(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141697
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A63F7/02 304Z
A63F7/02 334
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053486
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】番沢 将久
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC30
2C088BC47
2C088BC67
2C088BC68
2C088CA28
(57)【要約】
【課題】報知途中で電源が遮断されても、復電時に報知を再開することができることを目的とする。
【解決手段】報知手段を制御する報知制御手段を備える遊技機では、報知制御手段は、所定の入力があると、所定期間、報知手段による報知をおこない、報知を開始してから所定期間に達する前に、遊技機の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に報知を再開することができるようになっている。所定の入力とは、ラムクリアが実行されたときに出力される信号である。所定の入力とは、異常が検出されるときに出力される信号である。報知制御手段は、復電後に報知を開始すると、所定期間、報知をおこなうことができるようになっている。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知手段を制御する報知制御手段を備える遊技機であって、
前記報知制御手段は、
所定の入力があると、所定期間、前記報知手段による報知をおこない、
前記報知を開始してから前記所定期間に達する前に、前記遊技機の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に前記報知を再開する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記所定の入力とは、ラムクリアが実行されたときに出力される信号である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機であって、
前記所定の入力とは、異常が検出されるときに出力される信号である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技機であって、
前記報知制御手段は、前記復電後に前記報知を開始すると、前記所定期間、前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項3に記載の遊技機であって、
前記報知制御手段は、前記復電後に前記報知を再開すると、前記遊技機の電源が遮断される前に前記報知をおこなった時間と、前記復電後に前記報知をおこなう時間と、の合計が前記所定期間になるように前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の遊技機は、電源が遮断されても記憶内容をバックアップ情報として保持して前記ラムクリアにより前記バックアップ情報がクリアされるバックアップ記憶手段を備え、
前記バックアップ記憶手段には、前記所定時間と対応するタイマ値が記憶され、
前記報知制御手段は、復電後に、前記タイマ値に基づいて前記所定期間に達していない場合、前記報知を継続する報知継続コマンドが入力されて前記報知を開始する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば復電時にRAM(ラム)の記憶内容をクリアし、クリア操作に応じた報知をおこなう遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような遊技機では、報知途中で電源が遮断され、その後、復電すると、再び報知が開始されないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、報知途中で電源が遮断されても、復電後に報知を再開することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
報知手段を制御する報知制御手段を備える遊技機であって、
前記報知制御手段は、
所定の入力があると、所定期間、前記報知手段による報知をおこない、
前記報知を開始してから前記所定期間に達する前に、前記遊技機の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に前記報知を再開する、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例2]
適用例1に記載の遊技機であって、
前記所定の入力とは、ラムクリアが実行されたときに出力される信号である、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例3]
適用例2に記載の遊技機であって、
前記所定の入力とは、異常が検出されるときに出力される信号である、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例4]
適用例3に記載の遊技機であって、
前記報知制御手段は、前記復電後に前記報知を開始すると、前記所定期間、前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例5]
適用例3に記載の遊技機であって、
前記報知制御手段は、前記復電後に前記報知を再開すると、前記遊技機の電源が遮断される前に前記報知をおこなった時間と、前記復電後に前記報知をおこなう時間と、の合計が前記所定期間になるように前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
[適用例6]
適用例4または適用例5に記載の遊技機は、電源が遮断されても記憶内容をバックアップ情報として保持して前記ラムクリアにより前記バックアップ情報がクリアされるバックアップ記憶手段を備え、
前記バックアップ記憶手段には、前記所定時間と対応するタイマ値が記憶され、
前記報知制御手段は、復電後に、前記タイマ値に基づいて前記所定期間に達していない場合、前記報知を継続する報知継続コマンドが入力されて前記報知を開始する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、報知途中で電源が遮断されても、復電後に報知を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】センサ・ソレノイドを説明するための図である。
【
図4】サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】遊技制御用マイコンおよび演出制御用マイコンの記憶領域を説明するための図である。
【
図8】非時短状態時の変動パターン判定テーブルの説明図である。
【
図9】時短状態時の変動パターン判定テーブルの説明図である。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図12】
図11の電源投入時処理のつづきのフローチャートである。
【
図13】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図15】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図17】特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。
【
図18】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図19】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図20】特別電動役物処理(大当たり)のフローチャートである。
【
図21】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図22】叩きゴト監視処理のフローチャートである。
【
図23】磁石ゴト監視処理のフローチャートである。
【
図25】報知タイマ値減算処理のフローチャートである。
【
図26】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図27】サブ側第1タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図28】サブ側第2タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図29】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図30】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図32】RAMクリアの報知を説明するための図である。
【
図33】(A)叩きゴトの報知を説明するための図であり、(B)磁石ゴトの報知を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1は、本発明の一実施形態としての遊技機1の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
【0011】
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。
【0012】
遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている。遊技機枠50は、前枠(前枠部)53のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。
【0013】
前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、シリンダ錠64と、枠ランプ66と、スピーカ67と、セレクトボタン68と、枠可動体600とを備えている。前枠53の中央には開口部が形成されており、開口部を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。この開口部52には、ガラスユニットが嵌め込まれている。
【0014】
ガラスユニットは、前後方向に所定距離寸法だけ離間して2枚の無色透明なガラス(前方ガラス、後方ガラス)が配置されユニット化されている。ガラスユニットは、2枚の無色透明なガラス(前方ガラス、後方ガラス)で挟持されることで内部空間が形成されている。ガラスユニットは、前枠53の後方から着脱することができるようになっている。なお、ガラスユニットには内部空間の湿気を取るための乾燥剤が収容される図示しない収容部も設けられ、湿気によりガラスが曇ることを防止することができるようになっている。
【0015】
ハンドル60は、前枠53の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。打球供給皿(上皿)61は、前枠53の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿)62は、打球供給皿(上皿)61の下方に配置され、打球供給皿(上皿)61に収容しきれない遊技球を貯留する。
【0016】
演出ボタン63は、打球供給皿(上皿)61の近傍に配置された操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。
【0017】
シリンダ錠64は、前枠53の右下側におけるハンドル60の右上方に配置され、シリンダ錠64の鍵穴64aに鍵を挿入して、鍵を通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)から時計回りの方向へ90度回転させて前枠53を内枠から開放する状態(鍵穴64aを時計方向へ90度回転させ、鍵穴64aが横長の矩形形状に配置された状態)とすることができるのに対して、鍵を通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)から反時計回りの方向へ90度回転させて前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態(鍵穴64aを反時計方向へ90度回転させ、鍵穴64aが横長の矩形形状に配置された状態)とすることができる。
【0018】
前枠53を内枠から開放する状態では、遊技盤2の前面が前枠53から開放されるため、遊技ホールの店員等の係員は、例えば、遊技領域3を流下する複数の遊技球が遊技釘で詰まっている状態(いわゆる「ブドウ」)を除去したりなど、することができる。前枠53を内枠へ向かって閉鎖することで、通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)へ戻し、施錠完了する。
【0019】
前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態では、遊技盤2の後面側が開放されるとともに、電源基板116、払出制御基板110が現れるため、遊技ホールの店員等の係員は、電源基板116のRAMクリアスイッチ117(
図5)のON操作、電源基板116の電源スイッチ118(
図5)のON操作またはOFF操作をおこなうことができる。前枠53を内枠と共に外枠へ向かって閉鎖することで通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)へ戻し、施錠完了する。RAMクリアスイッチ117は、タクトスイッチであり、ON操作されたときだけONした状態となり、ON操作されない場合は、OFFした状態が維持されるものである。電源スイッチ118はトグルスイッチであり、ON操作されるとONした状態が維持され、OFF操作されると、OFFした状態が維持されるものである。
【0020】
このように、RAMクリアスイッチ117(
図5)および電源スイッチ118(
図5)を操作するためには、シリンダ錠64の鍵穴64aに鍵を挿入して、鍵を通常状態から反時計回りの方向へ回転させて前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態としなければならないようになっている。なお、鍵穴64aに挿入される鍵は、正規な鍵でなければ、前枠53を内枠から開放することができないし、前枠53を内枠と共に外枠から開放することができない。
【0021】
枠ランプ66は、前枠53の開口部周辺に配置され、遊技中などに発光演出をおこなう。スピーカ67は、前枠53の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出をおこなう。セレクトボタン68は、いわゆる十字キーとなっており、左ボタン、右ボタン、上ボタン、および、下ボタンから構成され、各種入力を可能にする。枠可動体600は、前枠53の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。枠可動体600は、前枠53の内部に格納されている格納状態から、前枠53の上方に突出する露出状態に変位可能に構成されている。
【0022】
なお、前枠(前枠部)53の開口部の右方であって前枠(前枠部)53の右前面部には、さらに、剣部材、剣ボタンを備えていてもよい。剣部材は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が下方向に押し込むことができる。剣ボタンは、剣部材の上端部分、すなわち、剣の柄の端部に設けられた操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。剣部材は、剣部材全体を下方に押し込む第1の操作と、先端の剣ボタンを押圧する第2の操作の異なる2つの操作を実行可能に構成されている。
【0023】
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、固定入賞装置(ヘソ)19と、普通可変入賞装置(電チュー)22と、ゲート(スルーチャッカー)28と、第1大入賞装置(第1アタッカー)31と、第2大入賞装置(第2アタッカー)36と、一般入賞口27(普通入賞口27)と、アウト口16と、表示器40と、を備えている。
【0024】
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
【0025】
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが変動表示される演出図柄表示領域と、保留画像9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。保留画像9A、9Bは、保留を表す画像であり、保留アイコン9A,9Bとも呼ぶ。保留消化画像9Cは、当該変動に対応する画像であり、当該変動画像9C、または、当該変動アイコン9C若しくは変動アイコン9Cとも呼ぶ。なお、保留消化画像9Cは、当該変動に対応する画像であり、保留を示すものではないが、保留画像9A、9Bと保留消化画像9Cとを合わせて、便宜上、保留画像とも呼ぶ。
【0026】
演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄(左装飾図柄)8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄(中装飾図柄)8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄(右装飾図柄)8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、例えば「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8L、8C、8Rの変動表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。なお、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」と呼ぶ。
【0027】
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を画像表示装置7によって把握することができる。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様であってもよいしそれ以外の態様であってもよい。各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは上記に限定されず任意に設定することができる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄の変動演出」、「装飾図柄の変動演出」または、単に「変動演出」とも呼ぶ。なお、この演出図柄の変動演出は、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間(特別図柄変動期間とも呼ぶ)における演出を1回の変動演出としてカウントする。従って、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間に、装飾図柄を仮停止させる場合があったとしても、当該仮停止の演出は、装飾図柄の変動演出に含まれる。
【0028】
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示してもよい。なお、識別表示(第四図柄)は、遊技領域3に設けられたLEDなどの発光器によって表示させてもよい。
【0029】
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像9A、9Bの表示によって、第1特図保留の記憶数と、第2特図保留の記憶数とを、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する保留消化表示エリアを含んでいる。保留消化画像9Cは、表示画面7aで現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応しており、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留または第2特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0030】
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。
センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。
【0031】
固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
【0032】
普通可変入賞装置(電チュー)22は、遊技領域3における第1始動口20の下方に配置され、第2始動口21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、第2始動口21の前方に可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図3)によって駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態のときの方が閉状態のときよりも第2始動口21への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口21への入球が可能であってもよい。
【0033】
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における第1大入賞装置(第1アタッカー)31の上方に配置されており、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28の遊技球の通過は、普通図柄乱数の取得および当たり判定等の契機となっている。
【0034】
ここで、「特別図柄の抽選(特図抽選)」とは、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この「大当たり」の抽選結果(特図抽選結果)は即座に遊技者に報知されるわけではなく、表示器40で特別図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果(特図抽選結果)に対応する特別図柄が停止表示(確定表示)され、遊技者に抽選結果(特図抽選結果)が報知される。画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームによって、より効果的に大当りの抽選結果(特図抽選結果)、つまり大当たり(当たり)またはハズレが遊技者に報知される。特別図柄の変動表示が開始されることで特図変動中となる。
【0035】
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、表示器40において普通図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する普通図柄が確定表示(点灯または消灯)され、遊技者に抽選結果が報知される。
【0036】
第1大入賞装置(第1アタッカー)31は、遊技領域3における第1始動口20の右上方に配置され、第1大入賞口30と、V領域39と、非V領域70と、V開閉部材71とを備えている。第1大入賞口30は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを許容または阻害する開閉部材32を備えている。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図3)によって駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のときに遊技球が入球可能となる。
【0037】
第1大入賞装置31は内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39a(
図3)と、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70a(
図3)と、第1大入賞口センサ30a(
図3)と、V開閉部材71と、V開閉部材ソレノイド73(
図3)と、を備えている。
【0038】
