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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141673
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】熱交換器、熱交換システム
(51)【国際特許分類】
   F28D 19/02 20060101AFI20241003BHJP
   C04B 7/36 20060101ALI20241003BHJP
   F28D 20/00 20060101ALI20241003BHJP
   F27D 17/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F28D19/02
C04B7/36
F28D20/00 A
F27D17/00 101D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053459
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000185961
【氏名又は名称】太平洋エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 貴之
(72)【発明者】
【氏名】本間 健一
(72)【発明者】
【氏名】宮 由莉佳
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰史
【テーマコード(参考)】
4K056
【Fターム(参考)】
4K056AA12
4K056CA08
4K056DA09
4K056DA12
4K056DA32
(57)【要約】
【課題】従来よりも利用できる熱媒体の選択性を拡げつつ、熱交換器内における熱媒体の設置密度を高めることができる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器は、粒状の熱媒体が充填された第一領域を含む第一熱交換室と、第一領域内に処理対象となる高温の第一ガスを導入する第一導入口と、第一導入口よりも鉛直上方の位置に配置されて第一熱交換室内のガスを排出する第一排出口と、第一熱交換室よりも鉛直下方において第一熱交換室から流入された熱媒体が充填された第二領域を含む第二熱交換室と、第二領域内に第一ガスよりも低温の第二ガスを導入する第二導入口と、第二導入口よりも鉛直上方の位置に配置され第二熱交換室内のガスを排出する第二排出口と、第一領域の第二熱交換室側の端部と第二領域の第一熱交換室側の端部との間の1箇所以上に配置され、ガスの通流量を制御可能な規制部材とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状の熱媒体が充填された第一領域を含む第一熱交換室と、
前記第一領域内に処理対象となる高温の第一ガスを導入する第一導入口と、
前記第一導入口よりも鉛直上方の位置に配置されて、前記第一熱交換室内のガスを排出する第一排出口と、
前記第一熱交換室よりも鉛直下方において前記第一熱交換室と連絡して配置され、前記第一熱交換室から流入された前記熱媒体が充填された第二領域を含む第二熱交換室と、
前記第二領域内に前記第一ガスよりも低温の第二ガスを導入する第二導入口と、
前記第二導入口よりも鉛直上方の位置に配置されて、前記第二熱交換室内のガスを排出する第二排出口と、
前記第一領域の前記第二熱交換室側の端部と、前記第二領域の前記第一熱交換室側の端部との間の1箇所以上に配置され、ガスの通流量を制御可能な規制部材とを備えたことを特徴とする、熱交換器。
【請求項2】
前記第一熱交換室と前記第二熱交換室とを連絡し、前記第一熱交換室内に充填されていた前記熱媒体を前記第二熱交換室へと導く連絡部と、
前記連絡部内において前記熱媒体の通流方向に関して前記第一熱交換室よりも下流側の位置、又は前記連絡部と前記第二熱交換室との境界の位置に配置されている、前記規制部材としての第一規制部材とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第二排出口は、前記第一規制部材よりも鉛直上方の位置に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記連絡部内において前記熱媒体の通流方向に関して前記第一規制部材よりも上流側の位置、又は前記連絡部と前記第一熱交換室との境界の位置に配置されている、前記規制部材としての第二規制部材と、
