(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141643
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】表示装置、供給装置、表示方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20241003BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20241003BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241003BHJP
B60L 53/10 20190101ALI20241003BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241003BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241003BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B60L3/00 S
B60L58/12
B60L50/60
B60L53/10
H02J7/00 X
G09G5/00 510A
G09G5/377 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053406
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】杉立 健太
【テーマコード(参考)】
5C182
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5C182AB08
5C182AB26
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA32
5C182CA54
5C182CB54
5C182DA41
5C182DA44
5C182DA62
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA05
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC18
5H125CD02
5H125EE27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】表示部を備える表示装置において、表示部に表示されるバッテリ(貯蔵器)に貯蔵された電力(貯蔵対象)に対応するSOC(貯蔵量情報)の視認性を向上させる。
【解決手段】表示装置68の表示部76は、タッチパネルの画面100を有し、画面100の左下にバッテリ情報表示部110を含む。バッテリ情報表示部110には、SOC情報134(貯蔵量情報)である複数のバッテリの各々のSOC、バッテリ全体のSOCを表示させることができる。また、バッテリ情報表示部110には、バッテリの形状を視覚的に表わした情報である文字等情報132も表示させることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示される前記表示情報を制御する制御部と、
を備え、
前記表示情報は、貯蔵器に貯蔵された貯蔵対象の貯蔵量を視覚的に表わした貯蔵量情報を含む、表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置において、
前記表示情報は、前記貯蔵器の外観と一致する形状を視覚的に表した形状情報を含む、表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の表示装置において、
前記表示情報は、前記貯蔵器の表面に示される文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する情報を視覚的に表わした文字等情報を含む、表示装置。
【請求項4】
請求項2に従属する請求項3記載の表示装置において、
前記表示情報は、前記形状情報と前記文字等情報とが重畳された情報である重畳情報を含む、表示装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の表示装置において、
前記文字等情報は、前記貯蔵量の現在状態、及び、前記貯蔵量の変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、複数の表示態様に変更可能である、表示装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記貯蔵器は、前記貯蔵対象であるエネルギ又はエネルギ源を貯蔵するエネルギ貯蔵器である、表示装置。
【請求項7】
請求項6記載の表示装置において、
前記エネルギ貯蔵器は、前記エネルギ又は前記エネルギ源である電力を貯蔵する蓄電器であり、
前記貯蔵量は、前記蓄電器に貯蔵される電力量である、表示装置。
【請求項8】
請求項4~6に従属する請求項7記載の表示装置において、
前記蓄電器は、前記電力を貯蔵する蓄電部と、前記蓄電部を収容する筐体とを有し、
前記筐体の正面には、前記文字、前記図形、前記記号、前記立体的形状、又は、これらの組み合わせが示され、
前記形状情報は、前記正面を見たときの前記蓄電器の形状を視覚的に表わした情報であり、
前記文字等情報は、前記正面を見たときの前記文字、前記図形、前記記号、前記立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する前記情報を視覚的に表わした情報である、表示装置。
【請求項9】
請求項8記載の表示装置において、
前記表示部は、所定方向に配列された複数の棒状光源を有し、
前記制御部は、前記電力量に応じて、複数の前記棒状光源のうち、少なくとも1つの棒状光源を発光させることで、前記貯蔵量情報を前記表示部に表示させる、表示装置。
【請求項10】
請求項9記載の表示装置において、
前記表示部は、前記正面を見たときの前記文字、前記図形、前記記号、前記立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する前記情報に一致する形状の文字等表示光源をさらに有し、
複数の前記棒状光源は、前記表示部における前記形状情報の表示領域の内側に配置され、
前記文字等表示光源は、前記表示領域の内側で複数の前記棒状光源よりも前面に重畳して配置され、
前記制御部は、前記電力量に応じて、複数の前記棒状光源のうち、少なくとも1つの棒状光源を発光させると共に、前記文字等表示光源を発光させることで、前記形状情報と前記文字等情報とが重畳された前記重畳情報を前記表示部に表示させる、表示装置。
【請求項11】
請求項10記載の表示装置において、
前記文字等表示光源は、複数の色のうち、少なくとも1つの色で発光可能であり、
前記制御部は、前記電力量の現在状態、及び、前記電力量の変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、前記文字等表示光源の発光色の変更、及び、前記文字等表示光源の点滅発光のうち、少なくともいずれかを行わせることで、前記文字等情報及び前記貯蔵量情報を前記文字等表示光源に表示させる、表示装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示情報は、前記貯蔵器から前記貯蔵対象が供給される負荷の出力を視覚的に表わした負荷出力情報を含み、
