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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141609
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20241003BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20241003BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1368
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
G09F9/30 349C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053351
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 玲彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕行
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA14
2H092GA29
2H092GA35
2H092GA48
2H092GA50
2H092GA59
2H092GA60
2H092JA24
2H192AA24
2H192BB12
2H192BC31
2H192CB08
2H192EA04
2H192EA42
2H192EA43
2H192EA67
2H192FA35
2H192FA39
2H192FA52
2H192FA73
2H192FB05
2H192FB22
2H192FB27
2H192FB32
2H192FB42
2H192FB72
2H192JA33
5C094BA03
5C094BA43
5C094DA11
5C094DA15
5C094DB01
5C094ED15
(57)【要約】
【課題】 アレイ基板の周辺領域に配置される回路の効率的なレイアウトを実現する。
【解決手段】 実施形態に係るアレイ基板は、アクティブ領域に配置された数の信号線と、複数の信号線に接続されたスイッチ回路とを備えている。複数の信号線は、第1,第2信号線を含む。スイッチ回路は、第1,第2トランジスタを含む回路ユニットと、第1,第2トランジスタに接続された第1入力線と、第1トランジスタをオンする第1選択信号を供給する第1選択線と、第2トランジスタをオンする第2選択信号を供給する第2選択線と、第1トランジスタと第1信号線を接続し、第1選択線と交差する第1出力線と、第2トランジスタと第2信号線を接続し、第1選択線と交差する第2出力線とを含む。第1出力線のうち第1選択線と交差する第1交差部分と、第2出力線のうち第1選択線と交差する第2交差部分とが異なる層に形成されている。
【選択図】 図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブ領域に配置された複数の信号線と、
前記アクティブ領域の周囲の周辺領域に配置され、前記複数の信号線に接続されたスイッチ回路と、
を備え、
前記複数の信号線は、第1信号線および第2信号線を含み、
前記スイッチ回路は、
第1トランジスタおよび第2トランジスタを含む回路ユニットと、
第1トランジスタおよび第2トランジスタに接続された第1入力線と、
前記回路ユニットと前記アクティブ領域の間に配置され、前記第1トランジスタをオンする第1選択信号を供給する第1選択線と、
前記第2トランジスタをオンする第2選択信号を供給する第2選択線と、
前記第1トランジスタと前記第1信号線を接続し、前記第1選択線と交差する第1出力線と、
前記第2トランジスタと前記第2信号線を接続し、前記第1選択線と交差する第2出力線と、
を含み、
前記第1出力線のうち前記第1選択線と交差する第1交差部分と、前記第2出力線のうち前記第1選択線と交差する第2交差部分とが異なる層に形成されている、
アレイ基板。
【請求項2】
前記第1選択線は、当該アレイ基板の厚さ方向において、前記第1交差部分と前記第2交差部分の間に位置している、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第1トランジスタは、
第1半導体層と、
前記第1選択線に接続され、前記第1半導体層と交差する第1ゲート電極と、
前記第1入力線および前記第1半導体層を接続する第1ソース電極と、
前記第1半導体層および前記第1出力線を接続する第1ドレイン電極と、
を含み、
前記第1交差部分は、前記第1ゲート電極と同層に形成されている、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第1選択線は、前記複数の信号線と同層に形成された第1層と、前記第1ドレイン電極と同層に形成された第2層と、を含む、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタおよび前記第1選択線の上方に位置し、有機材料で形成された絶縁層をさらに備え、
前記第2交差部分は、前記絶縁層の上方に形成されている、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記アクティブ領域に配置され、前記複数の信号線と重なる導電性の遮光層をさらに備え、
