(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141682
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】敷板洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20241003BHJP
B01D 29/00 20060101ALI20241003BHJP
B01D 35/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B08B3/02 C
B01D23/02 A
B01D35/02 Z
B08B3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053471
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100192692
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】大村 将洋
(72)【発明者】
【氏名】武部 博文
(72)【発明者】
【氏名】杉本 直哉
【テーマコード(参考)】
3B201
4D116
【Fターム(参考)】
3B201AA02
3B201AB07
3B201BB22
3B201BB62
3B201BB90
3B201BB92
3B201CD22
4D116BC03
4D116BC05
4D116BC77
4D116DD04
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4D116KK01
4D116QA03F
4D116QA06C
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4D116QA51C
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4D116QA51F
4D116UU20
4D116VV09
4D116VV30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】敷板の洗浄に用いた洗浄水を容易に再利用することができる敷板洗浄装置を提供する。
【解決手段】敷板洗浄装置100は、敷板Pを載置する載置部110と、敷板Pを搬送する搬送部130と、ポンプ161によって汲み上げられた洗浄水を配管162を介して供給され、敷板Pの移動に対応して洗浄水を敷板Pに噴射することにより敷板Pを洗浄する洗浄部120と、敷板Pを洗浄するために噴射された洗浄水を貯留する水槽部150と、水槽部150に貯留された洗浄水が供給され、当該洗浄水を汲み上げるポンプ161が配置されるポンプ室160と、を備え、ポンプ室160は、当該ポンプ室160に供給された洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有する仕切板を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置であって、
前記敷板を載置する載置部と、
前記載置部に載置された敷板を搬送する搬送部と、
ポンプによって汲み上げられた洗浄水を配管を介して供給され、前記搬送部による前記敷板の移動に対応して、前記供給される洗浄水を前記敷板に噴射することにより前記敷板を洗浄する洗浄部と、
前記敷板を洗浄するために噴射された洗浄水を貯留する水槽部と、
前記水槽部に貯留された洗浄水が供給され、当該洗浄水を汲み上げる前記ポンプが配置されるポンプ室と、を備え、
前記ポンプ室は、当該ポンプ室に供給された洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有する仕切板を含む、
敷板洗浄装置。
【請求項2】
前記フィルタ機能は、メッシュ構造である、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項3】
前記仕切板は、前記ポンプ室の底から所定の高さ位置までは遮断部で構成され、当該所定の高さ位置以上の少なくとも一部に前記フィルタ機能を有するように構成されている、
請求項1又は2に記載の敷板洗浄装置。
【請求項4】
前記所定の高さ位置は、前記ポンプの吸い込み口に設置されたストレーナの位置である、
請求項3に記載の敷板洗浄装置。
【請求項5】
前記水槽部に貯留された洗浄水に含まれ当該水槽部の底部に堆積した汚泥を、掻き寄せフライトによって掻き寄せながら排出口まで搬送する排泥装置を、さらに備える、
請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項6】
前記水槽部から前記排出口までの排出路のうち前記ポンプ室と隣接する領域において設置される第2仕切板を、さらに備える、
請求項5に記載の敷板洗浄装置。
【請求項7】
前記第2仕切板は、前記ポンプ室に供給される洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有する、
請求項6に記載の敷板洗浄装置。
【請求項8】
前記第2仕切板は、前記排出路の底から所定の高さ位置までは遮断部で構成され、当該所定の高さ位置以上の少なくとも一部に前記フィルタ機能を有するように構成されている、
