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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141605
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】包装シート及び包装方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/24 20060101AFI20241003BHJP
   B65D 59/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D5/24
B65D59/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053345
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】毒島 早也人
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AA07
3E060AB15
3E060BA05
3E060CC19
3E060CG12
3E060DA30
3E066AA21
3E066BA06
3E066CA03
3E066HA01
3E066JA23
3E066LA30
3E066NA48
(57)【要約】
【課題】処理負担や環境負荷を軽減しつつ、利便性を向上させた包装シート及び包装方法を提供する。
【解決手段】被包装体Zを包装するための包装シートXであって、被包装体Zの外形状に沿って被包装体Zを被覆するシート本体1を備え、シート本体1は、被包装体Zの少なくとも一部に当接する主部11と、主部11の周縁から延設された延設部12と、を有し、延設部12には、シート本体1の展開状態において、その内側から外側に向かって延びる複数の山折り線L2a及び谷折り線L2bが形成され、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bは、交互に隣接配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装体を包装するための包装シートであって、
前記被包装体の外形状に沿って前記被包装体を被覆するシート本体を備え、
前記シート本体は、前記被包装体の少なくとも一部に当接する主部と、前記主部の周縁から延設された延設部と、を有し、
前記延設部には、前記シート本体の展開状態において、その内側から外側に向かって延びる複数の山折り線及び谷折り線が形成され、
前記各山折り線及び前記各谷折り線は、交互に隣接配置されている、包装シート。
【請求項2】
前記延設部は、前記被包装体が前記シート本体により被覆された状態で、前記各山折り線及び前記各谷折り線により、少なくとも一部が蛇腹折りされて前記被包装体の外方に配置される、請求項1に記載の包装シート。
【請求項3】
前記各山折り線に沿って、山折り線用目印が形成され、
前記各谷折り線に沿って、谷折り線用目印が形成されている、請求項1に記載の包装シート。
【請求項4】
前記山折り線用目印は罫線であり、前記谷折り線用目印はミシン目である、請求項3に記載の包装シート。
【請求項5】
前記延設部の内面には、前記各山折り線及び前記各谷折り線によって区画された複数の領域が形成され、
前記各領域において、隣接する前記領域には異なる色が付されている、請求項1に記載の包装シート。
【請求項6】
前記被包装体を被覆した前記シート本体の外周面を囲うスリーブを備える、請求項1~5の何れかに記載の包装シート。
【請求項7】
請求項1に記載の包装シートを用いた包装方法であって、
前記延設部の各山折り線及び前記各谷折り線に沿って折り目を付ける工程と、
前記被包装体を前記シート本体により被覆する工程と、
前記延設部の少なくとも一部を蛇腹折り状態として前記被包装体の外方に配置する工程と、を含む、包装方法。
【請求項8】
底面を有する略柱状の被包装体に対して、前記シート本体を、前記底面の略中央から所定の領域に亘って当接した状態で被覆する、請求項7に記載の包装方法。
【請求項9】
前記被包装体に対して、前記シート本体を、前記底面の周縁に所定の空間を形成した状態で被覆する、請求項8に記載の包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装シート及び包装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、製品を包装する際、特に製品が衝撃に弱い物品である場合には、これへの対策として、包装体の内部に緩衝材を収容することが広く行われてきた。
【0003】
このところ、緩衝材は、製品を包装体から取出した後、廃棄されることが通常であることから、製品の受け手にとって、緩衝材は無駄なゴミとなり、処分の手間が増えるばかりか、環境にとっても優しいものではない。
【0004】
このような問題点を解決するために、特許文献1には、内部に水分を含有する物体を収容可能に組立形成され、使用時の取扱いを容易にし、使用後はリサイクルが容易な、包装体に関する発明が記載されている。
【0005】
この包装体は、箱状に組立形成することで、その内周面に、積層された緩衝部分が形成されることで、別途緩衝材を収容することを不要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-335361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の包装体は、図面等にも記載のように、所定の剛性を有する板紙から構成される箱体であることから、特に複数の包装体を廃棄する際に嵩張り、やはり受け手にとっての処理負担、環境負荷の面で課題がある。