前記制御部は、前記貯蔵量情報に隣接して前記負荷出力情報を前記表示部に表示させる、表示装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の表示装置と、貯蔵対象を貯蔵する貯蔵器と、前記貯蔵器から前記貯蔵対象が供給される負荷とを備える、供給装置。
【請求項14】
表示部に表示情報を表示させる第1ステップと、
前記表示部に表示される前記表示情報を制御する第2ステップと、
を有し、
前記表示情報は、貯蔵器に貯蔵された貯蔵対象の貯蔵量を視覚的に表わした貯蔵量情報を含む、表示方法。
【請求項15】
請求項14記載の表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを記憶する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、供給装置、表示方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示部を備える表示装置が開示されている。表示部は、バッテリ(貯蔵器)に貯蔵された電力(貯蔵対象)の電力量(貯蔵量)に対応するSOC(貯蔵量情報)を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示部に表示される貯蔵量情報の視認性のさらなる向上が望まれている。
【0005】
本発明は、上記した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、表示情報を表示する表示部と、前記表示部に表示される前記表示情報を制御する制御部と、を備え、前記表示情報は、貯蔵器に貯蔵された貯蔵対象の貯蔵量を視覚的に表わした貯蔵量情報を含む、表示装置である。
【0007】
本発明の第2の態様は、前記表示装置と、貯蔵対象を貯蔵する貯蔵器と、前記貯蔵器から前記貯蔵対象が供給される負荷とを備える、供給装置である。
【0008】
本発明の第3の態様は、表示部に表示情報を表示させる第1ステップと、前記表示部に表示される前記表示情報を制御する第2ステップと、を有し、前記表示情報は、貯蔵器に貯蔵された貯蔵対象の貯蔵量を視覚的に表わした貯蔵量情報を含む、表示方法である。
【0009】
本発明の第4の態様は、前記表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本発明の第5の態様は、前記プログラムを記憶する記憶媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示情報が貯蔵量情報を含み、表示部に表示される表示情報が制御される。これにより、表示部に表示される貯蔵量情報の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る電力装置の回路図である。
【
図2】
図2は、
図1の電力装置を搭載した車両の模式的平面図である。
【
図8】
図8は、電力装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る電力装置10(供給装置)の回路図である。
【0014】
電力装置10は、例えば、車両12(
図2及び
図3参照)の電源システム14に適用される。車両12は、四輪の電気自動車である。車両12は、駆動源である駆動モータ16(負荷)を備える。車両12には、電力装置10を構成する4個のバッテリ18(貯蔵器、エネルギ貯蔵器、蓄電器)が着脱可能に搭載されている。
【0015】
図4に示すように、バッテリ18は、ケース20(筐体)とハンドル22とを備える。ケース20は、ケース本体24とボトムケース26とを有する。ケース本体24の内部には、バッテリ本体28(蓄電部)が収容されている。バッテリ本体28は、電力(貯蔵対象、エネルギ、エネルギ源)を蓄電(貯蔵)する。ボトムケース26は、ケース本体24の底部に固定されている。ハンドル22は、ケース本体24の上部に固定されている。ハンドル22は、T字状に形成されている。ハンドル22は、ハンドルカバー30と、第1ハンドル部32と、第2ハンドル部34とを有する。ハンドルカバー30は、ケース本体24の上部に固定されている。第1ハンドル部32は、ハンドルカバー30の外周に沿って、ハンドルカバー30の上部に設けられている。第2ハンドル部34は、第1ハンドル部32と直交する方向に延びるように配置されている。第2ハンドル部34の一端は、第1ハンドル部32の中央部分に連結されている。第2ハンドル部34の他端は、ハンドルカバー30の外周部のうち、第1ハンドル部32から離れた箇所に連結されている。第1ハンドル部32及び第2ハンドル部34とハンドルカバー30との間には、ユーザが手(指)を差し込める程度の隙間が形成されている。ユーザは、第2ハンドル部34とハンドルカバー30との隙間に指を差し込み、第2ハンドル部34を把持することが可能である。
【0016】
ケース本体24の側面36のうち、第1ハンドル部32の下方に位置する側面36は、ケース本体24(ケース20)の正面38である。ケース本体24の正面38の中央部には、アルファベットの小文字である「e」と、コロン記号である「:」とを組み合わせた「e:」のマーク40が示されている。このマーク40は、商品であるバッテリ18のブランドを示すマークである。なお、ケース本体24の正面38に示されるマーク40は、「e:」のマークに限定されない。文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせを示すマークがケース本体24の正面38に示されてもよい。また、文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせのマークが示される箇所は、ケース本体24の正面38に限定されることはない。ケース20の表面42(例えば、ケース本体24の他の側面36)に文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせのマーク40が示されていればよい。
【0017】
図1に示すように、4個のバッテリ18は、駆動モータ16に電力を供給する。バッテリ18は、車両12から取り外した状態で、外部の不図示の充電器によって充電される。すなわち、バッテリ18は、充放電可能な蓄電器である。
【0018】
なお、車両12は、電気自動車等の電動車両、ハイブリッド車両のように、駆動モータ16が搭載される車両であればよい。従って、電力装置10は、四輪の電気自動車に限定されることはない。電力装置10は、一輪、二輪、三輪、四輪等の各種の車両の電源システム14に適用可能である。
【0019】
また、電力装置10は、車両12の電源システム14に限定されることはない。電力装置10は、複数のバッテリ18から駆動モータ16等の負荷に電力を供給する各種の電源システム14に適用可能である。従って、電力装置10は、車両、飛行体等を含む各種の移動体、各種の電子機器において、負荷に電力を供給可能な電源システムに適用可能である。
【0020】
さらに、バッテリ18は、電力装置10、車両12等に対して着脱可能な可搬型の蓄電器であればよい。従って、電力装置10は、標準的なバッテリパック、高出力のバッテリパック、高容量のバッテリパック、ハイブリッド車両用のバッテリを含む各種の蓄電器を、バッテリ18として採用可能である。また、電力装置10が具備するバッテリ18の個数は、2個以上の複数個であればよい。
