(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141657
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】スイッチ回路
(51)【国際特許分類】
H03K 17/687 20060101AFI20241003BHJP
H03K 17/693 20060101ALI20241003BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H03K17/687 G
H03K17/693 C
G01R19/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053435
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 光
【テーマコード(参考)】
2G035
5J055
【Fターム(参考)】
2G035AA01
2G035AB03
2G035AC01
2G035AD17
2G035AD20
2G035AD46
2G035AD47
2G035AD48
2G035AD65
5J055AX21
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5J055GX01
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5J055GX04
(57)【要約】
【課題】回路規模の増大を招くことなく、誤動作の発生を防止する。
【解決手段】電圧検出回路2において用いられるスイッチ回路1は、入力ノードNip、Ninとサンプリング容量Csp、Csnとの間を開閉するスイッチSW1~SW4を備えたスイッチ部3と、スイッチ部3の動作を制御するものであり且つスイッチ部3とは異なる電位で動作する制御部4と、を備える。スイッチSW1~SW4は、Pチャネル型のMOSトランジスタ12、13、16、17およびNチャネル型のMOSトランジスタ11、14、15、18が直列接続された構成の直列回路SC1~SC4を含む。MOSトランジスタ11~18のバックゲートは、そのソースに接続されている。制御部4は、駆動容量Cd1~Cd8を介してMOSトランジスタ11~18のゲートを駆動することによりスイッチSW1~SW4のオンオフを制御する構成である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ノード(Nip、Nin)の電圧をサンプリングして検出する構成の電圧検出回路(2)において用いられるスイッチ回路であって、
前記入力ノードと前記電圧検出回路に設けられるサンプリング容量(Csp、Csn)との間を開閉するスイッチ(SW1~SW4)を備えたスイッチ部(3)と、
前記スイッチ部の動作を制御するものであり且つ前記スイッチ部とは異なる電位で動作する制御部(4)と、
を備え、
前記スイッチは、Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、13、16、17)およびNチャネル型のMOSトランジスタ(11、14、15、18)が直列接続された構成の直列回路(SC1~SC4)を含み、
前記MOSトランジスタのバックゲートは、そのソースまたはドレインに接続されているか、もしくは、そのソースまたはドレインと同電位の箇所に接続されており、
前記制御部は、駆動容量(Cd1~Cd8)を介して前記MOSトランジスタのゲートを駆動することにより前記スイッチのオンオフを制御する構成であるスイッチ回路。
【請求項2】
前記制御部は、
前記スイッチを構成する複数の前記MOSトランジスタのそれぞれに対応して設けられた複数の前記駆動容量を備え、
複数の前記駆動容量を介して複数の前記MOSトランジスタのそれぞれのゲートを独立して駆動する構成である請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項3】
前記制御部は、前記スイッチを構成する前記MOSトランジスタのゲートに対して、前記MOSトランジスタをオフするオフレベルおよび前記MOSトランジスタをオンするオンレベルのうちいずれかになる駆動信号を供給する駆動回路(20)を備え、
前記駆動回路は、前記スイッチに対応する前記入力ノードの電位を基準として前記駆動信号を生成する請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項4】
前記スイッチ(SW1、SW3)に含まれる前記直列回路(SC1、SC3)では、前記入力ノード(Nip)から前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(11、15)および前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、16)という順の配置となっており、
前記スイッチは、前記入力ノードと前記直列回路を構成する2つの前記MOSトランジスタの相互接続ノードである中間ノード(N3、N5)との間に、前記入力ノード側をアノードとして接続される第1ダイオード(Dc1、Dc3)を備える請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項5】
前記スイッチ(SW2、SW4)に含まれる前記直列回路(SC2、SC4)では、前記入力ノード(Nin)から前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(13、17)および前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(14、18)という順の配置となっており、
前記スイッチは、前記入力ノードと前記直列回路を構成する2つの前記MOSトランジスタの相互接続ノードである中間ノード(N4、N6)との間に、前記中間ノード側をアノードとして接続される第2ダイオード(Dc2、Dc4)を備える請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項6】
前記電圧検出回路は、2つの前記入力ノードの各電圧をサンプリングし、それらの差電圧を検出する差動構成となっており、
前記スイッチ部は、
2つの前記入力ノードと差動構成において対をなす2つの前記サンプリング容量との間を開閉するようになっており、
前記スイッチとして、
2つの前記入力ノードのうち高電位側である第1入力ノード(Nip)と2つの前記サンプリング容量の一方である第1サンプリング容量(Csp)との間を開閉する第1スイッチ(SW1)と、
2つの前記入力ノードのうち低電位側である第2入力ノード(Nin)と2つの前記サンプリング容量の他方である第2サンプリング容量(Csn)との間を開閉する第2スイッチ(SW2)と、
前記第1入力ノードと前記第2サンプリング容量との間を開閉する第3スイッチ(SW3)と、
前記第2入力ノードと前記第1サンプリング容量との間を開閉する第4スイッチ(SW4)と、
を備える請求項1または2に記載のスイッチ回路。
【請求項7】
前記第1スイッチおよび前記第3スイッチに含まれる前記直列回路(SC1、SC3)では、前記第1入力ノード側から前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(11、15)および前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、16)という順の配置となっており、
