(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141551
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】学習支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053274
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 修一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】学習者の特性に沿った効果的な学習を行うことを可能とした学習支援システムを提供する。
【解決手段】サーバ装置と、複数の学習者用の端末装置とが、ネットワークを介して相互に通信可能に接続される学習支援システムにおいて、サーバ装置100は、端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部(個人レスポンスDB)1323に保存するレスポンス受付部1333と、第1の記憶部1323に基づいて学習者の特性を決定する第1の決定部(個人特性決定部)1334と、学習者のグループ学習中に、学習者の特性に基づくデータを端末装置に送信する第1の送信部(グループ介入送信部)1338と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する受付部と、
前記第1の記憶部に基づいて前記学習者の特性を決定する第1の決定部と、
前記学習者のグループ学習中に、前記学習者の特性に基づくデータを前記端末装置に送信する第1の送信部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、前記第1の記憶部に保存する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習者の個人学習中に、前記学習者の特性に基づくデータを前記端末装置に送信する第2の送信部をさらに備える、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、グループ学習に参加している複数の端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第2の記憶部に保存し、
前記第2の記憶部に基づいてグループの特性を決定する第2の決定部をさらに備える、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の送信部は、前記グループの特性に基づくデータを前記複数の端末装置の少なくとも1つに送信する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
グループ学習中のデータを収集し、介入を行うか否かを判定する第1の判定部をさらに備え、
前記第1の判定部が介入を行うと判定すると、前記第1の送信部は、前記データを送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存することと、
前記第1の記憶部に基づいて前記学習者の特性を決定することと、
前記学習者のグループ学習中に、前記学習者の特性に基づくデータを前記端末装置に送信することと
を含む方法。
【請求項8】
1又は複数のコンピュータに、
端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する処理と、
前記第1の記憶部に基づいて前記学習者の特性を決定する処理と、
前記学習者のグループ学習中に、前記学習者の特性に基づくデータを前記端末装置に送信する処理と
を実行させるプログラム。
【請求項9】
端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する受付部と、
前記第1の記憶部に基づいて前記学習者の特性を決定する第1の決定部と、
前記学習者の個人学習中に、前記学習者の特定に基づくデータを前記端末装置に送信する第2の送信部と
を備える情報処理装置。
【請求項10】
端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンス及び個人学習に関する前記学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する受付部と、
前記第1の記憶部に基づいて前記学習者の特性を決定する第1の決定部と、
前記学習者の特性に基づいて学習に関する情報を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項11】
サーバ装置と通信可能に接続される端末装置であって、
個人学習に関する学習者のレスポンスを収集して、前記サーバ装置に送信する収集部と、
前記学習者のグループ学習中に前記サーバ装置からデータを受信して、前記データに基づいて前記学習者に介入する介入部と、
を備え、
前記サーバ装置は、前記レスポンスに基づいて前記学習者の特性を決定し、当該学習者の特性に基づいて前記データを特定して送信する、
端末装置。
【請求項12】
サーバ装置と通信可能に接続される端末装置において、
個人学習に関する学習者のレスポンスを収集して、前記サーバ装置に送信することと、
前記学習者のグループ学習中に前記サーバ装置からデータを受信して、前記データに基づいて前記学習者に介入することと、
を含み、
前記サーバ装置は、前記レスポンスに基づいて前記学習者の特性を決定し、当該学習者の特性に基づいて前記データを特定して送信する、方法。
【請求項13】
サーバ装置と通信可能に接続されるコンピュータに、
個人学習に関する学習者のレスポンスを収集して、前記サーバ装置に送信する処理と、
前記学習者のグループ学習中に前記サーバ装置からデータを受信して、前記データに基づいて前記学習者に介入する処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記サーバ装置は、前記レスポンスに基づいて前記学習者の特性を決定し、当該学習者の特性に基づいて前記データを特定して送信する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
グループ学習とは、複数の学習者が意見を交換しながら解を導き出す学習の態様であり、学習者が個人で解を導き出す個人学習とは異なる学習効果が期待される。近年のネットワーク技術の進歩とその普及により、ネットワーク上でのグループ学習も可能となっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、少人数のグループ討議に際して、一つの命題を与えて、グループ毎に複数の結論を導き、発表時にグループ毎の資料を参加者全員で閲覧が可能なグループ討議システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術では、学習者の特性を踏まえてグループ学習等の学習を促進させるものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、学習者の特性に沿った効果的な学習を行うことを可能とした学習支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する受付部と、第1の記憶部に基づいて学習者の特性を決定する第1の決定部と、学習者のグループ学習中に、学習者の特性に基づくデータを端末装置に送信する第1の送信部とを備える。
【0008】
この態様によれば、情報処理装置は、個人学習に関するレスポンスに基づいて学習者の特性を決定し、決定した学習者の特性に基づくデータを学習者のグループ学習中に送信することで、学習者の特性に沿った効果的な学習をグループ学習時に行うことができる。
【0009】
上記情報処理装置において、受付部は、端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存してもよい。この態様によれば、個人学習に関する学習者のレスポンスとグループ学習に関する学習者のレスポンスとが第1の記憶部に保存され、情報処理装置は、学習者の特性を多様な面から決定することができる。
【0010】
上記情報処理装置は、学習者の個人学習中に、学習者の特性に基づくデータを端末装置に送信する第2の送信部をさらに備えてもよい。この態様によれば、個人学習に関するレスポンスだけでなく、グループ学習に関するレスポンスを考慮して決定した学習者の特性に基づいて特定されたデータが個人学習中に送信され、情報処理装置は、より効果的な学習を個人学習時に行うことができる。
【0011】
上記情報処理装置において、受付部は、グループ学習に参加している複数の端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第2の記憶部に保存し、第2の記憶部に基づいてグループの特性を決定する第2の決定部をさらに備えてもよい。この態様によれば、情報処理装置は、グループの特性を決定することで、グループの特性を用いた処理を行うことができる。
【0012】
上記情報処理装置において、第1の送信部は、グループの特性に基づくデータを複数の端末装置の少なくとも1つに送信してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、より効果的な学習をグループ学習時に行うことができる。
【0013】
上記情報処理装置は、グループ学習中のデータを収集し、介入を行うか否かを判定する第1の判定部をさらに備え、第1の判定部が介入を行うと判定すると、第1の送信部は、データを送信してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、グループ学習中の状況を様々なデータから判断し、判断した状況に即した効果的な介入をグループ学習時に行うことができる。
【0014】
