセンシャフト52Fが偏心回転するため、スライダ52Eを短軸方向に移動させることになる。そして、スライダ52Eを介してスライド要素52Aが短軸方向に移動され、延いてはシャフト52Dを介してスライドプレート31が、シャフト52D廻りに回転可能に、短軸方向に移動されるように構成されている。
【0037】
本実施の形態に係る第2短軸方向スライダ53は、第1短軸方向スライダ52に対して、配設位置が、図4においてスライドプレート31の下端部であって前記長軸方向スライダ51から比較的遠い位置に配設されている点で異なっていると共に、エキセンシャフト53Fに第2短軸方向駆動部63の出力回転軸63Aに所定の偏心量E3を持って連結されている点で異なっているが、その他については同様の構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0038】
このため、第2短軸方向駆動部63を駆動して出力回転軸63Aを所定方向に回転させると、エキセンシャフト53Fが偏心回転するため、スライダ53Eを短軸方向に移動させることになる。そして、スライダ53Eを介してスライド要素53Aが短軸方向に移動され、延いてはシャフト53Dを介してスライドプレート31が、シャフト53D廻りに回転可能に、短軸方向に移動されるように構成されている。
【0039】
すなわち、本実施の形態に係るトリミング装置1は、スライドプレート31延いてはパンチ20を、絞り成形品100の深さ方向に直交する平面内(例えば水平面内)において装置本体に対して移動可能に支持すると共に、3つの駆動部(例えば、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63)により、前記平面内でスライドプレート31延いてはパンチ20を移動させることで、絞り成形品100の上縁部をトリミングするように構成されている。
【0040】
なお、前記所定の偏心量E1、E2、E3は、絞り成形品100の仕様や他の要求に応じて、すべて同じ値、少なくとも一つが異なる値、或いはすべてが異なる値とすることができる。
また、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63は、例えば、サーボモータなどの電動モータとすることができる。また、油圧モータなどとすることも可能である。長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の駆動制御は、トリミング装置1に備えられている制御装置70により、それぞれ独立に実行される(図5参照)。
【0041】
このような構成のトリミング装置1を用いて、本実施の形態では、以下のSTEP(ステップとも称する)に従って、絞り成形品100に対してトリミング処理を行う。
なお、下記の各STEP(ステップ)における長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の各電動モータの回転角度位置(駆動状態:パンチ20の位置)を、図14のタイミングチャートに示す。図14の横軸の数字は、下記の各STEP(ステップ)の数(番号)に相当する。
【0042】
図14において、長軸方向駆動部61の回転角度位置はエキセンシャフト51Dの回転角度位置に相当し、回転角度90°(270°)の位置はパンチ20が絞り成形品100の長軸方向に沿った方向における中立位置に対応し、回転角度180°の位置はパンチ20が絞り成形品100の長軸方向に沿った方向における図6等の右端の位置に対応し、回転角度360°(0°)の位置はパンチ20が絞り成形品100の長軸方向に沿った方向における図6等の左端の位置に対応している。
【0043】
また、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の回転角度位置はエキセンシャフト52D、53Dの回転角度位置に相当し、回転角度90°(270°)の位置はパンチ20が絞り成形品100の短軸方向に沿った方向における中立位置に対応し、回転角度180°の位置はパンチ20が絞り成形品100の短軸方向に沿った方向における図6等の上端の位置に対応し、回転角度360°(0°)の位置はパンチ20が絞り成形品100の短軸方向に沿った方向における図6等の下端の位置に対応している。
【0044】
<STEP1(図6(A)、図10(A))>
まず、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63を初期状態として、初期位置(中立位置)(初期位置Aにおいて、パンチ20の外周と、絞り成形品100の内側壁と、の間に所定の隙間がある状態)にセットする。
【0045】
<STEP2(図6(B)、図10(B))>(右側短辺のトリム)
ステップ1の状態から、長軸方向駆動部61を駆動して、スライドプレート31延いてはパンチ20を、長軸方向の図6(B)、図10(B)において右側に向かって移動させて、パンチ20により、絞り成形品100の図において右側の短辺102A部分をトリムライン100Aに沿ってトリミング(切断)する(或いは切れ目を入れる)。但し、絞り成形品100の内側に挿入されたパンチ20を短辺102Aに対して略直角な方向から移動させてトリミングするため、図において当該短辺102Aに接続されている上側と下側の長辺103A,103Bの厚さ分についてはトリミングは行われていない。なお、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63は、ステップ1の状態を維持している(図14参照)。