前記第2スイッチおよび前記第4スイッチに含まれる前記直列回路(SC2、SC4)では、前記第2入力ノード側から前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(13、17)および前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(14、18)という順の配置となっている請求項6に記載のスイッチ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力ノードの電圧をサンプリングして検出する構成の電圧検出回路において用いられるスイッチ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルの電圧を検出する機能を有する電池監視ICでは、例えばグランド基準の低電位系の制御回路から、それとは電位レベルの異なる例えば高電位系のスイッチのオンオフを制御するCCSW回路と呼ばれるスイッチ回路がしばしば用いられている。CCSWは、Capacitively-Coupled Switchの略称である。上記構成におけるスイッチとしては、単一のMOSトランジスタからなるアナログスイッチが用いられる。そのため、制御回路は、MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧VGSをゲート閾値電圧よりも十分に高いハイレベルおよびゲート閾値電圧よりも十分に低いロウレベルに駆動することにより、スイッチのオンオフを制御するようになっている。
【0003】
具体的には、上記したスイッチ回路は、2つの入力ノードの各電圧をサンプリングし、それらの差電圧、つまり2つの入力ノード間の電圧を検出するスイッチトキャパシタ回路における高電位側入力のスイッチとして用いられる。このような用途において、スイッチとして単一のMOSトランジスタからなるアナログスイッチを用いた場合、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、MOSトランジスタのボディ-ソース間またはボディ-ドレイン間には、素子構造上、寄生のPN接合ダイオードが存在する。そのため、2つの入力ノード間の電位差の正負が反転した場合、寄生のPN接合ダイオードが順方向に導通してしまい、スイッチのオフ状態を維持できなくなる可能性がある。
【0004】
このような問題を解決するための従来技術として、特許文献1に開示された技術を挙げることができる。特許文献1には、2つの入力ノードの電圧のうちいずれか高いほうの電圧をPチャネル型MOSトランジスタの基板電位として与えるマキシムセレクタと、2つの入力ノードのうちいずれか低いほうの電圧をNチャネル型MOSトランジスタの基板電位として与えるミニマムセレクタと、を備えた構成が開示されている。特許文献1記載の従来技術によれば、マキシムセレクタおよびミニマムセレクタを用いて、基板電位と昇圧および降圧基準を切り替えることにより、上記問題の発生を防止することができる。なお、ここで言う「昇圧」とは、ソース電位に対してゲート電位を高くすることを意味し、「降圧」とは、ソース電位に対してゲート電位を低くすることを意味している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、マキシムセレクタおよびミニマムセレクタが別途必要となり、その分だけ、回路規模が増大するという懸念がある。また、従来技術では、セレクタ素子としてPN接合ダイオードが用いられる。そのため、従来技術では、ダイオードの順方向電圧VF分、具体的には例えば0.5V~0.8V程度の電圧シフトが残ることから、ボディ電位、つまり基板電位が正確なマキシム電位またはミニマム電位にならず、その分だけ、MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧VGSが低下してしまう。
【0007】
CCSW回路では、低電位側回路の駆動振幅に対して、高電位側では、駆動容量とゲート端子に付随する寄生容量との分圧比に応じて振幅が低下し、ゲート駆動振幅が小さくなってしまう。このようなことから、CCSW回路では、高圧側での振幅を十分確保するために、駆動容量の容量値が寄生容量に比較して十分大きくなるように設計を行う必要がある。従来技術では、順方向電圧VFによる電圧シフトがあることから、スイッチを確実にオンオフすることができる十分なゲート駆動振幅を確保するためには、上記電圧シフト分を補うことができるような更に容量値が大きい駆動容量が必要となり、それに伴い更なる回路規模の増大を招くおそれがある。
【0008】
また、従来技術では、寄生容量などの充放電電流が大きくなることから、回路の消費電流が増加するという問題も生じる。さらに、入力に高周波雑音が重畳して入力電位が変動すると、マキシムセレクタおよびミニマムセレクタの回路では、ダイオードを通して寄生のPN接合ダイオードを充放電するため、マキシム電位およびミニマム電位の追従性を良好にすることが難しい。
【0009】
そのため、従来技術では、入力変動が大きくマキシムセレクタおよびミニマムセレクタが追従できないと、スイッチを正しくオンオフ駆動することができず、誤動作が生じるおそれがある。なお、特許文献1には、スイッチとして、Pチャネル型MOSトランジスタとNチャネル型MOSトランジスタとを直列接続した構成も開示されているが、それらMOSトランジスタのボディはマキシムセレクタおよびミニマムセレクタに接続されている。そのため、このような構成であっても、やはりダイオードの順方向電圧VFによる電圧降下があり、上記問題を解決することができない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路規模の増大を招くことなく、誤動作の発生を防止することができるスイッチ回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載のスイッチ回路は、入力ノード(Nip、Nin)の電圧をサンプリングして検出する構成の電圧検出回路(2)において用いられるスイッチ回路であって、前記入力ノードと前記電圧検出回路に設けられるサンプリング容量(Csp、Csn)との間を開閉するスイッチ(SW1~SW4)を備えたスイッチ部(3)と、前記スイッチ部の動作を制御するものであり且つ前記スイッチ部とは異なる電位で動作する制御部(4)と、を備える。
【0012】
前記スイッチは、Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、13、16、17)およびNチャネル型のMOSトランジスタ(11、14、15、18)が直列接続された構成の直列回路(SC1~SC4)を含む。前記MOSトランジスタのバックゲートは、そのソースまたはドレインに接続されているか、もしくは、そのソースまたはドレインと同電位の箇所に接続されている。前記制御部は、駆動容量(Cd1~Cd8)を介して前記MOSトランジスタのゲートを駆動することにより前記スイッチのオンオフを制御する構成である。
【0013】
このように、請求項1に記載のスイッチ回路は、従来技術と同様のCCSW回路の構成を前提としたうえで、スイッチをPチャネル型のMOSトランジスタおよびNチャネル型のMOSトランジスタが直列接続された構成の直列回路を含むようにするとともに、MOSトランジスタのバックゲートを、そのソースまたはドレインに接続するか、もしくは、そのソースまたはドレインと同電位の箇所に接続する、という特徴的な構成を有している。
【0014】
このような構成によれば、スイッチがオフされた状態でスイッチの両端子の電圧が正負反転したとしても、Pチャネル型のMOSトランジスタおよびNチャネル型のMOSトランジスタのうちいずれかの寄生のPN接合ダイオードが逆方向になることからスイッチのオフ状態が維持され、その結果、誤動作なくスイッチのオンオフを正常に制御することができる。また、上記構成によれば、従来技術のようなマキシムセレクタおよびミニマムセレクタが不要であることから、従来技術に比べて回路規模を小さく抑えることができるとともに、次のような効果も得られる。
【0015】
