(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141663
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241003BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20241003BHJP
H02P 27/06 20060101ALI20241003BHJP
B60L 9/18 20060101ALI20241003BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20241003BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20241003BHJP
B60L 53/24 20190101ALI20241003BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20241003BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M3/28 Y
H02P27/06
B60L9/18 P
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/24
B60L58/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053443
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森本 雄太
(72)【発明者】
【氏名】田口 真
【テーマコード(参考)】
5H125
5H505
5H730
5H770
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BA04
5H125BB05
5H125BB07
5H125BC21
5H125DD02
5H125FF16
5H505AA16
5H505BB03
5H505CC04
5H505DD06
5H505HB01
5H505LL24
5H730AA15
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS13
5H730AS17
5H730BB27
5H730CC01
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE13
5H730EE61
5H770AA21
5H770BA02
5H770BA11
5H770CA02
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA21
5H770DA41
5H770EA01
(57)【要約】
【課題】製造コストを低減可能な電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置1は、バッテリ3を充電する車載用充電器101と、永久磁石モータM1を駆動する第1モータ駆動部102と、巻線界磁モータM2を駆動する第2モータ駆動部109とを備え、車載用充電器101は交流電力を直流電力に変換する交直変換部と、第1変換部と第2変換部とトランスとを有するコンバータとを備え、第1変換部は交直変換部からの直流電力をトランスの一次巻線に入力し、第2変換部はトランスの二次巻線からの交流電力をバッテリ3を充電可能な直流電力に変換し、第2変換部及び巻線界磁モータM2の界磁巻線に通電する界磁巻線通電部の夫々と、永久磁石モータM1に通電する第1インバータ及び巻線界磁モータM2のステータコイルに通電する第2インバータの夫々とは回路構成及び使用される電子部品が互いに同一である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるバッテリを、外部からの交流電力により充電する車載用充電器と、
前記車両に搭載される永久磁石モータを駆動する第1モータ駆動部と、
前記車両に搭載される巻線界磁モータを駆動する第2モータ駆動部と、を備え、
前記車載用充電器が、前記交流電力を直流電力に変換する交直変換部と、当該交直変換部にて変換された前記直流電力を、前記バッテリを充電可能な直流電力に変換するコンバータと、を有し、
前記コンバータは、第1変換部と第2変換部とトランスとを有し、
前記第1変換部は、前記交直変換部からの前記直流電力を前記トランスの一次巻線に入力し、
前記第2変換部は、前記トランスの二次巻線からの交流電力を、第1回路構成及び第1電子部品により前記バッテリを充電可能な直流電力に変換し、
前記第1モータ駆動部は、第2回路構成及び第2電子部品により前記永久磁石モータのステータコイルに通電する第1インバータを備え、
前記第2モータ駆動部は、第1回路構成及び第1電子部品により前記巻線界磁モータの界磁巻線に通電する界磁巻線通電部、及び第2回路構成及び第2電子部品によりステータコイルに通電する第2インバータを備え、
前記第2変換部と前記界磁巻線通電部とは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一であり、前記第1インバータと前記第2インバータとは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一である電源装置。
【請求項2】
前記第2変換部及び前記第1インバータが実装された第1基板と、前記界磁巻線通電部及び前記第2インバータが実装された第2基板とが、互いに同一である請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記トランスが、前記一次巻線、前記二次巻線、及び三次巻線を有する絶縁型のマルチポートトランスであって、
前記二次巻線の出力電圧の電圧値が前記三次巻線の出力電圧の電圧値よりも高い請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1回路構成及び前記第1電子部品は、直列に接続された2つのスイッチング素子からなる2つのレグが並列に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項5】
前記第2回路構成及び前記第2電子部品は、直列に接続された2つのスイッチング素子からなる3つのレグが並列に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なモータが利用されている。このようなモータとして、例えばロータに界磁巻線を有し、ステータにステータコイルを有する巻線界磁モータがある。下記に出典を示す特許文献1に記載の回転電機の制御装置は、車両に搭載されるバッテリからの出力に基づいて、ステータのステータコイルに電力供給を行うインバータと、当該バッテリからの出力に基づいて、界磁巻線に電力供給を行う界磁通電回路とを備えている。インバータは、モータの相数に応じて3つのレグを有して構成され、界磁通電回路は、界磁巻線を流れる電流の方向を変更可能に2つのレグを有して構成されている。
【0003】
また、車両に搭載されるバッテリには、特許文献2に記載されるような充電器を用いて外部からの電力に基づいて充電可能に構成されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-71733号公報
【特許文献2】特開2017-158322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、車両においては、特許文献1に記載されるような巻線界磁モータ、及び巻線界磁モータとは異なる永久磁石モータの双方を設けることが考えられる。また、このような巻線界磁モータ、及び巻線界磁モータが設けられた車両において、特許文献2に記載される充電器を設けることも考えられる。このような場合、回路規模が大きくなり、使用する部品の種類が多くなる。このため、部品管理コストが増大し、製造コストを低減する上で改善の余地がある。
【0006】