前記第2交差部分は、前記遮光層と同層に形成されている、
請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記第2交差部分は、導電性酸化物で形成された保護層により覆われている、
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタは、前記複数の信号線の延出方向に並んでいる、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記複数の信号線は、第3信号線および第4信号線をさらに含み、
前記回路ユニットは、
前記第1選択線から前記第1選択信号が供給される第3トランジスタと、
前記第2選択線から前記第2選択信号が供給される第4トランジスタと、
をさらに含み、
前記スイッチ回路は、
第3トランジスタおよび第4トランジスタに接続された第2入力線と、
前記第3トランジスタと前記第3信号線を接続し、前記第1選択線と交差する第3出力線と、
前記第4トランジスタと前記第4信号線を接続し、前記第1選択線と交差する第4出力線と、
をさらに含み、
前記第3出力線のうち前記第1選択線と交差する第3交差部分と、前記第4出力線のうち前記第1選択線と交差する第4交差部分とが異なる層に形成されている、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第3トランジスタおよび前記第4トランジスタは、前記複数の信号線の延出方向に並んでいる、
請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載のアレイ基板を備え、
前記アクティブ領域は、
前記複数の信号線に接続された複数の画素トランジスタと、
前記複数の画素トランジスタにそれぞれ接続された複数の画素電極と、
を含む、表示装置。
【請求項12】
前記アレイ基板に対向する対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板の間に配置された液晶層と、
をさらに備える、
請求項11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アレイ基板および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、表示装置は、複数の画素のそれぞれに配置された画素電極と、画素電極に接続された画素トランジスタと、画素回路に映像信号を供給する信号線とを備えている。また、表示領域の周囲の周辺領域には、信号線に対して選択的に映像信号を供給するスイッチ回路が配置されている。
【0003】
近年、画素の高精細化が進んでいる。これにより、周辺領域に配置される回路のレイアウトについても効率化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-175311号公報
【特許文献2】特開2022-106456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、周辺領域に配置される回路の効率的なレイアウトを実現可能なアレイ基板および表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るアレイ基板は、アクティブ領域に配置された複数の信号線と、前記アクティブ領域の周囲の周辺領域に配置され、前記複数の信号線に接続されたスイッチ回路と、を備えている。前記複数の信号線は、第1信号線および第2信号線を含む。前記スイッチ回路は、第1トランジスタおよび第2トランジスタを含む回路ユニットと、第1トランジスタおよび第2トランジスタに接続された第1入力線と、前記回路ユニットと前記アクティブ領域の間に配置され、前記第1トランジスタをオンする第1選択信号を供給する第1選択線と、前記第2トランジスタをオンする第2選択信号を供給する第2選択線と、前記第1トランジスタと前記第1信号線を接続し、前記第1選択線と交差する第1出力線と、前記第2トランジスタと前記第2信号線を接続し、前記第1選択線と交差する第2出力線と、を含む。さらに、前記第1出力線のうち前記第1選択線と交差する第1交差部分と、前記第2出力線のうち前記第1選択線と交差する第2交差部分とが異なる層に形成されている。
【0007】
一実施形態に係る表示装置は、前記アレイ基板を備えている。さらに、前記アクティブ領域は、前記複数の信号線に接続された複数の画素トランジスタと、前記複数の画素トランジスタにそれぞれ接続された複数の画素電極と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
図2図2は、副画素に適用し得る等価回路の一例を示す図である。
図3図3は、アクティブ領域における表示装置の概略的な断面図である。
図4図4は、アクティブ領域におけるアレイ基板の概略的な平面図である。
図5図5は、スイッチ回路に含まれる回路ユニットの構成の一例を示す図である。
図6図6は、回路ユニットに適用し得る構成の一例を示す概略的な平面図である。
図7図7は、図6に示した回路ユニットから第1トランジスタおよび第2トランジスタに関わる要素を抽出した平面図である。
図8図8は、図6に示した回路ユニットから第3トランジスタおよび第4トランジスタに関わる要素を抽出した平面図である。
図9図9は、第1トランジスタと第1信号線の接続構造を示す概略的な断面図である。
図10図10は、第2トランジスタと第2信号線の接続構造を示す概略的な断面図である。