V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、第1大入賞装置31の内部において、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第1大入賞口センサ30aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。
【0039】
V開閉部材71は、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から反時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、例えば、遊技盤2に対して前後方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。
【0040】
本実施形態の第1大入賞装置31は、さらに、第1大入賞装置31から排出される遊技球数を計数する第1大入賞装置排出センサ31a(
図3)を備えている。第1大入賞装置排出センサ31aは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球数を計数する。
【0041】
第2大入賞装置(第2アタッカー)36は、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方に配置され、第2大入賞口35を備えている。第2大入賞口35は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材37を備えている。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図3)によって駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。第2大入賞口35への入賞は、第2大入賞口センサ35aにて検知される。本実施形態の第2大入賞装置36は、さらに、第2大入賞装置36から排出される遊技球数を計数する第2大入賞装置排出センサ36a(
図3)を備えている。
【0042】
一般入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。
【0043】
固定入賞装置(ヘソ)19の右下方の遊技領域3と対応する遊技盤2の裏面側には、不正行為をおこなう遊技者(不正行為者)が遊技機1を叩いて遊技領域3を流下する遊技球の方向に変化を加える行為(いわゆる、「叩きゴト」)による異常な振動を検出する振動センサ25が配置されている。また、一般入賞口27と第1始動口20との間の遊技領域3と対応する遊技盤2の裏面側には、不正行為をおこなう遊技者(不正行為者)が磁石を近づけて遊技領域3を流下する遊技球の方向に変化を加える行為(いわゆる、「磁石ゴト」)による異常な磁気を検出する磁気センサ26が配置されている。叩きゴト、磁石ゴトは、遊技機への不正行為であるため、遊技機が正常ではない状態(「遊技機の異常の発生」)となる。
【0044】
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28の通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および、第2大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
【0045】
遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域84e(
図5)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口20への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域(
図5)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域(
図5)に記憶される。各々の特図保留記憶領域84eに記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値は、第1特図保留記憶領域、第2特図保留記憶領域ともにそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域84eに記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。
【0046】
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数の値は、普図保留記憶領域84f(
図5)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域84fに記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域84fに記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。
【0047】
2.遊技機の電気的構成
図2~
図4に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。
図2は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図4は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80(
図2)と、サブ制御基板90(
図4)と、画像制御基板100(
図4)と、ランプ制御基板107(
図4)と、音声制御基板106(
図4)と、払出制御基板110(
図2)と、電源基板116(
図2)と、を備えている。
【0048】
主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
【0049】
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、を備えている。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
【0050】
主制御基板80には、入出力回路87を介してセンサ・ソレノイド44が接続されている。センサ・ソレノイド44は、各種のセンサ、ソレノイドの総称である。センサ類としては、
図3に示すように、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、普通入賞口センサ27a、第1大入賞装置排出センサ31a、第2大入賞装置排出センサ36a、振動センサ25、磁気センサ26が例示される。
【0051】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30の内部に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の内部に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、V領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。第1大入賞装置排出センサ31aは、第1大入賞装置31から排出される遊技球を検出する。第2大入賞装置排出センサ36aは、第2大入賞装置36から排出される遊技球を検出する。振動センサ25は、叩きゴトによる異常な振動を検出する。磁気センサ26は、磁石ゴトによる異常な磁気を検出する。
【0052】
ソレノイド類としては、
図3に示すように、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、V開閉部材ソレノイド73が例示される。
電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。
【0053】
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、表示器40の表示制御をおこなう。
主制御基板80には、入出力回路87を介して外部端子板72が接続されている。主制御基板80は、外部端子板72に対し、賞球情報、扉または枠の開放情報、第1特別図柄または第2特別図柄の変動回数、第1始動口20、第2始動口21への遊技球の入賞、大当たり中であるか否か、および、セキュリティー信号などを出力する。
【0054】
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。
払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、が接続されている。
【0055】
主制御基板80には、入出力回路87を介して電源基板116が接続されている。主制御基板80は、電源基板116から供給される電源により動作し、他の基板に対しても電源を分配する(不図示)。また、電源基板116を介して発射装置112が接続されている。電源基板116には、遊技機1の電源を投入して各種基板に電源を供給するための電源スイッチ118と、主制御基板80の遊技制御用マイコン81のメインRAM84(
図5)の内容(バックアップ情報)をクリアするためのRAMクリアスイッチ117と、が設けられている。電源スイッチ118をON操作することで遊技機1の電源投入をおこなうことができ、電源スイッチ118をOFF操作することで遊技機1の電源遮断をおこなうことができる。また、電源基板116には、遊技機1への電源が遮断される徴候を監視する図示しない電源遮断監視回路が設けられている。この電源遮断監視回路は、遊技機1の電源が遮断される徴候があるときには電源断信号を主制御基板80へ出力する。主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図5)は、電源断信号が入力されると、主制御基板80の遊技制御用マイコン81のメインRAM84(
図5)へのアクセスを禁止する。これにより、主制御基板80の遊技制御用マイコン81のメインRAM84(
図5)の内容(バックアップ情報)が保持されることとなる。なお、電源遮断監視回路は、電源基板116で作成する各種電源電圧のうち特定電源(例えば、直流電源24V)の電圧低下を監視して、しきい値より低下した場合に、遊技機1の電源が遮断される徴候があるとして、電源断信号を出力する。
【0056】
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90(
図4)が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0057】
サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、中継基板108と、が接続されている。
【0058】
画像制御基板100は、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう図示しないワンチップマイコンである画像制御用マイコンが実装されている。画像制御基板100の画像制御用マイコンには、CPUのほかに、ROMも内蔵されている。画像制御用マイコンのROMには、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。また、画像制御用マイコンには、画像データを展開するためのメモリとして使用されるRAMも内蔵されている。画像制御用マイコンのCPUは、画像制御用マイコンのROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0059】
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。
【0060】
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5などのランプの発光を制御する。
【0061】
中継基板108には、演出ボタン63と、セレクトボタン68と、枠可動体600と、が接続されている。演出ボタン63は、遊技者によって押圧(押下)操作されると、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号を出力する。また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づき、演出ボタン63を動作させる。演出ボタン63は、押圧操作可能であるだけでなく、ボタン本体部の上面部分がわずかに突出する通常位置(埋没位置)と、ボタン本体部の大部分が突出する突出位置とに位置変化可能となっている。つまり、演出の一つとして演出ボタン63がせり上がるようになっている。セレクトボタン68は、遊技者によって押圧(押下)されると、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号を出力する。
【0062】
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠可動体600を動作させる。枠可動体600は、前枠53(
図1)の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。演出制御用マイコン91は、枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、中継基板108には、前枠53に設けられ、人体が接触すると検出信号を出力するタッチセンサなどが接続されていてもよい。
【0063】
3.遊技機のデータ構成
図5に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。
図5(A)は、遊技制御用マイコン81のメインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図5(B)は、遊技制御用マイコン81のメインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。
図5(C)は、演出制御用マイコン91のサブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図5(D)は、演出制御用マイコン91のサブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
【0064】
メインROM83(
図5(A))には、テーブル記憶領域83aが設けられている。このテーブル記憶領域83aには、当たり判定テーブル、リーチ判定テーブル、普通図柄当たり判定テーブル、普通図柄変動パターン判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、変動パターン判定テーブル、電チュー開放パターン判定テーブル、大入賞口開放パターン判定テーブルなど、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。
【0065】
メインRAM84(
図5(B))には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特別動作ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域84eと、普図保留記憶領域84fと、異常報知時間情報記憶領域84gと、が設けられている。
【0066】
コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンドなどがセットされる。
【0067】
フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、小当たりフラグ、時短フラグ、天井フラグなどがセットされる。
【0068】
カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、ラウンドカウンタ、時短カウンタ、ゲーム数カウンタ、天井カウンタなどがセットされる。
【0069】
特別動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理におけるステータスがセットされる領域である。
【0070】
特図保留記憶領域84eは、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域と、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域とを含んでいる。第1特図保留記憶領域には、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する特別図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域には、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。
【0071】
普図保留記憶領域84fは、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(当たり乱数)等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。
【0072】
異常報知時間情報記憶領域84gは、遊技機1の電源投入時に、RAMクリアスイッチ117がON、かつ、電源スイッチ118がONであるときには、メインRAM84に記憶される内容をクリアしたことを報知するためのクリア報知時間のタイマ値であるRAMクリア報知タイマ値、叩きゴトによる異常な振動を検出したことを報知するための叩きゴト報知時間のタイマ値である叩きゴト報知タイマ値、磁石ゴトによる異常な磁気を検出したことを報知するための磁石ゴト報知時間のタイマ値である磁石ゴト報知タイマ値などがセットされる。
【0073】
なお、メインRAM84は、図示しないバックアップ電源によりバックアップされており、遊技機1の電源が遮断されると、その記憶内容を保持し続けることができるようになっているため、メインRAM84に記憶される内容は、遊技機1の電源が遮断されことにより喪失されることがない。
【0074】
サブROM93(
図5(C))には、テーブル記憶領域93aが設けられている。テーブル記憶領域93aには、先読み演出パターン決定テーブル、基幹演出パターン決定テーブル、チャンスアップ演出パターン決定テーブル、報知態様テーブルなど、が格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。
【0075】
なお、本実施形態では、リーチとして、スーパーリーチ(SPリーチ)とノーマルリーチとがある。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出であり、当たり期待度がノーマルリーチと比べて予め高く設定されている。このため、遊技者は、ノーマルリーチと比べて、スーパーリーチ(SPリーチ)への関心が高い。
【0076】
サブRAM94(
図5(D))には、コマンド記憶領域94aと、演出コマンドセット領域94bと、カウンタセット領域94cと、フラグセット領域94dと、スイッチ情報記憶領域94eと、が設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンドなどが格納される。演出コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、変動終了前コマンド、変動演出終了コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンドなどがセットされる。カウンタセット領域94cは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、普図保留演出カウンタ、時短演出カウンタ、ゲーム数カウンタなどがセットされる。
【0077】
フラグセット領域94dは、演出に関する各種フラグがセットされる領域、つまりサブ制御メイン処理(後述)において使用されるフラグが設定される領域である。スイッチ情報記憶領域94eには、サブ制御メイン処理(後述)において、演出ボタン63やセレクトボタン68からの検知信号に基づいて作成されるスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)がセットされる。
【0078】
サブRAM94(
図5(D))には、これらの各種領域94a~94eのほかに、事前判定情報が記憶される図示しない事前判定情報記憶領域が設けられている。事前判定情報記憶領域には、主制御基板80から受信した事前判定コマンドに含まれる、大当たり事前判定結果(大当たり判定情報)、大当たり種別事前判定結果(大当たり種別情報)、および、変動パターン事前判定結果(変動パターン情報)に加えて、さらに先読み演出パターン情報などが記憶される。先読み演出パターン情報とは、変動演出中に実行される先読み演出の内容を示す情報である。事前判定情報記憶領域には、特
図1保留の1個目~4個目に対応する第1~4格納領域と、特
図2保留の1個目~4個目に対応する第1~4格納領域と、第1特図保留の第1格納領域または第2特図保留の第1格納領域から当該変動と対応する事前判定情報がシフトされる当該変動と、がある。
【0079】
なお、サブRAM94は、図示しないバックアップ電源によりバックアップされず、遊技機1の電源が遮断されると、その記憶内容を保持し続けることができないため、サブRAM94に記憶される内容は、遊技機1の電源が遮断されことにより喪失されることとなる。
【0080】
ここで遊技機1において遊技制御用マイコン81が取得する各種乱数について説明する。
遊技制御用マイコン81は、「当たり乱数」と、「大当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄乱数」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。
「当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選(大当たり判定)に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。
「大当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。
「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。
【0081】
「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。
「普通図柄乱数」は、電チュー22を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0~255までの範囲の値をとる。
「当たり乱数」、「大当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域に記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域に記憶される。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域84fに記憶される。
【0082】
次に遊技機1において演出制御用マイコン91が取得する各種乱数について説明する。各種乱数は、それぞれ対応するサブRAM94のカウンタセット領域94cにセットされる乱数カウンタにより更新される。
演出制御用マイコン91は、「先読み演出乱数」と、「チャンスアップ乱数」と、を取得するように構成されている。
【0083】
「先読み演出乱数」は、カウンタセット領域94cにセットされる先読み演出カウンタの値として取得され、変動演出時の先読み演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「先読み演出乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に事前判定コマンドが出力されたことに基づいて取得される。
【0084】
「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「チャンスアップ乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。
【0085】
4.各種テーブルの説明
図6は、当たり判定テーブルを説明するための図である。
当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した当たり乱数値(0~65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか、「小当たり」に該当するか、「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