そこで、製造コストを低減可能な電源装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電源装置の特徴構成は、車両に搭載されるバッテリを、外部からの交流電力により充電する車載用充電器と、前記車両に搭載される永久磁石モータを駆動する第1モータ駆動部と、前記車両に搭載される巻線界磁モータを駆動する第2モータ駆動部と、を備え、前記車載用充電器が、前記交流電力を直流電力に変換する交直変換部と、当該交直変換部にて変換された前記直流電力を、前記バッテリを充電可能な直流電力に変換するコンバータと、を有し、前記コンバータは、第1変換部と第2変換部とトランスとを有し、前記第1変換部は、前記交直変換部からの前記直流電力を前記トランスの一次巻線に入力し、前記第2変換部は、前記トランスの二次巻線からの交流電力を、第1回路構成及び第1電子部品により前記バッテリを充電可能な直流電力に変換し、前記第1モータ駆動部は、第2回路構成及び第2電子部品により前記永久磁石モータのステータコイルに通電する第1インバータを備え、前記第2モータ駆動部は、第1回路構成及び第1電子部品により前記巻線界磁モータの界磁巻線に通電する界磁巻線通電部、及び第2回路構成及び第2電子部品によりステータコイルに通電する第2インバータを備え、前記第2変換部と前記界磁巻線通電部とは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一であり、前記第1インバータと前記第2インバータとは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一である点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、電源装置において、使用される電子部品の種類を少なくすることができるので、部品管理コストを低減できる。したがって、電源装置の製造コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】車両における電源装置及びバッテリの配置状態を示す図である。
【
図2】車載用充電器及び第1モータ駆動部の回路図である。
【
図3】車載用充電器及び第1モータ駆動部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る電源装置は、車両に搭載される永久磁石モータを駆動すると共に、車両に搭載されるバッテリを充電し、且つ、車両に搭載される巻線界磁モータを駆動する。また、電源装置は、バッテリの出力に基づいて交流電力を出力することができるように構成される。以下、本実施形態の電源装置1について説明する。
【0011】
図1は、車両100における電源装置1及びバッテリ3の配置状態を示す図である。
図1に示されるように、車両100には、電源装置1、バッテリ3、バッテリ5、リア側トランスアクスル(Rr T/A)TA1、永久磁石モータM1、フロント側トランスアクスル(Fr T/A)TA2、及び巻線界磁モータM2が備えられる。
【0012】
本実施形態では、バッテリ3は、車両100における前後方向の中央に設けられ、バッテリ5は、車両100における前後方向の前側に設けられる。バッテリ3は、車両100の走行させる動力源となる電力を供給する、例えば数百〔V〕の直流電圧を出力する。バッテリ5は、車両100に搭載される装置に電力を供給する、例えば12〔V〕の直流電圧を出力する。
【0013】
永久磁石モータM1は、車両100における前後方向の後側に設けられる。巻線界磁モータM2は、車両100における前後方向の前側に設けられる。永久磁石モータM1の回転力はリア側トランスアクスルTA1に伝達され、リア側トランスアクスルTA1を介して後輪RTが駆動される。巻線界磁モータM2の回転力はフロント側トランスアクスルTA2に伝達され、フロント側トランスアクスルTA2を介して前輪FTが駆動される。
【0014】
電源装置1は、制御部50(
図1では不図示であって、
図2参照)と、車載用充電器101と、第1モータ駆動部102と、第2モータ駆動部109とを備える。車載用充電器101は、車両100に搭載されるバッテリ3及びバッテリ5を、外部からの交流電力により充電する。車載用充電器101には、車両100に設けられる充電口2から交流電力が供給される。詳細は後述するが、車載用充電器101はバッテリ3及びバッテリ5を充電する。したがって、車載用充電器101は、バッテリ3及びバッテリ5に電気的に接続される。また、車載用充電器101は、車両100に設けられるコンセント4から交流電力を出力することが可能である。本実施形態では、車載用充電器101は、車両100における前後方向の後側に設けられる。
【0015】
第1モータ駆動部102は、充電口2から供給される交流電力、又は、バッテリ3からの直流電力により、永久磁石モータM1を駆動する。したがって、第1モータ駆動部102は、車載用充電器101、バッテリ3、及び永久磁石モータM1に、電気的に接続される。本実施形態では、第1モータ駆動部102は、車両100における前後方向の後側に設けられる。
【0016】
第2モータ駆動部109は、バッテリ3からの直流電力により、巻線界磁モータM2を駆動する。したがって、第2モータ駆動部109は、バッテリ3、及び巻線界磁モータM2に電気的に接続される。本実施形態では、第2モータ駆動部109は、車両100における前後方向の前側に設けられる。
【0017】
図2は、車載用充電器101及び第1モータ駆動部102の回路図である。
図2に示されるように、車載用充電器101は、交直変換部10と、コンバータ20とを備えている。また、電源装置1は制御部50を備え、車載用充電器101及び第1モータ駆動部102は制御部50により制御される。各機能部は、永久磁石モータM1の駆動と、バッテリ3及びバッテリ5の充電に係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0018】
交直変換部10は、外部からの交流電力を直流電力に変換する。外部とは、電源装置1の外部であって、車両100に搭載されるバッテリ3及びバッテリ5とは異なる電力源である。また、交流電力とは、電圧値が所定の周期で振幅する交流電圧から構成される電力をいう。具体的には、交流電圧は、商用周波数(例えば50Hzや60Hz)で振幅し、単相三線式で供給される商用電源から取り出した200V(実行値)の交流電圧が相当する。直流電力とは、基準電圧に対して一定の電圧値(リップル電圧は除く)となる直流電圧で構成される電力をいう。交直変換部10は、このような交流電圧で構成される交流電力を、直流電圧で構成される直流電力に変換する。交直変換部10は、一対の出力部10A,10Bが設けられており、変換した直流電力をこの一対の出力部10A,10Bを介して後述するコンバータ20に出力する。
【0019】
交直変換部10は、第1レグ11と第2レグ12とを有する。第1レグ11、及び第2レグ12は、出力部10A,10Bに対して互いに並列に設けられる。これにより、第1レグ11の一方の端部11Aと、第2レグ12の一方の端部12Aとが、出力部10Aに接続され、第1レグ11の他方の端部11Bと、第2レグ12の他方の端部12Bとが、出力部10Bに接続される。
【0020】
第1レグ11は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子11H及びローサイドのスイッチング素子11Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子11H及びスイッチング素子11Lは、n型MOS-FET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)が用いられる。スイッチング素子11Hは、ドレーン端子が端部11Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子11Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子11Lのソース端子は端部11Bに接続される。スイッチング素子11H及びスイッチング素子11Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子11H及びスイッチング素子11Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード11HD,11LDが設けられる。
【0021】
また、第2レグ12は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子12H及びローサイドのスイッチング素子12Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子12H及びスイッチング素子12Lも、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子12Hは、ドレーン端子が端部12Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子12Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子12Lのソース端子は端部12Bに接続される。スイッチング素子12H及びスイッチング素子12Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子12H及びスイッチング素子12Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード12HD,12LDが設けられる。