本開示の他の態様に係る方法は、端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存することと、第1の記憶部に基づいて学習者の特性を決定することと、学習者のグループ学習中に、学習者の特性に基づくデータを端末装置に送信することとを含む。
【0015】
本開示の他の態様に係るプログラムは、1又は複数のコンピュータに、端末装置から、個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する処理と、第1の記憶部に基づいて学習者の特性を決定する処理と、学習者のグループ学習中に、学習者の特性に基づくデータを端末装置に送信する処理とを実行させる。
【0016】
本開示の他の態様に係る情報処理装置は、端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する受付部と、第1の記憶部に基づいて学習者の特性を決定する第1の決定部と、学習者の個人学習中に、学習者の特定に基づくデータを端末装置に送信する第2の送信部とを備える。この態様によれば、情報処理装置は、グループ学習に関するレスポンスに基づいて学習者の特性を決定し、決定した学習者の特性に基づくデータを学習者の個人学習中に送信することで、学習者の特性に沿った効果的な学習を個人学習時に行うことができる。
【0017】
本開示の他の態様に係る情報処理装置は、端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンス及び個人学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、第1の記憶部に保存する受付部と、第1の記憶部に基づいて学習者の特性を決定する第1の決定部と、学習者の特性に基づいて学習に関する情報を出力する出力部とを備える。この態様によれば、情報処理装置は、グループ学習に関するレスポンスと個人学習に関するレスポンスとに基づいて特性を多様な面から特性を決定し、決定した特性を学習に活用していくことができる。
【0018】
本開示の他の態様に係る、サーバ装置と通信可能に接続される端末装置は、個人学習に関する学習者のレスポンスを収集して、サーバ装置に送信する収集部と、学習者のグループ学習中にサーバ装置からデータを受信して、データに基づいて学習者に介入する介入部と、を備え、サーバ装置は、レスポンスに基づいて学習者の特性を決定し、当該学習者の特性に基づいてデータを特定して送信する。
【0019】
この態様によれば、端末装置は、個人学習に関するレスポンスに基づいて決定された学習者の特性に基づくデータを受信して、学習者の特性に沿った効果的な介入をグループ学習時に行うことができる。
【0020】
本開示の他の態様に係る方法は、サーバ装置と通信可能に接続される端末装置において、個人学習に関する学習者のレスポンスを収集して、サーバ装置に送信することと、学習者のグループ学習中にサーバ装置からデータを受信して、データに基づいて学習者に介入することと、を含み、サーバ装置は、レスポンスに基づいて学習者の特性を決定し、当該学習者の特性に基づいてデータを特定して送信する。
【0021】
本開示の他の態様に係るプログラムは、サーバ装置と通信可能に接続されるコンピュータに、個人学習に関する学習者のレスポンスを収集して、サーバ装置に送信する処理と、学習者のグループ学習中にサーバ装置からデータを受信して、データに基づいて学習者に介入する処理と、を実行させ、サーバ装置は、レスポンスに基づいて学習者の特性を決定し、当該学習者の特性に基づいてデータを特定して送信する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、学習者の特性に沿った効果的な学習を行うことを可能とした学習支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る学習支援システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るサーバ装置を機能的な観点から示す概略構成図である。
【
図5】サーバ記憶部に記憶される学習者DBの一例を示す図である。
【
図6】サーバ記憶部に記憶されるレスポンスDBの一例を示す図である。
【
図7】サーバ記憶部に記憶されるグループDBの一例を示す図である。
【
図8】サーバ記憶部に記憶される個人介入条件DBの一例を示す図である。
【
図9】サーバ記憶部に記憶されるグループ介入条件DBの一例を示す図である。
【
図10】サーバ記憶部に記憶される介入データDBの一例を示す図である。
【
図11】サーバ記憶部に記憶されるグループレスポンスDBの一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る端末装置を機能的な観点から示す概略構成図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る個人学習に関する学習支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係るグループ学習に関する学習支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態に係る個人学習に関するサーバ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0025】
<学習支援システム1の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る学習支援システム1の概略構成図(システム構成図)である。同図に示すように、サーバ装置100と、複数の学習者用の端末装置200とが、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続されることにより、学習支援システム1が構成される。
【0026】
サーバ装置100は、ネットワークNに接続されたサーバ用コンピュータであり、そのサーバ用コンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するように構成されている。本実施形態において、サーバ装置100は、各学習者が個人で学習を行うための学習コンテンツを各端末装置200に配信することができる。さらに、サーバ装置100は、複数の学習者がグループで学習を行うために、グループ内の端末装置200間で情報を送受信することができる。
【0027】
端末装置200は、ネットワークNに接続され、サーバ装置100にアクセス可能なコンピュータであり、そのコンピュータにおいて所定の学習者端末用プログラムが動作することにより、その機能を実現するように構成されている。端末装置200は、サーバ装置100からネットワークNを介して学習コンテンツを受信し、端末用プログラムを動作させることによりそのコンテンツを再生することができる。また、端末装置200は、上述したように、サーバ装置100を介してグループ学習に参加することができる。
【0028】
グループ学習とは、複数の学習者が意見を交換しながら解を導き出す学習の態様であり、サーバ装置100で形成されるコミュニティ空間や掲示板等、任意の形態で実現することができる。グループ学習は、同時刻に学習者が集合する同期型としてもよいし、同時刻に学習者が集合しない非同期型としてもよい。
【0029】
個人学習とは、一人の学習者が個人で解を導き出す学習の態様であり、講義形式の学習コンテンツの視聴や演習形式の学習コンテンツの実施等、任意の形態で実現することができる。
【0030】
本実施形態では、サーバ装置100は、個人学習中の学習者のレスポンスに基づいて、学習者の特性を決定することができる。また、サーバ装置100は、決定した学習者の特性に基づいて、グループ学習中の介入に用いるデータを特定することができる。
【0031】
ここで、個人学習中とは、学習コンテンツの視聴中だけでなく、学習支援システム1を利用している時間のうち、グループ学習中の時間を除いた時間を指すものとする。レスポンスとは、学習支援システム1からの働きかけに対する学習者の応答に関する情報が含まれ、例えば、レスポンスの有無やレスポンスの内容等が含まれる。働きかけには、学習支援システム1上で学習者の何らかの操作を要求する広義の働きかけが含まれる。例えば、一般的なアプリケーションの設定を要求することや、問題の解答を要求すること等も働きかけに含まれる。
【0032】
本実施形態の一例として、端末装置200は、貸与や購入によりユーザにより所有され、ユーザが個人学習及びグループ学習を行うために使用すること等が想定されている。ユーザは、本実施形態においては学生であるが、これに限られるものではなく、任意のユーザであってよい。本実施形態では、学生である学習者が端末装置200を用いて、個人学習及びグループ学習を行う。
【0033】
本実施形態において、端末装置200は、好適にはタブレットコンピュータ(以下「タブレット端末」ともいう。)が想定される。そこで、以下においては、理解を容易にするべく、端末装置200がタブレット端末である実施形態を例にとって説明する。
【0034】
しかしながら、本発明において、端末装置200はタブレット端末に限られるものではなく、PC(パーソナルコンピュータ。ノートパソコンを含む。)や、家庭用ゲーム機器(携帯型ゲーム機を含む)、携帯電話機(いわゆるフィーチャーフォン)、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant;PDA)、携帯音楽プレイヤ、電子書籍リーダ、その他のコンピュータ機器を採用してもよい。
【0035】
ネットワークNは、例えばインターネットや家庭内に構築するLAN(local area network)等を含む情報処理に係る通信回線又は通信網であり、その具体的な構成は、サーバ装置100と端末装置200との間でデータの送受信が可能なように構成されていれば特に制限されず、有線であるか無線であるかも問わない。
【0036】
