(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141618
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】窒化物半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20241003BHJP
H01L 21/337 20060101ALI20241003BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20241003BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241003BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20241003BHJP
H01L 21/329 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L29/80 E
H01L29/80 C
H01L29/44 Y
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
H01L29/91 F
H01L29/91 C
H01L29/91 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053364
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 浩隆
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA04
4M104AA07
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB14
4M104BB30
4M104CC01
4M104CC03
4M104DD16
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4M104DD37
4M104EE06
4M104EE12
4M104EE16
4M104EE17
4M104GG02
4M104GG11
4M104HH20
5F102GA14
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD04
5F102GJ02
5F102GJ03
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5F102GM04
5F102GM08
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5F102GS08
5F102GT03
5F102GT06
5F102GV05
5F102GV06
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC11
(57)【要約】
【課題】逆方向特性を改善して電気的特性の向上を図ること。
【解決手段】パッシベーション層60は、X軸方向において、ゲート層51を挟むように配置された第1開口61および第2開口62と、X軸方向において第1開口および第2開口62と離隔して配置された第3開口63と、を含む。窒化物半導体装置10は、第1開口61内にて電子供給層44に接する第1電極71と、第2開口62内にて電子供給層44に接する第2電極72と、第3開口63内にて電子供給層44に接する第3電極73と、を含む。さらに、窒化物半導体装置10は、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたアノード層52を含む。第2開口62は、トランジスタ領域32とダイオード領域34との境界に設けられ、第2電極72は、トランジスタ31のソース電極75およびダイオード33のアノード電極76の双方として用いられる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタを含むトランジスタ領域と、ダイオードを含むダイオード領域と、を含み、前記ダイオード領域は前記トランジスタ領域と第1方向に隣接して設けられた基板と、
前記トランジスタ領域および前記ダイオード領域の双方に跨った状態で前記基板上に形成され、窒化物半導体によって構成された第1窒化物半導体層と、
前記トランジスタ領域および前記ダイオード領域の双方に跨った状態で前記第1窒化物半導体層上に形成され、前記第1窒化物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された第2窒化物半導体層と、
前記トランジスタ領域における前記第2窒化物半導体層上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層と、
前記ゲート層上に形成されたゲート電極と、
前記第2窒化物半導体層、前記ゲート層、および前記ゲート電極を覆い、前記第1方向において前記ゲート層を挟むよう配置された第1開口および第2開口と、前記第1方向において前記第1開口および前記第2開口と離隔して配置された第3開口と、を含むパッシベーション層と、
前記第1開口内にて前記第2窒化物半導体層に接している第1電極と、
前記第2開口内にて前記第2窒化物半導体層に接している第2電極と、
前記第3開口内にて前記第2窒化物半導体層に接している第3電極と、
前記ダイオード領域における前記第2窒化物半導体層上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたアノード層と、
を含み、
前記第2開口は、前記トランジスタ領域と前記ダイオード領域との境界に設けられており、前記第2電極は、前記トランジスタの電極および前記ダイオードの電極の双方として用いられる、
窒化物半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記トランジスタ領域に形成されたドレイン電極であり、
前記第3電極は、前記ダイオード領域における前記第2電極から前記第1電極とは反対側であって前記第1方向に離隔した位置に設けられたカソード電極であり、
前記第2開口は、前記第2窒化物半導体層と前記アノード層とを露出させるものであり、
前記第2電極は、前記第2窒化物半導体層と前記アノード層との双方と接しており、ソース電極であるとともにアノード電極である、
請求項1に記載の窒化物半導体装置。
【請求項3】
前記第1電極は、前記トランジスタ領域に形成されたソース電極であり、
前記第2電極は、ドレイン電極であるとともにカソード電極であり、
前記第3開口は、前記ダイオード領域における前記第2電極から前記第1電極とは反対側であって前記第1方向に離隔した位置に設けられ、前記第2窒化物半導体層と前記アノード層とを露出させるものであり、
前記第3電極は、前記第2窒化物半導体層と前記アノード層との双方と接しているアノード電極である、
請求項1に記載の窒化物半導体装置。
【請求項4】
前記アノード電極は、前記ダイオード領域に設けられ、前記アノード層から前記カソード電極に向けて延設しているアノード延設部を含む、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項5】
前記パッシベーション層内であって前記ダイオード領域における前記アノード層と前記カソード電極との間に埋め込まれ、前記アノード電極に電気的に接続されたダイオードフィールドプレート電極を含み、
前記アノード延設部は、前記パッシベーション層上であって前記ダイオードフィールドプレート電極よりも前記カソード電極に向けて延設している、
請求項4に記載の窒化物半導体装置。
【請求項6】
前記パッシベーション層は、積層された第1パッシベーション膜および第2パッシベーション膜を含み、
前記ダイオードフィールドプレート電極は、前記第1パッシベーション膜上に形成されており、
前記第2パッシベーション膜は、前記ダイオードフィールドプレート電極を覆っており、
前記アノード延設部は、前記第2パッシベーション膜上に形成されている、
請求項5に記載の窒化物半導体装置。
【請求項7】
前記トランジスタ領域における前記第2窒化物半導体層上であって前記ゲート層と前記ドレイン電極との間に設けられ、前記ソース電極に電気的に接続されたトランジスタフィールドプレート電極を含む、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項8】
前記パッシベーション層は、第1パッシベーション膜および第2パッシベーション膜を含み、
前記トランジスタフィールドプレート電極は、前記第1パッシベーション膜上に配置され、前記第2パッシベーション膜により覆われている、
請求項7に記載の窒化物半導体装置。
【請求項9】
前記アノード層の前記第1方向の長さは、前記ゲート層の前記第1方向の長さよりも短い、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項10】
前記第1方向における前記アノード層と前記カソード電極との間の距離は、前記第1方向における前記ゲート層と前記ドレイン電極との間の距離よりも短い、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項11】
前記ゲート電極と前記アノード電極は、ショットキー接合する材料、またはオーミック接合する材料によって構成されている、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項12】
前記アノード層の膜厚は、前記ゲート層の膜厚よりも小さい、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項13】
前記アノード層は、前記第1方向において互いに反対側を向く第1側面および第2側面を含み、
前記第1側面は前記パッシベーション層により覆われ、前記第2側面は前記第2開口により露出している、
請求項2に記載の窒化物半導体装置。
【請求項14】
前記アノード層は、前記第1方向において互いに反対側を向く第1側面および第2側面を含み、
前記第1側面は前記パッシベーション層により覆われ、前記第2側面は前記第3開口により露出している、
請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項15】
前記アノード層は、前記ゲート層の膜厚よりも膜厚が小さい部分を含む、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項16】
前記アノード層は、前記ゲート層の膜厚と膜厚が等しい第1部分と、前記ゲート層の膜厚よりも膜厚が小さい第2部分を含む、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項17】
前記第1部分は、前記パッシベーション層より覆われており、
前記第2部分は、前記第2開口により露出している、
請求項16に記載の窒化物半導体装置。
【請求項18】
前記ダイオード領域は、前記トランジスタ領域よりも小さい、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項19】
前記第2開口と前記第3開口との間の距離は、前記第1開口と前記第2開口との間の距離よりも短い、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【請求項20】
前記ゲート層は、前記トランジスタ領域において前記基板の厚さ方向から見て環状に形成されており、
前記ドレイン電極は、前記基板の厚さ方向から見て、環状の前記ゲート層に囲まれており、
前記アノード層は、前記ゲート層とは離隔して設けられており、前記ダイオード領域において前記基板の厚さ方向から見て環状に形成されており、
前記カソード電極は、前記基板の厚さ方向から見て、環状の前記アノード層に囲まれている、