【0021】
以下の説明では、
図2及び
図3に示すように、四輪の電気自動車の電源システム14(
図1参照)において、4個のバッテリ18から駆動モータ16に電力を供給する場合について説明する。
【0022】
車両12は、車体44及びシート46を備える。シート46は、車体44の前後方向(車長方向である矢印A方向)の略中央部に配置されている。シート46は、車体44における前輪48(前方向である矢印Af方向側の車輪)と後輪50(後方向である矢印Ab方向側の車輪)との中間位置に配置されている。シート46には、運転者が着座する。
【0023】
車体44におけるシート46の斜め後方には、4個のバッテリ18が配置されている。具体的には、車体44におけるシート46と左側の後輪50(左方向である矢印B1方向側の後輪50)との間の箇所には、2つのバッテリ収容部52が左右方向(矢印B方向)に並んで設けられている。2つのバッテリ収容部52の各々には、1個のバッテリ18が収容可能である。車体44におけるシート46と右側の後輪50(右方向である矢印B2方向側の後輪50)との間の箇所には、2つのバッテリ収容部54が矢印B方向に並んで設けられている。2つのバッテリ収容部54の各々には、1個のバッテリ18が収容可能である。4つのバッテリ収容部52、54の各々の後部には、バッテリ18を着脱するときに開放される蓋部材56が設けられる。運転者等のユーザは、蓋部材56が開放されているときに、第2ハンドル部34を把持し、ボトムケース26をバッテリ収容部52、54に向けた状態で、バッテリ18をバッテリ収容部52、54に差し込む。これにより、バッテリ18がバッテリ収容部52、54に収容される。なお、4個のバッテリ18は、
図2及び
図3の配置に限定されることはない。4個のバッテリ18は、シート46に着座する運転者の運転操作に支障がない範囲で、車両12内の任意の場所に配置可能である。
【0024】
図1に示すように、電力装置10(電源システム14)は、コントロールユニット60(制御部)、4つのDC/DCコンバータ62、ジョイントボックス64、インバータ66、及び、表示装置68を備える。また、複数のバッテリ18の各々は、BMU70を有する。コントロールユニット60は、通信部72及び記憶部74(記憶媒体)を有する。表示装置68は、表示部76、制御部78(コンピュータ)、通信部80及び記憶部82(記憶媒体)を有する。
【0025】
複数のバッテリ18の各々は、複数のDC/DCコンバータ62のうち、いずれかのDC/DCコンバータ62の入力側に接続されている。複数のDC/DCコンバータ62の出力側は、ジョイントボックス64の入力側に接続されている。複数のDC/DCコンバータ62は、ジョイントボックス64に対して並列に接続されている。ジョイントボックス64の出力側は、インバータ66を介して、駆動モータ16に接続されている。
【0026】
コントロールユニット60の通信部72、及び、表示装置68の通信部80の各々は、2つのCAN84、86に接続されている。一方のCAN84は、各通信部72、80と、車両12内の各装置との間で通信を行うための車載ネットワークである。インバータ66は、一方のCAN84に接続されている。他方のCAN86は、各通信部72、80と、複数のバッテリ18に関連する各装置との間で通信を行うための車載ネットワークである。複数のDC/DCコンバータ62と、複数のバッテリ18のBMU70とは、他方のCAN86に接続されている。
【0027】
コントロールユニット60は、車両12に搭載されるECU(電子制御装置)である。コントロールユニット60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ(processor)を含み構成され得るコンピュータである。すなわち、コントロールユニット60は、処理回路(processing circuitry)によって構成され得る。コントロールユニット60は、記憶部74に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。
【0028】
なお、コントロールユニット60の少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。また、コントロールユニットの少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されてもよい。
【0029】
記憶部74は、揮発性メモリ(不図示)と不揮発性メモリ(不図示)とによって構成され得る。揮発性メモリとしては、例えば、RAM(Random Access Memory)等が挙げられ得る。この揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして使用され、処理又は演算に必要なデータ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられ得る。不揮発性メモリは、保存用のメモリとして使用され、プログラム、テーブル、マップ等を記憶する。記憶部74の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。
【0030】
車両12は、パワースイッチ88、アクセルペダルセンサ90及び複数のリッドスイッチ92を備える。
【0031】
パワースイッチ88は、車両12の起動スイッチである。コントロールユニット60は、パワースイッチ88からオン信号である起動信号を取得する。
【0032】
アクセルペダルセンサ90は、運転者によって操作される不図示のアクセルペダルの開度を検出する。コントロールユニット60は、アクセルペダルセンサ90からアクセルペダル開度情報を取得する。この場合、コントロールユニット60は、アクセルペダル開度情報に応じて、駆動モータ16のトルクの目標値(トルク指令値)を設定する。設定されたトルク指令値は、通信部72から一方のCAN84に出力される。また、コントロールユニット60は、トルク指令値に応じて、PWM信号である電流指令値を設定する。電流指令値は、複数のバッテリ18の各々の出力電圧を変換するための指令値である。設定された電流指令値は、通信部72から他方のCAN86に出力される。
【0033】
複数のリッドスイッチ92の各々は、複数のバッテリ収容部52、54の蓋部材56(
図2参照)のうち、いずれかの蓋部材56の開閉状態を検出する。コントロールユニット60は、複数のリッドスイッチ92の各々から、蓋部材56の開閉の検知結果を示すリッド開閉信号を取得する。なお、
図1では、4つのリッドスイッチ92を、1つのブロックにまとめて図示している。
【0034】
複数のBMU70の各々は、バッテリ18のSOC等を管理する。バッテリ18のSOCは、バッテリ18に蓄電される電力の電力量に対応する情報である。複数のBMU70の各々は、バッテリ18とDC/DCコンバータ62との接続状態を管理する。複数のBMU70の各々は、これらの情報をCAN86に出力する。
【0035】
従って、コントロールユニット60は、複数のBMU70の各々からCAN86を介してバッテリ18の情報を取得することができる。コントロールユニット60は、取得した情報に基づいて、複数のバッテリ18の各々のSOC等を把握する。コントロールユニット60は、複数のバッテリ18の各々のSOCから、複数のバッテリ18の全体のSOCを算出可能である。コントロールユニット60は、複数のバッテリ18の各々のSOC、又は、複数のバッテリ18の全体のSOCの表示内容を設定する。設定された表示内容を示す表示指示信号は、通信部72からCAN84に出力される。