すなわち、上記構成によれば、ダイオードの順方向電圧VFによる電圧損失が無いため、ゲート電位追従性が向上する。そのため、上記構成によれば、駆動容量として比較的小さい容量値の容量を用いたとしても、MOSトランジスタのゲート駆動に十分なゲート・ソース間電圧の振幅が確保され、例えば高周波雑音が重畳してスイッチの電位が揺れている場合であっても、安定してスイッチをオンオフ制御することができる。したがって、上記構成によれば、回路規模の増大を招くことなく、誤動作の発生を防止することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るスイッチ回路の構成を示す図
【
図2】第2実施形態に係るスイッチ回路の具体的な適用例であるΔΣ変調器の構成を示す図
【
図3】第2実施形態に係るノンオーバラップ2相+ディレイドクロックの一例を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について
図1を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のスイッチ回路1は、入力ノードNipの電圧Vinpおよび入力ノードNinnの電圧Vinをサンプリングして検出する構成の電圧検出回路2において用いられる。具体的には、電圧検出回路2は、2つの入力ノードNip、Ninの各電圧Vinp、Vinnをサンプリングし、それらの差電圧を検出する差動構成となっている。電圧検出回路2は、スイッチ回路1、差動構成において対をなす2つのサンプリング容量Csp、Csn、サンプリング容量Csp、Csnの後段に接続される図示しない各種の回路などを備えている。
【0019】
この場合、2つの入力ノードNip、Ninのうち高電位側である入力ノードNipが第1入力ノードに相当するとともに、2つの入力ノードNip、Ninのうち低電位側である入力ノードNinが第2入力ノードに相当する。また、この場合、2つのサンプリング容量Csp、Csnの一方であるサンプリング容量Cspが第1サンプリング容量に相当するとともに、2つのサンプリング容量Csp、Csnの他方であるサンプリング容量Csnが第2サンプリング容量に相当する。
【0020】
電圧検出回路2は、例えば自動車などの車両に搭載される電池監視ICに用いられる。なお、ICは、Integrated Circuitの略称である。図示は省略するが、電池監視ICは、複数個の電池セルが多段に直列接続された組電池の電圧などの各種状態を監視するための各種の動作を行う回路が集積化された集積回路である。この場合、電圧検出回路2は、電池セルの電圧を検出の対象としており、そのため、入力ノードNip、Ninには電池セルの電圧が与えられるようになっている。上述した通り、電池セルは、他の電池セルとともに多段に直列接続されていることから、電池セルにはコモンモード電圧が重畳されている。このコモンモード電圧は、組電池の上段側、つまり高電位側に接続される電池セルほど高くなり、その最大値は例えば数百ボルト程度の比較的高い電圧となっている。
【0021】
スイッチ回路1は、スイッチ部3、制御部4、抵抗Rp1、Rp2、ダイオードDp1、Dp2などを備えている。スイッチ部3は、入力ノードNip、Ninとサンプリング容量Csp、Csnとの間を開閉するスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を備えている。スイッチSW1は、入力ノードNipとサンプリング容量Cspとの間を開閉することができるように設けられたものであり、第1スイッチとして機能する。具体的には、スイッチSW1の一方の端子は抵抗Rp1を介して入力ノードNipに接続されており、その他方の端子はサンプリング容量Cspの一方の端子に接続されている。抵抗Rp1は、入力ノードNipの後段に接続される回路を保護するための保護抵抗である。
【0022】
スイッチSW2は、入力ノードNinとサンプリング容量Csnとの間を開閉することができるように設けられたものであり、第2スイッチとして機能する。具体的には、スイッチSW2の一方の端子は抵抗Rp2を介して入力ノードNinに接続されており、その他方の端子はサンプリング容量Csnの一方の端子に接続されている。抵抗Rp2は、入力ノードNinの後段に接続される回路を保護するための保護抵抗である。
【0023】
スイッチSW3は、入力ノードNipとサンプリング容量Csnとの間を開閉することができるように設けられたものであり、第3スイッチとして機能する。具体的には、スイッチSW3の一方の端子は抵抗Rp1を介して入力ノードNipに接続されており、その他方の端子はサンプリング容量Csnの一方の端子に接続されている。スイッチSW4は、入力ノードNinとサンプリング容量Cspとの間を開閉することができるように設けられたものであり、第4スイッチとして機能する。具体的には、スイッチSW4の一方の端子は抵抗Rp2を介して入力ノードNinに接続されており、その他方の端子はサンプリング容量Cspの一方の端子に接続されている。
【0024】
抵抗Rp1のスイッチSW1、SW3側の端子が接続されるノードN1と、抵抗Rp2のスイッチSW2、SW4側の端子が接続されるノードN2と、の間には、端子間保護のための2つのダイオードDp1、Dp2が互いに逆向きとなるように接続されている。具体的には、ダイオードDp1、Dp2の各アノードがノードN1、N2にそれぞれ接続されているとともに、ダイオードDp1、Dp2の各カソード同士が接続されている。
【0025】
スイッチSW1は、Nチャネル型のMOSトランジスタ11およびPチャネル型のMOSトランジスタ12が直列接続された構成の直列回路SC1を含む。なお、本明細書では、Nチャネル型のMOSトランジスタのことをNMOSと省略するとともに、Pチャネル型のMOSトランジスタのことをPMOSと省略することがある。スイッチSW1に含まれる直列回路SC1では、入力ノードNip側からNMOS11およびPMOS12という順の配置となっている。
【0026】
すなわち、NMOS11のソースはノードN1に接続されており、そのドレインはノードN3に接続されている。PMOS12のソースはノードN3に接続されており、そのドレインはサンプリング容量Cspの一方の端子に接続されている。ノードN3は、直列回路SC1を構成する2つのMOSトランジスタ11、12の相互接続ノードである中間ノードの一例である。NMOS11のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS12のバックゲートは、そのソースに接続されている。
【0027】
なお、MOSトランジスタにおいて、バックゲートとボディは同義であることから、本明細書では、NMOS11およびPMOS12を含む各MOSトランジスタのバックゲートのことをボディと称することがある。NMOS11のボディ-ドレイン間には、寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD11が存在する。PMOS12のボディ-ドレイン間には寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD12が存在する。
【0028】
NMOS11およびPMOS12の各ゲートは、制御部4に接続されており、それらのオンオフは制御部4により制御される。スイッチSW1は、ダイオードDc1を備えている。ダイオードDc1のアノードはノードN1に接続されており、そのカソードはノードN3に接続されている。このように、ダイオードDc1は、入力ノードNipとノードN3との間に入力ノードNip側をアノードとして接続されるものであり、直列回路SC1を構成するMOSトランジスタのボディ寄生容量を加速充電するための第1ダイオードとして機能する。
【0029】
スイッチSW2は、PMOS13およびNMOS14が直列接続された構成の直列回路SC2を含む。スイッチSW2に含まれる直列回路SC2では、入力ノードNin側からPMOS13およびNMOS14という順の配置となっている。すなわち、PMOS13のソースはノードN2に接続されており、そのドレインはノードN4に接続されている。NMOS14のソースはノードN4に接続されており、そのドレインはサンプリング容量Csnの一方の端子に接続されている。ノードN4は、直列回路SC2を構成する2つのMOSトランジスタ13、14の相互接続ノードである中間ノードの一例である。