請求項2または請求項3に記載の窒化物半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化物半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、窒化ガリウム(GaN)等のIII族窒化物半導体(以下、単に「窒化物半導体」と言う場合がある)を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)の製品化が進んでいる。HEMTは、半導体ヘテロ接合の界面付近に形成された二次元電子ガス(2DEG)を導電経路(チャネル)として使用する。HEMTを利用したパワーデバイスは、典型的なシリコン(Si)パワーデバイスと比較して低オン抵抗および高速・高周波動作を可能にしたデバイスとして認知されている。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載の窒化物半導体装置は、窒化ガリウム(GaN)層によって構成された電子走行層と、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層によって構成された電子供給層とを含む。これら電子走行層と電子供給層とのヘテロ接合の界面付近において電子走行層中に2DEGが形成される。また、特許文献1の窒化物半導体装置では、アクセプタ型不純物を含むゲート層(たとえばp型GaN層)が、電子走行層上であってゲート電極の直下の位置に設けられている。この構成では、ゲート層の直下の領域において、ゲート層が電子走行層と電子供給層との間のヘテロ接合界面付近における伝導帯のバンドエネルギーを持ち上げることによりゲート層の直下のチャネルが消失し、ノーマリーオフが実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような窒化物半導体装置は、ゲート電極-ソース電極間をショートした状態における逆導通特性が悪いため、大きな電力損失を生じさせる要因となり得る。このため、窒化物半導体装置における電気的特性の向上が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である窒化物半導体装置は、トランジスタを含むトランジスタ領域と、ダイオードを含むダイオード領域と、を含み、前記ダイオード領域は前記トランジスタ領域と第1方向に隣接して設けられた基板と、前記トランジスタ領域および前記ダイオード領域の双方に跨った状態で前記基板上に形成され、窒化物半導体によって構成された第1窒化物半導体層と、前記トランジスタ領域および前記ダイオード領域の双方に跨った状態で前記第1窒化物半導体層上に形成され、前記第1窒化物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された第2窒化物半導体層と、前記トランジスタ領域における前記第2窒化物半導体層上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層と、前記ゲート層上に形成されたゲート電極と、前記第2窒化物半導体層、前記ゲート層、および前記ゲート電極を覆い、前記第1方向において前記ゲート層を挟むよう配置された第1開口および第2開口と、前記第1方向において前記第1開口および前記第2開口と離隔して配置された第3開口と、を有するパッシベーション層と、前記第1開口内にて前記第2窒化物半導体層に接している第1電極と、前記第2開口内にて前記第2窒化物半導体層に接している第2電極と、前記第3開口内にて前記第2窒化物半導体層に接している第3電極と、前記ダイオード領域における前記第2窒化物半導体層上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたアノード層と、を備え、前記第2開口は、前記トランジスタ領域と前記ダイオード領域との境界に設けられており、前記第2電極は、前記トランジスタの電極および前記ダイオードの電極の双方として用いられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様である窒化物半導体装置によれば、逆方向特性を改善して電気的特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の窒化物半導体装置の例示的な概略平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の窒化物半導体装置の一部を拡大して示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図2のF3-F3線で切断した窒化物半導体装置を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の窒化物半導体装置の一部を拡大して示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、
図4のF5-F5線で切断した窒化物半導体装置を示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、
図5の窒化物半導体装置の製造工程を示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す工程に続く製造工程を示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示す工程に続く製造工程を示す概略断面図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す工程に続く製造工程を示す概略断面図である。
【
図16】
図16は、変更例に係る例示的は窒化物半導体装置の概略断面図である。
【
図17】
図17は、変更例に係る例示的は窒化物半導体装置の概略断面図である。
【
図18】
図18は、変更例に係る例示的は窒化物半導体装置の概略断面図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態の窒化物半導体装置の例示的な概略平面図である。
【
図20】
図20は、
図19のF20-F20線で切断した窒化物半導体装置を示す概略断面図である。
【
図21】
図21は、変更例に係る例示的な窒化物半導体装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の窒化物半導体装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
【0010】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0011】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0012】
(第1実施形態)
(窒化物半導体装置の概略構成)
図1は、第1実施形態に係る例示的な窒化物半導体装置10の概略平面図である。
【0013】
窒化物半導体装置10は、一例では矩形平板状に形成されている。説明の便宜上、窒化物半導体装置10の厚さ方向をZ軸方向とし、Z軸方向に直交するとともに互いに直交する2つの軸方向をX軸方向およびY軸方向とする。なお、本開示において使用される「平面視」という用語は、
図1に示されるZ軸方向に窒化物半導体装置10を視ることをいう。
【0014】
窒化物半導体装置10は、チップ本体11を含む。チップ本体11は、平面視で矩形状に形成されている。
チップ本体11は、上面12と、上面12とは反対側を向く下面13と、を含む。上面および下面13は、一例では、上面12および下面13は、Y軸方向に対してX軸方向に長い長方形状に形成されている。
【0015】
チップ本体11は、複数の側面14,15,16,17を含む。各側面14~17は、上面12と下面13とを繋ぐ面である。一例では、側面14~17は、上面12および下面13の双方と直交する面である。側面14,15は、X軸方向において、互いに反対側を向く。側面16,17は、Y軸方向において、互いに反対側を向く。
【0016】
窒化物半導体装置10は、上面12に形成されたゲートパッド21、ソースパッド22、およびドレインパッド23を含む。ゲートパッド21、ソースパッド22、およびドレインパッド23は、窒化物半導体装置10の外部接続端子を構成することができる。一例では、窒化物半導体装置10は、1つのゲートパッド21、複数のソースパッド22、および複数のドレインパッド23を含む。
【0017】
ゲートパッド21は、平面視において矩形状に形成されている。ゲートパッド21は、上面12の1つの角部に配置されている。一例では、ゲートパッド21は、側面14,16が成す上面12の角部に配置されている。
【0018】
複数のソースパッド22および複数のドレインパッド23は、平面視において、窒化物半導体装置10の側面16から側面17に向けて、つまりY軸方向に沿って延びる直線上に形成されている。そして、複数のソースパッド22および複数のドレインパッド23は、それぞれが延びる方向と交差する方向、一例では、Y軸方向と直交するX軸方向に向けて交互に配置されている。
【0019】
窒化物半導体装置10は、窒化物半導体を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)と、窒化物半導体を用いたダイオードと、を含む。窒化物半導体装置10は、複数のトランジスタと複数のダイオードとを含む。複数のトランジスタは、ゲートパッド21と電気的に接続されたゲート電極と、ソースパッド22と電気的に接続されたソース電極と、ドレインパッド23と電気的に接続されたドレイン電極と、を含む。複数のダイオードは、ソースパッド22と電気的接続されたアノード電極と、ドレインパッド23と電気的接続されたカソード電極と、を含む。つまり、窒化物半導体装置10に含まれる複数のダイオードは、窒化物半導体装置10に含まれるトランジスタに対して逆並列に接続されている。
【0020】
(第1領域、第2領域の構成)
図1に示すように、窒化物半導体装置10は、第1領域25と第2領域26とを含む。一例では、第1領域25は、平面視において、X軸方向におけるチップ本体11の両端部に設けられている。第2領域26は、X軸方向における窒化物半導体装置10の中央に配置されている。第1領域25は、X軸方向において、第2領域26を挟むように配置されている。一例では、第1領域25は、トランジスタおよびダイオードのうちのトランジスタのみを含む。一例では、第2領域26は、トランジスタおよびダイオードの双方を含む。
図1に示される第1領域25および第2領域26は一例である。たとえば、
図1では、第1領域25と第2領域26とが離れているように示されている。また、X軸方向およびY軸方向において、ソースパッド22およびドレインパッド23に対して、第1領域25および第2領域26が小さく示されている。これらに対して、第1領域25と第2領域26の配置、形状、大きさは適宜変更されてよい。
【0021】
(第1領域、第2領域の構成)
図2から
図5を参照して、窒化物半導体装置10に含まれる第1領域25および第2領域26の構成を説明する。
【0022】
図2は、
図1の窒化物半導体装置10の一部、さらに詳しくは
図1の第1領域25の一部を拡大した概略平面図である。
図3は、
図2のF3-F3線で切断した窒化物半導体装置10を示す概略断面図である。
図4は、
図1の窒化物半導体装置10の一部、さらに詳しくは
図1の第2領域26の一部を拡大した概略平面図である
図5は、
図4のF5-F5線で切断した窒化物半導体装置を示す概略断面図である。なお、
図2、
図4では、ソース電極75、アノード電極76(アノード延設部76B)を二点鎖線にて示している。また、
図4、
図5では、ゲート層51およびアノード層52を判りやすくするためにドットハッチングを付している。
【0023】
図2、
図3に示すように、第1領域25は、トランジスタ31が形成されたトランジスタ領域32を含む。
第1領域25は、複数のトランジスタ領域32を含む。複数のトランジスタ領域32は、X軸方向に隣り合って配置されている。
図2では、X軸方向について示されている。一例では、Y軸方向は、X軸方向と同様に、複数のトランジスタ領域32が隣り合って配置されている。第1領域25は、
図4、
図5に示されるダイオード33を含まない領域である。第1領域25は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34のうちのトランジスタ領域32のみを含むといえる。
【0024】
図4、
図5に示すように、第2領域26は、トランジスタ31が形成されたトランジスタ領域32と、ダイオード33が形成されたダイオード領域34と、を含む。第2領域26は、複数のトランジスタ領域32および複数のダイオード領域34を含む。第2領域26は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34の双方を含むといえる。
【0025】
ダイオード領域34は、トランジスタ領域32とX軸方向に隣接して設けられている。一例では、トランジスタ領域32およびダイオード領域34は、X軸方向に交互に設けられている。なお、
図4では、X軸方向について示されている。一例では、Y軸方向において、複数のトランジスタ領域32が隣り合って配置されるとともに、複数のダイオード領域34が隣り合って配置されている。X軸方向におけるダイオード領域34の長さL34は、X軸方向におけるトランジスタ領域32の長さL32よりも小さい。
【0026】
(トランジスタ、ダイオードの構成)
次に、トランジスタ領域32に含まれるトランジスタ31と、ダイオード領域34に含まれるダイオード33の構成について説明する。
【0027】
上述したように、第1領域25は、トランジスタ31およびダイオード33のうちのトランジスタ31のみを含む。また、第2領域26は、トランジスタ31およびダイオード33の双方を含む。したがって、
図4、
図5を参照して、第2領域26に含まれるトランジスタ31およびダイオード33について説明する。
図2、
図3に示される第1領域25に含まれるトランジスタ31については、
図4、
図5に示されるトランジスタ31と同じ符号を付す。
【0028】
第2領域26において、トランジスタ31は、基板41のトランジスタ領域41A上の窒化物半導体層と、窒化物半導体層上に配置された部材と、によって構成されている。ダイオード33は、基板41のダイオード領域41B上の窒化物半導体層と、窒化物半導体層上に配置された部材と、によって構成されている。これらの構成部材について、説明する。
【0029】
図5に示すように、窒化物半導体装置10は、基板41と、基板41上に形成されたバッファ層42と、バッファ層42上に形成された電子走行層43と、電子走行層43上に形成された電子供給層44とを含む。