また、ネットワークNは、複数種の通信回線や通信網及び種々のネットワーク機器を含んで構成され得る。例えば、ネットワークNは、端末装置200に無線接続される基地局や無線LANのアクセスポイント(WiFiルータ等)、基地局に接続された移動体通信網、アクセスポイントからルータやモデムを介して接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光通信回線等の公衆回線、サーバ装置100に接続されたインターネット、移動体通信網や公衆回線とインターネットを接続するゲートウェイ装置を含む。
【0037】
<サーバ装置100のハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図(システムブロック図)である。同図に示すように、サーバ装置100は、CPUやMPUといった演算処理部(プロセッサ)101、記憶装置としてのROM102及びRAM103、入力部105及び外部メモリ106が接続された外部インターフェース104、ディスプレイモニタ111が接続された画像処理部107、ディスク又はメモリデバイス等が収容又は接続されるスロットドライブ108、スピーカ装置112が接続された音声処理部109、並びに、ネットワークインターフェース110を備える。
【0038】
各部は、例えば、内部バス、外部バス、及び拡張バスを含むシステムバスといった伝送路120を介して互いに接続されて構成される。なお、入力部105、外部メモリ106、ディスプレイモニタ111、スピーカ装置112等の入出力を担うデバイス装置は、必要に応じて適宜省略してもよいし、それらを備える場合であっても、それらは伝送路120に常時接続されていなくてもよい。
【0039】
演算処理部101は、サーバ装置100全体の動作を制御し、上述した他の構成要素との間で制御信号及び情報信号(データ)の送受信を行うとともに、学習支援の実行に必要な各種の演算処理を行う。そのため、演算処理部101は、いわゆるレジスタ等の高速アクセス可能な記憶領域に対して、数値演算ユニット等を用いた加減乗除等の算術演算、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算等、更に必要に応じて、飽和演算、三角関数演算、ベクトル演算等を行うことが可能なように構成されている。
【0040】
ROM102には、一般に、電源投入後、最初に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録されている。このIPLが実行されることにより、スロットドライブ108に収容又は接続されるディスクやメモリデバイスに記録されたサーバ用プログラムや学習支援プログラムが、演算処理部101によって一旦RAM103に読み出され、そのプログラムが演算処理部101によって実行される。さらに、ROM102には、サーバ装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムやその他の各種データが記録されている。
【0041】
RAM103は、サーバ用プログラム、学習支援プログラム、及び、各種データを一時的に記憶するためのものである。上述したように、読み出されたサーバ用プログラムや学習支援プログラム、その他、学習コンテンツや複数の端末装置200との間の通信に必要なデータ等がRAM103に保持される。学習支援プログラムは、外部の記録媒体に記録されて、外部の記録媒体からRAM103にインストールされてもよい。
【0042】
さらに、演算処理部101は、RAM103に変数領域を設定し、その変数領域に格納された値に対しても数値演算ユニットを用いた直接演算を行ったり、或いは、RAM103に格納された値をレジスタに一旦複製又は移設格納してそのレジスタに対しても直接演算を行ったり、さらには、それらの演算結果をRAM103に書き戻したりといった処理を行う。
【0043】
外部インターフェース104を介して接続された入力部105は、サーバ装置100を用いて学習支援サービスを提供する事業者側のユーザが行う各種の操作入力を受け付けるものであり、入力部105としては、キーボード、タッチパッド、タッチパネルの他、例えば、音声入力装置を採用することができ、種々の操作入力、決定操作、取消操作、メニュー表示等の指示入力を行うことが可能であれば、デバイスの種類は特に制限されない。
【0044】
RAM103や、外部インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、サーバ装置100の作動状況、各端末装置200のアクセス状況、各端末装置200におけるコンテンツ配信状況等を示すデータ等が書き換え可能に記憶される。
【0045】
画像処理部107は、スロットドライブ108から読み出された各種データを、演算処理部101により、又は、画像処理部107自体により加工処理した後、その処理後の画像情報をフレームメモリ等に記録する。このフレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部107に接続されるディスプレイモニタ111へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。また、学習支援に関する画像情報は、演算処理部101との協働処理等によって、画像処理部107及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0046】
また、音声処理部109は、スロットドライブ108から読み出された各種データを音声信号に変換し、音声処理部109に接続されたスピーカ装置112から出力する。また、学習支援に関する音声情報は、演算処理部101との協働処理等によって、音声処理部109及び/又は演算処理部101から各端末装置200へ送出される。
【0047】
また、ネットワークインターフェース110は、サーバ装置100をネットワークNへ接続するためのものであり、例えば、LANの構築に使用される諸規格に準拠するもの、アナログモデム、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネット等に接続するためのケーブルモデム等、及び、これらを、伝送路120を介して演算処理部101と接続するための通信インターフェース回路とから構成される。
【0048】
なお、サーバ装置100は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成される、いわゆるクラウドコンピューティングの形態のものであってもよい。また、単一のコンピュータが複数のサーバ機能を備えるようなものでもよい。
【0049】
<端末装置200のハードウェア構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る端末装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示す端末装置200は、タッチパネル14、スピーカ16、マイクロフォン18、ハードボタン20、ハードキー22、移動体通信用アンテナ30、移動体通信部32、無線LAN通信用アンテナ34、無線LAN通信部36、記憶部38、主制御部40、カメラ26、及び音声出力端子24を含む外部インターフェース42等を備える。
【0050】
タッチパネル14は、表示装置および入力装置の両方の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bとで構成される。ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aその上面に配置された接触操作を検知するための素子およびその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式等既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
【0051】
タッチパネル14は、主制御部40による記憶部38に記憶されているプログラム50の実行により生成される画像を表示する。入力装置としてのタッチパネル14は、操作面に対して接触する接触物(ユーザの指やタッチペン等を含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する)の動作を検知することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を主制御部40に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検知され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向および長辺方向の二軸上の座標値として表される。
【0052】
端末装置200は、移動体通信用アンテナ30や無線LAN通信用アンテナ34を通じてネットワークNに接続され、サーバ装置100との間でデータ通信をすることが可能である。
【0053】
実施形態に係るプログラム50は、端末装置200にインストールされたものであってもよいし、オンライン上で(サーバ装置100に限らない)サーバから学習支援機能等が提供されるものであってもよい。プログラム50が実行されることで、個人学習及びグループ学習を行うことが可能な学習支援アプリケーションが動作する。
【0054】
<サーバ装置100の機能構成>
図4は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置100を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。サーバ装置100は、端末装置200の学習者の学習を支援するためのものであり、そのための機能として、少なくともサーバ通信部131、サーバ記憶部132、及びサーバ処理部133を備える。
【0055】
