(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141671
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電力変換ユニット
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241003BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K7/20 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053457
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】古谷 峻千
【テーマコード(参考)】
5E322
5H770
【Fターム(参考)】
5E322AA07
5E322AA11
5E322AB01
5E322BA01
5E322BB03
5E322DA01
5E322DA02
5E322DA04
5E322EA05
5E322FA01
5H770AA29
5H770PA02
5H770PA12
5H770PA22
5H770PA28
5H770PA42
5H770QA08
5H770QA22
5H770QA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】冷却性能向上と高剛性化とが可能な電力変換ユニットを提供する。
【解決手段】電力変換ユニット10は、筐体と、筐体に設けた棚板13と、棚板上に収納された電力制御ユニット15と、電力制御ユニット15を冷却する冷却機構と、を有する。冷却機構は、電力制御ユニット15の下位置に配置されてで電力制御ユニット15を冷却する冷媒が流れる冷却管12を有する。冷却管12は、電力制御ユニット15を支持し、電力制御ユニット15が引き出される前後方向に対して交差する方向に延在する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けた棚と、
前記棚上に収納されたユニットと、
前記ユニットを冷却する冷却機構と、
を有し、
前記冷却機構は、前記ユニットの下位置に配置されて前記ユニットを冷却する冷媒が流れる冷却管を有し、
前記冷却管は、前記ユニットを支持する、
する電力変換ユニット。
【請求項2】
前記冷却管は、前記ユニットが引き出される前後方向に対して交差する方向に延在する、
請求項1記載の電力変換ユニット。
【請求項3】
前記冷却管は、伝熱部材を介して前記ユニットの下部と接する、
請求項1記載の電力変換ユニット。
【請求項4】
前記ユニットには、発熱部品が収納され、
前記伝熱部品は、上面視して前記発熱部品に近接する、
請求項3記載の電力変換ユニット。
【請求項5】
前記冷却管は、伝熱部材を介して下位置の前記ユニットに接する、
請求項3記載の電力変換ユニット。
【請求項6】
前記冷却管は、前記ユニットが引き出される前後方向に対して交差する方向に偶数本延在する、
請求項2記載の電力変換ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換ユニットに関する。
【0002】
電力変換ユニットは、筐体に設けた棚と、棚上に収納されたユニットと、を有する。電力変換ユニットは、ユニット化されたユニット構造を有する。電力変換ユニットは、ユニットに対する冷却方式として水冷式がある。電力変換ユニットは、冷却効率の向上が求められている。電力変換ユニットは、ユニットを支持する筐体の高剛性化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-369547号公報
【特許文献2】特開2021-141729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、冷却性能向上と高剛性化とが可能な電力変換ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の電力変換ユニットは、筐体と、前記筐体に設けた棚と、前記棚上に収納されたユニットと、前記ユニットを冷却する冷却機構と、を有する。前記冷却機構は、前記ユニットの下位置に配置されて前記ユニットを冷却する冷媒が流れる冷却管を有する。前記冷却管は、前記ユニットを支持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の電力変換ユニットを示す模式正面図。
【
図2】実施形態の電力変換ユニットを示す模式側面図。
【
図3】実施形態の電力変換ユニットのユニットを示す模式上面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態の電力変換ユニットを、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態における電力変換ユニットを示す模式正面図である。