【0008】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、処理負担や環境負荷を軽減し、利便性を向上させた包装シート及び包装方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、被包装体を包装するための包装シートであって、
前記被包装体の外形状に沿って前記被包装体を被覆するシート本体を備え、
前記シート本体は、前記被包装体の少なくとも一部に当接する主部と、前記主部の周縁から延設された延設部と、を有し、
前記延設部には、前記シート本体の展開状態において、その内側から外側に向かって延びる複数の山折り線及び谷折り線が形成され、
前記各山折り線及び前記各谷折り線は、交互に隣接配置されている。
【0010】
本発明によれば、使用者は、被包装体を包装する際、各山折り線及び各谷折り線に沿って、スムーズな包装が可能となる。
また、これに加え、使用者は、被包装体を取出した後は、シート本体について、丸める等容易にコンパクトな形態とした上で、廃棄することが可能である。
即ち、シート本体により被覆する構成により、後処理が容易であり、箱体に比して材料等の面から製作性も良好で、環境負荷の軽減に資する。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記延設部は、前記被包装体が前記シート本体により被覆された状態で、前記各山折り線及び前記各谷折り線により、少なくとも一部が蛇腹折りされて前記被包装体の外方に配置される。
【0012】
このような構成とすることで、蛇腹折りされた部分が緩衝機能を発揮し、衝撃に弱い被包装体の包装に好適に用いることが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記各山折り線に沿って、山折り線用目印が形成され、前記各谷折り線に沿って、谷折り線用目印が形成されている。
【0014】
このような構成とすることで、本包装シートの製造時(折り目を付ける段階)において、使用者(製造者)は、山折り線か谷折り線かを容易に識別することができ、シート本体に対して迅速に、適切な折り目を付けることが可能となる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記山折り線用目印は罫線であり、前記谷折り線用目印はミシン目である。
【0016】
このような構成とすることで、それぞれの目印を付する作業を容易とし、蛇腹折りされた際、ミシン目は蛇腹折りされた部分の外部に露出しないため、ミシン目の不意の破断を防止することが可能となる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記延設部の内面には、前記各山折り線及び前記各谷折り線によって区画された複数の領域が形成され、前記各領域において、隣接する前記領域には異なる色が付されている。
【0018】
このような構成とすることで、本包装シートの製造時製造時(折り目を付ける段階)において、使用者(製造者)は、山折り線或いは谷折り線が形成されている位置を、外観で容易に識別することができ、シート本体に対して迅速に、適切な折り目を付けることが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記被包装体を被覆した前記シート本体の外周面を囲うスリーブを備える。
【0020】
このような構成とすることで、被包装体を包装した状態における、シート本体の不意の展開を防止し、被包装体を好適にパッケージングすることが可能となる。
【0021】
また、本発明は、上記の包装シートを用いた包装方法であって、
前記延設部の各山折り線及び前記各谷折り線に沿って折り目を付ける工程と、
前記被包装体を前記シート本体により被覆する工程と、
前記延設部の少なくとも一部を蛇腹折り状態として前記被包装体の外方に配置する工程と、を含む。
【0022】
本発明によれば、蛇腹折りされた部分に緩衝機能を発揮させ、衝撃に弱い被包装体を好適に包装にすることが可能となる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、底面を有する略柱状の被包装体に対して、前記シート本体を、前記底面の略中央から所定の領域に亘って当接した状態で被覆する。
【0024】
このような構成とすることで、例えば、被包装体について、展示や店頭への陳列等を行う際に、包装された状態で、所定の載置面に立設させることが可能となる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記被包装体に対して、前記シート本体を、前記底面の周縁に所定の空間を形成した状態で被覆する。
【0026】
このような構成とすることで、蛇腹折りされた部分に加え、底面の周縁に加わる衝撃に対しても緩衝機能を発揮させることが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、処理負担や環境負荷を軽減しつつ、利便性を向上させた包装シート及び包装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態1に係る包装シートの内面を示す展開図である。