前記連絡部内において前記熱媒体の通流方向に関して前記第二規制部材と前記第一規制部材との間の位置に配置され、前記熱媒体の粒子よりも細かい粉塵を除去する粉塵除去機構とを備えたことを特徴とする、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記粉塵除去機構は、前記熱媒体の粒子の粒径よりも小さい開度を有する篩部材で構成され、前記第二規制部材よりも鉛直下方の位置に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記連絡部は、内部を通流する粒状の前記熱媒体を撹拌する撹拌部材を有することを特徴とする、請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記規制部材は、開閉可能であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第一導入口、前記第一排出口、前記第二導入口、及び前記第二排出口からなる群に属する1箇所以上に設置された温度計を備え、
前記規制部材は、前記温度計で測定された温度情報に基づいて開度が調整されることを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第一導入口及び前記第二導入口の少なくとも一方の前段に配置された分級装置を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第二熱交換室から回収された前記熱媒体を、前記第一熱交換室に対して上方から流入させるための搬送機構を備えたことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器を備えた、熱交換システムであって、
セメント工場に配置された仮焼炉からの排ガスが、前記第一ガスとして前記第一導入口から前記第一熱交換室内に導入され、
前記第二排出口から排出されるガスが、前記仮焼炉に導入される支燃性ガスを予熱することを特徴とする、熱交換システム。
【請求項12】
請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器を備えた、熱交換システムであって、
セメント工場に配置された仮焼炉からの排ガスから回収された二酸化炭素を含む二酸化炭素含有ガスが、前記第一ガスとして前記第一導入口から前記第一熱交換室内に導入され、
前記第二排出口から排出されるガスが、前記仮焼炉に導入される支燃性ガスを予熱することを特徴とする、熱交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器に関し、特に固体の熱媒体を通じて気体の熱交換を行う熱交換器に関する。また、本発明はこのような熱交換器を含む熱交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の抑制のため、炭酸ガス(二酸化炭素)の排出量の低減が重要な課題であり、セメント製造工程においても、排出される炭酸ガスを効率良く回収することが求められる。このような観点から、本出願人は、セメント原料の脱炭酸を促進する目的で、予熱装置と共にロータリーキルンの上流側に仮焼炉を配置する技術を提案している(特許文献1参照)。
【0003】
また、高温のガスに対して粒子状の熱媒体を通じて熱交換を行って、低温化させる技術が、下記特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-96064号公報
【特許文献2】特開2003-254688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱の利用効率を高める観点からは、仮焼炉からの高温の排ガスを熱交換して再利用するのが好ましい。このため、本発明者らは、特許文献2に開示された熱交換器を通じて仮焼炉からの高温の排ガスを低温化することを検討した。
【0006】
しかし、特許文献2の方法によれば、特定の比重及び粒径を示す熱媒体を利用する必要があり、熱媒体の選択性に制約を受ける。また、熱交換器全体の規模に対して利用できる熱媒体の量が少なく、熱回収の効率を更に向上できる余地が見込まれる。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、従来よりも利用できる熱媒体の選択性を拡げつつ、熱交換器内における熱媒体の設置密度を高めることができる熱交換器及び熱交換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る熱交換器は、
粒状の熱媒体が充填された第一領域を含む第一熱交換室と、
前記第一領域内に処理対象となる高温の第一ガスを導入する第一導入口と、
前記第一導入口よりも鉛直上方の位置に配置されて、前記第一熱交換室内のガスを排出する第一排出口と、
前記第一熱交換室よりも鉛直下方において前記第一熱交換室と連絡して配置され、前記第一熱交換室から流入された前記熱媒体が充填された第二領域を含む第二熱交換室と、
前記第二領域内に前記第一ガスよりも低温の第二ガスを導入する第二導入口と、