図2は、本実施形態の電力変換ユニットを示す模式側面図である。図において、符号10は、電力変換ユニットである。
【0008】
以下、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば、
図1,
図2に示すように、X軸方向は電力変換ユニット10の左右方向に平行である。Y軸方向は電力変換ユニット10の前後方向に平行である。Z軸方向は電力変換ユニット10の上下方向に平行である。
【0009】
本実施形態に係る電力変換ユニット10は、例えば、電気設備等に備えられる盤である。盤は、電源装置及びモータ駆動装置等を構成する配電盤、分電盤及び制御盤等である。電力変換ユニット10は、例えば、半導体素子、導体、ヒューズ、キャパシタ(コンデンサ)、トランス、開閉器、遮断器及び計測機器等の各種の回路構成要素を備える。
【0010】
実施形態の電力変換ユニット10は、
図1に示すように、変換制御部10a及び電力制御部10bを備える。変換制御操作部10aは、例えば、電力制御部10bの動作に関する操作者の入力操作を受け付ける操作部と、電力制御部10bの制御に関する機構と、を収納する。
変換制御操作部10aの操作部は、操作者の入力操作に応じて電力制御部10bの動作を指示する信号を出力する。変換制御操作部10aの操作部10aは、例えば、操作ボタン等の入力機器及び液晶ディスプレイ等の表示器を備える。変換制御操作部10aは、電力制御部10bの制御に関する機構として、冷却機構の冷媒用ポンプPを挙げることができる。冷媒用ポンプPは、冷却機構を構成する。
【0011】
電力制御部10bは、例えば、筐体11と、複数の電力制御ユニット(ユニット)15と、を備える。
筐体11は、内部に配置される複数の電力制御ユニット15を収納する棚板13を有する。
筐体11は、前部に防爆扉が設けられていてもよい。
【0012】
棚板13は、筐体11のX方向において電力制御部10bの内部を貫通する。棚板13は、X方向において電力制御部10bの全長にわたって延在する。棚板13は、平面視してZ方向に重なるように複数段設けられている。棚板13は、平面視してZ方向に重なるように3枚設けられている。棚板13は、互いに平行に設けられている。棚板13は、Z方向に互いに離間して設けられている。棚板13は、Y方向の前側に電力制御ユニット15の収納位置を規制する位置規制部13aを有する。棚板13は、冷却機構を構成する。
【0013】
筐体11は、Z軸方向の上部に、排気口と空冷用の複数のファンとが設けられてもよい。筐体11の上部に形成された排気口は、例えばZ軸方向に沿って各ファンに臨んで通じている。筐体11のY軸方向での前部に形成された複数の吸気口は、例えばY軸方向に沿って適宜の電力制御ユニット15に対向して臨んでいる。各吸気口は、例えば矩形の開口である。
【0014】
複数のファンは、例えば2つが設けられる。各ファンは、筐体11の前部の各吸気口から筐体11の外部の空気を内部に吸入する。各ファンは、筐体11の上部aの排気口から筐体11の内部の空気を外部に排出する。各ファンは、筐体11の内部を流れる空気により形成される冷却風によって複数の電力制御ユニット15を冷却することができる。
【0015】
複数の電力制御ユニット15は、例えば15個の電力制御ユニット15である。複数の電力制御ユニット15は、例えばZ軸方向に3段及びX軸方向に5列に並んで筐体11の内部に配置されている。複数の電力制御ユニット15のうち、各段の5列の電力制御ユニット15は、例えばX軸およびY軸に沿ったXY面に延在する棚板13に載置されている。各段の電力制御ユニット15は、X軸方向に離間して棚板13の上に配置される。電力制御ユニット15は、Y軸方向にそれぞれ1つが棚板13の上に配置される。各段の電力制御ユニット15は、いずれも、Z軸方向に揃って棚板13の上に配置される。
【0016】
各電力制御ユニット15は、それぞれ所定の素子が収納される。各電力制御ユニット15は、異なる種類の素子が収納されていてもよい。各電力制御ユニット15は、同じ種類の素子が収納されていてもよい。
電力制御ユニット15は、一例として、
図2の2段目である中段に示すように、素子ユニット21と、駆動ユニットと、キャパシタユニット25と、を備えてもよい。
素子ユニット21と駆動ユニットとは、例えばZ軸方向に沿って積層されるように配置されてもよい。
【0017】
素子ユニット21は、第1ユニット筐体に、複数の半導体素子(第1素子)33と、ヒートシンク(発熱部品)35と、が収納される。第1ユニット筐体は、複数の半導体素子33及びヒートシンク35を内部で支持する。第1ユニット筐体のY軸方向での前部及び後部には、例えばY軸方向に沿ってヒートシンク35に臨んで通じる前部開口及び後部開口が形成されている。
