IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特開2024-141586プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム
<>
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図1
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図2
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図3
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図4
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図5
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図6
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図7
  • 特開-プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141586
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053320
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】霧林 毅行
(72)【発明者】
【氏名】原口 征士
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する場合に、その取引に伴う未実現利益を早期に把握すること。
【解決手段】本実施形態のプロジェクト管理システムは、連結会計対象の仕入先と利益率を登録した連結対象仕入先マスタと、資産化される商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を登録した資産対象商品マスタと、プロジェクト識別情報、当該プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を登録するプロジェクト登録手段と、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを登録する原価登録手段と、仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する前記未実現利益計算手段と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えたプロジェクト管理システムであって、
前記制御部は、
連結会計対象の仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタと、
資産化される商品、完成時勘定科目、未完成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタと、
を格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
プロジェクト識別情報、プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を前記記憶エリアに登録するプロジェクト登録手段と、
日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを前記記憶エリアに登録する原価登録手段と、
前記仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、前記連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ前記資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する未実現利益計算手段と、
を備えたことを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項2】
前記未実現利益計算手段は、プロジェクト識別情報、仕入先、商品、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して出力することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項3】
前記未実現利益計算手段は、前記資産対象商品マスタで登録されていない商品については集計しないことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項4】
前記未実現利益計算手段は、前記未実現利益計算書の「勘定名」については、前記契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品をキーとして、前記資産対象商品マスタから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品をキーとして、前記資産対象商品マスタから「未完成時勘定科目」を取得して設定することを特徴とする請求項2に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、
前記未実現利益計算書に基づいて資産情報を作成して、固定資産システムに出力する資産情報処理手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクト管理システム。
【請求項6】
前記完成時勘定科目は、ソフトウェアを含み、前記未完成時勘定科目は、ソフトウェア仮勘定を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載のプロジェクト管理システム。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置が実行するプロジェクト管理方法であって、
前記制御部は、
連結会計対象の仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタと、
資産化される商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタと、
を格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
プロジェクト識別情報、プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を前記記憶エリアに登録するプロジェクト登録工程と、
日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを前記記憶エリアに登録する原価登録工程と、
前記仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、前記連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ前記資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する未実現利益計算工程と、
を含むことを特徴とするプロジェクト管理方法。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置が実行するためのプロジェクト管理プログラムであって、
前記制御部は、