【0030】
基板41は、トランジスタ領域41Aとダイオード領域41Bとを含む。基板41のトランジスタ領域41Aは、基板41のうちのトランジスタ領域32に含まれる部分である。基板41のダイオード領域41Bは、基板41のうちのダイオード領域34に含まれる部分である。ダイオード領域41Bは、トランジスタ領域41AとX軸方向に隣接して設けられる。一例では、第2領域26内において、トランジスタ領域41Aおよびダイオード領域41Bは、X軸方向に交互に設けられている。以下の説明において、基板41の領域について区別することなく、トランジスタ領域32とダイオード領域34とを用いて説明する。なお、第1領域25内において、基板41はトランジスタ領域41Aを含み、ダイオード領域41Bを含まない。
【0031】
バッファ層42は、トランジスタ領域32およびトランジスタ領域32の双方に跨った状態で基板41上に形成されている。電子走行層43は、トランジスタ領域32およびトランジスタ領域32の双方に跨った状態でバッファ層42上に形成されている。電子供給層44は、トランジスタ領域32およびトランジスタ領域32の双方に跨った状態で電子走行層43上に形成されている。
【0032】
基板41は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、GaN、サファイア、または他の基板材料で形成され得る。たとえば、基板41は、導電性Si基板である。基板41の厚さは、たとえば200μm以上1500μm以下であってよい。なお、各図に示されるZ軸方向は、基板41の主面と直交する方向である。
【0033】
バッファ層42は、基板41と電子走行層43との間に位置し得る。一例では、バッファ層42は、電子走行層43のエピタキシャル成長を容易にすることができる任意の材料によって形成され得る。バッファ層42は、1つまたは複数の窒化物半導体層を含み得る。
【0034】
一例では、バッファ層42は、窒化アルミニウム(AlN)層、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層、および異なるアルミニウム(Al)組成を有するグレーテッドAlGaN層のうちの少なくとも1つを含み得る。たとえば、バッファ層42は、単一のAlN層、単一のAlGaN層、AlGaN/GaN超格子構造を有する層、AlN/AlGaN超格子構造を有する層、またはAlN/GaN超格子構造を有する層によって形成され得る。なお、バッファ層42におけるリーク電流を抑制するために、バッファ層42の一部に不純物を導入してバッファ層42を半絶縁性にしてもよい。その場合、不純物は、たとえば炭素(C)または鉄(Fe)であり、不純物の濃度は、たとえば4×1016cm-3以上とすることができる。
【0035】
電子走行層43は、窒化物半導体によって形成され得る。電子走行層43は、第1窒化物半導体層に対応する。たとえば、電子走行層43はGaN層であってよい。電子走行層43の厚さは、たとえば0.5μm以上2μm以下であってよい。なお、電子走行層43におけるリーク電流を抑制するために、電子走行層43の一部に不純物を導入して電子走行層43の表層領域以外を半絶縁性にしてもよい。その場合、不純物はたとえばCであり、不純物の濃度は、たとえばピーク濃度で1×1019cm-3以上であってよい。
【0036】
電子供給層44は、窒化物半導体によって形成され得る。電子供給層44は、第2窒化物半導体層に対応する。たとえば、電子供給層44はAlGaN層であってよい。AlGaN層では、Al組成が大きくなるほどバンドギャップが大きくなる。このため、AlGaN層である電子供給層44は、GaN層である電子走行層43よりも大きなバンドギャップを有している。たとえば、電子供給層44は、AlxGa1-xNによって構成されており、ここで、xは0.1<x<0.4、より好ましくは0.2<x<0.3の範囲を有するが、必ずしもこの範囲に限定されない。電子供給層44の厚さは、たとえば5nm以上20nm以下であってよい。
【0037】
電子走行層43と電子供給層44は、互いに異なる格子定数を有する窒化物半導体によって構成されている。したがって、電子走行層43を構成する窒化物半導体(たとえば、GaN)と電子供給層44を構成する窒化物半導体(たとえば、AlGaN)とは格子不整合系の接合となっている。電子走行層43および電子供給層44の自発分極と、電子供給層44のヘテロ接合部が受ける応力に起因するピエゾ分極とによって、電子走行層43と電子供給層44とのヘテロ接合界面付近における電子走行層43の伝導帯のエネルギーレベルはフェルミ準位よりも低くなる。これにより、電子走行層43と電子供給層44とのヘテロ接合界面に近い位置(たとえば、界面から数nm程度の距離)において電子走行層43内には二次元電子ガス(2DEG)45が広がっている。
【0038】
窒化物半導体装置10は、電子供給層44の上に形成されたゲート層51およびアノード層52と、ゲート層51上に形成されたゲート電極53と、パッシベーション層60と、をさらに含む。
【0039】
(ゲート層)
ゲート層51は、トランジスタ領域32における電子供給層44上に形成されている。ゲート層51は、電子供給層44よりも小さなバンドギャップを有する窒化物半導体によって形成され得る。一例として、電子供給層44がAlGaN層である場合、ゲート層51は、アクセプタ型不純物がドープされたGaN層、すなわちp型GaN層であってよい。アクセプタ型不純物は、たとえば、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、および炭素(C)のうちの少なくとも1つであってよい。ゲート層51中におけるアクセプタ型不純物の最大濃度は、たとえば、7×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
【0040】
ゲート層51がアクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって形成されている場合には、電子走行層43および電子供給層44のエネルギーレベルが引き上げられる。このため、ゲート層51の直下の領域において、電子走行層43と電子供給層44との間のヘテロ接合界面付近における電子走行層43の伝導帯のエネルギーレベルは、フェルミ準位とほぼ同じか、またはそれよりも大きくなる。したがって、ゲート電極53に電圧を印加していないゼロバイアス時において、ゲート層51の直下の領域における電子走行層43には、2DEG45が形成されない。一方、トランジスタ領域32において、ゲート層51の直下の領域以外の領域における電子走行層43には、2DEG45が形成されている。
【0041】
このように、アクセプタ型不純物がドーピングされたゲート層51の存在によってゲート層51の直下の領域で2DEG45が消滅している。その結果、トランジスタ31のノーマリーオフ動作が実現される。ゲート電極53に適切なオン電圧が印加されると、ゲート電極53の直下の領域における電子走行層43に2DEG45によるチャネルが形成されるため、ソース-ドレイン間が導通する。
【0042】
ゲート層51の膜厚T51は特に限定されないが、ゲート耐圧等の種々のパラメータを考慮して適宜決定され得る。たとえば、ゲート層51の膜厚T51は、80nm以上150nm以下であってよい。また、ゲート層51の断面形状は特に限定されない。ゲート層51は、
図5のZX平面に沿った断面において、たとえば、矩形状、台形状、リッジ状、またはその他の任意の形状を有し得る。
【0043】
(アノード層)
アノード層52は、ダイオード領域34における電子供給層44上に形成されている。アノード層52は、電子供給層44よりも小さなバンドギャップを有する窒化物半導体によって形成され得る。一例として、電子供給層44がAlGaN層である場合、アノード層52は、アクセプタ型不純物がドープされたGaN層、すなわちp型GaN層であってよい。アクセプタ型不純物は、たとえば、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、および炭素(C)のうちの少なくとも1つであってよい。アノード層52中におけるアクセプタ型不純物の最大濃度は、たとえば、7×1018cm-3以上1×1020cm-3以下である。
【0044】
アノード層52がアクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって形成されている場合には、ゲート層51と同様に、アノード層52の直下の領域における電子走行層43には、2DEGが形成されない。一例では、アノード層52のX軸方向の長さL52は、X軸方向におけるゲート層51の長さL51と等しい。一例では、アノード層52の膜厚T52は、ゲート層51の膜厚T51と等しい。また、アノード層52の断面形状は特に限定されない。アノード層52は、
図5のZX平面に沿った断面において、たとえば、矩形状、台形状、リッジ状、またはその他の任意の形状を有し得る。
【0045】
(パッシベーション層)
パッシベーション層60は、電子供給層44、ゲート層51、ゲート電極53、およびアノード層52を覆うように形成されている。一例では、パッシベーション層60は、電子供給層44、ゲート層51、ゲート電極53、およびアノード層52と接している。
【0046】
パッシベーション層60は、第1開口61、第2開口62、および第3開口63を含む。第1開口61および第2開口62は、ゲート層51を挟むように配置されている。第1開口61および第2開口62は、ゲート層51から離隔されている。第1開口61とゲート層51との間の距離は、第2開口62とゲート層51との間の距離よりも大きい。第1開口61は、第2開口62よりもゲート層51から離隔して形成されているといえる。ゲート層51は、第1開口61よりも第2開口62寄りに配置されているといえる。
【0047】
第3開口63は、X軸方向において第1開口61および第2開口62から離隔して配置されている。第3開口63は、第2開口62に対して第1開口61と反対側に配置されている。
【0048】
第2開口62は、トランジスタ領域32とダイオード領域34との境界に設けられている。第1開口61は、トランジスタ領域32に設けられている。一例では、第1開口61は、X軸方向においてトランジスタ領域32の中央に設けられている。第3開口63は、ダイオード領域34に設けられている。一例では、第3開口63は、X軸方向においてダイオード領域34の中央に設けられている。
図4に示すように、第1開口61、第2開口62、および第3開口63は、Y軸方向に延びるように形成されている。
【0049】
第1開口61は、電子供給層44の上面44Sの一部を露出するように形成されている。第1開口61は、電子供給層44の上面44Sを第1接続領域44Aとして露出する。第3開口63は、電子供給層44の上面44Sの一部を露出するように形成されている。第3開口63は、電子供給層44の上面44Sを第3接続領域44Cとして露出する。第2開口62は、電子供給層44の上面44Sの一部を露出するように形成されている。第2開口62は、電子供給層44の上面44Sを第2接続領域44Bとして露出する。また、第2開口62は、アノード層52を露出するように形成されているといえる。第2開口62は、アノード層52と電子供給層44とを露出するように形成されているといえる。
【0050】
アノード層52は、上面52Sと側面52CA,52CBを含む。アノード層52の上面52Sは、電子供給層44の上面44Sと同じ方向を向く。側面52CA,52CBは、X軸方向において互いに反対側を向く。アノード層52の側面52CAは、ゲート層51と対向している。パッシベーション層60は、アノード層52の上面52Sのうちのゲート層51と反対側の部分52SBと、側面52CBとを覆うように形成されている。そして、パッシベーション層60の第2開口62は、上面52Sのうちのゲート層51寄りの部分52SAと、側面52CAと、を露出するように形成されている。
【0051】
パッシベーション層60は、第1パッシベーション膜65および第2パッシベーション膜66を含む。第1パッシベーション膜65は、電子供給層44の上に形成されている。第1パッシベーション膜65は、電子供給層44、ゲート層51、およびアノード層52を覆うように形成されている。第2パッシベーション膜66は、第1パッシベーション膜65上に形成されている。第2パッシベーション膜66は、ゲート電極53を覆っている。
【0052】
第1パッシベーション膜65は、ゲート開口65Aを含む。ゲート開口65Aは、ゲート層51の上面の一部を露出する。ゲート電極53は、第1パッシベーション膜65のゲート開口65Aによってゲート層51の上面51Sと接している。一例では、ゲート電極53は、ゲート開口65Aに埋め込まれた第1部分と、第1部分の上に形成された第2部分とを含む。一例では、第1部分のX軸方向の長さは、ゲート層51のX軸方向の長さよりも小さい。第2部分は、第1部分からX軸方向に延びている。第2部分は、第1パッシベーション膜65のゲート開口65Aの周縁を覆っている。
【0053】
パッシベーション層60は、たとえば窒化シリコン(SiN)、二酸化シリコン(SiO2)、酸窒化シリコン(SiON)、アルミナ(Al2O3)、AlN、および酸窒化アルミニウム(AlON)のうちいずれか1つを含む材料によって構成され得る。一例では、パッシベーション層60は、SiNを含む材料によって形成されている。パッシベーション層60の膜厚T60は、たとえば50nm以上200nm以下であってよい、一例では、パッシベーション層60の膜厚T60は、100nmであってよい。