【0018】
複数の半導体素子33は、例えば、ブリッジ接続されることによってブリッジ回路を形成する複数のスイッチング素子及び整流素子等である。スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)等のトランジスタである。整流素子は、各トランジスタに並列に接続されるダイオードである。
【0019】
複数の半導体素子33は、ヒートシンク35の上面である素子配置面に配置されている。ヒートシンク35の素子配置面は、例えばヒートシンク35のZ軸方向での上端面である。複数の半導体素子33は、例えばX軸方向に沿って一列に並んで素子配置面に配置されている。
【0020】
ヒートシンク35の外形は、例えば直方体状である。ヒートシンク35のY軸方向に沿った長さは、例えば素子配置面に配置される各半導体素子33のY軸方向の長さよりも所定長さだけ大きく形成されている。所定長さは、例えば各半導体素子33を素子配置面に固定するために必要な長さ程度等である。
【0021】
ヒートシンク35は、半導体素子33に接触する。ヒートシンク35は、後述する冷却管12に接続される。ヒートシンク35は、冷却枝管16を介して冷却管12に接続される。ヒートシンク35は、電力制御ユニット15の底部に接していてもよい。ヒートシンク35は、複数配置されてもよい。複数のヒートシンク35は、X軸方向に沿って所定間隔をあけて並んで配置されていてもよい。
【0022】
駆動ユニットは、第2ユニット筐体に収納された基板を備えてもよい。駆動ユニットは、第2ユニット筐体の内部に配置される基板を支持する。駆動ユニットは、素子ユニット21の下側に配置されてもよい。
基板は、例えば複数の半導体素子33のうちのスイッチング素子等を駆動制御する駆動基板等を備える。
【0023】
キャパシタユニット25は、例えば素子ユニット21及び駆動ユニットとは分離されてもよい。キャパシタユニット25は、Y軸方向に沿って素子ユニット21及び駆動ユニットに隣接するように配置されている。
キャパシタユニット25は、第3ユニット筐体(支持部材)に収納された複数のキャパシタ(コンデンサ:発熱部品)43を備える。第3ユニット筐体は、内部に配置される複数のキャパシタ43を支持する。
【0024】
各キャパシタ43は、例えば複数の半導体素子33のうちのスイッチング素子のオン及びオフの切換動作に伴って発生する電圧変動を平滑化するキャパシタ等を備える。
各キャパシタ43は、電力制御ユニット15の底部に接していてもよい。
【0025】
各棚板13の下位置は、冷却管12が配置される。冷却管12は、冷却機構を構成する。冷却管12は、電力制御ユニット15を冷却する冷媒が流れる。冷媒は、例えば水とされることができる。冷却管12は、X方向に延在する。冷却管12は、Y方向に偶数本配置される。冷却管12は、Y方向に2本配置される。冷却管12は、Y方向に離間して配置される。冷却管12は、Y方向に平行に配置される。冷却管12は、棚板13と平行に配置される。
【0026】
偶数本の冷却管12は、半数が冷媒を供給する冷媒供給管とされ、半数が冷媒を排出する冷媒排出管とされる。偶数本の冷却管12は、冷媒供給管が冷却枝管16を介してヒートシンク35に接続される。偶数本の冷却管12は、冷媒排出管が冷却枝管16を介してヒートシンク35に接続される。
冷却枝管16は、いずれも、筐体11の前面においてヒートシンク35に接続される。
【0027】
冷却管12は、X方向の両端12aがいずれも筐体11に支持されている。冷却管12は、X方向の両端12aがいずれも筐体11を貫通している。冷却管12は、高強度材料からなる。冷却管12は、高熱伝導材料からなる。
【0028】
冷却管12は、X方向の一端12aが電力制御部10bから変換制御部10aまで延在する。冷却管12は、変換制御部10aにおいて、縦配管12bに接続される。縦配管12bは冷媒用ポンプPに接続される(
図1参照)。
冷却管12は、伝熱部材14を介して電力制御ユニット15と接する。
【0029】
伝熱部材14は、ブロック状とされる。伝熱部材14は、高熱伝導材料からなる。伝熱部材14は、高強度材料からなる。
伝熱部材14は、上下に分離される。伝熱部材14は、上伝熱部材14aと、下伝熱部材14bとからなる。上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとは、その間に冷却管12を挟む。
【0030】
