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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141617
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053361
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桝元 孝介
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】患者を入院させる医療機関を決定するために要する期間の長さを抑制することである。
【解決手段】医療機関情報を取得する医療機関情報取得部21と、入院条件情報を患者別に取得する入院条件情報取得部22と、医療機関情報および入院条件情報に応じて、患者別に、複数の医療機関60を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定する優先順位決定部と、決定された第1優先順位に応じて、複数の60において入院を依頼する医療機関60の依頼リストを作成する依頼リスト作成部24と、依頼リストにより、第1優先順位に従って、順次依頼リストにおける医療機関60に入院の依頼をする入院依頼部25とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を入院させることが可能な複数の医療機関を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関に関する情報である医療機関情報を取得する医療機関情報取得部と、
患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報を患者別に取得する入院条件情報取得部と、
取得された前記医療機関情報、および、取得された前記入院条件情報に応じて、患者別に、前記複数の医療機関を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定する優先順位決定部と、
決定された前記第1優先順位に応じて、前記複数の医療機関において入院を依頼する医療機関の依頼リストを作成する依頼リスト作成部と、
作成された前記依頼リストにより、前記第1優先順位に従って、順次前記依頼リストにおける医療機関に入院の依頼をする入院依頼部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記入院依頼部により入院の依頼がされた医療機関から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関を、患者を入院させる医療機関として決定する入院決定部をさらに備え、
前記入院依頼部は、入院の依頼がされた医療機関から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関に入院を依頼する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記医療機関情報および前記入院条件情報に含まれる情報は、患者の入院を決定するための必須事項を示す第1情報と、患者の入院を決定するための任意事項を示す第2情報とを含み、
前記優先順位決定部は、前記第1情報と前記第2情報との両方に応じて、前記第1優先順位を決定する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1情報は、各医療機関における医療設備の情報および看護体制の情報を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2情報は、患者が第2優先順位を選択可能な複数項目の情報を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記入院依頼部は、入院の依頼をする医療機関に対して、患者の個人情報を含まない第1入院依頼情報を送り、当該医療機関から受入れ可能な旨の返答が得られた場合に、患者の個人情報を含む第2入院依頼情報を送ることにより、患者の入院の依頼をする、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記優先順位決定部は、前記入院依頼部による入院の依頼が開始された後、患者の病状の変化に応じて、前記第1優先順位を変更する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記入院条件情報取得部が取得する前記入院条件情報は、予め電子情報として作成された第1電子情報と、紙媒体に記載された情報として作成され、スキャナにより読取られて電子化された第2電子情報とを含む、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1電子情報は、電子カルテを含み、
前記第2電子情報は、患者の要望が記載された情報を含む、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記入院依頼部による入院の依頼状況、および、前記入院決定部による入院の決定状況に関する情報を、予め定められた連絡先に通知する通知部をさらに備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
患者を入院させることが可能な複数の医療機関を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関に関する情報である医療機関情報を取得するステップと、
患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報を患者別に取得するステップと、
取得された前記医療機関情報、および、取得された前記入院条件情報に応じて、患者別に、前記複数の医療機関を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定するステップと、
決定された前記第1優先順位に応じて、前記複数の医療機関において入院を依頼する医療機関の依頼リストを作成するステップと、
作成された前記依頼リストにより、前記第1優先順位に従って、順次前記依頼リストにおける医療機関に入院の依頼をするステップとを備える、情報処理方法。
【請求項12】
入院の依頼がされた医療機関から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関を、患者を入院させる医療機関として決定するステップと、
入院の依頼がされた医療機関から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関に入院を依頼するステップとをさらに備える、請求項11に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
診療所および病院等の医療機関においては、当該医療機関に関わる患者を、当該医療機関以外の医療機関に入院させる場合がある。そのような入院には、転院も含まれる。このような場合に、医療関係者は、患者の病状を考慮して、当該病状の患者を受け入れ可能と考えられる医療設備等を備えた複数の医療機関を特定し、連絡をする複数の医療機関の候補のリストを作成する。医療関係者は、そのようなリストに基づいて、医療機関の候補に電話等の連絡方法により順番に連絡していた。
【0003】
医療関係者は、各医療機関の候補に対して、例えば電話連絡により、患者の病状に対応可能な医療設備の確認、および、入院ベッドの空き情報等の各種の問合せをすることにより、患者の受け入れに関する交渉をする。医療関係者は、このような交渉の結果に応じて、受入れ可能である旨の返答が得られた医療機関に患者を入院させる決定をしていた。
【0004】
このように、従来においては、患者を入院させる医療機関を決定する場合に、医療関係者が電話連絡等の手作業により、医療機関を決定していたので、患者を入院させる医療機関を決定するために要する期間が長期間化するおそれがあった。
【0005】
患者を入院させる医療機関を決定するために要する期間の長期間化を抑制するためには、例えば特許文献1に開示されたような、予め定められた優先度に従った連絡方法で複数の資材調達先に自動的に連絡をして所望の資材を調達する方法のように、予め定められた複数の医療機関候補の優先度を決めておき、その優先度に従って、複数の医療機関の候補に自動的に順次連絡をする方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-058603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示された技術を利用して、予め定められた複数の医療機関候補の優先度を決めておき、その優先度に従って、複数の医療機関の候補に対して自動的に順次連絡をする場合には、次のような問題がある。