図11図11は、第3トランジスタと第3信号線の接続構造を示す概略的な断面図である。
図12図12は、図6における第1選択線付近を拡大した概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと呼び、Y軸に沿った方向を第2方向Yと呼び、Z軸に沿った方向を第3方向Zと呼ぶ。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視と呼ぶ。
【0011】
本実施形態においては、表示装置およびアレイ基板の一例として、液晶表示装置と当該液晶表示装置が備えるアレイ基板を開示する。ただし、本実施形態にて開示する構成、特にアクティブ領域の信号線に信号を供給するための回路構成は、他種の表示装置や表示装置以外の電子機器にも適用可能である。表示装置以外の電子機器としては、例えば複数の検出素子がアクティブ領域に配置されたセンサが挙げられる。
【0012】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置DSP(以下、表示装置DSPと呼ぶ。)の構成例を示す図である。表示装置DSPは、アレイ基板ARを備えている。図1の例においてはアレイ基板ARが矩形状であるが、この例に限られない。
【0013】
アレイ基板ARは、複数の画素PXを含むアクティブ領域AA(表示領域)と、アクティブ領域AAの周囲の周辺領域SAとを有している。例えば、画素PXは、赤色の副画素SPRと、緑色の副画素SPGと、青色の副画素SPBとを含む。この例に限られず、画素PXは、白色などの他の色の副画素を含んでもよい。
【0014】
アレイ基板ARは、複数の走査線Gと、複数の信号線Sとをさらに備えている。複数の走査線Gは、アクティブ領域AAにおいて第1方向Xに延びるとともに、第2方向Yに並んでいる。複数の信号線Sは、アクティブ領域AAにおいて第2方向Yに延びるとともに、第1方向Xに並んでいる。
【0015】
周辺領域SAには、端子部Tが設けられている。端子部Tには、例えば導電性の接着剤を介してフレキシブル回路基板Fが接続される。アレイ基板ARの駆動に必要な電圧および信号は、フレキシブル回路基板Fおよび端子部Tを介して入力される。
【0016】
アレイ基板ARは、駆動素子DDと、走査線駆動回路GDと、信号線駆動回路SDと、スイッチ回路ASW(セレクタ)と、共通電圧駆動回路CDとを備えている。これらの要素は、いずれも周辺領域SAに配置されている。ただし、例えば駆動素子DDや共通電圧駆動回路CDがフレキシブル回路基板Fに実装されてもよい。
【0017】
駆動素子DDは、例えばICであり、端子部Tに入力されるクロック信号およびタイミング信号などの制御信号に基づいて走査線駆動回路GD、信号線駆動回路SD、スイッチ回路ASWおよび共通電圧駆動回路CDを制御する。
【0018】
共通電圧駆動回路CDは、共通電圧線CMLに共通電圧を供給する。共通電圧線CMLは、例えば周辺領域SAに配置され、アクティブ領域AAを囲っている。走査線駆動回路GDは、各走査線Gに時分割で走査信号を供給する。
【0019】
駆動素子DDとスイッチ回路ASWは、第1選択線SLT1および第2選択線SLT2によって接続されている。駆動素子DDは、第1選択線SLT1および第2選択線SLT2に対し、時分割で選択信号を供給する。
【0020】
スイッチ回路ASWは、第1方向Xに並ぶ複数の回路ユニットCUを備えている。本実施形態において、各回路ユニットCUは、第1入力線Sin1および第2入力線Sin2を介して信号線駆動回路SDと接続されている。また、各回路ユニットCUは、4本の信号線Sと接続されている。
【0021】
信号線駆動回路SDは、入力線Sin1,Sin2に対して映像信号を出力する。各回路ユニットCUは、これら映像信号の出力先となる信号線Sを、選択線SLT1,SLT2に供給される選択信号に応じて切り替える。
【0022】
図2は、副画素SP(SPR,SPG,SPB)に適用し得る等価回路の一例を示す図である。副画素SPは、画素トランジスタPTRと、画素電極PEとを備えている。画素トランジスタPTRのソース電極は信号線Sに接続され、ゲート電極は走査線Gに接続され、ドレイン電極は画素電極PEに接続されている。共通電圧線CMLの共通電圧は、共通電極CEに供給される。画素電極PEと共通電極CEの間には、保持容量CSが形成される。
【0023】
走査線Gに走査信号が供給されると、信号線Sの映像信号に応じた電圧が画素電極PEに印加される。これにより、共通電極CEと画素電極PEの間に電位差が生じる。この電位差に応じた電界は、表示装置DSPが備える液晶層LCに作用する。
【0024】
図3は、アクティブ領域AAにおける表示装置DSPの概略的な断面図である。表示装置DSPは、上述のアレイ基板ARおよび液晶層LCに加え、対向基板CTを備えている。対向基板CTは、アレイ基板ARと対向している。液晶層LCは、アレイ基板ARと対向基板CTの間に封入されている。
【0025】
図3の例において、アレイ基板ARは、上述の信号線S、画素トランジスタPTR、画素電極PEおよび共通電極CEを備えている。さらに、アレイ基板ARは、絶縁基板10、絶縁層11~18、配向膜19および遮光層LSを備えている。
【0026】
画素トランジスタPTRは、半導体層SCと、ゲート電極GEa,GEbと、ソース電極SEと、ドレイン電極DEとを含む。ゲート電極GEa,GEbは、例えば走査線Gの一部である。ソース電極SEは、例えば信号線Sの一部である。