【0046】
また、トリミング処理(パンチ20)の進行の際に、パンチ20の移動を利用して、ダイス10に設置したV突起金型11により、トリムライン100Aより上側でスクラップ100Cとなる絞り成形品100の短辺102Aの外周側の一部を垂直な溝状に凹ませ(トリム前に凹部を製作でも可)、他の側壁部(スクラップ100Cとなる部分)より引っ張り強度が弱くなる薄肉部(弱部)100Dを形成する。
このことにより、トリミング進行中に当該薄肉部を積極的に変形(破断)させ、スクラップ100Cとなる部分にトリミング中に生じる無理な変形を無くすことで、スクラップ100Cとなる部分がトリミング処理中に製品100B側へ影響を与えるおそれを抑制することができるため、トリミング処理中における絞り成形品100の変形を抑制することができる。
ここにおいて、前記V突起金型11が、本発明に係る弱部形成部の一例に相当する。弱部形成部としては、これに限定されるものではなく、他の側壁部(スクラップ100Cとなる部分)より引っ張り強度が弱くなる部分を形成するものであれば良く、構成、形状、厚さ、大きさなどは特に限定されるものではない。なお、パンチ20と、V突起金型11と、は、摩耗や損傷等を抑制するために直接接触させない構成とすることが望ましい。
【0047】
<STEP3(図6(C)、図10(C))>(上側長辺の右トリム)
ステップ3では、ステップ2のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、第2短軸方向駆動部63を駆動して、パンチ20の図中右側を、図において上側(絞り成形品100の図中上側の長辺103A側)に向かって移動させて、パンチ20により、絞り成形品100の右側の短辺102Aの上側の未切断の部分及び長辺103Aの右側部分をトリムライン100Aに沿ってトリミングする。なお、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62はステップ2の状態を維持している(図14参照)。
第2短軸方向駆動部63だけを動かすことで、パンチ20を、シャフト51D周りに回転させ、絞り成形品100の長辺103Aに対し傾斜させてトリミングしていくので、切断荷重を小さく抑えることができる。更に、事前にスクラップ100C側に強度が弱い薄肉部(弱部)100Dを作っているので、スクラップ100C側が変形(破断)し、トリミングの際のスクラップ100C側の変形による絞り成形品100(製品100B)側への影響が抑制され、絞り成形品100(製品100B)自体には変形無く以降のトリミング処理を進行することができる。
【0048】
<STEP4(図7(A)、図11(A))>(上側長辺の左トリム)
ステップ4では、ステップ3のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、第1短軸方向駆動部62を駆動して、パンチ20の図中左側を、図において上側(絞り成形品100の図中上側の長辺102A側)に向かって移動させて、パンチ20により、絞り成形品100の図において上側の長辺102Aの未切断部分(左側部分)をトリムライン100Aに沿ってトリミングする。なお、長軸方向駆動部61、第2短軸方向駆動部63はステップ3の状態を維持している(図14参照)。
第1短軸方向駆動部62だけを動かすことで、パンチ20を、シャフト53D周りに回転させ、絞り成形品100の長辺103Aに対し傾斜した状態から長軸方向(長辺103A)と平行な状態に戻しつつ、図において上側の長辺103Aの未切断部分(左側部分)をトリミングしていくので、切断荷重を小さく抑えることができる。
【0049】
<STEP5(図7(B)、図11(B))>(左側短辺の上側のトリム)
ステップ5では、ステップ4のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、パンチ20がステップ2の場合と反対側(図において左側)に向けて動くように、長軸方向駆動部61を駆動して、もう一方の短辺102B(図において左側の短辺)をトリムライン100Aに沿ってトリミング処理を行う。但し、絞り成形品100の内側に挿入されたパンチ20を前記短辺102Bに対して略直角な方向から移動させてトリミングするため、当該短辺102Bの図において下側の長辺103Bとの接続部付近は、下側の長辺103Bの厚さ分及び上側の長辺102Aの厚さ分だけトリミングは行われていない。
なお、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63はステップ4の状態を維持している(図14参照)。
【0050】
また、この時に、ステップ2と同様に、パンチ20の移動を利用して、トリムライン100Aより上側でスクラップ100Cとなる絞り成形品100の左側の短辺102Bの外周側の一部を垂直な溝状に凹ませ(トリム前に凹部を製作でも可)、他の側壁部(スクラップ100Cとなる部分)より引っ張り強度が弱くなる薄肉部(弱部)100Dを形成するように構成することもできる。