【0008】
患者を入院させる医療機関を決定する場合においては、患者の病状が変化する場合がある等、患者の病状に対応可能な医療機関に関する条件が変化する場合があるので、特許文献1のように複数の連絡先および複数の連絡先の優先順位が固定化される技術を適用することは困難性が高いと考えられる。
【0009】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、その目的は、患者を入院させる医療機関を決定するために要する期間の長さを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある実施の形態に従う情報処理装置は、患者を入院させることが可能な複数の医療機関を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関に関する情報である医療機関情報を取得する医療機関情報取得部と、患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報を患者別に取得する入院条件情報取得部と、取得された医療機関情報、および、取得された入院条件情報に応じて、患者別に、複数の医療機関を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定する優先順位決定部と、決定された第1優先順位に応じて、複数の医療機関において入院を依頼する医療機関の依頼リストを作成する依頼リスト作成部と、作成された依頼リストにより、第1優先順位に従って、順次依頼リストにおける医療機関に入院の依頼をする入院依頼部とを備える。
【0011】
ある局面において、情報処理装置は、入院依頼部により入院の依頼がされた医療機関から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関を、患者を入院させる医療機関として決定する入院決定部をさらに備え、入院依頼部は、入院の依頼がされた医療機関から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関に入院を依頼する。
【0012】
ある局面において、医療機関情報および入院条件情報に含まれる情報は、患者の入院を決定するための必須事項を示す第1情報と、患者の入院を決定するための任意事項を示す第2情報とを含み、優先順位決定部は、第1情報と第2情報との両方に応じて、第1優先順位を決定する。
【0013】
ある局面において、第1情報は、各医療機関における医療設備の情報および看護体制の情報を含む。
【0014】
ある局面において、第2情報は、患者が第2優先順位を選択可能な複数項目の情報を含む。
【0015】
ある局面において、入院依頼部は、入院の依頼をする医療機関に対して、患者の個人情報を含まない第1入院依頼情報を送り、当該医療機関から受入れ可能な旨の返答が得られた場合に、患者の個人情報を含む第2入院依頼情報を送ることにより、患者の入院の依頼をする。
【0016】
ある局面において、優先順位決定部は、入院依頼部による入院の依頼が開始された後、患者の病状の変化に応じて、第1優先順位を変更する。
【0017】
ある局面において、入院条件情報取得部が取得する入院条件情報は、予め電子情報として作成された第1電子情報と、紙媒体に記載された情報として作成され、スキャナにより読取られて電子化された第2電子情報とを含む。
【0018】
ある局面において、第1電子情報は、電子カルテを含み、第2電子情報は、患者の要望が記載された情報を含む。
【0019】
ある局面において、入院依頼部による入院の依頼状況、および、入院決定部による入院の決定状況に関する情報を、予め定められた連絡先に通知する通知部をさらに備える。
【0020】
ある実施の形態に従う情報処理方法は、患者を入院させることが可能な複数の医療機関を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関に関する情報である医療機関情報を取得するステップと、患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報を患者別に取得するステップと、取得された医療機関情報、および、取得された入院条件情報に応じて、患者別に、複数の医療機関を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定するステップと、決定された第1優先順位に応じて、複数の医療機関において入院を依頼する医療機関の依頼リストを作成するステップと、作成された依頼リストにより、第1優先順位に従って、順次依頼リストにおける医療機関に入院の依頼をするステップとを備える。
【0021】
ある局面において、入院の依頼がされた医療機関から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関を、患者を入院させる医療機関として決定するステップと、入院の依頼がされた医療機関から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関に入院を依頼するステップとをさらに備える。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、取得された医療機関情報、および、取得された入院条件情報に応じて、患者別に、複数の医療機関を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定し、決定された第1優先順位に応じて、複数の医療機関において入院を依頼する医療機関の依頼リストを作成し、第1優先順位に従って、順次、依頼リストにおける医療機関に入院の依頼をするので、患者を入院させる医療機関を決定するために要する期間の長さを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態に従う情報処理装置1の一例を示す図である。
図2】医療機関情報の一例を表形式で示す図である。
図3】入院条件情報の一例を表形式で示す図である。
図4図3に示す入院条件情報に付与することが可能な任意事項の優先度の設定例を示す図である。
図5図3に示す入院条件情報と個人情報とが紐付けされたデータの一例を表形式で示す図である。
図6】依頼リスト作成部24により作成される依頼リストの一例を表形式で示す図である。
図7】第1実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される患者の入院先決定処理を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される優先順位決定処理を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される患者の入院先決定処理を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される情報送信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1実施形態>
[情報処理システム100の全体構成]
図1は、第1実施形態に従う情報処理装置1の一例を示す図である。図1においては、主に情報処理装置1と、ネットワークにより接続された各種の通信装置(医療機関通信装置61、外部通知先通信装置62、および、内部通知先通信装置63)とを含む情報処理システム100の構成が示されている。
【0025】
情報処理システム100は、情報処理装置1、医療機関通信装置61、外部通知先通信装置62、内部通知先通信装置63、外部通信路8、および、内部通信路7を含む。
【0026】
情報処理装置1は、医療に関する情報処理をすることが可能なコンピュータ等により構成させる装置である。情報処理装置1は、患者を診察および治療をする医療機関90に設けられ、医療に関する情報処理を含む各種の情報処理をすることが可能である。医療機関90は、病院および診療所を含み、患者を入院させることが可能な医療機関であってもよく、患者を入院させることが不可能な医療機関であってもよい。
【0027】
情報処理装置1は、このような医療機関90の内部に設けられてもよく、このような医療機関90の外部に設けられてもよい。医療機関90の外部に情報処理装置1が設けられる例としては、医療機関90とは別に設けられ、当該医療機関90の情報を扱う情報処理機関に情報処理装置1が設けられることを含む。このような情報処理機関には、クラウドシステムを備えた情報処理機関も含まれる。
【0028】
医療機関通信装置61は、医療機関90とは異なる他の医療機関60に設けられたコンピュータおよびファクシミリ等の通信装置であり、医療機関90の情報処理装置1と情報通信をすることが可能な装置である。他の医療機関60は、患者を入院させることが可能な病院等の医療機関である。図1においては、複数の医療機関60が示され、各医療機関60における医療機関通信装置61が示される。