請求項7に記載の敷板洗浄装置。
【請求項9】
前記所定の高さ位置は、前記掻き寄せフライトが到達する高さ位置である、
請求項8に記載の敷板洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工事現場や作業現場などで用いられる敷板がある。敷板は、例えば、鉄製の敷鉄板であり、資材搬入路の確保、作業床や地盤の保護、及び軟弱地盤における足場の確保などの目的で敷設(仮設)される。
【0003】
そして、このような敷板を洗浄する洗浄装置が知られている。例えば、特許文献1では、工事現場で多用される仮設通路用の敷き鉄板を再使用に備えて安全かつ経済的に汚れを除去する敷き鉄板洗浄装置が開示されている。
【0004】
具体的には、特許文献1に開示されている敷き鉄板洗浄装置は、搬送ローラ装置によって敷き鉄板を搬送させながら、洗浄機によって洗浄液水を噴射させて鉄板表面の汚れを除去している。さらに、当該敷き鉄板洗浄装置では、洗浄機によって敷き鉄板の汚れを高圧洗浄して、そこで用いられた洗浄水を下方に配置してある貯留槽で受け止めて溜めて、循環路に設けられたフィルタによってろ過することにより再利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている敷き鉄板洗浄装置では、循環路に汚れ成分の粒子サイズに応じて適切なフィルタを設ける必要があり、また、当該フィルタに汚泥が目詰まりすればフィルタを交換しなければならない。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的の1つは、敷板の洗浄に用いた洗浄水を容易に再利用することができる敷板洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る敷板洗浄装置は、敷板を移動させながら洗浄する敷板洗浄装置であって、敷板を載置する載置部と、載置部に載置された敷板を搬送する搬送部と、ポンプによって汲み上げられた洗浄水を配管を介して供給され、搬送部による敷板の移動に対応して、供給される洗浄水を敷板に噴射することにより敷板を洗浄する洗浄部と、敷板を洗浄するために噴射された洗浄水を貯留する水槽部と、水槽部に貯留された洗浄水が供給され、当該洗浄水を汲み上げるポンプが配置されるポンプ室と、を備え、ポンプ室は、当該ポンプ室に供給された洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有する仕切板を含む。
【0009】
上記態様において、フィルタ機能は、メッシュ構造であってもよい。
【0010】
上記態様において、仕切板は、ポンプ室の底から所定の高さ位置までは遮断部で構成され、当該所定の高さ位置以上の少なくとも一部にフィルタ機能を有するように構成されていてもよい。
【0011】
上記態様において、所定の高さ位置は、ポンプの吸い込み口に設置されたストレーナの位置であってもよい。
【0012】
上記態様において、水槽部に貯留された洗浄水に含まれ当該水槽部の底部に堆積した汚泥を、掻き寄せフライトによって掻き寄せながら排出口まで搬送する排泥装置を、さらに備えてもよい。
【0013】
上記態様において、水槽部から排出口までの排出路のうちポンプ室と隣接する領域において設置される第2仕切板を、さらに備えてもよい。
【0014】
上記態様において、第2仕切板は、ポンプ室に供給される洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有してもよい。
【0015】
上記態様において、第2仕切板は、排出路の底から所定の高さ位置までは遮断部で構成され、当該所定の高さ位置以上の少なくとも一部にフィルタ機能を有するように構成されていてもよい。
【0016】
上記態様において、所定の高さ位置は、掻き寄せフライトが到達する高さ位置であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、敷板の洗浄に用いた洗浄水を容易に再利用することができる敷板洗浄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100の概要を示す外観斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100において敷板Pを洗浄する様子を説明するための側方断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100におけるポンプ室160及びその周辺の構成を示す拡大斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100に用いられる仕切板164の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100に用いられる仕切板165の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、あくまで、本発明を実施するための具体的な一例を挙げるものであって、本発明を限定的に解釈させるものではない。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する場合がある。