サーバ通信部131は、サーバ装置100とネットワークNとの間で通信を行うものであり、端末装置200から受信したデータを、サーバ処理部133に供給するとともに、サーバ処理部133から供給されたデータを、端末装置200へ送信する機能を有する。サーバ通信部131は、具体的には、少なくとも上述した
図2に示すネットワークインターフェース110から構成される。
【0056】
サーバ記憶部132は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図2に示すROM102、RAM103、外部メモリ106、及びスロットドライブ108の少なくとも何れか1つから構成され得る。ここで、サーバ記憶部132に記憶されるプログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムである。また、サーバ記憶部132には、かかる学習支援に関するデータや表示データや各種演算結果のデータ等も記録される。
【0057】
例えば、サーバ記憶部132には、学習コンテンツDB1321、学習者DB1322、個人レスポンスDB1323、グループDB1324、個人介入条件DB1325、グループ介入条件DB1326、介入データDB1327、グループレスポンスDB1328、個人特性予測モデル1329及びグループ特性予測モデル1330が記憶される。
【0058】
学習コンテンツDB1321は、一例では、コンテンツID、コンテンツ名、コンテンツを少なくとも含む。コンテンツIDは、学習コンテンツを一意に識別するための情報である。
【0059】
図5は、サーバ記憶部132に記憶される学習者DBの一例を示す図である。
図5に示す学習者DB1322は、学習者ID、学習者名、特性タイプ、属性1スコア、属性2スコア、属性3スコア、属性4スコアを少なくとも含む。学習者IDは、学習支援システム1のサービスの会員を一意に識別するための情報である。本実施形態では、学習支援システム1のサービスを利用するユーザは、本発明を用いたサービスの利用契約を行っているものとする。利用契約を通じてユーザには学習者IDが付与され、学習者IDごとに学習支援画面が作成されるものとする。
【0060】
特性タイプとは、事前に定義された所定数の特性タイプのうち学習者が分類されたいずれかの特性タイプを示す情報である。一例では、特性タイプとして既知の16パーソナリティーを用いることができるが、これに限られるものではなく、他の任意の特性タイプを採用することができる。
【0061】
属性スコアとは、特定の属性項目の高低を示す情報である。ここで、スコアには、例えば数字により表される評価に限らず、ABCや甲乙丙など、文字や記号により表されるランク付けやその他の評価も含まれる。本実施形態では、学習者DB1322は、属性1から属性4の計4つの項目についてスコアを格納するが、他の任意の数の項目についてスコアを格納してもよい。一例では、積極性、計画性、協調性、継続性等の属性項目を設定することができるが、これに限られるものではなく、他の任意の属性項目を設定することができる。
【0062】
特性タイプ及び属性スコアは、いずれも学習者の特性を示す情報であり、本実施形態では、後述する学習者のレスポンスに基づいて、特性タイプと属性スコアのいずれもが決定される。なお、本実施形態では、特性タイプと属性スコアの両方を用いる例について説明するが、これに限られるものではなく、特性タイプと属性スコアのいずれか一方を用いるようにしてもよい。
【0063】
図6は、サーバ記憶部132に記憶される個人レスポンスDBの一例を示す図である。
図6に示す個人レスポンスDB1323は、学習者ID、働きかけ、レスポンスを少なくとも含む。働きかけには、学習支援システム1からの任意の働きかけの情報が含まれる。レスポンスには、働きかけに対する学習者のレスポンス情報が含まれる。一例では、計画立案の働きかけに対して、レスポンスの有無、レスポンス速度、思考時間等を含むレスポンス情報が保存される。別の例では、問題取り組みの働きかけに対して、レスポンスの有無、各問題にかける時間等を含むレスポンス情報が保存される。また別の例では、おすすめのコンテンツ視聴の働きかけに対して、レスポンスの有無、視聴時間等を含むレスポンス情報が保存される。
【0064】
図7は、サーバ記憶部132に記憶されるグループDBの一例を示す図である。
図7に示すグループDB1324は、グループID、グループ名、学習者ID、グループ特性タイプ1、グループ特性タイプ2、グループ特性タイプ3を少なくとも含む。グループIDは、グループを一意に識別するための情報である。学習者IDには、グループに属する複数の学習者の学習者IDが保存される。グループ特性タイプには、事前に定義された所定数の特性タイプのうちグループが分類されたいずれかの特性タイプを示す情報が保存される。
【0065】
一例では、グループ特性タイプ1には、グループとしての意思決定方針の評価として、積極派か慎重派かのいずれかを示す情報が保存される。グループ特性タイプ2には、グループ内の役割の評価として、リーダーが引っ張るタイプか、メンバーがフラットに議論しているかのいずれかを示す情報が保存される。グループ特性タイプ3には、グループ内の雰囲気の評価として、相互作用が働いているか、相互作用が働いていないかのいずれかを示す情報が保存される。上記したグループ特性タイプは一例であり、これに限られるものではなく、他の任意のグループ特性タイプを採用することができる。また、本実施形態では、グループDB1324は、グループ特性タイプ1からグループ特性タイプ3の計3つの特性タイプを格納するが、他の任意の数の特性タイプを格納してもよい。
【0066】
図8は、サーバ記憶部132に記憶される個人介入条件DBの一例を示す図である。
図8に示す個人介入条件DB1325は、コンテンツID、タイミング、センシングタイプ、分析値、介入データキーを少なくとも含む。介入条件とは、学習支援システム1による学習者への介入を引き起こす条件を示す情報であり、本実施形態では、介入条件として、コンテンツベースの介入条件と、センシングベースの介入条件と、状況ベースの介入条件とが含まれる。コンテンツベースの介入条件は、コンテンツの内容に基づいて事前に定義された介入条件であり、コンテンツID及びタイミングに条件が保存される。一例では、所定のコンテンツIDのコンテンツについて、タイミングとして「再生時間(00:15:10)」が保存され、コンテンツの再生時間が15分10秒となると、この介入条件が満たされる。
【0067】
センシングベースの介入条件は、学習者のセンシングデータに基づいて定義された介入条件であり、センシングタイプ及び分析値に条件が保存される。本実施形態では、センシングタイプは、学習者の学習中の画像データから分析された学習者の状態を表す項目の情報であり、本実施形態では、集中度、眠気等が保存される。一例では、センシングタイプ「集中度」について分析値「50以下」が保存され、集中度の分析値が50以下となると、この介入条件が満たされる。ここで、分析値とは、学習者の状態を表す項目の高低を示す情報であり、分析値には、例えば数字により表される評価に限らず、ABCや甲乙丙など、文字や記号により表されるランク付けやその他の評価も含まれる。
【0068】
状況ベースの介入条件は、学習者の取り組み状況に基づいて定義された介入条件であり、タイミングに条件が保存される。一例では、タイミングとして「毎月10回目のログイン時」が保存され、毎月の10回目のログイン時にこの介入条件が満たされる。
【0069】
介入データキーは、学習支援システム1による学習者への介入のためのデータを識別するための情報であり、後述の介入データDB1327に格納された介入データキーが保存される。
【0070】
図9は、サーバ記憶部132に記憶されるグループ介入条件DBの一例を示す図である。
図9に示すグループ介入条件DB1326は、条件、介入データキーを少なくとも含む。一例では、条件として「発言が30秒以上なし」が保存され、学習者の何らかの発言が30秒以上受け付けられない時にこの介入条件が満たされる。ここで、発言には、口頭による発声だけでなく、テキストデータによる書き込みも含まれる。
【0071】
また、別の例では、条件として「他の学習者の発言時」が保存され、グループ内のある学習者が発言を行うと、発言を行った学習者以外の学習者においてこの介入条件が満たされる。また別の例では、条件として「常時」が保存され、グループ学習中に常時行われる介入を設定することができる。
【0072】
図10は、サーバ記憶部132に記憶される介入データDBの一例を示す図である。
図10に示す介入データDB1327は、介入データキー、特性タイプ、属性スコア、グループ特性タイプ、データを少なくとも含む。データには、介入のためのテキストデータ、音声データ、映像データ等、任意の形式のデータを保存することができる。本実施形態では、学習者の個人特性やグループ特性に応じた介入データを設定するために、介入データDB1327は、介入データキーに、学習者の特性タイプ、属性スコア、グループ特性タイプのうちの少なくとも1つを組み合わせて介入データを保存することができる。
【0073】
介入データキーに、学習者の特性タイプを組み合わせる一例では、グループ介入条件DB1326の条件「他の学習者の発言時」に関連する介入データとして、学習者の個人特性に応じた行動の提案を行うために、特性タイプごとにテキストデータ、音声データ、映像データ等が保存される。例えば、16の特性タイプを採用する場合、同一の介入データキー「GI0002」について16の特性タイプごとに、16の介入データレコードが保存される。
【0074】
また、介入データキーに、グループ特性タイプを組み合わせる一例では、グループ介入条件DB1326の条件「発言が30秒以上なし」に関連する介入データとして、グループ特性タイプに応じた介入を行うために、介入データキー「GI0001」について「グループ特性タイプ2(リーダー)」及び「グループ特性タイプ2(フラット)」に対応する介入データがそれぞれ保存される。
【0075】