【0054】
第1パッシベーション膜65と第2パッシベーション膜66は、互いに同じ材料によって形成されていてもよい。また、第1パッシベーション膜65と第2パッシベーション膜66は、互いに異なる材料によって形成されていてもよい。
【0055】
(ゲート電極)
ゲート電極53は、1つまたは複数の金属層によって形成され得る。一例では、ゲート電極53は、窒化チタン(TiN)層であってよい。この場合、ゲート電極53は、ゲート層51とショットキー接触する。あるいは、ゲート電極53は、第1金属層(たとえば、Ti層)と、第1金属層の上に設けられた第2金属層(たとえば、TiN層)とによって構成されてもよい。ゲート電極53は、ゲート層51とショットキー接触する材料により形成されているといえる。ゲート電極53の厚さは、※たとえば50nm以上300nm以下であってよい。
【0056】
図3、
図5の例では、ゲート電極53は、ゲート層51の上面の一部の上に配置されている。ゲート層51と接するゲート電極53の第1部分は、X軸方向においてゲート層51よりも小さな幅を有している。このようなゲート層51およびゲート電極53は、ゲート電極53がX軸方向にゲート層51と同じ幅で形成される場合に比べてゲートリーク電流を低減する上で有利である。ただし、ゲート電極53は、ゲート層51と同じ幅で形成されてもよい。
【0057】
(第1電極、第2電極、第3電極)
窒化物半導体装置10は、第1電極71、第2電極72、および第3電極73を含む。第1電極71は、第1開口61内にて電子供給層44の第1接続領域44Aに接している。第1電極71は、電子供給層44を介して、電子供給層44の直下の2DEG45にオーミック接触している。第2電極72は、第2開口62内にて電子供給層44の第2接続領域44Bに接している。第2電極72は、電子供給層44を介して、電子供給層44の直下の2DEG45にオーミック接触している。第3電極73は、第3開口63内にて電子供給層44の第3接続領域44Cに接している。第3電極73は、電子供給層44を介して、電子供給層44の直下の2DEG45にオーミック接触している。窒化物半導体装置10は、第1開口61内にて電子供給層44に接している第1電極71と、第2開口62内にて電子供給層44に接している第2電極72と、第3開口63内にて電子供給層44に接している第3電極73と、を含むといえる。第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、電子供給層44とオーミック接触する材料により形成されているといえる。
【0058】
第2開口62は、アノード層52を露出するように形成されている。したがって、第2電極72は、第2開口62により露出するアノード層52に接している。第2電極72は、アノード層52とオーミック接触している。第2電極72は、アノード層52とオーミック接触する材料により形成されていてよい。
【0059】
第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、1つまたは複数の金属層によって構成されていてよい。第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、たとえば、Ti層、TiCu層、TiN層、Al層、AlSiCu層、およびAlCu層のうちの少なくとも1つの材料により形成されていてよい。一例では、第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、TiCu層であってよい。第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、同じ材料で形成されていてよい。第1電極71、第2電極72、および第3電極73のうちの少なくとも1つは、他の電極と異なる材料により形成されていてよい。また、第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、互いに異なる材料により形成されていてよい。
【0060】
第1電極71は、トランジスタ領域32に形成されたドレイン電極である。第3電極73は、ダイオード領域34における第2電極72から、第1電極71とは反対側であってX軸方向に離隔した位置に設けられたカソード電極である。第2開口62は、電子供給層44とアノード層52とを露出させるものである。したがって、第2電極72は、電子供給層44とアノード層52との双方と接しており、ソース電極であるとともにアノード電極である。以下の説明において、第1電極71はドレイン電極74、第3電極73はカソード電極77、第2電極72はソース電極75またはアノード電極76として説明することがある。
【0061】
トランジスタ領域32における第1開口61と第2開口62との間の距離L1は、トランジスタ31のドレイン-ソース間距離に対応する。ダイオード領域34における第2開口62と第3開口63との間の距離L2は、ダイオード33のアノード-カソード間距離に対応する。ダイオード領域34における距離L2は、トランジスタ領域32における距離L1よりも短い。
【0062】
アノード電極76は、アノード延設部76Bを含んでいてよい。一例では、アノード電極76は、アノード電極部76Aと、アノード電極部76Aに連続するアノード延設部76Bと、を含む。アノード電極部76Aは、電子走行層43およびアノード層52と接する部分を含む。アノード延設部76Bは、アノード電極部76Aと一体に形成されていてよい。アノード延設部76Bは、ダイオード領域34に設けられている。アノード延設部76Bは、アノード層52からカソード電極77に向けて延出している。
【0063】
窒化物半導体装置10は、トランジスタフィールドプレート電極54を含む。トランジスタフィールドプレート電極54は、トランジスタ領域32における電子供給層44上であって、ゲート層51とドレイン電極74との間に設けられている。トランジスタフィールドプレート電極54は、パッシベーション層60に埋め込まれている。詳しくは、トランジスタフィールドプレート電極54は、第1パッシベーション膜65上に配置され、第2パッシベーション膜66により覆われている。
【0064】
(トランジスタ領域、ダイオード領域の平面構造)
図4に示すように、ゲート層51は、平面視において、環状に形成されている。ゲート層51は、X軸方向においてドレイン電極74を挟むように配置され、Y軸方向に延びる2つの本体部51Aと、ドレイン電極74よりもY軸方向の一方側および他方側に位置して、隣り合う2つの本体部51Aを互いに接続する接続部51Bと、を含む。ゲート層51は、平面視において、ドレイン電極74を囲むように形成されているといえる。ドレイン電極74は、平面視において、ゲート層51に囲まれているといえる。
【0065】
ゲート電極53は、平面視において、環状に形成されている。ゲート電極53は、X軸方向においてドレイン電極74を挟むように配置され、Y軸方向に延びる2つの本体部53Aと、ドレイン電極74よりもY軸方向の一方側および他方側に位置して2つの本体部53Aを互いに接続する接続部53Bと、を含む。ゲート電極53は、平面視において、ドレイン電極74を囲むように形成されているといえる。ドレイン電極74は、平面視において、ゲート電極53に囲まれているといえる。ゲート電極53は、ゲート層51上に配置されている。ゲート電極53の本体部53Aは、ゲート層51の本体部51A上に配置されている。ゲート電極53の接続部53Bは、ゲート層51の接続部51B上に配置されている。
【0066】
トランジスタフィールドプレート電極54は、平面視において、環状に形成されている。トランジスタフィールドプレート電極54は、平面視において、ゲート電極53とドレイン電極74との間に位置する2つの本体部54Aと、ドレイン電極74よりもY軸方向の一方側および他方側に位置して、隣り合う2つの本体部54Aを互いに接続する接続部54Bと、を含む。トランジスタフィールドプレート電極54は、ドレイン電極74を囲む環状に形成されている。一例では、トランジスタフィールドプレート電極54は、環状に形成されたゲート層51およびゲート電極53の内側に配置されている。ゲート層51およびゲート電極53は、トランジスタフィールドプレート電極54を囲むように形成されているといえる。
【0067】
トランジスタフィールドプレート電極54は、ソース電極75に電気的に接続されている。窒化物半導体装置10は、ソース電極75に接続されたソース接続部75Bを含んでいてよい。トランジスタ領域32において、2つのソース電極75は、X軸方向において、環状のゲート電極53を挟んで配置されている。ソース接続部75Bは、X軸方向に延びて形成され、X軸方向に並んで配置された2つのソース電極75を接続する。ソース接続部75Bは、Y軸方向において、トランジスタフィールドプレート電極54の接続部54Bと同じ位置に配置されている。平面視において、ソース接続部75Bは、トランジスタフィールドプレート電極54の接続部54Bと重なっている。ソース接続部75Bは、接合ビア57により、トランジスタフィールドプレート電極54の接続部54Bと電気的に接続されている。
【0068】
アノード層52は、ゲート層51と離隔して設けられている。アノード層52は、ダイオード領域34において、平面視で環状に形成されている。アノード層52は、X軸方向においてカソード電極77を挟むように配置され、Y軸方向に延びる2つの本体部52Aと、カソード電極77よりもY軸方向の一方側および他方側に位置して、隣り合う2つの本体部52Aを互いに接続する接続部52Bと、を含む。アノード層52は、カソード電極77を囲む環状に形成されているといえる。カソード電極77は、平面視において、環状のアノード層52に囲まれているといえる。
【0069】
アノード延設部76Bは、ダイオード領域34において、平面視で環状に形成されている。
図4において、アノード延設部76Bは、アノード延設部76Bは、X軸方向においてカソード電極77を挟んで配置された2つの本体部76BAと、カソード電極77よりもY軸方向の一方側および他方側に位置して隣り合う2つの本体部76BAを互いに接続する接続部76BBと、を含む。
【0070】
図2、
図4に示すように、窒化物半導体装置10は、ソース配線81およびドレイン配線82を含んでいてよい。
図2、
図4では、ソース配線81およびドレイン配線82の各々の外縁を一点鎖線にて示している。ソース配線81は、
図1に示すソースパッド22と電気的に接続されている。ドレイン配線82は、
図1に示すドレインパッド23と電気的に接続されている。ソース配線81およびドレイン配線82は、X軸方向に沿って延びている。ソース配線81とドレイン配線82は、Y軸方向に並べられている。ソース配線81およびドレイン配線82は、ソース電極75およびドレイン電極74と交差するように配置されている。
【0071】
一例では、ドレイン電極74は、ドレイン配線82と接合ビア84により電気的に接続されている。カソード電極77は、ドレイン配線82と接合ビア83により電気的に接続されている。ソース電極75は、ソース配線81と接合ビア85により電気的に接続されている。
【0072】
(窒化物半導体装置の製造方法)
次に、
図1の窒化物半導体装置10の製造方法の一例を説明する。
図6~
図15は、窒化物半導体装置10の例示的な製造工程を示す概略断面図である。
図6~
図15は、
図5に示される窒化物半導体装置10(トランジスタ31およびダイオード33)の断面構造に対応している。なお、理解を容易にするため、
図6~
図15では、
図4、
図5の構成要素と同様な構成要素には同一の符号が付されている。
【0073】
図6に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、たとえばSi基板である基板41上に、バッファ層42、電子走行層43、電子供給層44、窒化ガリウム(GaN)層801を順に形成することを含んでいる。バッファ層42、電子走行層43、電子供給層44、およびGaN層801は、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition,MOCVD)法を用いてエピタキシャル成長させることができる。
【0074】
詳細な図示は省略するが、一例では、バッファ層42は多層バッファ層であってよい。多層バッファ層は、基板41上に形成されたAlN層(第1バッファ層)と、AlN層上に形成されたグレーテッドAlGaN層(第2バッファ層)とを含み得る。グレーテッドAlGaN層は、たとえば、AlN層に近い側から順にAl組成を75%、50%、25%とした3つのAlGaN層を積層することによって形成することができる。
【0075】
バッファ層42上に形成される電子走行層43は、GaN層であってよい。電子走行層43上に形成される電子供給層44は、AlGaN層であってよい。したがって、電子供給層44は、電子走行層43よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成されている。
【0076】