【0086】
第1特別図柄(特
図1)において、当たり乱数値が「0~409」の場合には、「大当たり」と判定され、当たり乱数値が「410~609の数値」の場合には、「ハズレ(突然時短)」と判定され、当たり乱数値が「610~65535の数値」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
【0087】
第2特別図柄(特
図2)において、当たり乱数値が「0~409」の場合には「大当たり」と判定され、当たり乱数値が「410~9000」の場合には「小当たり」と判定され、当たり乱数値が「9001~65535の数値」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
【0088】
リーチ判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0~127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。リーチ判定テーブルにおけるリーチ判定は、遊技機1の遊技状態に基づいておこなわれる。本実施形態では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0~13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~13以外の数値(14~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定される。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0~5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~5以外の数値(6~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定される。
【0089】
普通図柄当たり判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0~255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。普通図柄当たり判定テーブルにおける判定は、遊技機1の遊技状態に基づいておこなわれる。本実施形態では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~2以外の数値(3~255)」の場合には、「ハズレ」と判定される。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定される。
【0090】
普通図柄変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。本実施形態では「非時短状態」のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、「時短状態」のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定される。
【0091】
図7は、大当たり種別判定テーブルを説明するための図である。大当たり種別判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」を判定するために参照されるテーブルである。
【0092】
第1特別図柄(特
図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0~10」である場合には「10R一種大当たり(時短10回)」と判定され、「11~75」である場合には「4R一種大当たり(時短10回)」と判定され、大当たり種別乱数値が「76~127」である場合には「4R一種大当たり(時短なし)」と判定される。このように、第1特別図柄(特
図1)の抽選において当選したときにおける大当たりの種別の振分率は、「10R一種大当たり(時短10回)」が11/128(約8.6%)、「4R一種大当たり(時短10回)」が65/128(約50.8%)、「4R一種大当たり(時短なし)」が52/128(約40.6%)となっている。
【0093】
第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選したとき、一種大当たりである場合は「10R一種大当たり(時短10回)」と判定される。二種大当たりである場合、大当たり種別乱数値が「0~37」の場合には「10R二種大当たり(時短10回)」と判定され、大当たり種別乱数値が「38~75」の場合には「4R二種大当たり(時短10回)」と判定され、大当たり種別乱数値が「76~127」の場合には「2R二種大当たり(時短なし)」と判定される。このように、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選したときにおける大当たりの種別の振分率は、「10R二種大当たり(時短10回)」が38/128(約29.7%)、「4R二種大当たり(時短10回)」が38/128(約29.7%)、「2R二種大当たり(時短なし)」が52/128(約40.6%)となっている。
【0094】
なお、「一種大当たり」とは、当たり判定処理において、大当たりと判定される大当たりであり、「二種大当たり」とは、当たり判定処理において、小当たりと判定された後に、発射した遊技球が第1大入賞装置31内部のV領域39を通過することで大当たりとなる大当たりである。
【0095】
図8は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルを説明するための図である。
図9は、時短状態時の変動パターン判定テーブルを説明するための図である。変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0~127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。
【0096】
非時短状態において第1始動口20に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1~2」であり、変動パターン乱数値が「0~59」の場合には、変動パターンが「P4」と判定されることが示されている。
【0097】
時短状態において第2始動口21に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ無し」と判定され、保留球数が「3~4」の場合には、変動パターンが「P53」と判定されることが示されている。
【0098】
ここで特に、非時短状態において第1始動口20に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「101~127」の場合には、変動パターンが「P3」として判定される。また、非時短状態において第1始動口に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ(突然時短)」と判定された場合には、変動パターンが「P13」として判定される。さらにまた、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ有り」と判定され、保留球数が「3~4」であり、変動パターン乱数値が「115~127」の場合には、変動パターンが「P10」として判定される。変動パターンP3、P10、P13の場合、基幹演出パターンとして「SP3」が選択される。
【0099】
また、時短状態(c時短状態)において第2始動口21に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「小当たり」と判定された場合には、変動パターンが「P54」と判定される。時短状態(c時短状態)において第2始動口に入賞し、当たり判定テーブルにおいて「ハズレ」と判定された場合には、変動パターンが「P55」と判定される。変動パターンP54、P55の場合、基幹演出パターンとして「SP4」が選択される。
【0100】
図8、
図9に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、4種類のスーパーリーチ(SP1、SP2、SP3、SP4)が設定されている。SP1~4は、ノーマルリーチを経て発展的に実行され、味方キャラクタと敵キャラクタとが争うバトル演出となっている。
【0101】
電チュー開放パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。本実施形態では、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、「時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定され、「c時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン13」と判定される。開放パターン11では、開放回数1回、開放時間0.2秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、1回あたりの開放時間2.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン13では、開放回数が1回、1回あたりの開放時間5.0秒の電チュー22の開放をおこなう。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。特に開放パターン13では、1個の遊技球の入賞があった場合に閉鎖される。
【0102】
大入賞口開放パターン判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
【0103】
「4R一種大当たり」の場合、1~4R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35のロング開放をおこなう。
「10R一種大当たり」の場合、1~10R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35のロング開放をおこなう。
「10R二種大当たり」の場合、1R目において開放回数5回、開放時間0.3秒の第1大入賞口30の開放をおこない、2~10R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35のロング開放をおこなう。
「2R二種大当たり」の場合、1R目において、開放回数1回、開放時間0.3秒の第1大入賞口30の開放をおこない、2R目において、開放回数1回、開放時間1.8秒の第2大入賞口35のショート開放をおこなう。
ただし、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0104】
5.大当たり等の説明
遊技機1では、大当たりに、一種大当たりと、二種大当たりとがある。一種大当たりは、取得した当たり乱数値が「大当たり」に該当する場合である。一方、二種大当たりは、取得した当たり乱数値が「小当たり」に該当し、その後、遊技球が第1大入賞装置31内のV領域39を通過することで大当たりになる場合である。
【0105】
なお、大当たりになると、「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
【0106】
6.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、表示器40に表示する特別図柄に対して、「変動時間短縮制御」を実行可能である。遊技制御用マイコン81が表示器40の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を「非時短状態(通常状態)」という。時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブル(
図8、
図9)を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。これにより、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0107】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、特別図柄に対する変動時間短縮制御に並行して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。
【0108】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄乱数値(当たり乱数値)の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、表示器40による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。
【0109】
時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放回数増加制御を実行している。
【0110】
遊技制御用マイコン81が、表示器40の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー22に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0111】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、表示器40の普通図柄に対する確率変動制御、表示器40の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー22に対する開放時間延長制御、および、電チュー22に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0112】
高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御によって、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。
【0113】
一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0114】
7.遊技制御用マイコン81の動作
以下、主制御基板80(
図2)に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。
【0115】
[主制御メイン処理]
図10は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、電源投入時処理をおこなう(ステップS001)。電源投入時処理は、電源投入後(復電後)に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。電源投入時処理については後述する。
【0116】
電源投入時処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、種々の乱数カウンタ値(当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普通図柄乱数値)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0117】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば、4ミリ秒(ms)周期)で繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4ミリ秒(msec)周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
【0118】
[電源投入時処理]
図11は、電源投入時処理(
図10:ステップS001)のフローチャートであり、
図12は、
図11の電源投入時処理のつづきのフローチャートである。
図11に示すように、電源投入時処理が開始されると、遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84へのアクセスの許可設定をおこなう(ステップS010)。これにより、メインRAM84への情報の書き込みや読み出しをおこなうことができるようになる。
【0119】
ステップS010に続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ117がONであるか否かの判定をおこなう(ステップS011)。この判定では、電源スイッチ118をON操作して遊技機1の電源投入がおこなわれると、電源投入してから短い時間で本処理である電源投入時処理がおこなわれるため、実際には、遊技ホールの店員等の係員が、RAMクリアスイッチ117をON操作してON状態としたまま、電源スイッチ118をON操作したか否かの判定をおこなっている。
【0120】
遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ117がONでないとき(つまり、遊技ホールの店員等の係員が、RAMクリアスイッチ117をON操作せずに、電源スイッチ118をON操作したとき)(ステップS011:NO)、電源断フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS012)。電源断フラグは、遊技機1への電源遮断の発生を示すフラグであり、後述するメイン側タイマ割り込み処理の一処理としておこなわれる電源断監視処理においてONにされるフラグである。電源断フラグがONであるときには、正常に電源が遮断されたことを示し、電源フラグがOFFであるときには、正常に電源が遮断されていない可能性があることを示す。
【0121】
遊技制御用マイコン81は、電源断フラグがONであるとき(ステップS012:YES)、メインRAM84のチェックサムを算出し(ステップS013)、この算出したチェックサムの値と、後述するメイン側タイマ割り込み処理の一処理としておこなわれる電源断監視処理において算出して格納(記憶)してたメインRAM84のチェックサムの値と、が一致するか否かの判定をおこなう(ステップS014)。
【0122】
遊技制御用マイコン81は、メインRAM84のチェックサムの値が一致しているとき(ステップS014:YES)、メインRAM84の作業領域を復電時に設定する(ステップS015)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、メインROM83から復電時情報を読み出してメインRAM84の作業領域にセットする。これにより、バックアップ情報に基づいて起動することとなる。
【0123】
続いて、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFにセットし(ステップS016)、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)であるか否かの判定をおこなう(ステップS017)。RAMクリア報知タイマ値は、後述するように、メインRAM84がクリアされると、報知時間(30秒)がセットされるものである。その後、RAMクリア報知コマンドがサブ制御基板90へ送信される。サブ制御基板90は、RAMクリア報知コマンドを受信することで、後述するように、遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とするRAMクリア報知処理を開始することとなる。RAMクリア報知コマンドは、RAMクリア(ラムクリア)が実行されたときに出力される信号である。
【0124】
RAMクリア報知タイマ値は、電源遮断においてバックアップされる情報(バックアップ情報)であり、後述するメイン側タイマ割り込み処理における報知タイマ値減算処理において減算される。RAMクリア報知タイマ値は、メインRAM84がクリアされて報知時間(30秒)がセットされ、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれ、再び遊技機1への電源投入がおこなわれると、値0(ゼロ)とならず、減算されていない残りの時間があることとなる。RAMクリア報知タイマ値は、メインRAM84がクリアされて報知時間(30秒)がセットされ、例えば10秒経過時に、遊技機1への電源遮断がおこなわれ、再び遊技機1への電源投入がおこなわれると、値0(ゼロ)とならず、減算されていない残りの時間が20秒あることとなる。言い換えると、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれることで、後述するRAMクリア報知処理が中断(RAMクリア報知態様の状態が中断)されることとなる。
【0125】
遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)でないとき(ステップS017:NO)、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれることで、後述するRAMクリア報知処理が中断(RAMクリア報知態様の状態が中断)されたとして、RAMクリア報知継続コマンドをサブ制御基板90へ送信し、本処理を終了する。サブ制御基板90は、RAMクリア報知継続コマンドを受信ことで、後述するように、遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とするRAMクリア報知処理を再び開始することとなる。RAMクリア報知継続コマンドは、RAMクリア(ラムクリア)が実行されたときに出力される信号であり、より詳細には、RAMクリア(ラムクリア)がすでに実行されていることによりRAMクリア報知態様を継続するために出力される信号である。
【0126】
一方、RAMクリアスイッチ117がONであるとき(つまり、遊技ホールの店員等の係員が、RAMクリアスイッチ117をON操作して電源スイッチ118をON操作したとき)(ステップS011:YES)、電源フラグがOFFであるとき(つまり、正常に電源が遮断されていない可能性があるとき)(ステップS012:NO)、メインRAM84のチェックサムの値が一致していないとき(ステップS014:NO)のうち、いずれかであるときには、遊技制御用マイコン81は、メインRAM84をクリアし(ステップS019)、メインRAM84の作業領域を初期設定する(ステップS020)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、メインROM83から初期設定情報を読み出してメインRAM84の作業領域にセットする。これにより、バックアップ情報がクリアされて起動することとなる。
【0127】
続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知タイマ値に30秒をセットし(ステップS021)、メインRAM84の記憶内容のクリアを通知するためのRAMクリア報知コマンドをサブ制御基板90へ送信し(ステップS022)、本処理を終了する。サブ制御基板90は、RAMクリア報知コマンドを受信することで、後述するように、遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とするRAMクリア報知処理を開始する。RAMクリア報知コマンドは、RAMクリア(ラムクリア)が実行されたときに出力される信号である。
【0128】
一方、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)であるとき(ステップS017:YES)、遊技制御用マイコン81は、
図12に示すように、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるか否かの判定をおこなう(ステップS023)。叩きゴト報知タイマ値は、後述するメイン側タイマ割り込み処理の一処理としておこなわれる叩きゴト監視処理において、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出すると、報知時間(30秒)がセットされるものである。その後、叩きゴト報知コマンドがサブ制御基板90へ送信される。サブ制御基板90は、叩きゴト報知コマンドを受信することで、後述するように、遊技機1の状態を叩きゴト報知態様の状態とする叩きゴト報知処理を開始することとなる。叩きゴト報知コマンドは、叩きゴトが発生したという遊技機の異常が検出されたときに出力される信号である。