本実施形態では、介入データDB1327にグループ学習中の介入データ及び個人学習中の介入データを保存するが、別の実施形態では、グループ学習中の介入データと個人学習中の介入データとを個別のデータベースに保存するようにしてもよい。グループ学習中の介入データには、一例では、学習者間の相互作用を引き出すための支援を目的として、盛り上がりや学習者の表情、発言量を可視化したり、重要な発言を可視化したり、関連する情報を提示したり、質問を投げかけたりするためのデータが含まれる。また、個人学習中の介入データには、一例では、学習継続の支援を目的として、目標や予定の立案を提案したり、リマインドを行ったり、褒めや励ましを行ったり、他の学習者の統計情報を提示したりするためのデータや、学習効率の向上を目的として、眠気防止を図ったり、重要なポイントや苦手なポイントを強調したり、復習内容を提案したり、質問したりするためのデータが含まれる。
【0076】
図11は、サーバ記憶部132に記憶されるグループレスポンスDBの一例を示す図である。
図11に示すグループレスポンスDB1328は、グループID、働きかけ、レスポンス、学習者IDを少なくとも含む。働きかけには、グループの特性やグループ学習中の学習者の特性を決定するために行われる学習支援システム1からの任意の働きかけの情報が含まれる。レスポンスには、働きかけに対するグループのレスポンス情報が含まれる。学習者IDには、レスポンスに関連する学習者の学習者IDが保存される。一例では、計画立案の働きかけに対して、レスポンスの有無、レスポンス速度、思考時間等を含むレスポンス情報と、当該レスポンスを行った学習者の学習者IDとが保存される。
【0077】
個人特性予測モデル1329には、学習者の特性予測に用いるモデルが保存されている。本実施形態では、個人特性予測モデル1329には、働きかけ及びレスポンスを入力データとして受け取り、特性タイプ、属性1スコア、属性2スコア、属性3スコア及び属性4スコアを出力する予測モデルが保存されている。本実施形態では、特性タイプと複数の属性スコアとを出力する予測モデルを用いる例について説明するが、これに限られるものではなく、特性タイプを出力する予測モデルと属性スコアを出力する予測モデルとを別途用いてもよいし、さらに、各属性スコアを出力する、属性数に応じた数の予測モデルを用いてもよい。
【0078】
グループ特性予測モデル1330は、グループの特性予測に用いるモデルが保存されている。本実施形態では、グループ特性予測モデル1330には、働きかけ、レスポンス及び学習者IDを入力データとして受け取り、グループ特性タイプ1、グループ特性タイプ2及びグループ特性タイプ3を出力する予測モデルを用いる例について説明するが、これに限られるものではなく、各グループ特性タイプを出力する、グループ特性タイプの数に応じた数の予測モデルを用いてもよい。
【0079】
図4に戻り、サーバ処理部133は、
図2に示す演算処理部101から構成されており、演算処理部101による制御指令に基づいて後述の各機能モジュールによる処理が実行される。すなわち、演算処理部101が、本実施形態におけるサーバ処理部133として機能する。本実施形態における学習支援を例にして更に説明すれば、機能モジュールとして、画面送信部1331、コンテンツ配信部1332、レスポンス受付部1333、個人特性決定部1334、グルーピング部1335、グループ学習実行部1336、グループ介入判定部1337、グループ介入送信部1338、個人介入判定部1339及びグループ特性決定部1340を備える。機能モジュールは、演算処理部101のプロセッサで実行される上記各種プログラムにより実現され、或いは、ファームウェアとして演算処理部101に実装されていてもよい。
【0080】
画面送信部1331は、端末装置200のユーザからの入力等に応答して、対応する画面情報を作成して端末装置200に送信する。具体的には、画面送信部1331は、例えば、学習コンテンツを選択するためのコンテンツ一覧画面情報等を端末装置200に送信する。
【0081】
コンテンツ配信部1332は、学習者の端末装置に学習コンテンツを配信する。本実施形態では、コンテンツ配信部1332は、端末装置200からコンテンツIDを含むコンテンツ配信要求を受信して、コンテンツIDに対応する学習コンテンツを学習コンテンツDB1321から取得して、所定の学習者の端末装置200に配信する。また、コンテンツ配信部1332は、後述の個人介入判定部1339が介入データを特定すると、特定した介入データを介入データDB1327から取得して、所定の学習者の端末装置200に配信する。
【0082】
レスポンス受付部1333は、端末装置200からレスポンスを受け付ける。本実施形態では、レスポンス受付部1333は、個人学習に関する学習者のレスポンスとして、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報を受信して、個人レスポンスDB1323に保存する。また、レスポンス受付部1333は、グループ学習に関する学習者のレスポンスとして、グループID、働きかけの情報、レスポンス情報、及び学習者IDを受信して、グループレスポンスDB1328に保存する。
【0083】
なお、本実施形態では、レスポンス受付部1333は、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受信した際、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報を個人レスポンスDB1323にも保存する。このような構成とすることにより、個人学習に関する学習者のレスポンスとグループ学習に関する学習者のレスポンスとが個人レスポンスDB1323に保存され、後述の個人特性決定部1334は、学習者の特性を多様な面から決定することができる。
【0084】
個人特性決定部1334は、学習者の特性を決定する。本実施形態では、個人特性決定部1334は、学習者のレスポンスに基づいて特性タイプ及び属性スコアを判定する。具体的には、個人特性決定部1334は、学習者IDに基づいて対象の学習者のレスポンスを個人レスポンスDB1323から取得して、取得したレスポンスを個人特性予測モデル1329に入力することで、学習者の特性タイプ、属性1スコア、属性2スコア、属性3スコア、及び属性4スコアを決定する。また、個人特性決定部1334は、決定した学習者の特性を学習者DB1322に保存する。
【0085】
なお、個人特性決定部1334は、対象の学習者のレスポンスが所定数を超えたタイミングで、学習者の学習終了時、毎月1回等、任意のタイミングで学習者の特性を決定することができる。
【0086】
グルーピング部1335は、複数の学習者のグループ分けを行う。本実施形態では、グルーピング部1335は、少なくとも学習者の特性を用いてグループ分けを行う。なお、本実施形態では、グルーピング部1335は、学習者の特性タイプを用いてグループ分けを行う例について説明するが、これに限られるものではなく、属性スコアを用いてグループ分けを行ってもよいし、特性タイプ及び属性スコアを用いてグループ分けを行ってもよい。
【0087】
グループ学習実行部1336は、複数の学習者がグループで学習を行うために、グループ内の端末装置200間で情報を送受信する。本実施形態では、グループ学習実行部1336は、グループDB1324に基づいて、同一グループに属する学習者の端末装置200間で情報を送受信する。
【0088】
グループ介入判定部1337は、グループ学習中に介入を行うか否かを判定する。本実施形態では、グループ介入判定部1337は、グループ学習中のデータを収集し、グループ介入条件DB1326に基づいて、介入を行うか否かを判定する。一例では、グループ介入判定部1337は、グループ学習中の発言に関するデータを収集し、グループ介入条件DB1326に基づいて、介入を行うか否かを判定する。介入を行うと判定した場合、グループ介入判定部1337は、グループ介入条件DB1326、介入データDB1327等に基づいて、介入先の学習者と介入データとを特定する。
【0089】
グループ介入送信部1338は、介入先の学習者の端末装置200に介入データを送信する。本実施形態では、グループ介入送信部1338は、グループ介入判定部1337が特定した学習者の端末装置200に、特定した介入データを送信する。
【0090】
個人介入判定部1339は、個人学習中に介入を行うか否かを判定する。本実施形態では、個人介入判定部1339は、個人学習中のデータを収集し、個人介入条件DB1325に基づいて、介入を行うか否かを判定する。一例では、個人介入判定部1339は、学習者の操作ログやセンシングデータに関するデータを収集し、個人介入条件DB1325に基づいて、介入を行うか否かを判定する。介入を行うと判定した場合、個人介入判定部1339は、個人介入条件DB1325、介入データDB1327、及び学習者DB1322に基づいて、介入データを特定する。
【0091】
本実施形態では、個人介入判定部1339は、コンテンツの再生時間を取得するための操作ログやログイン回数を取得するための操作ログを収集する例について説明するが、これに限られるものではなく、任意の操作ログを収集して介入判定を行うことができる。また、本実施形態では、個人介入判定部1339は、センシングデータに関するデータとして、センシングタイプ及び分析値を収集する例について説明するが、これに限られるものではなく、任意のセンシングデータに関するデータを収集して介入判定を行うことができる。
【0092】
グループ特性決定部1340は、グループの特性を決定する。本実施形態では、グループ特性決定部1340は、グループのレスポンスに基づいてグループ特性タイプを判定する。具体的には、グループ特性決定部1340は、グループIDに基づいて対象のグループのレスポンスをグループレスポンスDB1328から取得して、取得したレスポンスをグループ特性予測モデル1330に入力することで、グループ特性タイプ1、グループ特性タイプ2、及びグループ特性タイプ3を決定する。また、グループ特性決定部1340は、決定したグループの特性をグループDB1324に保存する。