電子供給層44上に形成されるGaN層801は、アクセプタ型不純物としてマグネシウムを含んでいてよい。電子供給層44上にGaN層801を成長させる間にマグネシウムをドーピングすることによって、アクセプタ型不純物を含むGaN層801を形成することができる。GaN層801にドーピングされるマグネシウムの量は、たとえば、成長チャンバ内に導入されるドーピングガス(たとえば、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg))の流量、成長温度などを制御することにより調整することができる。一例では、GaN層801は、1×1018cm-3以上1×1020cm-3未満の濃度のマグネシウムを不純物として含んでいてよい。
【0077】
図7に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、ゲート層51およびアノード層52を形成する工程を含む。
ゲート層51およびアノード層52は、
図6に示すGaN層801を選択的に除去することにより形成される。一例では、GaN層801上に、
図7に示すゲート層51およびアノード層52を形成する領域を覆うマスク層を形成する。マスク層は、たとえばレジスト膜により形成される。マスク層を利用してGaN層801を選択的に除去することにより、
図7に示すゲート層51およびアノード層52を形成する。
【0078】
図8に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、第1パッシベーション膜65を形成する工程を含む。電子走行層43上に、ゲート層51およびアノード層52を覆う第1パッシベーション膜65を形成する。第1パッシベーション膜65は、一例では、SiNを含む絶縁膜である。第1パッシベーション膜65は、一例では、減圧化学気相堆積(LPCVD:Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により形成することができる。
【0079】
図9に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、ゲート開口65Aを形成する工程を含む。ゲート開口65Aは、
図8に示す第1パッシベーション膜65を選択的に除去することにより形成される。一例では、
図8に示す第1パッシベーション膜65上に、
図9に示すゲート開口65Aを形成する領域を露出する開口を含むマスク層を形成する。マスク層は、一例ではレジスト膜により形成される。マスク層を利用して第1パッシベーション膜65を選択的に除去することにより、
図9に示すゲート開口65Aを形成する。
【0080】
図10に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、金属層802を形成する工程を含む。第1パッシベーション膜65上に、金属層802を形成する。金属層802は、一例では、スパッタ法によって形成することができる。金属層802は、たとえば、Ti層、TiCu層、TiN層、Al層、AlSiCu層、およびAlCu層のうちの少なくとも1つの材料により形成されていてよい。金属層802は、一例では、TiN層であってよい。金属層802は、第1パッシベーション膜65のゲート開口65A内においてゲート層51と接する。
【0081】
図11に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、ゲート電極53およびトランジスタフィールドプレート電極54を形成する工程を含む。ゲート電極53およびトランジスタフィールドプレート電極54は、
図10に示す金属層802を選択的に除去することにより形成される。一例では、
図10に示す金属層802上に、ゲート電極53およびトランジスタフィールドプレート電極54を形成する領域を覆うマスク層を形成する。マスク層は、マスク層は、一例ではレジスト膜により形成される。マスク層を利用して金属層802を選択的に除去することにより、
図11に示すゲート電極53およびトランジスタフィールドプレート電極54を形成する。
【0082】
図12に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、第2パッシベーション膜66を形成する工程を含む。第1パッシベーション膜65上に、ゲート電極53およびトランジスタフィールドプレート電極54を覆う第2パッシベーション膜66を形成する。第2パッシベーション膜66は、一例では、SiNを含む絶縁膜である。第2パッシベーション膜66は、一例では、減圧化学気相堆積法により形成することができる。この第2パッシベーション膜66は、第1パッシベーション膜65とともにパッシベーション層60を構成する。
【0083】
図13に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、パッシベーション層60に第1開口61、第2開口62、および第3開口63を形成する工程を含む。第1開口61、第2開口62、および第3開口63は、パッシベーション層60を選択的に除去して形成することができる。一例では、パッシベーション層60上に、
図14に示す第1開口61、第2開口62、および第3開口63を形成する領域を露出するマスク層を形成する。マスク層は、一例ではレジスト膜により形成される。マスク層を利用して、パッシベーション層60を選択的に除去することにより、
図14に示す第1開口61、第2開口62、および第3開口63を形成する。
【0084】
図14に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、金属層803を形成する工程を含む。第1開口61、第2開口62、および第3開口63を充填し、パッシベーション層60を覆う金属層803を形成する。金属層803は、一例では、スパッタ法によって形成することができる。金属層803は、たとえば、Ti層、TiCu層、TiN層、Al層、AlSiCu層、およびAlCu層のうちの少なくとも1つの材料により形成されていてよい。金属層803は、一例では、TiCu層であってよい。金属層803は、パッシベーション層60の第1開口61、第2開口62、および第3開口63内において電子走行層43と接する。また、金属層803は、パッシベーション層60の第2開口62内においてアノード層52と接する。
【0085】
図15に示すように、窒化物半導体装置10の製造方法は、第1電極71、第2電極72、および第3電極73を形成する工程を含む。第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、
図14に示す金属層803を選択的に除去することにより形成される。一例では、一例では、
図14に示す金属層803上に、第1電極71、第2電極72、および第3電極73を形成する領域を覆うマスク層を形成する。マスク層は、マスク層は、一例ではレジスト膜により形成される。マスク層を利用して金属層803を選択的に除去することにより、
図15に示す第1電極71、第2電極72、および第3電極73を形成する。上記の各段階で利用されるマスク層は適当なタイミングで除去される。以上の工程を経て、
図5に示す窒化物半導体装置10が得られる。
【0086】
(作用)
図5に示すように、窒化物半導体装置10は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34の双方に跨った状態で基板41上に形成された電子走行層43および電子供給層44を含む。トランジスタ領域32における電子供給層44上にはゲート層51が形成され、ダイオード領域における電子供給層44上にはアノード層52が形成される。窒化物半導体装置10は、電子供給層44、ゲート層51、アノード層52を覆うパッシベーション層60を含む。パッシベーション層60は、X軸方向において、ゲート層51を挟むように配置された第1開口61および第2開口62と、X軸方向において第1開口および第2開口62と離隔して配置された第3開口63と、を含む。窒化物半導体装置10は、第1開口61内にて電子供給層44に接する第1電極71と、第2開口62内にて電子供給層44に接する第2電極72と、第3開口63内にて電子供給層44に接する第3電極73と、を含む。第1電極71は、トランジスタ領域32に形成されたドレイン電極74であり、第3電極73は、ダイオード領域34に形成されたカソード電極77である。第2電極72は、第2開口62により露出された電子供給層44とアノード層52との双方に接しており、ソース電極75であるとともにアノード電極76である。
【0087】
トランジスタ31に対して逆並列に接続されるダイオードは、窒化物半導体装置10をパワーデバイスとして使用する場合に有効である。パワーデバイスの使用方法では、誘導性の負荷であることが多いため、パワーデバイスをオフした時に、ソースからドレインへ還流電流を流すことが求められる。シリコンを半導体材料として用いるパワーデバイスでは、デバイスの構造上、寄生素子としてボディダイオードを含むため、ボディダイオードが還流電流を流す役割を果たす。しかし、窒化物半導体を用いたトランジスタでは、ボディダイオードのような寄生素子を含まないことが一般的である。
【0088】
窒化物半導体を用いたパワーデバイスに、GaN-SBD(ショットキーバリアダイオード)を内蔵させることが考えられる。しかし、GaN-SBDは、リーク電流が大きいため、実用化には課題がある。
【0089】
窒化物半導体装置では、たとえばトランジスタ31のゲート電極53とソース電極75とを短絡することにより形成されるダイオードを利用することが考えられる。ゲート電極53とソース電極75とを短絡したトランジスタ31は、他のトランジスタ31に対して逆並列に接続されたダイオードとして働く。ソース電極75とゲート電極53とを短絡したダイオードのオン電圧は、トランジスタ31のオン電圧に依存する。したがって、パワーデバイスとして用いられダイオードとして利用されるトランジスタ31は、逆導通時のオン電圧が高い(たとえば2~3V)ため、デッドタイム損失が高くなる問題がある。このように、ゲート電極53とソース電極75とをショートした状態のトランジスタ31は、逆導通特性がよくないため、大きな電力損失を生じさせる要因となり得る。
【0090】
一方、第1実施形態の窒化物半導体装置10では、アノード電極76である第2電極72は、アノード層52と接している。このため、ダイオード33におけるオン電圧を低くすることができる。このように、順方向電圧Vfが低いダイオード33を形成することができる。したがって、窒化物半導体装置10における逆導通特性を改善できる。そして、トランジスタ31におけるソース-ドレイン間電流の導通特性を向上できる窒化物半導体装置10を提供できる。したがって、逆導通特性を改善して電気的特性を向上した窒化物半導体装置10を提供できる。また、第1実施形態の窒化物半導体装置10をパワーデバイスとして容量性負荷を駆動する回路、たとえばDC/DCコンバータ等に用いた場合における電力損失(デッドタイム損失)を低減できる。
【0091】
また、この窒化物半導体装置10は、パッシベーション層60の第2開口62に形成した第2電極72をトランジスタ31とダイオード33とに共用している。したがって、第1実施形態の窒化物半導体装置10は、ソース電極75とアノード電極76とを別々に配置したものと比べ、チップ本体11のサイズの縮小を図ることができる。
【0092】
窒化物半導体装置10は、X軸方向においてゲート層51とドレイン電極74との間に配置されたトランジスタフィールドプレート電極54を含む。トランジスタフィールドプレート電極54は、ソース電極75に電気的に接続されている。トランジスタフィールドプレート電極54は、ドレイン電極74に高電圧が印加されたときに、直下の2DEG45に向けて空乏層を延ばすことにより、ドレイン-ソース間領域における電界集中を緩和する役割を果たす。
【0093】
パッシベーション層60は、電子供給層44上の第1パッシベーション膜65と、第1パッシベーション膜65上の第2パッシベーション膜66とを含む。トランジスタフィールドプレート電極54は、第1パッシベーション膜65上に形成され、第2パッシベーション膜66により覆われている。したがって、トランジスタフィールドプレート電極54等の構成要素をパッシベーション層60内に容易に配置できる。
【0094】
アノード電極76は、ダイオード領域34に設けられ、アノード電極76からカソード電極77に向けて延設しているアノード延設部76Bを含む。アノード延設部76Bは、パッシベーション層60上に形成されている。アノード電極76は、ソース電極75とともに第2電極72を構成する。したがって、アノード延設部76Bは、ソース電極75と同電位となる。このため、トランジスタフィールドプレート電極54と同様に、アノード層52の端部近傍における電界集中を緩和する役割を果たす。
【0095】
トランジスタ領域32とダイオード領域34とが並ぶX軸方向において、ダイオード領域34の長さL34は、トランジスタ領域32の長さL32よりも小さい。したがって、チップ本体11に形成したトランジスタのソース-ゲート間を短絡してダイオードとして機能させる場合と比べ、ダイオード領域34を形成した窒化物半導体装置10のサイズの増加を抑制することができる。
【0096】