【0029】
以下に説明する医療機関90から他の医療機関60への患者の入院依頼は、医療機関90で入院していなかった患者が新たに医療機関60に入院することの依頼、および、医療機関90で入院していた患者を他の医療機関60へ転院させることの依頼の両方を含む。
【0030】
外部通知先通信装置62は、医療機関90の外部において、情報処理装置1から各種の情報が通知される通知先の通信装置である。外部通知先通信装置62には、医療機関90の外部に設けられ、患者、または、患者の親族等の患者関係者が所有する携帯電話等の通信装置が含まれる。
【0031】
外部通信路8は、医療機関90の外部に設けられた通信回線よりなる通信路である。外部通信路8には、電話線、有線ネットワーク回線、および、無線ネットワーク回線が含まれる。医療機関90における情報処理装置1は、外部通信路8を介して、医療機関通信装置61、および、通知先通信装置62等の各種通信装置と有線通信または無線通信により情報通信をすることが可能である。
【0032】
内部通知先通信装置63は、医療機関90の内部において、情報処理装置1から各種の情報が通知される通知先の通信装置である。内部通知先通信装置63には、医療機関90の内部に設けられ、患者に関わる医療部門に設けられたコンピュータ、および、患者に関わる医療従事者が所有する携帯電話等の通信装置が含まれる。
【0033】
内部通信路7は、医療機関90の内部に設けられた通信回線よりなる通信路である。内部通信路7には、電話線、有線ネットワーク回線、および、無線ネットワーク回線が含まれる。医療機関90における情報処理装置1は、内部通信路7を介して、内部通知先通信装置63等の医療機関90に存在する各種通信装置と有線通信または無線通信により情報通信をすることが可能である。
【0034】
[情報処理装置1の構成]
情報処理装置1は、コンピュータ10、通信部4、入力部5、および、スキャナ部6を含む。
【0035】
コンピュータ10は、CPU2(Central Processing Unit)、メモリ3(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory、および、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等を含む各種記憶装置)、および、各種信号を入出力するための入出力バッファ(図示せず)等を含む。
【0036】
CPU2は、メモリ3において、ROMに格納されているソフトウェアプログラムをRAM等に展開して実行する。メモリ3において、ROMには、各種の情報処理に関する処理手順が示されたプログラム等の各種プログラムが記憶されている。コンピュータ10は、このようなプログラムに従って動作し、各種の情報処理を実行する。
【0037】
通信部4は、CPU2を含むコンピュータ10に接続されるとともに、外部通信路8および内部通信路7に接続される。通信部4は、内部通信路7および外部通信路8を介して、内部ネットワーク通信、外部ネットワーク通信、メール通信、および、ファクシミリ通信を含む各種の通信方法で情報を通信する装置である。
【0038】
通信部4は、内部ネットワーク通信部41、外部ネットワーク通信部42、メール通信部43、および、ファクシミリ通信部44を含む。
【0039】
内部ネットワーク通信部41は、有線通信および無線通信により、内部通信路7を介して、イントラネット通信等により内部通知先通信装置63等の医療機関90の内部における通信装置とネットワーク通信をすることが可能である。
【0040】
外部ネットワーク通信部42は、有線通信および無線通信により、外部通信路8を介して、インターネット通信等により、医療機関90の外部における通信装置とネットワーク通信をすることが可能である。
【0041】
メール通信部43は、外部通信路8を介して、コンピュータ10と医療機関通信装置61の間、および、コンピュータ10と外部通知先通信装置62との間で電子メールによる通信をすることが可能である。メール通信部43は、内部通信路7を介して、コンピュータ10と内部通知先通信装置63との間で電子メールによる通信をすることが可能である。
【0042】
ファクシミリ通信部44は、外部通信路8を介して、コンピュータ10と医療機関通信装置61との間でファクシミリによる通信をすることが可能である。
【0043】
入力部5は、キーボード、マウス、および、記録媒体等から各種の情報をコンピュータ10に入力することが可能な入力装置である。記録媒体は、例えば各種のデータを保存可能なUSBメモリのような不揮発性メモリ等の各種の記録媒体を含む。
【0044】
スキャナ部6は、印刷紙、および、手書き紙等の各種の紙媒体の画像を光学的に読取り、その画像を電子データに変換するスキャン機能を有する画像読取装置である。スキャナ部6は、例えば、スキャン機能を含む複数の機能を有する複合機により構成されてもよく、スキャン機能のみを有する単機能装置により構成されてもよい。
【0045】
CPU2は、ソフトウェアプログラムを実行することにより、各種の情報処理部として機能する。CPU2がソフトウェアプログラムを実行することにより実現することが可能な機能としては、図2に示すように、医療機関情報取得部21、入院条件情報取得部22、優先順位決定部23、依頼リスト作成部24、入院依頼部25、入院決定部26、および、通知部27が含まれる。
【0046】
メモリ3は、各種の情報を記憶する。メモリ3が実現することが可能な機能としては、医療機関情報記憶部31、入院条件情報記憶部32、依頼リスト記憶部33、および、通知先記憶部34が含まれる。
【0047】
医療機関情報取得部21は、医療機関90が関わる患者を入院させることが可能な他の複数の医療機関60を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関60に関する情報を取得し、図2に示すような医療機関情報を作成する。医療機関情報取得部21により情報が取得されて作成された医療機関情報は、医療機関情報記憶部31に記憶される。医療機関90が関わる患者とは、医療機関90が診察および治療等によって関わった患者を意味する。
【0048】
医療機関情報は、外部ネットワーク通信部42を用いた通信により、インターネット等により収集することにより取得することが可能である。
【0049】
入院条件情報取得部22は、医療機関90が関わる患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関60を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報を患者別に取得し、図3に示すような入院条件情報を作成する。入院条件情報取得部22により情報が取得されて作成された入院条件情報は、入院条件情報記憶部32に記憶される。
【0050】
入院条件情報は、入力部5から入院条件情報に関するデータをコンピュータ10に入力することが可能であるとともに、紙に記載された入院条件情報をスキャナ部6において画像として読取り、その画像を文字データに変換することによりデータをコンピュータ10に入力することが可能である。入院条件情報取得部22は、このように入力部5またはスキャナ部6からコンピュータ10に入力されるデータにより、入院条件情報を患者別に取得することが可能である。
【0051】
優先順位決定部23は、医療機関情報取得部21により取得された医療機関情報(医療機関情報記憶部31に記憶された医療機関情報)、および、入院条件情報取得部22により取得された入院条件情報(入院条件情報記憶部32に記憶された入院条件情報)に応じて、医療機関90が関わる患者別に、複数の医療機関60を対象として、入院を依頼する優先順位(第1優先順位)を決定する。
【0052】
依頼リスト作成部24は、優先順位決定部23により決定された優先順位(第1優先順位)に応じて、複数の医療機関60に入院を依頼するために用いる医療機関60の依頼リストを作成する。依頼リスト作成部24で作成された依頼リストの情報は、依頼リスト記憶部33に記憶される。
【0053】
入院依頼部25は、依頼リスト作成部24により作成された依頼リストにより、第1優先順位に従って、順次依頼リストにおける複数の医療機関60に入院の依頼をする。具体的に、入院依頼部25は、メール通信部43から電子メールを送るか、または、ファクシミリ通信部44からファクシミリを送るかのいずれかの通信方法により、依頼リストにおける複数の医療機関60に入院の依頼をする。
【0054】
入院決定部26は、入院依頼部25により入院の依頼がされた医療機関60から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関60を、患者を入院させる医療機関60として決定する。