前記第二導入口よりも鉛直上方の位置に配置されて、前記第二熱交換室内のガスを排出する第二排出口と、
前記第一領域の前記第二熱交換室側の端部と、前記第二領域の前記第一熱交換室側の端部との間の1箇所以上に配置され、ガスの通流量を制御可能な規制部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記熱交換器は、複数の熱交換室を連絡する連絡部内において、ガスの通流量を制御可能な規制部材を備えている。このため、第二熱交換室側から第一熱交換室に向かって、第二熱交換室に存在する低温のガスが逆流することを抑制できる。
【0010】
また、前記規制部材によって、第一熱交換室内に充填された熱媒体が第二熱交換室側に流出するのを抑制できる。これにより、熱媒体を密に配置できるため、高温の第一ガスとの間で熱交換を行うための領域(第一領域)を狭くすることが可能である。以下では、便宜上、第一熱交換室内に充填された熱媒体を「第一熱媒体」と称することがある。
【0011】
更に、上記構成によれば、熱媒体を第一熱交換室内の領域(第一領域)に充填させることで、第一ガスとの間で熱交換が行えるため、特許文献2に記載されているような、熱媒体として利用できる材料の比重や粒径に関する大幅な制約は、課されない。このため、熱媒体としては、例えば、アルミナ等のセラミックスや、鉄等の金属など、汎用的な材料で構成されたものが利用でき、充填可能な程度の大きさを有していれば粒径についても制約を受けない。
【0012】
前記熱交換器によれば、第一導入口を通じて流入された高温の第一ガスは、第一熱交換室内の粒状の熱媒体が充填された領域(第一領域)に供給され、充填された熱媒体との間で熱交換される。熱交換された後の第一ガスは、第一排出口より排出される。なお、規制部材の存在により、低温の第二ガスが導入される第二熱交換室内のガスが、第一熱交換室内に逆流することが抑制されている。
【0013】
所定のタイミングで規制部材が開かれることで、第一熱交換室内で熱交換がされた後の熱媒体(第一熱媒体)が、第二熱交換室内へと導かれる。その後、規制部材が閉じられることで、第一熱交換室側から送り込まれた熱媒体(以下、便宜上「第二熱媒体」と称することがある)は、第二熱交換室内に留まって充填される。この第二熱交換室内に留められた第二熱媒体に対して、第二導入口を通じて流入された低温の第二ガスが供給され、充填された第二熱媒体との間で再度熱交換される。熱交換された後の第二ガスは、第二排出口より排出される。
【0014】
この結果、第一熱交換室内に充填され、高温の第一ガスとの熱交換がされたことで加熱された熱媒体は、第二熱交換室内で、低温の第二ガスとの熱交換を経て冷却される。よって、前記第二熱交換室から回収された前記熱媒体を、再び第一熱交換室内に戻すことで、熱媒体を繰り返し利用できる。具体的には、前記熱交換器は、前記第二熱交換室から回収された前記熱媒体を、前記第一熱交換室に対して上方から流入させるための搬送機構を備えるものとしても構わない。
【0015】
例えば、セメント工場に配置された仮焼炉からの排ガスを、前記第一ガスとして前記第一導入口から前記第一熱交換室内に導入し、前記第二排出口から排出されるガスによって前記仮焼炉に導入される支燃性ガスを予熱することで、仮焼炉からの高温の排ガスの排熱を有効に活用することができる。この場合の一例として、前記第一ガスとして利用される仮焼炉からの排ガスは、800℃~1000℃程度であり、支燃性ガスの予熱に利用される、前記第二排出口から排出されるガスは、400℃~600℃程度である。
【0016】
なお、上記において、第一排出口から排出されるガスについても、支燃性ガスの予熱に利用しても構わない。また、セメント工場に配置された仮焼炉からの排ガス中に含まれる二酸化炭素を回収する設備を通じて回収された、高濃度の二酸化炭素含有ガスが、前記第一ガスとして前記第一導入口から前記第一熱交換室内に導入されても構わない。
【0017】
前記規制部材は開閉可能な構造であるのが好ましい。例えば、開閉可能な仕切り板、バルブ、ロータリーバルブ、ダンパー、ゲート、フィーダ、プッシャー等で構成することができる。規制部材が閉じられることで、ガス及び熱媒体の流れを止めることができる。規制部材は、制御部等によって開度が調整可能な構成としてもよい。具体的には、前記熱交換器が、前記第一導入口、前記第一排出口、前記第二導入口、及び前記第二排出口からなる群に属する1箇所以上に設置された温度計を備え、前記規制部材は、前記温度計で測定された温度情報に基づいて開度が調整されるものとしても構わない。
【0018】
前記熱交換器は、
前記第一熱交換室と前記第二熱交換室とを連絡し、前記第一熱交換室内に充填されていた前記熱媒体を前記第二熱交換室へと導く連絡部と、