【0020】
<一実施形態>
[敷板洗浄装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100の概要を示す外観斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100において敷板Pを洗浄する様子を説明するための側方断面図である。
【0021】
図1において、敷板洗浄装置100は、載置部110と、洗浄部120と、搬送部130と、補助ローラ140と、水槽部150と、ポンプ室160と、排出路170と、制御手段(図示せず)と、を備える。
【0022】
載置部110は、搬入された洗浄対象の敷板Pを載置可能に構成されており、例えば、当該載置部110の上方及び一方側から敷板Pを搬入可能に開口されている。具体的には、フォークリフトを用いて一方側から敷板Pを搬入したり、クレーンを用いて敷板洗浄装置100の上方から敷板Pを搬入したりすることにより、敷板Pを載置部110に載置する。
【0023】
また、載置部110は、載置部110に載置された敷板Pを洗浄部120に搬送するための補助ローラ140を配置していてもよい。補助ローラ140は、後述する搬送部(搬送ローラ)130のようにモータなどの駆動源を備えていなくてもよく、当該補助ローラ140の上に載置された敷板Pの搬送方向に回転することによって、当該敷板Pの搬送を補助するためのローラである。
【0024】
洗浄部120は、載置部110に載置された敷板Pを移動させながら、当該敷板Pを洗浄する。例えば、
図2に示されるように、洗浄部120は、搬送部(搬送ローラ)130によって敷板Pが洗浄部120の領域を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄する。
【0025】
例えば、洗浄部120は、当該洗浄部120の領域において、搬送部(搬送ローラ)130によって移動する敷板Pの上方及び下方から洗浄水を噴射する複数の噴射部121を備える。ここで、敷板Pを洗浄するために噴射される洗浄水は、ポンプ室160からポンプ161を駆動させて汲み上げられ、配管162を介して、搬送部(搬送ローラ)130によって移動する敷板Pの上方及び下方に配置された噴射部121にそれぞれ供給される。これにより、敷板Pは、洗浄部120の領域を移動することにより、上面及び下面に向かって洗浄水が噴射されて洗浄される。
【0026】
搬送部130は、載置部110に載置された敷板Pを洗浄部120に搬送し、典型的には、さらに、洗浄部120の領域においても敷板Pを移動させる。例えば、搬送部130は、載置部110と洗浄部120との間において略平行に配置される複数の搬送ローラ130であり、当該複数の搬送ローラ130を駆動させるモータを含む。
【0027】
モータが駆動して複数の搬送ローラ130が回転し、載置部110に載置された敷板Pを洗浄部120に搬送する。さらに、洗浄部120の領域においても同様に、複数の搬送ローラ130が構成されており、これらを回転させることにより洗浄部120の領域において敷板Pを移動させながら、上述した洗浄部120によって敷板Pが洗浄される。
【0028】
複数の搬送ローラ130は、載置部110に載置された敷板Pを洗浄部120に搬送し、さらに、洗浄部120の領域においても敷板Pを移動させるが、洗浄部120の領域を往復させて、再び、敷板Pを載置部110まで移動させてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、載置部110及び搬送部130をそれぞれ説明しているが、載置部110は、当該載置部110に載置された敷板Pを搬送可能な搬送部130の機能を備えていたり、搬送部130は、敷板Pを載置可能とする載置部110として機能しつつ、当該敷板Pを移動させたりする構成であってもよい。換言すれば、載置部110及び搬送部130は、お互いの機能を兼ね、又は含むような構成であってもよい。
【0030】
水槽部150は、洗浄部120によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水、当該敷板Pで反射された洗浄水、及び敷板Pから除去された異物(汚れ)を、下方から受け留めて、貯留するように構成されている。さらに、水槽部150に貯留された洗浄水は、汚水として排出されたり、当該洗浄水に含まれる異物(汚れ)を除去することにより浄化(濾過)して再度洗浄水として使用される。再度洗浄水として使用(循環)される場合には、洗浄水をポンプ室160に送り、当該ポンプ室160においてポンプ161を駆動させることにより洗浄水を汲み上げて配管162を介して洗浄部120の噴射部121に供給するようにすればよい。
【0031】
ここで、水槽部150に堆積した異物(汚れ)は、水槽部150の底部に配置された排泥装置151によって排出路170を介して排出口171から排出し、洗浄水に浮遊する枯れ枝、枯れ葉及びゴミなどの異物は、ポンプ室160に侵入しないようにするとよい。具体的には、水槽部150に隣接するポンプ室160の境界には、仕切板163が配置され、当該仕切板163を越流した洗浄水がポンプ室160に供給されることになる。さらに、ポンプ室160には、フィルタ機能を有する仕切板164が配置されており、当該ポンプ室160に供給された洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水をポンプ161側に通過させる。水槽部150、ポンプ室160及び仕切板163,164について、詳細は後述する。