【0022】
交直変換部10の出力部10Aと出力部10Bとに亘ってコンデンサ15が設けられる。コンデンサ15は、交直変換部10により変換された直流電圧を平滑する。
【0023】
リアクトルコイル30は、第1レグ11における2つのスイッチング素子(スイッチング素子11H及びスイッチング素子11L)の間の第1ノード11Nに一方の端子30Bが接続される。第1レグ11における2つのスイッチング素子の間の第1ノード11Nとは、スイッチング素子11Hのソース端子とスイッチング素子11Lのドレーン端子とを接続する線(例えば基板の配線パターンや、ハーネス等のケーブル)である。もちろん、スイッチング素子11Hのソース端子や、スイッチング素子11Lのドレーン端子であってもよい。リアクトルコイル30は2つの端子30A,30Bを有しており、端子30Bが第1ノード11Nに接続される。
【0024】
リアクトルコイル30の他方の端子30Aと第2レグ12における2つのスイッチング素子(スイッチング素子12H及びスイッチング素子12L)の間の第2ノード12Nとに亘って、交流電力が供給される。第2レグ12における2つのスイッチング素子の間の第2ノード12Nとは、スイッチング素子12Hのソース端子とスイッチング素子12Lのドレーン端子とを接続する線(例えば基板の配線パターンや、ハーネス等のケーブル)である。もちろん、スイッチング素子12Hのソース端子や、スイッチング素子12Lのドレーン端子であってもよい。リアクトルコイル30の端子30Aは交流電力が供給される充電口2の一方の端子に接続され、充電口2の他方の端子は第2ノード12Nに接続される。したがって、交直変換部10は、第1レグ11が有するスイッチング素子11H及びスイッチング素子11Lと、第2レグ12が有するスイッチング素子12H及びスイッチング素子12Lとにより、交流電力を直流電力に変換する。
【0025】
コンバータ20は、交直変換部10にて変換された直流電力を、バッテリ3を充電可能な直流電力に変換する。交直変換部10にて変換された直流電力とは、交直変換部10の出力部10A,10Bから出力される直流電力である。バッテリ3とは、電源装置1が充電する車両100に搭載されるバッテリであって、コンバータ20からの直流電力に基づいて充電される。バッテリ3の充電は、任意の電圧値の直流電圧で行われるが、交直変換部10から出力される直流電力を構成する直流電圧の電圧値は、任意の値である。コンバータ20は、交直変換部10から出力される直流電圧の電圧値を、バッテリ3の充電に必要な任意の直流電圧に変換する。
【0026】
本実施形態のコンバータ20は、第1変換部21、第2変換部22、第3変換部23、及びトランス24を有する。本実施形態では、トランス24は一次巻線24Aと二次巻線24Bと三次巻線24Cとを有する、絶縁型のマルチポートトランスが用いられる。
【0027】
第1変換部21は、交直変換部10からの直流電力をトランス24の一次巻線24Aに入力する。第1変換部21は、第3レグ211及び第4レグ212を有し、第3レグ211と第4レグ212とは、出力部10A,10Bに対して互いに並列に設けられる。したがって、第3レグ211の一方の端部211Aと、第4レグ212の一方の端部212Aとが、出力部10Aに接続され、第3レグ211の他方の端部211Bと、第4レグ212の他方の端部212Bとが、出力部10Bに接続される。
【0028】
第3レグ211は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子211H及びローサイドのスイッチング素子211Lを有する。スイッチング素子211H及びスイッチング素子211Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子211Hは、ドレーン端子が端部211Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子211Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子211Lのソース端子は端部211Bに接続される。スイッチング素子211H及びスイッチング素子211Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子211H及びスイッチング素子211Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード211HD,211LDが設けられる。
【0029】
第4レグ212は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子212H及びローサイドのスイッチング素子212Lを有する。スイッチング素子212H及びスイッチング素子212Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子212Hは、ドレーン端子が端部212Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子212Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子212Lのソース端子は端部212Bに接続される。スイッチング素子212H及びスイッチング素子212Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子212H及びスイッチング素子212Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード212HD,212LDが設けられる。
【0030】
一次巻線24Aは、第3レグ211における2つのスイッチング素子(スイッチング素子211H及びスイッチング素子211L)の間の第3ノード211Nと、第4レグ212における2つのスイッチング素子(スイッチング素子212H及びスイッチング素子212L)の間の第4ノード212Nとに亘って設けられる。本実施形態では、一次巻線24Aの巻き始め端が第3ノード211Nに接続され、一次巻線24Aの巻き終わり端が第4ノード212Nに接続される。
【0031】
二次巻線24Bには、一次巻線24Aと二次巻線24Bとの巻数比に応じた電流(交番電流)が流れ、また、一次巻線24Aと二次巻線24Bとの巻数比に応じた電圧(交番電圧)が生じる。
【0032】
第2変換部22は、トランス24の二次巻線24Bからの交流電力を整流し、バッテリ3を充電可能な直流電力に変換する。第2変換部22は、第5レグ221及び第6レグ222を有し、第5レグ221と第6レグ222とは、コンバータ20の出力部20A,20Bに対して互いに並列に設けられる。したがって、第5レグ221の一方の端部221Aと、第6レグ222の一方の端部222Aとが、出力部20Aに接続され、第5レグ221の他方の端部221Bと、第6レグ222の他方の端部222Bとが、出力部20Bに接続される。
【0033】
第5レグ221は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子221H及びローサイドのスイッチング素子221Lを有する。スイッチング素子221H及びスイッチング素子221Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子221Hは、ドレーン端子が端部221Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子221Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子221Lのソース端子は端部221Bに接続される。スイッチング素子221H及びスイッチング素子221Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子221H及びスイッチング素子221Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード221HD,221LDが設けられる。
【0034】
第6レグ222は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子222H及びローサイドのスイッチング素子222Lを有する。スイッチング素子222H及びスイッチング素子222Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子222Hは、ドレーン端子が端部222Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子222Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子222Lのソース端子は端部222Bに接続される。スイッチング素子222H及びスイッチング素子222Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子222H及びスイッチング素子222Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード222HD,222LDが設けられる。