窒化物半導体装置10は、第1領域25と第2領域26とを含む。第1領域25は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34のうちのトランジスタ領域32のみを含む。第2領域26は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34の双方を含む。第1領域25に含まれるトランジスタ領域32の面積と第2領域26に含まれるトランジスタ領域32の面積を合計したトランジスタ面積STは、第2領域26に含まれるダイオード領域34の面積を合計したダイオード面積SDよりも大きい。第1領域25の面積S1と第2領域26の面積S2とを合計した合計面積S12に対するダイオード面積SDの割合は、30%未満でよい。
【0097】
ダイオード領域34の面積の割合を大きくすることは、チップサイズの増大、またはトランジスタ31のオン抵抗を大きくする。したがって、トランジスタ領域32のトランジスタ面積をダイオード領域34のダイオード面積よりも大きくすることにより、トランジスタ31のオン抵抗の増加を抑えつつ、ダイオード33のオン電圧を低下することができる。
【0098】
(効果)
以上記述したように、第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1-1)窒化物半導体装置10は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34の双方に跨った状態で基板41上に形成され、窒化物半導体によって構成された電子走行層43と、トランジスタ領域32およびダイオード領域34の双方に跨った状態で電子走行層43上に形成され、電子走行層43よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層44と、トランジスタ領域32における電子供給層44上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層51と、電子供給層44、ゲート層51を覆うパッシベーション層60を含む。パッシベーション層60は、X軸方向において、ゲート層51を挟むように配置された第1開口61および第2開口62と、X軸方向において第1開口および第2開口62と離隔して配置された第3開口63と、を含む。窒化物半導体装置10は、第1開口61内にて電子供給層44に接する第1電極71と、第2開口62内にて電子供給層44に接する第2電極72と、第3開口63内にて電子供給層44に接する第3電極73と、を含む。さらに、窒化物半導体装置10は、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたアノード層52を含む。第2開口62は、トランジスタ領域32とダイオード領域34との境界に設けられ、第2電極72は、トランジスタ31のソース電極75およびダイオード33のアノード電極76の双方として用いられる。
【0099】
第1実施形態の窒化物半導体装置10では、アノード電極76である第2電極72は、アノード層52と接している。このため、ダイオード33におけるオン電圧を低くすることができる。このように、順方向電圧Vfが低いダイオード33を形成することができる。したがって、窒化物半導体装置10における逆導通特性を改善できる。そして、トランジスタ31におけるソース-ドレイン間電流の導通特性を向上できる窒化物半導体装置10を提供できる。したがって、逆導通特性を改善して電気的特性を向上した窒化物半導体装置10を提供できる。
【0100】
(1-2)窒化物半導体装置10は、パッシベーション層60の第2開口62に形成した第2電極72をトランジスタ31とダイオード33とに共用している。したがって、第1実施形態の窒化物半導体装置10は、ソース電極75とアノード電極76とを別々に配置したものと比べ、チップ本体11のサイズの縮小を図ることができる。
【0101】
(1-3)窒化物半導体装置10は、X軸方向においてゲート層51とドレイン電極74との間に配置されたトランジスタフィールドプレート電極54を含む。トランジスタフィールドプレート電極54は、ソース電極75に電気的に接続されている。トランジスタフィールドプレート電極54は、ドレイン電極74に高電圧が印加されたときに、直下の2DEG45に向けて空乏層を延ばすことにより、ドレイン-ソース間領域における電界集中を緩和する役割を果たす。この結果、局所的な電界集中に起因する電子供給層44およびパッシベーション層60の絶縁破壊を抑制してドレイン-ソース間耐圧を向上させることができる。
【0102】
(1-4)パッシベーション層60は、電子供給層44上の第1パッシベーション膜65と、第1パッシベーション膜65上の第2パッシベーション膜66とを含む。トランジスタフィールドプレート電極54は、第1パッシベーション膜65上に形成され、第2パッシベーション膜66により覆われている。したがって、トランジスタフィールドプレート電極54等の構成要素をパッシベーション層60内に容易に配置できる。
【0103】
(1-5)アノード電極76は、ダイオード領域34に設けられ、アノード電極76からカソード電極77に向けて延設しているアノード延設部76Bを含む。アノード延設部76Bは、パッシベーション層60上に形成されている。アノード電極76は、ソース電極75とともに第2電極72を構成する。したがって、アノード延設部76Bは、ソース電極75と同電位となる。このため、トランジスタフィールドプレート電極54と同様に、アノード層52の端部近傍における電界集中を緩和する役割を果たす。
【0104】
(1-6)トランジスタ領域32とダイオード領域34とが並ぶX軸方向において、ダイオード領域34の長さL34は、トランジスタ領域32の長さL32よりも小さい。したがって、チップ本体11に形成したトランジスタのソース-ゲート間を短絡してダイオードとして機能させる場合と比べ、ダイオード領域34を形成した窒化物半導体装置10のサイズの増加を抑制することができる。
【0105】
(1-7)窒化物半導体装置10は、第1領域25と第2領域26とを含む。第1領域25は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34のうちのトランジスタ領域32のみを含む。第2領域26は、トランジスタ領域32およびダイオード領域34の双方を含む。第1領域25に含まれるトランジスタ領域32の面積と第2領域26に含まれるトランジスタ領域32の面積を合計したトランジスタ面積STは、第2領域26に含まれるダイオード領域34の面積を合計したダイオード面積SDよりも大きい。第1領域25の面積S1と第2領域26の面積S2とを合計した合計面積S12に対するダイオード面積SDの割合は、30%未満でよい。
【0106】
ダイオード領域34の面積の割合を大きくすることは、チップサイズの増大、またはトランジスタ31のオン抵抗を大きくする。したがって、トランジスタ領域32のトランジスタ面積をダイオード領域34のダイオード面積よりも大きくすることにより、トランジスタ31のオン抵抗の増加を抑えつつ、ダイオード33のオン電圧を低下することができる。
【0107】
(第1実施形態の変更例)
以下、第1実施形態の窒化物半導体装置10に対する変更例を説明する。なお変更例について、第1実施形態の窒化物半導体装置10と同様の構成要素には同じ符号が付されている。
【0108】
図16は、変更例の窒化物半導体装置110を示す。窒化物半導体装置110は、ダイオードフィールドプレート電極55を含む。
ダイオードフィールドプレート電極55は、アノード層52と第3電極73(カソード電極77)との間に配置されている。一例では、ダイオードフィールドプレート電極55は、平面視において環状に形成されている。ダイオードフィールドプレート電極55は、パッシベーション層60に埋め込まれている。ダイオードフィールドプレート電極55は、第1パッシベーション膜65上に形成され、第2パッシベーション膜66により覆われている。一例では、ダイオードフィールドプレート電極55は、平面視において、環状に形成されている。ダイオードフィールドプレート電極55は、アノード電極76に電気的に接続されている。一例では、ダイオードフィールドプレート電極55は、トランジスタフィールドプレート電極54と同じ工程により形成することができる。
【0109】
アノード電極76に電気的に接続されたダイオードフィールドプレート電極55は、トランジスタフィールドプレート電極54と同様に、アノード層52の端部近傍における電界集中を緩和する役割を果たす。
【0110】
図17は、変更例の窒化物半導体装置210を示す。X軸方向において、アノード層52の長さL52は、ゲート層51の長さL51と異なっている。一例では、アノード層52の長さL52は、ゲート層51の長さL51よりも小さい。したがって、X軸方向におけるダイオード領域34の長さL34(
図4参照)をより小さくすることができる。このため、ダイオード領域34を含むことによる窒化物半導体装置210のチップサイズの増加を抑制できる。
【0111】
図18は、変更例の窒化物半導体装置310を示す。窒化物半導体装置310は、アノード層352を含む。アノード層352は、ゲート層51の膜厚T51よりも膜厚T52Aが薄い第2部分352Aを含む。一例では、アノード層352は、ゲート層51と同じ厚さの第1部分352Bと、ゲート層51の膜厚T51よりも膜厚T52Bが薄い第2部分352Aと、を含んでいてよい。なお、アノード層352の厚さは、X軸方向における両端部の間で同じであってよい。アノード層352の第1部分352Bは、パッシベーション層60により覆われている。アノード層352の第2部分352Aは、第2開口62により露出している。第2部分352Aは、第2開口62に形成された第2電極72(アノード電極76)と接する。この窒化物半導体装置310は、ダイオード33の順方向電圧Vfをより低減できる。このため、ダイオード33のオン電圧をより低減できる。
【0112】
また、窒化物半導体装置310の電子供給層344は、上面344Sに形成された凹部344A,344B,344Cを含む。凹部344A,344B,344Cは、パッシベーション層60の第1開口61、第2開口62、および第3開口63のそれぞれにより露出される電子供給層344の領域に形成されている。凹部344Aを形成する底面および側面は、第1接続領域を構成する。凹部344Bを形成する底面および側面は、第2接続領域を構成する。凹部344Cを形成する底面および側面は、第3接続領域を構成する。第1電極71、第2電極72、および第3電極73は、電子供給層344に形成された凹部344A,344B,344C内に充填されている。したがって、第1電極71、第2電極72、および第3電極73のそれぞれと2DEG45との間のオーミック抵抗を低減できる。このため、トランジスタ31のオン抵抗を低減できる。また、ダイオード33のオン抵抗を低減できる。
【0113】
(第2実施形態)
図19は、第2実施形態の窒化物半導体装置410の一部、さらに詳しくは第2領域26の一部を拡大した概略平面図である。
図20は、
図19のF20-F20線で切断した窒化物半導体装置410を示す概略断面図である。
図19、
図20において、第1実施形態の窒化物半導体装置10と同様の構成要素には同じ符号が付されている。
【0114】
第2実施形態の窒化物半導体装置410は、第1実施形態の窒化物半導体装置10と比べ、第1~第3電極471~473の形状、および第2電極472がドレイン電極であるとともにカソード電極である点が主に異なる。
【0115】
図20に示すように、窒化物半導体装置410は、基板41と、基板41上に形成されたバッファ層42と、バッファ層42上に形成された電子走行層43と、電子走行層43上に形成された電子供給層44とを含む。
【0116】
窒化物半導体装置410は、電子供給層44の上に形成されたゲート層451およびアノード層452と、ゲート層451上に形成されたゲート電極453と、パッシベーション層460と、をさらに含む。
【0117】
(パッシベーション層)
パッシベーション層460は、電子供給層44、ゲート層451、ゲート電極453、およびアノード層452を覆うように形成されている。一例では、パッシベーション層460は、電子供給層44、ゲート層451、ゲート電極453、およびアノード層452と接している。
【0118】
パッシベーション層460は、第1開口461、第2開口462、および第3開口463を含む。第1開口461および第2開口462は、ゲート層451を挟むように配置されている。第1開口461および第2開口462は、ゲート層451から離隔されている。第1開口461とゲート層451との間の距離は、第2開口462とゲート層451との間の距離よりも小さい。第1開口461は、第2開口462よりもゲート層451の近くに形成されているといえる。ゲート層451は、第2開口462よりも第1開口461寄りに配置されているといえる。
【0119】
第3開口463は、X軸方向において第1開口461および第2開口462から離隔して配置されている。第3開口463は、第2開口462に対して第1開口461と反対側に配置されている。
【0120】
第2開口462は、トランジスタ領域32とダイオード領域34との境界に設けられている。第1開口461は、トランジスタ領域32に設けられている。一例では、第1開口461は、X軸方向においてトランジスタ領域32の中央に設けられている。第3開口463は、ダイオード領域34に設けられている。一例では、第3開口463は、X軸方向においてダイオード領域34の中央に設けられている。