【0093】
なお、グループ特性決定部1340は、対象のグループのレスポンスが所定数を超えたタイミングで、グループ学習の終了後等、任意のタイミングでグループの特性を決定することができる。
【0094】
<端末装置200の機能構成>
図12は、本発明の一実施形態に係る端末装置200を機能的な観点から示す概略構成図(機能構成図)である。本実施形態において、端末装置200は、例えばタブレット端末であり、
図12に示すように、少なくとも端末通信部202、表示部204、操作部206、音声出力部208、音声入力部210、撮像部212、端末記憶部214及び学習者アプリ制御部216を備える。
【0095】
端末通信部202は、例えば移動体通信部32や無線LAN通信部36により実現され得る。そして、端末通信部202は、学習者アプリ制御部216から供給されたデータをサーバ装置100に送信するとともに、サーバ装置100から受信したデータを学習者アプリ制御部216に供給する。
【0096】
表示部204は、例えばタッチパネル14や主制御部40等により実現され、コンテンツやその他の学習支援アプリケーションに関する画面を表示する。
【0097】
操作部206は、例えばタッチパネル14やハードボタン20、ハードキー22等により実現され、ユーザ操作を入力する。
【0098】
音声出力部208は、例えばスピーカ16及び主制御部40等により実現され、学習コンテンツや介入データに含まれる音声を出力する。
【0099】
音声入力部210は、例えばマイクロフォン18及び主制御部40等により実現され、グループ学習中等の音声を入力する。
【0100】
撮像部212は、例えばカメラ26及び主制御部40等により実現され、当該端末装置200を用いて学習している学習者を動画又は静止画により随時撮像し、学習者の顔が写った画像の画像データを生成する。
【0101】
端末記憶部214は、各種プログラムや各種データを記憶するためのものであり、具体的には、上述した、
図3に示す記憶部38から構成され得る。端末記憶部214に記憶されるプログラムは、後述する処理手順を実行する学習支援アプリケーションのプログラムである。また、端末記憶部214には、かかる学習支援に関するデータや表示データや各種演算結果のデータ等も記録される。
【0102】
例えば、端末記憶部214には、学習者の識別データ2141が記憶される。識別データ2141は、学習者ID、ログインID、パスワードを少なくとも含む。
【0103】
学習者アプリ制御部216は、例えば主制御部40等により実現され得る。学習者アプリ制御部216は、プログラム50が実行されることで、学習支援アプリケーションの各機能を実現する。学習者アプリ制御部216は、受付部2161、認証部2162、入出力制御部2163、ログ収集部2164、分析部2165、レスポンス収集部2166、グループ学習介入部2167及び個人学習介入部2168を備える。
【0104】
受付部2161は、タッチパネル14等により入力されたユーザ操作に対応する情報を受け付ける。受付部2161は、受け付けたユーザ操作に対応する情報を適宜各部に出力する。受付部2161は、例えば、後述するように、操作部206を用いて入力された、学習者のログイン情報等を受け付け、受け付けた情報を各部に出力する。
【0105】
認証部2162は、受付部2161から取得したログイン情報を用いて学習者の認証を行う。例えば、ログイン情報にはログインID及びパスワードが含まれ、認証部2162は、識別データ2141を用いて認証処理を行う。なお、認証処理は、サーバ装置100や、サーバ装置100とは別の認証サーバ等が行ってもよい。また、認証方法について、入力されたパスワードによる認証や、指紋認証、虹彩認証、声紋認証等のいずれの認証手段が用いられてもよい。このとき、認証に用いられる情報は、例えば操作部206から入力される。
【0106】
入出力制御部2163は、受付部2161から取得した学習者の入力に従って各種要求をサーバ装置100に送信すると共に、その処理結果を受信して各種情報に基づく画面を生成し、表示部204に表示する。例えば、本実施形態では、入出力制御部2163は、操作部206を介して学習者からコンテンツ一覧表示指示を受信することに応答して、コンテンツ一覧要求をサーバ装置100に送信し、その処理結果を受信してコンテンツ一覧画面を生成して、表示部304に表示する。また、入出力制御部2163は、操作部206を介して学習者から所定のコンテンツの配信指示を受信することに応答して、コンテンツ配信要求をサーバ装置100に送信し、その処理結果としてコンテンツを受信して表示部304や音声出力部208で再生する。
【0107】
ログ収集部2164は、学習者の操作ログを収集する。本実施形態では、ログ収集部2164は、コンテンツの再生時間を取得するための操作ログやログイン回数を取得するための操作ログを収集する。操作ログが得られると、ログ収集部2164は、学習者ID及び操作ログをサーバ装置100に送信する。
【0108】
分析部2165は、センシングデータを分析して、センシングデータに関するデータを得る。本実施形態では、分析部2165は、撮像部212が生成した画像データを分析して、学習者の集中度、眠気の分析値を得る。分析値が得られると、分析部2165は、学習者ID、センシングタイプ、及び分析値をサーバ装置100に送信する。
【0109】
レスポンス収集部2166は、学習支援システム1からの任意の働きかけに対する学習者のレスポンスを収集する。本実施形態では、レスポンス収集部2166は、個人学習中の所定の働きかけに対して、例えば操作部206を介して学習者からレスポンスを受信することに応答して、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報をサーバ装置100に送信する。また、レスポンス収集部2166は、グループ学習中の所定の働きかけに対して、例えば操作部206を介して学習者からレスポンスを受信することに応答して、グループID、働きかけの情報、レスポンス情報、及び学習者IDをサーバ装置100に送信する。一実施形態では、レスポンス収集部2166は、所定の働きかけに対して、所定の時間内に学習者からのレスポンスを受信しないことに起因して、「レスポンス無し」を含むレスポンス情報をサーバ装置100に送信してもよい。
【0110】
なお、本実施形態では、レスポンス収集部2166は、都度サーバ装置100にレスポンスを送信する例について説明するが、これに限られるものではなく、他の任意のタイミングでサーバ装置100に送信するようにしてもよい。
【0111】
グループ学習介入部2167は、サーバ装置100から介入データを受信して、グループ学習中に介入を行う。本実施形態では、グループ学習介入部2167は、介入データに応じて様々な介入手法で介入を行う。一例では、介入手法には、表示部204の特定の領域にダッシュボードとして介入データを一覧表示する手法、ポップアップとして介入データを表示する手法、音声として通知する手法、表示部204にバーチャルキャラクタの動画を表示し、当該バーチャルキャラクタに発話させる手法等が含まれるが、これに限られるものではなく、任意の介入手法が含まれてよい。
【0112】
個人学習介入部2168は、サーバ装置100から介入データを受信して、個人学習中に介入を行う。本実施形態では、個人学習介入部2168は、介入データに応じて様々な介入手法で介入を行う。一例では、介入手法には、表示部204の特定の領域にダッシュボードとして介入データを一覧表示する手法、ポップアップとして介入データを表示する手法、音声として通知する手法、表示部204にバーチャルキャラクタの動画を表示し、当該バーチャルキャラクタに発話させる手法等が含まれるが、これに限られるものではなく、任意の介入手法が含まれてよい。
【0113】
<動作>
まず、学習支援システム1の個人学習に関する動作について説明する。
図13は、本発明の一実施形態に係る個人学習に関するサーバ装置と端末装置との処理の一例を示すフローチャートである。
【0114】
学習支援システム1のユーザである学習者が、端末装置200の操作部206を用いてログイン情報の入力を行うと、端末装置200の受付部2161は、ログイン情報を受け付ける(S1301)。ここでは、学習者ID「user1」の学習者1が操作部206を用いてログイン情報の入力を行ったものとする。受付部2161がログイン情報を受け付けると、端末装置200の認証部2162は、受付部2161から取得したログイン情報を用いて学習者の認証を行う(S1302)。本実施形態では、ログイン情報にはログインID及びパスワードが含まれ、認証部2162は、識別データ2141を用いて認証処理を行うものとする。
【0115】
認証が成功すると、ログインした学習者専用の学習支援画面が表示部204に表示される。ログイン後、端末装置200のログ収集部2164は、操作ログの収集を開始する(S1303)。本実施形態では、ログ収集部2164は、コンテンツの再生時間を取得するための操作ログやログイン回数を取得するための操作ログを収集する。操作ログが得られると、ログ収集部2164は、学習者ID及び操作ログをサーバ装置100に送信する。
図13には図示しないが、本実施形態では、ログ収集部2164は、操作ログが得られると、都度サーバ装置100に操作ログを送信する。
【0116】
また、端末装置200の分析部2165は、センシングデータの分析を開始する(S1304)。本実施形態では、分析部2165は、撮像部212が生成した画像データを分析して、学習者の集中度、眠気の分析値を得る。分析値が得られると、分析部2165は、学習者ID、センシングタイプ、及び分析値をサーバ装置100に送信する。
図13には図示しないが、本実施形態では、分析部2165は、分析値が得られると、都度サーバ装置100に分析値を送信する。
【0117】