【0035】
上述した二次巻線24Bは、第5レグ221における2つのスイッチング素子(スイッチング素子221H及びスイッチング素子221L)の間の第5ノード221Nと、第6レグ222における2つのスイッチング素子(スイッチング素子222H及びスイッチング素子222L)の間の第6ノード222Nとに亘って設けられる。本実施形態では、二次巻線24Bの巻き始め端が、リアクトルLを介して第5ノード221Nに接続され、二次巻線24Bの巻き終わり端が第6ノード222Nに接続される。
【0036】
コンバータ20の出力部20Aと出力部20Bとに亘ってコンデンサ25が設けられる。コンデンサ25は、コンバータ20により変換された直流電圧を平滑する。
【0037】
三次巻線24Cには、一次巻線24Aと三次巻線24Cとの巻数比に応じた電流(交番電流)が流れ、また、一次巻線24Aと三次巻線24Cとの巻数比に応じた電圧(交番電圧)が生じる。第3変換部23は、三次巻線24Cに生じる電圧(交番電圧)を整流し、第2変換部22から出力される直流電圧の電圧値よりも低い電圧値(例えば12V)の直流電圧で構成される直流電力に変換する。
【0038】
本実施形態では、三次巻線24Cは、第1三次巻線24CAと第2三次巻線24CBとを有する。第1三次巻線24CAと第2三次巻線24CBとは、第1三次巻線24CAの巻き始め端と第2三次巻線24CBの巻き終わり端とが接続して設けられる。第1三次巻線24CAの巻き始め端には、ドレーン端子が接続されたスイッチング素子S9が設けられ、第2三次巻線24CBの巻き終わり端には、ドレーン端子が接続されたスイッチング素子S10が設けられる。スイッチング素子S9のソース端子とスイッチング素子S10のソース端子とは端子20Dに接続される。スイッチング素子S9及びスイッチング素子S10の夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。なお、スイッチング素子S9及びスイッチング素子S10の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオードS9D,S10Dが設けられる。
【0039】
第1三次巻線24CAの巻き終わり端及び第2三次巻線24CBの巻き始め端は、リアクトルコイル23Lの一方の端子に接続される。リアクトルコイル23Lの他方の端子は、端子20Cに接続される。更に、端子20Cと端子20Dとに亘ってコンデンサ26が設けられる。第3変換部23は、三次巻線24Cに生じる交流電力を、スイッチング素子S9とスイッチング素子S10とにより、同期整流により直流電圧で構成される直流電力に変換する。
【0040】
切替部40は、コンバータ20の変換動作を切り替える。コンバータ20の変換動作とは、コンバータ20により行われる、交流電力を直流電力に変換する動作と、直流電力を交流電力に変換する動作とが相当する。
【0041】
本実施形態では、コンバータ20は、切替部40により、第1変換状態及び第2変換状態の一方から他方に切り替えられる。第1変換状態とは、コンバータ20が、交直変換部10からの直流電力を所定の第1電圧値の直流電圧で構成される直流電力に変換する状態であって、車載用充電器101を充電器として使用する状態である。第2変換状態とは、コンバータ20が、バッテリ3からの直流電力を所定の第2電圧値の直流電圧で構成される直流電力に変換する状態であって、車載用充電器101を交流電力出力器として使用する状態である。
【0042】
切替部40は、例えばリレーを用いて構成することが可能である。
図2に示されるように、切替部40は0番端子と1番端子とが接続するよう操作されると、充電口2から供給された交流電力が、リアクトルコイル30を介して、交直変換部10に入力される。また、
図3に示されるように、切替部40は0番端子と3番端子とが接続するよう操作されると、バッテリ3からの直流電力に基づき生成した交流電力(例えば実効値が100Vの電圧値からなる交流電力)を、リアクトルコイル30を介して、車両100に搭載されるコンセント4から取り出すことが可能となる。
【0043】
したがって、バッテリ3を充電する充電要求があった場合に、切替部40はコンバータ20を第1変換状態に切り替え、交直変換部10から第2電圧値の直流電圧で構成される直流電力を出力する出力要求があった場合に、切替部40はコンバータ20を第2変換状態に切り替える。すなわち、切替部40は、バッテリ3を充電する充電要求として0番端子と1番端子とが接続するよう操作された場合はコンバータ20を第1変換状態に切り替え、交直変換部10から直流電力を出力する出力要求として0番端子と3番端子とが接続するよう操作された場合はコンバータ20を第2状態に切り替える。
【0044】
制御部50は、第1レグ11のスイッチング素子11Hとスイッチング素子11Lとを交互に駆動して、第2レグ12は系統周波数でスイッチング素子12Hとスイッチング素子12Lとを交互に駆動する。これにより、交直変換部10が第1レグ11及び第2レグ12が有するスイッチング素子の駆動に基づいて交流電力を直流電力に変換することが可能となる。
【0045】
また、制御部50は、第3レグ211のスイッチング素子211H及び第4レグ212のスイッチング素子212Lと、第3レグ211のスイッチング素子211L及び第4レグ212のスイッチング素子212Hとを交互に駆動する。これにより、交直変換部10からの直流電力が、振幅されて一次巻線24Aに入力され、二次巻線24Bに一次巻線24Aと二次巻線24Bとの巻数比に応じた交流電力を生じさせることが可能となる。
【0046】
更に、制御部50は、第5レグ221のスイッチング素子221H及び第6レグ222のスイッチング素子222Lと、第5レグ221のスイッチング素子221L及び第6レグ222のスイッチング素子222Hとを交互に駆動する。これにより、二次巻線24Bに生じた交流電力を直流電力に変換することが可能となる。
【0047】
一次巻線24Aと二次巻線24Bとの巻数比を、一次巻線24Aに印加される交流電圧の電圧値とバッテリ3の充電に利用する直流電圧の電圧値との比に応じたものとすることで、出力部20A及び出力部20Bにバッテリ3の充電に適した直流電力(例えば200V)を生じさせ、バッテリ3を充電することが可能となる。
【0048】
三次巻線24Cには、一次巻線24Aと三次巻線24Cとの巻数比に応じた交流電圧が生じるが、スイッチング素子S9,スイッチング素子S10、リアクトルコイル23L、及びコンデンサ26により整流されて、端子20C及び端子20Dから所定の電圧値の直流電圧で構成される直流電力が出力される。例えば、この電圧値を12Vとすることで、電源装置1によりバッテリ3を充電するだけでなく、当該バッテリ3とは異なる車両100に搭載される12V用のバッテリ5を充電することが可能となる。
【0049】
以上のように、本実施形態では、第2変換部22はバッテリ3の充電に適した電圧値の交流電力に変換し、第3変換部23はバッテリ5の充電に適した電圧値の交流電力に変換する。また、上述したように、バッテリ3は、バッテリ5よりも高い電圧値の電圧を出力する。したがって、二次巻線24Bの出力電圧の電圧値が、三次巻線24Cの出力電圧の電圧値よりも高く構成されている。
【0050】
また、バッテリ3に充電されている電力を利用して、コンセント4から交流電力を出力する場合には、制御部50は、第5レグ221のスイッチング素子221H及び第6レグ222のスイッチング素子222Lと、第5レグ221のスイッチング素子221L及び第6レグ222のスイッチング素子222Hとを交互に駆動する。これにより、バッテリ3からの直流電力が、振幅されて二次巻線24Bに入力され、一次巻線24Aに一次巻線24Aと二次巻線24Bとの巻数比に応じた交流電力を生じさせることが可能となる。
【0051】
制御部50は、第3レグ211のスイッチング素子211H及び第4レグ212のスイッチング素子212Lと、第3レグ211のスイッチング素子211L及び第4レグ212のスイッチング素子212Hとを交互に駆動する。これにより、一次巻線24Aに生じた交流電圧が直流電圧に変換される。この直流電圧は、一次巻線24Aと二次巻線24Bとの巻数比に応じてバッテリ3の出力電圧が変圧された電圧となる。
【0052】