【0055】
例えば、入院依頼部25は、依頼リストにおける複数の医療機関60の優先順位(第1優先順位)にしたがって、最も優先順位が高い1つ目の医療機関60に入院の依頼をし、当該医療機関60からの返答を待つ。
【0056】
そして、入院の依頼先の医療機関60から入院の受入れが可能である旨の返答があった場合は、入院決定部26が、当該医療機関60を、患者を入院させる医療機関60として決定する。一方、入院の依頼先の医療機関60から入院の受入れが不可能である旨の返答があった場合は、入院依頼部25が、依頼リストにおける複数の医療機関60の優先順位(第1優先順位)にしたがって、次に優先順位が高い2つ目の医療機関60に入院の依頼をし、患者を入院させる医療機関60が決定されるまで、このような処理を繰り返し実行する。
【0057】
このように、入院依頼部25は、依頼リストにおける医療機関60の優先順位(第1優先順位)にしたがって、1つの医療機関ずつ、入院の依頼をしていく。
【0058】
患者を他の医療機関60に入院させることが医療機関90において決定された場合に、その旨を外部通知先通信装置62および内部通知先通信装置63のいずれか一方または両方に通知することを可能にするために、外部通知先通信装置62および内部通知先通信装置63のいずれか一方または両方について、メールアドレス等の通知先のデータが、通知先記憶部34に記憶される。
【0059】
通知部27は、入院依頼部25による入院の依頼状況、および、入院決定部26による入院の決定状況に関する情報を、予め定められた連絡先に通知することが可能である。具体的に、通知部27は、通知先記憶部34に記憶された通知先に、メール通信部43から電子メールを送ることにより、入院決定部26による入院の決定状況に関する情報を、予め定められた連絡先である外部通知先通信装置62および内部通知先通信装置63のいずれか一方または両方に通知することが可能である。
【0060】
[医療機関情報例]
図2は、医療機関情報の一例を表形式で示す図である。医療機関情報は、患者の入院を決定するための必須事項を示す第1情報と、患者の入院を決定するための任意事項を示す第2情報とを含む。
【0061】
図2においては、医療機関A~医療機関Fという名称の複数の医療機関60を対象として、各医療機関について、必須事項を示す第1情報と、任意事項を示す第2情報とが示されている。
【0062】
必須事項は、患者が入院するために必ず必要となる情報である。必須事項は、各医療機関が備える医療設備に関する情報および看護体制に関する情報を含む。医療設備の情報には、透析をすることが可能な設備である透析設備の有無に関する情報、および、リハビリをすることが可能なリハビリ設備の有無に関する情報が含まれる。看護体制には、認知症に対応可能な看護体制の有無に関する情報が含まれる。
【0063】
なお、必須事項は、医療設備の情報および看護体制の情報に加えて、診療科の種類に関する情報、および、医師の体制に関する情報等のその他の情報が含まれてもよい。
【0064】
任意事項は、患者が入院するために任意に必要となる情報である。任意事項は、各医療機関における入院費の情報、および、見舞いのしやすさに関する情報を含む。入院費の情報には、相部屋に入院する場合に要する相部屋費用情報、および、個室に入院する場合に要する個室費用情報が含まれる。
【0065】
見舞いのしやすさに関する情報には、駅近情報、駐車場情報、および、住所情報が含まれる。
【0066】
駅近情報は、各医療機関の所在地が鉄道の最寄りの駅の所在地から近いかどうかに関する情報である。駅近情報について、“〇”は、駅から各医療機関までの距離が基準距離以下であり、駅から比較的に近いことを示す記号である。駅近情報について、“×”は、駅から各医療機関までの距離が基準距離よりを超えており、駅から比較的に遠いことを示す記号である。
【0067】
駐車場情報は、各医療機関が駐車場を備えているかどうかに関する情報である。駐車場情報について、“〇”は、各医療機関が駐車場を備えていることを示す記号である。駐車場情報について、“×”は、各医療機関が駐車場を備えていないことを示す記号である。
【0068】
住所情報は、患者が入院を要望する医療機関の所在地を住所により特定する情報である。図3においては、住所の一例として、●●市●●町という住所が記載されている。このような住所情報は、例えば患者が可能な限り自宅から距離が近い医療機関に入院を要望する場合等に、患者にとって要望する情報として設定する意味がある。
【0069】
このような医療機関情報は、医療機関情報取得部21が、外部ネットワーク通信部42を用いた通信により、インターネット等により収集することにより取得することが可能である。医療機関情報取得部21により情報が取得されて作成された医療機関情報は、データベース化されて、医療機関情報記憶部31に記憶される。このような医療機関情報は、医療機関情報取得部21が定期的または随時に情報収集を実行することにより、最新の情報に更新される。
【0070】
[入院条件情報例]
図3は、入院条件情報の一例を表形式で示す図である。入院条件情報は、患者の入院を決定するための要求事項を項目別に示す情報と、当該要求事項の各項目に対応する患者の情報を示す患者情報との関係が示される。
【0071】
図3においては、要求事項の情報として、必須事項を示す第1情報と、任意事項を示す第2情報とが示されている。必須事項は、図2に示した医療設備の情報、および、看護体制の情報と同様の情報である。任意事項は、図2に示した入院費の情報、および、見舞いのしやすさの情報と同様の情報である。
【0072】
図3において、すべての要求事項に、患者情報が対応付けられている。図3に示された患者の患者情報は、次のとおりである。必須事項の医療設備としては、透析設備が不要であり、リハビリ設備が必要である。必須事項の看護体制としては、認知症対応が不要である。必須事項に対応する患者情報は、患者のカルテ(電子カルテ)等から取得した患者の病状に応じて設定される。
【0073】
任意事項の入院費は、相部屋費用を10000円以下で要望し、個室費用を20000円以下で要望するという患者情報が設定されている。任意事項の見舞いのしやすさは、駅近を要望せず、駐車場を備えていることを要望するという患者情報が設定されている。図3においては、駅近を要望する場合は“〇”の記号が付され、駅近を要望しない場合は“×”の記号が付される。図3においては、駐車場を備えていることを要望する場合は“〇”の記号が付され、駐車場を備えていることを要望しない場合は“×”の記号が付される。
【0074】
任意事項に対応する患者情報は、患者および患者の関係者等へのアンケート等による情報収集に応じて取得した情報に応じて設定される。
【0075】
このような入院条件情報は、入院条件情報取得部22が、入力部5から入力されたデータである第1電子データ、および、スキャナ部6での読取により得られたデータである第2電子データ等に基づいて、患者別に取得した患者情報に応じて作成する。入院条件情報取得部22により情報が取得されて作成された入院条件情報は、データベース化されて、入院条件情報記憶部32に記憶される。第1電子データには、患者の病状を示した電子カルテの情報が含まれる。第2電子データには、患者の要望が記載された情報が含まれる。
【0076】
このように、入院条件情報取得部22が取得する入院条件情報は、予め電子情報として作成された第1電子データよるなる第1電子情報と、紙媒体に記載された情報として作成され、スキャナ部6により読取られて電子化された第2電子データよりなる第2電子情報とを含む。
【0077】
[患者の要望の優先度]
図4は、図3に示す入院条件情報に付与することが可能な任意事項の優先度の設定例を示す図である。図4においては、図3に示す入院条件情報に加えて、患者の要望に応じて、任意事項に付与することが可能な患者の要望の優先度に関する情報が示されている。任意事項に付与することが可能な患者の要望の優先度は、前述した入院を依頼する優先順位である第1優先順位と区別するために、第2優先順位と呼ぶ場合がある。
【0078】
入院条件情報においては、図3を用いて説明したように、任意事項を設定することが可能である。さらに、任意事項については、患者の要望に応じて、任意事項に優先度を付与することが可能である。例えば、患者は、図4の“患者要望の優先度”の欄に示すように、“相部屋費用”、“個室費用”、“駅近”、“駐車場”、および、“住所”について、例えば、第1優先度および第2優先度等のような優先度を付与することが可能である。なお、優先度は、付与してもよく、付与しないでもよい。
【0079】