その場合には、当該ステップに続くトリミングの進行とともにスクラップ100Cの薄肉部が破断しスクラップ100Cを2分割することができる。よって、絞り成形品100(製品100B)変形をより一層抑制できることに加えて、スクラップ100Cが2分割できることでその取り扱いが容易となり、スクラップ処理に関しての作業(装置からの取り出し、搬出など)を容易かつ円滑なものとすることができ生産効率の向上に貢献可能である。
【0051】
<STEP6(図7(C)、図11(C))>(左側短辺の下側のトリム)
ステップ6では、ステップ5のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、第1短軸方向駆動部62及び第2短軸方向駆動部63を駆動して、パンチ20を、図において下側に向かって平行に移動させて、パンチ20を、上下方向における中立位置(長辺中立位置)へと移動させて、絞り成形品100の図において左側の短辺102Bの未切断部分をトリミングする。但し、絞り成形品100の内側に挿入されたパンチ20を短辺に対して略直角な方向から移動させてトリミングするため、図において当該短辺に接続されている下側の長辺103Bの厚さ分のトリミングは行われていない。なお、長軸方向駆動部61はステップ5の状態を維持している(図14参照)。
【0052】
<STEP7(図8(A)、図12(A))>(下側長辺の左トリム)
ステップ7では、ステップ6のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、第1短軸方向駆動部62を駆動して、パンチ20の図中左側を、図において下側(絞り成形品100の図中下側の長辺103B側)に向かって移動させて、パンチ20により、絞り成形品100の図において左側の短辺102Bの下側の未切断部分及び下側の長辺103Bの左側部分をトリムライン100Aに沿ってトリミングする。なお、長軸方向駆動部61、第2短軸方向駆動部63はステップ6の状態を維持している(図14参照)。
当該ステップも、ステップ4と同様に、第1短軸方向駆動部62だけを動かしてパンチ20を傾斜させてトリミングしていくので、切断荷重を小さく抑えることができる。
【0053】
<STEP8(図8(B)、図12(B))>(下側長辺の右トリム)
ステップ8では、ステップ7のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、第2短軸方向駆動部63を駆動して、スライドプレート31延いてはパンチ20の図中右側を、図において下側(絞り成形品100の図中下側の長辺103B側)に向かって移動させて、パンチ20により、絞り成形品100の図において下側の長辺103Bの未切断部分(右側部分)をトリムライン100Aに沿ってトリミングする。なお、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62はステップ7の状態を維持している(図14参照)。
当該ステップも、ステップ3と同様に、第2短軸方向駆動部63だけを動かしてパンチ20を傾斜した状態から長軸方向(長辺103B)と平行な状態に戻しつつ、トリミングしていくので、切断荷重を小さく抑えることができる。
【0054】
<STEP9(図8(C)、図12(C))>(右側短辺の下トリム)
ステップ9では、ステップ8のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、パンチ20を、図において右側に向けて動くように長軸方向駆動部61を駆動して、図において右側の短辺102Aの下側部分(ステップ2の未切断部分)をトリムライン100Aに沿ってトリミング処理を行う。なお、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63はステップ8の状態を維持している(図14参照)。
これにより、絞り成形品100の上縁部をトリムライン100Aに沿って1周トリミングする処理が完了し、絞り成形品100は、スクラップ100Cが切り離されて、製品100Bが生産される。
【0055】
<STEP10(図9(A)、図13(A))>
ステップ10では、ステップ9のトリミングが終了したパンチ20の位置或いは状態から、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63を駆動して、スライドプレート31延いてはパンチ20を、図において上側に向かって移動させて、パンチ20を、上下方向における中立位置(長辺中立位置)へと移動させる。なお、長軸方向駆動部61はステップ9の状態を維持している(図14参照)。
【0056】
<STEP11(図9(B)、図13(B))>
ステップ11では、ステップ10が終了したパンチ20の位置或いは状態から、長軸方向駆動部61を駆動して、パンチ20を、図において左側に向かって移動させて、パンチ20を、次回のトリミング処理のために、左右方向における中立位置(短辺中立位置)へと移動させて初期位置(中立位置)に戻して、今回のトリミング処理を終了する。なお、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63は、ステップ10の状態を維持している(図14参照)。