連結会計対象の仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタと、
資産化される商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタと、
を格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
プロジェクト識別情報、プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を前記記憶エリアに登録するプロジェクト登録工程と、
日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを前記記憶エリアに登録する原価登録工程と、
前記仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、前記連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ前記資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する未実現利益計算工程と、
を実行するためのプロジェクト管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、IT業界においては、ソフトウェアのパッケージ開発を連結関係にあるグループ会社内で分担して行うことが多い。その場合、一つのソフトウェアを開発するにあたり、発生費用は売買を伴うものになる。グループ会社の場合、親会社のソフトウェア仮勘定には未実現利益が含まれているため、連結ベースで見た場合、除外した金額を把握する必要がある。従来、連結会計の未実現利益を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-3320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する場合に、その取引に伴う未実現利益を早期に把握することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する場合に、その取引に伴う未実現利益を早期に把握することが可能なプロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、及びプロジェクト管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えたプロジェクト管理システムであって、前記制御部は、連結会計対象の仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタと、資産化される商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタと、を格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、プロジェクト識別情報、当該プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を前記記憶エリアに登録するプロジェクト登録手段と、日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを前記記憶エリアに登録する原価登録手段と、前記仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、前記連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ前記資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する前記未実現利益計算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記未実現利益計算手段は、プロジェクト識別情報、仕入先、商品、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して出力することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記未実現利益計算手段は、前記資産対象商品マスタで登録されていない商品については集計しないことにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記未実現利益計算手段は、前記未実現利益計算書の「勘定名」については、前記契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品をキーとして、前記資産対象商品マスタから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品をキーとして、前記資産対象商品マスタから「未完成時勘定科目」を取得して設定することにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記未実現利益計算書に基づいて資産情報を作成して、固定資産システムに出力する資産情報処理手段を備えることにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記完成時勘定科目は、ソフトウェアを含み、前記未完成時勘定科目は、ソフトウェア仮勘定を含むことにしてもよい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するプロジェクト管理方法であって、前記制御部は、連結会計対象の仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタと、資産化される商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタと、を格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、プロジェクト識別情報、当該プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を前記記憶エリアに登録するプロジェクト登録工程と、日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを前記記憶エリアに登録する原価登録工程と、前記仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、前記連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ前記資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する前記未実現利益計算工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するためのプロジェクト管理プログラムであって、前記制御部は、連結会計対象の仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタと、資産化される商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタと、を格納する記憶エリアにアクセス可能に構成されており、前記制御部において、プロジェクト識別情報、当該プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を前記記憶エリアに登録するプロジェクト登録工程と、日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを前記記憶エリアに登録する原価登録工程と、前記仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、前記連結対象仕入先マスタに登録された仕入先かつ前記資産対象商品マスタに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する前記未実現利益計算工程と、を実行するためのプロジェクト管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する場合に、その取引に伴う未実現利益を早期に把握することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施の形態に係るプロジェクト管理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、連結対象仕入先マスタの構成例を示す図である。