前記連絡部内において前記熱媒体の通流方向に関して前記第一熱交換室よりも下流側の位置、又は前記連絡部と前記第二熱交換室との境界の位置に配置されている、前記規制部材としての第一規制部材とを備えるものとしても構わない。
【0019】
上記構成によれば、低温環境下にある第二熱交換室から、高温環境下にある第一熱交換室側へ低温のガスが逆流するのを抑制する効果が更に高められる。
【0020】
前記第二排出口は、前記第一規制部材よりも鉛直上方の位置に配置されているものとしても構わない。
【0021】
上記構成によれば、第二熱交換室内に導入された低温の第二ガスは、第二熱媒体が充填されている領域(第二領域)内を上方に移動しながら熱交換がされた後、上方に配置された第二排出口より排出させることができる。
【0022】
前記熱交換器は、
前記連絡部内において前記熱媒体の通流方向に関して前記第一規制部材よりも上流側の位置、又は前記連絡部と前記第一熱交換室との境界の位置に配置されている、前記規制部材としての第二規制部材と、
前記連絡部内において前記熱媒体の通流方向に関して前記第二規制部材と前記第一規制部材との間の位置に配置され、前記熱媒体の粒子よりも細かい粉塵を除去する粉塵除去機構とを備えるものとしても構わない。
【0023】
第二規制部材が設けられることで、第一熱交換室内において熱媒体(第一熱媒体)が留められ、第二規制部材が開かれることで、第一熱交換室側から第一熱媒体を連絡部内に流入できる。上述したように熱媒体は第一熱交換室内の所定領域(第一領域)内において充填されており、各熱媒体粒子同士は密に接触している。このため、熱媒体の粒子が移動することで、他の熱媒体粒子との接触に起因して粉塵を生成し、熱媒体粒子の表面に付着することが考えられる。上記構成によれば、連絡部内には粉塵除去機構が設けられているため、連絡部内を移動中に熱媒体に付着した粉塵が除去される。これにより、第二熱交換室を介して回収された熱媒体の品質が保持され、再利用されても熱交換の効率の低下が抑制される。
【0024】
このような粉塵除去機構としては、例えば、前記熱媒体の粒子の粒径よりも小さい開度を有する篩部材で構成することができる。粉塵除去機構は、前記第二規制部材よりも鉛直下方の位置に配置されているものとしても構わない。これにより、第二規制部材が開かれて第一熱交換室内に充填されていた第一熱媒体が、重力に従って落下するか又は連絡部の内壁に沿って流れるため、運動量を有した状態で第一熱媒体が篩部材の上を通過し、粉塵を効率的に除去できる。
【0025】
同様の観点から、前記連絡部は、内部を通流する粒状の前記熱媒体を撹拌する撹拌部材を有するものとしても構わない。この構成によっても、撹拌部材からの外力によって運動量が与えられた状態で、第一熱媒体が連絡部内を移動するため、運動量を有した状態で第一熱媒体が篩部材の上を通過し、粉塵を効率的に除去できる。
【0026】
なお、第二熱交換室よりも下流側の位置において、第二熱交換室から回収された熱媒体の粒子から粉塵を除去するための粉塵除去機構が更に設けられていても構わない。
【発明の効果】
【0027】
本発明の熱交換器によれば、従来よりも利用できる熱媒体の選択性を拡げつつ、熱媒体の設置密度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】熱交換器の実施形態の構成を模式的に示す概念図である。
図2図1から第一熱交換室10の近傍を抽出した図面である。
図3図1から第二熱交換室20の近傍を抽出した図面である。
図4図1から第二熱交換室20の近傍を抽出した図面である。
図5図1から第二熱交換室20の近傍を抽出した図面である。
図6】セメント工場設備を含む熱交換システムの構成を模式的に示す図面である。
図7】熱交換器の別実施形態の構成を模式的に示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る熱交換器及び熱交換システムの実施形態につき、以下において適宜図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は模式的に示されたものであり、図面の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致しておらず、各図面の間での寸法比も必ずしも一致していない。
【0030】
なお、以下の各図では、気体の流れが二点鎖線を用いて模式的に示され、固体(後述する熱媒体3)の流れが一点鎖線を用いて模式的に示される。
【0031】
図1は、熱交換器の実施形態の構成を模式的に示す概念図である。また、図2図5は、いずれも図1の一部を抽出した図面である。以下、図1図5を適宜参照しながら説明する。
【0032】
図1に示す熱交換器1は、第一熱交換室10と、第一熱交換室10よりも鉛直下方の位置に設置された第二熱交換室20と、第一熱交換室10と第二熱交換室20とを連絡する連絡部30とを備える。なお、各図において、+Z方向が鉛直上向きに対応する。