【0036】
複数のDC/DCコンバータ62の各々は、電流指令値に基づき、バッテリ18の出力電圧を変換する。変換された出力電圧は、ジョイントボックス64に出力される。ジョイントボックス64は、複数のDC/DCコンバータ62から供給される直流電力をインバータ66に供給する。インバータ66は、トルク指令値に基づき、ジョイントボックス64から供給される直流電力を三相の交流電力に変換する。変換された交流電力は、駆動モータ16に供給される。駆動モータ16は、供給された交流電力によって駆動することで、前輪48又は後輪50(
図2参照)を回転させる。これにより、車両12が走行する。また、インバータ66は、駆動モータ16の出力情報である回転数情報及び実トルク情報をCAN84に出力する。コントロールユニット60は、CAN84を介して駆動モータ16の出力情報を取得可能である。
【0037】
表示装置68は、車両12のダッシュボード等に設定された画面100(
図5及び
図6参照)に文字、画像等の各種の表示情報102を表示する。表示装置68には、インバータ66又は駆動モータ16からの情報が通信部80を介して入力(受信)される。また、表示装置68には、複数のBMU70から通信部80を介してバッテリ18のSOCの情報が入力される。さらに、表示装置68には、コントロールユニット60から通信部80を介して表示指示信号が入力(受信)される。表示装置68の表示部76は、通信部80に入力された各種の情報に基づいて、バッテリ18を含む車両12の状態等を示す表示情報102を表示する。
【0038】
図5及び
図6は、表示装置68における画面100の表示例を示す図である。表示装置68の表示部76は、画面100を有する。画面100は、タッチパネルの画面である。表示部76は、各種の表示情報102を画面100に表示する。表示情報102の画面100への表示は、制御部78(
図1参照)によって制御される。表示部76(画面100)は、バッテリ情報表示部110、3つの運転モード選択表示部112、114、116、現在時刻表示部118、モータ出力表示部120、車速表示部122、及び、モータ回転数表示部124を有する。
【0039】
なお、制御部78は、表示装置68に搭載されるコンピュータである。制御部78は、コントロールユニット60と同様に、記憶部82に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。記憶部82は、コントロールユニット60の記憶部74と同様に、揮発性メモリと不揮発性メモリとによって構成され得る。
【0040】
バッテリ情報表示部110は、画面100の左下側に設けられている。バッテリ情報表示部110は、表示情報102である形状情報130、文字等情報132及びSOC情報134(貯蔵量情報)を表示する。上記のように、コントロールユニット60は、複数のバッテリ18の全体のSOCの表示内容を示す表示指示信号、又は、複数のバッテリ18の各々のSOCの表示内容を示す表示指示信号を、表示装置68に送信する。そのため、バッテリ情報表示部110は、複数のバッテリ18の全体のSOCを表示することができる。あるいは、バッテリ情報表示部110は、個々のバッテリ18のSOCを表示することができる。
【0041】
なお、複数のBMU70から通信部80を介して複数のバッテリ18のSOCの情報が入力される。そのため、制御部78は、複数のバッテリ18の各々のSOCをバッテリ情報表示部110に表示させてもよい。あるいは、制御部78は、入力された各SOCの情報を用いて複数のバッテリ18の全体のSOCを算出し、算出した全体のSOCをバッテリ情報表示部110に表示させてもよい。
【0042】
形状情報130は、バッテリ18(
図4参照)の外観に一致する形状を視覚的に表わした情報である。形状情報130は、バッテリ18の正面(ケース本体24の正面38)を見たときのバッテリ18の形状を視覚的に表わした情報である。
【0043】
文字等情報132は、バッテリ18の表面42に示される文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせを示すマーク40に対応する情報を視覚的に表わした情報である。上記のように、形状情報130は、バッテリ18の正面38を見たときのバッテリ18の形状を視覚的に表わした情報である。そのため、文字等情報132は、形状情報130の内側で、該形状情報130よりも前面に重畳して表示される。すなわち、形状情報130と文字等情報132とを重畳した重畳情報133がバッテリ情報表示部110に表示される。具体的には、
図4に示すように、ケース本体24の正面38には、「e:」のマーク40が示されている。そのため、
図5に示すように、形状情報130に重畳して表示される文字等情報132は、ケース本体24の正面38を見たときの「e:」のマーク40を視覚的に表わした情報である。
【0044】
より詳しく説明すると、バッテリ情報表示部110は、文字等表示光源140を有する。文字等表示光源140は、文字等情報132を表示するための光源である。文字等表示光源140は、例えば、LED光源である。文字等表示光源140は、文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせを示すマーク40に対応する情報に一致する形状の光源である。文字等表示光源140は、形状情報130の表示領域の内側に配置されている。文字等表示光源140は、形状情報130よりも前面で、該形状情報130と重畳するように配置されている。文字等表示光源140が発光することで、文字等情報132が表示される。
【0045】
文字等表示光源140は、複数の色のうち、少なくとも1つの色で発光可能である。文字等表示光源140は、SOCの現在状態(現在のSOCの大きさ)、及び、SOCの変化状態(SOCの経時変化)のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、発光色を変更してもよい。あるいは、文字等表示光源140は、SOCの現在状態、及び、SOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、点滅発光してもよい。あるいは、文字等表示光源140は、SOCの現在状態、及び、SOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、発光色を変更すると共に、点滅発光してもよい。
【0046】
バッテリ情報表示部110が複数のバッテリ18の全体のSOCを表示する場合には、文字等表示光源140は、複数のバッテリ18の全体のSOCの現在状態、及び、該全体のSOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、発光色の変更等を行えばよい。また、バッテリ情報表示部110が個々のバッテリ18のSOCを表示する場合には、文字等表示光源140は、当該バッテリ18のSOCの現在状態、及び、該SOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、発光色の変更等を行えばよい。
【0047】
【0048】