図2】本発明の実施形態1に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図3】本発明の実施形態1に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図4】本発明の実施形態1に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図5】本発明の実施形態1に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図6】本発明の実施形態1に係る包装シートにより包装された被包装体を示す図であって、(a)正面図、(b)平面図、(C)PP´線断面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る包装シートの内面を示す展開図である。
図8】本発明の実施形態2に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図9】本発明の実施形態2に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図10】本発明の実施形態2に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図11】本発明の実施形態2に係る包装シートを用いて被包装体を包装する流れを説明するための斜視図である。
図12】本発明の実施形態2に係る包装シートにより包装された被包装体を示す図であって、(a)正面図、(b)平面図、(C)QQ´線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
以下、図1図6を用いて、本発明の実施形態1に係る包装シートについて説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号Xは、本実施形態に係る包装シートを示す。
【0030】
図1に示すように、包装シートXは、被包装体Z(図2等参照)の外形状に沿って被包装体Zを被覆するシート本体1を備えている。
なお、各図において、シート本体1の外周縁を極太実線にて示している。
また、図1において、x軸方向を左右方向、y軸方向を上下方向とする。
【0031】
シート本体1は、被包装体Zの少なくとも一部に当接する主部11と、主部11の周縁から延設された延設部12と、を有している。
また、シート本体1は、複数の略直線状の外周縁により、略左右対称の外形状となされている。
【0032】
なお、シート本体1は、柔軟性のある紙素材で形成される。特に、ケント紙に樹脂シートをラミネートすることが好ましく、これにより、シート本体1の強度と柔軟性を両立させることができる。
【0033】
主部11は、上下方向に延びて構成され、シート本体1全体における略中央に配置されている。
また、主部11における折り線に沿って形成される折り線用目印L1(以下では、単に折り線L1と称する)は、全て罫線である。
なお、各図において、折り線L1を細実線で示し、主部11と延設部12との境界線を二点鎖線で示している。
【0034】
延設部12は、主部11における左右両縁の上下方向略全長に亘って、左右方向に延設されることで、一対形成されている。
【0035】
また、延設部12には、シート本体1の展開状態において、その内側から外側(主部11と延設部12との境界部分からシート本体1の外周縁)に向かって延びる複数の山折り線及び谷折り線が形成されている。
そして、各山折り線に沿って、山折り線用目印L2aが形成され、各谷折り線に沿って、谷折り線用目印L2bが形成されている。本実施形態において、山折り線用目印L2aは罫線であり、谷折り線用目印L2bはミシン目である。
なお、以下では、各山折り線用目印L2aは、単に各山折り線L2aと称し、各谷折り線用目印L2bは、単に各谷折り線L2bと称する。
【0036】
ここで、図1にて一点鎖線で示す仮想線Kでもって、各延設部12を、各上方延設部12a及び各下方延設部12bとで区分けする。
そして、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bは、各上方延設部12a及び各下方延設部12bにおいて、交互に隣接配置されている。
なお、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bの配置箇所についても、各延設部12と同様に略左右対称である。
【0037】
さらに、延設部12の内面には、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bによって区画された複数の領域Rが形成され、各領域Rにおいて、隣接する領域Rには異なる色が付されている。
なお、本実施形態において、各領域Rには、白色と薄い灰色が交互に付されている例を示しているが、隣接する領域Rに異なる色が付されていれば、その色彩は特に限定されない。
【0038】
以下、図2図5を用いて、上記した構成のシート本体1を用いた包装方法について説明する。
本実施形態における被包装体Zは、例えば化粧品のレフィル等、ボトル状の容器Bが嵌め込まれた、側面が台形の略四角柱状体である。
【0039】
まず、使用者は、各延設部12について、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bによって、山折り及び谷折りの折り目を付けておく。
【0040】
次に、使用者は、図2に示すように、被包装体Zにおける表面積が最も大きい底面を、主部11における最も表面積が広い略長方形状の領域に収まるように、シート本体1の内面に載置する。
【0041】