【0032】
制御手段は、上述した洗浄部120、搬送部130、排泥装置151及びポンプ161の動作を制御する。例えば、制御手段は、複数の搬送ローラ130(モータ)の稼働開始、終了(停止)、回転速度及び回転方向などを制御する。また、制御手段は、洗浄部120における噴射部121のうち、どの噴射部121から洗浄水を噴射するか、噴射部121の稼働開始、終了(停止)、及び噴射される洗浄水の量や圧力などを制御する。
【0033】
典型的には、制御手段は、載置部110に載置された敷板Pを、洗浄部120に移動させるように搬送ローラ130(モータ)の動作を制御し、搬送ローラ130によって敷板Pが洗浄部120の領域を移動している間、当該敷板Pを洗浄水を用いて洗浄するように、洗浄部120の噴射部121の動作を制御する。
【0034】
さらに、制御手段は、水槽部150の底部に堆積された汚泥を排出するために排泥装置151を動作させたり、洗浄部120に洗浄水を供給するためにポンプ室160の洗浄水を汲み上げるようにポンプ161を動作させたりする。
【0035】
このように、洗浄水を循環させながら、敷板洗浄装置100によって敷板Pを洗浄している。
【0036】
[ポンプ室の構成]
次に、ポンプ室160及びその周辺の構成について詳しく説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100におけるポンプ室160及びその周辺の構成を示す拡大斜視図である。
図3に示されるように、ポンプ室160及びその周辺には、仕切板163,164,165が配置されている。なお、敷板洗浄装置100において、ポンプ室160が配置されている側に、排出路170(排出口171)を設けることにより、敷板洗浄装置100全体として小型化を図っている。
【0037】
水槽部150は、洗浄部120によって敷板Pに向かって噴射された洗浄水、当該敷板Pで反射された洗浄水、及び敷板Pから除去された異物(汚れ)を、下方から受け留めて、貯留するように構成されているが、当該洗浄水を循環させやすく、また洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)を排出しやすくするために、
図2に示したように傾斜部分を含むように構成されている。これにより、特に、洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)は、水槽部150の底部に集積されやすくなっている。
【0038】
仕切板163は、水槽部150に隣接するポンプ室160の境界であって、ここでは、主に、当該仕切板163を越流した洗浄水がポンプ室160に供給されることになる。また、水槽部150は、傾斜部分を有するように構成されており、洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)が当該傾斜部分から水槽部150の底部に導かれる。仕切板163は、それらがポンプ室160に侵入することを防ぐ機能も果たしている。
【0039】
ポンプ室160には、当該ポンプ室160内においてポンプ161の手前側(水槽部150側)に仕切板164が配置されている。仕切板164は、仕切板163を越流してポンプ室160に供給された洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有している。
【0040】
図4は、本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100に用いられる仕切板164の一例を示す図である。
図4に示されるように、仕切板164は、所定の高さH(例えば、10cm~30cm程度)までの領域では、汚泥などの侵入を防ぐために遮断部164Aを設け、所定の高さH以上の領域では、洗浄水を通過させるためにメッシュ構造164Bを設けている。なお、メッシュ構造164Bによれば、洗浄水に浮遊する夾雑物(例えば、枯れ枝、枯れ葉及びゴミなどの異物)の侵入を防ぐことができる。
【0041】
例えば、水槽部150から仕切板163を越流してポンプ室160に供給された洗浄水に異物(汚れや汚泥)が含まれていたり、洗浄水によって浮遊していた夾雑物が運び込まれてきたり、ポンプ室160の上方から埃やゴミが舞い込んできたり、排出路170において搬送中の汚泥が飛び散ったり、跳ねたりしてポンプ室160に侵入する可能性も考えられる。この場合、ポンプ室160において、ポンプ161によって洗浄水を吸い込んで汲み上げる前に、仕切板164を介してこれらの異物(汚れや汚泥)及び夾雑物の侵入を防ぐことができる。
【0042】
なお、所定の高さHは、ポンプ161の吸い込み口に設置されたストレーナの位置よりも高く、つまり、メッシュ構造164Bは、ポンプ161の吸い込み口に設置されたストレーナの位置より上方位置に構成されているとよい。その結果、ポンプ161が作動することにより、ポンプ室160の底に堆積した汚泥や洗浄水に含まれる異物がメッシュ構造164Bを通過して、ポンプ161の吸い込み口に吸い込まれることを軽減させることができる。