更に、制御部50は、第1レグ11のスイッチング素子11H及び第2レグ12のスイッチング素子12Lと、第1レグ11のスイッチング素子11L及び第2レグ12のスイッチング素子12Hとを交互に駆動する。これにより、第1レグ11及び第2レグ12が有するスイッチング素子が駆動されてバッテリ3からの直流電圧が、交直変換部10に入力される交流電力とは異なる交流電力に変換される。すなわち、バッテリ3を充電する際に交直変換部10には、200Vの交流電圧が印加されるが、バッテリ3に充電されている電力(直流電力)から一例として100Vの交流電圧を出力することが可能となる。
【0053】
第1モータ駆動部102は、車両100に搭載されるバッテリ3からの直流電力に基づいて、永久磁石モータM1を駆動する。車両100に搭載されるバッテリ3とは、上述した第2変換部22により変換された直流電力に基づいて充電されるバッテリである。永久磁石モータM1は、ロータに永久磁石(図示せず)が設けられ、ステータにステータコイルL1sが設けられている。
【0054】
第1モータ駆動部102は、永久磁石モータM1のステータコイルL1sに通電する第1インバータ103を備えている。第1インバータ103は、第7レグ104と第8レグ105と第9レグ106とを有する。第7レグ104、第8レグ105、及び第9レグ106は、第1の電源ライン103Aと当該第1の電源ライン103Aの電位よりも低い電位に接続される第2の電源ライン103Bとの間で、互いに並列に設けられる。第1の電源ライン103Aはバッテリ3の正端子に接続され、第2の電源ライン103Bはバッテリ3の負端子に接続される。これにより、第7レグ104の一方の端部104Aと、第8レグ105の一方の端部105Aと、第9レグ106の一方の端部106Aとが、第1の電源ライン103Aに接続され、第7レグ104の他方の端部104Bと、第8レグ105の他方の端部105Bと、第9レグ106の他方の端部106Bとが、第2の電源ライン103Bに接続される。
【0055】
第7レグ104は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子104H及びローサイドのスイッチング素子104Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子104H及びスイッチング素子104Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子104Hは、ドレーン端子が第1の電源ライン103Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子104Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子104Lのソース端子は第2の電源ライン103Bに接続される。スイッチング素子104H及びスイッチング素子104Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子104H及びスイッチング素子104Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード104HD,104LDが設けられる。
【0056】
また、第8レグ105は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子105H及びローサイドのスイッチング素子105Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子105H及びスイッチング素子105Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子105Hは、ドレーン端子が端部105Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子105Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子105Lのソース端子は端部105Bに接続される。スイッチング素子105H及びスイッチング素子105Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子105H及びスイッチング素子105Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード105HD,105LDが設けられる。
【0057】
更に、第9レグ106は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子106H及びローサイドのスイッチング素子106Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子106H及びスイッチング素子106Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子106Hは、ドレーン端子が端部106Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子106Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子106Lのソース端子は端部106Bに接続される。スイッチング素子106H及びスイッチング素子106Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子106H及びスイッチング素子106Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード106HD,106LDが設けられる。
【0058】
スイッチング素子104Hのソース端子、スイッチング素子105Hのソース端子、及びスイッチング素子106Hのソース端子は、夫々、永久磁石モータM1が有する3つの端子に接続される。
【0059】
制御部50は、3つのレグ(第7レグ104、第8レグ105、及び第9レグ106)のうちの所定のレグが有するハイサイドスイッチング素子、及び、3つのレグにおける前記所定のレグとは異なる他の2つのレグのうちの一方が有するローサイドスイッチング素子を閉状態にして、永久磁石モータM1が有する3つの端子のうちの2つの端子間にPWM制御で電流を流す。
【0060】
上述したように、3つのレグとは、第7レグ104、第8レグ105、及び第9レグ106である。上述した「3つのレグ(第7レグ104、第8レグ105、及び第9レグ106)のうちの所定のレグが有するハイサイドスイッチング素子、及び、3つのレグにおける前記所定のレグとは異なる他の2つのレグのうちの一方が有するローサイドスイッチング素子」とは、例えば第7レグ104が有するハイサイドスイッチング素子、及び、第8レグ105及び第9レグ106のうちの一方のレグが有するローサイドスイッチング素子である。したがって、これらのハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子を同時に閉状態にした場合に、第1の電源ライン103Aから第2の電源ライン103Bに対して、所謂貫通電流が流れないようなスイッチング素子が閉状態とされる。
【0061】
永久磁石モータM1が有する3つの端子とは、永久磁石モータM1が有するU相の端子、V相の端子、W相の端子である。例えば、第7レグ104のスイッチング素子104H及び第8レグ105のスイッチング素子105Lを閉状態にすると、永久磁石モータM1のU相の端子からV相の端子に向かってPWM制御により電流が流れる。また、例えば第8レグ105のスイッチング素子105H及び第7レグ104のスイッチング素子104Lを閉状態にすると、永久磁石モータM1のV相の端子からU相の端子に向かってPWM制御により電流が流れる。
【0062】
永久磁石モータM1を駆動する場合には、制御部50は永久磁石モータM1が有するステータコイルL1sを順次切り替えながら電流を流す。したがって、永久磁石モータM1の駆動中は、上述した永久磁石モータM1が有する3つの端子のうち、2つの端子を順次切り替えながら電流を流す。
【0063】
なお、例えば制御部50から出力されるPWM信号をドライバ(図示せず)に入力し、ドライバがPWM信号のドライブ能力を向上させて第1インバータ103に入力するように構成することが可能である。
【0064】
次に、第2モータ駆動部109について説明する。
図4は、第2モータ駆動部109の回路図である。
図4に示されるように、第2モータ駆動部109は、第1モータ駆動部102と同様に、制御部50により制御される。
【0065】
第2モータ駆動部109は、車両100に搭載されるバッテリ3からの直流電力に基づいて、巻線界磁モータM2を駆動する。車両100に搭載されるバッテリ3とは、上述した第2変換部22により変換された直流電力に基づいて充電されるバッテリである。巻線界磁モータM2は、ロータに界磁巻線L2fが設けられ、ステータにステータコイルL2sが設けられている。
【0066】