図7Aは、SOCが閾値(例えば、20%)以上の通常の大きさであるときの文字等表示光源140の表示を示す。なお、通常の大きさとは、車両12(
図2及び
図3参照)の走行に支障がない程度のSOCの大きさをいう。この場合、文字等表示光源140は、SOCが通常の大きさであることを示す色(例えば、灰色)で発光する。
【0049】
図7Bは、SOCが閾値よりも低いとき(例えば、20%未満)の文字等表示光源140の表示を示す。この場合、文字等表示光源140は、SOCが閾値よりも低いことを運転者に注意喚起できるような色(例えば、赤色)で発光する。
【0050】
図7Cは、SOCが閾値よりも低く、且つ、車両12(
図2及び
図3参照)が停止する直前の文字等表示光源140の表示を示す。この場合、SOCが低下しているので、駆動モータ16(
図1参照)に十分な電力を供給することができず、車両12が走行を停止する可能性がある。文字等表示光源140は、車両12が停止する可能性があることを運転者に警告できるような色(例えば、赤色)で点滅発光する。
【0051】
図7Dは、SOCが閾値よりも低いバッテリ18(
図1参照)から、SOCが十分に大きいバッテリ18に交換した直後の文字等表示光源140の表示を示す。この場合、文字等表示光源140は、バッテリ18が交換され、SOCが十分に大きいことを強調できるような色(例えば、青色)で発光する。
【0052】
図7Eは、車両12(
図2及び
図3参照)が高速走行等することで、SOCが急激に減少したとき(例えば、SOCが20%以上である場合にバッテリ18が急激に使用されたとき)の文字等表示光源140の表示を示す。この場合、文字等表示光源140は、SOCが急激に減少したことを運転者に注意喚起できるような色(例えば、黄色)で発光する。
【0053】
図7Fは、バッテリ18(
図1参照)が高温等であることで、該バッテリ18の使用を制限する必要があるときの文字等表示光源140の表示を示す。この場合、文字等表示光源140は、バッテリ18の使用の制限を運転者に報知できるような色(例えば、黄色)で点滅発光する。
【0054】
このように、表示装置68では、SOCの現在状態、及び、SOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、文字等情報132を複数の表示態様に変更可能である。なお、文字等表示光源140は、上記の各色以外の色で発光、又は、点滅発光してもよい。また、文字等表示光源140は、点滅発光に代えて、任意の色で発光してもよい。
【0055】
図5及び
図6に示すように、SOC情報134は、バー表示されると共に、数値で表示される。
【0056】
具体的には、バッテリ情報表示部110は、複数の棒状光源142を有する。複数の棒状光源142は、
図5及び
図6の画面100上、形状情報130の内側で、上下方向に配列されている。複数の棒状光源142は、形状情報130の内側で、文字等表示光源140よりも背後に配置されている。
図5及び
図6では、矩形状のセグメントである20個の棒状光源142が上下方向に並んで配置される場合を図示している。複数の棒状光源142は、例えば、LEDである。1つの棒状光源142が点灯することで、5%分のSOCを表示する。
図5及び
図6では、棒状光源142の点灯状態をハッチングで図示すると共に、棒状光源142の消灯状態を白抜きで図示している。従って、バッテリ18のSOCの大きさに応じて、下側の棒状光源142から上側の棒状光源142に向かって順に点灯することで、SOCの大きさを概略的に表示することができる。なお、形状情報130の左側には、SOCの目盛り144が表示されている。従って、運転者は、点灯状態の棒状光源142の個数と目盛り144とを確認することで、SOCの大きさを容易に把握することができる。
【0057】
また、形状情報130の内側には、SOCの大きさ(SOC情報134)が数値で表示される。なお、SOCの数値は、点灯状態の棒状光源142と重畳するように表示させてもよい。あるいは、SOCの数値は、
図6に示すように、消灯状態の棒状光源142と重畳するように表示させてもよい。
図5では、SOCが95%であるときの表示例が図示されている。
図6では、SOCが20%であるときの表示例が図示されている。
【0058】
3つの運転モード選択表示部112、114、116は、画面100の上側に配置されている。3つの運転モード選択表示部112、114、116は、運転者が操作可能なタッチボタンである。左側の運転モード選択表示部112は、車両12を高速走行させるためのパワフルモードを選択するためのボタンである。中央の運転モード選択表示部114は、車両12を通常走行させるためのノーマルモードを選択するためのボタンである。右側の運転モード選択表示部116は、車両12を快適に走行させるための快適モードを選択するためのボタンである。運転者がいずれかの運転モード選択表示部112、114、116をタッチした場合、表示装置68は、選択された運転モードの内容をコントロールユニット60に通知する。コントロールユニット60は、通知された運転モードの内容に従って、電流指令値及びトルク指令値を変更する。
【0059】
現在時刻表示部118は、画面100の右上に配置されている。現在時刻表示部118は、現在時刻を表示する。
【0060】
モータ出力表示部120、車速表示部122及びモータ回転数表示部124は、画面100において、バッテリ情報表示部110の右側に並んで配置されている。モータ出力表示部120、車速表示部122及びモータ回転数表示部124は、メータ表示部である。モータ出力表示部120は、駆動モータ16の出力146(負荷出力情報)を表示する。車速表示部122は、車両12の車速148(負荷出力情報)を表示する。モータ回転数表示部124は、駆動モータ16の回転数150(負荷出力情報)を表示する。
【0061】
本実施形態に係る電力装置10は、以上のように構成される。次に、電力装置10の動作について、
図8のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、主として、表示装置68(
図1参照)での画面100(
図5及び
図6参照)の表示方法について説明する。
【0062】
スイッチS1において、ユーザがパワースイッチ88(
図1参照)をオンにすると、パワースイッチ88からコントロールユニット60に起動信号が供給される。これにより、ステップS2において、車両12(
図2及び
図3参照)内の電源システム14(電力装置10)が起動する。このときに、コントロールユニット60は、複数のBMU70に対して複数のバッテリ18の起動を指示する。複数のバッテリ18のBMU70の各々は、コントロールユニット60からの指示に基づき、バッテリ18の起動処理を開始する。
【0063】
次のステップS3において、表示装置68の表示部76は、画面100(
図5及び
図6参照)上に、3つの運転モード選択表示部112、114、116を表示させる。ユーザは、表示された3つの運転モード選択表示部112、114、116のうち、いずれかの表示部をタッチすることで、運転モードを選択する。選択された運転モードは、コントロールユニット60に通知される。なお、ステップS3において、表示部76は、画面100上に、バッテリ情報表示部110、現在時刻表示部118、モータ出力表示部120、車速表示部122、及び、モータ回転数表示部124も併せて表示させてもよい。
【0064】