図3図3は、資産対象商品マスタの構成例を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの全体の処理の一例を示すフロー図である。
図5図5は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
図8図8は、本実施形態に係るプロジェクト管理システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るプロジェクト管理システム、プロジェクト管理方法、およびプロジェクト管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1:概要]
例えば、IT業界で自社資産のソフトウェア開発に自社の連結関係にある法人に外注しソフトウェア開発の一部および全部を委託することが一般的である。その場合、連結関係にある法人に支払う外注費には利益が含まれていることが想定される。要するに個社会計数値を捉えるだけではソフトウェアが完成するまでは、ソフトウェア仮勘定に連結会計上の未実現利益が内包され、ソフトウェア完成時に資産化される資産にも連結会計上の未実現利益が内包される。未実現利益を除外したソフトウェア仮勘定は、実態の金額であるため、制度連結を待たずに把握することは経営効率を向上することにつながる。
【0018】
しかしながら、従来は、複雑な連携決算で且つ四半期を待たないと、正確な仮勘定が把握できなかった。
【0019】
そこで、本実施の形態では、プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する場合に、その取引に伴う未実現利益を早期に把握することが可能なシステムを構築した。
【0020】
具体的には、本実施の形態のプロジェクト管理システムでは、従来のプロジェクト管理システム+固定資産システムにない、連結会計を意識した仕組みを構築した。各会社の利益率を設定することで未実現利益と連結上の資産金額の数字(正味資産額)を管理うることができる。プロジェクト管理システム+固定資産システムを活用することで明細単位のソフトウェア仮勘定+ソフトウェアを一元的に未実現管理して月次レベルで減価償却費も考慮した最新の金額を把握することが可能となる。
【0021】
本実施の形態のプロジェクト管理システムでは、未実現利益を管理することで固定資産システムや連結会計システムに連携する前に即座に連結上の資産金額が確認できるので、通常の連結会計システムの連結手続きを行うもより早く処理が進められるため連結決算の早期化を図ることができる。個社の固定資産管理と並行して連結上の資産金額の減価償却計算を管理することで連結会計システムに連携後、減価償却計算するよりも早い段階で数字を把握することで連結決算の早期化を図ることができる。また、連結会計システムでの連結決算の単位が月次でなくとも、プロジェクト管理システム+固定資産システムを活用することで、個社単位で月次単位での数字の把握が可能になり、早期に連結を考慮した経営数字の把握が可能となる。
【0022】
本発明のプロジェクト管理システムは、プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する業界に広く適用可能であり、例えば、IT企業、サービス業、建築業等に適用可能である。
【0023】
[2.構成]
本実施形態に係るプロジェクト管理システムの構成の一例について、図1等を参照して説明する。本実施形態に係るプロジェクト管理システムは、例えば、連結会計対象の会社と分担してプロジェクトを実行する場合の親会社において好適に使用することができる。図1は、本実施の形態に係るプロジェクト管理システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
プロジェクト管理システム100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータやワークステーション等である。
【0025】
プロジェクト管理システム100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。プロジェクト管理システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0026】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、プロジェクト管理システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、プロジェクト管理システム100とサーバ200、固定資産管理システム400、連結会計システム500とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及び、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示して、ユーザが入力装置112を操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0029】
記憶部106は、例えば、連結対象仕入先マスタ106a、資産対象商品マスタ106b、契約明細テーブル106c、仕入テーブル106d、未実現利益計算書、資産情報テーブル106e等が格納されている。図2は、連結対象仕入先マスタ106aの構成例を示す図である。図3は、資産対象商品マスタ106bの構成例を示す図である。
【0030】
連結対象仕入先マスタ106a、連結会計対象の仕入先毎の利益率を設定するためのマスタであり、図2に示すように、仕入先(仕入先CD及び/又は仕入先名)、利益率を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。仕入先CDは、主キーとなる。
【0031】
資産対象商品マスタ106bは、資産化される商品の情報を設定するためのマスタであり、図3に示すように、商品(商品CD及び/又は商品名)、完成時勘定CD、完成時勘定科目名、未成時勘定CD、未成時勘定科目名を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。仕入先CDは、主キーとなる。
【0032】
契約明細テーブル106cは、契約明細を格納するためのテーブルである。契約明細は、プロジェクト識別情報(契約明細番号及び/又は契約明細名)、直接費又は間接費の区分を指定する直間区分、直接費又は間接費を指定する区分名、部署CD、部署名、プロジェクトの完成又は未成の状態を指定する状態区分を含んでいてもよい。契約明細番号は、主キーとなる。