続いて、端末装置200のレスポンス収集部2166は、レスポンスの収集を開始する(S1305)。本実施形態では、レスポンス収集部2166は、個人学習中の所定の働きかけに対して、例えば操作部206を介して学習者からレスポンスを受信することに応答して、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報をサーバ装置100に送信する。
【0118】
図13には図示しないが、本実施形態では、レスポンス収集部2166は、個人学習中の所定の働きかけに対して学習者からレスポンスを受信すると、個人学習に関する学習者のレスポンスとして、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報を都度サーバ装置100に送信する。また、サーバ装置100のレスポンス受付部1333は、端末装置200からレスポンスを受け付ける。本実施形態では、レスポンス受付部1333は、個人学習に関する学習者のレスポンスとして、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報を受信して、個人レスポンスDB1323に保存する。
【0119】
その後、学習者が操作部206を用いてコンテンツ一覧画面を要求するためのコンテンツ一覧要求の入力を行うと、端末装置200の入出力制御部2163は、受付部2161が受け付けたコンテンツ一覧要求をサーバ装置100に送信する(S1306)。
【0120】
サーバ装置100の画面送信部1331は、端末装置200からコンテンツ一覧要求を受信して(S1307)、コンテンツ一覧画面情報を生成する(S1308)。本実施形態では、画面送信部1331は、学習コンテンツDB1321を参照して、コンテンツ一覧画面情報を生成する。
【0121】
画面送信部1331からコンテンツ一覧画面情報が送信されると(S1309、S1310)、端末装置200の入出力制御部2163は、コンテンツ一覧画面情報に基づいてコンテンツ一覧画面を生成して、表示部304に表示する(S1311)。
【0122】
表示されたコンテンツ一覧画面において学習者が操作部206を用いて所望のコンテンツを選択してコンテンツ配信要求の入力を行うと、入出力制御部2163は、選択されたコンテンツのコンテンツIDを含むコンテンツ配信要求をサーバ装置100に送信する(S1312)。
【0123】
サーバ装置100のコンテンツ配信部1332は、端末装置200からコンテンツ配信要求を受信して(S1313)、コンテンツIDに対応する学習コンテンツを学習コンテンツDB1321から取得して(S1314)、学習者の端末装置200に配信する(S1315)。
【0124】
コンテンツ配信部1332から学習コンテンツが配信されると(S1316)、入出力制御部2163は、表示部304や音声出力部208で再生する(S1317)。
【0125】
その後、学習コンテンツの視聴が完了し、学習者が操作部206を用いて学習支援アプリケーションを終了するためのアプリ終了要求の入力を行うと、入出力制御部2163は、学習者IDを含むアプリ終了要求をサーバ装置100に送信する(S1318)。アプリ終了要求の入力に応答して、ログ収集部2164、分析部2165、及びレスポンス収集部2166は、ログの収集、センシングデータの分析、レスポンスの収集をそれぞれ終了する(S1319)。
【0126】
サーバ装置100の個人特性決定部1334は、端末装置200からアプリ終了要求を受信して(S1320)、学習者の特性を決定する(S1321)。本実施形態では、個人特性決定部1334は、学習者のレスポンスに基づいて特性タイプ及び属性スコアを判定する。具体的には、個人特性決定部1334は、アプリ終了要求に含まれる学習者IDに基づいて対象の学習者のレスポンスを個人レスポンスDB1323から取得して、取得したレスポンスを個人特性予測モデル1329に入力することで、学習者の特性タイプ、属性1スコア、属性2スコア、属性3スコア、及び属性4スコアを決定する。また、個人特性決定部1334は、決定した学習者の特性を学習者DB1322に保存する(S1322)。
【0127】
次に、学習支援システム1のグループ学習に関する動作について説明する。
図14は、本発明の一実施形態に係るグループ学習に関するサーバ装置と端末装置との処理の一例を示すフローチャートである。
【0128】
例えば、学習支援システム1を提供する事業者側のユーザが入力部105を介してグループ分け要求を入力する等、グループ分け要求を送信すると、サーバ装置100のグルーピング部1335は、複数の学習者のグループ分けを行う(S1401)。本実施形態では、グルーピング部1335は、学習者の特性タイプを用いてグループ分けを行い、グループDB1324に保存する。ここでは、グループ分けの対象となる複数の学習者IDを含むグループ分け要求を受信して、グルーピング部1335は、
図7に示すようなグループ分けを行ったものとする。
【0129】
その後、学習者が操作部206を用いて、学習者が参加可能なグループ学習一覧画面を要求するためのグループ学習一覧要求の入力を行うと、端末装置200の入出力制御部2163は、受付部2161が受け付けたグループ学習一覧要求をサーバ装置100に送信する(S1402)。
【0130】
サーバ装置100の画面送信部1331は、端末装置200からグループ学習一覧要求を受信して(S1403)、グループ学習一覧画面情報を生成する(S1404)。本実施形態では、画面送信部1331は、学習者IDを含むグループ学習一覧要求を受信して、グループDB1324を参照して、グループ学習一覧画面情報を生成する。
【0131】
画面送信部1331からグループ学習一覧画面情報が送信されると(S1405、S1406)、端末装置200の入出力制御部2163は、グループ学習一覧画面情報に基づいてグループ学習一覧画面を生成して、表示部304に表示する(S1407)。
【0132】
表示されたグループ学習一覧画面において学習者が操作部206を用いて所望のグループ学習を選択してグループ学習参加要求の入力を行うと、入出力制御部2163は、選択されたグループ学習のグループID及び学習者IDを含むグループ学習参加要求をサーバ装置100に送信する(S1408)。
【0133】
サーバ装置100のグループ学習実行部1336は、端末装置200からグループ学習参加要求を受信して(S1409)、グループ学習参加要求を送信した学習者について、グループ学習参加要求で指定されたグループ内での情報の送受信を開始する(S1410)。ここでは、グループ学習実行部1336は、グループID「G01」及び学習者ID「user1」を含むグループ学習開始要求を受信して、学習者ID「user1」の学習者について、グループID「G01」のグループ内での情報の送受信を開始する。グループID「G01」のグループに属する他の学習者10、学習者17、学習者21も、各自の端末装置200でログインを行い、グループ学習参加要求を送信したものとする。
【0134】
図14には図示しないが、本実施形態では、端末装置200のレスポンス収集部2166は、グループ学習中に所定の働きかけに対して学習者からレスポンスを受信すると、グループ学習に関する学習者のレスポンスとして、グループID、働きかけの情報、レスポンス情報、及び学習者IDを都度サーバ装置100に送信する。また、レスポンス受付部1333は、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受信して、グループレスポンスDB1328に保存する。さらに、本実施形態では、レスポンス受付部1333は、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受信した際、学習者ID、働きかけの情報、及びレスポンス情報を個人レスポンスDB1323にも保存する。
【0135】
グループ学習が開始されると、サーバ装置100のグループ介入判定部1337は、グループ学習中に介入を行うか否かを判定する(S1411)。本実施形態では、グループ介入判定部1337は、グループ学習中のデータを収集し、グループ介入条件DB1326に基づいて、介入を行うか否かを判定する。一例では、グループ介入判定部1337は、グループ学習中の発言に関するデータを収集し、グループ介入条件DB1326に基づいて、介入を行うか否かを判定する。介入を行うと判定した場合(S1411:Yes)、グループ介入判定部1337は、グループ介入条件DB1326、介入データDB1327、及び学習者DB1322に基づいて、介入先の学習者と介入データとを特定する(S1412)。ここでは、学習者10からの発言データを収集し、グループ介入判定部1337は、介入先の学習者ID「user1」、学習者ID「user17」、及び学習者ID「user21」と、各学習者の特性タイプに応じた介入データキー「GI0002」のデータを特定したものとする。
【0136】
介入先と介入データとが特定されると、サーバ装置100のグループ介入送信部1338は、介入先の学習者の端末装置200に介入データを送信する(S1413)。本実施形態では、グループ介入送信部1338は、グループ介入判定部1337が特定した学習者の端末装置200に、特定した介入データを送信する。
【0137】
端末装置200のグループ学習介入部2167は、サーバ装置100から介入データを受信して(S1414)、グループ学習中に介入を行う(S1415)。本実施形態では、グループ学習介入部2167は、介入データに応じて様々な介入手法で介入を行う。ここでは、学習者1の端末装置200において、学習者1の特性タイプ「type1」に応じた介入データを受信して、ポップアップとして介入データを表示したものとする。
【0138】
その後、グループ学習が終了し、学習者が操作部206を用いてグループ学習を終了するためのグループ学習終了要求の入力を行うと、入出力制御部2163は、グループID及び学習者IDを含むグループ学習終了要求をサーバ装置100に送信する(S1416)。
【0139】