【0033】
第一熱交換室10は、少なくとも一部の領域に粒状の熱媒体3が充填されている。図2では、熱媒体3が充填されている領域を「第一領域15」として符号が付されている。図2は、図1の熱交換器1から第一熱交換室10の近傍を抽出した図面である。熱媒体3としては、例えば、アルミナに代表されるセラミックスや、鉄に代表される金属等の、汎用的な材料で構成されたものが利用できる。熱媒体3の粒径は、第一領域15内に充填可能な程度の大きさを有していれば任意である。一例として、ダスト詰まりを考慮し、熱媒体3の粒径は、2~30mmであり、好ましくは5~20mmである。
【0034】
第一熱交換室10は、高温の第一ガスG1が導入される第一導入口11と、この第一ガスG1が熱媒体3内を移動して熱交換された後のガスG1aが排出される第一排出口13とを備える。第一導入口11から導入される第一ガスG1は、前述した、熱媒体3が充填されている第一領域15に吹き込まれる。第一導入口11から導入された第一ガスG1は、第一熱交換室10内を鉛直上方に向かって流れやすいため、好ましくは、第一排出口13は第一導入口11よりも鉛直上方の位置に設置される。
【0035】
第一ガスG1は、熱交換の対象となる高温のガスである。後述するように、第一ガスG1は、セメント工場に設置された仮焼炉からの排ガスとすることができ、この場合、第一ガスG1の温度は、800℃~1000℃程度である。第一ガスG1は、セメント工場以外の場所(例えば製鉄所、焼却炉、発電所等)からの排ガスとすることも可能である。
【0036】
第一ガスG1のダスト含量が著しく多い等の理由により、詰まりの生じる可能性が高い場合もある。詰まりを抑制する対策としては、第一ガスG1の第一導入口11の手前にサイクロンといった分級装置等が設置されていても構わない。つまり、第一導入口11には、分級装置によってダストが除去された状態の第一ガスG1が導入されるものとしても構わない。
【0037】
加えて、第一ガスG1に塩素等を含む場合にも、詰まりが生じやすい。その場合には、第一ガスG1の温度を下げる制御をしてもよい。第一ガスG1の冷却には、第一導入口11の手前に分岐ダクトを設けておき、第一ガスG1に応じて二酸化炭素や酸素、空気、水蒸気等の低温ガスを導入してもよく、もしくは散水して冷却してもよい。
【0038】
第一ガスG1の温度、流量は、図示しない制御部からの信号に基づいて、制御されるものとしてもよい。この制御部の信号は、熱媒体3の温度、第一ガスG1、第一排出口13に導かれるガスG1a等に応じるものとしてもよい。この場合、第一熱交換室10には熱媒体3の温度を計測する温度計、第一導入口11には第一ガスG1の温度を計測する温度計、第一排出口13にはガスG1aの温度を計測する温度計が設置されていても構わない。
【0039】
第一導入口11を通じて導入された高温の第一ガスG1は、熱媒体3が充填されている第一領域15内を通過することで、熱媒体3との間で熱交換がされた後、第一ガスG1よりも温度の低いガスG1aとして、第一排出口13を通じて排出される。図2では、熱媒体3が充填されている領域内をガスが通流することを図面上に明記するために、一部の熱媒体3の図示が割愛されている。図3以後においても、同様の図示方法が採用される場合がある。
【0040】
第二熱交換室20は、少なくとも一部の領域に粒状の熱媒体3が充填されている。図3及び図4では、熱媒体3が充填されている領域を「第二領域25」として符号が付されている。図3及び図4は、図1の熱交換器1から、第二熱交換室20の近傍を抽出した図面である。後述されるように、第二熱交換室20内に存在する熱媒体3は、第一熱交換室10側から流入されることで、第二領域25に充填されたものである。
【0041】
第二熱交換室20は、第一ガスG1よりも低温の第二ガスG2が導入される第二導入口21と、この第二ガスG2が熱媒体3内を移動して熱交換された後のガスG2aが排出される第二排出口23とを備える。第二導入口21から導入される第二ガスG2は、前述した、熱媒体3が充填されている第二領域25に吹き込まれる。第二導入口21から導入された第二ガスG2は、第二熱交換室20内を鉛直上方に向かって流れやすいため、第二排出口23は第二導入口21よりも鉛直上方の位置に設置される。
【0042】
後述するように、第二熱交換室20内には、第一熱交換室10内で熱交換がされることで高温となった熱媒体3が充填されている。第二導入口21を通じて導入された低温の第二ガスG2は、高温の熱媒体3が充填されている第二領域25内を通過することで、熱媒体3との間で熱交換がされた後、第二ガスG2よりも温度の高いガスG2aとして、第二排出口23を通じて排出される。
【0043】
第二ガスG2は、第一熱交換室10内で熱交換がされたことで温度が上昇した熱媒体3を冷却する目的で導入されるガスであり、例えば大気、二酸化炭素ガス、酸素ガス、他可燃性ガス等とすることができる。