【0057】
このように、本実施の形態では、3つの駆動部(長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63)を備え、長軸方向駆動部61によって絞り成形品100の比較的切断荷重の小さい短辺102A側を先にパンチ20を用いてトリミングし、そのトリミング部が連続するように、パンチ20を第2短軸方向駆動部63により移動させて、パンチ20を傾斜させつつ、絞り成形品100の長辺103Aを同上短辺102A側から反対側の短辺102Bへ向けてトリミングを開始し、トリミングが所定に進んだタイミングで、パンチ20を第1短軸方向駆動部62により移動させることで、パンチ20を傾斜した状態から長軸方向(長辺103A)と平行な状態に戻しつつ、前記反対側の短辺102Bまでその長辺103Aのトリミングを進行させ、一方の長辺103Aのトリミングを完了する。
【0058】
その後、そのトリミング部が連続するように、パンチ20を長軸方向駆動部61によって絞り成形品100の前記反対側の短辺102Bをトリミングし、短辺102Bの未切断部分を、第1短軸方向駆動部62及び第2短軸方向駆動部63を同時に駆動して、パンチ20を長辺103B側に向けて平行に移動させてトリミングする。
そして、そのトリミング部が連続するように、パンチ20を第1短軸方向駆動部62により移動させて、パンチ20を傾斜させつつ、絞り成形品100の他方の長辺103Bを近くの短辺102B側から反対側の短辺102Aへ向けてトリミングを行い、トリミングが所定に進んだタイミングで、パンチ20を第2短軸方向駆動部63により移動させることで、パンチ20を傾斜した状態から長軸方向(長辺103B)と平行な状態に戻しつつ、前記反対側の短辺102Aまでその長辺103Bのトリミングを進行させ、他方の長辺103Bのトリミングを完了する。更に、そのトリミング部が連続するように、パンチ20を長軸方向駆動部61によって絞り成形品100の前記反対側の短辺の未切断部分(残り部分)をトリミングし、絞り成形品100の上縁部をトリムラインAに沿って1周にわたってトリミングすることで、スクラップ100Cが切り離されて製品100Bが生産され、一の絞り成形品100のトリミング処理を完了する。
【0059】
したがって、本実施の形態によれば、トリミングしているパンチ20を、トリミング部が連続するように、トリミング部から引き抜くことなく、3つの駆動部を介して移動させてトリミング処理を行うので、マッチングバリなどが生じ難い高品質なトリミング加工の実現に貢献可能である。
【0060】
また、本実施の形態によれば、絞り成形品100の比較的切断荷重の小さい短辺側を先にパンチ20を用いてトリミングするので、長辺側からトリミングする場合に比べて、短辺用駆動部(長軸方向駆動部61)の能力を小さくすることができ、装置の小型・軽量化、延いては低コスト化や設置レイアウトの自由度の向上などに貢献可能である。
なお、短辺側を先にパンチ20を用いてトリミングする場合には、長辺側からトリミングする場合に比べて、切断荷重を小さく抑えることができるため、絞り成形品100の変形を抑制することができ、延いては高品質な製品の生産に貢献可能である。
【0061】
また、本実施の形態によれば、第1短軸方向駆動部62或いは第2短軸方向駆動部63の一方を順番に動かすことで、パンチ20を絞り成形品100の長辺に対し傾斜させて、絞り成形品100の長辺をトリミングしていくので、切断荷重を小さく抑えることができる。よって、第1短軸方向駆動部62及び第2短軸方向駆動部63の能力を小さくすることができ、装置の小型・軽量化、延いては低コスト化や設置レイアウトの自由度の向上などに貢献可能である。
なお、パンチ20を絞り成形品100の長辺に対し傾斜させて、絞り成形品100の長辺をトリミングすることによって切断荷重を小さく抑えることで、絞り成形品100の変形を抑制することができ、延いては高品質な製品の生産に貢献可能である。
【0062】
また、本実施の形態に係るトリミング装置1は、プレスマシンのスライドとは独立したモータ等の駆動源によりパンチを動かす構成であり、例えば、所謂よろめきカムや特許文献1のような複雑なギヤ機構とリンク機構を利用した構成が高度で複雑なトリミング装置に比べて、構成の簡略化を図ることができると共に、高いレベルの熟練や経験などを必要とすることがない、といった効果を奏することができる。
【0063】
また、本実施の形態に係るトリミング装置1は、プレスマシンのスライドの動きから独立したモータ等を駆動源とするため、プレスマシンのスライドの動きに制限されることがないため、パンチのストローク量やトリミングのタイミングや動作を自由度高く設定することができ、ユーザーフレンドリーな装置の提供に貢献可能である。特に、所謂よろめきカムを利用したトリミング装置ではトリミングが難しい形状、すなわち、プレスマシンのスライドのストローク長さが長く必要な形状(例えば、横断面形状が縦横比の比較的大きい角形など)を有する絞り成形品や、異なる形状や仕様の多品種の絞り成形品に対するトリミング処理であっても、本実施の形態に係るトリミング装置1であれば容易に適用可能である。