【0129】
叩きゴト報知タイマ値は、電源遮断においてバックアップされる情報(バックアップ情報)であり、後述するメイン側タイマ割り込み処理における報知タイマ値減算処理において減算される。叩きゴト報知タイマ値は、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出すると、報知時間(30秒)がセットされ、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれ、再び遊技機1への電源投入がおこなわれると、値0(ゼロ)とならず、減算されていない残りの時間があることとなる。叩きゴト報知タイマ値は、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出して報知時間(30秒)がセットされ、例えば10秒経過時に、遊技機1への電源遮断がおこなわれ、再び遊技機1への電源投入がおこなわれると、値0(ゼロ)とならず、減算されていない残りの時間が20秒あることとなる。言い換えると、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれることで、後述する叩きゴト報知処理が中断(叩きゴト報知態様の状態が中断)されることとなる。
【0130】
遊技制御用マイコン81は、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でないとき(ステップS023:NO)、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれることで、後述する叩きゴト報知処理が中断(叩きゴト報知態様の状態が中断)されたとして、叩きゴト報知継続コマンドをサブ制御基板90へ送信し(ステップS024)、本処理を終了する。サブ制御基板90は、叩きゴト報知継続コマンドを受信ことで、後述するように、遊技機1の状態を叩きゴト報知態様の状態とする叩きゴト報知処理を再び開始することとなる。叩きゴト報知継続コマンドは、叩きゴトが発生したという遊技機の異常が検出されたときに出力される信号であり、より詳細には、叩きゴトが発生したという遊技機の異常がすでに検出されていることにより叩きゴト報知態様を継続するために出力される信号である。
【0131】
一方、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるとき(ステップS023:YES)、遊技制御用マイコン81は、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるか否かの判定をおこなう(ステップS025)。磁石ゴト報知タイマ値は、後述するメイン側タイマ割り込み処理の一処理としておこなわれる磁石ゴト監視処理において、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出すると、報知時間(30秒)がセットされるものである。その後、磁石ゴト報知コマンドがサブ制御基板90へ送信される。サブ制御基板90は、磁石ゴト報知コマンドを受信することで、後述するように、遊技機1の状態を磁石ゴト報知態様の状態とする磁石ゴト報知処理を開始することとなる。磁石ゴト報知コマンドは、磁石ゴトが発生したという遊技機の異常が検出されたときに出力される信号である。
【0132】
磁石ゴト報知タイマ値は、電源遮断においてバックアップされる情報(バックアップ情報)であり、後述するメイン側タイマ割り込み処理における報知タイマ値減算処理において減算される。磁石ゴト報知タイマ値は、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出すると、報知時間(30秒)がセットされ、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれ、再び遊技機1への電源投入がおこなわれると、値0(ゼロ)とならず、減算されていない残りの時間があることとなる。磁石ゴト報知タイマ値は、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出して報知時間(30秒)がセットされ、例えば10秒経過時に、遊技機1への電源遮断がおこなわれ、再び遊技機1への電源投入がおこなわれると、値0(ゼロ)とならず、減算されていない残りの時間が20秒あることとなる。言い換えると、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれることで、後述する磁石ゴト報知処理が中断(磁石ゴト報知態様の状態が中断)されることとなる。
【0133】
遊技制御用マイコン81は、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でないとき(ステップS025:NO)、報知時間が経過するまでに、遊技機1への電源遮断がおこなわれることで、後述する磁石ゴト報知処理が中断(磁石ゴト報知態様の状態が中断)されたとして、磁石ゴト報知継続コマンドをサブ制御基板90へ送信し(ステップS026)、本処理を終了する。サブ制御基板90は、磁石ゴト報知継続コマンドを受信ことで、後述するように、遊技機1の状態を磁石ゴト報知態様の状態とする磁石ゴト報知処理を再び開始することとなる。磁石ゴト報知継続コマンドは、磁石ゴトが発生したという遊技機の異常が検出されたときに出力される信号であり、より詳細には、磁石ゴトが発生したという遊技機の異常がすでに検出されていることにより磁石ゴト報知態様を継続するために出力される信号である。
【0134】
一方、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるとき(ステップS025:YES)、そのまま本処理を終了する。
【0135】
なお、本実施形態では、(1)
図11のステップS014~ステップS18の処理、(2)
図11のステップS014~ステップS17の処理および
図12のステップS23~ステップS24の処理、(3)
図11のステップS014~ステップS17の処理および
図12のステップS23、ステップS25~ステップS26の処理、(4)
図11のステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS023(YES)、ステップS025(YES)の処理(つまり、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)である場合)、という(1)~(4)のそれぞれによる起動を「第1の起動」といい、
図11のステップS019~ステップS022の処理による起動を「第2の起動」という。
【0136】
[メイン側タイマ割り込み処理]
図13は、メイン側タイマ割り込み処理(
図10:ステップS005)のフローチャートである。所定周期(例えば、4ミリ秒(ms)周期)ごとに実行されるメイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、種々の乱数カウンタ値を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(
図10)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
【0137】
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a、振動センサ25、磁気センサ26(
図3)である。
【0138】
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理をおこなう(ステップS103)。始動口センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は、ゲート28の遊技球の通過を判定し、普通図柄乱数カウンタの値を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域84fの第1~第4記憶領域うち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。また、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20への遊技球の入賞を判定し、当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域うち、現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。さらにまた、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21への遊技球の入賞を判定し、当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域うち、現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0139】
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理において、大当たりの事前判定をおこなう。上述の乱数値群に基づき、大当たりであるか否か、大当たりである場合には大当たり種別、また、変動パターンを事前に判定する。そして、事前判定結果から事前判定コマンドを作成してメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。
【0140】
次に、遊技制御用マイコン81は、普通動作処理をおこなう(ステップS104)。普通動作処理では、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の作動を制御する。具体的に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かの判定をおこない、保留球数が1以上である場合、普通図柄当たり判定テーブルを参照して当たり判定をおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう。遊技制御用マイコン81は、選択した普通図柄変動パターンをセットすることで、普通図柄の変動表示を開始させる。その後、変動表示を停止させ、「当たり」の場合には電チュー開放パターン判定テーブルを参照して電チュー開放パターンのセットをおこない、電チュー22を作動させる。
【0141】
次に、遊技制御用マイコン81は、特別動作処理をおこなう(ステップS105)。この特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、V領域センサ検出処理を行う(ステップS106)。V領域センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこない、検知があった場合にはV有効期間中か否かの判定をおこなって、V有効期間中であれば、VフラグをONするとともにV通過コマンドをセットする。
【0142】
次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数処理をおこなう(ステップS107)。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。
【0143】
保留球数処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理をおこなう(ステップS108)。出力処理では、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。
【0144】
次に、遊技制御用マイコン81は、叩きゴト監視処理をおこなう(ステップS109)。この叩きゴト監視処理では、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出すると、叩きゴト報知タイマ値に報知時間(30秒)をセットする等の処理であり、叩きゴト監視処理の詳細な説明については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、磁石ゴト監視処理をおこなう(ステップS110)。この磁石ゴト監視処理では、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出すると、磁石ゴト報知タイマ値に報知時間(30秒)をセットする等の処理であり、磁石ゴト監視処理の詳細な説明については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、電源断監視処理をおこなう(ステップS111)。この電源断監視処理では、遊技機1への電源が遮断される徴候があるときには、メインRAM84(
図5)の内容(バックアップ情報)を保持する等の処理であり、電源断監視処理の詳細な説明については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、報知タイマ値減算処理をおこなう(ステップS112)。この報知タイマ値減算処理では、RAMクリア報知タイマ値、叩きゴト報知タイマ値、磁石ゴト報知タイマ値を減算する等の処理であり、報知タイマ値減算処理の詳細な説明については後述する。
【0145】
続いて、遊技制御用マイコン81は、その他の処理をおこなう(ステップS113)。その他の処理では、例えば、後述の特
図2保留球数に基づいて表示器40をその数を示す表示態様に制御し、特
図1保留球数に基づいて表示器40をその数を示す表示態様に制御する。
【0146】
[特別動作処理]
図14は、特別動作処理(
図14:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、表示器40および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特別動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1301:YES)、特別図柄待機処理をおこなう(ステップS1302)。特別図柄待機処理では、大当たり判定や変動パターン選択等が実行される。
【0147】
「特別動作ステータス」が「2」のときには(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別図柄変動中処理をおこなう(ステップS1304)。特別図柄変動中処理では、変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。具体的に、遊技制御用マイコン81は、まず、特別図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこない、変動時間が経過している場合は変動停止コマンドをセットし「特別動作ステータス」を「3」にセットする。
【0148】
「特別動作ステータス」が「3」のときには(ステップS1301、S1303:NO、ステップS1305:YES)、特別図柄確定処理をおこなう(ステップS1306)。特別図柄確定処理では、遊技制御用マイコン81が遊技状態管理処理を実行する。遊技状態管理処理とは、時短回数を管理するための処理である。すなわち、時短状態である場合、すなわちメインRAM84のフラグセット領域84bの時短フラグがONの場合には、カウンタセット領域84cの時短カウンタをデクリメントして更新し、遊技状態指定コマンドをセットする。遊技状態指定コマンドには、時短フラグ、時短カウンタ、時短継続カウンタなどの情報が含まれる。このとき、時短カウンタが「0」になると非時短状態(時短フラグをOFF)にする。また、時短継続カウンタも「0」とする。なお、時短継続カウンタは、大当たりになるとインクリメントされるようになっており、いわゆる「連荘数」を示すようになっている。次に、遊技制御用マイコン81は、フラグセット領域84bの大当たりフラグ、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合、当選した大当たり種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう。開放パターンのセット後、時短フラグをリセットし、時短継続カウンタをインクリメントする。その後、大当たりであれば「特別動作ステータス」を「4」にセットしオープニングコマンドをセットする。小当たりであれば「特別動作ステータス」を「5」にセットする。一方、大当たりフラグおよび小当たりフラグがOFFである場合、「特別動作ステータス」を「1」にセットする。
【0149】
「特別動作ステータス」が「4」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO、S1307:YES)、特別電動役物処理(大当たり)をおこなう(ステップS1308)。特別電動役物処理では、大当たり遊技が実行される。具体的には、第2大入賞口35の開放を、ラウンドカウンタに基づき開放パターンに従って制御し、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンドのセットを行う。また、大当たりの終了時には、時短カウンタのセットをおこなう。
【0150】
「特別動作ステータス」が「5」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO、S1307:NO)、特別電動役物処理(小当たり)をおこなう(ステップS1309)。特別電動役物処理(小当たり)では、小当たり遊技が実行される。具体的には、第1大入賞口30の開放を制御する。そして、遊技球がV領域39を通過した場合(VフラグがONの場合)、「特別動作ステータス」を「4」にセットし、オープニングコマンドをセットする。
【0151】
[特別図柄待機処理]
図15は、特別図柄待機処理(
図14:ステップS1302)のフローチャートである。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特
図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域に、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1407に移行する。特
図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、当たり判定処理(ステップS1402)を実行する。当たり判定処理の詳細については後述する。
【0152】
次に遊技制御用マイコン81は、変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。変動パターン選択処理では、変動パターン判定テーブル(
図8、
図9)を参照し、遊技機1の遊技状態(時短状態か非時短状態か)、当たり判定処理(ステップS1402)の判定結果、保留球数に基づいて、変動パターンを選択する。変動パターン選択処理の後、特
図2保留球数をデクリメントする(ステップS1404)。
【0153】
次に、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第2特図保留記憶領域において読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1405)。例えば、第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域の第1記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、一番左端の保留画像9B)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第2特図保留記憶領域の第2~第4記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、左から2、3、4番目の保留画像9B)がそれぞれ左側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
【0154】
次に、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特
図2変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」を「2」にセットする。なお、特
図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンド)には、当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0155】
ステップS1401において、特
図2保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1407)。特
図1保留球数が「0」である場合(ステップS1407:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域に、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特
図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1407:NO)、遊技制御用マイコン81は、当たり判定処理(ステップS1408)を実行する。当たり判定処理の詳細については後述する。
【0156】
次に遊技制御用マイコン81は、変動パターン選択処理(ステップS1409)を実行する。変動パターン選択処理では、変動パターン判定テーブル(
図8、
図9)を参照し、遊技機1の遊技状態(時短状態か非時短状態か)、当たり判定処理(ステップS1408)の判定結果、保留球数に基づいて、変動パターンを選択する。変動パターン選択処理の後、特
図1保留球数をデクリメントする(ステップS1410)。
【0157】
次に、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域の第1~第4記憶領域に格納されている各種乱数値の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第1特図保留記憶領域において読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1411)。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域の第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第1特図保留記憶領域の第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、右から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。
【0158】
次に、遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理をおこなう(ステップS1412)。特
図1変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」を「2」にセットする(ステップS1412)。なお、特
図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド)には、当たり判定処理(ステップS1408)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1409)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0159】
ステップS1407において、特
図1保留球数が「0」の場合(ステップS1407:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1414)、本処理を終える。上記のように、本実施形態の特別図柄待機処理によれば、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って実行される。すなわち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また、本実施形態の大当たり種別判定テーブルによれば、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過予定大当たり)に当選するようになっている。
【0160】
[当たり判定処理]
図16は、当たり判定処理(