上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの対向面は、冷却管12の外形に密着する。上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの対向面は、冷却管12の外形に合わせて溝14cが形成される。上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの対向面は、X方向に延在する溝が形成される。上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの対向面は、溝14c以外が互いに密着する。上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとは、互いに固定される。
【0031】
上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとのいずれかには、冷却管12から冷却枝管16を分岐する分岐部が形成される。分岐部は、上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとのいずれに形成されてもよい。分岐部は、上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとのいずれかをY方向に貫通する。分岐部によって、冷却枝管16は、筐体11の前面に引き回すことができる。分岐部は、冷却管12と冷却枝管16の間で開閉可能なバルブを有していてもよい。冷却枝管16は、上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとのいずれかの内部を貫通する。冷却枝管16は、伝熱部材14を貫通する。
冷却枝管16は、上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの対向面に沿って、上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの両方に形成された溝14cに嵌め込まれてもよい。冷却枝管16は、上伝熱部材14aと下伝熱部材14bとの対向面に沿ってY軸方向に延在する。
【0032】
上伝熱部材14aの溝14cは、冷却管12の上半分に密着する。上伝熱部材14aは、下伝熱部材14bおよび冷却管12に密着する。
上伝熱部材14aは、電力制御ユニット15の下位置に配置される。上伝熱部材14aは、上面が棚板13に密着する。上伝熱部材14aは、その上面が棚板13の下面に沿って形成される。上伝熱部材14aは、棚板13に固定される。上伝熱部材14aは、棚板13にボルト締めされてもよい。
【0033】
上伝熱部材14aは、冷却管12の本数にあわせてY軸方向に分割されてもよい。この場合、1本の冷却管12は、1つの上伝熱部材14aに接する。この冷却管12に隣接するもう1本の冷却管12は、他の上伝熱部材14aに接する。つまり、複数の上伝熱部材14aは、互いにY軸方向に隣接する。Y軸方向に配置された上伝熱部材14aは、互いに近接する。Y軸方向に配置された上伝熱部材14aは、互いに接触してもよい。
【0034】
上伝熱部材14aは、X軸方向において電力制御ユニット15の幅寸法とほぼ等しい寸法を有する。上伝熱部材14aは、X軸方向において電力制御ユニット15の幅寸法よりも若干小さい寸法でもよい。
上伝熱部材14aは、Y軸方向において電力制御ユニット15の奥行寸法とほぼ等しい寸法を有する。上伝熱部材14aは、Y軸方向において電力制御ユニット15の奥行寸法よりも大きい寸法でもよい。上伝熱部材14aは、Y軸方向において電力制御ユニット15の奥行寸法よりも若干小さい寸法でもよい。上伝熱部材14aは、Y軸方向においてキャパシタユニット25および素子ユニット21の奥行寸法の和よりも若干小さい寸法でもよい。
【0035】
上伝熱部材14aは、上面視してキャパシタユニット25および素子ユニット21に重なるように配置される。上伝熱部材14aは、キャパシタユニット25の下部および素子ユニット21の下部に接して配置される。上伝熱部材14aは、上面視してヒートシンク35およびキャパシタ43に重なる範囲に配置される。なお、複数の上伝熱部材14aが、上面視してキャパシタユニット25および素子ユニット21に重なるように配置されていればよい。
【0036】
例えば、上伝熱部材14aは、X軸方向に分割されてもよい。この場合、複数の上伝熱部材14aを組み合わせて、上面視してキャパシタユニット25および素子ユニット21に重なるように配置されることができる。この場合、複数の上伝熱部材14aを組み合わせて、キャパシタユニット25の下部および素子ユニット21の下部に接して配置されることができる。この場合、複数の上伝熱部材14aを組み合わせて、上面視してヒートシンク35およびキャパシタ43に重なる範囲に配置されることができる。
【0037】