【0064】
また、本実施の形態に係るトリミング装置1は、特許文献1の装置のような電動モータ等の回転運動をパンチの周方向の運動に変換するための複雑なギヤ機構とリンク機構を必要とせず、それぞれ相互独立した3つの駆動部(長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63)の駆動を制御する構成であるため、板の厚みや角形容器の形状を変更する場合でも容易かつ迅速に対応可能である。従って、時間を要する面倒な作業を不要とすることができ、以って生産ラインを停止する時間も短くて済むため生産能率の低下を招くといったおそれがない。
更に、本実施の形態に係るトリミング装置1は、引用文献1の装置のようなトリミング開始時に斜めに切り込ませるための複雑で高精度に造り込まれた傾斜形状のパンチを必要としないため、設備のランニングコスト延いては製造コストの低減に貢献可能である。
【0065】
また、本実施の形態によれば、例えば、特許文献2のような直交する二方向からトリミングする装置に対し、トリム工程が二工程に分かれることがなく、パンチの一連の動きでトリミングを行うことができるため(1パンチでトリムが完了するので)、マッチングバリの発生を抑制することができ、適正な抜きクリアランスを確保するだけでダレ・バリの発生を抑制することが可能である。
【0066】
また、本実施の形態では、比較的製造が容易な横断面形状が矩形(2つの長辺が平行で、それらに直交する短辺がそれぞれ平行な断面形状)のパンチを用いて、長辺に対して適切な傾斜角(シャー角)をもたせてトリミングすることができるので、パンチ形状そのものにシャー角を付ける場合(横断面形状が平行四辺形となるような製作が高度でコストがかかるパンチ)に比べて、パンチの製造コストを低く抑えることができる。
【0067】
すなわち、本発明によれば、比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングが可能な角形容器のトリミング装置及び方法を提供することができる。
【0068】
なお、スクラップ100Cとなる部分の短辺の縦方向に凹部(弱部)100Dを設けた場合の効果は、トリミング処理の際に、切断されたスクラップ100Cが破断或いは変形し易くなる。このため、トリミング処理中のスクラップ100Cの変形が製品100B側に影響を及ぼすおそれが抑制されるため、製品100Bの変形を抑制でき、高品質な製品の生産に貢献可能である。
また、凹部(弱部)100Dを一方の短辺だけでなく、もう一方の短辺にも設けた場合には、スクラップ100Cを2分割することができるため、スクラップのトリミング装置1外への排出が容易となる。また、スクラップを小さくまとめることができるため、輸送コストも低減することができる。
なお、長辺の少なくとも一方に、短辺と同様に、凹部(弱部)100Dを設ける構成とすることも可能であり、その場合には、スクラップを2以上、更には3以上に分割することも可能であり、スクラップの取り扱いの容易さの向上、製品100Bの変形の抑制により一層貢献することが可能となる。
また、短辺をトリミングする際のパンチ20の動きを利用して、凹部(弱部)100Dを形成するので、工程が増えることもなく、また、別途、凹部(弱部)100Dを形成するための駆動源躍動機構を必要としないため、構成の簡略化、低コスト化を維持しつつ、スクラップの取り扱いが容易で、製品の変形の少ないトリミング装置及び方法を提供することに貢献可能である。
【0069】
また、本実施の形態では、3つの駆動部でパンチを所定の平面内(本実施の形態では、水平面内)で移動させる構成としたので、所謂よろめきカムやギヤ機構やリンク機構を用いた機構のような複雑で高度な構成の駆動機構を要することなく、また、複雑で高精度に造り込まれたパンチ形状を必要とすることなく、簡単なパンチ形状であってもパンチに傾斜角(シャー角)を持たせることができる。このため、切断荷重を小さく抑えることができ、絞り成形製品の変形を抑制することに貢献可能であると共に、パンチカッターの製作コストの低減、また傾斜角(シャー角)も適宜に変更可能であるため、多品種の絞り成形製品に対応可能な装置の提供に貢献することができる。
【0070】
また、本実施の形態において、駆動部の駆動源としてサーボモータ等の位置制御可能なものを採用することができ、そのような場合には、装置の機械的な構造変更などを伴うことなく、絞り成形製品の形状や板厚などに応じて、任意のパンチストロークやストロークタイミングに精度良く設定変更することなどができるため、多品種の絞り成形品に対してトリミング処理が可能となるユーザーフレンドリーなトリミング装置の提供に貢献可能である。
【0071】
本実施の形態では、各エキセンシャフト51D、52D、53Dのストローク長さ(偏心量)の全てをトリミングの際に使用する場合(360°回転)を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動源としてサーボモータなどのような回転角度(回転位置)を自由かつ高精度に制御可能なものを採用することができ、そのような場合には、各エキセンシャフト51D、52D、53Dを1回転させずに途中で反転させることで、長軸方向、短軸方向へのパンチ20のストローク長さを製品の仕様に合わせて自由度高く設定することができる。