図15:ステップS1402、S1408)のフローチャートである。特
図2の当たり判定処理(ステップS1402)と特
図1の当たり判定処理(ステップS1408)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。
【0161】
当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、当たり判定をおこなう(ステップS1501)。当たり判定は、当たり判定テーブル(
図6)を参照しておこなわれる。
【0162】
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1502)。ここで大当たりであると判定された場合(ステップS1502:YES)、大当たりフラグをONにし、大当たり種別判定を行って(ステップS1503)、その後、当たり判定処理を終了する。一方、大当たりでないと判定された場合(ステップS1502:NO)、ステップS1504へ移行する。
【0163】
ステップS1504において、遊技制御用マイコン81は、小当たりであるか否かを判定する。ここで小当たりであると判定された場合(ステップS1504:YES)、小当たりフラグをONにし、大当たり種別判定を行って(ステップS1505)、その後、当たり判定処理を終了する。一方、小当たりでないと判定された場合(ステップS1504:NO)、ステップS1506へ移行する。
【0164】
ステップS1506において、遊技制御用マイコン81は、突然時短であるか否かを判定する。ここで突然時短であると判定された場合(ステップS1506:YES)、突時フラグをONにし(ステップS1507)、当たり判定処理を終了する。一方、突然時短でないと判定された場合(ステップS1506:NO)、ステップS1507の処理を実行せず、当たり判定処理を終了する。
【0165】
[特別電動役物処理(小当たり)]
図17は、特別電動役物処理(小当たり)(
図14のステップS1309)のフローチャートである。
【0166】
遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立したか否かを判定する(ステップS1601)。ここで第1大入賞口30の閉鎖条件が成立したと判定された場合(ステップS1601:YES)、第1大入賞口30を閉鎖し(ステップS1602)、小当たりフラグをOFFにし(ステップS1603)、ステップS1605へ移行する。一方、第1大入賞口30の閉鎖条件が成立していないと判定された場合(ステップS1601:NO)、第1大入賞口30を開放し(ステップS1604)、ステップS1605へ移行する。なお、第1大入賞口30がすでに開放中である場合には、その開放を維持する。
【0167】
ステップS1605において、遊技制御用マイコン81は、遊技球がV領域39を通過したか否かを判定する。この判定は、メインRAM84のフラグセット領域84bのVフラグがONであるか否かでおこなわれる。ここで、V領域39を通過したと判定された場合(ステップS1605:YES)、VフラグをOFFにし(ステップS1606)、大当たりフラグをONにし(ステップS1607)、V通過コマンド、大当たりのオープニングコマンドをセットし、「特別動作ステータス」を「4」にして(ステップS1608)、特別電動役物処理(小当たり)を終了する。一方、V領域を通過していないと判定された場合(ステップS1605:NO)、「特別動作ステータス」を「1」にして(ステップS1609)、特別電動役物処理(小当たり)を終了する。
【0168】
[特別図柄確定処理]
図18は、特別図柄確定処理(
図14のステップS1306)のフローチャートである。
特別図柄確定処理において、遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態管理処理を実行し(ステップS1901)、その後、ステップS1902へ移行する。
【0169】
ステップS1902において、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONとなっているか否かを判定する。ここで大当たりフラグがONとなっていると判定された場合(ステップS1902:YES)、ステップS1903へ移行する。一方、大当たりフラグがONとなっていない場合(ステップS1902:NO)、ステップS1907へ移行する。
【0170】
ステップS1903において、遊技制御用マイコン81は、開放パターンをセットする。開放パターンは、大当たり種別に応じてセットされる。
次に、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理を実行する(ステップS1904)。遊技状態リセット処理では、時短フラグなどがリセットされる。
【0171】
次に、遊技制御用マイコン81は、オープニングコマンドをセットし(ステップS1905)、「特別動作ステータス」を「4」にセットして(ステップS1906)、特別図柄確定処理を終了する。
【0172】
一方、ステップS1907において、遊技制御用マイコン81は、小当たりフラグがONとなっているか否かを判定する。ここで小当たりフラグがONとなっていると判定された場合(ステップS1907:YES)、ステップS1908へ移行する。一方、小当たりフラグがONとなっていない場合(ステップS1907:NO)、「特別動作ステータス」を「1」にセットし(ステップS1912)、特別図柄確定処理を終了する。
【0173】
ステップS1908において、遊技制御用マイコン81は、開放パターンをセットする。開放パターンは、小当たりと対応するものがセットされる。
次に、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理を実行する(ステップS1909)。遊技状態リセット処理では、時短フラグなどがリセットされる。
【0174】
次に、遊技制御用マイコン81は、オープニングコマンド(小当たり)をセットし(ステップS1910)、「特別動作ステータス」を「5」にセットして(ステップS1911)、特別図柄確定処理を終了する。
【0175】
[遊技状態管理処理]
図19は、遊技状態管理処理(
図18のステップS1901)のフローチャートである。
遊技状態管理処理において、遊技制御用マイコン81は、まず、時短フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2001)。ここで時短フラグがONであると判定された場合(ステップS2001:YES)、時短カウンタをデクリメントし(ステップS2002)、ステップS2003へ移行する。一方、時短フラグがONでないと判定された場合(ステップS2001:NO)、ステップS2005へ移行する。
【0176】
ステップS2003において、遊技制御用マイコン81は、時短カウンタが「0」であるか否かを判定する。ここで時短カウンタが「0」であると判定された場合(ステップS2003:YES)、時短フラグをOFFにし(ステップS2004)、ステップS2005へ移行する。一方、時短カウンタが「0」でないと判定された場合(ステップS2003:NO)、ステップS2004の処理を実行せず、ステップS2005へ移行する。
【0177】
ステップS2005において、遊技制御用マイコン81は、天井フラグがONであるか否かを判定する。ここで天井フラグがONであると判定された場合(ステップS2005:YES)、天井カウンタをデクリメントし(ステップS2006)、ステップS2007へ移行する。一方、天井フラグがONでないと判定された場合(ステップS2005:NO)、すなわち天井フラグがOFFである場合には、ステップS2011へ移行する。
【0178】
ステップS2007において、遊技制御用マイコン81は、天井カウンタが「0」であるか否かを判定する。ここで天井カウンタが「0」であると判定された場合(ステップS2007:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2008)、時短カウンタを「30」にセットし(ステップS2009)、天井フラグをOFFにして(ステップS2010)、ステップS2011へ移行する。ステップS2008~ステップS2010によりb時短(非時短状態から時短状態へ移行して時短30回となる遊タイム)が開始されることとなる。一方、天井カウンタが「0」でないと判定された場合(ステップS2007:NO)、ステップS2011へ移行する。
【0179】
ステップS2011において、遊技制御用マイコン81は、突時フラグがONであるか否かを判定する。ここで突時フラグがONであると判定された場合(ステップS2011:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2012)、時短カウンタに「1」をセットして(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。一方、突時フラグがONでないと判定された場合(ステップS2011:NO)、すなわち突時フラグがOFFである場合には、ステップS2014へ移行する。
【0180】
ステップS2014において、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをセットし、その後、遊技状態管理処理を終了する。
【0181】
[特別電動役物処理(大当たり)]
図20は特別電動役物処理(
図14のステップS1308)のフローチャートである。
特別電動役物処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS2101)。ここで大当たり終了フラグがONであると判定された場合(ステップS2101:YES)、エンディング処理を実行し(ステップS2102)、特別電動役物処理を終了する。エンディング処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定し、経過している場合、大当たり終了フラグをOFFにし、大当たりフラグをOFFにし、特別動作ステータスを「1」にセットして、遊技状態設定処理を実行した後(ステップS2103)、特別電動役物処理を終了する。遊技状態設定処理については後述する。一方、大当たり終了フラグがONでないと判定された場合(ステップS2101:NO)、すなわち大当たり終了フラグがOFFである場合には、ステップS2104へ移行する。
【0182】
ステップS2104では、大入賞口へ入賞したか否かを判定する。この処理は、大入賞口センサ30aからの信号に基づき、大入賞口30への入賞があったか否かを判定する処理である。ここで大入賞口へ入賞したと判定された場合(ステップS2104:YES)、大入賞口コマンドをセットし(ステップS2105)、ステップS2106へ移行する。一方、大入賞口へ入賞していないと判定された場合(ステップS2104:NO)、ステップS2105の処理を実行せずに、ステップS2106へ移行する。
【0183】
ステップS2106では、大入賞口が開放中であるか否かを判定する。この処理は、大入賞口30が開放中であるか否かを判定する処理である。ここで大入賞口が開放中であると判定された場合(ステップS2106:YES)、大入賞口閉鎖処理を実行し(ステップS2107)、特別電動役物処理を終了する。大入賞口閉鎖処理は、大入賞口30の閉鎖条件が成立したか否かを判定し、成立している場合には、大入賞口30を閉鎖する処理である。一方、大入賞口が開放中でないと判定された場合(ステップS2106:NO)、すなわち大入賞口が閉鎖中である場合には、ステップS2108へ移行する。
【0184】
ステップS2108において、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放期間であるか否かを判定する。この処理は、大入賞口30の開放期間であるか否かを判定する処理である。ここで大入賞口開放期間であると判定された場合(ステップS2108:YES)、大入賞口開放処理を実行し(ステップS2110)、ラウンド指定コマンドをセットして(ステップS2111)、特別電動役物処理を終了する。一方、大入賞口開放期間でないと判定された場合(ステップS2108:NO)、ラウンド処理を実行し(ステップS2109)、特別電動役物処理を終了する。ラウンド処理では、ラウンド終了か否かを判定し、ラウンド終了時には、ラウンドカウンタをデクリメントし、ラウンドカウンタが「0」になると、エンディングコマンドをセットし、大当たり終了フラグをONにする。
【0185】
[遊技状態設定処理]
図21は、遊技状態設定処理(
図20のステップS2103)のフローチャートである。
遊技状態設定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、時短付大当たりか否かを判定する(ステップS2201)。ここで時短付大当たりであると判定された場合(ステップS2201:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2202)、確変カウンタを10にセットして(ステップS2203)、ステップS2204へ移行する。一方、時短付大当たりでないと判定された場合(ステップS2201:NO)、ステップS2202、ステップS2203の処理を実行せず、ステップS2204へ移行する。
【0186】
ステップS2204において、遊技制御用マイコン81は、天井フラグをONにし、天井カウンタに「300」をセットして(ステップS2205)、遊技状態指定コマンドをセットし(ステップS2206)、遊技状態設定処理を終了する。
【0187】
[叩きゴト監視処理]
図22は、叩きゴト監視処理(
図13のステップS109)のフローチャートである。
叩きゴト監視処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、異常振動があるか否かの判定をおこなう(ステップS2500)。この判定では、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出したか否かによりおこなわれ、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出したときには異常振動があると判定され、叩きゴトによる異常な振動を振動センサ25が検出していないときには異常振動がないと判定される。
【0188】
遊技制御用マイコン81は、異常振動がないと判定された場合(ステップS2500:NO)、そのまま本処理を終了する一方、異常振動があると判定された場合(ステップS2500:YES)、叩きゴト報知タイマ値に報知時間(30秒)をセットする(ステップS2501)。叩きゴト報知タイマ値は、電源遮断においてバックアップされる情報(バックアップ情報)であり、後述するように、メイン側タイマ割り込み処理における報知タイマ値減算処理において減算される。
【0189】
続いて、遊技制御用マイコン81は、叩きゴト報知コマンドをサブ制御基板90へ送信し(ステップS2502)、本処理を終了する。サブ制御基板90は、叩きゴト報知コマンドを受信することで、後述するように、遊技機1の状態を叩きゴト報知態様の状態とする叩きゴト報知処理を開始することとなる。叩きゴト報知コマンドは、叩きゴトが発生したという遊技機の異常が検出されたときに出力される信号である。
【0190】
[磁石ゴト監視処理]
図23は、磁石ゴト監視処理(
図13のステップS110)のフローチャートである。
磁石ゴト監視処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、磁石の接近があるか否かの判定をおこなう(ステップS2510)。この判定では、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出したか否かによりおこなわれ、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出したときには磁石の接近があると判定され、磁石ゴトによる異常な磁気を磁気センサ26が検出していないときには磁石の接近がないと判定される。
【0191】
遊技制御用マイコン81は、磁石の接近がないと判定された場合(ステップS2510:NO)、そのまま本処理を終了する一方、磁石の接近があると判定された場合(ステップS2510:YES)、磁石ゴト報知タイマ値に報知時間(30秒)をセットする(ステップS2511)。磁石ゴト報知タイマ値は、電源遮断においてバックアップされる情報(バックアップ情報)であり、後述するように、メイン側タイマ割り込み処理における報知タイマ値減算処理において減算される。
【0192】
続いて、遊技制御用マイコン81は、磁石ゴト報知コマンドをサブ制御基板90へ送信し(ステップS2512)、本処理を終了する。サブ制御基板90は、磁石ゴト報知コマンドを受信することで、後述するように、遊技機1の状態を磁石ゴト報知態様の状態とする磁石ゴト報知処理を開始することとなる。磁石ゴト報知コマンドは、磁石ゴトが発生したという遊技機の異常が検出されたときに出力される信号である。
【0193】
[電源断監視処理]
図24は、電源断監視処理(
図13のステップS111)のフローチャートである。
電源断監視処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、電源断信号があるか否かの判定をおこなう(ステップS2520)。電源基板116には、遊技機1への電源が遮断される徴候を監視する図示しない電源遮断監視回路が設けられている。この電源遮断監視回路は、遊技機1の電源が遮断される徴候があるときには電源断信号を主制御基板80へ出力する。電源遮断監視回路は、電源基板116で作成する各種電源電圧のうち特定電源(例えば、直流電源24V)の電圧低下を監視して、しきい値より低下した場合に、遊技機1の電源が遮断される徴候があるとして、電源断信号を出力する。
【0194】
ステップS2520の判定では、電源基板116の電源遮断監視回路から電源断信号が入力されているか否かの判定をおこなう。遊技制御用マイコン81は、電源断信号がない場合、つまり遊技機1への電源が遮断される徴候がない場合(ステップS2520:NO)、そのまま本処理を終了する一方、電源断信号がある場合、つまり遊技機1への電源が遮断される徴候がある場合(ステップS2520:YES)、チェックサムを算出してメインRAM84に格納し(ステップS2521)、電源断フラグをONセットする(ステップS2522)。電源断フラグがONにセットされることにより、正常に電源が遮断されたことを示すことができる。
【0195】
続いて、遊技制御用マイコン81は、メインRAM84へのアクセスの禁止設定をおこなう(ステップS2523)。メインRAM84へのアクセスの禁止設定により、メインRAM84への情報の書き込みや読み出しをおこなうことができないようになる。
【0196】
続いて、遊技制御用マイコン81は、
図13のメイン側タイマ割り込み処理に戻ることなくループ処理を無限におこなうこととなる。
【0197】
[報知タイマ値減算処理]
図25は、報知タイマ値減算処理(
図13のステップS112)のフローチャートである。
報知タイマ値減算処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)であるか否かの判定をおこなう(ステップS2530)。遊技制御用マイコン81は、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)でないとき(ステップS2530:NO)、RAMクリア報知タイマ値から割り込みタイマの時間だけ引き(減算し)(ステップS2531)、本処理を終了する。割り込みタイマの時間は、本処理である報知タイマ値減算処理が4ミリ秒ごとに実行されるメイン側タイマ割り込み処理の一処理であるため、4ミリ秒である。このため、ステップS2531の処理では、RAMクリア報知タイマ値から割り込みタイマの時間である4ミリ秒だけ引かれる(減算される)こととなる。なお、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)となると、ステップS2531の処理がおこなわれないため、RAMクリア報知タイマ値がマイナスとなることがない。
【0198】
一方、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)であるとき(ステップS2530:YES)、遊技制御用マイコン81は、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるか否かの判定をおこなう(ステップS2532)。遊技制御用マイコン81は、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でないとき(ステップS2532:NO)、叩きゴト報知タイマ値から割り込みタイマの時間だけ引き(減算し)(ステップS2533)、本処理を終了する。ステップS2533の処理では、叩きゴト報知タイマ値から割り込みタイマの時間である4ミリ秒だけ引かれる(減算される)こととなる。なお、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)となると、ステップS2533の処理がおこなわれないため、叩きゴト報知タイマ値がマイナスとなることがない。
【0199】
一方、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるとき(ステップS2532:YES)、遊技制御用マイコン81は、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)であるか否かの判定をおこなう(ステップS2534)。遊技制御用マイコン81は、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でないとき(ステップS2534:NO)、磁石ゴト報知タイマ値から割り込みタイマの時間だけ引き(減算し)(ステップS2535)、本処理を終了する。ステップS2535の処理では、磁石ゴト報知タイマ値から割り込みタイマの時間である4ミリ秒だけ引かれる(減算される)こととなる。なお、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)となると、ステップS2535の処理がおこなわれないため、磁石ゴト報知タイマ値がマイナスとなることがない。
【0200】
このように、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)でない場合には、RAMクリア報知タイマ値が減算されるのに対して、叩きゴト報知タイマ値、磁石ゴト報知タイマ値が減算されない。RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)であって、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でない場合には、叩きゴト報知タイマ値が減算されるのに対して、磁石ゴト報知タイマ値が減算されない。RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)であり、かつ、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)である場合であって、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でない場合には、磁石ゴト報知タイマ値が減算されるようになっている。つまり、各種報知タイマ値の減算には、RAMクリア報知タイマ値→叩きゴト報知タイマ値→磁石ゴト報知タイマ値という順番で優先順位が予め設定されている。
【0201】
これは、メインRAM84がクリアされたという出来事(事象)が最も報知する順番として高く、遊技機1を叩くという行為が、遊技機に磁石を近づけるという行為と比べて、遊技者が不正行為としておこない易いことから、叩きゴトがおこなわれたという出来事(事象)を報知することが2番目に高く、磁石ゴトがおこなわれたという出来事(事象)を報知することが3番目に高く、このような遊技機の「所定の出来事(所定の事象)」に優先順位が予め設定されている。
【0202】
8.演出制御用マイコン91の動作
以下、サブ制御基板90(
図4)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
【0203】
[サブ制御メイン処理]