【0030】
PMOS13のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS14のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS13のボディ-ドレイン間には、寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD13が存在する。NMOS14のボディ-ドレイン間には寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD14が存在する。PMOS13およびNMOS14の各ゲートは、制御部4に接続されており、それらのオンオフは制御部4により制御される。
【0031】
スイッチSW2は、ダイオードDc2を備えている。ダイオードDc2のアノードはノードN4に接続されており、そのカソードはノードN2に接続されている。このように、ダイオードDc2は、入力ノードNinとノードN4との間にノードN4側をアノードとして接続されるものであり、直列回路SC2を構成するMOSトランジスタのボディ寄生容量を加速充電するための第2ダイオードとして機能する。
【0032】
スイッチSW3は、NMOS15およびPMOS16が直列接続された構成の直列回路SC3を含む。スイッチSW3に含まれる直列回路SC3では、入力ノードNip側からNMOS15およびPMOS16という順の配置となっている。すなわち、NMOS15のソースはノードN1に接続されており、そのドレインはノードN5に接続されている。PMOS16のソースはノードN5に接続されており、そのドレインはサンプリング容量Csnの一方の端子に接続されている。ノードN5は、直列回路SC3を構成する2つのMOSトランジスタ15、16の相互接続ノードである中間ノードの一例である。
【0033】
NMOS15のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS16のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS15のボディ-ドレイン間には、寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD15が存在する。PMOS16のボディ-ドレイン間には寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD16が存在する。NMOS15およびPMOS16の各ゲートは、制御部4に接続されており、それらのオンオフは制御部4により制御される。
【0034】
スイッチSW3は、ダイオードDc3を備えている。ダイオードDc3のアノードはノードN1に接続されており、そのカソードはノードN5に接続されている。このように、ダイオードDc3は、入力ノードNipとノードN5との間に入力ノードNip側をアノードとして接続されるものであり、直列回路SC3を構成するMOSトランジスタのボディ寄生容量を加速充電するための第1ダイオードとして機能する。
【0035】
スイッチSW4は、PMOS17およびNMOS18が直列接続された構成の直列回路SC4を含む。スイッチSW4に含まれる直列回路SC4では、入力ノードNin側からPMOS17およびNMOS18という順の配置となっている。すなわち、PMOS17のソースはノードN2に接続されており、そのドレインはノードN6に接続されている。NMOS18のソースはノードN6に接続されており、そのドレインはサンプリング容量Cspの一方の端子に接続されている。ノードN6は、直列回路SC4を構成する2つのMOSトランジスタ17、18の相互接続ノードである中間ノードの一例である。
【0036】
PMOS17のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS18のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS17のボディ-ドレイン間には、寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD17が存在する。NMOS18のボディ-ドレイン間には寄生のPN接合ダイオードである寄生ダイオードD18が存在する。PMOS17およびNMOS18の各ゲートは、制御部4に接続されており、それらのオンオフは制御部4により制御される。
【0037】
スイッチSW4は、ダイオードDc4を備えている。ダイオードDc4のアノードはノードN6に接続されており、そのカソードはノードN2に接続されている。このように、ダイオードDc4は、入力ノードNinとノードN6との間にノードN6側をアノードとして接続されるものであり、直列回路SC4を構成するMOSトランジスタのボディ寄生容量を加速充電するための第2ダイオードとして機能する。
【0038】
電圧検出回路2において、サンプリング容量Csp、Csnを挟んで組電池側に配される回路には、電池セルに重畳される高いコモンモード電圧が印加されるため、それに耐え得る高耐圧の素子が用いられ、その他の回路には低耐圧の素子が用いられている。したがって、スイッチ回路1において、スイッチ部3は相対的に高い電位で動作する高圧側の構成であるとともに、制御部4は相対的に低い電位で動作する低圧側の構成である。
【0039】
制御部4は、図示しない制御回路から出力される2値の制御信号q1d、q2d、q1db、q2dbに基づいてスイッチ部3の動作を制御するものであり且つ前述したようにスイッチ部3とは異なる電位で動作する。上記制御回路は、例えば+5Vの電源電圧の供給を受けて動作するようになっている。そのため、制御信号q1d~q2dbは、そのハイレベルが+5Vになっているとともに、そのロウレベルが0Vになっている。
【0040】
高圧側のスイッチ部3が備えるスイッチSW1~SW4を構成するMOSトランジスタ11~18を、低圧側の制御回路から出力される制御信号q1d~q2dbにより直接駆動することはできない。そのため、制御部4は、駆動容量を介してMOSトランジスタ11~18のゲートを駆動することにより、スイッチSW1~SW4のオンオフを制御する構成となっている。制御部4の具体的な構成は次のようなものとなっている。すなわち、制御部4は、スイッチSW1~SW4を構成する複数のMOSトランジスタ11~18のそれぞれに対応して設けられた複数の駆動容量Cd1、Cd2、Cd3、Cd4、Cd5、Cd6、Cd7、Cd8と、駆動回路20と、を備えている。制御部4は、複数の駆動容量Cd1~Cd8を介して複数のMOSトランジスタ11~18のそれぞれのゲートを独立して駆動する構成である。
【0041】
駆動容量Cd1は、制御信号q1dbが与えられるノードN7とノードN8との間に接続されている。ノードN8は、スイッチSW1のPMOS12のゲートに接続されている。駆動容量Cd2は、ノードN7とノードN9との間に接続されている。ノードN9は、スイッチSW2のPMOS13のゲートに接続されている。駆動容量Cd3は、制御信号q2dbが与えられるノードN10とノードN11との間に接続されている。ノードN11は、スイッチSW3のPMOS16のゲートに接続されている。駆動容量Cd4は、ノードN10とノードN12との間に接続されている。ノードN12は、スイッチSW4のPMOS17のゲートに接続されている。
【0042】
駆動容量Cd5は、制御信号q1dが与えられるノードN13とノードN14との間に接続されている。ノードN14は、スイッチSW1のNMOS11のゲートに接続されている。駆動容量Cd6は、ノードN13とノードN15との間に接続されている。ノードN15は、スイッチSW2のNMOS14のゲートに接続されている。駆動容量Cd7は、制御信号q2dが与えられるノードN16とノードN17との間に接続されている。ノードN17は、スイッチSW3のNMOS15のゲートに接続されている。駆動容量Cd8は、ノードN16とノードN18との間に接続されている。ノードN18は、スイッチSW4のNMOS18のゲートに接続されている。