【0072】
また、図14のタイミングチャートはステップ毎にそれぞれ対応する3つの各軸方向駆動部が動作するように示しているが、先のステップが完了する前に次のステップが開始するように各軸の動作を任意にオーバーラップさせることもできる。
例えば、ステップ2においては、第2短軸方向駆動部63の回転角度が170°になったときに、第1短軸方向駆動部62がステップ3の動作を開始するように設定することもできる。この一方で、弱部形成部としてV突起金型11を備える場合、ステップ1完了時に確実に最弱部を形成し、かつパンチ20とV突起金型11とを直接接触させないことが望ましいため、ステップ1に対しステップ2はオーバーラップさせない設定とすることもできる。このようにオーバーラップさせるステップを指定し、先のステップに対する次のステップのオーバーラップ量(回転角度)を適宜設定することが可能である。オーバーラップさせることによって、パンチカッターは必ずしもステップ毎に停止することなく動作し、よりスムーズにトリミングを行い、サイクルタイムの短縮を図ることができる。
【0073】
なお、本実施の形態は、横断面形状が比較的縦横比の大きな角形の絞り成形品のトリミング処理を例に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、短辺と長辺の長さの差(比)が小さい場合や、各辺の長さが同じ場合でも、本発明は適用可能である。
【0074】
また、本実施の形態では、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63を、説明の都合上、図5に示したような配置を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、長軸方向駆動部61を図5の右側に配置したり、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の配置を左右入れ替えたり、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の上下を入れ替えた配置として良いものである。すなわち、本発明に係る長軸方向駆動部、第1短軸方向駆動部、第2短軸方向駆動部の配置は、本実施の形態に係る長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の配置例に限定されるものではない。
【0075】
ところで、本実施の形態では、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63の駆動源を例として電動モータを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の駆動源、例えば、リニアモータや、水圧、油圧、空気圧などの流体圧を用いたアクチュエータなどの直動機構を用いる構成とすることもできる。
このような直動機構を用いる場合は、パンチと駆動源は、例えばボールジョイントなどの回動自在な継手を介して連結される。
【0076】
また、本実施の形態では、パンチ20を、ダイス10に一体的なV突起金型11に接近させて他の側壁部(スクラップ100Cとなる部分)より引っ張り強度が弱くなる薄肉部(弱部)100Dを作る場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、薄肉部(弱部)100Dを形成しない場合にも本発明は適用可能であると共に、V突起金型11を駆動源により移動させて薄肉部(弱部)100Dを形成する構成とすることもできる。
【0077】
また、本実施の形態では、押し引き可能(進退可能)な3つの駆動部(例えば、長軸方向駆動部61、第1短軸方向駆動部62、第2短軸方向駆動部63)により、パンチ20を、絞り成形品100の底面101に平行な平面内(例えば水平面内)において移動させることで、絞り成形品100の上縁部をトリミングする構成例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図15に示すトリミング装置1’のように、パンチ20を固定的に支持するスライドプレート31を、絞り成形品100の深さ方向に直交する平面内(例えば水平面内)において移動可能に6つの駆動部で支持することもできる。ここで、6つの駆動部の先端部分はプレート31に対し離間可能に当接している。機械的な連結を有さないため駆動力は押し方向にのみ作用する。6つの駆動部は、長軸方向に沿って進退する2つの駆動部(符号161A、161B)が対面して配設されると共に、短軸方向に沿って進退する2つの駆動部(符号162A、162B)が対面して配設され、かつ、それらと並行に、短軸方向に沿って進退する2つの駆動部(符号163A、163B)が対面して配設される構成などとすることもできる。このような場合の駆動方向は、図15に示したように、対面配置される駆動部間において相互に逆向きとなるように配設され、一方の駆動部が押し動作(進動作)を行い、他方の駆動部が引き動作(退動作)を行うように構成されることができる。