第2モータ駆動部109は、界磁巻線通電部61、及び第2インバータ62を備えている。界磁巻線通電部61は、バッテリ3からの直流電力により、巻線界磁モータM2の界磁巻線L2fに通電する。
【0067】
界磁巻線通電部61は、第10レグ80及び第11レグ81を有し、第10レグ80と第11レグ81とは、バッテリ3の正端子に接続される第1の電源ライン103A及びバッテリ3の負端子に接続される第2の電源ライン103Bに対して互いに並列に設けられる。したがって、第10レグ80の一方の端部80Aと、第11レグ81の一方の端部81Aとが、第1の電源ライン103Aに接続され、第10レグ80の他方の端部80Bと、第11レグ81の他方の端部81Bとが、第2の電源ライン103Bに接続される。
【0068】
第10レグ80は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子80H及びローサイドのスイッチング素子80Lを有する。スイッチング素子80H及びスイッチング素子80Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子80Hは、ドレーン端子が端部80Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子80Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子80Lのソース端子は端部80Bに接続される。スイッチング素子80H及びスイッチング素子80Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子80H及びスイッチング素子80Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード80HD,80LDが設けられる。
【0069】
第11レグ81は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子81H及びローサイドのスイッチング素子81Lを有する。スイッチング素子81H及びスイッチング素子81Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子81Hは、ドレーン端子が端部81Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子81Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子81Lのソース端子は端部81Bに接続される。スイッチング素子81H及びスイッチング素子81Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子81H及びスイッチング素子81Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード81HD,81LDが設けられる。
【0070】
第10レグ80のスイッチング素子80Hのソース端子と、第11レグ81のスイッチング素子81Hのソース端子とに亘って、ブラシ及びスリップリング(共に図示せず)を介して界磁巻線L2fが設けられる。
【0071】
制御部50は、バッテリ3に充電されている直流電力を利用して、巻線界磁モータM2を駆動する場合には、第10レグ80のスイッチング素子80H及び第11レグ81のスイッチング素子81Lと、第10レグ80のスイッチング素子80L及び第11レグ81のスイッチング素子81Hとを交互に駆動する。これにより、界磁巻線Lfに流れる電流の向きが切り替えられて通電される。
【0072】
第2インバータ62は、巻線界磁モータM2のステータコイルL2sに通電する。第2インバータ62は、第12レグ63と第13レグ64と第14レグ65とを有する。第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65は、第1の電源ライン103Aと第2の電源ライン103Bとの間で、互いに並列に設けられる。これにより、第12レグ63の一方の端部63Aと、第13レグ64の一方の端部64Aと、第14レグ65の一方の端部65Aとが、第1の電源ライン103Aに接続され、第12レグ63の他方の端部63Bと、第13レグ64の他方の端部64Bと、第14レグ65の他方の端部65Bとが、第2の電源ライン103Bに接続される。
【0073】
第12レグ63は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子63H及びローサイドのスイッチング素子63Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子63H及びスイッチング素子63Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子63Hは、ドレーン端子が端部63Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子63Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子63Lのソース端子は端部63Bに接続される。スイッチング素子63H及びスイッチング素子63Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子63H及びスイッチング素子63Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード63HD,63LDが設けられる。
【0074】
また、第13レグ64は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子64H及びローサイドのスイッチング素子64Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子64H及びスイッチング素子64Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子64Hは、ドレーン端子が端部64Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子64Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子64Lのソース端子は端部64Bに接続される。スイッチング素子64H及びスイッチング素子64Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子64H及びスイッチング素子64Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード64HD,64LDが設けられる。
【0075】
更に、第14レグ65は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子65H及びローサイドのスイッチング素子65Lを有する。本実施形態では、スイッチング素子65H及びスイッチング素子65Lは、n型MOS-FETが用いられる。スイッチング素子65Hは、ドレーン端子が端部65Aに接続され、ソース端子がスイッチング素子65Lのドレーン端子に接続される。スイッチング素子65Lのソース端子は端部65Bに接続される。スイッチング素子65H及びスイッチング素子65Lの夫々のゲート端子は、制御部50に接続される。また、スイッチング素子65H及びスイッチング素子65Lの夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード65HD,65LDが設けられる。
【0076】
スイッチング素子63Hのソース端子、スイッチング素子64Hのソース端子、及びスイッチング素子65Hのソース端子は、夫々、巻線界磁モータM2が有する3つの端子に接続される。
【0077】
制御部50は、3つのレグ(第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65)のうちの所定のレグが有するハイサイドスイッチング素子、及び、3つのレグにおける前記所定のレグとは異なる他の2つのレグのうちの一方が有するローサイドスイッチング素子を閉状態にして、巻線界磁モータM2が有する3つの端子のうちの2つの端子間にPWM制御で電流を流す。
【0078】