【0033】
仕入テーブル106dは、仕入データを格納するためのテーブルである。仕入データは、日付、伝票NO、仕入先(仕入先CD及び/又は仕入先名称)、商品(商品CD及び/又は商品名)、税抜金額、プロジェクト識別情報(契約明細番号及び/又は契約明細名)を含んでいてもよい。契約明細番号、仕入先CD、商品CDは、主キーとなる。
【0034】
資産情報テーブル106eは、資産情報を格納するためのテーブルである。資産情報は、資産番号と、資産名と、資産種類CDと、資産種類名と、税務の償却方法、耐用年数、備忘価額、正味償却方法、正味耐用年数、正味備忘価額と、会計の取得金額、償却方法、耐用年数、備忘価額、正味取得金額、正味償却方法、正味耐用年数、正味備忘価額を含んでいてもよい。
【0035】
図1に戻り、制御部102は、プロジェクト管理システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0036】
制御部102は、記憶部106に格納されている、連結対象仕入先マスタ106a、資産対象商品マスタ106b、契約明細テーブル106c、仕入テーブル106d、未実現利益計算書、資材情報テーブル106e等にアクセス可能に構成されている。なお、連結対象仕入先マスタ106a、資産対象商品マスタ106b、契約明細テーブル106c、仕入テーブル106d、未実現利益計算書、資材情報テーブル106e等は、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0037】
制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、プロジェクト登録部102bと、原価登録部102cと、未実現利益計算部102dと、資産情報処理部102eと、画面表示制御部102fと、を備えている。
【0038】
マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、連結対象仕入先マスタ106a、資産対象商品マスタ106bに対して、データの入力・追加・変更・更新等の設定を行う。
【0039】
プロジェクト登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、直接費及び間接費についての契約明細を入力して、契約明細テーブル106cに登録する。
【0040】
原価登録部102cは、仕入データ等の原価情報を登録するためのものであり、例えば、モニタ114に表示される不図示の仕入入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、仕入データを、仕入テーブル106dに登録する。
【0041】
未実現利益計算部102dは、仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、連結対象仕入先マスタ106aに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタ106bに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして連結対象仕入先マスタ106aから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する。
【0042】
未実現利益計算部102dは、さらに、プロジェクト識別情報、仕入先、商品、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して未実現利益計算書画面に表示出力すると共に記憶部106に登録する。
【0043】
また、未実現利益計算部102dは、資産対象商品マスタ106bに登録されていない商品については集計しないことにしてもよい。
【0044】
また、未実現利益計算部102dは、未実現利益計算書の「勘定名」については、契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品をキーとして、資産対象商品マスタ106bから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品をキーとして、資産対象商品マスタ106bから「未完成時勘定科目」を取得して設定することにしてもよい。
【0045】
資産情報処理部102eは、例えば、モニタ114に表示される資産情報作成画面上でのオペレータの操作に応じて、未実現利益計算書に基づいて資産情報を作成して、資産情報テーブル106eに登録すると共に、固定資産システム500に出力する。
【0046】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、プロジェクト登録画面、仕入入力画面、未実現利益計算書画面、資産情報作成画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0047】
[3.具体例]
図1図8を参照して、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0048】
(3-1.全体の処理)
図4は、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0049】
図4を参照して、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。図4において、プロジェクト登録部102bは、契約明細登録処理を実行する(ステップS1)。具体的には、契約明細登録処理では、プロジェクト登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、直接費についての契約明細を契約明細テーブル106cに登録する。また、プロジェクト登録部102bは、間接PJ登録処理を実行する(ステップS2)。具体的には、間接PJ登録処理では、プロジェクト登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、間接費についての契約明細を契約明細テーブル106cに登録する。
【0050】
原価登録部102cは、仕入入力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、仕入入力処理では、原価登録部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の仕入入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、仕入データを、仕入テーブル106dに登録する。
【0051】
未実現利益計算部102dは、未実現利益計算書出力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、未実現利益計算書出力処理では、未実現利益計算部102dは、仕入データに基づいて、契約明細番号毎に、集計を行い、まず、連結対象仕入先マスタ106aに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタ106bに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして連結対象仕入先マスタ106aから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出し、プロジェクト識別情報、仕入先、商品、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して、モニタ114に表示される未実現利益計算書画面に表示出力するとともに、記憶部106に格納する。