【0027】
絶縁基板10としては、例えば透明なガラス基板や樹脂基板を用いることができる。絶縁層11~16,18は、無機絶縁材料で形成されている。絶縁層17は、有機絶縁材料で形成されている。信号線S(ソース電極SE)、走査線G(ゲート電極GEa,GEb)および遮光層LSは、導電性の金属材料で形成されている。配向膜19は、ポリイミドなどの配向膜材料で形成されている。画素電極PE、共通電極CEおよびドレイン電極DEは、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電性酸化物で形成されている。
【0028】
絶縁層11は、絶縁基板10を覆っている。絶縁層12は、絶縁層11を覆っている。ゲート電極GEaは、絶縁層12の上に配置されている。絶縁層13は、ゲート電極GEaおよび絶縁層12を覆っている。半導体層SCは、絶縁層13の上に配置されている。絶縁層14は、半導体層SCおよび絶縁層13を覆っている。ゲート電極GEbは、絶縁層14の上に配置されている。ゲート電極GEa,GEbは、いずれも半導体層SCと対向している。
【0029】
絶縁層15は、ゲート電極GEbおよび絶縁層14を覆っている。信号線Sおよびソース電極SEは、絶縁層15の上に配置されている。ソース電極SEは、絶縁層14,15を貫通するコンタクトホールを通じて半導体層SCに接触している。ドレイン電極DEは、絶縁層16の上に配置されている。ドレイン電極DEは、絶縁層14~16を貫通するコンタクトホールを通じて半導体層SCに接触している。
【0030】
絶縁層17は、ドレイン電極DEおよび絶縁層16を覆っている。有機絶縁材料で形成された絶縁層17は、他の絶縁層11~16,18よりも十分に厚く、画素トランジスタPTRにより生じる凹凸を平坦化する。
【0031】
画素電極PEは、絶縁層17の上に配置されている。画素電極PEは、絶縁層17を貫通するコンタクトホールを通じてドレイン電極DEに接触している。絶縁層18は、画素電極PEおよび絶縁層17を覆っている。遮光層LSは、絶縁層18の上に配置されている。共通電極CEは、遮光層LSを覆っている。配向膜19は、共通電極CEを覆っている。図3の例においては、共通電極CEがスリットSTを有している。
【0032】
対向基板CTは、絶縁基板20、カラーフィルタ層21、オーバーコート層22および配向膜23を備えている。絶縁基板20としては、例えば透明なガラス基板や樹脂基板を用いることができる。カラーフィルタ層21は、副画素SPRに配置された赤色のカラーフィルタと、副画素SPGに配置された緑色のカラーフィルタと、副画素SPBに配置された青色のカラーフィルタとを含む。オーバーコート層22は、例えば透明な樹脂材料で形成され、カラーフィルタ層21を覆っている。配向膜23は、ポリイミドなどの配向膜材料で形成され、オーバーコート層22を覆っている。なお、カラーフィルタ層21はアレイ基板ARに設けられるCOA(Color Filter On Array)であってもよい。COAとする場合、カラーフィルタ層21は、例えば絶縁層16と絶縁層17との間に設けることができる。
【0033】
以下の説明においては、絶縁層12,13の間の金属層(ゲート電極GEaの層)を金属層M1と呼び、絶縁層14,15の間の金属層(ゲート電極GEbの層)を金属層M2と呼び、絶縁層15,16の間の金属層(信号線Sの層)を金属層M3と呼び、絶縁層18の上の金属層(遮光層LSの層)を金属層M4と呼ぶ。
【0034】
図4は、アクティブ領域AAにおけるアレイ基板ARの概略的な平面図である。この図においては、副画素SPR,SPG,SPBを構成する導電性の要素の一部を示し、画素トランジスタPTRは省略している。
【0035】
上述のとおり、走査線Gは第1方向Xに延び、信号線Sは第2方向Yに延びている。図4の例においては走査線Gおよび信号線Sがいずれも直線状であるが、この例に限られない。例えば、信号線Sは、屈曲しながら第2方向Yに延びていてもよい。
【0036】
遮光層LSは、走査線Gおよび信号線Sと重なっている。これにより、図4の例においては、遮光層LSが副画素SPR,SPG,SPBで開口した格子状である。信号線Sが上述のように屈曲している場合に遮光層LSが同様に屈曲していてもよい。
【0037】
遮光層LSは、走査線Gおよび信号線Sに比べて低い反射率を有している。これにより、走査線Gおよび信号線Sによる光の反射が抑制される。また、遮光層LSは、上述の共通電圧線CMLに接続されている。これにより、遮光層LSは、共通電極CEに共通電圧を供給する配線としての役割も担う。
【0038】
共通電極CEは、副画素SPR,SPG,SPBの各々においてスリットSTを有している。これらスリットSTは、副画素SPR,SPG,SPBの画素電極PEとそれぞれ重なっている。画素電極PEと共通電極CEの間に形成される電界は、スリットSTを通じて液晶層LCに作用する。
【0039】
図4の例においては、スリットSTが第1方向Xおよび第2方向Yと交差する方向に延びている。スリットSTの形状はこれに限られず、第2方向Yと平行に延びていてもよい。また、副画素SPR,SPG,SPBの各々に対して複数のスリットSTが形成されてもよい。
【0040】
続いて、スイッチ回路ASWの構成について説明する。