【0043】
このように、水槽部150から仕切板163を越流してポンプ室160に供給された洗浄水は、仕切板164を介した後に、ポンプ161によって汲み上げられることになり、異物(汚れや汚泥)が軽減された洗浄水を循環させて再利用することができる。
【0044】
図3に戻り、水槽部150の底部に貯留された異物(汚れや汚泥)は、水槽部150の底部に配置された排泥装置151を動作させることにより、水槽部150から排出路170側に搬送される。水槽部150の底部に集積された異物(汚れや汚泥)は、排泥装置151(例えば、フライトコンベアなど)によってフライト152で掻き寄せられながら、排出路170を介して排出口171まで搬送されて、当該排出口171から排出される。つまり、水槽部150に貯留された洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)のうち、水槽部150の底部に堆積されるような汚泥などの比重の大きいものは、フライト152に掻き寄せられながら、フライトコンベアによって排出路170を介して排出口171に搬送されて敷板洗浄装置100から排出される。
【0045】
仕切板165は、水槽部150から排出口171までの排出路170のうちポンプ室160と隣接する領域において設置される。ここで、水槽部150の底部に貯留された異物(汚れや汚泥)は、排泥装置151によって水槽部150から排出口171まで搬送されるが、その際、仕切板165によってポンプ室160に侵入しないようにしている。
【0046】
以上のように、本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100によれば、載置部110に載置された敷板Pを搬送ローラ130によって、洗浄部120の領域を移動させながら、敷板Pの上面及び下面に向かって噴射部121から洗浄水を噴射して、当該敷板Pを洗浄する。水槽部150は、敷板Pを洗浄するために噴射された洗浄水を貯留し、ポンプ室160には、当該洗浄水が供給される。ここで、ポンプ室160内においてポンプ161の手前側(水槽部150側)に仕切板164が配置されている。仕切板164は、ポンプ室160の底から少なくとも所定の高さHを有する遮断部164Aを設けているため、ポンプ室160の底部に堆積するような異物(汚れや汚泥)のポンプ161への吸い込みを防ぐとともに、所定の高さH以上の領域では、メッシュ構造164Bを設けているため、洗浄水に浮遊する夾雑物のポンプ161側への侵入を防ぎつつ、ポンプ161に洗浄水が供給される構成となっている。そして、ポンプ161に供給される洗浄水は、汚泥や夾雑物が軽減されたものになり、ポンプ161に汲み上げられて配管162を介して洗浄部120に供給されて、敷板Pを洗浄する洗浄水として再利用される。
【0047】
その結果、敷板Pは、再利用された洗浄水で適切に洗浄することができ、洗浄水に掛かる費用の削減にも繋がる。
【0048】
また、異物が含まれる洗浄水を再利用することによって発生する、例えば、配管162などの汚れを軽減することができ、さらには、噴射部121の目詰まりの発生を抑制することもできる。
【0049】
なお、本実施形態では、仕切板164について、
図4に示されたように、所定の高さH以上の領域にメッシュ構造164Bを設けていたが、これに限定されるものではない。洗浄水に含まれる少なくとも一部の異物を遮断しつつ、当該洗浄水を通過させるフィルタ機能を有するものであれば、例えば、濾過シートのような水処理フィルタなどを用いてもよい。
【0050】
また、
図4に示された仕切板164では、中央領域にメッシュ構造164Bを設け、上部領域は遮断部164Aと同様の構成とし、仕切板164全体として強度を確保していたが、水槽部150からポンプ室160に供給される洗浄水の水位、洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)の量や種類、その他ポンプ室160に侵入する夾雑物に応じて、当該仕切板164のうち、どの領域をメッシュ構造164Bにするかを設定すればよい。
【0051】
例えば、洗浄水に浮遊する夾雑物がほとんどなかったり、仮に、夾雑物があって当該夾雑物を含む洗浄水を再利用したとしても敷板洗浄装置100に悪影響がなく、敷板Pを適切に洗浄できるのであれば、仕切板164におけるメッシュ構造164Bを設けず、越流板のような構成でもよい。所定の高さHを有する遮断部164Aのみで仕切板164を構成し、ポンプ室160の底部に堆積するような汚泥のポンプ161側への侵入を防ぎつつ、当該仕切板164を越えることにより洗浄水をポンプ161に供給するとよい。
【0052】
なお、本実施形態では、仕切板163,164,165は板形状であったが、これに限定されるものではない。洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)や夾雑物などがポンプ室160におけるポンプ161側へ侵入することを軽減できるのであれば、例えば、円柱形状、直方体形状、及び傾斜形状を含む多角柱形状などであってもよい。
【0053】