図4に示すように、第1開口461、第2開口462、および第3開口463は、Y軸方向に延びるように形成されている。
【0121】
第1開口461は、電子供給層44の上面44Sの一部を露出するように形成されている。第1開口461は、電子供給層44の上面44Sを第1接続領域44Aとして露出する。第2実施形態の窒化物半導体装置410は、X軸方向において、2つのゲート層451が隣り合って配置されている。第1開口461は、2つのゲート層451の間に、2つのゲート層451から離隔して配置されている。そして、第1開口461は、2つのゲート層451の間の電子供給層44の上面を第1接続領域として露出する。第2開口462は、電子供給層44の上面44Sの一部を露出するように形成されている。第2開口462は、電子供給層44の上面44Sを第2接続領域44Bとして露出する。
【0122】
第3開口463は、電子供給層44の上面44Sの一部を露出するように形成されている。第3開口463は、電子供給層44の上面44Sを第3接続領域44Cとして露出する。第2実施形態の窒化物半導体装置410は、X軸方向において、2つのアノード層452が隣り合って配置されている。第3開口463は、隣り合う2つのアノード層452を露出するように形成されている。一例では、X軸方向におけるアノード層452の長さL452は、X軸方向におけるゲート層451の長さL451と等しい。
【0123】
アノード層452は、上面52Sと側面52CA,52CBを含む。アノード層452の上面52Sは、電子供給層44の上面44Sと同じ方向を向く。側面52CA,52CBは、X軸方向において互いに反対側を向く。2つのアノード層452の側面52CAは、互いに対向している。アノード層452の側面52CBは、第2開口462の側を向く。パッシベーション層460の第2開口462は、2つのアノード層452において互いに対向する側面52CAを露出するとともに、アノード層452の上面52Sのうちの互いに対向する側面52CAの側の寄りの部分52SAを露出するように形成されている。
【0124】
(第1電極、第2電極、第3電極)
窒化物半導体装置410は、第1電極471、第2電極472、および第3電極473を含む。第1電極471は、第1開口461内にて電子供給層44の第1接続領域44Aに接している。第1電極471は、電子供給層44を介して、電子供給層44の直下の2DEG45にオーミック接触している。第2電極472は、第2開口462内にて電子供給層44の第2接続領域44Bに接している。第2電極472は、電子供給層44を介して、電子供給層44の直下の2DEG45にオーミック接触している。第3電極473は、第3開口463内にて電子供給層44の第3接続領域44Cに接している。第3電極473は、電子供給層44を介して、電子供給層44の直下の2DEG45にオーミック接触している。窒化物半導体装置410は、第1開口461内にて電子供給層44に接している第1電極471と、第2開口462内にて電子供給層44に接している第2電極472と、第3開口463内にて電子供給層44に接している第3電極473と、を含むといえる。第1電極471、第2電極472、および第3電極473は、電子供給層44とオーミック接触する材料により形成されているといえる。第3開口463は、アノード層452を露出するように形成されている。したがって、第3電極473は、第3開口463により露出するアノード層452に接している。第3電極473は、アノード層452とオーミック接触している。第3電極473は、アノード層452とオーミック接触する材料により形成されていてよい。
【0125】
第1電極471は、トランジスタ領域32に形成されたソース電極である。第2電極472は、トランジスタ領域32とダイオード領域34との境界に設けられ、ドレイン電極であるとともにカソード電極である。第3開口463は、ダイオード領域34における第2電極472から、第1電極471とは反対側であってX軸方向に離隔した位置に設けられ、電子供給層44とアノード層452とを露出させるものである。第3電極473は、電子供給層44とアノード層452との双方と接しているアノード電極である。以下の説明において、第1電極471はソース電極475、第3電極473はアノード電極476、第2電極472はドレイン電極474またはカソード電極477として説明することがある。
【0126】
トランジスタ領域32における第1開口461と第2開口462との間の距離L1は、トランジスタ31のドレイン-ソース間距離に対応する。ダイオード領域34における第2開口462と第3開口463との間の距離L2は、ダイオード33のアノード-カソード間距離に対応する。ダイオード領域34における距離L2は、トランジスタ領域32における距離L1よりも短い。
【0127】
アノード電極476は、アノード延設部476Bを含んでいてよい。一例では、アノード電極476は、アノード電極部476Aと、アノード電極部476Aに連続するアノード延設部476Bと、を含む。アノード電極部476Aは、電子走行層43およびアノード層452と接する部分を含む。アノード延設部476Bは、アノード電極部476Aと一体に形成されていてよい。アノード延設部476Bは、ダイオード領域34に設けられている。アノード延設部476Bは、アノード層452からカソード電極477に向けて延出している。
【0128】
窒化物半導体装置410は、トランジスタフィールドプレート電極454を含む。トランジスタフィールドプレート電極454は、トランジスタ領域32における電子供給層44上であって、ゲート層451とドレイン電極474との間に設けられている。トランジスタフィールドプレート電極454は、パッシベーション層460に埋め込まれている。詳しくは、トランジスタフィールドプレート電極454は、第1パッシベーション膜65上に配置され、第2パッシベーション膜66により覆われている。
【0129】
(トランジスタ領域、ダイオード領域の平面構造)
図19に示すように、窒化物半導体装置410は、X軸方向において、ドレイン電極474(カソード電極477)を挟んで配置されたゲート層451およびアノード層452を含む。窒化物半導体装置410は、ゲート層451とアノード層452とを接続する2つの接続配線456を含む。2つの接続配線456、ゲート層451、およびアノード層452は環状に接続されている。窒化物半導体装置410は、ゲート層451、アノード層452、および2つの接続配線456により構成される環状配線を含むといえる。
【0130】
トランジスタフィールドプレート電極454は、アノード電極476に電気的に接続されている。一例では、トランジスタフィールドプレート電極454とアノード電極476は、それぞれの接続部454B,476BBによって接続されている。トランジスタフィールドプレート電極454は、ゲート層451とドレイン電極474との間に配置された本体部454Aと、本体部454Aからゲート層451と反対方向に延びる接続部454Bとを含む。接続部454Bは、本体部454Aからダイオード領域34に向けて延びているといえる。アノード延設部476Bは、第3開口463に配置された本体部476BAと、本体部476BAからトランジスタ領域32に向けて延びる接続部476BBを含む。アノード電極476は接続部476BBを含むといえる。トランジスタフィールドプレート電極454の接続部454Bと、アノード電極476の接続部476BBは、接合ビア457により電気的に接続されている。一例では、接合ビア457は、トランジスタ領域32とダイオード領域34との境界に位置している。
【0131】
図19に示すように、窒化物半導体装置410は、ソース配線81およびドレイン配線82を含んでいてよい。
図19では、ソース配線81およびドレイン配線82の各々の外縁を一点鎖線にて示している。ソース配線81は、
図1に示すソースパッド22と電気的に接続されている。ドレイン配線82は、
図1に示すドレインパッド23と電気的に接続されている。ソース配線81およびドレイン配線82は、X軸方向に沿って延びている。ソース配線81とドレイン配線82は、Y軸方向に並べられている。ソース配線81およびドレイン配線82は、ソース電極475およびドレイン電極474と交差するように配置されている。
【0132】
一例では、ドレイン電極474は、ドレイン配線82と接合ビア84により電気的に接続されている。ソース電極475は、ソース配線81と接合ビア85により電気的に接続されている。アノード電極476は、ソース配線81と接合ビア86により電気的に接続されている。
【0133】
(効果)
以上記述したように、第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2-1)第1実施形態の窒化物半導体装置10と同様の効果を奏する。
【0134】
(2-2)第3電極473は、アノード層452と電子供給層44との双方に接しているアノード電極476である。第2実施形態の窒化物半導体装置410は、電子供給層44を挟んで2つのアノード層452が設けられている。したがって、X軸方向における電子供給層44の長さを小さくしても、アノード電極476として機能できる。このため、X軸方向におけるダイオード領域34の長さL34を小さくできる。そして、窒化物半導体装置410のチップサイズを縮小できる。
【0135】
(変更例)
上記実施形態はたとえば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0136】
・
図1に示す第1領域25および第2領域26の配置位置、大きさ、形状、数、等は、任意に変更されてよい。
図21に示すように、変更例の窒化物半導体装置510は、X軸方向の両端部に第2領域512が配置され、2つの第2領域512の間に第1領域511が配置されている。第1領域511および第2領域512はそれぞれ矩形状に形成されている。
【0137】
第1領域511は、Y軸方向の両端部に配置されてもよく、窒化物半導体装置510のY軸方向の中央に配置されてもよい。
また、X軸方向とY軸方向との少なくとも一方に対して、複数の第1領域511および複数の第2領域512が交互に配置されてもよい。
【0138】
また、第2領域512は第1領域511に囲まれていてもよく、第1領域511は第2領域512を囲む環状に形成されていてもよい。また、第1領域511は第2領域512に囲まれていてもよく、第2領域512は第1領域511を囲む環状に形成されていてもよい。
【0139】
・第1実施形態の窒化物半導体装置10は、ドレインパッド23と電気的に接続可能としたカソードパッドを含んでいてよい。第2実施形態の窒化物半導体装置410は、ソースパッド22と電気的に接続可能としたアノードパッドを含んでいてよい。
【0140】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」との双方の意味を含む。したがって、「第1層が第2層上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1層が第2層に接触して第2層上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1層が第2層に接触することなく第2層の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1層と第2層との間に他の層が形成される構造を排除しない。
【0141】
本開示で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造(たとえば、
図1に示される構造)は、本明細書で説明されるZ軸方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。たとえば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
【0142】
(付記)
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載される構成要素には、実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0143】
(付記1)
トランジスタ(31)を含むトランジスタ領域(32)と、ダイオード(33)を含むダイオード領域(34)と、を含み、前記ダイオード領域(34)は前記トランジスタ領域(32)と第1方向に隣接して設けられた基板(41)と、
前記トランジスタ領域(32)および前記ダイオード領域(34)の双方に跨った状態で前記基板(41)上に形成され、窒化物半導体によって構成された第1窒化物半導体層(43)と、
前記トランジスタ領域(32)および前記ダイオード領域(34)の双方に跨った状態で前記第1窒化物半導体層(43)上に形成され、前記第1窒化物半導体層(43)よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された第2窒化物半導体層(44)と、
前記トランジスタ領域(32)における前記第2窒化物半導体層(44)上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層(51,451)と、