図5は、スイッチ回路ASWに含まれる回路ユニットCUの構成の一例を示す図である。なお、この図においては金属層M1~M4で構成される部分を矩形枠内に示す凡例のとおり異なる種類の線分で表している。アクティブ領域AAは、図中の上方に位置している。第1方向Xおよび第2方向Yの座標系は、各要素の大まかな位置関係を示すために付したものである。各配線は、図示の簡略化のために第1方向Xまたは第2方向Yに延びる線分で示しているが、これらの線分は必ずしも各配線の正確な延出方向を規定するものではない。
【0041】
図1にも示した第1選択線SLT1、第2選択線SLT2および共通電圧線CMLは、第1方向Xに延びている。共通電圧線CMLは、第2方向Yにおいて第1選択線SLT1とアクティブ領域AAの間に位置している。第1選択線SLT1は、第2方向Yにおいて第2選択線SLT2と共通電圧線CMLの間に位置している。
【0042】
回路ユニットCUは、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、第3トランジスタTR3および第4トランジスタTR4を含む。これらトランジスタTR1~TR4は、第1選択線SLT1と第2選択線SLT2の間で第2方向Y(信号線Sの延出方向)に並んでいる。より具体的には、第1トランジスタTR1、第3トランジスタTR3、第2トランジスタTR2および第4トランジスタTR4の順で第1選択線SLT1側から第2選択線SLT2側に向けて並んでいる。
【0043】
第1選択線SLT1は、第1トランジスタTR1のゲート電極GE1および第3トランジスタTR3のゲート電極GE3に接続されている。第2選択線SLT2は、第2トランジスタTR2のゲート電極GE2および第4トランジスタTR4のゲート電極GE4に接続されている。
【0044】
図中下方に示す第1入力線Sin1および第2入力線Sin2は、図1にも示したように、信号線駆動回路SDに接続されている。第1入力線Sin1は、第1トランジスタTR1のソース電極SE1および第2トランジスタTR2のソース電極SE2に接続されている。第2入力線Sin2は、第3トランジスタTR3のソース電極SE3および第4トランジスタTR4のソース電極SE4に接続されている。
【0045】
第1トランジスタTR1のドレイン電極DE1は、第1出力線Sout1に接続されている。第2トランジスタTR2のドレイン電極DE2は、第2出力線Sout2に接続されている。第3トランジスタTR3のドレイン電極DE3は、第3出力線Sout3に接続されている。第4トランジスタTR4のドレイン電極DE4は、第4出力線Sout4に接続されている。これら出力線Sout1~Sout4は、第1選択線SLT1および共通電圧線CMLと交差している。
【0046】
図1に示した複数の信号線Sは、第1信号線S1と、第2信号線S2と、第3信号線S3と、第4信号線S4とを含む。第1出力線Sout1は、第1信号線S1に接続されている。第2出力線Sout2は、第2信号線S2に接続されている。第3出力線Sout3は、第3信号線S3に接続されている。第4出力線Sout4は、第4信号線S4に接続されている。
【0047】
選択線SLT1,SLT2には、選択信号が交互に供給される。第1選択線SLT1に第1選択信号が供給されると、トランジスタTR1,TR3がオンされる。このとき、第1入力線Sin1の映像信号が第1出力線Sout1を介して第1信号線S1に出力される。また、第2入力線Sin2の映像信号が第3出力線Sout3を介して第3信号線S3に出力される。
【0048】
一方、第2選択線SLT2に第2選択信号が供給されると、トランジスタTR2,TR4がオンされる。このとき、第1入力線Sin1の映像信号が第2出力線Sout2を介して第2信号線S2に出力される。また、第2入力線Sin2の映像信号が第4出力線Sout4を介して第4信号線S4に出力される。
【0049】
図6は、回路ユニットCUに適用し得る構成の一例を示す概略的な平面図である。ここでは、第1方向Xに隣接する3つの回路ユニットCUを示している。また、この図においては金属層M1~M4で構成される部分を矩形枠内に示す凡例のとおり異なる種類の斜線パターンで表している。
【0050】
各回路ユニットCUは、同様の構成を備えている。すなわち、スイッチ回路ASWにおいては、複数の第1トランジスタTR1が第1方向Xに並び、複数の第2トランジスタTR2が第1方向Xに並び、複数の第3トランジスタTR3が第1方向Xに並び、複数の第4トランジスタTR4が第1方向Xに並ぶ。
【0051】
図7は、図6に示した回路ユニットCUから第1トランジスタTR1および第2トランジスタTR2に関わる要素を抽出した平面図である。選択線SLT1,SLT2は、例えば金属層M2,M3の積層構造を有している(図9参照)。第1入力線Sin1は、例えば金属層M3により形成され、コンタクト部C1において中継線RL1に接続されている。なお、第1入力線Sin1は、金属層M2により形成されてもよい。
【0052】
中継線RL1は、コンタクト部C2においてソース線SL1に接続されている。中継線RL1は金属層M1により形成され、ソース線SL1は金属層M2により形成されている。中継線RL1は、コンタクト部C1,C2の間で第2選択線SLT2と交差している。
【0053】
第1トランジスタTR1は、半導体層SC1を備えている。第2トランジスタTR2は、半導体層SC2を備えている。半導体層SC1,SC2は、選択線SLT1,SLT2の間で第2方向Yに並んでいる。
【0054】
ソース線SL1は、半導体層SC1,SC2と重なっている。ソース線SL1のうち半導体層SC1と重なる部分がソース電極SE1に相当する。ソース線SL1のうち半導体層SC2と重なる部分がソース電極SE2に相当する。ソース電極SE1,SE2は、それぞれ半導体層SC1,SC2に接触している。