任意事項に優先度(第2優先順位)を付与する場合は、任意事項に含まれるすべての項目のうち、すべての項目について優先度を付与することが可能であり、一部の項目について優先度を付与することも可能である。任意事項に含まれるすべての項目について優先度を付与する場合には、優先度が高い順番に第1優先度>第2優先度>第3優先度>第4優先度>第5優先度を付与することが可能である。このような優先度は、前述のように入院条件情報取得部22が入院条件情報を取得する場合に、患者情報を取得する際に合せて取得される。
【0080】
図4では、任意事項の優先度が設定された入院条件情報の一例として、第1優先度と第2優先度との2つの優先度が付与された入院条件情報が示されている。図4においては、医療機関60の住所について、最も優先度が高い第1優先度が付与され、個室費用について、第2優先度よりも優先度が低い第2優先度が付与されたことが示されている。
【0081】
図4の例では、優先順位決定部23により入院依頼の順位が決定される場合において、例えば、必須事項の成立条件が同じである複数の医療機関60が存在する場合に、任意事項の第1優先度が“住所”であるので、患者が設定した“住所”に対応する住所に医療機関60が所在する場合は、その医療機関60が優先的に入院先の医療機関60として決定される。また、優先順位決定部23により入院依頼の順位が決定される場合において、例えば、必須事項の成立条件が同じであり、かつ、および、患者が設定した第1優先度の“住所”に対応する住所に医療機関60が複数存在する場合に、任意事項の第2優先度が“個室費用”であるので、患者が設定した“個室費用”に対応する個室費用の医療機関60がある場合は、その医療機関60が優先的に入院先の医療機関60として決定される。
【0082】
[入院条件情報および個人情報]
図5は、図3に示す入院条件情報と個人情報とが紐付けされたデータの一例を表形式で示す図である。図3に示す入院条件情報と、患者の個人情報とは、データが紐付けされてメモリ3に記憶される。図5においては、データが紐付けされた入院条件情報と個人情報との一例として、上段側に入院条件情報が示され、下段側に個人情報が示される。
【0083】
図5に示すように、個人情報には、入院条件情報が設定された患者に関する疾病内容の情報、性別の情報、年齢の情報、家族の情報、および、今後の予定の情報が含まれる。疾病内容の情報は、患者における例えば“脳卒中”等の具体的な疾病の内容を示すデータである。性別の情報は、例えば“男性”等の患者の性別を示すデータである。家族の情報は、例えば“妻、子供”等の患者の家族構成を示すデータである。今後の予定の情報は、例えば、“介護施設”の希望の有無、および、“在宅治療”の希望の有無等の入院した後の予定を示すデータである。今後の予定の情報については、“〇”が希望有りを示し、“-”が未定を示す。
【0084】
図5に示すように、入院条件情報と、患者の個人情報とは、データが紐付けされてメモリ3に記憶される。したがって、入院依頼部25により入院依頼をするときに、入院条件情報と、患者の個人情報との関連性を明確化することができる。
【0085】
[依頼リストの例]
図6は、依頼リスト作成部24により作成される依頼リストの一例を表形式で示す図である。依頼リストは、前述したように、優先順位決定部23により決定された第1優先順位に応じて、複数の医療機関60に入院を依頼する医療機関60のリストである。
【0086】
図6に示すように、依頼リストは、基本的に、図2に示す医療機関情報に含まれる医療機関から、図3および図4に示す入院条件情報に応じて、患者の入院を依頼する複数の医療機関60を選択し、当該複数の医療機関60を対象として、複数の医療機関60を、入院を依頼する優先順位に対応した順番に並べたリストである。
【0087】
図6に示すように、依頼リストは、図2に示す医療機関情報に含まれる医療機関60から、図3および図4に示す入院条件情報に応じて、入院を依頼する複数の医療機関60を選択し、当該複数の医療機関60を対象として、複数の医療機関60を、入院を依頼する順番に並べたリストである。
【0088】
依頼リストにおいてリストアップされる医療機関60は、次のように選択される。優先順位決定部23は、各患者について、まず、図2に示すような医療機関情報に含まれる全医療機関のうちから、図2図4に示すような必須事項の条件を満たす医療機関60を選択する。そして、必須事項の条件を満たす医療機関60が複数存在する場合に、優先順位決定部23は、当該複数の医療機関60を対象として、図3図4に示すような任意事項の条件の充足度に応じて、医療機関60の優先順位を決定する。
【0089】
図6では、一例として、優先順位が1番目の医療機関60が医療機関E、優先順位が2番目の医療機関60が医療機関D、優先順位が3番目の医療機関60が医療機関F、優先順位が4番目の医療機関60が医療機関Aである場合の依頼リストが示される。
【0090】
図6に示すように、依頼リストには、図3図4に示すような患者情報が含まれる。このように、依頼リストに患者情報が含まれる場合には、図6のような依頼リストの表を情報処理装置1に設けられた表示装置(図示省略)において画像として表示すると、依頼リストに含まれる各医療機関60における必須事項の充足度および任意事項の充足度を容易に確認することができる。
【0091】
なお、依頼リストは、図3図4に示すような患者情報を考慮して決定したリストであり、複数の医療機関60に入院を依頼するために用いる情報である。したがって、依頼リストの情報としては、依頼する優先順位が決められた医療機関60の情報が最低限含まれていればよいので、図6に示す患者情報は、含まれなくてもよい。
【0092】
入院依頼部25は、図6に示すような依頼リストの情報を用い、最も優先順位が高い医療機関60から1つの医療機関60ずつ入院を依頼する連絡をする。具体的に、入院依頼部25は、ある優先順位の1つの医療機関60に入院を依頼した後、当該医療機関60から返答が来るまで、次の優先順位の医療機関60には入院を依頼する連絡をしない。
【0093】
そして、入院を依頼した医療機関60から入院可能である旨の返答が来た場合は、入院決定部26が当該医療機関60を患者の入院先として決定する。一方、入院を依頼した医療機関60から入院不可能である旨の返答が来た場合、入院依頼部25は、次の優先順位の医療機関60に、患者の入院を依頼する連絡をする。このように、入院を依頼した医療機関60から入院不可能である旨の返答が来た場合に、入院依頼部25が次の優先順位の医療機関60に患者の入院を依頼する連絡をすることが、繰り返し実行される。
【0094】
入院依頼部25による患者の入院を依頼する連絡は、連絡先の医療機関60における通信設備に応じて、メール通信部43から入院依頼先の医療機関60に電子メールを送信すること、または、ファクシミリ通信部44から入院依頼先の医療機関60にファクシミリを送信することにより実行される。
【0095】
入院依頼部25による患者の入院を依頼する連絡に対する入院依頼先の医療機関60から返答される情報は、入院依頼先の医療機関60から返信された電子メールをメール通信部43が受信するか、または、入院依頼先の医療機関60から返信されたファクシミリをファクシミリ通信部44が受信する。
【0096】
入院依頼先の医療機関60から返信される電子メールには、患者の入院を依頼する連絡に対して入院が可能か否かが記載される。入院依頼先の医療機関60から返信されたファクシミリには、患者の入院を依頼する連絡に対して入院が可能か否かが記載される。
【0097】
入院依頼先の医療機関60から返信される電子メールの文書に記載された入院が可能か否かの情報は、メール通信部43が、当該電子メールの文書の文字データを解析することにより認識することが可能である。入院依頼先の医療機関60からファクシミリで返信された文書に記載された、入院が可能か否かの情報は、ファクシミリ通信部44が、ファクシミリで返信された文書に記載された画像に含まれる文字データを解析することにより認識することが可能である。
【0098】
入院依頼部25では、このように、入院依頼先の医療機関60から返信される電子メールまたはファクシミリの文書に記載された“入院が可能か否か”の情報に応じて、次の入院依頼を実行する。入院決定部26では、このように、入院依頼先の医療機関60から返信される電子メールまたはファクシミリの文書に記載された“入院が可能か否か”の情報に応じて、患者を入院させる医療機関60を決定する。
【0099】
[CPU2により実行される患者の入院先決定処理]
図7は、第1実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される患者の入院先決定処理を示すフローチャートである。患者の入院先決定処理は、医療機関90が関わる患者について、他の医療機関60に入院させる場合における入院先の医療機関60を決定するために情報処理装置1(より具体的にはCPU2)が実行する処理である。情報処理装置1のCPU2は、以下のような入院先決定処理を実行する。