図26は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイコン91は、遊技機1の電源がオンされると、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。サブ制御メイン処理では、演出制御用マイコン91は、まず、初期化処理をおこなう(ステップS4000)。初期化処理では、例えば、演出制御用マイコン91の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0204】
初期化処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS4001)、乱数更新処理(ステップS4002)をおこなう。この乱数更新処理では、演出制御用マイコン91は、
図5(D)で示した乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。各乱数はいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0205】
乱数更新処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS4003)。以降、ステップS4001~ステップS4003をループさせることで乱数更新処理が繰り返し実行される。割り込み許可中は、サブ側第1タイマ割り込み処理(ステップS4004)、サブ側第2タイマ割り込み処理(ステップS4005)の実行が可能となる。サブ側第1タイマ割り込み処理は、1ms(ミリ秒)ごとに演出制御用マイコン91に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側第1タイマ割り込み処理は、1ms(ミリ秒)ごとに実行される。サブ側第2タイマ割り込み処理は、10ms(ミリ秒)ごとに演出制御用マイコン91に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側第2タイマ割り込み処理は、10ms(ミリ秒)ごとに実行される。
【0206】
[サブ側第1タイマ割り込み処理]
図27は、サブ側第1タイマ割り込み処理(
図26のステップS4004)のフローチャートである。サブ側第1タイマ割り込み処理は、1msごとに実行される処理である。演出制御用マイコン91は、まず、入力処理をおこなう(ステップS4050)。入力処理では、例えば、演出ボタンからの信号(スイッチ信号)、セレクトボタン68からの信号(スイッチ信号)に基づいてそれぞれのスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成し、サブRAM94のスイッチ情報記憶領域94eに記憶する。
【0207】
続いて、演出制御用マイコン91は、ウォッチドッグタイマ処理をおこなって(ステップS4060)、本処理を終える。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定をおこなう。
【0208】
[サブ側第2タイマ割り込み処理]
図28は、サブ側第2タイマ割り込み処理(
図26のステップS4005)のフローチャートである。サブ側第2タイマ割り込み処理は、10msごとに実行される処理である。演出制御用マイコン91は、まず、受信コマンド解析処理をおこなう(ステップS4100)。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。受信コマンド解析処理の後、演出制御用マイコン91は、変動演出中処理をおこなう(ステップS4110)。変動演出中処理については、変動演出中に特定のタイミングで変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットして、画像表示装置7の表示画面7aに特定の表示演出を実行させるための処理である。変動演出中処理の後、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理をおこなう(ステップS4120)。スイッチ処理では、演出制御用マイコン91は、
図27に示した1msごとに実行されるサブ側第1タイマ割り込み処理におけるステップS4050の入力処理において作成されてサブRAM94のスイッチ情報記憶領域94eに記憶された各種スイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)に基づいて表示画面7aの表示内容等を設定する。
【0209】
スイッチ処理の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理をおこなう(ステップS4130)。コマンド送信処理では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカ67から音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5、枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。コマンド送信処理の後、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS4140)、本処理を終える。その他の処理では、乱数更新処理等がおこなわれる。
【0210】
[受信コマンド解析処理]
図29は、受信コマンド解析処理(
図28のステップS4100)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4180)。受信している場合(ステップS4180:YES)、先読み処理を行う(ステップS4190)。一方、受信していない場合(ステップS4180:NO)、上述の先読み処理をスキップする。
【0211】
次に、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4200)。受信している場合(ステップS4200:YES)、保留表示処理をおこなう(ステップS4210)。保留表示処理では、保留球数コマンドに含まれている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94cに設けられた、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値に基づいて、表示画面7aに表示されている保留画像9A、9Bの更新をおこなう。一方、保留球数コマンドを受信していない場合(ステップS4200:NO)、上述の保留表示処理をスキップする。
【0212】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4220)。受信している場合(ステップS4220:YES)、変動演出開始処理をおこなう(ステップS4230)。「変動演出開始処理」は、特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。一方、受信していない場合(ステップS4220:NO)、上述の変動演出開始処理をスキップする。
【0213】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4240)。受信している場合(ステップS4240:YES)、変動演出終了処理をおこなう(ステップS4250)。「変動演出終了処理」は、特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。これにより、変動中の特
図1または特
図2に対応する演出図柄が停止表示される。なお、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS4240:NO)、上述の変動演出終了処理をスキップする。
【0214】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から当たり関連コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4260)。当たり関連コマンドには、大当たりのオープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、小当たりのオープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンドなどが含まれる。ここで、受信している場合(ステップS4260:YES)、各コマンドに対応する当たり関連演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4270)。例えば、大当たりのオープニングコマンドを受信している場合、大当たり種別に対応して予め設定されているオープニング演出の演出パターンを選択し、選択したオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(ステップS4130)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、所定のオープニング演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。他のコマンドでも同様である。一方、受信していない場合(ステップS4260:NO)、ステップS4270の処理をスキップする。
【0215】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からRAMクリア報知コマンドまたはRAMクリア報知継続コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4280)。RAMクリア報知コマンドまたはRAMクリア報知継続コマンドを受信している場合(ステップS4280:YES)、RAMクリア報知処理をおこなう(ステップS4290)。RAMクリア報知処理では、報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とする。報知態様テーブル(RAMクリア報知態様)については後述する。一方、RAMクリア報知コマンドまたはRAMクリア報知継続コマンドを受信していない場合(ステップS4280:NO)、上述のRAMクリア報知処理をスキップする。
【0216】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から叩きゴト報知コマンドまたは叩きゴト報知継続コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4300)。叩きゴト報知コマンドまたは叩きゴト報知継続コマンドを受信している場合(ステップS4300:YES)、叩きゴト報知処理をおこなう(ステップS4310)。叩きゴト報知処理では、報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態を叩きゴト報知態様の状態とする。報知態様テーブル(叩きゴト報知態様)については後述する。一方、叩きゴト報知コマンドまたは叩きゴト報知継続コマンドを受信していない場合(ステップS4310:NO)、上述の叩きゴト報知処理をスキップする。
【0217】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から磁石ゴト報知コマンドまたは磁石ゴト報知継続コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4320)。磁石ゴト報知コマンドまたは磁石ゴト報知継続コマンドを受信している場合(ステップS4320:YES)、磁石ゴト報知処理をおこなう(ステップS4330)。磁石ゴト報知処理では、報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態を磁石ゴト報知態様の状態とする。報知態様テーブル(磁石ゴト報知態様)については後述する。一方、磁石ゴト報知コマンドまたは磁石ゴト報知継続コマンドを受信していない場合(ステップS4320:NO)、上述の磁石ゴト報知処理をスキップする。
【0218】
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS3440)、本処理を終了する。その他の処理では、例えば、客待ち待機コマンドを受信したときに、客待ち待機コマンドに含まれる情報をサブRAM94にセットし、客待ち待機コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したときに、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタの値など)をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、V通過コマンドを受信したときに、V通過した情報をサブRAM94に保持させる。
【0219】
[変動演出開始処理]
図30は、変動演出開始処理(
図29のステップS4230)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS4401)。ここでは、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報をサブRAM94にセットする。セットされた情報には、現在の遊技状態を示す遊技状態情報や、特
図1または特
図2の当たり判定処理の判定結果としての図柄を示す図柄情報等が含まれている。ここで取得された遊技状態情報や図柄情報は、演出制御用マイコン91によって、適宜参照され得る。
【0220】
続いて、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4402)。基幹演出パターン決定処理は、基幹演出パターン決定テーブルを用いて変動演出の基本的な構成を決定する処理である。変動演出の基本的な構成は、例えば、画像表示装置7における背景画像の表示およびその切り換え、所定のキャラクタの表示およびその動作、スピーカ67を用いたメロディや効果音の出力、ランプ類の点灯制御などを含む。変動演出は、この基幹演出にチャンスアップ演出などの付加的な演出が重畳されて完成する。
【0221】
演出制御用マイコン91は、サブROM93に記憶されている基幹演出パターン決定テーブルを参照して基幹演出パターンを決定する。基幹演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4403)。チャンスアップ演出パターン決定処理は、変動演出に重畳させる付加的な演出を決定するための処理である。演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数のカウンタの値を取得し、取得した乱数値と、サブROM93に記憶されているチャンスアップ演出パターン決定テーブルを参照して、チャンスアップ演出パターンを決定する。
【0222】
続いて、演出制御用マイコン91は、上記ステップS4401~S4403にて決定された変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう変動演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットする(ステップS4404)。サブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(ステップS4130)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、変動演出画像を読み出し、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
【0223】
続いて、演出制御用マイコン91は、変動演出タイマをセットし(ステップS4405)、本処理を終了する。変動演出タイマには、変動開始コマンドに含まれる変動パターンに応じた変動時間がセットされる。
【0224】
[報知態様テーブル]
次に、サブROM93のテーブル記憶領域93aに記憶される報知態様テーブルついて、
図31を参照して説明する。
図31は、報知態様テーブルの説明図である。
【0225】
報知態様テーブルは、遊技機の「所定の出来事(所定の事象)」に応じて遊技機1の態様を変化させるテーブルであり、受信コマンド、報知時間、報知内容が関連付けられて構成されている。
【0226】
受信コマンドがRAMクリア報知コマンドまたはRAMクリア報知継続コマンドである場合には、報知時間が「30秒」にセットされ、メインRAM84がクリアされたという出来事(事象)を報知するRAMクリア報知態様として、報知時間(30秒)が経過するまで、枠ランプ66が「赤色」に点灯するクリア報知発光態様へ変化するとともに、「ビー」というクリア報知音がスピーカ67から流れ続ける。このようにして、RAMクリア報知態様による報知がおこなわれる。なお、クリア報知音を途中で休止して、「メインRAMがクリアされました」というアナウンス警告音声を挿入してスピーカ67から流れるようにしてもよい。また、演出制御用マイコン91は、報知時間(30秒)が経過するまで、「メインRAMがクリアされました」という警告画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示されるように画像制御基板100へコマンドを送信するようにしてもよい。
【0227】
受信コマンドが叩きゴト報知コマンドまたは叩きゴト報知継続コマンドである場合には、報知時間が「30秒」にセットされ、叩きゴトがおこなわれたという出来事(事象)を報知する叩きゴト報知態様として、報知時間(30秒)が経過するまで、枠ランプ66が「黄色」に点灯する叩きゴト報知発光態様へ変化するとともに、「ビー、ビー」という叩きゴト報知音がスピーカ67から繰り返し流れる。このようにして、叩きゴト報知態様による報知がおこなわれる。なお、叩きゴト報知音を途中で休止して、「異常振動を確認しました」というアナウンス警告音声を挿入してスピーカ67から流れるようにしてもよい。また、演出制御用マイコン91は、報知時間(30秒)が経過するまで、「異常振動を確認しました」という警告画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示されるように画像制御基板100へコマンドを送信するようにしてもよい。
【0228】
受信コマンドが磁石ゴト報知コマンドまたは磁石ゴト報知継続コマンドである場合には、報知時間が「30秒」にセットされ、磁石ゴトがおこなわれたという出来事(事象)を報知する磁石ゴト報知態様として、報知時間(30秒)が経過するまで、枠ランプ66が「紫色」に点灯する磁石ゴト報知発光態様へ変化するとともに、「ビー、ビー、ビー」という磁石ゴト報知音がスピーカ67から繰り返し流れる。このようにして、磁石ゴト報知態様による報知がおこなわれる。なお、磁石ゴト報知音を途中で休止して、「磁石の接近を確認しました」というアナウンス警告音声を挿入してスピーカ67から流れるようにしてもよい。また、演出制御用マイコン91は、報知時間(30秒)が経過するまで、「磁石の接近を確認しました」という警告画像が画像表示装置7の表示画面7aに表示されるように画像制御基板100へコマンドを送信するようにしてもよい。
【0229】
このように、演出制御用マイコン91は、遊技機の「所定の出来事(所定の事象)」に応じて、報知態様テーブルを参照し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66の発光態様の制御をおこなうとともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から流れる音の制御をおこなう。
【0230】
なお、上述した報知態様テーブルにおいては、報知時間として「30秒」がセットされるようになっていた。しかし、これに代えて、報知態様テーブルにおいて、報知時間として「45秒」がセットされるようにしてもよいし、「60秒」がセットされるようにしてもよい。
【0231】
9.画像制御用マイコン101の動作
画像制御基板100(
図4)に設けられた画像制御用マイコンの動作について説明する。画像制御用マイコンの動作説明にて登場するバッファ等は画像制御用マイコンのRAMに設けられている。画像制御用マイコンは、遊技機1の電源がオンされると、画像制御用マイコンのROMからプログラムを読み出し、画像制御用マイコンのCPU初期化処理の後、表示制御処理が繰り返し実行される。表示制御処理では、まず、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、変動演出表示を開始させる。具体的には、画像制御用マイコンは、受信した変動演出開始コマンドを解析し、変動演出開始コマンドにおいて指示された所定の変動演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合、上述の変動演出表示の開始という処理をスキップする。
【0232】
続いて、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から変動終了前コマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、先読み演出表示を開始させる。具体的には、画像制御用マイコンは、変動終了前コマンドを解析し、変動終了前コマンドにおいて指示された所定の先読み演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合、画像制御用マイコンは、上述の先読み演出表示の開始という処理をスキップする。
【0233】
続いて、画像制御用マイコンは、サブ制御基板90から変動演出終了コマンドを受信したか否かの判定をおこなう。受信している場合、画像制御用マイコンは、変動演出を停止表示させた画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる変動演出停止表示をおこなう。一方、受信していない場合、画像制御用マイコンは、上述の変動演出の停止表示という処理をスキップする。
【0234】
続いて、画像制御用マイコンは、その他の処理をおこない、本処理である表示制御処理を終了する。その他の処理では、例えば、画像制御用マイコンは、オープニング演出開始コマンドを受信したときに、オープニング演出開始コマンドにおいて指示された所定のオープニング演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。また、ラウンド演出開始コマンドを受信したときに、ラウンド演出開始コマンドにおいて指示された所定のラウンド演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、表示画面7aに表示させる。また、エンディング演出開始コマンドを受信したときに、エンディング演出開始コマンドにおいて指示された所定のエンディング演出画像を画像制御用マイコンのROMから読み出して、表示画面7aに表示させる。
【0235】
10.本実施形態の報知例
以下に、本実施形態の各報知例を説明する。これから説明する各種報知は、上述したように、遊技制御用マイコン81から送信される各種コマンドに基づき、演出制御用マイコン91によって実現されるものである。
【0236】
以下に、
図32および
図33を参照して、遊技機の「所定の出来事(所定の事象)」に応じた報知例を説明する。
図32は、RAMクリアの報知を説明するための図であり、
図33は、叩きゴトの報知を説明するための図(A)であり、磁石ゴトの報知を説明するための図(B)である。
【0237】
ここでは、まず、遊技ホールの店員等の係員によるRAMクリアの報知について説明し、続いて、不正行為者によるRAMクリアの報知、叩きゴトの報知、そして磁石ゴトの報知について順番に説明する。
【0238】
[遊技ホールの店員等の係員によるRAMクリアの報知]
まず、遊技ホールの店員等の係員によるRAMクリアの報知について説明する。遊技ホールの店員等の係員は、主制御基板80の遊技制御用マイコン81におけるメインRAM84に記憶された内容をクリア(RAMクリア)する場合、
図32(A)に示すように、まず、シリンダ錠64の鍵穴64aに正規の鍵を挿入して、正規の鍵を通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)から反時計回りの方向へ90度回転させて前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態(鍵穴64aを反時計方向へ90度回転させ、鍵穴64aが横長の矩形形状に配置された状態)とする。これにより、遊技盤2の後面側が開放されるとともに、電源基板116、払出制御基板110が現れる。遊技ホールの店員等の係員は、電源基板116のRAMクリアスイッチ117をON操作しながら、電源基板116の電源スイッチ118をON操作する。
