(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001416
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】荷物保持装置
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20231227BHJP
E05B 73/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
A47G29/122 Z
E05B73/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100032
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】522251087
【氏名又は名称】遠藤 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 慎太郎
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA12
3K100CA45
3K100CA48
3K100CC01
3K100CC05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】配送荷物の形状に対してよりフレキシブルに対応可能な荷物保持装置を提供する。
【解決手段】荷物保持装置(1)は、配送荷物を保持する荷物保持体(10)を備える。荷物保持体(10)は、複数のワイヤー(11、12)と、複数のワイヤーの其々を巻き取るリール(13、14)と、ワイヤーロック(16)と、を備え、ワイヤーロックは、施錠状態では複数のワイヤーの全てについてリールからの繰り出し及び巻き取りを禁止し、解錠状態では複数のワイヤーの全てについてリールからの繰り出し及び巻き取りを許可する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送荷物を保持する荷物保持体を備え、
前記荷物保持体は、
複数のワイヤーと、
前記複数のワイヤーの其々を巻き取るリールと、
ワイヤーロックと、を備え、
前記ワイヤーロックは、施錠状態では前記複数のワイヤーの全てについて前記リールからの繰り出し及び巻き取りを禁止し、解錠状態では前記複数のワイヤーの全てについて前記リールからの繰り出し及び巻き取りを許可する、
ことを特徴とする荷物保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷物保持装置において、
前記荷物保持体を固定された物体に接続する接続体を更に備え、
前記接続体は伸縮自在な長尺部材により構成される、
ことを特徴とする荷物保持装置。
【請求項3】
請求項2に記載の荷物保持装置において、
前記接続体の一端部は前記荷物保持体に固定され、他端部は力が加わると変形する変形部材が備えられ、
前記変形部材は、前記変形部材に力が加わった状態における厚みは、前記変形部材に力が加わらない状態における厚みよりも薄い、
ことを特徴とする荷物保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送荷物の受取人への手渡しを伴わない配送荷物の受け渡しに好適な荷物保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配送業者が配送した配送荷物をドアの取っ手に接続して盗難を防止する配送荷物保管装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の配送荷物保管装置は、袋状の配送荷物収容体に配送荷物を収容してドアに取り付けるため、縦長の段ボール、横長の段ボールなど配送荷物の形状によっては配送荷物収容体に収容できず、不在時の配達ができないという課題がある。
【0005】
本発明は、配送荷物の形状に対してよりフレキシブルに対応可能な荷物保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点における荷物保持装置は、配送荷物を保持する荷物保持体を備え、前記荷物保持体は、複数のワイヤーと、前記複数のワイヤーの其々を巻き取るリールと、ワイヤーロックと、を備え、前記ワイヤーロックは、施錠状態では前記複数のワイヤーの全てについて前記リールからの繰り出し及び巻き取りを禁止し、解錠状態では前記複数のワイヤーの全てについて前記リールからの繰り出し及び巻き取りを許可する、ことを特徴とする。
【0007】
好適には、前記荷物保持体を固定された物体に接続する接続体を更に備え、前記接続体は伸縮自在な長尺部材により構成される。
【0008】
さらに好適には、前記接続体の一端部は前記荷物保持体に固定され、他端部は力が加わると変形する変形部材が備えられ、前記変形部材は、前記変形部材に力が加わった状態における厚みは、前記変形部材に力が加わらない状態における厚みよりも薄い。
【発明の効果】
【0009】