前記ゲート層(51,451)上に形成されたゲート電極(53,453)と、
前記第2窒化物半導体層(44)、前記ゲート層(51,451)、および前記ゲート電極(53,453)を覆い、前記第1方向において前記ゲート層(51,451)を挟むよう配置された第1開口(61,461)および第2開口(62,462)と、前記第1方向(X)において前記第1開口(61,461)および前記第2開口(62,462)と離隔して配置された第3開口(63,463)と、を含むパッシベーション層(60)と、
前記第1開口(61,461)内にて前記第2窒化物半導体層(44)に接している第1電極(71,471)と、
前記第2開口(62,462)内にて前記第2窒化物半導体層(44)に接している第2電極(72,472)と、
前記第3開口(63,463)内にて前記第2窒化物半導体層(44)に接している第3電極(73,473)と、
前記ダイオード領域(34)における前記第2窒化物半導体層(44)上に形成され、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたアノード層(52,452)と、
を含み、
前記第2開口(62)は、前記トランジスタ領域(32)と前記ダイオード領域(34)との境界に設けられており、前記第2電極(72)は、前記トランジスタ(31)の電極および前記ダイオード(33)の電極の双方として用いられる、
窒化物半導体装置。
【0144】
(付記2)
前記第1電極(71)は、前記トランジスタ領域(32)に形成されたドレイン電極(74)であり、
前記第3電極(73)は、前記ダイオード領域(34)における前記第2電極(72)から前記第1電極(71)とは反対側であって前記第1方向(X)に離隔した位置に設けられたカソード電極(77)であり、
前記第2開口(62)は、前記第2窒化物半導体層(44)と前記アノード層(52)とを露出させるものであり、
前記第2電極(72)は、前記第2窒化物半導体層(44)と前記アノード層(52)との双方と接しており、ソース電極(75)であるとともにアノード電極(76)である、
付記1に記載の窒化物半導体装置。
【0145】
(付記3)
前記第1電極(471)は、前記トランジスタ領域(32)に形成されたソース電極(475)であり、
前記第2電極(472)は、ドレイン電極(474)であるとともにカソード電極(477)であり、
前記第3開口(463)は、前記ダイオード領域(34)における前記第2電極(472)から前記第1電極(471)とは反対側であって前記第1方向(X)に離隔した位置に設けられ、前記第2窒化物半導体層(44)と前記アノード層(452)とを露出させるものであり、
前記第3電極(473)は、前記第2窒化物半導体層(44)と前記アノード層(52)との双方と接しているアノード電極(476)である、
付記1に記載の窒化物半導体装置。
【0146】
(付記4)
前記アノード電極(76,476)は、前記ダイオード領域(34)に設けられ、前記アノード層(52)から前記カソード電極(77,477)に向けて延設しているアノード延設部(76B,476B)を含む、
付記2または付記3に記載の窒化物半導体装置。
【0147】
(付記5)
前記パッシベーション層(60)内であって前記ダイオード領域(34)における前記アノード層(52)と前記カソード電極(77)との間に埋め込まれ、前記アノード電極(76)に電気的に接続されたダイオードフィールドプレート電極(55)を含み、
前記アノード延設部(76B)は、前記パッシベーション層(60)上であって前記ダイオードフィールドプレート電極(55)よりも前記カソード電極(77)に向けて延設している、
付記4に記載の窒化物半導体装置。
【0148】
(付記6)
前記パッシベーション層(60)は、積層された第1パッシベーション膜(65)および第2パッシベーション膜(66)を含み、
前記ダイオードフィールドプレート電極(55)は、前記第1パッシベーション膜(65)上に形成されており、
前記第2パッシベーション膜(66)は、前記ダイオードフィールドプレート電極(55)を覆っており、
前記アノード延設部(76B)は、前記第2パッシベーション膜(66)上に形成されている、
付記5に記載の窒化物半導体装置。
【0149】
(付記7)
前記トランジスタ領域(32)における前記第2窒化物半導体層(44)上であって前記ゲート層(51)と前記ドレイン電極との間に設けられ、前記ソース電極に電気的に接続されたトランジスタフィールドプレート電極(54)を含む、
付記2から付記6のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0150】
(付記8)
前記パッシベーション層(60)は、第1パッシベーション膜(65)および第2パッシベーション膜(66)を含み、
前記トランジスタフィールドプレート電極(54)は、前記第1パッシベーション膜(65)上に配置され、前記第2パッシベーション膜(66)により覆われている、
付記7に記載の窒化物半導体装置。
【0151】
(付記9)
前記アノード層(52)の前記第1方向(X)の長さは、前記ゲート層(51)の前記第1方向(X)の長さよりも短い、
付記2から付記8のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0152】
(付記10)
前記第1方向(X)における前記アノード層(52)と前記カソード電極(77)との間の距離は、前記第1方向(X)における前記ゲート層(51)と前記ドレイン電極との間の距離よりも短い、
付記2から付記9のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0153】
(付記11)
前記ゲート電極(53)と前記アノード電極(76)は、ショットキー接合する材料、またはオーミック接合する材料によって構成されている、
付記2から付記10のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0154】
(付記12)
前記アノード層(52)の膜厚は、前記ゲート層(51)の膜厚よりも小さい、
付記2から付記11のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0155】
(付記13)
前記アノード層(52)は、前記第1方向(X)において互いに反対側を向く第1側面(52CB)および第2側面(52CA)を含み、
前記第1側面(52CB)は前記パッシベーション層(60)により覆われ、前記第2側面(52CA)は前記第2開口(62)により露出している、
付記2に記載の窒化物半導体装置。
【0156】
(付記14)
前記アノード層(452)は、前記第1方向(X)において互いに反対側を向く第1側面(52CB)および第2側面(52CA)を含み、
前記第1側面(52CB)は前記パッシベーション層(60)により覆われ、前記第2側面(52CA)は前記第3開口(63)により露出している、
付記3に記載の窒化物半導体装置。
【0157】
(付記15)
前記アノード層(352)は、前記ゲート層(51)の膜厚よりも膜厚が小さい部分を含む、
付記2から付記14のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0158】
(付記16)
前記アノード層(352)は、前記ゲート層(51)の膜厚と膜厚が等しい第1部分(352B)と、前記ゲート層(51)の膜厚よりも膜厚が小さい第2部分(352A)を含む、
付記2から付記14のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0159】
(付記17)
前記第1部分(352B)は、前記パッシベーション層(60)により覆われており、
前記第2部分(352A)は、前記第2開口(62)により露出している、
付記16に記載の窒化物半導体装置。
【0160】
(付記18)
前記ダイオード領域(34)は、前記トランジスタ領域(32)よりも小さい、
付記2から付記17のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0161】
(付記19)
前記第2開口(62)と前記第3開口(63)との間の距離は、前記第1開口(61)と前記第2開口(62)との間の距離よりも短い、
付記2から付記18のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0162】
(付記20)
前記ゲート層(51)は、前記トランジスタ領域(32)において前記基板(41)の厚さ方向から見て環状に形成されており、
前記ドレイン電極は、前記基板(41)の厚さ方向から見て、環状の前記ゲート層(51)に囲まれており、
前記アノード層(52)は、前記ゲート層(51)とは離隔して設けられており、前記ダイオード領域(34)において前記基板(41)の厚さ方向から見て環状に形成されており、
前記カソード電極(77)は、前記基板(41)の厚さ方向から見て、環状の前記アノード層(52)に囲まれている、
付記2から付記19のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0163】
(付記21)
前記ゲート層(451)と前記アノード層(452)とを接続する接続部(456)を含み、
前記ゲート層(451)、前記アノード層(452)、および前記接続部(456)は、環状に形成されている、
付記3から付記20のいずれか1つに記載の窒化物半導体装置。
【0164】
(付記22)
前記トランジスタ領域(32)および前記ダイオード領域(34)のうちの前記トランジスタ領域(32)のみが形成された第1領域(25)と、
前記トランジスタ領域(32)および前記ダイオード領域(34)の双方が形成された第2領域(26)と、
を含み、
前記第1領域(25)および前記第2領域(26)に含まれる複数の前記トランジスタ領域(32)の面積を合計したトランジスタ面積は、前記第2領域(26)に含まれる複数の前記ダイオード領域(34)の面積を合計したダイオード面積よりも大きい、
付記1から付記21のいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
【0165】
(付記23)
前記第1領域(25)の面積と前記第2領域(26)の面積とを合計した合計面積に対する前記ダイオード面積の割合は、30%未満である、
付記22に記載の窒化物半導体装置。
【0166】
(付記24)
前記第2領域(26)において、前記トランジスタ領域(32)と前記ダイオード領域(34)は、前記第1方向(X)に交互に配置されている、
付記22または付記23に記載の窒化物半導体装置。
【0167】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0168】
10 窒化物半導体装置
11 チップ本体
12 上面
13 下面
14~17 側面
21 ゲートパッド
22 ソースパッド
23 ドレインパッド
25 第1領域
26 第2領域
31 トランジスタ
32 トランジスタ領域
33 ダイオード
34 ダイオード領域
41 基板
41A トランジスタ領域
41B ダイオード領域
42 バッファ層
43 電子走行層
44 電子供給層
44A~44C 第1~第3接続領域
44S 上面
45 二次元電子ガス
51 ゲート層
51A 本体部
51B 接続部
51S 上面
52 アノード層
52A 本体部
52B 接続部
52CA,52CB 側面
52S 上面
52SA,52SB 部分
53 ゲート電極
53A 本体部
53B 接続部
54 トランジスタフィールドプレート電極
54A 本体部
54B 接続部
55 ダイオードフィールドプレート電極
57 接合ビア
60 パッシベーション層
61~63 第1~第3開口
65 第1パッシベーション膜
65A ゲート開口
66 第2パッシベーション膜
71~73 第1~第3電極
74 ドレイン電極
75 ソース電極
75B ソース接続部
76 アノード電極
76A アノード電極部
76B アノード延設部
76BA 本体部
76BB 接続部
77 カソード電極
81 ソース配線
82 ドレイン配線
83~86 接合ビア
110 窒化物半導体装置
210 窒化物半導体装置
310 窒化物半導体装置
344 電子供給層
344A~344C 凹部
344S 上面
352 アノード層
352A 第2部分
352B 第1部分
410 窒化物半導体装置
451 ゲート層
452 アノード層
453 ゲート電極
454 トランジスタフィールドプレート電極
454A 本体部
454B 接続部
456 接続配線
457 接合ビア
460 パッシベーション層
461~463 第1~第3開口
471~471 第1~第3電極
474 ドレイン電極
475 ソース電極
476 アノード電極
476A アノード電極部
476B アノード延設部
476BA 本体部
476BB 接続部
477 カソード電極
510 窒化物半導体装置
511 第1領域
512 第2領域
801 窒化ガリウム層(GaN層)
802 金属層
803 金属層
L1 距離
L2 距離
L32 長さ
L34 長さ
L51 長さ
L52 長さ
S1 面積
S12 合計面積
S2 面積
SD ダイオード面積
ST トランジスタ面積
T51 膜厚
T52 膜厚
T52A 膜厚
T52B 膜厚
T60 膜厚
Vf 順方向電圧