【0043】
駆動回路20は、スイッチSW1~SW4を構成するMOSトランジスタ11~18の各ゲートのそれぞれに対して、駆動信号Sd1、Sd2、Sd3、Sd4、Sd5、Sd6、Sd7、Sd8を供給する。駆動信号Sd1~Sd8は、MOSトランジスタ11~18をオフするオフレベルおよびMOSトランジスタ11~18をオンするオンレベルのうちいずれかになる2値の信号である。オンレベルおよびオフレベルは、具体的には、次のようなレベルである。
【0044】
すなわち、駆動対象がNMOSである場合のオンレベルは、下記(1)式を満たすようなレベルであり、駆動対象がPMOSである場合のオンレベルは、下記(2)式を満たすようなレベルであり、オフレベルは、下記(3)式を満たすようなレベルである。ただし、MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧をVGSとし、MOSトランジスタの閾値電圧をVtとする。
VGS>Vt …(1)
VGS<-Vt …(2)
VGS≒0 …(3)
【0045】
駆動回路20は、Pチャネル型のMOSトランジスタ21、22、25、26と、Nチャネル型のMOSトランジスタ23、24、27、28と、ダイオードD21、D22、D23、D24、D25、D26、D27、D28と、を備えている。PMOS21のドレインはノードN8に接続されており、そのソースは信号線29に接続されている。信号線29は、抵抗Rp1を介して入力ノードNipに接続されている。PMOS21のバックゲートは、そのソースに接続されている。
【0046】
PMOS22のドレインはノードN11に接続されており、そのソースは信号線29に接続されている。PMOS22のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS21のゲートは、ダイオードD21を順方向に介して信号線29に接続されているとともに、ノードN11に接続されている。PMOS22のゲートは、ダイオードD22を順方向に介して信号線29に接続されているとともに、ノードN8に接続されている。
【0047】
上記したように接続されるPMOS21、22およびダイオードD21、D22により、クロスPMOS回路31が構成されている。クロスPMOS回路31は、スイッチSW1、SW3に対応する入力ノードNipの電位を基準として駆動信号Sd1、Sd3を生成するようになっている。駆動信号Sd1は、制御信号q1dbを高電位側にレベルシフトした信号となっており、ノードN8からスイッチSW1のPMOS12のゲートへと供給される。駆動信号Sd3は、制御信号q2dbを高電位側にレベルシフトした信号であり、ノードN11からスイッチSW3のPMOS16のゲートへと供給される。
【0048】
NMOS23のドレインはノードN14に接続されており、そのソースは信号線29に接続されている。NMOS23のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS24のドレインはノードN17に接続されており、そのソースは信号線29に接続されている。NMOS24のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS23のゲートは、ダイオードD23を逆方向に介して信号線29に接続されているとともに、ノードN17に接続されている。NMOS24のゲートは、ダイオードD24を逆方向に介して信号線29に接続されているとともに、ノードN14に接続されている。
【0049】
上記したように接続されるNMOS23、24およびダイオードD23、D24により、クロスNMOS回路32が構成されている。クロスNMOS回路32は、スイッチSW1、SW3に対応する入力ノードNipの電位を基準として駆動信号Sd5、Sd7を生成するようになっている。駆動信号Sd5は、制御信号q1dを高電位側にレベルシフトした信号となっており、ノードN14からスイッチS1のNMOS11のゲートへと供給される。駆動信号Sd7は、制御信号q2dを高電位側にレベルシフトした信号であり、ノードN17からスイッチSW3のNMOS15のゲートへと供給される。
【0050】
PMOS25のドレインはノードN9に接続されており、そのソースは信号線30に接続されている。信号線30は、抵抗Rp2を介して入力ノードNinに接続されている。PMOS25のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS26のドレインはノードN12に接続されており、そのソースは信号線30に接続されている。PMOS26のバックゲートは、そのソースに接続されている。PMOS25のゲートは、ダイオードD25を順方向に介して信号線30に接続されているとともに、ノードN12に接続されている。PMOS26のゲートは、ダイオードD26を順方向に介して信号線30に接続されているとともに、ノードN9に接続されている。
【0051】
上記したように接続されるPMOS25、26およびダイオードD25、D26により、クロスPMOS回路33が構成されている。クロスPMOS回路33は、スイッチSW2、SW4に対応する入力ノードNinの電位を基準として駆動信号Sd2、Sd4を生成するようになっている。駆動信号Sd2は、制御信号q1dbを高電位側にレベルシフトした信号となっており、ノードN9からスイッチSW2のPMOS13のゲートへと供給される。駆動信号Sd4は、制御信号q2dbを高電位側にレベルシフトした信号であり、ノードN12からスイッチSW4のPMOS17のゲートへと供給される。
【0052】
NMOS27のドレインはノードN15に接続されており、そのソースは信号線30に接続されている。NMOS27のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS28のドレインはノードN18に接続されており、そのソースは信号線30に接続されている。NMOS28のバックゲートは、そのソースに接続されている。NMOS27のゲートは、ダイオードD27を逆方向に介して信号線30に接続されているとともに、ノードN18に接続されている。NMOS28のゲートは、ダイオードD28を逆方向に介して信号線30に接続されているとともに、ノードN15に接続されている。
【0053】
上記したように接続されるNMOS27、28およびダイオードD27、D28により、クロスNMOS回路34が構成されている。クロスNMOS回路34は、スイッチSW2、SW4に対応する入力ノードNinの電位を基準として駆動信号Sd6、Sd8を生成するようになっている。駆動信号Sd6は、制御信号q1dを高電位側にレベルシフトした信号となっており、ノードN15からスイッチSW2のNMOS14のゲートへと供給される。駆動信号Sd8は、制御信号q2dを高電位側にレベルシフトした信号であり、ノードN18からスイッチSW4のNMOS18のゲートへと供給される。
【0054】
次に、上記構成のスイッチ回路1による動作について説明する。
制御部4は、スイッチSW1、SW2と、スイッチSW3、SW4と、を相補的にオンオフさせるように制御する。なお、本明細書における「相補的にオンオフさせる」とは、双方のスイッチがオフする期間、いわゆるデッドタイムを設けるケースを除外するものではない。以下、スイッチSW1、SW2がオンされるとともにスイッチSW3、SW4がオフされる期間のことをサンプル期間と称するとともに、スイッチSW1、SW2がオフされるとともにスイッチSW3、SW4がオンされる期間のことをホールド期間と称することがある。
【0055】