グループ学習実行部1336は、端末装置200からグループ学習終了要求を受信して(S1417)、グループ学習終了要求を送信した学習者について、グループ学習終了要求で指定されたグループ内での情報の送受信を終了する(S1417)。ここでは、グループ学習実行部1336は、グループID「G01」及び学習者ID「user1」を含むグループ学習終了要求を受信して、学習者ID「user1」の学習者について、グループID「G01」のグループ内での情報の送受信を終了したものとする。続いて、個人特性決定部1334は、学習者の特性を決定する(S1418)。本実施形態では、個人特性決定部1334は、学習者のレスポンスに基づいて特性タイプ及び属性スコアを判定する。
【0140】
具体的には、個人特性決定部1334は、グループ学習終了要求に含まれる学習者IDに基づいて対象の学習者のレスポンスを個人レスポンスDB1323から取得して、取得したレスポンスを個人特性予測モデル1329に入力することで、学習者の特性タイプ、属性1スコア、属性2スコア、属性3スコア、及び属性4スコアを決定する。また、個人特性決定部1334は、決定した学習者の特性を学習者DB1322に保存する(S1419)。このような構成とすることにより、個人特性決定部1334は、個人学習中の学習者のレスポンスに加えて、グループ学習中の学習者のレスポンスに基づいて学習者の特性を決定することができる。
【0141】
一実施形態では、個人特性決定部1334は、上述の個人特性の判定に代えて、グループ学習終了要求に含まれる学習者IDに基づいて対象の学習者のレスポンスをグループレスポンスDB1328から取得して、取得したレスポンスを個人特性予測モデル1329に入力することで、学習者の特性タイプ、属性1スコア、属性2スコア、属性3スコア、及び属性4スコアを決定してもよい。このような構成とすることにより、個人特性決定部1334は、グループ学習中に特化した学習者の特性を決定することができる。このようにして得た学習者の特性を、個人学習中に特化した学習者の特性とは分けて保存し、比較することによって、学習者の特性を複合的な側面から判定することができる。
【0142】
その後、グループID「G01」のグループに属する他の学習者10、学習者17、学習者21からも、グループ学習終了要求を受信したものとする。
【0143】
すべての参加者からグループ学習終了要求を受信すると、サーバ装置100のグループ特性決定部1340は、グループの特性を決定する(S1420)。本実施形態では、グループ特性決定部1340は、グループのレスポンスに基づいてグループ特性タイプを決定する。具体的には、グループ特性決定部1340は、グループIDに基づいて対象のグループのレスポンスをグループレスポンスDB1328から取得して、取得したレスポンスをグループ特性予測モデル1330に入力することで、グループ特性タイプ1、グループ特性タイプ2、及びグループ特性タイプ3を決定する。また、グループ特性決定部1340は、決定したグループの特性をグループDB1324に保存する(S1421)。
【0144】
最後に、学習支援システム1の個人学習中の介入について説明する。
図15は、本発明の一実施形態に係る個人学習に関するサーバ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0145】
個人学習中の常時、個人介入判定部1339は、個人学習中に介入を行うか否かを判定する(S1501)。本実施形態では、個人介入判定部1339は、学習者の操作ログ及びセンシングデータに関するデータを収集し、個人介入条件DB1325に基づいて、介入を行うか否かを判定する。介入を行うと判定した場合(S1501:Yes)、個人介入判定部1339は、個人介入条件DB1325、介入データDB1327、及び学習者DB1322に基づいて、介入データを特定する(S1502)。ここでは、端末装置200から学習者ID「user1」、センサタイプ「集中度」、及び分析値「42」を含むセンシングデータに関するデータを収集し、個人介入判定部1339は、個人介入条件DB1325に基づいて介入を行うと判定し、介入データDB1327から介入データキー「I001」かつ属性1スコア「50以上」のデータを特定したものとする。
【0146】
介入データが特定されると、サーバ装置100のコンテンツ配信部1332は、介入先の学習者の端末装置200に介入データを送信する(S1503)。本実施形態では、コンテンツ配信部1332は、学習者ID「user1」の学習者の端末装置200に、個人介入判定部1339が特定した介入データを送信する。
【0147】
端末装置200の個人学習介入部2168は、サーバ装置100から介入データを受信すると、個人学習中に介入を行う。本実施形態では、個人学習介入部2168は、介入データに応じて様々な介入手法で介入を行う。ここでは、学習者1の端末装置200において、学習者1の特性タイプ「type1」に応じた介入データを受信して、ポップアップとして介入データを表示したものとする。
【0148】
なお、本実施形態では、サーバ装置100側で個人特性の判定処理や個人学習中の介入判定処理を行う例について説明したが、これに限られるものではなく、これらの処理の一部又は全部を端末装置200側で行うようにしてもよい。
【0149】
また、本実施形態では、端末装置200に記憶された学習支援アプリケーションを実行することで実現する機能により各種要求をサーバ装置100に送信すると共に、処理結果を受信して表示する例について説明したが、他の実施形態では、端末装置200に実装されたブラウザでのユーザ操作に従って各種要求をサーバ装置100に送信すると共にその処理結果を受信してブラウザ上に表示するようにしてもよい。
【0150】
以上、本実施形態によれば、サーバ装置100は、個人学習に関するレスポンスに基づいて学習者の特性を決定し、決定した学習者の特性に基づくデータを学習者のグループ学習中に送信することで、学習者の特性に沿った効果的な学習をグループ学習時に行うことができる。
【0151】
また、サーバ装置100は、グループ学習に関する学習者のレスポンスを個人レスポンスDB1323にも保存することで、個人学習に関する学習者のレスポンスとグループ学習に関する学習者のレスポンスとが個人レスポンスDB1323に保存され、学習者の特性を多様な面から決定することができる。個人学習に関する学習者のレスポンスとグループ学習に関する学習者のレスポンスとに基づいて決定された学習者の特性に基づいて、サーバ装置100は、学習に関する様々な情報を学習者の端末装置、先生の端末装置、保護者の端末装置、その他任意の情報処理装置に出力することで、決定した特性を学習に活用することができる。
【0152】
また、サーバ装置100は、決定した学習者の特性に基づく介入データを学習者の個人学習中に送信することができる。個人学習に関するレスポンスだけでなく、グループ学習に関するレスポンスを考慮して決定した学習者の特性に基づいて介入データを特定することにより、サーバ装置100は、より効果的な介入を個人学習時に行うことができる。
【0153】
また、サーバ装置100は、グループ学習に参加している複数の端末装置から、グループ学習に関する学習者のレスポンスを受け付け、これらのレスポンスに基づいてグループの特性を決定することで、グループの特性を用いた処理を行うことができる。本実施形態では、サーバ装置100は、グループの特性に基づく介入データをグループ学習に参加している端末装置の少なくとも1つに送信することで、より効果的な介入をグループ学習時に行うことができる。
【0154】
また、サーバ装置100は、グループ学習中のデータを収集し、介入を行うか否かを判定するグループ介入判定部1337を備えることで、グループ学習中の状況を様々なデータから判断し、判断した状況に即した効果的な介入をグループ学習時に行うことができる。
【符号の説明】
【0155】
1…学習支援システム、101…演算処理部、102…ROM、103…RAM、104…外部インターフェース、105…入力部、106…外部メモリ、107…画像処理部、108…スロットドライブ、109…音声処理部、110…ネットワークインターフェース、111…ディスプレイモニタ、112…スピーカ装置、120…伝送路、131…サーバ通信部、132…サーバ記憶部、1321…学習コンテンツDB、1322…学習者DB、1323…個人レスポンスDB(第1の記憶部)、1324…グループDB、1325…個人介入条件DB、1326…グループ介入条件DB、1327…介入データDB、1328…グループレスポンスDB(第2の記憶部)、1329…個人特性予測モデル、1330…グループ特性予測モデル、133…サーバ処理部、1331…画面送信部、1332…コンテンツ配信部(第2の送信部、出力部)、1333…レスポンス受付部(受付部)、1334…個人特性決定部(第1の決定部)、1335…グルーピング部、1336…グループ学習実行部、1337…グループ介入判定部、1338…グループ介入送信部(第1の送信部、出力部)、1339…個人介入判定部、1340…グループ特性決定部(第2の決定部)、200…端末装置、14…タッチパネル、14A…ディスプレイ、14B…タッチセンサ、16…スピーカ、18…マイクロフォン、20…ハードボタン、22…ハードキー、24…音声出力端子、26…カメラ、30…移動体通信用アンテナ、32…移動体通信部、34…無線LAN通信用アンテナ、36…無線LAN通信部、38…記憶部、40…主制御部、42…外部インターフェース、50…プログラム、202…端末通信部、204…表示部、206…操作部、208…音声出力部、210…音声入力部、212…撮像部、214…端末記憶部、2141…識別データ、216…学習者アプリ制御部、2161…受付部、2162…認証部、2163…入出力制御部、2164…ログ収集部、2165…分析部、2166…レスポンス収集部(収集部)、2167…グループ学習介入部(介入部)、2168…個人学習介入部、N…ネットワーク