【0044】
第二ガスG2の温度、流量は、図示しない制御部からの信号に基づいて、制御されるものとしてもよい。この制御部の信号は、熱媒体3の温度、第二ガスG2、第二排出口23に導かれるガスG2a等に応じるものとしてもよい。この場合、連結部30、第二熱交換室20には熱媒体3の温度を計測する温度計、第二導入口21には第一ガスG2の温度を計測する温度計、第二排出口23にはガスG2aの温度を計測する温度計が設置されていても構わない。
【0045】
連絡部30は、上述したように、第一熱交換室10と第二熱交換室20とを連絡する。連絡部30を通じて、第一熱交換室10内に充填されていた熱媒体3を、第二熱交換室20側へと送り込むことができる。
【0046】
連絡部30の詳細な構造について説明する。図3図5は、図1の熱交換器1から連絡部30の近傍を抽出した図面である。
【0047】
図3に示すように、本実施形態の熱交換器1が備える連絡部30には、規制部材(51,52,53)が備えられている。これらの規制部材(51,52,53)は、熱媒体3の流れを制御する機能を有する。より詳細には、規制部材(51,52,53)としては、仕切り板、バルブ、ロータリーバルブ、ダンパー、ゲート、フィーダ、プッシャー等で構成され、熱媒体3の流れを遮断し、逆に遮断状態を解消できる機能を有する。記載部材(51,52,53)は、図示しない制御部からの信号に基づいて、開度の制御が行われるものとして構わない。規制部材(51,52,53)のうちの、少なくとも1つの規制部材は、熱媒体3のみならず、気体の流れについても遮断できるような構造である。
【0048】
図1に示す状況は、規制部材51が閉じられることで、第一熱交換室10内の熱媒体3が第一熱交換室10内に留められている状況が図示されている。また、図1に示す状況では、規制部材53も閉じられている。このため、第二熱交換室20内で低温の第二ガスG2が熱媒体3と熱交換された後のガスG2aは、連絡部30内には導かれず、前述したように、第二排出口23から排出される。図1及び図3に示すように、好ましくは、第二排出口23は、規制部材53よりも鉛直上方の位置に配置されている。
【0049】
本実施形態では、規制部材53が「第一規制部材」に対応し、規制部材51が「第二規制部材」に対応する。
【0050】
第一熱交換室10内において、一定時間以上にわたって、第一ガスG1と熱媒体3との熱交換が実行されると、熱媒体3の温度が上昇する。第一熱交換室10内に充填されている熱媒体3の温度が上昇すると、第一熱交換室10内における熱交換の効率が低下するため、この熱媒体3を低温の熱媒体3に交換する必要がある。以下、この方法について説明する。
【0051】
まず、図3に示すように、規制部材51が開かれる。この結果、第一熱交換室10内に留められていた熱媒体3が、連絡部30内に導入される。規制部材51の開度については、例えば、第一ガスG1の温度、第一熱交換室10内の熱媒体3の温度、第一排出口13に導かれるガスG1aの温度、又は直前に規制部材51が閉じられてからの経過時間等に応じて、制御部からの信号に基づいて、図示しない制御部によって制御されるものとしてもよい。この場合、第一熱交換室10には熱媒体3の温度を計測する温度計が設置されていても構わないし、第一導入口11には第一ガスG1の温度を計測する温度計が設置されていても構わないし、第一排出口13には第一排出口13に導かれるガスG1aの温度を計測する温度計が設置されていても構わない。
【0052】
図3に示す例では、連絡部30の一部壁面に篩部材61が設置されている。この篩部材61は、熱媒体3の粒径より小さい開度を有している。熱媒体3が篩部材61の上面を通過することで、熱媒体3の表面に付着した細かい粉塵7が、篩部材61の下方に落下し、粉塵回収部63に蓄積される。本実施形態では、篩部材61が「粉塵除去機構」に対応する。熱媒体3に対して篩部材61の上面を通過させることで、後述するように熱媒体3を第一熱交換室10内で再利用する際に、粉塵7に由来する熱交換効率の低下を抑制することができる。ただし、熱交換器1が粉塵除去機構を備えるか否かは任意である。
【0053】
第一熱交換室10内に充填されていた熱媒体3を第二熱交換室20側に導くに際して、規制部材51の開度が開かれた時点においても、規制部材53が閉じられているため、第二熱交換室20内に存在する比較的低温なガスG2aが、連絡部30を通じて第一熱交換室10側に逆流することが防止される。
【0054】
図1及び図4に示すように、熱交換器1は送出機構42を備える。送出機構42の開度が開かれると、第二熱交換室20内に充填されていた熱媒体3、より詳細には、低温の第二ガスG2との間で熱交換がされたことで冷却された熱媒体3が、搬送機構41に送り出される。送出機構42としては、例えば仕切り板、バルブ、ロータリーバルブ、ダンパー、ゲート、フィーダ、プッシャー等で構成される。