上記構成のスイッチ回路1では、サンプル期間には、入力ノードNip、Ninの各電圧Vinp、Vinnによりサンプリング容量Csp、Csnが充電される、つまり入力ノードNip、Ninの各電圧Vinp、Vinnがサンプリング容量Csp、Csnによりサンプリングされる。また、上記構成のスイッチ回路1では、ホールド期間には、サンプリング容量Csp、Csnに蓄積された電荷が後段の回路へと転送される。
【0056】
サンプル期間およびホールド期間のそれぞれにおいて、駆動回路20は、次のように動作する。すなわち、サンプル期間では、駆動回路20は、NMOS11、14およびPMOS12、13のゲートにオンレベルの駆動信号を与える、つまりNMOS11、14のゲートを正側に駆動するとともにPMOS12、13のゲートを負側に駆動する。これにより、駆動回路20は、直列回路SC1を構成する2つのMOSトランジスタ11、12の両方をオン駆動するとともに直列回路SC2を構成する2つのMOSトランジスタ13、14の両方をオン駆動し、スイッチSW1、SW2をオン状態とする。
【0057】
このとき、クロスPMOS回路31、33およびクロスNMOS回路32、34において該当するMOSトランジスタがオンとなる。そのため、サンプル期間では、駆動回路20は、NMOS15、18およびPMOS16、17のゲートにオフレベルの駆動信号を与える、つまりNMOS15、18およびPMOS16、17のゲート・ソース間電圧VGSを略0Vにし、スイッチSW3、SW4をオフ状態とする。一方、ホールド期間では、サンプル期間に対して制御信号q1db、q2db、q1d、q2dが反転することから、駆動回路20は、サンプル期間とは逆の動作を行い、スイッチSW1、SW2をオフ状態とするとともに、スイッチSW3、SW4をオン状態とする。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態のスイッチ回路1は、従来技術と同様のCCSW回路の構成を前提としたうえで、スイッチSW1~SW4をPMOSおよびNMOSが直列接続された構成の直列回路SC1~SC4を含むようにするとともに、MOSトランジスタのバックゲートを、そのソースに接続する、という特徴的な構成を有している。
【0059】
このような構成によれば、スイッチSW1~SW4がオフされた状態でスイッチSW1~SW4の両端子の電圧が正負反転したとしても、PMOSおよびNMOSのうちいずれかの寄生のPN接合ダイオードが逆方向になることからスイッチSW1~SW4のオフ状態が維持され、その結果、誤動作なくスイッチSW1~SW4のオンオフを正常に制御することができる。また、上記構成によれば、従来技術のようなマキシムセレクタおよびミニマムセレクタが不要であることから、従来技術に比べて回路規模を小さく抑えることができるとともに、次のような効果も得られる。
【0060】
すなわち、上記構成によれば、ダイオードの順方向電圧VFによる電圧損失が無いため、ゲート電位追従性が向上する。そのため、上記構成によれば、駆動容量Cd1~Cd8として比較的小さい容量値の容量を用いたとしても、MOSトランジスタのゲート駆動に十分なゲート・ソース間電圧VGSの振幅が確保され、例えば高周波雑音が重畳してスイッチの電位が揺れている場合であっても、安定してスイッチSW1~SW4をオンオフ制御することができる。したがって、本実施形態によれば、回路規模の増大を招くことなく、誤動作の発生を防止することができるという優れた効果が得られる。
【0061】
以下では、本実施形態により得られる効果について、従来技術との比較を交えながら、より詳細に説明する。なお、以下では、スイッチSW1~SW4を構成する2つのMOSトランジスタのうち入力ノードNip、Nin側に配置されたMOSトランジスタ11、13、15、17のことを第1MOSトランジスタと称することがあるとともに、サンプリング容量Csp、Csn側に配置されたMOSトランジスタ12、14、16、18のことを第2MOSトランジスタと称することがある。
【0062】
通常、MOSトランジスタのボディバイアス効果を抑えるためには、ボディ電位をソース電位と同電位にするのが望ましい。しかし、スイッチSW1~SW4が単一のMOSトランジスタだけで構成されている場合、単に各MOSトランジスタのボディとソースをショートすると、入力ノードNip、Nin間の電位差の正負が反転した場合、ボディ-ドレイン間に存在する寄生のPN接合ダイオードが順方向に導通してしまい、スイッチSW1~SW4のオフ状態を維持できなくなる。
【0063】
例えば、スイッチSW1およびSW3が単一のPMOSで構成されているとともに、スイッチSW2およびSW4が単一のNMOSで構成されているとすると、入力ノードNip、Nin間の電位差の関係が「電圧Vinp>電圧Vinn」である場合、つまり正入力の場合にはスイッチSW1~SW4を正常にオンオフ動作させることができるものの、「電圧Vinp<電圧Vinn」である場合、つまり負入力の場合にはスイッチSW1~SW4のオフ状態を維持することができない。
【0064】
一方、特許文献1記載の従来技術では、マキシムセレクタ回路およびミニマムセレクタ回路を用いることにより、PMOSのボディ電位をマキシム電位に固定するとともにNMOSのボディ電位をミニマム電位に固定し、寄生のPN接合ダイオードが誤ってオンすることを防止している。誤オンしないようになっている。これに対し、本実施形態のスイッチ回路1では、入力ノードNip、Nin間の電位差の正負が反転しても、スイッチSW1~SW4を構成するNMOSおよびPMOSの2種類のMOSトランジスタのうちいずれかのボディ-ドレイン間のPN接合が逆方向となってスイッチSW1~SW4のオフ状態を維持することができる。そのため、本実施形態によれば、従来技術のようなマキシムセレクタおよびミニマムセレクタが不要となる。
【0065】
また、従来技術では、マキシムセレクタおよびミニマムセレクタにより選択された電位は、実際のマキシム電位およびミニマム電位に対してダイオードの順方向電圧VF分だけシフトした電位となる。一方、本実施形態のスイッチ回路1では、第1MOSトランジスタの各ボディは、それらの各ソース端子に接続されている。また、この場合、第1MOSトランジスタのゲートの昇圧基準および降圧基準となるクロスNMOS回路32およびクロスPMOS回路33の共通のソースも、上記した各ソース端子に接続されている。
【0066】
具体的には、クロスNMOS回路32のNMOS23、24の各ソースは、信号線29、ひいてはMOSトランジスタ11、15のソース端子に接続されている。また、クロスPMOS回路33のPMOS25、26の各ソースは、信号線30、ひいてはMOSトランジスタ13、17のソース端子に接続されている。このような構成において、制御部4の駆動回路20は、上記したソースの電位を基準として各MOSトランジスタのゲート電位を、それぞれに対応して設けられた独立の駆動容量Cd1~Cd8を介して、低電位側から昇圧駆動、つまりオン駆動および降圧駆動、つまりオフ駆動するため、従来技術のようにダイオードの順方向電圧VF分の電圧降下がない。
【0067】
そのため、本実施形態によれば、駆動容量Cd1~Cd8として比較的小さい容量値の容量を用いたとしても、効率良くゲート駆動に十分な電圧VGSの振幅を確保することができる。また、本実施形態によれば、入力ノードNip、Nin間に電位差がある場合でも、スイッチSW1~SW4を構成する各MOSトランジスタ11~18の各ゲートを独立した駆動容量Cd1~Cd8を介して駆動する構成になっているため、各MOSトランジスタ11~18をオンオフ駆動するために十分な電圧VGSの振幅を確保することができる。
【0068】
さらに、本実施形態によれば、次のような効果も得られる。すなわち、従来技術におけるマキシムセレクタおよびミニマムセレクタでは、ダイオードを順方向に介してMOSトランジスタのボディの寄生容量を充放電するようになっていた。これに対し、本実施形態では、MOSトランジスタによりボディの寄生容量を充放電するようになっており、ダイオードを介した充放電ではないことから、従来技術に比べ電位追従性が格段に向上する。