【0100】
患者を他の医療機関60に入院させる場合に、CPU2は、ステップS1において、医療機関情報取得部21により、図2に示すような医療機関情報を取得する。ステップS1により、医療機関情報取得部21が構成される。具体的に、ステップS1では、メモリ3における医療機関情報記憶部31から医療機関情報を読出すことにより、医療機関情報を取得する。
【0101】
ステップS1には、医療機関情報取得部21が、外部ネットワーク通信部42を通じて、インターネット等により他の医療機関60の情報を収集することにより、医療機関情報を取得し、取得した医療機関情報を医療機関情報記憶部31に記憶させる処理が含まれてもよい。
【0102】
CPU2は、ステップS2において、他の医療機関60に入院させる患者について、入院条件情報取得部22により、図3および図4に示すような入院条件情報を取得する。具体的に、ステップS2では、他の医療機関60に入院させる患者に関して、メモリ3における入院条件情報記憶部32に記憶された入院条件情報を読出すことにより、当該患者に対応する医療機関情報を取得する。ステップS2により、入院条件情報取得部22が構成される。
【0103】
CPU2は、ステップS3において、他の医療機関60に入院させる患者について、入院を依頼することが可能な医療機関60があるか否かを判定する。具体的に、ステップS3では、ステップS1で取得された医療機関情報、および、ステップS2で取得された入院条件情報に応じて、複数の他の医療機関60を対象として、入院を依頼することが可能な医療機関60があるか否かを判定する。たとえば、ステップS3では、患者の入院条件情報に含まれる必須事項を満足する医療機関60があるか否かを判定することにより、入院を依頼することが可能な医療機関60があるか否かを判定する。入院条件情報には、前述したように患者が任意事項について優先度(第2優先順位)を設定可能である。
【0104】
ステップS3で、入院を依頼することが可能な医療機関60がない場合、CPU2は、処理を終了する。一方、ステップS3で、入院を依頼することが可能な医療機関60がある場合、CPU2は、ステップS4において、他の医療機関60に入院させる患者について、優先順位決定部23により、入院の依頼をする場合の医療機関の優先順位を決定する。ステップS4により、優先順位決定部23が構成される。
【0105】
具体的に、ステップS4では、他の医療機関60に入院させる患者に関して、ステップS1で取得された医療機関情報、および、ステップS2で取得された入院条件情報に応じて、複数の他の医療機関60を対象として、入院を依頼する優先順位(第1優先順位)を決定する。
【0106】
ステップS4では、他の医療機関60に入院させる患者について、まず、図2に示すような医療機関情報に含まれる全医療機関60のうちから、図2図4に示すような必須事項の条件を満たす医療機関60を選択する。そして、必須事項の条件を満たす医療機関60が複数存在する場合に、当該複数の医療機関60を対象として、図3図4に示すような任意事項の条件の充足度に応じて、医療機関60の優先順位を決定する。
【0107】
CPU2は、ステップS5において、他の医療機関60に入院させる患者について、ステップS4で決定された優先順位(第1優先順位)に応じて、複数の他の医療機関60に入院を依頼するために用いる医療機関60の依頼リストを作成する。ステップS5により、依頼リスト作成部24が構成される。ステップS5において作成された依頼リストのデータは、メモリ3の依頼リスト記憶部33に記憶される。
【0108】
具体的に、ステップS5では、他の医療機関60に入院させる患者に関して、ステップS1で取得した医療機関情報に基づき、ステップS4で決定された優先順位(第1優先順位)に応じて、図6に示すような、入院の依頼をする他の医療機関60を優先順位の順番に並べた依頼リストを作成する。
【0109】
CPU2は、ステップS6において、他の医療機関60に入院させる患者について、ステップS5で作成された依頼リストにより、第1優先順位に従って、依頼リストにおける複数の医療機関60に入院の依頼を順次行なう。ステップS6により、入院依頼部25が構成される。具体的に、ステップS6では、入院依頼部25が、メール通信部43から電子メールを送るか、または、ファクシミリ通信部44からファクシミリを送るかのいずれかにより、依頼リストに従って複数の医療機関60に入院の依頼をする。入院の依頼は、前述のように、第1優先順位に従って1つの医療機関60に入院を依頼し、当該医療機関60から入院不可能である旨の返答が来た場合に、次の優先順位の医療機関60に患者の入院を依頼する連絡をすることが、繰り返し実行される。
【0110】
ステップS6においては、入院依頼部25による入院の依頼が開始された後、患者の病状の変化に応じて、入院の依頼をする優先順位(第1優先順位)を変更するようにしてもよい。その場合には、ステップS6に、入力部5等から患者の病状が変化したことを示すデータが入力されたことに応じて、ステップS4で決定された優先順位(第1優先順位)を変更するように、依頼リストの内容を変更して、入院の依頼を実行すればよい。
【0111】
CPU2は、ステップS7において、他の医療機関60に入院させる患者について、ステップS6で実行される入院の依頼の結果、ステップS5で作成された依頼リストに含まれる医療機関60に関し、患者が入院可能な医療機関60があるか否かを判断する。
【0112】
具体的に、ステップS7では、ステップS6で実行される入院の依頼に応じて、医療機関60から入院可能である旨の返答が来た医療機関60がある場合に、患者が入院可能な医療機関60があると判断する。一方、ステップS7では、ステップS6で実行される入院の依頼に応じて、依頼リストに含まれるすべての医療機関60から入院不可能である旨の返答が来た場合に、患者が入院可能な医療機関60がないと判断する。
【0113】
CPU2は、ステップS7により患者が入院可能な医療機関60があると判断された場合に、ステップS8において、当該医療機関60を、患者が入院する医療機関60として決定し、処理を終了する。ステップS8により、入院決定部26が構成される。
【0114】
CPU2は、ステップS7により患者が入院可能な医療機関60がないと判断された場合に、処理を終了する。ステップS4により患者の入院依頼が可能な医療機関60がないと判断された場合、または、ステップS7により患者が入院可能な医療機関60がないと判断された場合は、例えば、医療機関情報取得部21が取得する医療機関60の情報の検索地域を拡げる等の対処をして、医療機関情報を変更し、入院先決定処理をさらに実行すること等の対処をすることが考えられる。
【0115】
以上のような入院先決定処理が実行されることにより、取得された医療機関情報、および、取得された入院条件情報に応じて、患者別に、複数の医療機関60を対象として、入院を依頼する優先順位(第1優先順位)を決定し、決定された優先順位(第1優先順位)に応じて、複数の医療機関60において入院を依頼する医療機関60の依頼リストを作成し、優先順位(第1優先順位)に従って、順次、依頼リストにおける医療機関60に入院の依頼をするので、患者を入院させる医療機関60を決定するために要する期間の長さを抑制することができる。
【0116】
なお、第1実施形態では、入力部5から入院条件情報に関するデータをコンピュータ10に入力することが可能である例を示したが、これに限らず、医療機関90内の内部通知先通信装置63のようなその他の装置からコンピュータ10に入院条件情報を送ることにより、入院条件情報に関するデータをコンピュータ10に入力するようにしてもよい。
<第2実施形態>
[CPU2により実行される優先順位決定処理]
第2実施形態においては、図7のステップS4において、入院の依頼をする医療機関の優先順位を決定する処理のその他の例としての優先順位決定処理を説明する。
【0117】
図8は、第2実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される優先順位決定処理を示すフローチャートである。
【0118】
第2実施形態の情報処理装置1において、CPU2は、図7のステップS4において、以下に示す図8の優先順位決定処理を実行する。
【0119】
CPU2は、ステップS11において、図2図4に示すような必須事項の条件を満たす医療機関60の候補が複数存在するか否かを判断する。CPU2は、ステップS11において医療機関60の候補が複数存在しない場合は、図7の入院先決定処理にリターンし、図7のステップS5に進む。
【0120】