【0055】
送出機構42を通じて送り出された、冷却後の熱媒体3は、搬送機構41を通じて上昇され、第一熱交換室10の上方に設置された熱媒体導入機構45に届けられる。熱媒体導入機構45が所定の開度で開かれると、冷却後の熱媒体3が新たに第一熱交換室10内に送り込まれる。なお、図1に示すように、追加の熱媒体3を搬送機構41に送り出すための、熱媒体貯留機構43が設置されていても構わない。この場合も、送出機構42と同様に、仕切り板、バルブ、ロータリーバルブ、ダンパー、ゲート、フィーダ、プッシャー等の開度が調整されることで、新たな熱媒体3が搬送機構41に送り込まれるものとしても構わない。搬送機構41としては、コンベヤ、空気輸送装置、フィーダ、バッチ式荷上げ装置等が利用できる。
【0056】
熱媒体導入機構45、排出機構42における熱媒体3の流通量は、図示しない制御部からの信号に基づいて、制御されるものとしてもよい。この制御部の信号は、熱媒体3の温度、第一ガスG1、第一排出口13に導かれるガスG1a、第二ガスG2、第二排出口23に導かれるガスG2aの温度等に応じるものとしてもよい。この場合、熱媒体導入機構45、第一熱交換室10、第二熱交換室20、排出機構42にはそれぞれ熱媒体3の温度を計測する温度計が設置され、第一導入口11には第一ガスG1の温度を、第一排出口13にはガスG1aの温度を、第二導入口21には第二ガスG2の温度を、第二排出口23にはガスG2aの温度をそれぞれ計測する温度計が設置されていても構わない。
【0057】
次に、図5に示すように、規制部材51が閉じられた後、規制部材52及び規制部材53が開かれる。この結果、図4を参照して上述した、連絡部30内に留められていた熱媒体3が、第二熱交換室20内へと導入される。このとき、第二熱交換室20内に存在する比較的低温なガスG2aの一部が、連絡部30に逆流することが想定される。ただし、規制部材51が閉じられているため、連絡部30と第一熱交換室10とが区切られている。つまり、規制部材51によって、ガスの通流量が制御されている。この結果、連絡部30内に逆流してきた比較的低温なガスG2aが、第一熱交換室10内に逆流することが抑制される。
【0058】
その後、規制部材(52,53)が閉じられて、図1に示す状態に再び移行する。つまり、上記の熱交換器1によれば、第一熱交換室10内で高温の第一ガスG1との間で熱交換がされたことで温度が上昇した熱媒体3は、第二熱交換室20内に送り込まれて低温の第二ガスG2との間で熱交換がされることで冷却された後、搬送機構41を通じて再度第一熱交換室10に戻される。
【0059】
図6は、熱交換器1をセメント工場2の排ガスの熱交換に利用する場合の一例を示す図面である。セメント工場2は、セメントクリンカ原料を予熱するためのプレヒータ71と、プレヒータ71で予熱されたセメントクリンカ原料をバーナ76を通じて焼成するロータリーキルン75と、セメントクリンカ原料の脱炭酸を促進するための仮焼炉72と、焼成後のセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラ77とを備える。
【0060】
仮焼炉72は、セメントクリンカ原料の脱炭酸を促進する目的で、プレヒータ71と共にロータリーキルン75の上流側に配置される。仮焼炉72は、支燃性ガス供給装置74から、流路79を通じて空気よりも酸素濃度の高い支燃性ガスが導入されて、セメントクリンカ原料を加熱して脱炭酸する。脱炭酸された後のセメントクリンカ原料は、ロータリーキルンに送られる。支燃性ガス供給装置74としては、例えば、酸素タンク、空気から酸素を分離する空気分離装置、水の電気分解により酸素を生成させる水電気分解装置などが挙げられる。詳細には、仮焼炉72は、セメントクリンカ原料に含まれている石灰石の主成分である炭酸カルシウム(CaCO3)を、加熱によって生石灰(CaO)と炭酸ガス(CO2)に分解する。
【0061】
仮焼炉72内で支燃性ガスを用いてセメントクリンカ原料を加熱する場合、二酸化炭素分圧が高くなる。このため、脱炭酸を促進するために必要な温度が高くなるため、空気を支燃性ガスとして用いる場合よりも、温度を高くする必要がある。
【0062】
そこで、図6に示す例では、図1に示す熱交換器1の第二熱交換室20に設けられた第二排出口23から排気されたガス、すなわち、低温の第二ガスG2が第二熱交換室20内で熱交換されることで温度が上昇したガスG2aが、支燃性ガス供給装置74に導入される。これにより、高温の支燃性ガスが生成される。なお、図6では、支燃性ガス供給装置74自体にガスG2aが導入されている例が示されているが、支燃性ガス供給装置74で生成された支燃性ガスに対して、第二排出口23から排気された高温のガスG2aとの間で熱交換がされても構わない。
【0063】