【0069】
本実施形態では、第1MOSトランジスタのソースに、クロスPMOS回路31、33およびクロスNMOS回路32、34の各MOSトランジスタの共通のソースが接続されている。そのため、本実施形態では、スイッチSW1~SW4のオフ時には、クロスPMOS回路31、33およびクロスNMOS回路32、34内の対応するMOSトランジスタがオンして、スイッチSW1~SW4を構成するPMOSおよびNMOSの両方のゲート電位が第1MOSトランジスタのソース電位に精度および応答性良く追従する。
【0070】
したがって、本実施形態によれば、入力に高周波雑音が重畳するなど入力電位の急激な変動があっても、スイッチSW1~SW4を構成するPMOSおよびNMOSのうちどちらか一方がオフ状態を維持して誤オンを防止することができる。また、本実施形態のスイッチ回路1によれば、車載環境のような雑音環境でも誤動作の発生を防止することができるとともに、雑音イミュニティ性能を向上することができるという優れた効果が得られる。
【0071】
本実施形態では、スイッチSW1、SW3に含まれる直列回路SC1、SC3では、入力ノードNip側から「NMOS11、15→PMOS12、16」という順の配置となっている。また、本実施形態では、スイッチSW2、SW4に含まれる直列回路SC2、SC4では、入力ノードNin側から「PMOS13、17→NMOS14、18」という順の配置となっている。このような配置を採用した構成によれば、次のような効果が得られる。
【0072】
すなわち、上記構成によれば、中間ノードであるノードN3~N6に接続される第2MOSトランジスタのボディ電位とソース電位の変動が比較的小さく抑えられるため、スイッチSW1~SW4がオフからオンに転じるときにおける入力ノードNip、Nin側からの寄生容量の充放電量が小さくなる。なお、この充放電量は、その平均を取れば入力リーク電流となる。また、上記構成によれば、駆動容量Cd1~Cd8の容量値が比較的小さい場合であっても、十分なゲート駆動振幅が得られ易いというメリットがある。
【0073】
なお、スイッチSW1~SW4に含まれる直列回路SC1~SC4の2つのMOSトランジスタの配置を本実施形態とは逆の配置にした比較例の場合、スイッチSW1~SW4のオフ時に第2MOSトランジスタのボディ-ドレイン間のPN接合を通してボディの寄生容量が毎回放電され、ボディ電位の変動が大きくなってしまう。その結果、比較例の構成では、充放電電流、つまり入力リーク電流が大きくなる、スイッチSW1~SW4がオフからオンに転じるときにおけるゲート振幅が小さくなる、などの欠点がある。これに対し、本実施形態の構成によれば、このような欠点をいずれも解消することができる。
【0074】
また、本実施形態の構成によれば、スイッチSW1~SW4がオフからオンに転じるとき、第2MOSトランジスタの過渡的な電圧VGS変動が抑えられる、つまり電圧VGSの変動のピーク値が小さく抑えられる。そのため、本実施形態のスイッチ回路1によれば、スイッチSW1~SW4を構成するMOSトランジスタのゲート酸化膜ストレスが緩和され、長期信頼性の高いCCSW回路を実現することができる。
【0075】
例えば、電圧Vinp、Vinnが下記(4)式により表される関係であるとともに、スイッチ駆動振幅が5V/0Vであるとして、スイッチSW1、SW2がオフからオンに転じるとともにスイッチSW3、SW4がオンからオフに転じる場合を考える。
Vinp=Vinn+5V …(4)
【0076】
このとき、寄生容量が無視できる程度に十分に小さいとすると、NMOS12のゲート電位が「Vinp」から「Vinp+5V」になるとともに、PMOS11のゲート電位は「Vinp」から「Vinp-5V」になることにより、スイッチSW1がオンし、その左側の電位が「Vinn」から「Vinp」に上昇する。
【0077】
ここで、仮にスイッチSW1を構成する2つのMOSトランジスタが本実施形態とは逆の配置、つまり入力ノードNip側から「PMOS→NMOS」という順の配置であるとすると、次のような問題が生じるおそれがある。すなわち、このような逆の配置では、スイッチSW1のオフ状態で第2トランジスタであるNMOS全体がVinn電位に下がっている状態から、スイッチSW1がオフからオンに転じて急激にNMOSのゲート電位が「Vinp」から「Vinp+5V」に上昇すると、この過渡状態の初期時において、電圧VGSが下記(5)式に示すような電圧になることが懸念される。
VGS≒(Vinp+5V)-Vinn=(Vinp-Vinn)+5V>5V
…(5)
【0078】
これに対し、本実施形態の配置によれば、スイッチSW1がオフ状態でも第1トランジスタであるNMOS11のソースはVinpの電位であり、そのドレインもVinpの電位近傍のままであり、第2トランジスタであるPMOS12がオフ状態を維持する。そのため、本実施形態の配置によれば、スイッチSW1がオフからオンに遷移する過渡状態においても、NMOS11およびPMOS12のいずれの電圧VGSも±5Vを超えることはない。
【0079】
スイッチSW2~SW4についても、本実施形態の配置によれば、スイッチSW1と同様、過渡状態において2つのMOSトランジスタのいずれの電圧VGSも±5Vを超えることなく、オフからオンへと遷移させることができる。このように、本実施形態によれば、スイッチSW1~SW4を構成するMOSトランジスタの電圧VGSに例えば±5Vといったゲート耐圧を超えるような電圧が加わることがなくなることから、長期信頼性を損なうことなく、スイッチSW1~SW4を構成する各MOSトランジスタを駆動することができる。
【0080】
また、従来技術では、一方の入力ノードに接続されるMOSトランジスタおよび他方の入力ノードに接続されるMOSトランジスタを1つの駆動容量を兼用する形で用いて駆動する構成、つまり駆動容量を2つの入力ノードで兼用する構成となっている。そのため、従来技術では、2つの入力ノード間の電位差が大きくなると、一方のMOSトランジスタについて電圧VGSを十分に確保することができず、そのMOSトランジスタをオンできないことがある。これに対し、本実施形態では、複数の駆動容量Cd1~Cd8を介して複数のMOSトランジスタM11~M18のそれぞれのゲートを独立して駆動する構成であるため、入力ノードNip、Nin間の電位差が大きくなってもMOSトランジスタM11~M18について電圧VGSを十分に確保して確実にオンすることができる。
【0081】
本実施形態では、スイッチSW1~SW4は、直列回路SC1~SC4を構成するMOSトランジスタのボディ寄生容量を加速充電するためのダイオードDc1~Dc4を備えている。このような構成によれば、MOSトランジスタの電圧VGSの応答性、つまりMOSトランジスタの駆動に関する応答性を一層向上させることができる。
【0082】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について
図2および
図3を参照して説明する。
図2に示すように、本実施形態のΔΣ変調器41は、第1実施形態において説明したスイッチ回路1およびサンプリング容量Csp、Csnを用いた構成となっている。ΔΣ変調器41は、上記構成に加え、マルチビットD/A変換器42、43、パッシブ積分器44、オフセットキャンセル回路45、プリアンプ46、量子化器47、ディジタル積分器48、デジタルマルチビット量子化器49などを備えた周知の構成であり、その各部の説明については省略する。
【0083】
ΔΣ変調器41は、入力ノードNip、Ninを介して入力されるアナログ信号である差動の電圧Vinp、Vinnをデジタル値である出力信号DOUTに変換するΔΣ型のA/D変換器として機能する。上記構成における各回路は、フェーズφ1D、φ2Dのノンオーバーラップクロックにより動作する。このようなノンオーバーラップクロックとしては、具体的には