【0078】
また、本実施の形態では、絞り成形品100の開口側を上にしてトリム加工を行う場合を例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絞り成形品100の底部(底面)側を上にしてトリム加工を行うことも可能である。
【0079】
また、本実施の形態では、絞り成形品100の絞り深さ方向を垂直方向に支持してトリミングする装置を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、絞り成形品100の絞り深さ方向を水平方向或いは水平方向対して斜めの方向に支持してトリミングする装置構成とすることもできる。この場合の駆動部の駆動源としては水圧、油圧、空気圧などの流体圧を用いたアクチュエータや、リニアモータ等を用いる構成とすることができる。
【0080】
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
1 トリミング装置
10 ダイス
11 V突起金型
20 パンチ
30 パンチホルダ
31 スライドプレート
51 長軸方向スライダ
52 第1短軸方向スライダ
53 第2短軸方向スライダ
51A、52A、53A スライド要素
51C、52C、53C スライダ
51D、52D、53D シャフト
51E、52E、53E スライダ
51F、52F、53F エキセンシャフト
61 長軸方向駆動部
62 第1短軸方向駆動部
63 第2短軸方向駆動部
70 制御装置
100 角形容器(絞り成形品)
100A トリムライン
100B 製品(絞り成形製品)
100C スクラップ
101 底面
102A 短辺(右側)
102B 短辺(左側)
103A 長辺(上側)
103B 長辺(下側)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器を、底面と平行な所定のトリムラインを含む平面に沿って切断する角形容器のトリミング装置であって、
トリミング装置本体に対して一体的に支持されると共に、角形容器の外周を収容し、前記トリムラインに沿って配設されるダイスと、
角形容器の内側の横断面形状と所定隙間を持って角形容器内に収容されるパンチであって、前記底面と平行な平面内にて移動可能にトリミング装置本体に支持されるパンチと、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部と、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部と、
前記第1短軸方向駆動部と長軸方向に沿って並んで配設され、前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部と、
を含んで構成したことを特徴とする角形容器のトリミング装置。
【請求項2】
前記長軸方向駆動部、第1短軸方向駆動部、第2短軸方向駆動部は、それぞれ相互独立に駆動されることを特徴とする請求項1に記載の角形容器のトリミング装置。
【請求項3】
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺に接続される角形容器の一の長辺の前記一の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を逆向きに駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の他の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部及び前記第2短軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを角形容器の他の長辺側に向けて平行に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記他の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の前記他の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角形容器のトリミング装置。
【請求項4】
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成する弱部形成部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の角形容器のトリミング装置。
【請求項5】
一端が開口され他端に底部を有し、底面に平行な横断面形状が角形である角形容器を、底面と平行な所定のトリムラインを含む平面に沿って切断する角形容器のトリミング装置であって、
トリミング装置本体に対して一体的に支持されると共に、角形容器の外周を収容し、前記トリムラインに沿って配設されるダイスと、
角形容器の内側の横断面形状と所定隙間を持って角形容器内に収容されるパンチであって、前記底面と平行な平面内にて移動可能にトリミング装置本体に支持されるパンチと、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における長軸方向に沿って移動させる長軸方向駆動部と、