【0055】
選択線SLT1,SLT2の間には、金属層M1で形成されたゲート線GL1,GL2が配置されている。ゲート線GL1は、コンタクト部C3において第1選択線SLT1に接続され、半導体層SC1と交差している。ゲート線GL1のうち半導体層SC1と重なる部分がゲート電極GE1に相当する。ゲート線GL2は、コンタクト部C4において第2選択線SLT2に接続され、半導体層SC2と交差している。ゲート線GL2のうち半導体層SC2と重なる部分がゲート電極GE2に相当する。
【0056】
ドレイン電極DE1は、金属層M2で形成され、半導体層SC1に接触している。第1出力線Sout1は、金属層M1で形成され、第1選択線SLT1と交差している。ドレイン電極DE1と第1出力線Sout1は、コンタクト部C5において接続されている。
【0057】
ドレイン電極DE2は、金属層M2で形成され、半導体層SC2に接触している。第2出力線Sout2は、金属層M4で形成された第1部分P21と、金属層M1で形成された第2部分P22とを有している。ドレイン電極DE2と第1部分P21は、コンタクト部C6において接続されている。第1部分P21と第2部分P22は、コンタクト部C7において接続されている。第1部分P21は、第1選択線SLT1と交差している。
【0058】
図8は、図6に示した回路ユニットCUから第3トランジスタTR3および第4トランジスタTR4に関わる要素を抽出した平面図である。第2入力線Sin2は、例えば金属層M3により形成され、コンタクト部C8において中継線RL2に接続されている。なお、第2入力線Sin2は、金属層M2により形成されてもよい。
【0059】
中継線RL2は、コンタクト部C9においてソース線SL2に接続されている。中継線RL2は金属層M1により形成され、ソース線SL2は金属層M2により形成されている。中継線RL2は、コンタクト部C8,C9の間で第2選択線SLT2と交差している。
【0060】
第3トランジスタTR3は、半導体層SC3を備えている。第4トランジスタTR4は、半導体層SC4を備えている。半導体層SC3,SC4は、選択線SLT1,SLT2の間で第2方向Yに並んでいる。
【0061】
ソース線SL2は、半導体層SC3,SC4と重なっている。ソース線SL2のうち半導体層SC3と重なる部分がソース電極SE3に相当する。ソース線SL2のうち半導体層SC4と重なる部分がソース電極SE4に相当する。ソース電極SE3,SE4は、それぞれ半導体層SC3,SC4に接触している。
【0062】
ゲート線GL1は、半導体層SC3と交差している。ゲート線GL1のうち半導体層SC3と重なる部分がゲート電極GE3に相当する。ゲート線GL2は、半導体層SC4と交差している。ゲート線GL2のうち半導体層SC4と重なる部分がゲート電極GE4に相当する。
【0063】
ドレイン電極DE3は、金属層M2で形成され、半導体層SC3に接触している。第3出力線Sout3は、金属層M3で形成された第1部分P31と、金属層M1で形成された第2部分P32とを有している。ドレイン電極DE3と第1部分P31は、コンタクト部C10において接続されている。第1部分P31と第2部分P32は、コンタクト部C11において接続されている。第2部分P32は、第1選択線SLT1と交差している。
【0064】
ドレイン電極DE4は、金属層M2で形成され、半導体層SC4に接触している。第4出力線Sout4は、金属層M4で形成された第1部分P41と、金属層M2で形成された第2部分P42と、金属層M1で形成された第3部分P43とを有している。ドレイン電極DE4と第1部分P41は、コンタクト部C12において接続されている。第1部分P41と第2部分P42は、コンタクト部C13において接続されている。第2部分P42と第3部分P43は、コンタクト部C14において接続されている。第1部分P41は、第1選択線SLT1と交差している。
【0065】
図9は、第1トランジスタTR1と第1信号線S1の接続構造を示す概略的な断面図である。なお、図9においては第4トランジスタTR4を省略しているが、第4トランジスタTR4の構造はトランジスタTR1~TR3と同様である。
【0066】
図9の例において、第1選択線SLT1は、第3方向Zに重なる第1層L11および第2層L12を有している。第1層L11は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。第2層L12は、絶縁層15の上に配置され、絶縁層16により覆われている。第2層L12は、絶縁層15を貫通するコンタクトホールを通じて第1層L11に接続されている。
【0067】
また、共通電圧線CMLは、第3方向Zに重なる第1層L21および第2層L22を有している。第1層L21は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。第2層L22は、絶縁層15の上に配置され、絶縁層16により覆われている。第2層L22は、絶縁層15を貫通するコンタクトホールを通じて第1層L21に接続されている。
【0068】
遮光層LSは、周辺領域SAにおいて共通電圧線CMLと重なっている。共通電圧線CMLと遮光層LSは、コンタクト部C20において接続されている。図9の例において、コンタクト部C20は、中継部R1,R2を含む。中継部R1は、絶縁層16の上に配置され、絶縁層17により覆われている。中継部R2は、絶縁層17の上に配置され、絶縁層18により覆われている。中継部R1は、ドレイン電極DEと同じ導電性酸化物で形成されている。中継部R2は、画素電極PEと同じ導電性酸化物で形成されている。