また、図6に示す例では、排ガス塔78を通じてクリンカクーラ77から排気される高温のガスと支燃性ガスとの間でも熱交換がされているが、この構成はあくまで一例である。
【0064】
仮焼炉72から仮焼炉排ガス排出路73を通じて送出された排ガスは、800℃~1000℃程度と高温である。そこで、図6に示す例では、この仮焼炉72からの排ガスが、高温の第一ガスG1として、図1に示す熱交換器1の第一導入口11を通じて第一熱交換室10内に導入され、上述したように熱媒体3との間で熱交換が行われる。仮焼炉72からの排ガスのダスト含量が多い場合には、詰まり防止のため、前述したように、第一ガスG1の第一導入口11の手前にサイクロンといった分級装置等を導入してもよい。仮焼炉72からの排ガスに塩素等を多量に含む場合も詰まりが生じやすい。その場合には、第一ガスG1の温度を下げる制御をしてもよい。第一ガスG1の冷却には、第一導入口11の手前に分岐ダクトを設け、第一ガスG1に応じて低温の二酸化炭素ガスや酸素ガス、水蒸気を導入してもよい。別の方法としては、第一ガスG1に対して散水しても構わない。
【0065】
ここで、上記二酸化炭素ガスとしては、仮焼炉72からの排ガスに含まれる二酸化炭素を回収する装置を利用して、仮焼炉72からの排ガスから回収された、高濃度の二酸化炭素含有ガスを利用するものとしても構わない。
【0066】
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
【0067】
〈1〉図7は、熱交換器1の別実施形態の構成を、図1にならって模式的に示した図面である。図7に示す熱交換器1は、規制部材51及び規制部材53の構造が異なっている。
【0068】
図7に示すように、規制部材51及び規制部材53は、遮蔽用の羽根部材を備え、回転することにより、通流路が確保される状態と、羽根部材によって通流路が規制される状態とが切り替えられる構成としても構わない。
【0069】
また、図7に示す熱交換器1は、連絡部30内に撹拌部材67を備えている。撹拌部材67は、第一熱交換室10から連絡部30内に送り込まれた熱媒体3を撹拌することで、熱媒体3の表面に付着した粉塵7を粉塵除去機構としての篩部材61を通じて回収することができる。なお、撹拌部材67は、図1に示す熱交換器1に備えられても構わない。
【0070】
〈2〉図1に示す熱交換器1は、複数の規制部材(51,52,53)を備えていた。図7に示す熱交換器1は、複数の規制部材(51,53)を備えていた。しかし、熱交換器1は、第二熱交換室20内に存在する相対的に温度が低いガスG2aが、第一熱交換室10内に逆流するのを抑制できればよい。このため、熱交換器1は、少なくとも1箇所に規制部材を備える構成であればよい。
【0071】
より詳細には、第一熱交換室10内において熱媒体3が充填されている第一領域15の第二熱交換室20側の端部と、第二熱交換室20内において熱媒体3が充填されている第二領域25の第一熱交換室10側の端部との間の1箇所以上に、規制部材が配置されていればよい。
【0072】
ただし、規制部材が1箇所にのみ設けられている場合、第一熱交換室10側から第二熱交換室20側へと熱媒体3を流出させる際に、第二熱交換室20内の比較的低温のガスが、第一熱交換室10内へと逆流する可能性がある。このため、規制部材は、好ましくは2箇所以上に設置されているのが好ましい。
【0073】
〈3〉上記実施形態の熱交換器1は、第一熱交換室10と第二熱交換室20とを連絡する連絡部30を備えるものとしたが、第一熱交換室10と第二熱交換室20とが直接連絡されていてもよい。この場合、第一熱交換室10と第二熱交換室20との境界付近に、規制部材が配置されているものとして構わない。
【0074】
〈4〉本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明のより良い理解のために詳細に説明したものであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
1 :熱交換器
2 :セメント工場
3 :熱媒体
7 :粉塵
10 :第一熱交換室
11 :第一導入口
13 :第一排出口
15 :第一領域
20 :第二熱交換室
21 :第二導入口
23 :第二排出口
25 :第二領域
30 :連絡部
41 :搬送機構
42 :送出機構
43 :熱媒体貯留機構
45 :熱媒体導入機構
51,52,53 :規制部材
61 :篩部材
63 :粉塵回収部
67 :撹拌部材
71 :プレヒータ
72 :仮焼炉
73 :仮焼炉排ガス排出路
74 :支燃性ガス供給装置
75 :ロータリーキルン
76 :バーナ
77 :クリンカクーラ
78 :排ガス塔
79 :流路
G1 :第一ガス
G2 :第二ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7