上伝熱部材14aは、上面視してヒートシンク35およびキャパシタ43が内部に収まる範囲に配置される。上面視した上伝熱部材14aの輪郭は、ヒートシンク35およびキャパシタ43よりも大きい。上面視した上伝熱部材14aの輪郭からは、ヒートシンク35およびキャパシタ43の一部がはみ出してもよい。上伝熱部材14aは、ヒートシンク35およびキャパシタ43を冷却管12により冷却できる配置であれば、上記の配置に限定されない。
【0038】
下伝熱部材14bは、上面視して上伝熱部材14aと同じ輪郭形状を有する。
下伝熱部材14bの溝14cは、冷却管12の下半分に密着する。下伝熱部材14bは、上伝熱部材14aおよび冷却管12に密着する。
下伝熱部材14bは、電力制御ユニット15の上方に配置される。下伝熱部材14bは、下面が第2棚板13Uに密着する。下伝熱部材14bは、その下面が第2棚板13Uの上面に沿って形成される。下伝熱部材14bは、第2棚板13Uに固定される。下伝熱部材14bは、上伝熱部材14aおよび第2棚板13Uにボルト締めされてもよい。
【0039】
下伝熱部材14bは、上伝熱部材14aと同様に、冷却管12の本数にあわせてY軸方向に分割されてもよい。この場合、1本の冷却管12は、1つの下伝熱部材14bに接する。この冷却管12に隣接するもう1本の冷却管12は、他の下伝熱部材14bに接する。つまり、複数の下伝熱部材14bは、互いにY軸方向に隣接する。Y軸方向に配置された下伝熱部材14bは、互いに近接する。Y軸方向に配置された下伝熱部材14bは、互いに接触してもよい。
【0040】
下伝熱部材14bは、上伝熱部材14aと同様に、X軸方向において電力制御ユニット15の幅寸法とほぼ等しい寸法を有する。下伝熱部材14bは、X軸方向において電力制御ユニット15の幅寸法よりも若干小さい寸法でもよい。
下伝熱部材14bは、Y軸方向において電力制御ユニット15の奥行寸法とほぼ等しい寸法を有する。下伝熱部材14bは、Y軸方向において電力制御ユニット15の奥行寸法よりも大きい寸法でもよい。下伝熱部材14bは、Y軸方向において電力制御ユニット15の奥行寸法よりも若干小さい寸法でもよい。下伝熱部材14bは、Y軸方向においてキャパシタユニット25および素子ユニット21の奥行寸法の和よりも若干小さい寸法でもよい。
【0041】
下伝熱部材14bは、上伝熱部材14aと同様に、上面視してキャパシタユニット25および素子ユニット21に重なるように配置される。下伝熱部材14bは、キャパシタユニット25の下部および素子ユニット21の下方に位置する。下伝熱部材14bは、上面視してヒートシンク35およびキャパシタ43に重なる範囲に配置される。なお、複数の下伝熱部材14bが、上面視してキャパシタユニット25および素子ユニット21に重なるように配置されていればよい。
【0042】
例えば、下伝熱部材14bは、X軸方向に分割されてもよい。この場合、複数の下伝熱部材14bを組み合わせて、上面視してキャパシタユニット25および素子ユニット21に重なるように配置されることができる。この場合、複数の下伝熱部材14bを組み合わせて、キャパシタユニット25の下部および素子ユニット21の下方に位置して配置されることができる。この場合、複数の下伝熱部材14bを組み合わせて、上面視してヒートシンク35およびキャパシタ43に重なる範囲に配置されることができる。
【0043】
下伝熱部材14bは、上面視してヒートシンク35およびキャパシタ43が内部に収まる範囲に配置される。上面視した下伝熱部材14bの輪郭は、ヒートシンク35およびキャパシタ43よりも大きい。上面視した下伝熱部材14bの輪郭からは、ヒートシンク35およびキャパシタ43の一部がはみ出してもよい。下伝熱部材14bは、ヒートシンク35およびキャパシタ43を冷却管12により冷却できる配置であれば、上記の配置に限定されない。
【0044】
電力制御ユニット15は、例として、
図2の1段目である上段に示すように、同じ素子(発熱部品)45を複数備えてもよい。
あるいは、電力制御ユニット15は、例として、
図2の3段目である下段に示すように、異なる素子(発熱部品)42および素子(発熱部品)44を複数備えてもよい。
これらの場合でも、伝熱部材14は、上面視して素子44が内部に収まる範囲に配置される。あるいは、伝熱部材14は、上面視して素子42および素子44が内部に収まる範囲に配置される。
伝熱部材14は、上面視して素子44が内部に収まる程度に近接して配置される。あるいは、伝熱部材14は、上面視して素子42および素子44が内部に収まる程度に近接して配置される。
【0045】
電力制御ユニット15は、上部が第2棚板13Uに近接している。電力制御ユニット15は、上部が第2棚板13Uに接していてもよい。
棚板13および第2棚板13Uは、伝熱部材を構成することもできる。
【0046】