上述したように、3つのレグとは、第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65である。上述した「3つのレグ(第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65)のうちの所定のレグが有するハイサイドスイッチング素子、及び、3つのレグにおける前記所定のレグとは異なる他の2つのレグのうちの一方が有するローサイドスイッチング素子」とは、例えば第12レグ63が有するハイサイドスイッチング素子、及び、第13レグ64及び第14レグ65のうちの一方のレグが有するローサイドスイッチング素子である。したがって、これらのハイサイドスイッチング素子及びローサイドスイッチング素子を同時に閉状態にした場合に、第1の電源ライン103Aから第2の電源ライン103Bに対して、所謂貫通電流が流れないようなスイッチング素子が閉状態とされる。
【0079】
巻線界磁モータM2が有する3つの端子とは、巻線界磁モータM2が有するU相の端子、V相の端子、W相の端子である。例えば、第12レグ63のスイッチング素子63H及び第13レグ64のスイッチング素子64Lを閉状態にすると、巻線界磁モータM2のU相の端子からV相の端子に向かってPWM制御により電流が流れる。また、例えば第13レグ64のスイッチング素子64H及び第12レグ63のスイッチング素子63Lを閉状態にすると、巻線界磁モータM2のV相の端子からU相の端子に向かってPWM制御により電流が流れる。
【0080】
巻線界磁モータM2を駆動する場合には、制御部50は巻線界磁モータM2が有するステータコイルL2sを順次切り替えながら電流を流す。したがって、巻線界磁モータM2の駆動中は、上述した巻線界磁モータM2が有する3つの端子のうち、2つの端子を順次切り替えながら電流を流す。
【0081】
なお、例えば制御部50から出力されるPWM信号をドライバ(図示せず)に入力し、ドライバがPWM信号のドライブ能力を向上させて第2インバータ62に入力するように構成することが可能である。
【0082】
図2及び
図4に示されるように、第2変換部22と界磁巻線通電部61とは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一に構成されている(以下、第2変換部22と界磁巻線通電部61の回路構成を第1回路構成、使用される電子部品を第1電子部品とする)。すなわち、上述したように、第2変換部22は、2つのレグ(第5レグ221及び第6レグ222)を有し、この2つのレグ(第5レグ221及び第6レグ222)は互いに並列に設けられる。一方、界磁巻線通電部61は、2つのレグ(第10レグ80及び第11レグ81)を有し、この2つのレグ(第10レグ80及び第11レグ81)は互いに並列に設けられる。
【0083】
また、第2変換部22の2つのレグ(第5レグ221及び第6レグ222)の夫々は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子(221H,222H)及びローサイドのスイッチング素子(221L,222L)を有する。また、各スイッチング素子のゲート端子は、制御部50に接続される。更に、スイッチング素子(221H,222H)及びスイッチング素子(221L,222L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード(221HD,221LD,222HD,222LD)が設けられる。一方、界磁巻線通電部61の2つのレグ(第10レグ80及び第11レグ81)の夫々は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子(80H,81H)及びローサイドのスイッチング素子(80L,81L)を有する。また、各スイッチング素子のゲート端子は、制御部50に接続される。更に、スイッチング素子(80H,81H)及びスイッチング素子(80L,81L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード(80HD,80LD,81HD,81LD)が設けられる。
【0084】
更に、第2変換部22の2つのレグ(第5レグ221及び第6レグ222)が有するスイッチング素子(221H,222H,221L,222L)はn型MOS-FETが用いられ、スイッチング素子(221H,222H,221L,222L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、ダイオード(221HD,221LD,222HD,222LD)が設けられる。一方、界磁巻線通電部61の2つのレグ(第10レグ80及び第11レグ81)が有するスイッチング素子(80H,81H,80L,81L)はn型MOS-FETが用いられ、スイッチング素子(80H,81H,80L,81L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、ダイオード(80HD,80LD,81HD,81LD)が設けられる。したがって、第2変換部22と界磁巻線通電部61とは、互いに同一の第1回路構成を有する。
【0085】
更に、第1インバータ103と第2インバータ62とは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一に構成されている(以下、第1インバータ103と第2インバータ62の回路構成を第2回路構成、使用される電子部品を第2電子部品とする)。すなわち、上述したように、第1インバータ103は、3つのレグ(第7レグ104と、第8レグ105、及び第9レグ106)を有し、この3つのレグ(第7レグ104と、第8レグ105、及び第9レグ106)は互いに並列に設けられる。一方、第2インバータ62は、3つのレグ(第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65)を有し、この3つのレグ(第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65)は互いに並列に設けられる。
【0086】
また、第1インバータ103の3つのレグ(第7レグ104と、第8レグ105、及び第9レグ106)の夫々は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子(104H,105H,106H)及びローサイドのスイッチング素子(104L,105L,106L)を有する。また、各スイッチング素子のゲート端子は、制御部50に接続される。更に、スイッチング素子(104H,105H,106H)及びスイッチング素子(104L,105L,106L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード(104HD,104LD,105HD,105LD,106HD,106LD)が設けられる。一方、第2インバータ62の3つのレグ(第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65)の夫々は、直列に接続されたハイサイドのスイッチング素子(63H,64H,65H)及びローサイドのスイッチング素子(63L,64L,65L)を有する。また、各スイッチング素子のゲート端子は、制御部50に接続される。更に、スイッチング素子(63H,64H,65H)及びスイッチング素子(63L,64L,65L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、アノード端子がソース端子に接続され、カソード端子がドレーン端子に接続されたダイオード(63HD,63LD,64HD,64LD,65HD,65LD)が設けられる。
【0087】
更に、第1インバータ103の3つのレグ(第7レグ104と、第8レグ105、及び第9レグ106)が有するスイッチング素子(104H,105H,106H,104L,105L,106L)はn型MOS-FETが用いられ、スイッチング素子(104H,105H,106H,104L,105L,106L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、ダイオード(104HD,104LD,105HD,105LD,106HD,106LD)が設けられる。一方、第2インバータ62の3つのレグ(第12レグ63、第13レグ64、及び第14レグ65)が有するスイッチング素子(63H,64H,65H,63L,64L,65L)はn型MOS-FETが用いられ、スイッチング素子(63H,64H,65H,63L,64L,65L)の夫々のソース端子とドレーン端子との間には、ダイオード(63HD,63LD,64HD,64LD,65HD,65LD)が設けられる。したがって、第1インバータ103と第2インバータ62とは、互いに同一の第2回路構成を有する。
【0088】
ここで、車載用充電器101がバッテリ3を充電する際に、第1モータ駆動部102の第2変換部22に流れる電流と、第2モータ駆動部109が巻線界磁モータM2を駆動する際に、第2モータ駆動部109の界磁巻線通電部61に流れる電流とを同程度とすることで、第2変換部22と界磁巻線通電部61とは、互いに同一の第1電子部品を用いることができる。また、第1モータ駆動部102が永久磁石モータM1を駆動する際に、第1モータ駆動部102の第1インバータ103に流れる電流と、第2モータ駆動部109が巻線界磁モータM2を駆動する際に、第2モータ駆動部109の第2インバータ62に流れる電流とを同程度とすることで、第1インバータ103と第2インバータ62とは、互いに同一の第2電子部品を用いることができる。