CPU2は、ステップS11において、医療機関60の候補が複数存在する場合は、ステップS12において、複数の候補について、患者に必須とされる医療設備以外の医療設備が少ない順に、優先順位を決定する。ステップS12では、例えば、ステップS11において、患者に必須とされる医療設備以外の医療設備を多く備えている医療機関60については、その後に入院の依頼をする予定の別の患者において、入院の依頼先の医療機関60の選択肢を無駄に減らすことがないようにするために、患者に必須とされる医療設備以外の医療設備が少ない医療機関60よりも優先順位を低くする。
【0121】
CPU2は、ステップS13において、S12で決定した優先順位に関し、同じ順位の医療機関60の候補があるか否かを判定する。CPU2は、ステップS13において同じ順位の医療機関60の候補がない場合は、図7の入院先決定処理にリターンし、図7のステップS5に進む。
【0122】
CPU2は、ステップS13で同じ順位の医療機関60の候補がある場合に、ステップS14において、同順位の候補について、患者が要望した任意事項の充足度が高い順に、優先順位を高く設定する。例えば、図3および図4に示すように、患者は、任意事項について要望する条件を設定可能であるので、ステップS14においては、必須事項に関する優先順位が同じである候補について、優先順位を異ならせるために、図4に示す優先度の情報を含み、患者が要望した任意事項の充足度が高い順に、優先順位を高く設定する。
【0123】
CPU2は、ステップS15において、ステップS14で決定した優先順位に関し、まだ同じ順位の医療機関60の候補があるか否かを判定する。CPU2は、ステップS15において同じ順位の医療機関60の候補がない場合は、図7の入院先決定処理にリターンし、図7のステップS5に進む。
【0124】
CPU2は、ステップS15において同じ順位の医療機関60の候補がある場合は、同順位の候補について、図3および図4に示すような必須事項および任意事項以外の情報に基づき、優先順位の設定をして、図7の入院先決定処理にリターンし、図7のステップS5に進む。具体的に、ステップS15における必須事項および任意事項以外の情報には、病床数等の規模の大きさに応じて優先順位を高く設定する情報、および、各医療機関60における過去の入院の依頼に対する受入れ易さに応じて優先順位を高く設定する情報等が含まれる。
<第3実施形態>
[CPU2により実行される患者の入院先決定処理]
第3実施形態においては、図7に示した患者の入院先決定処理について、その他の処理例を説明する。
【0125】
図9は、第3実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される患者の入院先決定処理を示すフローチャートである。図9の処理が図7の処理と異なるのは、入院依頼部25による入院の依頼状況、および、入院決定部26による入院の決定状況に関する情報を、通知部27により、予め定められた連絡先に通知する処理を実行することを可能とするステップS9およびステップS10を備えることである。
【0126】
図9に示すように、第3実施形態の情報処理装置1において、CPU2は、図7のステップS1~S8と同様の処理を実行する。図9に示すように、CPU2は、ステップS8により患者が入院する医療機関60が決定された後、ステップS9において、患者が入院する医療機関60が決定されたことを、予め定められた連絡先に通知する。具体的に、ステップS9では、通知先記憶部34に記憶された通知先のメールアドレス等の通知先のデータを読み出し、予め定められた連絡先である外部通知先通信装置62および内部通知先通信装置63のいずれか一方または両方に、メール通信部43から電子メールを送ることにより、患者が入院する医療機関60が決定されたことを通知する。
【0127】
図9に示すように、CPU2は、ステップS3で、入院を依頼することが可能な医療機関60がない場合、または、ステップS7により患者が入院可能な医療機関60がないと判断された場合に、ステップS10において、患者が入院する医療機関60が決定されなかったこと、および、入院条件における任意事項を変更することの必要性等の入院非決定の状況に関する情報を、予め定められた連絡先に通知する。具体的に、ステップS10では、ステップS9の場合と同様に、通知先記憶部34に記憶された通知先のメールアドレス等の通知先のデータを読み出し、予め定められた連絡先である外部通知先通信装置62および内部通知先通信装置63のいずれか一方または両方に、メール通信部43から電子メールを送ることにより、入院非決定の状況に関する情報を通知する。
【0128】
なお、ステップS6においては、入院依頼の実行中において、入院依頼の進行状況についての情報を、予め定められた連絡先である外部通知先通信装置62および内部通知先通信装置63のいずれか一方または両方に、メール通信部43から電子メールを送ることにより、入院非決定の状況に関する情報を通知するようにしてもよい。このようにすれば、患者等が入院依頼の進行状況を容易に把握することができる。
<第4実施形態>
[CPU2により実行される入院依頼に関する情報の送信処理]
第4実施形態においては、図7および図9のステップS6において、医療機関60に入院の依頼をする場合における入院依頼に関する情報の送信処理のその他の例を説明する。
【0129】
図10は、第4実施形態の情報処理装置1においてCPU2により実行される情報送信処理を示すフローチャートである。
【0130】
第4実施形態の情報処理装置1において、CPU2は、図7および図9のステップS6において、入院依頼に関する処理の一部として、以下のような情報送信処理を実行する。
【0131】
CPU2は、ステップS21において、入院を要望する情報、および、図5に示すような患者の病状に関する情報を含む入院依頼情報を、メール通信部43からの電子メールまたはファクシミリ通信部44からのファクシミリにより、医療機関60に送信する。ステップS21で送信される情報には、患者の個人情報が含まれていない。ステップS21で送信する入院依頼情報は、第1入院依頼情報とも呼ばれる。
【0132】
CPU2は、ステップS22において、ステップS21で送信した入院依頼情報に対する返信が医療機関60から届いたか否かを確認する。CPU2は、ステップS22で入院依頼情報に対する返信が届いた場合に、ステップS23において、入院依頼情報に対する返信内容が、患者の入院の受入れが可能である旨であるか否かを判定する。
【0133】
CPU2は、ステップS23で、入院依頼情報に対する返信内容が患者の入院の受入れが不可能である旨である場合は、図7および図9のステップS6にリターンする。CPU2は、ステップS23で、入院依頼情報に対する返信内容が患者の入院の受入れが可能である旨である場合は、ステップS24において、例えば図5に示すような患者の個人情報を含む情報を、入院可能な旨の返信があった医療機関60に送信する。ステップS24で送信する患者の個人情報含む情報は、第2入院依頼情報とも呼ばれる。
【0134】
このように第4実施形態では、入院依頼部25が入院の依頼をする医療機関60に対して、患者の個人情報を含まない第1入院依頼情報を送り、当該医療機関60から入院の受入れが能な旨の返答が得られた場合に、患者の個人情報を含む第2入院依頼情報を送ることにより、患者の入院の依頼をするので、患者の個人情報が容易に外部に流出するのを防ぐことができる。
<付記>
以上に説明した実施の形態は、以下のような開示を含む。
【0135】
[構成1]
患者を入院させることが可能な複数の医療機関(医療機関60)を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関(医療機関60)に関する情報である医療機関情報(医療機関情報)を取得する医療機関情報取得部(医療機関情報取得部21)と、
患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関(医療機関60)を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報(入院条件情報)を患者別に取得する入院条件情報取得部(入院条件情報取得部22)と、
取得された前記医療機関情報(医療機関情報)、および、取得された前記入院条件情報(入院条件情報)に応じて、患者別に、前記複数の医療機関(医療機関60)を対象として、入院を依頼する第1優先順位(第1優先順位)を決定する優先順位決定部(優先順位決定部23)と、
決定された前記第1優先順位(第1優先順位)に応じて、前記複数の医療機関(医療機関60)において入院を依頼する医療機関(医療機関60)の依頼リスト(依頼リスト)を作成する依頼リスト作成部(依頼リスト作成部24)と、
作成された前記依頼リストにより、前記第1優先順位(第1優先順位)に従って、順次前記依頼リスト(依頼リスト)における医療機関(医療機関60)に入院の依頼をする入院依頼部(入院依頼部25)とを備える、情報処理装置(情報処理装置1)。
【0136】