次のステップS4において、複数のバッテリ18での起動処理が完了する。これにより、コントロールユニット60と複数のBMU70との間で、信号又は情報の送受信が可能となる。
【0065】
ステップS5において、コントロールユニット60の通信部72は、各BMU70からCAN86を介してバッテリ18の情報を取得する。取得する情報には、バッテリ18のSOC等が含まれる。コントロールユニット60は、取得した各バッテリ18の情報に基づき、複数のバッテリ18の全体のSOCを算出する。コントロールユニット60は、取得した各バッテリ18のSOC又は算出した各バッテリ18の全体のSOCを、CAN84を介して表示装置68に送信する。これにより、表示装置68は、表示部76の画面100にSOC情報134を表示することができる。
【0066】
運転者がアクセルペダルを操作し、アクセルペダルセンサ90がアクセルペダルの開度を検出している場合、コントロールユニット60は、アクセルペダルセンサ90からアクセルペダル開度情報を取得する。コントロールユニット60は、取得したアクセルペダル開度情報に基づき、トルク指令値及び電流指令値を設定する。複数のDC/DCコンバータ62の各々は、電流指令値に基づき、バッテリ18の出力電圧を変換する。インバータ66は、トルク指令値に基づき、複数のDC/DCコンバータ62から供給される直流電力を三相の交流電力に変換する。駆動モータ16が交流電力によって駆動することで、車両12が走行する。インバータ66は、駆動モータ16の出力情報をCAN84に出力する。
【0067】
駆動モータ16が動作している場合(ステップS6:YES)、ステップS7において、表示装置68は、CAN84を介して駆動モータ16の出力情報を取得する。これにより、ステップS8において、表示部76の画面100において、モータ出力表示部120には、駆動モータ16の出力146が表示される。車速表示部122には、車両12の車速148が表示される。モータ回転数表示部124には、駆動モータ16の回転数150が表示される。
【0068】
なお、ステップS6において、駆動モータ16が動作していない場合(ステップS6:NO)、ステップS7、S8の処理はスキップされる。
【0069】
ステップS9において、表示装置68の制御部78は、文字等情報132の表示を変更すべきかどうかを判定する。
【0070】
文字等情報132の表示を維持すべきと判断した場合(ステップS9:NO)、ステップS10において、制御部78は、現在の文字等情報132の表示を維持させる。
【0071】
文字等情報132の表示を変更すべきと判断した場合(ステップS9:YES)、ステップS11において、制御部78は、文字等情報132の表示を変更する。
【0072】
例えば、SOCが閾値よりも低下したときに、制御部78は、
図7Aの表示から
図7Bの表示に変更すべきと判断し(ステップS9:YES)、ステップS11で文字等情報132の発光色を変更させる。また、車両12が停止直前である場合には、制御部78は、
図7Bの表示から
図7Cの表示に変更すべきと判断し(ステップS9:YES)、ステップS11で文字等情報132を点滅発光させる。
【0073】
バッテリ18が交換されたときには、制御部78は、
図7Dの表示に変更すべきと判断し(ステップS9:YES)、ステップS11で文字等情報132の発光色を青色に変更させる。
【0074】
SOCが急激に低下したときに、制御部78は、
図7Aの表示から
図7Eの表示に変更すべきと判断し(ステップS9:YES)、ステップS11で文字等情報132の発光色を灰色から黄色に変更させる。また、バッテリ18の使用を制限する必要がある場合には、制御部78は、
図7Aの表示から
図7Fの表示に変更すべきと判断し(ステップS9:YES)、ステップS11で文字等情報132の発光色を灰色から黄色に変更すると共に、該文字等情報132を点滅発光させる。
【0075】
ステップS12において、車両12が動作を停止していない場合(ステップS12:YES)、電力装置10は、ステップS5に戻り、ステップS5~S12の処理を繰り返し実行する。
【0076】
ステップS12において、車両12が動作を停止した場合(ステップS12:NO)、電力装置10は、
図8のフローチャートに示す動作を終了する。
【0077】
なお、上記の説明では、車両12に備わる画面100に表示情報102を表示する場合について説明した。本実施形態では、電力装置10(車両12)と無線通信が可能な携帯機器(例えば、スマートフォン、タブレット)のディスプレイに表示情報102を表示させてもよい。
【0078】
上記の説明では、複数のバッテリ18が車両12に装着される場合について説明した。本実施形態では、1つのバッテリ18が車両12に装着され、使用されてもよい。
【0079】
上記の説明では、電力装置10を車両12に適用した場合について説明した。本実施形態では、電力装置10を給電器に適用してもよい。給電器は、バッテリ18から出力される直流電力を該給電器の外部に出力する。あるいは、給電器は、バッテリ18から出力される直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を給電器の外部に出力する。この場合、給電器の画面100には、駆動モータ16の出力情報等に代えて、給電器の出力電力の情報が、SOC情報134に隣接して表示される。
【0080】
上記の説明では、電力装置10が四輪の電気自動車に適用される場合について説明した。本実施形態では、電力装置10が芝刈機、耕耘機、除雪機等の各種の移動体に適用されてもよい。あるいは、本実施形態では、電力装置10が水ポンプ等の各種のポンプに適用されてもよい。これらの電力機器に電力装置10が適用される場合、ユーザが所持する携帯機器のディスプレイに表示情報102を表示させればよい。あるいは、電力機器に画面100が備わる場合、該画面100に表示情報102を表示させればよい。
【0081】
上記の説明では、貯蔵器が蓄電器であるバッテリ18であり、貯蔵対象がバッテリ18に蓄電される電力である場合について説明した。本実施形態では、貯蔵器は、各種のエネルギ蓄積機器又はエネルギ蓄積器であってもよい。あるいは、貯蔵器は、各種のエネルギ又はエネルギ源を受け入れ可能な器(容器)であってもよい。この場合、エネルギ源には、水素、ガソリン等が挙げられる。
【0082】
本実施形態は、以下の効果を有する。
【0083】
図5及び
図6に示すように、表示情報102がSOC情報134を含み、表示部76に表示される表示情報102が制御される。これにより、表示部76に表示されるSOC情報134の視認性を向上させることができる。
【0084】
形状情報130がバッテリ18の外観(
図4参照)と一致する形状を視覚的に表した情報である。このように、形状情報130が実際のバッテリ18の外観と極力一致するので、表示情報102に対する視認性を向上させることができる。
【0085】
文字等情報132がバッテリ18の表面42(ケース本体24の側面36)に示される文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせを示すマーク40に対応する情報を視覚的に表わしている。これにより、文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせを示すマーク40が、商品であるバッテリ18のブランドを示すマークであれば、該バッテリ18のブランド力を向上させることができる。また、該ブランドのバッテリ18をユーザが所持又は所有することで、ブランドに対するユーザの満足度を向上させることができる。