図3に示すように「ノンオーバラップ2相+ディレイドクロック」を採用することができる。
【0084】
図3に示すように、フェーズφ1Aでは、サンプリング容量Csp、Csnの各他方の端子をコモンモードVicmに接続するためのスイッチがオンされるとともに、サンプリング容量Csp、Csnの各他方の端子をパッシブ積分器44に接続するためのスイッチがオフされる。フェーズφ2Aでは、サンプリング容量Csp、Csnの各他方の端子をコモンモードVicmに接続するためのスイッチがオフされるとともに、サンプリング容量Csp、Csnの各他方の端子をパッシブ積分器44に接続するためのスイッチがオンされる。
【0085】
フェーズφ1Dでは、スイッチ回路1のスイッチSW1、SW2がオンされるとともにスイッチ回路1のスイッチSW3、SW4がオフされる。フェーズφ2Dでは、スイッチ回路1のスイッチSW1、SW2がオフされるとともにスイッチ回路1のスイッチSW3、SW4がオンされる。上記構成によれば、コモンモードVicm側のスイッチが先にオフされ、その後に少し遅れて、アナログ入力側のスイッチがオフされることになる。以上説明したように、スイッチ回路1は、様々な用途に適用可能であるが、本実施形態において説明したΔΣ変調器41への応用が好適なものとなっている。
【0086】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
【0087】
上記各実施形態では、スイッチSW1~SW4を構成するMOSトランジスタ11~18のバックゲートは、そのソースに接続されていたが、これに代えて、そのドレインに接続する構成であってもよい。また、MOSトランジスタ11~18のバックゲートは、例えば抵抗、その他の素子などを介してソースまたはドレインに接続されていてもよい。つまり、MOSトランジスタ11~18のバックゲートは、そのソースまたはドレインと同電位に箇所に接続されていてもよい。さらに、MOSトランジスタ11~18の片側または両側に、電流制限抵抗、その他の保護素子などを追加することもできる。
【0088】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0089】
本開示は、特許請求の範囲に記載の発明に加え、以下のような発明を含む。
[1]
入力ノード(Nip、Nin)の電圧をサンプリングして検出する構成の電圧検出回路(2)において用いられるスイッチ回路であって、
前記入力ノードと前記電圧検出回路に設けられるサンプリング容量(Csp、Csn)との間を開閉するスイッチ(SW1~SW4)を備えたスイッチ部(3)と、
前記スイッチ部の動作を制御するものであり且つ前記スイッチ部とは異なる電位で動作する制御部(4)と、
を備え、
前記スイッチは、Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、13、16、17)およびNチャネル型のMOSトランジスタ(11、14、15、18)が直列接続された構成の直列回路(SC1~SC4)を含み、
前記MOSトランジスタのバックゲートは、そのソースまたはドレインに接続されているか、もしくは、そのソースまたはドレインと同電位の箇所に接続されており、
前記制御部は、駆動容量(Cd1~Cd8)を介して前記MOSトランジスタのゲートを駆動することにより前記スイッチのオンオフを制御する構成であるスイッチ回路。
[2]
前記制御部は、
前記スイッチを構成する複数の前記MOSトランジスタのそれぞれに対応して設けられた複数の前記駆動容量を備え、
複数の前記駆動容量を介して複数の前記MOSトランジスタのそれぞれのゲートを独立して駆動する構成である[1]に記載のスイッチ回路。
[3]
前記制御部は、前記スイッチを構成する前記MOSトランジスタのゲートに対して、前記MOSトランジスタをオフするオフレベルおよび前記MOSトランジスタをオンするオンレベルのうちいずれかになる駆動信号を供給する駆動回路(20)を備え、
前記駆動回路は、前記スイッチに対応する前記入力ノードの電位を基準として前記駆動信号を生成する[1]または[2]に記載のスイッチ回路。
[4]
前記スイッチ(SW1、SW3)に含まれる前記直列回路(SC1、SC3)では、前記入力ノード(Nip)から前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(11、15)および前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、16)という順の配置となっており、
前記スイッチは、前記入力ノードと前記直列回路を構成する2つの前記MOSトランジスタの相互接続ノードである中間ノード(N3、N5)との間に、前記入力ノード側をアノードとして接続される第1ダイオード(Dc1、Dc3)を備える[1]から[3]のいずれか一項に記載のスイッチ回路。
[5]
前記スイッチ(SW2、SW4)に含まれる前記直列回路(SC2、SC4)では、前記入力ノード(Nin)から前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(13、17)および前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(14、18)という順の配置となっており、
前記スイッチは、前記入力ノードと前記直列回路を構成する2つの前記MOSトランジスタの相互接続ノードである中間ノード(N4、N6)との間に、前記中間ノード側をアノードとして接続される第2ダイオード(Dc2、Dc4)を備える[1]から[4]のいずれか一項に記載のスイッチ回路。
[6]
前記電圧検出回路は、2つの前記入力ノードの各電圧をサンプリングし、それらの差電圧を検出する差動構成となっており、
前記スイッチ部は、
2つの前記入力ノードと差動構成において対をなす2つの前記サンプリング容量との間を開閉するようになっており、
前記スイッチとして、
2つの前記入力ノードのうち高電位側である第1入力ノード(Nip)と2つの前記サンプリング容量の一方である第1サンプリング容量(Csp)との間を開閉する第1スイッチ(SW1)と、
2つの前記入力ノードのうち低電位側である第2入力ノード(Nin)と2つの前記サンプリング容量の他方である第2サンプリング容量(Csn)との間を開閉する第2スイッチ(SW2)と、
前記第1入力ノードと前記第2サンプリング容量との間を開閉する第3スイッチ(SW3)と、
前記第2入力ノードと前記第1サンプリング容量との間を開閉する第4スイッチ(SW4)と、
を備える[1]から[3]のいずれか一項に記載のスイッチ回路。
[7]
前記第1スイッチおよび前記第3スイッチに含まれる前記直列回路(SC1、SC3)では、前記第1入力ノード側から前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(11、15)および前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(12、16)という順の配置となっており、
前記第2スイッチおよび前記第4スイッチに含まれる前記直列回路(SC2、SC4)では、前記第2入力ノード側から前記Pチャネル型のMOSトランジスタ(13、17)および前記Nチャネル型のMOSトランジスタ(14、18)という順の配置となっている[6]に記載のスイッチ回路。
【符号の説明】
【0090】
1…スイッチ回路、2…電圧検出回路、3…スイッチ部、4…制御部、5…制御部、12、13、16、17…Pチャネル型のMOSトランジスタ、11、14、15、18…Nチャネル型のMOSトランジスタ、20…駆動回路、Cd1~Cd8…駆動容量、Csp、Csn…サンプリング容量、Dc1、Dc3…ダイオード、Dc2、Dc4…ダイオード、N3、N5…ノード、N4、N6…ノード、Nip、Nin…入力ノード、SC1~SC4…直列回路、SW1~SW4…スイッチ。