本発明における荷物保持装置によって配送荷物の形状に対してよりフレキシブルに対応可能な荷物保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る荷物保持装置の正面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る荷物保持装置をポストに吊り下げた状態を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る荷物保持装置で荷物を保持した状態を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の正面から背面に向かう視点による斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の上面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の背面図である。
【
図8】発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の第3ワイヤーの繰り出し口を含む周方向側面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の左側面を含む斜視図であって、ワイヤーロックの施錠状態を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の左側面を含む斜視図であって、ワイヤーロックの解錠状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。全図において同一の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る荷物保持装置の正面図である。
【0013】
図1に示す荷物保持装置1は、荷物保持体10と接続体20とを備える。
【0014】
荷物保持体10は、第1ワイヤー11、第2ワイヤー12、第1リール13、第2リール14、リールホルダ15、ワイヤーロック16を備える。
【0015】
リールホルダ15は、第1リール13、第2リール14、第3リール22を収容する。
【0016】
第1ワイヤー11の一端部はリールホルダ15の外表面に固定され、他端部は第1リール13の巻取軸に固定される。よって、第1ワイヤー11の一端部から他端部にかけて第1ループ11LPを形成する。
【0017】
第2ワイヤー12の一端部は、リールホルダ15の外表面に固定され、他端部は第2リール14の巻取軸に固定される。よって、第2ワイヤー12の一端部から他端部にかけて第2ループ12LPを形成する。
【0018】
第1ループ11LP及び第2ループ12LPは必ずしも交差しなくてもよいが、交差させると配送荷物を保持させた際に配送荷物の下面で第1ループ11LP及び第2ループ12LPの交差点を下面中央に位置させることで、交差しない場合と比べてより安定して配送荷物を保持させることができる。
【0019】
第1リール13及び第2リール14の其々は別体に構成される。これにより、第1ワイヤー11の繰り出し長さと、第2ワイヤー12の繰り出し長さとを変えることができるので、第1ループ11LPのループ長と第2ループ12LPのループ長とを変えることができる。これにより、配送荷物の大きさや形に対してより自由度が高く第1ループ11LPのループ長と第2ループ12LP長を調整することができる。
【0020】
リールホルダ15の上面には接続体20が備えられる。
【0021】
接続体20は、第3ワイヤー21、第3リール22、変形部材23を含む。
【0022】
第3ワイヤー21の一端部(開放端部)には、変形部材23が取り付けられ、他端部は第3リール22の巻取軸に固定される。よって、第3ワイヤー21の長さは、第3リール22の巻取量及び繰り出し量によって伸縮自在である。
【0023】
変形部材23は、ワイヤーを同心円状に複数巻いて形成したばねである。具体的には、変形部材23の一端部は最も半径が小さい円形状に形成し、それから半径を段階的に大きくした円を複数回巻いて形成される。
【0024】
図2は、変形部材23の変形状態を示す説明図である。
【0025】
変形部材23は、力が加わると変形する部材である。
【0026】
図2において、変形部材23に力を加えていない場合の変形部材の厚さをdとし、変形部材23を押しつぶす方向に力を加えた状態の厚さをd1とすると、d1はdよりも薄い。よって、例えば厚さd1よりは大きく、厚さdよりは小さい投函口を有するポストに変形部材23を押しつぶした状態で投函すると、ポスト91内で変形部材23の厚さがdに復元するため、変形部材23はポストの投函口から取り出せなくなる。これにより、変形部材23に連結する第3ワイヤー21を介して荷物保持体10をポストに固定することができる。
【0027】
更に
図1に示すように、リールホルダ15の上面には、ワイヤーロック16を備える。
【0028】
ワイヤーロック16は、施錠状態では第1ワイヤー11の第1リール13からの繰り出しを禁止すると共に、第2ワイヤー12の第2リール14からの繰り出しを禁止する。
【0029】
またワイヤーロック16は、解錠状態では第1ワイヤー11の第1リール13からの繰り出しを許可すると共に、第2ワイヤー12の第2リール14からの繰り出しを許可する。
【0030】
第1ワイヤー11の第1リール13への巻取り及び第2ワイヤー12の第2リール14への巻取りは、ワイヤーロック16による施錠状態及び解錠状態を問わず可能としてもよい。