前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第1短軸方向駆動部と、
前記第1短軸方向駆動部と長軸方向に沿って並んで配設され、前記パンチを、角形容器の横断面形状における短軸方向に沿って移動させる第2短軸方向駆動部と、
を含んで構成したトリミング装置における角形容器のトリミング方法であって、
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺に接続される角形容器の一の長辺の前記一の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記一の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記一の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を逆向きに駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の他の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部及び前記第2短軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを角形容器の他の長辺側に向けて平行に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記他の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺に近い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜させつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の前記他の短辺側を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記第1短軸方向駆動部と前記第2短軸方向駆動部のうちの前記他の短辺から遠い側の一方を駆動して前記パンチを短軸方向に移動させて前記パンチを傾斜した状態から長軸方向と平行な状態に戻しつつ、前記ダイスとの協働により、前記他の長辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングし、
そのトリミングが終了したパンチの状態から、前記長軸方向駆動部を駆動して前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、前記一の短辺の未切断部分を前記トリムラインに沿ってトリミングする
ことを特徴とする角形容器のトリミング方法。
【請求項6】
前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成することを特徴とする請求項5に記載の角形容器のトリミング方法。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の角形容器のトリミング装置により生産されたことを特徴 とする角形容器。
【請求項8】
請求項5又は請求項6に記載の角形容器のトリミング方法により生産されたことを特徴 とする角形容器。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、一端が開口され他端に底部を有する角形容器のトリミング技術に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングが可能な角形容器のトリミング装置、方、及び当該装置或いは方法により生産された 角形容器を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明に係る角形容器のトリミング方法において、前記長軸方向駆動部を駆動して、前記パンチを長軸方向に移動させて、前記ダイスとの協働により、角形容器の一の短辺を前記トリムラインに沿ってトリミングする際に、当該パンチの移動を利用して前記角形容器の一の短辺の前記トリムラインより上の開口側に他より厚さを薄くした弱部を形成することを特徴とすることができる。
また、本発明に係る角形容器は、上述した本発明に係る角形容器のトリミング装置また は方法により生産されたことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明によれば、比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングが可能な角形容器のトリミング装置、方、及び当該装置或いは方法により生産された角形容器を提供することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
すなわち、本発明によれば、比較的構成が簡単で、熟練や高度なカム機構などを必要とすることなく、マッチングバリの発生等を抑止しつつ高品質なトリミングが可能な角形容器のトリミング装置、方、及び当該装置或いは方法により生産された角形容器を提供することができる。