【0052】
この場合、連結対象仕入先マスタ106aで連結会計対象でない仕入先については、未実現利益を算出しないことにしてもよい。資産対象商品マスタ106bの資産対象商品に登録されていない商品については集計しないことにしてもよい。「勘定科目」については、契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタ106bから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタ106bから「未完成時勘定科目」を取得して設定する。
【0053】
資産情報処理部102eは、資産情報追加入力処理を実行する(ステップS5)。具体的には、資産情報入力処理では、資産情報処理部102eは、例えば、モニタ114に表示される資産情報作成画面上でのオペレータの操作に応じて、指定されるプロジェクト識別情報をキーとして、未実現利益計算書及び契約明細から参照用のデータを抽出して表示し、さらに、資産に係る情報を追記した資産情報を作成して、資産情報テーブル106eに登録する。
【0054】
資産情報処理部102eは、資産情報出力処理を実行する(ステップS6)。具体的には、資産情報処理部102eは、資産情報テーブル106eに登録した資産情報を固定資産管理システム400や連結会計システム500等の他のシステムに出力する。
【0055】
(3-2.サンプルデータ)
図5図8は、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。図5図8を参照して、本実施の形態におけるプロジェクト管理システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0056】
(マスタメンテ処理)
図5を参照して、マスタメンテ処理の具体例を説明する。マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、連結対象仕入先マスタ106a及び資産対象商品マスタ106bに対して、予めデータを設定する。
【0057】
図5(A)は、連結対象仕入先マスタ106aの設定例を示す図である。連結対象仕入先マスタ106a、図2に示すように、仕入先CD、仕入先名、利益率の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、仕入先CD「S001」、仕入先名「A社」、利益率「10%」、2行目は、仕入先CD「S002」、仕入先名「B社」、利益率「9%」、3行目は、仕入先CD「S003」、仕入先名「C社」、利益率「11%」となっている。
【0058】
図5(B)は、資産対象商品マスタ106bの設定例を示す図である。資産対象商品マスタ106bは、商品CD、商品名、完成時勘定CD、完成時勘定科目名、未成時勘定CD、未成時勘定科目名の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、商品CD「H001」、商品名「外注費(資産)」、完成時勘定CD「K001」、完成時勘定科目名「ソフトウェア」、未成時勘定CD「K002」、未成時勘定科目名「ソフトウェア仮勘定」、2行目は、商品CD「L001」、商品名「外注費(建物)」、完成時勘定CD「K101」、完成時勘定科目名「建物」、未成時勘定CD「K102」、未成時勘定科目名「建設仮勘定」となっている。
【0059】
(S1:契約明細登録処理及びS2:間接PJ登録処理)
図6を参照して、契約明細登録処理及び間接PJ登録処理の具体例を説明する。プロジェクト登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示のプロジェクト登録画面上でのオペレータの操作等に応じて、直接費及び間接費についての契約明細を入力して、契約明細テーブル106cに登録する。
【0060】
図6(A)は、契約明細テーブル106cに登録される契約明細の例を示す図である。
契約明細は、契約明細番号、契約明細名、直接費(1)又は間接費(2)の区分を指定する直間区分、直接費又は間接費を指定する区分名、部署CD、部署名、プロジェクトの完成又は未成の状態を指定する状態区分の項目を備えている。
【0061】
同図に示す例では、1行目は、直接費に関する契約明細を示しており、契約明細番号「0001」、契約明細名「PJ-01」、直間区分「1」、区分名「直接」、部署CD「B1」、部署名「システム1部」、状態区分「完成」となっている。4行目は、間接費に関する契約明細を示しており、契約明細番号「1001」、契約明細名「システム1間PJ」、直間区分「2」、区分名「間接」、部署CD「B1」、部署名「システム1部」、状態区分「未成」となっている。
【0062】
(S3:仕入入力処理)
図6を参照して、仕入入力処理の具体例を説明する。原価登録部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の仕入入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、仕入データを、仕入テーブル106dに登録する。
【0063】
図6(B)は、仕入テーブル106dに登録される仕入データのデータ例を示す図である。仕入データは、日付、伝票NO、仕入先CD、仕入先名称、商品CD、商品名、税抜金額、契約明細番号、契約明細名の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、日付「2022/4/1」、伝票NO「123456789」、仕入先CD「S001」、仕入先名称「A社」、商品CD「H001」、商品名「外注費(資産)」、税抜金額「1,000,000」、契約明細番号「0001」、契約明細名「PJ-01」となっている。
【0064】
7、8行目の仕入先「S004:D社」は、連結対象仕入先マスタ106aの連結会計対象の仕入先に登録されておらず、連結会計対象外の仕入先であるため、未実現利益計算書で未実現利益を算出しない。9~11行目の商品「H002:立替金」については、資産対象商品マスタ106bの資産対象商品に登録されておらず、資産対象外の商品であるので、未実現利益計算書で集計対象外となる。
【0065】
(S4:未実現利益計算書出力処理)
図7を参照して、未実現利益計算書出力処理の具体例を説明する。未実現利益計算部102dは、仕入データに基づいて、契約明細番号毎に、集計を行い、まず、連結対象仕入先マスタ106aに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタ106bに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして前記連結対象仕入先マスタ106aから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出し、契約明細番号、契約明細名、仕入先CD、仕入先名称、商品CD、商品名、税抜金額、税抜金額×利益率で算出した未実現利益額、税抜金額-未実現利益額で算出した正味資産額、資産対象商品マスタ106bから取得した勘定CD、勘定名を含む未実現利益計算書を作成して、モニタ114に表示される未実現利益計算書画面に表示出力するとともに、記憶部106に格納する。
【0066】