【0031】
又は第1ワイヤー11の第1リール13への巻取り及び第2ワイヤー12の第2リール14への巻取りは、ワイヤーロック16による解錠状態においてのみ可能としてもよい。
【0032】
即ち、ワイヤーロック16は、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の繰り出しの禁止及び許可を行えればよい。
【0033】
また、ワイヤーロック16は、第3ワイヤー21の第3リール22からの繰り出しの許可及び禁止を制御してもよい。即ちワイヤーロック16が施錠状態では第3ワイヤー21の第3リール22からの繰り出しを禁止してもよい。巻取りは、施錠状態及び解錠状態を問わずできるようにしてもよいし、解錠状態のみで巻取が可能としてもよい。
【0034】
図1に示す荷物保持装置1のワイヤーロック16は、0から9までの数字が記載されたダイヤルを3桁備え、予め定められた3桁の数字列が揃ったときのみ、第1ワイヤー11、第2ワイヤー12、及び第3ワイヤー21の繰り出しを許可する。予め定められた3桁の数字列は、配送業者と荷受人とで予め決めておくと、配送業者及び荷受人のみが施錠及び解錠が行える。
【0035】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る荷物保持装置をポストに吊り下げた状態を示す図である。
【0036】
共同住宅のロビーなどに設置された集合ポスト90は、複数の家庭のポスト91を含む。
【0037】
ポスト91の投函口92は、厚さd1の物体は投函が可能であり厚さdの物体は投函ができない、換言するとポスト91内から外へ取り出せない大きさの開口部として形成される。
【0038】
荷物保持装置1のユーザは、自宅のポスト91の投函口92から、変形部材23を押しつぶしてポスト91内に投函する。そして第3ワイヤー21を第3リール22で可能な限り巻き取っておく。第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12も可能な限り巻き取っておく。これにより、荷物が配送されるまで自宅のポスト91に荷物保持装置1を吊り下げておくことができる。
【0039】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る荷物保持装置で荷物を保持した状態を示す図である。
【0040】
配送業者は、配送荷物93を荷物保持装置1に取り付けることで不在配達が行える。
【0041】
そして配送業者はワイヤーロック16を解錠して、第3ワイヤー21を第3リール22から繰り出し、配送荷物93の床面94に載置した状態で配送荷物93に第1ループ11LPを配送荷物93の第1の周方向(縦方向)に、第2ループ12LPを配送荷物93の第2の周方向(横方向)にかける。
【0042】
そして第1ループ11LP及び第2ループ12LPになるべくたわみが出ないように第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の長さを調整し、ワイヤーロック16を施錠する。
【0043】
これにより、配送荷物93の第1の周方向(縦方向)及び第2の周方向(横方向)を第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12のそれぞれに遊びがない状態で保持できる。そしてワイヤーロック16が施錠中は第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の長さ調整ができないため、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を緩めることができず配送荷物93から第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を外せないため、盗難を防止できる。
【0044】
荷受人は、ワイヤーロック16を解錠し、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を緩めて配送荷物93を第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12から外すことができる。その後、第1ワイヤー11、第2ワイヤー12、及び第3ワイヤー21を第1リール13、第2リール14、及び第3リール22の其々で巻取ると
図3に示すようにポスト91に荷物保持装置1を吊り下げた状態に戻る。そしてワイヤーロック16を再び施錠する。
【0045】
第1の実施形態によれば、配送荷物93の形状や大きさに応じて第1ループ11LP及び第2ループ12LPのループ長を調整できるので、保持できる配送荷物93の形状や大きさの自由度を増すことができる。
【0046】
また、ワイヤーロック16で施錠することにより第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の繰り出しを禁止することで、ワイヤーロック16を解錠できる者、例えば荷受人及び配送業者のみが第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の長さを調整できる。よって第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を用いて保持した配送荷物93の第三者による盗難を防止できる。