【0089】
これにより、電源装置1において、使用される電子部品の種類を少なくすることができるので、部品管理コストを低減できる。したがって、電源装置1の製造コストを低減することが可能となる。
【0090】
更に、上述したように、第2変換部22と界磁巻線通電部61とは、互いに同一の回路構成であり、第1インバータ103と第2インバータ62とは、互いに同一の回路構成である。また、第2変換部22と界磁巻線通電部61とは、互いに同一の電子部品を用いることができ、第1インバータ103と第2インバータ62とは、互いに同一の電子部品を用いることができる。したがって、
図5に示される、第2変換部22及び第1インバータ103が実装された第1基板201と、
図6に示される、界磁巻線通電部61及び第2インバータ62が実装された第2基板202とを、互いに同一に構成することができる。
【0091】
これにより、電源装置1において使用する基板(各部品を実装後の基板)の種類を少なくすることができるので、部品管理コストを低減できる。したがって、電源装置1の製造コストを低減することが可能となる。
【0092】
また、以上のように電源装置1を車両100に配置することで、永久磁石モータM1で前輪FTを駆動し、巻線界磁モータM2で後輪RTを駆動する車両100において、電源装置1により車両100を走行させることができる。また、バッテリ3が車両100の前後方向の中央に設けられているので、永久磁石モータM1を駆動する第1モータ駆動部102、巻線界磁モータM2を駆動する第2モータ駆動部109への配線の引き回しを行い易くなる。
【0093】
更に、二次巻線24Bを介してバッテリ3を充電し、三次巻線24Cを介してバッテリ3の出力電圧の電圧値よりも低い電圧値の電圧を出力するバッテリ5を充電することができる。また、巻線界磁モータM2を駆動する場合には、より電圧値が高いバッテリ3の出力に基づいて駆動することが可能となる。
【0094】
なお、上記実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0095】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、交直変換部10及びコンバータ20が有するスイッチング素子が、n型MOS-FETであるとして説明したが、スイッチング素子はp型MOS-FETでもよいし、FETとは異なるスイッチング素子(例えばIGBTやバイポーラトランジスタ)であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、バッテリ3からの直流電力に基づいてコンセント4から交流電力が出力されるとして説明したが、電源装置1はコンセント4を備えなくてもよい。
【0097】
上記実施形態では、第2変換部22及び第1インバータ103が実装された第1基板201と、界磁巻線通電部61及び第2インバータ62が実装された第2基板202とが、互いに同一であるとして説明した。しかしながら、第2変換部22及び第1インバータ103が実装された第1基板201と、界磁巻線通電部61及び第2インバータ62が実装された第2基板202とが、互いに異なる基板であってもよい。
【0098】
上記実施形態では、トランス24が、一次巻線24A、二次巻線24B、及び三次巻線24Cを有する絶縁型のマルチポートトランスであるとして説明した。しかしながら、トランス24は、一次巻線24A、及び二次巻線24Bを有するものであってもよい。
【0099】
上記実施形態では、バッテリ3は、車両100における前後方向の中央に設けられ、永久磁石モータM1は、車両100における前後方向の後側に設けられ、巻線界磁モータM2は、車両100における前後方向の前側に設けられるとして説明した。しかしながら、バッテリ3は、車両100における前後方向の前側又は後側に設けてもよいし、永久磁石モータM1は、車両100における前後方向の前側又は中央に設けてもよいし、巻線界磁モータM2は、車両100における前後方向の中央又は後側に設けてもよい。
【0100】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した電源装置1の概要について説明する。
【0101】
電源装置1は、車両100に搭載されるバッテリ3を、外部からの交流電力により充電する車載用充電器101と、車両100に搭載される永久磁石モータM1を駆動する第1モータ駆動部102と、車両100に搭載される巻線界磁モータM2を駆動する第2モータ駆動部109と、を備え、車載用充電器101が、交流電力を直流電力に変換する交直変換部10と、当該交直変換部10にて変換された直流電力を、バッテリ3を充電可能な直流電力に変換するコンバータ20と、を有し、コンバータ20は、第1変換部21と第2変換部22とトランス24とを有し、第1変換部21は、交直変換部10からの直流電力をトランス24の一次巻線24Aに入力し、第2変換部22は、トランス24の二次巻線24Bからの交流電力を、第1回路構成及び第1電子部品によりバッテリ3を充電可能な直流電力に変換し、第1モータ駆動部102は、第2回路構成及び第2電子部品により永久磁石モータM1のステータコイルL1sに通電する第1インバータ103を備え、第2モータ駆動部109は、第1回路構成及び第1電子部品により巻線界磁モータM2の界磁巻線L2fに通電する界磁巻線通電部61、及び第2回路構成及び第2電子部品によりステータコイルL2sに通電する第2インバータ62を備え、第2変換部22と界磁巻線通電部61とは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一であり、第1インバータ103と第2インバータ62とは、回路構成及び使用される電子部品が互いに同一である。
【0102】
本構成によれば、電源装置1において、使用される電子部品の種類を少なくすることができるので、部品管理コストを低減できる。したがって、電源装置1の製造コストを低減することが可能となる。
【0103】
また、電源装置1は、第2変換部22及び第1インバータ103が実装された第1基板201と、界磁巻線通電部61及び第2インバータ62が実装された第2基板202とが、互いに同一であると好適である。
【0104】
本構成によれば、電源装置1において使用する基板の種類を少なくすることができるので、部品管理コストを低減できる。したがって、電源装置1の製造コストを低減することが可能となる。
【0105】
また、電源装置1は、トランス24が、一次巻線24A、二次巻線24B、及び三次巻線24Cを有する絶縁型のマルチポートトランスであって、二次巻線24Bの出力電圧の電圧値が三次巻線24Cの出力電圧の電圧値よりも高いと好適である。
【0106】
本構成によれば、二次巻線24Bを介してバッテリ3を充電し、三次巻線24Cを介してバッテリ3の出力電圧の電圧値よりも低い電圧値の電圧を出力するバッテリ5を充電することができる。また、巻線界磁モータM2を駆動する場合には、より電圧値が高いバッテリ3の出力に基づいて駆動することが可能となる。
【0107】
また、電源装置1は、第1回路構成及び第1電子部品は、直列に接続された2つのスイッチング素子からなる2つのレグが並列に設けられていることを特徴とする。
【0108】
本構成によれば、第2変換部及び界磁巻線通電部の夫々を、所謂フルブリッジ回路で構成することができる。
【0109】
また、電源装置1は、第2回路構成及び第2電子部品は、直列に接続された2つのスイッチング素子からなる3つのレグが並列に設けられていることを特徴とする。
【0110】
本構成によれば、第1インバータ及び第2インバータの夫々を、所謂三相用のインバータ回路で構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示に係る技術は、車両に搭載される電源装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1:電源装置、3:バッテリ、10:交直変換部、20:コンバータ、21:第1変換部、22:第2変換部、24:トランス、24A:一次巻線、24B:二次巻線、24C:三次巻線、61:界磁巻線通電部、62:第2インバータ、100:車両、101:車載用充電器、102:第1モータ駆動部、103:第1インバータ、109:第2モータ駆動部、201:第1基板、202:第2基板、L1s:ステータコイル、L2f:界磁巻線、L2s:ステータコイル、M1:永久磁石モータ、M2:巻線界磁モータ