この場合、連結対象仕入先マスタ106aで連結会計対象でない仕入先については、未実現利益を算出しない。資産対象商品マスタ106bの資産対象商品に登録されていない商品については集計しない。「勘定科目」については、契約明細で、状態区分が「完成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタ106bから「完成時勘定科目」を取得して設定し、契約明細で、状態区分が「未成」の場合は、商品CDをキーとして、資産対象商品マスタ106bから「未完成時勘定科目」を取得して設定する。
【0067】
図7は、未実現利益計算書のデータ例を示す図である。未実現利益計算書は、契約明細番号、契約明細名、仕入先CD、仕入先名称、商品CD、商品名、税抜金額、未実現利益額、正味資産額、勘定CD、勘定名を備えている。
【0068】
同図に示す例では、1行目は、契約明細番号「0001」、契約明細名「PJ-01」、仕入先CD「S001」、仕入先名称「A社」、商品CD「H001」、商品名「外注費(資産)」、税抜金額「1,000,000」、未実現利益額「100,000」、正味資産額「900,000」、勘定CD「K001」、勘定「ソフトウェア」となっている。具体的には、連結対象仕入先マスタ106aで「A社」の利益率は10%であるので、未実現利益額は、税抜金額(実際に支払った金額)「1,000,000」×利益率「10%」=100,000で算出し、正味資産額は、税抜金額「1,000,000」-未実現利益額「100,000」=900,000で算出する。勘定名は、契約明細で、状態区分が「完成」であるので、商品CD「H001:外注費(資産)」をキーとして、資産対象商品マスタ106bから完成時勘定科目「ソフトウェア」を取得して設定する。
【0069】
同図に示す例では、連結対象仕入先マスタ106aで連結会計対象に登録されていない「D社」については、未実現利益を算出しない。資産対象商品マスタ106bの資産対象商品に登録されていない商品「立替金」については集計しない。なお、1行~3行目については、契約明細で、状態区分が「完成」であるので、商品CD「H001:外注費(資産)」をキーとして資産対象商品マスタ106bから取得した完成時勘定科目「ソフトウェア」を「勘定名」に設定する。4行目以降については、契約明細で、状態区分が「未成」であるので、商品CD「H001:外注費(資産)」をキーとして資産対象商品マスタ106bから取得した未成時勘定科目「ソフトウェア仮勘定」を「勘定名」に設定する。
【0070】
(S5:資産情報追加入力処理)
図8を参照して、資産情報追加入力処理の具体例を説明する。資産情報処理部102eは、例えば、モニタ114に表示される資産情報作成画面上でのオペレータの操作に応じて、指定される契約番号をキーとして、未実現利益計算書及び契約明細から参照用のデータを抽出して表示し、さらに、資産に係る情報を追記した資産情報を作成して、資産情報テーブル106eに登録する。
【0071】
図8(A)は、契約番号をキーとして、未実現利益計算書及び契約明細から抽出した参照用のデータの例を示す図である。担当者は、参照用のデータを参照して資産に係る情報を追記して、資産情報を作成する。
【0072】
資産情報作成画面では、参照用のデータとして、図8(A)に示すように、契約明細番号、契約明細名、勘定CD、勘定名、取得金額、正味資産額、部署CD、部署名の項目が表示される。同図に示す例は、契約明細番号「0001」を指定した場合の例を示している。
【0073】
図8(B)は、作成する資産情報の例を示す図である。資産情報作成画面では、資産番号と、資産名と、資産種類CDと、資産種類名と、税務の償却方法、耐用年数、備忘価額、正味償却方法、正味耐用年数、正味備忘価額と、会計の取得金額、償却方法、耐用年数、備忘価額、正味取得金額、正味償却方法、正味耐用年数、正味備忘価額の項目が表示される。取得金額、正味取得金額は、自動表示される。オペレータは、金額以外の項目を入力して、不図示の登録ボタンを押すと、例えば、図8(B)に示すような資産情報が資産情報テーブル106eに登録される。
【0074】
(S6:資産情報出力処理)
図8を参照して、資産情報出力処理の具体例を説明する。資産情報処理部102eは、資産情報テーブル106eに登録した資産情報を固定資産管理システム400へ連携して出力し、また、連結会計システム500等の他のシステムに出力する。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態によれば、連結会計対象の仕入先毎の利益率を設定するためのマスタであり、仕入先と利益率を関連付けて登録した連結対象仕入先マスタ106aと、資産化される商品の情報を設定するためのマスタであり、商品、完成時勘定科目、未成時勘定科目を関連付けて登録した資産対象商品マスタ106bと、プロジェクト識別情報、当該プロジェクトの完成又は未成を指定する状態区分を含む契約明細を記憶部106に登録するプロジェクト登録部102bと、日付、伝票番号、仕入先、商品、税抜金額、プロジェクト識別情報を含む仕入データを記憶部106に登録する原価登録部102cと、仕入データに基づいて、プロジェクト識別情報毎に、集計を行い、連結対象仕入先マスタ106aに登録された仕入先かつ資産対象商品マスタ106bに登録された商品については、税抜金額に当該仕入先をキーとして連結対象仕入先マスタ106aから取得した利益率を乗じた未実現利益額を算出する未実現利益計算部102dを備えているので、プロジェクトを連結対象内の企業で分担して実行する場合に、その取引に伴う未実現利益を早期に把握することが可能となる。
【0076】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0079】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、プロジェクト管理システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、プロジェクト管理システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてプロジェクト管理システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0084】
また、このコンピュータプログラムは、プロジェクト管理システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、プロジェクト管理システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、プロジェクト管理システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0090】
100 プロジェクト管理システム
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b プロジェクト登録部
102c 原価登録部
102d 未実現利益計算部
102e 資産情報処理部
102f 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 連結対象仕入先マスタ
106b 資産対象商品マスタ
106c 契約明細テーブル
106d 仕入テーブル
106e 資産情報テーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 固定資産管理システム
500 連結会計システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8