【0047】
また、変形部材23をポストに投函すれば荷物保持装置1をポストに吊り下げられる。よって、集合住宅に設置された集合ポストを使って不在時の荷受が可能となる。
【0048】
また、初回に荷物保持装置1を用いる際は、配送業者が荷物保持装置1を用いて配送荷物93を保持し、変形部材23をポストに投函することで、配送荷物93を荷受人のポストに固定することができる。よって、オートロックが設置された集合住宅のように荷受人宅のドアや柱にアクセスできない状況でも、配送業者と荷受人との間で不在受取に先立って荷物保持装置1の受け渡しをすることなく配送荷物93の不在時の受取が可能となる。その際は、例えばワイヤーロック16を解錠するための3桁の番号を記載したメモを変形部材23と共に荷受人宅のポスト91に投函して置けば、荷受人はワイヤーロック16を解錠することができる。
【0049】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態と異なるワイヤーロックを備えた荷物保持装置に関する。
【0050】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の正面から背面に向かう視点による斜視図である。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の上面図である。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の背面図である。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の第3ワイヤーの繰り出し口を含む周方向側面図である。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の左側面を含む斜視図であって、ワイヤーロックの施錠状態を示す図である。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る荷物保持装置の左側面を含む斜視図であって、ワイヤーロックの解錠状態を示す図である。
【0051】
図5から
図10に示す第2の実施形態に係る荷物保持装置1aにおいて、第1の実施形態に係る荷物保持装置1と同様の構成には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0052】
荷物保持装置1aが第1の実施形態の荷物保持装置1とは、変形部材23aの形状及びワイヤーロック160に相違点がある。
【0053】
荷物保持装置1aの変形部材23aは、ワイヤーを複数回巻いて形成したばね状に形成される。より具体的には一端部に最小半径の円形状を形成し、次に半径を段階的に小さくした円を3周形成し、更に半径を段階的に小さくした円を2周形成し、他端部は上記一端部に形成した円と同じ円形状に形成する。
【0054】
荷物保持装置1aの変形部材23aも第1の実施形態の変形部材23と同様、
図2に示すように変形部材23aを押しつぶす方向に力を加えると厚さd1となり、力を加えていない状態の厚さdよりも薄く変形する。これにより、第1実施形態と同様、投函口の高さがd1よりも大きく、dよりも小さいポストに変形部材23aを押しつぶした状態で投函すると、ポスト91内で変形部材23aが厚さdに復元して投函口から取り出せなくなる。よって、荷物保持装置1aをポストに取り付けることができる。
【0055】
ワイヤーロック160は、ロックプレート161、第1フック162、第2フック163、及び南京錠164を含む。
【0056】
ロックプレート161は、リールホルダ15の外周に備えられる。好ましくはリールホルダ15の外周に沿った曲面で形成される。
【0057】
ロックプレート161は、一対のアーム161amを備える。
【0058】
各アーム161amは、回転軸161rを中心としてリールホルダ15の左側面及び右側面の其々に回転可能に取り付けられる。これにより回転軸161rを回転中心として、ロックプレート161がリールホルダ15の外周に沿って回転移動する。
【0059】
ロックプレート161には、半環状の第1フック162が形成される。
【0060】
リールホルダ15の外周には、半環状の第2フック163が形成される。
【0061】
ロックプレート161には、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を通すための第1ワイヤー孔161h1、第2ワイヤー孔161h2(
図6参照)が形成される。
【0062】
リールホルダ15には、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を通すための第1ワイヤー孔15h1、第2ワイヤー孔15h2(
図9参照)が形成される。
【0063】
ワイヤーロックを施錠する際には、
図9に示すように第1フック162及び第2フック163が隣接するようにロックプレート161を回転させ、第1フック162及び第2フック163に南京錠164をかける。これにより、南京錠164を解錠しないかぎり、ロックプレート161が回転できなくなる。