次に、使用者は、図3(a)に示すように、各上方延設部12aを、これが延設された主部11と共に折曲げる(矢印a)。
【0042】
次に、使用者は、図3(b)に示すように、各上方延設部12aを、これが延設された主部11と共に、被包装体Zの上面(容器Bが嵌め込まれている側)に向かって折畳む(矢印b)。
これにより、各上方延設部12aが、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bにより自然と蛇腹折りされ、主部11と共に、被包装体Zの上面上方を被覆する。
【0043】
次に、使用者は、図4(a)に示すように、各下方延設部12bを、これが延設された主部11と共に上方に折曲げる(矢印c)。
【0044】
次に、使用者は、図4(b)に示すように、各下方延設部12bを、これが延設された主部11と共に、被包装体Zの上面に向かって折畳む(矢印d)。
これにより、各下方延設部12bが各山折り線L2a及び各谷折り線L2bが自然と蛇腹折りされ、主部11と共に、被包装体Zの上面下方を被覆する。
【0045】
次に、使用者は、図5(a)に示すように、左右の延設部12をそれぞれ、被包装体Zの上面に向かって折畳む(矢印e)。
【0046】
最後に、使用者は、包装シートXが備えるスリーブ2に、被包装体Zを被覆したシート本体1を挿通させ(矢印f)、図5(b)に示すように、スリーブ2がシート本体1の外周面を囲う状態とすることで、包装作業が完了する。
【0047】
ここで、シート本体1は、表面積が最も大きい底面の他、下方の底面や上方の底面について、その略全面に当接した状態で、被包装体Zを被覆する。
このため、使用者は、図6(a)に示すように、被包装体Zがシート本体1に被覆された状態で、所定の載置面Wに、下方の底面(或いは上方の底面)を下にして載置することができる。
【0048】
また、シート本体1は、図6(c)に示すように、被包装体Zを、その上方及び下方の底面の周縁に所定の空間Sを形成した状態で被覆する。
即ち、主部11において、上方及び下方の底面に当接する面の表面積は、各底面の表面積よりもやや大きくなるように構成されている。
なお、図6(c)では、シート本体1において、被包装体Zの側面や底面に当接している部分の断面のみ示し、被包装体Zは断面視で示しておらず、スリーブ2の図示は省略している。
【0049】
<実施形態2>
以下、図7図12を用いて、本発明の実施形態2に係る包装シートについて説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号X´は、本実施形態に係る包装シートを示す。
【0050】
図7に示すように、包装シートX´は、被包装体Z´(図8等参照)の外形状に沿って被包装体Z´を被覆するシート本体1´を備えている。
なお、各図において、シート本体1´の外周縁を極太実線にて示している。
また、図7において、x軸方向を左右方向、y軸方向を上下方向とする。
【0051】
シート本体1´は、被包装体Z´の少なくとも一部に当接する主部11´と、主部11´の周縁から延設された延設部12´と、を有している。
また、シート本体1´は、複数の略直線状の外周縁により、略左右対称の外形状となされている。
【0052】
主部11´は、上下方向に延びて構成され、シート本体1´全体における略中央に配置されている。
また、主部11´における折り線に沿って形成される折り線用目印L1(以下では、単に折り線L1と称する)は、罫線である。
なお、各図において、折り線L1を細実線で示し、主部11´と延設部12´との境界線を二点鎖線で示している。
【0053】
ここで、折り線L1は、主部11と異なり、下方に一箇所のみ設けられている。
【0054】
延設部12´は、主部11における左右両縁の上下方向略全長に亘って、左右方向に延設されることで、一対形成されている。
【0055】
また、延設部12´には、シート本体1の展開状態において、その内側から外側に向かって延びる複数の山折り線及び谷折り線が形成されている。
そして、各山折り線に沿って、山折り線用目印L2aが形成され、各谷折り線に沿って、谷折り線用目印L2bが形成されている。本実施形態において、山折り線用目印L2aは罫線であり、谷折り線用目印L2bはミシン目である。
なお、以下では、各山折り線用目印L2aは、単に各山折り線L2aと称し、各谷折り線用目印L2bは、単に各谷折り線L2bと称する。
【0056】
ここで、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bは、各延設部12と異なり、仮想的に各上方延設部12a及び各下方延設部12bに区分けすることなく、各延設部12´全体として、交互に隣接配置されている。
なお、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bの配置箇所についても、各延設部12´と同様に略左右対称である。
【0057】
さらに、延設部12´の内面には、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bによって区画された複数の領域Rが形成され、各領域Rにおいて、隣接する領域Rには異なる色が付されている。
なお、各延設部12´には、各延設部12と異なり、被包装体Z´の各底面に当接する略円形状の一対の底面当接領域Tが形成されている。
【0058】
以下、図8図11を用いて、上記した構成のシート本体1´を用いた包装方法について説明する。
本実施形態における被包装体Z´は、略円柱状体である。
【0059】