【0069】
半導体層SC1~SC4は、絶縁層11の上に配置され、絶縁層12により覆われている。例えば、半導体層SC1~SC4は、画素トランジスタTRの半導体層SCと異なる材料で形成されている。一例では、半導体層SC1~SC4が低温ポリシリコン(LTPS)で形成され、半導体層SCが酸化物半導体で形成されている。
【0070】
ゲート電極GE1~GE4は、絶縁層12の上に配置され、絶縁層13により覆われている。ソース電極SE1~SE4およびドレイン電極DE1~DE4は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。ソース電極SE1~SE4は、絶縁層13,14を貫通するコンタクトホールを通じてそれぞれ半導体層SC1~SC4に接触している。また、ドレイン電極DE1~DE4も絶縁層13,14を貫通するコンタクトホールを通じてそれぞれ半導体層SC1~SC4に接触している。
【0071】
コンタクト部C5においてドレイン電極DE1に接続された第1出力線Sout1は、第1選択線SLT1および共通電圧線CMLの下方を通り、コンタクト部C21において第1信号線S1と接続されている。図9の例において、コンタクト部C21は、中継部R10を含む。中継部R10は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。すなわち、中継部R10は、金属層M2で形成されている。
【0072】
図10は、第2トランジスタTR2と第2信号線S2の接続構造を示す概略的な断面図である。第2出力線Sout2は、図7にも示した第1部分P21および第2部分P22を含む。
【0073】
コンタクト部C6においてドレイン電極DE2に接続された第1部分P21は、第1選択線SLT1の上方を通り、コンタクト部C7において第2部分P22に接続されている。第1部分P21は、共通電極CEと同じ導電性酸化物で形成された保護層PRにより覆われている。
【0074】
図10の例において、コンタクト部C6は、中継部R21,R22,R23を含む。中継部R21は、絶縁層15の上に配置され、絶縁層16により覆われている。すなわち、中継部R21は、金属層M3で形成されている。中継部R22は、絶縁層16の上に配置され、絶縁層17により覆われている。中継部R22は、ドレイン電極DEと同じ導電性酸化物で形成されている。中継部R23は、絶縁層17の上に配置され、絶縁層18により覆われている。中継部R23は、画素電極PEと同じ導電性酸化物で形成されている。
【0075】
また、図10の例において、コンタクト部C7は、中継部R24,R25,R26を含む。中継部R24は、絶縁層15の上に配置され、絶縁層16により覆われている。すなわち、中継部R24は、金属層M3で形成されている。中継部R25は、絶縁層16の上に配置され、絶縁層17により覆われている。中継部R25は、ドレイン電極DEと同じ導電性酸化物で形成されている。中継部R26は、絶縁層17の上に配置され、絶縁層18により覆われている。中継部R26は、画素電極PEと同じ導電性酸化物で形成されている。
【0076】
第2部分P22は、共通電圧線CMLの下方を通り、コンタクト部C22において第2信号線S2に接続されている。図10の例において、コンタクト部C22は、中継部R27を含む。中継部R27は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。すなわち、中継部R27は、金属層M2で形成されている。
【0077】
図11は、第3トランジスタTR3と第3信号線S3の接続構造を示す概略的な断面図である。第3出力線Sout3は、図8にも示した第1部分P31および第2部分P32を含む。
【0078】
コンタクト部C10においてドレイン電極DE3に接続された第1部分P31は、第1トランジスタTR1の上方を通り、コンタクト部C11において第2部分P32に接続されている。図11の例において、コンタクト部C11は、中継部R31を含む。中継部R31は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。すなわち、中継部R31は、金属層M2で形成されている。
【0079】
第2部分P32は、第1選択線SLT1および共通電圧線CMLの下方を通り、コンタクト部C31において第3信号線S3に接続されている。図11の例において、コンタクト部C31は、中継部R32を含む。中継部R32は、絶縁層14の上に配置され、絶縁層15により覆われている。すなわち、中継部R32は、金属層M2で形成されている。
【0080】
なお、第4トランジスタTR4と第4信号線S4の接続構造は、図10に示した第2トランジスタTR2と第2信号線S2の接続構造と概ね同様である。すなわち、第4出力線Sout4の第1部分P41が第1選択線SLT1の上方を通り、第2部分P42を介して第1部分P41に接続された第3部分43が共通電圧線CMLの下方を通る。金属層M4で形成された第1部分P41は、導電性酸化物の保護層PRにより覆われている。
【0081】
以上説明した本実施形態に係る表示装置DSPの構成によれば、スイッチ回路ASWの効率的なレイアウトを実現することが可能である。この効果の一例につき、図12を用いて説明する。