【0086】
重畳情報133が形状情報130と文字等情報132とを重畳させた情報である。これにより、実際のバッテリ18の外観に極力一致させた情報を表示部76に表示させることができる。この結果、表示情報102に対する視認性を一層向上させることができる。また、限られた表示領域内で、文字等情報132の表示サイズの縮小を抑えつつ、該文字等情報132を表示させることが可能となる。さらに、形状情報130と文字等情報132とを重畳させることで、ユーザの視線移動を低減させることができる。
【0087】
図7A~
図7Fに示すように、SOCの現在状態、及び、SOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、文字等情報132が複数の表示態様に変更される。これにより、SOCに何らかの変化があったことをユーザに注意喚起することができる。ユーザは、文字等情報132の表示態様の変更を視認することで、SOCに何らかの変化があったことを視覚的(直感的)に理解することができる。また、SOC情報134に応じて文字等情報132の表示態様が変化するので、ユーザは、SOCの具体的な数値を認識することなく、文字等情報132の表示態様の変化を視認するだけで、SOC(の変化)を大まかに把握することができる。
【0088】
図5及び
図6に示すように、SOCに応じて、所定方向に配列された複数の棒状光源142のうち、少なくとも1つの棒状光源142を発光させることで、SOC情報134を表示部76に表示させる。これにより、ユーザは、発光する棒状光源142の個数を確認することで、SOC情報134の示すバッテリ18のSOCを容易に把握することができる。
【0089】
SOCの現在状態、及び、SOCの変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、文字等表示光源140の発光色の変更、及び、文字等表示光源140の点滅発光のうち、少なくともいずれかが行われる。これにより、SOCに何らかの変化があったことをユーザに注意喚起することができる。ユーザは、発光色の変更、点滅発光を視認することで、SOCに何らかの変化があったことを視覚的(直感的)に認識することができる。また、文字等表示光源140がSOC情報134に応じて発光色の変更、点滅発光を行うので、ユーザは、SOCの具体的な数値を認識することなく、文字等表示光源140の表示態様の変化を視認するだけで、SOC(の変化)を大まかに把握することができる。
【0090】
SOC情報134と、負荷出力情報である駆動モータ16の出力146、車両12の車速148及び駆動モータ16の回転数150とが、隣接して表示部76に表示される。ユーザは、駆動モータ16の出力146等に応じて、バッテリ18のSOCが変化(減少)していることを、視覚的に認識することができる。これにより、ユーザは、駆動モータ16の使用に応じてSOCが変化しているのかどうかを容易に確認することができる。この結果、ユーザは、駆動モータ16の出力146(駆動モータ16での電力の使用量)等と、バッテリ18のSOCとの相関を視覚的に理解することができる。特に、駆動モータ16が電力の回生を行わない車両12では、バッテリ18のSOCが復元することはないので、ユーザは、駆動モータ16での電力の使用量がSOCの減少量であることを容易に理解することができる。
【0091】
上述した開示に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0092】
(付記1)
表示情報(102)を表示する表示部(76)と、前記表示部に表示される前記表示情報を制御する制御部(78)と、を備え、前記表示情報は、貯蔵器(18)に貯蔵された貯蔵対象の貯蔵量を視覚的に表わした貯蔵量情報(134)を含む、表示装置(68)である。
【0093】
この構成によれば、表示情報が貯蔵量情報を含み、表示部に表示される表示情報が制御される。これにより、表示部に表示される貯蔵量情報の視認性を向上させることができる。
【0094】
(付記2)
付記1に記載の表示装置において、前記表示情報は、前記貯蔵器の外観と一致する形状を視覚的に表した形状情報(130)を含んでもよい。
【0095】
この構成によれば、形状情報が貯蔵器の外観と一致する形状を視覚的に表した情報である。このように、形状情報が実際の貯蔵器の外観と極力一致するので、表示情報に対する視認性を向上させることができる。
【0096】
(付記3)
付記1又は2に記載の表示装置において、前記表示情報は、前記貯蔵器の表面(42)に示される文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する情報を視覚的に表わした文字等情報(132)を含んでもよい。
【0097】
この構成によれば、文字等情報が貯蔵器の表面に示される文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する情報を視覚的に表わしている。これにより、文字、図形、記号、立体的形状、又は、これらの組み合わせが、商品である貯蔵器のブランドを示すマークであれば、該貯蔵器のブランド力を向上させることができる。また、該ブランドの貯蔵器をユーザが所持又は所有することで、ブランドに対するユーザの満足度を向上させることができる。
【0098】
(付記4)
付記2に従属する付記3に記載の表示装置において、前記表示情報は、前記形状情報と前記文字等情報とが重畳された情報である重畳情報(133)を含んでもよい。
【0099】
この構成によれば、重畳情報が形状情報と文字等情報とを重畳させた情報である。これにより、実際の貯蔵器の外観に極力一致させた情報を表示部に表示させることができる。この結果、表示情報に対する視認性を一層向上させることができる。また、限られた表示領域内で、文字等情報の表示サイズの縮小を抑えつつ、該文字等情報を表示させることが可能となる。さらに、形状情報と文字等情報とを重畳させることで、ユーザの視線移動を低減させることができる。
【0100】
(付記5)
付記3又は4に記載の表示装置において、前記文字等情報は、前記貯蔵量の現在状態、及び、前記貯蔵量の変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、複数の表示態様に変更可能であってもよい。
【0101】
この構成によれば、貯蔵量の現在状態、及び、貯蔵量の変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、文字等情報が複数の表示態様に変更される。これにより、貯蔵量に何らかの変化があったことをユーザに注意喚起することができる。ユーザは、文字等情報の表示態様の変更を視認することで、貯蔵量に何らかの変化があったことを視覚的(直感的)に理解することができる。また、貯蔵量情報に応じて文字等情報の表示態様が変化するので、ユーザは、貯蔵量の具体的な数値を認識することなく、文字等情報の表示態様の変化を視認するだけで、貯蔵量(の変化)を大まかに把握することができる。
【0102】
(付記6)
付記1~5のいずれかに記載の表示装置において、前記貯蔵器は、前記貯蔵対象であるエネルギ又はエネルギ源を貯蔵するエネルギ貯蔵器であってもよい。