冷却管12、伝熱部材14、棚板13および第2棚板13Uは、支持部材を構成する。つまり、冷却管12、伝熱部材14、棚板13および第2棚板13Uは、筐体11に固定されており、複数の電力制御ユニット15が載置される。冷却管12、伝熱部材14、棚板13および第2棚板13Uは、複数の電力制御ユニット15の重量を支持する。冷却管12、伝熱部材14、棚板13および第2棚板13Uは、強度部材である。
【0047】
冷却管12は、Y軸方向に離間して偶数本配置される。伝熱部材14は、Y軸方向に延在して配置される。したがって、電力制御ユニット15が棚板13に載置された場合でも、冷却管12および伝熱部材14は、電力制御ユニット15の重量を支持することができる。また、電力制御ユニット15の収納時に、電力制御ユニット15が棚板13の上でY軸方向に移動した場合でも、冷却管12および伝熱部材14は、電力制御ユニット15の重量を支持することができる。
【0048】
本実施形態においては、冷却機構における冷媒用ポンプPによって冷却管12に冷媒を循環する。これにより、冷却管12を冷却する。冷却管12に接する伝熱部材14が冷却される。
【0049】
上面視した伝熱部材14は、発熱部品であるヒートシンク35、キャパシタ43、素子42、素子44、素子45に対して近接して配置されているため、冷却機構として、これらの発熱部品を冷却することが容易にできる。伝熱部材14が冷却管12に接しているため、冷却効率を向上することができる。棚板13が伝熱部材14に接しているため、冷却効率を向上することができる。棚板13が電力制御ユニット15の下部に接しているため、冷却効率を向上することができる。
【0050】
第2棚板13Uは、電力制御ユニット15の上部に近接している。これにより、発熱部品を収納する電力制御ユニット15に対する冷却効率を向上することができる。この場合、下伝熱部材14bは、上面視して電力制御ユニット15の発熱部品に近接するように配置されているため、電力制御ユニット15に対する冷却効率を向上することができる。
【0051】
本実施形態においては、筐体11に複数の電力制御ユニット15を棚板13に載置して収納する構造であり、電力制御ユニット15の冷却方式は水冷であり、冷配管12が電力制御ユニット15の下方に配置され、電力制御ユニット15を載せる棚板13に導性のよい金属等である伝熱部材14を介して冷配管12が固定される。同時に、電力制御ユニット15の内部における発熱部品のレイアウトを、筐体11の内部での冷却構造を考慮して、電力制御ユニット15下部に発熱部品を配置する構造等とすることで効率的な冷却をおこなうことが可能となる。
【0052】
これにより、電力制御ユニット15を載せる棚板13に冷却管12が固定されており、冷却管12が強度部材になるため筐体11の剛性を上げることができる。このため、筐体11を変形しにくくすることができ、振動に強い構造とすることができる。
冷却管12を強度部材にすることで、冷却管12がないときに電力制御ユニット15を載せる棚板13に必要となっていた補強構造を省略あるいは簡素化することができる。
【0053】
電力制御ユニット15内の発熱部品を下部に配置することで、冷却管12への熱の伝達を向上することが期待できる。特に、発熱部品の位置に併せて冷却管12および伝熱部材14を設けることにより、効率的な冷却を期待することができる。
【0054】
発熱部品を水等の冷媒で冷却するためには、水冷ヒートシンク等の冷却構造をもつ部材、または水冷コンデンサなどの配管経路をもつ部品を選定する必要があるが、本実施形態では、伝熱部材14および冷配管12を介して直接的に冷却を可能とできるため、これらの部品を不要とすることができる。
【0055】
さらに、筐体11に収納される電力制御ユニット15の数が増えると、奥行方向(Y軸方向)に発熱部品としての半導体素子33を並べて配置する場合がある。この場合、発熱部品としての半導体素子33の配列方向と、コンデンサの配列方向と、を一致させることができ。半導体素子33とコンデンサと間の導体経路を短くすることができる。したがって、電気的性能を向上することができる。
【0056】
本実施形態において冷却管12の配管位置は、電力制御ユニット15の下部としたが、電力制御ユニット15の固定方法や発熱部品の位置に応じて、冷却管12の配置を電力制御ユニット15の下部以外にすることもできる。
【0057】
さらに、上述した実施形態における個々の構成を個別に選択して、それぞれ組み合わせて実施することも可能である。
【0058】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
10…電力変換ユニット、11…筐体、12…冷却管、14…伝熱部材、15…電力制御ユニット(ユニット)、21…素子ユニット、25…キャパシタユニット、33…半導体素子(第1素子)、35…ヒートシンク(発熱部品)、39…基板、43…キャパシタ(コンデンサ、発熱部品)、42,44,45…発熱部品。