【0239】
遊技ホールの店員等の係員は、RAMクリアスイッチ117をON操作しながら、電源基板116の電源スイッチ118をON操作することで、つまり遊技ホールの店員等の係員によるRAMクリア操作で、主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図32(A)において「主制御側」と記載)は、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」により起動する。これにより、RAMクリア報知タイマ値に30秒がセットされ、
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、RAMクリア報知タイマ値が減算されることとなる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信されたRAMクリア報知コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図32(A)において「サブ制御側」と記載)は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4290のRAMクリア報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とする制御をおこなう。このようにして、RAMクリア報知態様による報知がおこなわれる。
【0240】
遊技ホールの店員等の係員は、遊技機1の状態がRAMクリア報知態様の状態のまま、前枠53を内枠と共に外枠へ向かって閉鎖することで通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)へ戻し、施錠完了する。その後、報知時間(30秒)が経過することで、RAMクリア報知態様の状態が解除されて、遊技機1の状態が遊技者待ちの状態の態様となる。なお、遊技者待ちの状態では、枠ランプ66が青色に点灯する状態(または、青色で、明るくなったり、暗くなったりする態様を繰り返す階調点灯する状態)であり、スピーカ67から音楽やアナウンス音声が流れない(このとき、盤ランプ5が消灯する状態となっている)。
【0241】
遊技ホールの店員等の係員がおこなうRAMクリア操作では、RAMクリア報知態様が報知時間(30秒)か経過するまでに、電源スイッチ118をOFF操作して再びON操作することが全くないため、一度、「第2の起動」により起動すると、RAMクリア報知態様が途中で終了されず、報知時間(30秒)か経過するまで継続されることとなる。
【0242】
[不正行為者によるRAMクリアの報知]
次に、不正行為者によるRAMクリアの報知について説明する。ここでは、まず不正行為者がRAMクリア操作をおこなう理由について、簡単に説明する。
【0243】
「ハズレ」が連続してb時短(非時短状態から時短状態へ移行して時短30回となる遊タイム)が発生したものの、このb時短中に「当たり」とならない場合には、b時短が終了すると、「当たり」となるか、または、メインRAM84をクリア(RAMクリア)しない限り、b時短を獲得することができない。そこで、不正行為者は、b時短中に「当たり」とならない場合には、何らかの手段により(例えば、電源基板116の配線に、いわゆる「ぶら下がり基板」を設け、無線通信を用いて)、遊技機1への電源を遮断したあと、RAMクリアスイッチ117のON操作と電源スイッチ118のON操作とがおこなわれたように見せかけて遊技機1の電源投入をおこない、主制御基板80の遊技制御用マイコン81を、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」により起動させる。ところが、「第2の起動」により起動することで遊技機1の状態がRAMクリア報知態様の状態となるため、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為が気付かれないように、RAMクリア報知態様の報知時間(30秒)が経過するまえに、再び遊技機1への電源を遮断したあと、今度は電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなって、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」による起動を回避させようとする。
【0244】
また、遊技機1が電源投入されて、所定の変動回数(ゲーム数)(例えば、10回としてもよいし、または、20回としてもよい。)を消化するまでは、遊技状態を通常確率状態かつ時短状態として演出図柄の変動演出(変動表示)をおこなう遊技仕様の遊技機においても、不正行為者は、遊技機1が電源投入されて、所定の変動回数(ゲーム数)を消化するまでの通常確率状態かつ時短状態を、何度も獲得するために、何らかの手段により(例えば、電源基板116の配線に、いわゆる「ぶら下がり基板」を設け、無線通信を用いて)、遊技機1への電源を遮断したあと、RAMクリアスイッチ117のON操作と電源スイッチ118のON操作とがおこなわれたように見せかけて遊技機1の電源投入をおこない、主制御基板80の遊技制御用マイコン81を、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」により起動させる。ところが、「第2の起動」により起動することで遊技機1の状態がRAMクリア報知態様の状態となるため、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為が気付かれないように、RAMクリア報知態様の報知時間(30秒)が経過するまえに、再び遊技機1への電源を遮断したあと、今度は電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなって、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」による起動を回避させようとする。
【0245】
そこで、本実施形態では、このような不正行為者によるRAMクリア操作への対策が施されている。遊技ホールの店員等の係員は、遊技ホールの営業が開始されるまえに、
図32(B)に示すように、シリンダ錠64の鍵穴64aに正規の鍵を挿入して、正規の鍵を通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)から反時計回りの方向へ90度回転させて前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態(鍵穴64aを反時計方向へ90度回転させ、鍵穴64aが横長の矩形形状に配置された状態)とする。これにより、遊技盤2の後面側が開放されるとともに、電源基板116、払出制御基板110が現れる。遊技ホールの店員等の係員は、電源基板116の電源スイッチ118をON操作する。なお、遊技ホールでは、遊技機1が多数設置されているため、遊技機1への電源投入を個別におこなわずに、トグルスイッチである電源スイッチ118がONされた状態とし、遊技ホールのブレーカを遮断した状態から導通した状態へ切り替えることで、遊技ホールに設置された遊技機の電源投入を一斉におこなう場合がある。
【0246】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図32(B)において「主制御側」と記載)は、主制御基板80の遊技制御用マイコン81におけるメインRAM84に記憶された内容をクリア(RAMクリア)せずに、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS023(YES)、ステップS025(YES)の処理(つまり、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)である場合)である「第1の起動」により起動することとなる。
【0247】
その後、遊技ホールの営業が開始されて遊技ホールに不正行為者が入店し、不正行為者は、何らかの手段により(例えば、電源基板116の配線に、いわゆる「ぶら下がり基板」を設け、無線通信を用いて)、遊技機1への電源を遮断したあと、RAMクリアスイッチ117のON操作と電源スイッチ118のON操作とがおこなわれたように見せかけて遊技機1の電源投入をおこない、主制御基板80の遊技制御用マイコン81を、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」により起動させる。ところが、「第2の起動」により起動することで遊技機1の状態がRAMクリア報知態様の状態となるため(RAMクリア報知態様による報知がおこなわれるため)、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為が気付かれないように、RAMクリア報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、再び遊技機1への電源を遮断したあと、今度は電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。
【0248】
不正行為者が、何らかの手段により主制御基板80の遊技制御用マイコン81を、
図11の電源投入時処理におけるステップS019~ステップS022の処理である「第2の起動」により起動させたときに、RAMクリア報知タイマ値が30秒にセットされ、
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、RAMクリア報知タイマ値が減算されることとなる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信されたRAMクリア報知コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図32(B)において「サブ制御側」と記載)は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4290のRAMクリア報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とする制御をおこなう。このようにして、RAMクリア報知態様による報知がおこなわれる。
【0249】
不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為が気付かれないように、RAMクリア報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、再び遊技機1への電源を遮断したあと、今度は電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。つまり、RAMクリア報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに、つまりRAMクリア報知態様による報知を開始してから報知時間(30秒という所定期間)に達する前に)、再び遊技機1への電源を遮断しているため、RAMクリア報知タイマ値が20秒となっている状態がバックアップ情報としてメインRAM84に保持され、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。これにより、主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS18の処理である「第1の起動」により起動することで、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)でなく、20秒であるため、報知時間の残り時間が存在することとなり、RAMクリア報知継続コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信することとなる。このようにして、RAMクリア報知態様による報知が継続される。
【0250】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信されたRAMクリア報知継続コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4290のRAMクリア報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態をRAMクリア報知態様の状態とする制御をおこなう。つまり、最初に10秒のRAMクリア報知態様の状態となったものの、再び、最初からRAMクリア報知態様の状態を報知時間(30秒)が経過するまで維持することとなり、結果的にトータル40秒(最初の報知時間:10秒+今回の報知時間:30秒)のRAMクリア報知態様の状態とすることができるようになっている。なお、RAMクリア報知タイマ値が20秒となっているものの、
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、RAMクリア報知タイマ値が減算されて値0(ゼロ)となると、減算が停止される一方、報知時間(30秒)が経過するまで、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91により、RAMクリア報知態様の状態が維持される。
【0251】
このように、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為が気付かれないように、RAMクリア報知態様の発報後、再び遊技機1への電源を遮断したあと、今度は電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう行為を繰り返すと、RAMクリア報知態様の状態が延長されるようになっている。これにより、遊技ホールを巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為を気付かれ易い状態とすることができる。
【0252】
[叩きゴトの報知]
次に、叩きゴトの報知について説明する。叩きゴトは、不正行為者が遊技機1を叩いて遊技領域3を流下する遊技球の方向に変化を加える行為である。叩きゴトにより、例えば一般入賞口27や第1始動口20へ遊技球が入球する球数を増やしたりすることができる。そこで、本実施形態では、このような不正行為者による叩きゴトへの対策が施されている。
【0253】
遊技ホールの店員等の係員は、遊技ホールの営業が開始されるまえに、
図33(A)に示すように、シリンダ錠64の鍵穴64aに正規の鍵を挿入して、正規の鍵を通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)から反時計回りの方向へ90度回転させて前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態(鍵穴64aを反時計方向へ90度回転させ、鍵穴64aが横長の矩形形状に配置された状態)とする。これにより、遊技盤2の後面側が開放されるとともに、電源基板116、払出制御基板110が現れる。遊技ホールの店員等の係員は、電源基板116の電源スイッチ118をON操作する。なお、遊技ホールでは、上述したように、遊技機1が多数設置されているため、遊技機1への電源投入を個別におこなわずに、トグルスイッチである電源スイッチ118がONされた状態とし、遊技ホールのブレーカを遮断した状態から導通した状態へ切り替えることで、遊技ホールに設置された遊技機の電源投入を一斉におこなう場合がある。
【0254】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図33(A)において「主制御側」と記載)は、主制御基板80の遊技制御用マイコン81におけるメインRAM84に記憶された内容をクリア(RAMクリア)せずに、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS023(YES)、ステップS025(YES)の処理(つまり、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)である場合)である「第1の起動」により起動することとなる。
【0255】
その後、遊技ホールの営業が開始されて遊技ホールに不正行為者が入店し、不正行為者は、遊技機1を叩いて遊技領域3を流下する遊技球の方向に変化を加える叩きゴトをおこなう(叩きゴトの発生)。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、メイン側タイマ割り込み処理における一処理である
図22の叩きゴト監視処理のステップS2500の判定において、異常振動があると判定されると、同処理のステップS2501で叩きゴト報知タイマ値に報知時間(30秒)をセットし、同処理のステップS2502で叩きゴト報知コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。
【0256】
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、叩きゴト報知タイマ値が減算されることとなる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信された叩きゴト報知コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図33(A)において「サブ制御側」と記載)は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4310の叩きゴト報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態を叩きゴト報知態様の状態とする制御をおこなう。このようにして、叩きゴト報知態様による報知がおこなわれる。
【0257】
不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、叩きゴトという不正行為が気付かれないように、叩きゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、何らかの手段により(例えば、電源基板116の配線に、いわゆる「ぶら下がり基板」を設け、無線通信を用いて)、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。つまり、叩きゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに、つまり叩きゴト報知態様による報知を開始してから報知時間(30秒という所定期間)に達する前に)、遊技機1への電源を遮断しているため、叩きゴト報知タイマ値が20秒となっている状態がバックアップ情報としてメインRAM84に保持され、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。これにより、主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS023~ステップS024の処理である「第1の起動」により起動することで、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でなく、20秒であるため、報知時間の残り時間が存在することとなり、叩きゴト報知継続コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信することとなる。このようにして、叩きゴト報知態様による報知が継続される。
【0258】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信された叩きゴト報知継続コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4310の叩きゴト報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態を叩きゴト報知態様の状態とする制御をおこなう。つまり、最初に10秒の叩きゴト報知態様の状態となったものの、再び、最初から叩きゴト報知態様の状態を報知時間(30秒)が経過するまで維持することとなり、結果的にトータル40秒(最初の報知時間:10秒+今回の報知時間:30秒)の叩きゴト報知態様の状態とすることができるようになっている。なお、叩きゴト報知タイマ値が20秒となっているものの、
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、叩きゴト報知タイマ値が減算されて値0(ゼロ)となると、減算が停止される一方、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91により、報知時間(30秒)が経過するまで、叩きゴト報知態様の状態が維持される。
【0259】
このように、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、叩きゴトという不正行為が気付かれないように、叩きゴト報知態様の発報後、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう行為を繰り返すと、叩きゴト報知態様の状態が延長されるようになっている。これにより、遊技ホールを巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、叩きゴトという不正行為を気付かれ易い状態とすることができる。
【0260】
[磁石ゴトの報知]
次に、磁石ゴトの報知について説明する。磁石ゴトは、不正行為者が磁石を近づけて遊技領域3を流下する遊技球の方向に変化を加える行為である。磁石ゴトにより、例えば一般入賞口27や第1始動口20へ遊技球が入球する球数を増やしたりすることができる。そこで、本実施形態では、このような不正行為者による磁石ゴトへの対策が施されている。
【0261】
遊技ホールの店員等の係員は、遊技ホールの営業が開始されるまえに、
図33(B)に示すように、シリンダ錠64の鍵穴64aに正規の鍵を挿入して、正規の鍵を通常状態(鍵穴64aが縦長の矩形形状に配置された状態)から反時計回りの方向へ90度回転させて前枠53を内枠と共に外枠から開放する状態(鍵穴64aを反時計方向へ90度回転させ、鍵穴64aが横長の矩形形状に配置された状態)とする。これにより、遊技盤2の後面側が開放されるとともに、電源基板116、払出制御基板110が現れる。遊技ホールの店員等の係員は、電源基板116の電源スイッチ118をON操作する。なお、遊技ホールでは、上述したように、遊技機1が多数設置されているため、遊技機1への電源投入を個別におこなわずに、トグルスイッチである電源スイッチ118がONされた状態とし、遊技ホールのブレーカを遮断した状態から導通した状態へ切り替えることで、遊技ホールに設置された遊技機の電源投入を一斉におこなう場合がある。
【0262】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81(
図33(B)において「主制御側」と記載)は、主制御基板80の遊技制御用マイコン81におけるメインRAM84に記憶された内容をクリア(RAMクリア)せずに、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS023(YES)、ステップS025(YES)の処理(つまり、RAMクリア報知タイマ値が値0(ゼロ)、叩きゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)である場合)である「第1の起動」により起動することとなる。
【0263】
その後、遊技ホールの営業が開始されて遊技ホールに不正行為者が入店し、不正行為者は、磁石を近づけて遊技領域3を流下する遊技球の方向に変化を加える磁石ゴトをおこなう(磁石ゴトの発生)。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、メイン側タイマ割り込み処理における一処理である
図23の磁石ゴト監視処理のステップS2510の判定において、磁石の接近があると判定されると、同処理のステップS2511で磁石ゴト報知タイマ値に報知時間(30秒)をセットし、同処理のステップS2512で磁石ゴト報知コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信する。
【0264】