このような構成によれば、取得された医療機関情報、および、取得された入院条件情報に応じて、患者別に、複数の医療機関を対象として、入院を依頼する第1優先順位を決定し、決定された第1優先順位に応じて、複数の医療機関において入院を依頼する医療機関60の依頼リストを作成し、第1優先順位に従って、順次、依頼リストにおける医療機関60に入院の依頼をするので、患者を入院させる医療機関を決定するために要する期間の長さを抑制することができる。
【0137】
[構成2]
前記入院依頼部(入院依頼部25)により入院の依頼がされた医療機関(医療機関60)から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関(医療機関60)を、患者を入院させる医療機関(医療機関60)として決定する入院決定部(入院決定部26)をさらに備え、
前記入院依頼部(入院依頼部25)は、入院の依頼がされた医療機関(医療機関60)から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関(医療機関60)に入院を依頼する、構成1に記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0138】
このような構成によれば、入院依頼部により入院の依頼がされた医療機関から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関が、患者を入院させる医療機関として決定され、入院の依頼がされた医療機関から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関に入院を依頼するので、可能な限り優先順位が高い医療機関に患者を入院させることが可能となる。
【0139】
[構成3]
前記医療機関情報(医療機関情報)および前記入院条件情報(入院条件情報)に含まれる情報は、患者の入院を決定するための必須事項を示す第1情報(第1情報)と、患者の入院を決定するための任意事項を示す第2情報(第2情報)とを含み、
前記優先順位決定部(優先順位決定部23)は、前記第1情報(第1情報)と前記第2情報(第2情報)との両方に応じて、前記第1優先順位(第1優先順位)を決定する、構成1または構成2に記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0140】
このような構成によれば、患者の入院を決定するための必須事項を示す第1情報と、患者の入院を決定するための任意事項を示す第2情報との両方に応じて、第1優先順位が決定されるので、例えば患者の要望等の任意事項を考慮して、医療機関に入院を依頼することができる。
【0141】
[構成4]
前記第1情報(第1情報)は、各医療機関(医療機関60)における医療設備の情報および看護体制の情報を含む、構成3に記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0142】
このような構成によれば、第1情報が各医療機関における医療設備の情報および看護体制の情報を含むので、患者の病状を考慮して、医療機関に入院を依頼することができる。
【0143】
[構成5]
前記第2情報は、患者が第2優先順位を選択可能な複数項目の情報(相部屋費用情報、個室費用情報、駅近情報、駐車場情報、住所情報)を含む、構成3に記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0144】
このような構成によれば、第2情報が、患者が第2優先順位を選択可能な複数項目の情報を含むので、患者の要望を考慮して、医療機関に入院を依頼することができる。
【0145】
[構成6]
前記入院依頼部は、入院の依頼をする医療機関(医療機関60)に対して、患者の個人情報を含まない第1入院依頼(第1入院依頼情報)を送り、当該医療機関(医療機関60)から受入れ可能な旨の返答が得られた場合に、患者の個人情報を含む第2入院依頼情報(第2入院依頼情報)を送ることにより、患者の入院の依頼をする、構成1~構成5のいずれかに記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0146】
このような構成によれば、入院依頼部が入院の依頼をする医療機関に対して、患者の個人情報を含まない第1入院依頼情報を送り、当該医療機関から入院の受入れが能な旨の返答が得られた場合に、患者の個人情報を含む第2入院依頼情報を送ることにより、患者の入院の依頼をするので、患者の個人情報が容易に外部に流出するのを防ぐことができる。
【0147】
[構成7]
前記優先順位決定部(優先順位決定部23)は、前記入院依頼部(入院依頼部25)による入院の依頼が開始された後、患者の病状の変化に応じて、前記第1優先順位(第1優先順位)を変更する、構成1~構成6のいずれかに記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0148】
[構成8]
前記入院条件情報取得部(入院条件情報取得部22)が取得する前記入院条件情報(入院条件情報)は、予め電子情報として作成された第1電子情報(第1電子データ)と、紙媒体に記載された情報として作成され、スキャナ(スキャナ部6)により読取られて電子化された第2電子情報(第2電子データ)とを含む、構成1~構成7のいずれかに記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0149】
このような構成によれば、入院条件情報が、予め電子情報として作成された第1電子情報と、スキャナにより読取られて電子化された第2電子情報とを含むので、各種の形式の情報に基づいて、入院条件情報取得部が入院条件情報を取得することができる。
【0150】
[構成9]
前記第1電子情報(第1電子情報)は、電子カルテを含み、
前記第2電子情報(第2電子情報)は、患者の要望が記載された情報を含む、構成8に記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0151】
このような構成によれば、第1電子情報に電子カルテが含まれ、第2電子情報に患者の要望が記載された情報が含まれるので、第1電子情報で患者の病状を示すことができ、第2電子情報で患者の要望を示すことができる。
【0152】
[構成10]
前記入院依頼部による入院の依頼状況、および、前記入院決定部による入院の決定状況に関する情報を、予め定められた連絡先に通知する通知部(通知部27)をさらに備える、構成2に記載の情報処理装置(情報処理装置1)。
【0153】
このような構成によれば、患者等が入院依頼の進行状況を容易に把握することができる。
【0154】
[構成11]
患者を入院させることが可能な複数の医療機関(医療機関60)を対象として、対応可能な医療に関する情報を含む各医療機関(医療機関60)に関する情報である医療機関(医療機関60)情報を取得するステップ(ステップS1)と、
患者の病状の情報を含み、患者が入院する医療機関(医療機関60)を決定するために必要となる条件に関する情報である入院条件情報(入院条件情報)を患者別に取得するステップ(ステップS2)と、
取得された前記医療機関情報(医療機関情報)、および、取得された前記入院条件情報に応じて、患者別に、前記複数の医療機関(医療機関60)を対象として、入院を依頼する(入院条件情報)第1優先順位(第1優先順位)を決定するステップ(ステップS4)と、
決定された前記第1優先順位(第1優先順位)に応じて、前記複数の医療機関(医療機関60)において入院を依頼する医療機関(医療機関60)の依頼リスト(依頼リスト)を作成するステップ(ステップS5)と、
作成された前記依頼リスト(依頼リスト)により、前記第1優先順位(第1優先順位)に従って、順次前記依頼リスト(依頼リスト)における医療機関(医療機関60)に入院の依頼をするステップ(ステップS6)とを備える、情報処理方法。
【0155】
[構成12]
入院の依頼がされた医療機関(医療機関60)から入院可能である旨の返答が得られたことに応じて、当該医療機関(医療機関60)を、患者を入院させる医療機関として決定するステップ(ステップS8)と、
入院の依頼がされた医療機関(医療機関60)から入院不可能である旨の返答が得られたことに応じて、次の優先順位の医療機関(医療機関60)に入院を依頼するステップ(ステップS6)とをさらに備える、構成11に記載の情報処理方法。
【0156】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0157】
60 医療機関、21 医療機関情報取得部、22 入院条件情報取得部、23 優先順位決定部、24 依頼リスト作成部、25 入院依頼部、1 情報処理装置、26 入院決定部、6 スキャナ部、27 通知部。
図1
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図10