まず、使用者は、各延設部12´について、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bによって、山折り及び谷折りの折り目を付けておく。
【0060】
次に、使用者は、図8に示すように、被包装体Z´を、その延びる方向を左右方向として、その側面を折り線L1に隣接させるように、シート本体1の内面に載置する。
【0061】
次に、使用者は、図9(a)に示すように、各延設部12´を上方に折曲げ、各底面当接領域Tを、被包装体Z´の各底面に当接させる(矢印g)。
【0062】
次に、使用者は、図9(b)に示すように、各延設部12´をさらに内方に向かって折畳む(矢印h)。
これにより、各上方延設部12´が、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bが自然と蛇腹折りされる。
また、この蛇腹折りに伴い、主部11´の下方は、被包装体Z´の側面に巻付くように湾曲して当接し、主部11´の上方は、その先端部が被包装体Z´側を向くようにやや湾曲する。
【0063】
次に、使用者は、図10(a)に示すように、被包装体Z´をシート本体1´に巻付けるように回転させる(矢印i)。
【0064】
次に、使用者は、図10(b)に示すように、引き続き、被包装体Z´をシート本体1´に巻付けるように回転させる(矢印j)。
これにより、被包装体Z´の側面の略全周に、蛇腹折りされた各延設部12´が配置される。
【0065】
次に、使用者は、図11(a)に示すように、主部11´の上方を、これに延設された各延設部12´と共に、被包装体Z´を被覆している主部11´に巻付ける(矢印k)。
【0066】
最後に、使用者は、包装シートXが備えるスリーブ2´に、被包装体Z´を被覆したシート本体1´を挿通させ(矢印l)、図11(b)に示すように、スリーブ2がシート本体1の外周面を囲う状態とすることで、包装作業が完了する。
【0067】
ここで、シート本体1´は、各底面当接領域Tに被包装体Z´を当接させた状態で、被包装体Z´を被覆する。
このため、使用者は、図12(a)に示すように、被包装体Z´がシート本体1´に被覆された状態で、所定の載置面Wに、下方の底面(或いは上方の底面)を下にして載置することができる。
【0068】
また、シート本体1´は、図12(c)に示すように、被包装体Z´を、その上方及び下方の底面の周縁に所定の空間Sを形成した状態で被覆する。
即ち、各底面当接領域Tの表面積は、各底面の表面積よりもやや大きくなるように構成されている。
なお、図12(c)では、シート本体1´において、被包装体Z´の側面や底面に当接している部分の断面のみ示し、被包装体Z´は断面視で示しておらず、スリーブ2´の図示は省略している。
【0069】
<効果>
以上の各実施形態によれば、使用者は、被包装体Z、Z´を包装する際、各山折り線L2a及び各谷折り線L2bに沿って、スムーズな包装が可能となる。
【0070】
また、使用者は、被包装体Z、Z´を取出した後は、シート本体1、1´について、丸める等容易にコンパクトな形態とした上で、廃棄することが可能である。
【0071】
また、延設部12、12´が蛇腹折りされて被包装体Z、Z´の外方に配置されることで、蛇腹折りされた部分が緩衝機能を発揮し、衝撃に弱い被包装体の包装に好適に用いることが可能となる。
【0072】
また、各山折り線用目印L2a及び各谷折り線用目印L2bにより、使用者は、山折り線か谷折り線かを容易に識別することができ、シート本体1、1´に対して迅速に、適切な折り目を付けることが可能となる。
【0073】
また、各山折り線用目印L2aが罫線であり、各谷折り線用目印L2bがミシン目であることで、それぞれの目印を付する作業を容易とし、蛇腹折りされた際、ミシン目は蛇腹折りされた部分の外部に露出しないため、ミシン目の不意の破断を防止することが可能となる。
【0074】
また、各領域Rにおいて、隣接する領域Rに異なる色が付されていることで、使用者は、山折り線或いは谷折り線が形成されている位置を、外観で容易に識別することができ、シート本体1、1´に対して迅速に、適切な折り目を付けることが可能となる。
【0075】
また、スリーブ2により、被包装体Z、Z´を包装した状態における、シート本体1、1´の不意の展開を防止し、被包装体Z、Z´を好適にパッケージングすることが可能となる。
【0076】
また、シート本体1、1´が、被包装体Z、Z´の底面の略全面当接した状態で被覆することで、被包装体Z、Z´を、包装された状態で、所定の載置面Wに立設させることが可能となる
【0077】
また、シート本体1、1´が、被包装体Z、Z´を、その上方及び下方の底面の周縁に所定の空間Sを形成した状態で被覆することで、蛇腹折りされた部分に加え、底面の周縁に加わる衝撃に対しても緩衝機能を発揮させることが可能となる。
【0078】
なお、上述の各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0079】
例えば、各実施形態においては、主部11或いは底面当接領域Tが、被包装体Z、Z´の底面の略全面に当接する例を示したが、被包装体Z、Z´を所定の載置面Wに立設させることができれば、略中央から所定の領域に亘って部分的に当接しても良い。
【符号の説明】
【0080】
X、X´ 包装シート
1、1´ シート本体
11、11´ 主部
12、12´ 延設部
L2a 山折り線(山折り線用目印)
L2b 谷折り線(谷折り線用目印)
2、2´ スリーブ
Z、Z´ 被包装体
図1
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図12