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、磁石ゴト報知タイマ値が減算されることとなる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信された磁石ゴト報知コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91(
図33(B)において「サブ制御側」と記載)は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4330の磁石ゴト報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態を磁石ゴト報知態様の状態とする制御をおこなう。このようにして、磁石ゴト報知態様による報知がおこなわれる。
【0265】
不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、磁石ゴトという不正行為が気付かれないように、磁石ゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、何らかの手段により(例えば、電源基板116の配線に、いわゆる「ぶら下がり基板」を設け、無線通信を用いて)、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。つまり、磁石ゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに、つまり磁石ゴト報知態様による報知を開始してから報知時間(30秒という所定期間)に達する前に)、遊技機1への電源を遮断しているため、磁石ゴト報知タイマ値が20秒となっている状態がバックアップ情報としてメインRAM84に保持され、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。これにより、主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS025~ステップS026の処理である「第1の起動」により起動することで、磁石ゴト報知タイマ値が値0(ゼロ)でなく、20秒であるため、報知時間の残り時間が存在することとなり、磁石ゴト報知継続コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信することとなる。このようにして、磁石ゴト報知態様による報知が継続される。
【0266】
主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信された磁石ゴト報知継続コマンドを受信したサブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、
図29の受信コマンド解析処理におけるステップS4330の磁石ゴト報知処理において、
図31の報知態様テーブルを参照して、報知時間(30秒)だけ遊技機1の状態を磁石ゴト報知態様の状態とする制御をおこなう。つまり、最初に10秒の磁石ゴト報知態様の状態となったものの、再び、最初から磁石ゴト報知態様の状態を報知時間(30秒)が経過するまで維持することとなり、結果的にトータル40秒(最初の報知時間:10秒+今回の報知時間:30秒)の磁石ゴト報知態様の状態とすることができるようになっている。なお、磁石ゴト報知タイマ値が20秒となっているものの、
図13のメイン側タイマ割り込み処理におけるステップS112の報知タイマ値減算処理により、磁石ゴト報知タイマ値が減算されて値0(ゼロ)となると、減算が停止される一方、報知時間(30秒)が経過するまで、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91により、磁石ゴト報知態様の状態が維持される。
【0267】
このように、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、磁石ゴトという不正行為が気付かれないように、磁石ゴト報知態様の発報後、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう行為を繰り返すと、磁石ゴト報知態様の状態が延長されるようになっている。これにより、遊技ホールを巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、磁石ゴトという不正行為を気付かれ易い状態とすることができる。
【0268】
11.本実施形態の効果例、変形例、態様例
[効果例]
以下に、各報知例の効果例を示す。
[効果1]
上記実施形態の遊技機1では、枠ランプ66(報知手段)およびスピーカ67(報知手段)を制御するサブ制御基板90の演出制御用マイコン91(報知制御手段)を備えている。演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、所定の入力があると、報知時間(所定期間)、枠ランプ66(報知手段)およびスピーカ67(報知手段)による報知(
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知におけるRAMクリア報知態様による報知、
図33(A)の叩きゴトの報知における叩きゴト報知態様による報知、
図33(B)の磁石ゴトの報知における磁石ゴト報知態様による報知)をおこない、報知を開始してから報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に報知(
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知におけるRAMクリア報知態様による報知、
図33(A)の叩きゴトの報知における叩きゴト報知態様による報知、
図33(B)の磁石ゴトの報知における磁石ゴト報知態様による報知)を再開することができるようになっている。この構成によれば、報知途中で電源が遮断されても、復電後に報知を再開することができる。これにより、報知時間(所定期間)での報知の完了を担保することができる。
【0269】
[効果2]
上記実施形態の遊技機1における
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知において、所定の入力とは、RAMクリア(ラムクリア)が実行されたときに出力される信号であり、RAMクリア報知コマンドの受信である。この構成によれば、例えば不正行為者によるRAMクリア(ラムクリア)の実行によりRAM(ラム)の内容が初期化されると、RAMクリア報知態様による報知途中に遊技機の電源が遮断され、その後、復電されても、RAMクリア報知態様による報知を再開することができるにより、不正行為者によるRAMクリアの報知を、遊技ホールを巡回する遊技ホールの店員等の係員に気付かれ易くすることができる。
【0270】
[効果3]
上記実施形態の遊技機1における、
図33(A)の叩きゴトの報知において、所定の入力とは、異常振動がある(異常が検出される)ときに出力される信号であり、叩きゴト報知コマンドの受信である。この構成によれば、例えば不正行為者による叩きゴトが発生すると、叩きゴト報知態様による報知途中に遊技機の電源が遮断され、その後、復電されても、叩きゴト報知態様による報知を再開することができるにより、不正行為者による叩きゴトの報知を、遊技ホールを巡回する遊技ホールの店員等の係員に気付かれ易くすることができる。
【0271】
また、
図33(B)の磁石ゴトの報知において、所定の入力とは、磁石の接近がある(異常が検出される)ときに出力される信号であり、磁石ゴト報知コマンドの受信である。この構成によれば、例えば不正行為者による磁石ゴトが発生すると、磁石ゴト報知態様による報知途中に遊技機の電源が遮断され、その後、復電されても、磁石ゴト報知態様による報知を再開することができるにより、不正行為者による磁石ゴトの報知を、遊技ホールを巡回する遊技ホールの店員等の係員に気付かれ易くすることができる。
【0272】
[効果4]
上記実施形態の遊技機1における、
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知において、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後にRAMクリア報知態様による報知(報知)を開始すると、報知時間(所定期間)、RAMクリア報知態様による報知(報知)をおこなうことができるようになっている。この構成によれば、報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電されても、報知時間(所定期間)に達するまでRAMクリア報知態様による報知(報知)を延長して継続することができる。言い換えると、RAMクリア報知態様による報知(報知)は、報知時間(所定期間)に達するまで完了することができないようになっているため、報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電されると、報知時間(所定期間)だけ延長されることができるようになっている。
【0273】
また、
図33(A)の叩きゴトの報知において、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に叩きゴト報知態様による報知(報知)を開始すると、報知時間(所定期間)、叩きゴト報知態様による報知(報知)をおこなうことができるようになっている。この構成によれば、報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電されても、報知時間(所定期間)に達するまで叩きゴト報知態様による報知(報知)を延長して継続することができる。言い換えると、叩きゴト報知態様による報知(報知)は、報知時間(所定期間)に達するまで完了することができないようになっているため、報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電されると、報知時間(所定期間)だけ延長されることができるようになっている。
【0274】
また、
図33(B)の磁石ゴトの報知において、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に磁石ゴト報知態様による報知(報知)を開始すると、報知時間(所定期間)、磁石ゴト報知態様による報知(報知)をおこなうことができるようになっている。この構成によれば、報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電されても、報知時間(所定期間)に達するまで磁石ゴト報知態様による報知(報知)を延長して継続することができる。言い換えると、磁石ゴト報知態様による報知(報知)は、報知時間(所定期間)に達するまで完了することができないようになっているため、報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電されると、報知時間(所定期間)だけ延長されることができるようになっている。
【0275】
[効果5]
上記実施形態の遊技機1は、電源が遮断されても記憶内容をバックアップ情報として保持してRAMクリア(ラムクリア)によりバックアップ情報がクリアされるメインRAM84(バックアップ記憶手段)を備えている。メインRAM84(バックアップ記憶手段)には、報知時間(所定時間)と対応するタイマ値が記憶され、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に、タイマ値に基づいて報知時間(所定期間)に達していない場合、報知を継続する報知継続コマンドが入力されて報知を開始することができるようになっている。
【0276】
具体的には、
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知では、メインRAM84(バックアップ記憶手段)には、報知時間(所定時間)と対応するRAMクリア報知タイマ値(タイマ値)が記憶され、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に、RAMクリア報知タイマ値(タイマ値)に基づいて報知時間の残り時間が存在する場合(所定期間に達していない場合)、RAMクリア報知態様による報知(報知)を継続するRAMクリア報知継続コマンド(報知継続コマンド)が入力されてRAMクリア報知態様による報知(報知)を開始(再開)することができるようになっている。この構成によれば、RAMクリア報知タイマ値(タイマ値)がメインRAM84(バックアップ記憶手段)に記憶保持されるため、復電後に、RAMクリア報知タイマ値(タイマ値)に基づいてRAMクリア報知態様による報知(報知)を再開することができる。
【0277】
また、
図33(A)の叩きゴトの報知では、メインRAM84(バックアップ記憶手段)には、報知時間(所定時間)と対応する叩きゴト報知タイマ値(タイマ値)が記憶され、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に、叩きゴト報知タイマ値(タイマ値)に基づいて報知時間の残り時間が存在する場合(所定期間に達していない場合)、叩きゴト報知態様による報知(報知)を継続する叩きゴト報知継続コマンド(報知継続コマンド)が入力されて叩きゴト報知態様による報知(報知)を開始(再開)することができるようになっている。この構成によれば、叩きゴト報知タイマ値(タイマ値)がメインRAM84(バックアップ記憶手段)に記憶保持されるため、復電後に、叩きゴト報知タイマ値(タイマ値)に基づいて叩きゴト報知態様による報知(報知)を再開することができる。
【0278】
また、
図33(B)の磁石ゴトの報知では、メインRAM84(バックアップ記憶手段)には、報知時間(所定時間)と対応する磁石ゴト報知タイマ値(タイマ値)が記憶され、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に、磁石ゴト報知タイマ値(タイマ値)に基づいて報知時間の残り時間が存在する場合(所定期間に達していない場合)、磁石ゴト報知態様による報知(報知)を継続する磁石ゴト報知継続コマンド(報知継続コマンド)が入力されて磁石ゴト報知態様による報知(報知)を開始(再開)することができるようになっている。この構成によれば、磁石ゴト報知タイマ値(タイマ値)がメインRAM84(バックアップ記憶手段)に記憶保持されるため、復電後に、磁石ゴト報知タイマ値(タイマ値)に基づいて磁石ゴト報知態様による報知(報知)を再開することができる。
【0279】
[変形例]
以下に、各報知例の変形例を示す。
[変形例1]
上記実施形態の遊技機1における、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知において、復電後にRAMクリア報知態様による報知(報知)を開始すると、報知時間(所定期間)、RAMクリア報知態様による報知(報知)をおこなうことができ、
図33(A)の叩きゴトの報知において、復電後に叩きゴト報知態様による報知(報知)を開始すると、報知時間(所定期間)、叩きゴト報知態様による報知(報知)をおこなうことができ、
図33(B)の磁石ゴトの報知において、復電後に磁石ゴト報知態様による報知(報知)を開始すると、報知時間(所定期間)、磁石ゴト報知態様による報知(報知)をおこなうことができるようになっていた。しかし、演出制御用マイコン91(報知制御手段)は、復電後に報知を再開すると、遊技機1の電源が遮断される前に報知をおこなった時間と、復電後に報知をおこなう時間と、の合計が報知時間(所定期間)になるように報知をおこなうようにしてもよい。このように構成しても、報知途中で電源が遮断されても、復電後に報知を再開することができるため、報知時間(所定期間)での報知の完了を担保することができる。
【0280】
具体的には、
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知において、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、RAMクリア操作という不正行為が気付かれないように、RAMクリア報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、再び遊技機1への電源を遮断したあと、今度は電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。つまり、RAMクリア報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、再び遊技機1への電源を遮断している。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS18の処理である「第1の起動」により起動することで、RAMクリア報知継続コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信することとなる。RAMクリア報知継続コマンドは、報知時間(所定期間)の情報を含むように構成され、ここでは、遊技機1の電源が遮断される前に報知をおこなった時間であるRAMクリア報知態様の発報後の10秒と、復電後に報知をおこなう時間である30秒(ここでは、30秒を「報知規定時間」とする)と、を合計した時間とし、40秒となる。
【0281】
また、
図33(A)の叩きゴトの報知において、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、叩きゴトという不正行為が気付かれないように、叩きゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。つまり、叩きゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、遊技機1への電源を遮断している。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS023~ステップS024の処理である「第1の起動」により起動することで、叩きゴト報知継続コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信することとなる。叩きゴト報知継続コマンドは、報知時間(所定期間)の情報を含むように構成され、ここでは、遊技機1の電源が遮断される前に報知をおこなった時間である叩きゴト報知態様の発報後の10秒と、復電後に報知をおこなう時間である30秒(ここでは、30秒を「報知規定時間」とする)と、を合計した時間とし、40秒となる。
【0282】
また、
図33(B)の磁石ゴトの報知において、不正行為者は、遊技ホール内を巡回する遊技ホールの店員等の係員に対して、磁石ゴトという不正行為が気付かれないように、磁石ゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のみON操作したと見せかけて遊技機1の電源投入をおこなう。つまり、磁石ゴト報知態様の発報後、10秒経過で(報知時間(30秒)が経過するまえに)、遊技機1への電源を遮断している。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、
図11の電源投入時処理におけるステップS014~ステップS17の処理、そして
図12のステップS025~ステップS026の処理である「第1の起動」により起動することで、磁石ゴト報知継続コマンドをサブ制御基板90の演出制御用マイコン91に送信することとなる。磁石ゴト報知継続コマンドは、報知時間(所定期間)の情報を含むように構成され、ここでは、遊技機1の電源が遮断される前に報知をおこなった時間である磁石ゴト報知態様の発報後の10秒と、復電後に報知をおこなう時間である30秒(ここでは、30秒を「報知規定時間」とする)と、を合計した時間とし、40秒となる。
【0283】
[変形例2]
上記実施形態の遊技機1において、
図32(B)の不正行為者によるRAMクリアの報知、
図33(A)の叩きゴトの報知、
図33(B)の磁石ゴトの報知では、報知を開始してから報知時間(所定期間)に達する前に、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に報知を再開することができるようになっていた。しかし、前枠53が内枠から開放されると、内枠開放センサにより検出されるようにし、内枠開放センサからの検出信号が主制御基板80に入力され、遊技制御用マイコン81は、内枠開放センサからの検出信号に基づいて、前枠53が内枠から開放されていると判定すると、遊技機の異常として、異常報知態様による報知を開始するようにしてもよい。この異常報知態様による報知を開始してから報知時間(所定期間)に達する前に、何らかの手段により(例えば、電源基板116の配線に、いわゆる「ぶら下がり基板」を設け、無線通信を用いて)、遊技機1への電源を遮断したあと、電源スイッチ118のON操作がおこなわれたように見せかけて、遊技機1の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に報知を再開する。前枠53が内枠から開放されたという出来事(事象)を報知する異常報知態様として、報知時間(30秒)が経過するまで、枠ランプ66が「赤色」に点滅する異常報知発光態様へ変化するとともに、「ビビー、ビビー」という異常報知音がスピーカ67から流れ続ける。このようにして、異常報知態様による報知がおこなわれる。
【0284】
[態様例]
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
◇[態様1]
報知手段を制御する報知制御手段を備える遊技機であって、
前記報知制御手段は、
所定の入力があると、所定期間、前記報知手段による報知をおこない、
前記報知を開始してから前記所定期間に達する前に、前記遊技機の電源が遮断され、その後、復電された場合、復電後に前記報知を再開する、
ことを特徴とする遊技機。
【0285】
◇[態様2]
態様1に記載の遊技機であって、
前記所定の入力とは、ラムクリアが実行されたときに出力される信号である、
ことを特徴とする遊技機。
【0286】
◇[態様3]
態様2に記載の遊技機であって、
前記所定の入力とは、異常が検出されるときに出力される信号である、
ことを特徴とする遊技機。
【0287】
◇[態様4]
態様3に記載の遊技機であって、
前記報知制御手段は、前記復電後に前記報知を開始すると、前記所定期間、前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【0288】
◇[態様5]
態様3に記載の遊技機であって、
前記報知制御手段は、前記復電後に前記報知を再開すると、前記遊技機の電源が遮断される前に前記報知をおこなった時間と、前記復電後に前記報知をおこなう時間と、の合計が前記所定期間になるように前記報知をおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
【0289】
◇[態様6]
態様4または態様5に記載の遊技機は、電源が遮断されても記憶内容をバックアップ情報として保持して前記ラムクリアにより前記バックアップ情報がクリアされるバックアップ記憶手段を備え、
前記バックアップ記憶手段には、前記所定時間と対応するタイマ値が記憶され、
前記報知制御手段は、復電後に、前記タイマ値に基づいて前記所定期間に達していない場合、前記報知を継続する報知継続コマンドが入力されて前記報知を開始する、
ことを特徴とする遊技機。
【0290】
[その他の変形例]
上述の種々の表示演出において、その一部の演出を含んでいない構成や、上述した以外の演出が含まれていてもよい。
【0291】
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。遊技機1をスロットマシンとする場合には、遊技媒体を遊技球から遊技メダルに変更すればよい。
【0292】
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0293】
また、上述した複数の演出例および/または変形例のうち、2つ以上の演出例および/または変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
【0294】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0295】
1…遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
7a…表示画面
20…第1始動口
21…第2始動口
39…V領域
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン