(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141526
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】積層成形品の製造方法および当該方法に使用される接着シート
(51)【国際特許分類】
C09J 7/20 20180101AFI20241003BHJP
B32B 3/30 20060101ALI20241003BHJP
B32B 7/06 20190101ALI20241003BHJP
B29C 63/02 20060101ALI20241003BHJP
C09J 7/32 20180101ALI20241003BHJP
【FI】
C09J7/20
B32B3/30
B32B7/06
B29C63/02
C09J7/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053235
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 丘雅
【テーマコード(参考)】
4F100
4F211
4J004
【Fターム(参考)】
4F100AK04A
4F100AK07A
4F100AK15A
4F100AK15C
4F100AK19A
4F100AK25A
4F100AK25B
4F100AK51A
4F100AT00A
4F100AT00C
4F100BA04
4F100BA07
4F100CA13C
4F100CB00B
4F100CB03B
4F100DD01D
4F100EC04C
4F100EJ30A
4F100EJ372
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4F100HB00C
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4F100JL14A
4F100JN24C
4F211AD09
4F211AD20
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4F211AH42
4F211SA07
4F211SC06
4F211SD01
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4F211SJ31
4F211SN14
4F211SW45
4J004AA05
4J004AA10
4J004AB03
4J004CB03
4J004CC02
4J004EA05
4J004FA01
(57)【要約】
【課題】基材を必要以上に用いることを抑制できる、積層成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】
積層成形品の製造方法は、延伸可能なフィルムに、前記フィルムよりも表面積が小さく設けられる基材を接着して形成される接着シートを、凹凸成形品の表面に積層する積層工程と、前記フィルムを前記基材から剥離する剥離工程と、を有する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延伸可能なフィルムに、前記フィルムよりも表面積が小さく設けられる基材を接着して形成される接着シートを、凹凸成形品の表面に積層する積層工程と、
前記フィルムを前記基材から分離する分離工程と、を有する、積層成形品の製造方法。
【請求項2】
延伸可能なフィルムと、
前記フィルムに接着されるとともに前記フィルムよりも表面積が小さく設けられる基材と、を有する接着シート。
【請求項3】
前記基材の前記フィルムが設けられる側の面全体に接着剤層が形成され、
前記フィルムは、前記接着剤層の一部が露出する開口部を有する、請求項2に記載の接着シート。
【請求項4】
前記フィルムの前記基材が設けられる側の面全体に接着剤層が形成される、請求項2に記載の接着シート。
【請求項5】
前記基材の前記フィルムが設けられる側と反対側の面全体に接着剤層が形成され、
前記フィルムは、前記基材の一部が露出する開口部を有し、
前記基材および前記フィルムは両面テープによって接着されている、請求項2に記載の接着シート。
【請求項6】
前記フィルムは、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、およびポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の材料から形成される、請求項2または3に記載の接着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層成形品の製造方法および当該方法に使用される接着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯のカバーのような凹凸成形品に対する表面加飾法は、成形品の付加価値を高め、高級感を付与する目的から近年注目されている。このような表面加飾法としては、成形品の表面が複雑な三次元形状のものが多いことから、成形品上に柄付けをした後、この柄層に保護・塗装する方法が挙げられる。しかしながら、このような方法は作業工程の工数と時間を要し、コストアップとなる。
【0003】
このため、作業工程が少なく、低コストで表面を加飾できる方法として、装飾フィルムを凹凸成形品に直接接着する方法が望まれている。このような方法として、例えば、特許文献1には、真空成形(TOM成形)により、装飾フィルムを凹凸成形品の表面に積層する積層工程を有する積層成形品の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の製造方法において、装飾フィルムを凹凸成形品の表面に積層した後に、凹凸成形品の外部にはみ出した余分な装飾フィルムを、切断手段を用いて切り取るトリミング処理が行われている。このため、比較的高価な装飾フィルム(基材に相当)が必要以上に用いられて、無駄となっている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、基材を必要以上に用いることを抑制できる、積層成形品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、上記の積層成形品の製造方法に好適に使用できる接着シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る積層成形品の製造方法は、延伸可能なフィルムに、前記フィルムよりも表面積が小さく設けられる基材を接着して形成される接着シートを、凹凸成形品の表面に積層する積層工程と、前記フィルムを前記基材から分離する分離工程と、を有する。
【0008】
また、上記別の目的を達成する本発明に係る接着シートは、以下の構成を有する。
【0009】
(2)
延伸可能なフィルムと、
前記フィルムに接着されるとともに前記フィルムよりも表面積が小さく設けられる基材と、を有する接着シート。
【0010】
(3)
前記基材の前記フィルムが設けられる側の面全体に接着剤層が形成され、
前記フィルムは、前記接着剤層の一部が露出する開口部を有する、(2)に記載の接着シート。
【0011】
(4)
前記フィルムの前記基材が設けられる側の面全体に接着剤層が形成される、(2)に記載の接着シート。
【0012】
(5)
前記基材の前記フィルムが設けられる側と反対側の面全体に接着剤層が形成され、
前記フィルムは、前記基材の一部が露出する開口部を有し、
前記基材および前記フィルムは両面テープによって接着されている、(2)に記載の接着シート。
【0013】
(6)
前記フィルムは、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、およびポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の材料から形成される、(2)~(5)のいずれか1つに記載の接着シート。
【発明の効果】
【0014】
上述した積層成形品の製造方法によれば、延伸可能なフィルム、およびフィルムよりも表面積が小さく設けられる基材を有する接着シートを、凹凸成形品の表面に積層した後、フィルムを基材から分離するため、基材を必要以上に用いることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る接着シートを示す平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る接着シートを示す断面図である。
【
図3A】本発明の第1実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図3B】本発明の第1実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図3C】本発明の第1実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図3D】本発明の第1実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図3E】本発明の第1実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図3F】本発明の第1実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の分離工程を説明する概略図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る接着シートを示す平面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る接着シートを示す断面図である。
【
図6A】本発明の第2実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図6B】本発明の第2実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図6C】本発明の第2実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図6D】本発明の第2実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図6E】本発明の第2実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図6F】本発明の第2実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の分離工程を説明する概略図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る接着シートを示す平面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る接着シートを示す断面図である。
【
図9A】本発明の第3実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図9B】本発明の第3実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図9C】本発明の第3実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図9D】本発明の第3実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図9E】本発明の第3実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の積層工程を説明する概略図である。
【
図9F】本発明の第3実施形態に係る接着シートを用いた積層成形品の製造方法の分離工程を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0017】
以下、
図1、
図2を参照して、第1実施形態に係る接着シート1を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る接着シート1を示す平面図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る接着シート1を示す断面図である。
【0018】
第1実施形態に係る接着シート1は、
図1、
図2に示すように、下から順に延伸可能なフィルム10と、接着剤層20と、基材30と、を有する。接着剤層20は、基材30のフィルム10が設けられる側の面全体に形成されている。また、フィルム10は、
図2に示すように、接着剤層20の一部が露出する開口部11を有する。以下、各構成について詳述する。
【0019】
<フィルム10>
フィルム10は、後述するように、接着シート1が凹凸成形品50に積層される際に、基材30とともに延伸する。
【0020】
フィルム10を構成する材料は、接着シート1が凹凸成形品50に積層される際に、基材30とともに延伸可能であるものであれば特に限定されないが、50~300%延伸できるものが好ましい。具体的には、フィルム10としては、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、無延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、無延伸ポリブチレンテレフタレート、無延伸ポリエチレンナフタレート等の無延伸ポリエステルなどが挙げられる。これらのうち、延伸性(立体形状追従性)、剥離性、コスト、生産性などを考慮すると、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。また、TOM成形のしやすさの観点から、フィルム10は無延伸フィルムであることが好ましい。ここで、上記材料は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、フィルム10は、単独で使用することもできるし、異なる種類のものを積層して使用することもできる。
【0021】
フィルム10の厚さは、特に制限されないが、延伸性(立体形状追従性)、剥離性、コスト、作業性などを考慮すると、5~500μmであることが好ましく、50~300μmであることがより好ましい。このような厚みであれば、積層工程(1)において、TOM成形を容易に行うことができ、また、当該成形によってもフィルム10は、凹凸成形品50への立体形状追従性を十分発揮できる。
【0022】
<接着剤層20>
接着剤層20は、接着剤(不図示)を含む層である。接着剤層20に含まれる接着剤の具体的な構成について特に制限はない。また、接着剤の選定の際には、TOM成形における被着体である凹凸成形品50の材質を考慮するとよく、接着剤または粘着剤のいずれも用いられうる。本発明において、接着剤は粘着剤(感圧性接着剤)を含むものとする。
【0023】
接着剤として、具体的には、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤、ビニルエーテル系接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。これらの接着剤は、溶剤型またはエマルジョン型のいずれであってもよい。これらのうち、アクリル系接着剤としては、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ジエチルブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上と、それら(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の官能性モノマーとの共重合物等が挙げられる。シリコーン系接着剤の具体例としては、ジメチルシロキサンガムとジメチルシロキサンレジンとの混合物および/または重合物により構成されるもの等が挙げられる。ゴム系接着剤の具体例としては、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ポリブテンゴム、ブチルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主成分とするもの等が挙げられる。ビニルエーテル系接着剤の具体例としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。ホットメルト型接着剤/粘着剤は、熱により一旦溶融し、冷却により元の固体に戻るタイプの接着剤であり、その具体例としては、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、ポリアミド系などの種々のものがあり、より具体的には、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体などのスチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0024】
あるいは、化学反応型接着剤を使用してもよい。ここで、化学反応型接着剤とは、構成成分が化学反応により高分子化して固化するタイプの接着剤のことであり、その具体例としては、外部から熱を与えることにより化学反応を開始する加熱硬化型接着剤、可視光、紫外線、電子線等の照射により化学反応を開始する光・電子線硬化型接着剤等が挙げられる。加熱硬化型接着剤の具体例としては、エポキシ系接着剤等が挙げられ、光・電子線硬化型接着剤の具体例としては、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0025】
接着剤層20の厚みは特に制限されないが、好ましくは5~100μmであり、より好ましくは15~50μmである。接着剤層20の厚みは、凹凸成形品50の表面(被着面)の凹凸の大きさにより適宜選択して設定される。
【0026】
接着剤層20は、従来公知のその他の添加剤をさらに含みうる。かような添加剤としては、例えば、粘着付与剤、充填剤、酸化防止剤などが挙げられる。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂などの天然樹脂、C5系、C9系、ジシクロペンタジエン系などの石油樹脂、クマロンインデン樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。充填剤としては、例えば、亜鉛華、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられる。なお、二酸化チタンもまた、充填剤として機能しうる。
【0027】
<基材30>
基材30は、
図1、
図2に示すように、フィルム10よりも表面積が小さく設けられる。基材30の大きさは、基材30が凹凸成形品50に積層された際に、凹凸成形品50の表面側全面を覆うことのできるサイズである。基材30は、フィルム10とともに延伸可能である。
【0028】
基材30としては、特に限定されないが、例えば凹凸成形品50を加飾することのできる加飾フィルムを挙げることができる。加飾フィルムは、審美性を向上させる目的で設けられるものであり、例えば、光輝性(メタリック感)を有するフィルムである。加飾フィルムの具体的な構成について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。一例として、加飾フィルムは、着色剤およびバインダを含有することが好ましい。
【0029】
着色剤としては、例えば、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性アゾ系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピリミジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾロン系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、インダンスロン系等の有機顔料;ニッケルジオキシンイエロー、銅アゾメチンイエロー等の金属錯体;酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩;カーボンブラックなどの着色顔料;光輝性顔料などが挙げられる。
【0030】
光輝性顔料としては、特に制限はなく従来公知の知見が適宜参照されうる。光輝性顔料は、例えば、アルミニウム材料、パール顔料、およびガラス材料からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。アルミニウム材料の具体例としては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、およびアルミニウムフレークが挙げられる。アルミニウム粉末は、溶剤成分を含まないメタリック顔料であり、アルミニウム粒子にアクリル系樹脂などの樹脂をコーティングしたタイプの材料も含まれる。また、アルミニウムペーストは、アルミニウムの鱗片状微細粒子を表面処理し、有機溶剤等でペースト状にした材料である。さらに、アルミニウムフレークの一例として、アルミニウム蒸着膜を顔料化したタイプの材料もある。また、パール顔料の一例としては、雲母を微粉末化して表面処理を施したホワイトパールが挙げられる。また、ガラス材料の一例としては、鱗片状ガラスフレーク、またはそのフレークをさらに金属や金属酸化物でコートした光輝性顔料タイプの材料が挙げられる。
【0031】
光輝性顔料の平均粒子径について特に制限はないが、好ましくは5~30μmであり、より好ましくは10~25μmである。アルミニウムペーストにおけるアルミニウム粒子のように鱗片状の形状を有する光輝性顔料の平均粒子径については、粒子の大きな面をなす側の平均粒子径を意味するものとし、粒度分布測定装置を用いた光散乱法によって測定した粒子径のD50値(累積重量50%粒子径)を「平均粒子径」として採用するものとする。
【0032】
光輝性顔料を含む光輝性フィルムは、バインダを含むことが好ましい。使用可能なバインダとしては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられ、透明樹脂であれば、さらに好ましい。これらのバインダは、アミノ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤と併せて使用することもできる。
【0033】
なお、基材30は、着色剤およびバインダを含有する加飾フィルムに限定されず、支持基材単体、支持基材表面に装飾層を有する形態、支持基材上に加飾フィルムが形成されてなる形態など、いずれの形態であってもよい。
【0034】
後者の場合、支持基材としては、樹脂フィルムが好ましい。ここで、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂などの樹脂からなるフィルム、発泡フィルム、またはそれらの積層フィルム等を使用することができる。樹脂フィルムは、市販のものを使用してもよいし、工程材料を用いてキャスト製膜法等で形成したものを使用してもよい。このうち、ポリ塩化ビニルからなるフィルムは、曲面追従性に優れる点から好ましい。また、後述する装飾層を印刷によって形成する場合には、ポリ塩化ビニルからなるフィルムは、インキの定着性に優れる点からも好ましい。また、支持基材が樹脂フィルムからなる場合には、支持基材は不透明であってもまたは透明であってもよい。また、必要に応じて、支持基材は、貫通孔を有していてもよい。なお、支持基材上に加飾フィルムが形成されてなる形態の場合には、加飾フィルムの意匠性が外部から視認されやすいことから、透明であることが好ましい。また、支持基材上に加飾フィルムが形成されてなる形態の場合には、支持基材が表面保護の役割を果たすことから、支持基材が加飾フィルムの(被着体に貼付した)表面側であることが好ましい。
【0035】
支持基材の厚みもまた、特に制限されないが、好ましくは1~500μm、より好ましくは25~200μm程度であるが、所望の用途に応じて適宜変更することができる。
【0036】
支持基材表面に形成される装飾層は、支持基材が不透明の場合には、支持基材の表面側に設けられるが、支持基材が透明の場合には、支持基材のいずれの面(表面、裏面)に設けられてもまたは両面に設けられてもよい。
【0037】
装飾層は、特に制限されず、一色であってもあるいは二色以上の色分け模様を表示するものであってもよい。また、模様は、所定の柄であってもよいし、写真であってもよいし、文字であってもよい。装飾層の形成方法は特に制限されず、例えば、印刷、印字、塗料の塗布、転写シートからの転写、蒸着、スパッタリング等の方法によって装飾層を形成することができる。支持基材には、装飾層を形成するための易接着コート、あるいはグロス調整用コート等のアンダーコート層が形成されていてもよいし、ハードコート、汚染防止コート、表面粗さおよび鏡面光沢度調整用コート等のトップコート層が形成されていてもよい。また、それら装飾層、アンダーコート層またはトップコート層は、支持基材の全面に形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよい。
【0038】
<成形装置100>
次に、
図3Aを参照して、TOM成形の成形装置100の構成について説明する。ここで、TOM成形とは、真空圧空成形を意味する。
【0039】
「真空成形」とは、接着シート1を加熱などにより軟化させ、凹凸成形品50に配置して、接着シート1および凹凸成形品50の間の空間を真空にすることによって、接着シート1を凹凸成形品50に吸着して成形する方法を指す。真空成形の例としては、特に限定されないが、ストレート法、ドレープ法、プラグアシスト法、エアースリップ法、スナップバック法、リバースドロー法、プラグアシスト・リバースドロー法、エアークッション法等が挙げられる。
【0040】
「圧空成形」とは、接着シート1を加熱などにより軟化させ、凹凸成形品50に配置して、接着シート1側から凹凸成形品方向にガスを流して接着シート1より上方(接着シート1と凹凸成形品50がない側との間)の空間を加圧して、接着シート1を凹凸成形品50に圧着して成形する方法を指す。なお、真空成形および圧空成形を組み合わせて成形してもよい。
【0041】
このように、TOM成形は、目的とする凹凸成形品50の表面上に、接着シート1を加熱軟化しつつ展張し、接着シート1の張り合わせる側の空間を減圧する(真空成形)および反対側の空間を加圧する(圧空成形)ことにより、接着シート1を凹凸成形品50の表面の三次元立体形状に沿って成形しつつ貼着・積層することが可能である。
【0042】
成形装置100は、
図3Aに示すように、下型101と、下型101に対して接近離間可能に配置された上型102と、下型101の内部に設けられるテーブル103と、上型102の内部に設けられる加熱手段104と、上型102の内部に設けられる加圧手段105と、真空手段106と、を有する。
【0043】
テーブル103には凹凸成形品50が配置される。テーブル103は、下型101内を上下方向に沿って移動自在に配置されている。
【0044】
加熱手段104は、接着シート1を加熱することによって軟化させ、接着シート1を凹凸成形品50の形状に追従させやすくする。
【0045】
加圧手段105は、加熱手段104の下方に配置されている。加圧手段105は、上型102の内部における圧力を、下型101の内部における圧力よりも大きくして、接着シート1を凹凸成形品50に貼り付ける。
【0046】
真空手段106は、成形装置100の内部を真空にする。真空手段106は、下型101の内部を真空にする真空手段106と、上型102の内部を真空にする真空手段106と、を有する。
【0047】
<積層成形品の製造方法>
次に、
図3A~
図3Fを参照して、第1実施形態に係る接着シート1を用いた場合の積層成形品の製造方法について説明する。
図3A~
図3Eは、積層成形品の製造方法の積層工程の説明に供する図であって、
図3Fは、積層成形品の製造方法の分離工程の説明に供する図である。なお、
図3A~
図3Fでは、接着剤層20は省略されている。
【0048】
本発明の第1実施形態に係る接着シート1を用いた積層成形品の製造方法は、接着シート1を凹凸成形品50に積層する積層工程と、フィルム10を基材30から分離する分離工程と、を有する。
【0049】
本実施形態に係る方法によると、目的とする凹凸成形品50の立体形状に追従させて凹凸成形品50の表面全体に接着シート1を密着させることができる。また、本発明の方法は目的とする凹凸成形品50の立体形状追従性に優れるため、接着シート1に局所的な延性を生じさせることなく、微細な構造に対しても接着シート1を凹凸成形品50の形状に密に対応して積層(貼着)することが可能である。また、本発明に係るTOM成形は、減圧または加圧下でかつ短時間に積層(貼着)工程が行われるため、積層(貼着)時の気泡の混入を抑制・防止できる。
【0050】
概説すると、積層工程では、接着シート1を、TOM成形により、接着剤層20が凹凸成形品50側に配置されるように、凹凸成形品50の表面に積層する。
【0051】
積層工程では、まず、
図3Aに示すように、成形装置100の下型101および上型102の間に接着シート1を配置するとともに、テーブル103上に凹凸成形品50を配置する。このとき、接着シート1は、
図3Aに示すように、上から順に、基材30、接着剤層20、フィルム10となるように配置される。また、接着剤層20の下面は、フィルム10に形成された開口部11を介して露出されるように配置される(
図2参照)。
【0052】
次に、
図3Bに示すように、下型101および上型102を互いに接近させて、下型101および上型102によって接着シート1を挟み込む。
【0053】
次に、
図3Cに示すように、テーブル103を上方に移動させるとともに、真空手段106によって、成形装置100の内部を真空にする。そして、加熱手段104によって、接着シート1を加熱し、軟化させると共に、加圧手段105によって、上型102内に空気または不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等)を導入して、上型102内の空間を加圧状態にして、上型102内の空間と下型101内の空間との間に圧力差を生じさせる。ここで、加熱条件は、TOM成形時に凹凸成形品50の形状に十分追従できる程度にまで接着シート1を軟化できる条件であれば特に制限されず、フィルム10、接着剤層20、基材30などの材料によって適宜選択される。具体的には、加熱温度は、50~200℃であることが好ましく、70~150℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、0.1~10分であることが好ましく、1~5分であることがより好ましい。
【0054】
この結果、
図3Dに示すように、上型102内の空間と下型101内の空間との間に生じた圧力差によって、接着シート1は凹凸成形品50の形状に沿って積層(貼着)される。
【0055】
次に、
図3Eに示すように、上型102内への空気または不活性ガスの導入を停止するとともに、上型102を下型101から離間させる。
【0056】
そして、
図3Fに示すように、フィルム10を基材30から分離する。具体的には、接着シート1が積層された凹凸成形品50を、成形装置100から取り出した後、凹凸成形品50の外部にはみ出した余分な基材30をサーモカッター、カッター等の適当な切断手段を用いて切り取り、凹凸成形品50上に基材30が接着された積層成形品を得る。
【0057】
以上説明したように、第1実施形態に係る積層成形品の製造方法は、延伸可能なフィルム10に、フィルム10よりも表面積が小さく設けられる基材30を接着して形成される接着シート1を、凹凸成形品50の表面に積層する積層工程と、フィルム10を基材30から分離する分離工程と、を有する。この製造方法によれば、延伸可能なフィルム10、およびフィルム10よりも表面積が小さく設けられる基材30を有する接着シート1を、TOM成形により、凹凸成形品50の表面に積層した後、フィルム10を基材30から分離するため、基材30を必要以上に用いることを抑制できる。
【0058】
また、以上説明したように、本実施形態に係る接着シート1は、延伸可能なフィルム10と、フィルム10に接着されるとともにフィルム10よりも表面積が小さく設けられる基材30と、を有する。このように構成された接着シート1によれば、基材30を必要以上に用いることを抑制できる。
【0059】
また、基材30のフィルム10が設けられる側の面全体に接着剤層20が形成され、フィルム10は、接着剤層20の一部が露出する開口部11を有する。このように構成された接着シート1によれば、接着剤層20が基材30の面全体に設けられるため、後述する第2実施形態に係る接着シート2に比べて、使用する接着剤の量を低減することができる。
【0060】
<第2実施形態>
次に、
図4、
図5を参照して、第2実施形態に係る接着シート2の構成について説明する。
【0061】
図4は、第2実施形態に係る接着シート2を示す平面図である。
図5は、第2実施形態に係る接着シート2を示す断面図である。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第2実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0062】
第2実施形態に係る接着シート2は、
図4、
図5に示すように、下から順に基材130と、接着剤層120と、延伸可能なフィルム110と、を有する。
【0063】
基材130は、フィルム110よりも表面積が小さくなるように構成されている。接着剤層120は、
図5に示すように、フィルム110の基材130側の面全体に設けられる。
【0064】
フィルム110、接着剤層120、および基材130を構成する材料や厚み等は、上述した第1実施形態に係る接着シート1と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
<積層成形品の製造方法>
次に、
図6A~
図6Fを参照して、第2実施形態に係る接着シート2を用いた場合の積層成形品の製造方法について説明する。
図6A~
図6Eは、積層成形品の製造方法の積層工程の説明に供する図であって、
図6Fは、積層成形品の製造方法の分離工程の説明に供する図である。なお、
図6A~
図6Fでは、接着剤層120は省略されている。
【0066】
本発明の第2実施形態に係る接着シート2を用いた積層成形品の製造方法は、接着シート2を凹凸成形品50に積層する積層工程と、フィルム110を基材130から分離する分離工程と、を有する。
【0067】
積層工程では、まず、
図6Aに示すように、成形装置100の下型101および上型102の間に接着シート2を配置するとともに、テーブル103上に凹凸成形品50を配置する。このとき、接着シート2は、
図6Aに示すように、上から順に、フィルム110、接着剤層120、基材130となるように配置される。また、基材130は、接着剤層120によってフィルム110に接着されている。接着剤層120の下面の基材130が設けられない個所は露出している。また、基材130の下側には、凹凸成形品50に接着するための接着剤層(不図示)が形成されている。基材130は、この接着剤層を介して、凹凸成形品50に接着される。
【0068】
次に、
図6Bに示すように、下型101および上型102を互いに接近させて、下型101および上型102によって接着シート2を挟み込む。
【0069】
次に、
図6Cに示すように、テーブル103を上方に移動させるとともに、加熱手段104によって、接着シート2を加熱し、軟化させると共に、加圧手段105によって、上型102内に空気または不活性ガスを導入して、上型102内の空間を加圧状態にして、上型102内の空間と下型101内の空間との間に圧力差を生じさせる。
【0070】
この結果、
図6Dに示すように、上型102内の空間と下型101内の空間との間に生じた圧力差によって、接着シート2は凹凸成形品50の形状に沿って積層(貼着)される。
【0071】
次に、
図6Eに示すように、上型102内への空気または不活性ガスの導入を停止するとともに、上型102を下型101から離間させる。
【0072】
そして、
図6Fに示すように、フィルム110を基材130から分離する。具体的には、フィルム110を基材130から剥がしとって、凹凸成形品50上に基材130が接着された積層成形品を得る。
【0073】
以上説明したように、第2実施形態に係る接着シート2は、フィルム110の基材130が設けられる側の面全体に接着剤層120が形成される。このように構成された接着シート2によれば、上述したように、フィルム110を基材130から剥がしとって、積層成形品を得ることができるため、第1実施形態に係る接着シート1において説明した切断手段が不要となり、容易に積層成形品を得ることができる。
【0074】
<第3実施形態>
次に、
図7、
図8を参照して、第3実施形態に係る接着シート3の構成について説明する。
【0075】
図7は、第3実施形態に係る接着シート3を示す平面図である。
図8は、第3実施形態に係る接着シート3を示す断面図である。第1実施形態と共通する部分は説明を省略し、第3実施形態のみに特徴のある箇所について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
【0076】
第3実施形態に係る接着シート3は、
図7、
図8に示すように、下から順に接着剤層220と、基材230と、両面テープ240と、フィルム210と、を有する。
【0077】
フィルム210は、
図7に示すように、基材230の一部が露出する開口部211を有する。基材230は、フィルム210よりも表面積が小さくなるように構成されている。接着剤層220は、
図8に示すように、基材230のフィルム210が設けられる側と反対側の面全体に設けられる。
【0078】
両面テープ240は、開口部211の外方に設けられる。両面テープ240は、フィルム210および基材230の間に矩形状に設けられ、フィルム210および基材230を接着する。
【0079】
フィルム210、接着剤層220、および基材230を構成する材料や厚み等は、上述した第1実施形態に係る接着シート1と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
<積層成形品の製造方法>
次に、
図9A~
図9Fを参照して、第3実施形態に係る接着シート3を用いた場合の積層成形品の製造方法について説明する。
図9A~
図9Eは、積層成形品の製造方法の積層工程の説明に供する図であって、
図9Fは、積層成形品の製造方法の分離工程の説明に供する図である。なお、
図9A~
図9Fでは、接着剤層220および両面テープ240は省略されている。
【0081】
本発明の第3実施形態に係る接着シート3を用いた積層成形品の製造方法は、接着シート3を凹凸成形品50に積層する積層工程と、フィルム210を基材230から分離する分離工程と、を有する。
【0082】
積層工程では、まず、
図9Aに示すように、成形装置100の下型101および上型102の間に接着シート3を配置するとともに、テーブル103上に凹凸成形品50を配置する。このとき、接着シート3は、
図9Aに示すように、上から順に、フィルム210、両面テープ240、基材230、接着剤層220となるように配置される。すなわち、最下層に位置する接着剤層220が凹凸成形品50に貼り付けられる。
【0083】
次に、
図9Bに示すように、下型101および上型102を互いに接近させて、下型101および上型102によって接着シート3を挟み込む。
【0084】
次に、
図9Cに示すように、テーブル103を上方に移動させるとともに、加熱手段104によって、接着シート3を加熱し、軟化させると共に、加圧手段105によって、上型102内に空気または不活性ガスを導入して、上型102内の空間を加圧状態にして、上型102内の空間と下型101内の空間との間に圧力差を生じさせる。
【0085】
この結果、
図9Dに示すように、上型102内の空間と下型101内の空間との間に生じた圧力差によって、接着シート3は凹凸成形品50の形状に沿って積層(貼着)される。
【0086】
次に、
図9Eに示すように、上型102内への空気または不活性ガスの導入を停止するとともに、上型102を下型101から離間させる。
【0087】
そして、
図9Fに示すように、フィルム210を基材230から分離する。具体的には、フィルム210を基材230から剥がしとって、凹凸成形品50上に基材230が接着された積層成形品を得る。
【0088】
以上説明したように、第3実施形態に係る接着シート3は、基材230のフィルム210が設けられる側と反対側の面全体に接着剤層220が形成され、フィルム210は、基材230の一部が露出する開口部211を有し、基材230およびフィルム210は両面テープ240によって接着されている。このように構成された接着シート3によれば、上述したように、フィルム210を基材230から剥がしとって、積層成形品を得ることができるため、第1実施形態に係る接着シート1において説明した切断手段が不要となり、容易に積層成形品を得ることができる。
【0089】
以上のよう実施形態を通じて本発明について説明したが、本発明に係る積層成形品の製造方法は、説明した方法のみに限定されることはなく、特許請求の範囲に基づいて種々改変することができる。
【符号の説明】
【0090】
1、2、3 接着シート、
10、110、210 フィルム、
11、211 開口部、
20、120、220 接着剤層、
30、130、230 基材、
240 両面テープ。