【0082】
図12は、図6における第1選択線SLT1付近を拡大した概略的な平面図である。以下の説明においては、第1出力線Sout1のうち第1選択線SLT1と交差する部分を第1交差部分CR1、第2出力線Sout2のうち第1選択線SLT1と交差する部分を第2交差部分CR2、第3出力線Sout3のうち第1選択線SLT1と交差する部分を第3交差部分CR3、第4出力線Sout4のうち第1選択線SLT1と交差する部分を第4交差部分CR4と呼ぶ。
【0083】
第1交差部分CR1は、金属層M1で形成された第1信号線Sout1の一部である。第2交差部分CR2は、金属層M4で形成された第1部分P21の一部である。第3交差部分CR3は、金属層M1で形成された第2部分P32の一部である。第4交差部分CR4は、金属層M4で形成された第1部分P41の一部である。すなわち、本実施形態においては、交差部分CR1~CR4のうちの2つが金属層M1で形成され、残りの2つが金属層M4で形成されている。
【0084】
他の観点から言えば、第1選択線SLT1は、第3方向Z(アレイ基板ARの厚さ方向)において、交差部分CR1,CR3と交差部分CR2,CR4の間に位置している。交差部分CR1,CR3は有機絶縁材料で形成された絶縁層17の下方に位置し、交差部分CR2,CR4は絶縁層17の上方に位置している。
【0085】
交差部分CR1~CR4の近傍には、ゲート線GL1と第1選択線SLT1のコンタクト部C3が設けられている。図12の例においては、第1交差部分CR3、第4交差部分CR4、コンタクト部C3、第1交差部分CR1および第2交差部分CR2がこの順で第1方向Xに並んでいる。なお、図12の例においては、第2部分42が第1信号線Sout1と交差している。これにより、第3出力線Sout3、第1出力線Sout1、第4出力線Sout4および第2出力線Sout2がこの順で第1方向Xに並んでいる。
【0086】
高精細な表示装置DSPにおいては、副画素SPR,SPG,SPBの狭ピッチ化が求められる。狭ピッチ化の実現のためには、スイッチ回路ASWの幅も低減する必要がある。しかしながら、仮に交差部分CR1~CR4が全て同じ金属層で形成される場合、交差部分CR1~CR4同士の絶縁性を確保する必要性や製造装置の加工能力の制限などにより、交差部分CR1~CR4およびゲート線GL1で構成される配線群の幅Wを十分に小さくすることができない。これにより、回路ユニットCUの幅が制約を受け得る。
【0087】
これに対し、本実施形態においては、交差部分CR1~CR4のうちの2つが金属層M1で形成され、残りの2つが金属層M4で形成されている。この場合、異なる層で形成された交差部分を近接させたり重ねたりすることが可能である。したがって、交差部分CR1~CR4が全て同じ金属層で形成される場合に比べ、幅Wを低減することができる。ひいては、スイッチ回路ASWの幅を低減し、高精細な表示装置DSPを実現することが可能となる。
【0088】
なお、金属層M1はトランジスタPTR,TR1~TR4のゲート電極GEa,GE1~GE4を形成する層であり、金属層M4は遮光層LSを形成する層である。このような金属層M1,M4を用いて交差部分CR1~CR4を形成すれば、交差部分CR1~CR4のための金属層を追加する必要がなく、表示装置DSPの製造コストの増加を抑制するとともに、表示装置DSPの薄型化にも寄与する。
【0089】
図12の例においては、金属層M4で形成された第1部分P21,P41がいずれも保護層PRによって覆われている。これにより、共通電極CEの加工時のエッチングなどから第1部分P21,P41を保護することが可能である。
【0090】
なお、本実施形態において開示した表示装置DSPの構成は、種々の態様に変形することが可能である。例えば、必ずしも交差部分CR1~CR4のうちの2つが金属層M1で形成され、残りの2つが金属層M4で形成されている必要はない。他の例として、交差部分CR1~CR4のうちの3つが金属層M1,M4の一方で形成され、残りの1つが金属層M1,M4の他方で形成されてもよい。また、交差部分CR1~CR4の少なくとも1つが金属層M1,M4以外の金属層で形成されてもよい。
【0091】
本実施形態においては、トランジスタTR1~TR4としてNMOSトランジスタを用いる構成を例示した。しかしながら、トランジスタTR1~TR4としてCMOSトランジスタを用いてもよい。この場合には、トランジスタTR1~TR4がN型とP型の2つのトランジスタを含む。
【0092】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0093】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0094】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0095】
DSP…表示装置、AA…アクティブ領域、SA…周辺領域、G…走査線、S…信号線、ASW…スイッチ回路、CU…回路ユニット、SLT1,SLT2…選択線、CML…共通電圧線、TR1~TR4…トランジスタ、Sin1,Sin2…入力線、Sout1~Sout4…出力線。
図1
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図7
図8
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図10
図11
図12