さらに、仕切板163,164,165は、着脱可能な構成であってもよい。例えば、敷板洗浄装置100を洗浄する際には、特に、ポンプ室160に異物(汚れや汚泥)が侵入して、ポンプ室160内が汚れていることが考えられる。洗浄水を循環させて再利用する上で、ポンプ室160を適切に洗浄することが好ましく、その際、仕切板163,164,165を取り外すことができれば、床に堆積した泥などを掃き出しやすく、容易に洗浄作業を行うことができ、ポンプ室160内やその周辺を適切に洗浄することができる。ポンプ室160から排出路170に泥などを掃き出せば、フライト152で掻き寄せながら、排泥装置151によって排出路170を介して排出口171まで搬送して排出することもできる。
【0054】
また、仕切板163,164,165は、着脱可能な構成であれば、仕切板163,164,165の清掃、経年劣化、不具合及び修理などの際に、容易に交換することができる。例えば、水槽部150からポンプ室160に供給される洗浄水に含まれる異物(種類、大きさ、量)に応じて、適切なフィルタ機能(例えば、メッシュ構造の位置、大きさ、範囲、形状など)を有する仕切板を容易に適用することができる。
【0055】
また、本実施形態では、 ポンプ室160に供給される洗浄水は、仕切板163を越流してポンプ室160に流入する態様であったが、これに限定されるものではなく、例えば、仕切板163の中央領域に開口部を設けて、当該開口部を通じて、水槽部150からポンプ室160に洗浄水を流入させるように構成されていてもよい。
【0056】
さらに、ポンプ室160に洗浄水を供給する態様として、排出路170側から仕切板165を介して洗浄水をポンプ室160に流入させるように構成されていてもよい。上述したように、仕切板165は、水槽部150の底部に貯留された異物(汚れや汚泥)を水槽部150から排出口171まで搬送される際に、当該異物がポンプ室160に侵入しないために設けられている。すなわち、仕切板165は、少なくとも、排泥装置151によって搬送されている異物が占める領域において設けられている必要があり、例えば、掻き寄せフライト152が到達する高さ位置であるとよく、仕切板165を越流することにより、排出路170側から洗浄水をポンプ室160に流入させるように構成されているとよい。
【0057】
また、仕切板165は、
図4に示された仕切板164のような構成であってもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る敷板洗浄装置100に用いられる仕切板165の一例を示す図である。
図5に示されるように、仕切板165は、水槽部150の底部に堆積するような汚泥などの侵入を防ぐために、ポンプ室160の底から少なくとも所定の高さを有する遮断部を設けるとともに、当該所定の高さ以上の領域においては、排出路170側からの洗浄水を通過させるように構成されている。なお、所定の高さは、上記のように掻き寄せフライト152が到達する高さ位置であるとよい。
【0058】
このように、仕切板165を越流又は通過させることにより、排出路170側から洗浄水をポンプ室160に流入させる構成であれば、例えば、ポンプ室160に洗浄水を早急に供給したい場合などに効果的である。ポンプ室160における洗浄水の貯水量、ポンプ161の稼働状況、及び早急度などの様々な状況に応じて、仕切板165について洗浄水を越流又は通過させるフィルタ機能の有無を切り替え可能な構成にするとよい。
【0059】
さらに、仕切板165を越流又は通過させることにより、排出路170側から洗浄水をポンプ室160に流入させる構成を用いた場合、仕切板163側からは洗浄水が供給されないようにしてもよい。ポンプ室160のうち仕切板163は、水槽部150に隣接しているため、仕切板163側から洗浄水を供給しようとすると、当該洗浄水には、多くの異物が含まれている可能性がある。このような場合、仕切板163によって水槽部150からの洗浄水を遮断し、洗浄水に含まれる異物(汚れや汚泥)を水槽部150の底に一旦堆積させてから、排出路170側から、仕切板165を越流又は通過させることにより、洗浄水をポンプ室160に流入させるようにするとよい。
【0060】
また、本実施形態では、
図1及び
図3に示されたように、排出口171は、水槽部150の底よりも高い位置に配置していたが、これは、上方に傾斜した排出路170を通じて汚泥を搬送していく過程で、当該汚泥に含まれる水分を下方(水槽部150の底)側に除去する効果を図っているためである。汚泥に含まれる水分を除去する手段としては、これに限定されるものではなく、例えば、送風機などの乾燥手段を備えてもよいし、汚泥に含まれる水分を分離するためのフィルタ機能を有するその他の手段を用いてもよい。
【0061】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。各実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
100…敷板洗浄装置、110…載置部、120…洗浄部、121…噴射部、130…搬送部(搬送ローラ)、140…補助ローラ、150…水槽部、151…排泥装置、152…フライト、160…ポンプ室、161…ポンプ、162…配管、163,164,165…仕切板、164A…遮断部、164B…メッシュ構造、170…排出路、171…排出口、P…敷板