【0064】
南京錠164としてカラビナの南京錠を用いてもよいし、ダイヤルロックだけではなく、錠前キーを用いた南京錠でもよい。
【0065】
ワイヤーロック160の施錠状態では、第1ワイヤー孔15h1、第2ワイヤー孔15h2から繰り出された第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12が、リールホルダ15の外周とロックプレート161との間に挟まれた後、ロックプレート161の第1ワイヤー孔161h1、第2ワイヤー孔161h2のそれぞれから繰り出されている。そのため、リールホルダ15の外周とロックプレート161との間に挟まれるので、この状態では第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12を引っ張っても第1リール13及び第2リール14から繰り出すことができず、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の長さを変えることができない。
【0066】
ワイヤーロック160を解錠する際には、
図10に示すように南京錠164を取り外し、ロックプレート161を第1フック162及び第2フック163が離反する方向に回転させて、ロックプレート161の第1ワイヤー孔161h1とリールホルダ15の第1ワイヤー孔15h1、及びロックプレート161の第2ワイヤー孔161h2とリールホルダ15の第2ワイヤー孔15h2を重ねる。
【0067】
これにより、第1ワイヤー11を引っ張れば第1リール13から繰り出せると共に、第2ワイヤー12を引っ張れば第2リール14から繰り出せるので、第1ワイヤー11及び第2ワイヤー12の長さを変えることができ、配送荷物93を荷物保持装置1aから取り外すことができる。
【0068】
第2実施形態によれば、第1実施形態のワイヤーロック16と比べてより簡易な構成のワイヤーロック160を提供することができる。
【0069】
上記各実施形態は、本発明を限定する趣旨ではなく、本発明の要旨を変更しない変形例は本発明に含まれる。
【0070】
例えば、ワイヤーロック16は上記に限定されない。一例として、
図7に示すリールホルダ15の左側面に鍵穴を設け、当該鍵穴に挿入可能な鍵を形成する。そして会穴に鍵をいれて回すと第1リール13、第2リール14、第3リール22の全ての回転を禁止するように施錠できるようにワイヤーロック16を構成してもよい。
【0071】
その場合、配送業者は
図4に示すように配送荷物93を荷物保持装置1aに取り付けた後、鍵を鍵穴に挿入してワイヤーロック16を施錠し、鍵をポスト91内に投函する。
【0072】
荷受人は、ポストから鍵を取り出して鍵穴に挿入しワイヤーロック16を解錠することで第1リール13、第2リール14、第3リール22からの繰り出し及び巻取が可能となり配送荷物93を荷物保持装置1aから取り外すとともに、荷物保持装置1aを
図2に示すようにポストに吊り下げることができる。
【0073】
また上記では集合ポストを例に挙げて説明したが玄関のドアポストでもよい。
【0074】
また、変形部材を用いず鍵付きのチェーンで柱やドアノブなどの固定部材に荷物保持装置1、1aを接続してもよい。
【0075】
更にワイヤーロック16は、電子ロックでもよく、第1リール13及び第2リール14の繰り出しを禁止できる機構であればどのようなロック機構でも採用することができる。
【0076】
本発明の、構造、システム、プログラム、材料、各部材の連結、科学物質、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0077】
材質も、金属、プラスチック、FRP、木材、コンクリート等を自由に選択することが可能である。
【0078】
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
【0079】
また、上記実施形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態の1つにすぎない。
【0080】
また、制御などは、より上位の制御部分によって制御されても良いし、より末端の制御部分によって制御されても良い。
【0081】
また、制御の順序なども、所定の効果を有するのであれば、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 :荷物保持装置
1a :荷物保持装置
10 :荷物保持体
11 :第1ワイヤー
11LP :第1ループ
12 :第2ワイヤー
12LP :第2ループ
13 :第1リール
14 :第2リール
15 :リールホルダ
15h1 :第1ワイヤー孔
15h2 :第2ワイヤー孔
16 :ワイヤーロック
20 :接続体
21 :第3ワイヤー
22 :第3リール
23 :変形部材
23a :変形部材
90 :集合ポスト
91 :ポスト
92 :投函口
93 :配送荷物
94 :床面
160 :ワイヤーロック
161 :ロックプレート
161am :アーム
161h1 :第1ワイヤー孔
161h2 :第2ワイヤー孔
161r :回転軸
162 :第1フック
163 :第2フック
164 :南京錠
d :厚さ
d1 :厚さ