【0103】
この構成によれば、エネルギ貯蔵器に貯蔵されるエネルギ又はエネルギ源の貯蔵量情報が表示部に表示されるので、表示部に表示されるエネルギ又はエネルギ源の貯蔵量情報に対する視認性を向上させることができる。
【0104】
(付記7)
付記6に記載の表示装置において、前記エネルギ貯蔵器は、前記エネルギ又は前記エネルギ源である電力を貯蔵する蓄電器であり、前記貯蔵量は、前記蓄電器に貯蔵される電力量であってもよい。
【0105】
この構成によれば、蓄電器に貯蔵される電力の電力量の情報が表示部に表示されるので、表示部に表示される電力量の情報に対する視認性を向上させることができる。
【0106】
(付記8)
付記4~6に従属する付記7に記載の表示装置において、前記蓄電器は、前記電力を貯蔵する蓄電部(28)と、前記蓄電部を収容する筐体(20)とを有し、前記筐体の正面(38)には、前記文字、前記図形、前記記号、前記立体的形状、又は、これらの組み合わせが示され、前記形状情報は、前記正面を見たときの前記蓄電器の形状を視覚的に表わした情報であり、前記文字等情報は、前記正面を見たときの前記文字、前記図形、前記記号、前記立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する前記情報を視覚的に表わした情報であってもよい。
【0107】
この構成によれば、実際の蓄電器の外観と極力一致するように形状情報及び文字等情報が表示されるので、表示情報に対する視認性を一層向上させることができる。
【0108】
(付記9)
付記8に記載の表示装置において、前記表示部は、所定方向に配列された複数の棒状光源(142)を有し、前記制御部は、前記電力量に応じて、複数の前記棒状光源のうち、少なくとも1つの棒状光源を発光させることで、前記貯蔵量情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0109】
この構成によれば、電力量に応じて、所定方向に配列された複数の棒状光源のうち、少なくとも1つの棒状光源を発光させることで、貯蔵量情報を表示部に表示させる。これにより、ユーザは、発光する棒状光源の個数を確認することで、貯蔵量情報の示す蓄電器の電力量を容易に把握することができる。
【0110】
(付記10)
付記9に記載の表示装置において、前記表示部は、前記正面を見たときの前記文字、前記図形、前記記号、前記立体的形状、又は、これらの組み合わせに対応する前記情報に一致する形状の文字等表示光源(140)をさらに有し、複数の前記棒状光源は、前記表示部における前記形状情報の表示領域の内側に配置され、前記文字等表示光源は、前記表示領域の内側で複数の前記棒状光源よりも前面に重畳して配置され、前記制御部は、前記電力量に応じて、複数の前記棒状光源のうち、少なくとも1つの棒状光源を発光させると共に、前記文字等表示光源を発光させることで、前記形状情報と前記文字等情報とが重畳された前記重畳情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0111】
この構成によれば、実際の蓄電器の外観に極力一致させた情報を表示部に表示させることができる。この結果、表示情報に対する視認性を一層向上させることができる。また、限られた表示領域内で、文字等情報の表示サイズの縮小を抑えつつ、該文字等情報を表示させることが可能となる。さらに、複数の棒状光源が電力量に応じて発光するので、ユーザは、発光する棒状光源の個数を確認することで、蓄電器の電力量を容易に把握することができる。また、形状情報と文字等情報とを重畳させることで、ユーザの視線移動を低減させることができる。
【0112】
(付記11)
付記10に記載の表示装置において、前記文字等表示光源は、複数の色のうち、少なくとも1つの色で発光可能であり、前記制御部は、前記電力量の現在状態、及び、前記電力量の変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、前記文字等表示光源の発光色の変更、及び、前記文字等表示光源の点滅発光のうち、少なくともいずれかを行わせることで、前記文字等情報及び前記貯蔵量情報を前記文字等表示光源に表示させてもよい。
【0113】
この構成によれば、電力量の現在状態、及び、電力量の変化状態のうち、少なくともいずれかの状態に基づいて、文字等表示光源の発光色の変更、及び、文字等表示光源の点滅発光のうち、少なくともいずれかが行われる。これにより、電力量に何らかの変化があったことをユーザに注意喚起することができる。ユーザは、発光色の変更、点滅発光を視認することで、電力量に何らかの変化があったことを視覚的(直感的)に認識することができる。また、文字等表示光源が貯蔵量情報に応じて発光色の変更、点滅発光を行うので、ユーザは、電力量の具体的な数値を認識することなく、文字等表示光源の表示態様の変化を視認するだけで、電力量(の変化)を大まかに把握することができる。
【0114】
(付記12)
付記1~11のいずれかに記載の表示装置において、前記表示情報は、前記貯蔵器から前記貯蔵対象が供給される負荷(16)の出力を視覚的に表わした負荷出力情報(146、148、150)を含み、前記制御部は、前記貯蔵量情報に隣接して前記負荷出力情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0115】
この構成によれば、貯蔵量情報と負荷出力情報とが隣接して表示部に表示される。ユーザは、負荷の出力に応じて、貯蔵器の貯蔵量が変化(減少)していることを、視覚的に認識することができる。これにより、ユーザは、負荷の使用に応じて貯蔵量が変化しているのかどうかを容易に確認することができる。この結果、ユーザは、負荷の出力(負荷での貯蔵対象の使用量)と、貯蔵器の貯蔵量との相関を視覚的に理解することができる。特に、貯蔵器が負荷から貯蔵対象を回収しない場合には、貯蔵器での貯蔵量が復元することはない。この場合、ユーザは、負荷での使用量が貯蔵器での貯蔵対象の減少量であることを容易に理解することができる。
【0116】
(付記13)
付記1~12のいずれかに記載の表示装置と、貯蔵対象を貯蔵する貯蔵器と、前記貯蔵器から前記貯蔵対象が供給される負荷とを備える、供給装置(10)である。
【0117】
この構成によれば、上記の各効果が容易に得られる。
【0118】
(付記14)
表示部に表示情報を表示させる第1ステップ(S5、S8)と、前記表示部に表示される前記表示情報を制御する第2ステップ(S10、S11)と、を有し、前記表示情報は、貯蔵器に貯蔵された貯蔵対象の貯蔵量を視覚的に表わした貯蔵量情報を含む、表示方法である。
【0119】
この方法によれば、表示情報が貯蔵量情報を含み、表示部に表示される表示情報が制御される。これにより、表示部に表示される貯蔵量情報の視認性を向上させることができる。
【0120】
(付記15)
付記14に記載の表示方法をコンピュータ(78)に実行させるためのプログラムである。
【0121】
(付記16)
付記15に記載のプログラムを記憶する記憶媒体(82)である。
【0122】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0123】
10…電力装置(供給装置)
16…駆動モータ(負荷)
18…バッテリ(貯蔵器)
68…表示装置
74…記憶部(記憶媒体)
76…表示部
78…制御部(コンピュータ)
102…表示情報
134…SOC情報(貯蔵量情報)