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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141701
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】車体構造
(51)【国際特許分類】
B62D 21/02 20060101AFI20241003BHJP
【ＦＩ】
B62D21/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023053490
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】板屋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岡田 雄介
【テーマコード（参考）】
3D203
【Ｆターム（参考）】
3D203AA02
3D203BA02
3D203CB19
3D203DA11
(57)【要約】
【課題】クロスメンバーのレイアウトの制約を受けることなく、プロペラシャフトを支持クロスメンバーに取り付ける上で有利な車体構造を提供する。
【解決手段】第３クロスメンバー１６は一対のサイドメンバー１０に連結される一対の第１メンバー３４と、第３クロスメンバー１６の車幅方向の中央部に位置し一対の第１メンバー３４に連結される第２メンバー３６とを備え、第２メンバー３６に、プロペラシャフト２２が支持されている。
【選択図】図３
【解決手段】第３クロスメンバー１６は一対のサイドメンバー１０に連結される一対の第１メンバー３４と、第３クロスメンバー１６の車幅方向の中央部に位置し一対の第１メンバー３４に連結される第２メンバー３６とを備え、第２メンバー３６に、プロペラシャフト２２が支持されている。
【選択図】図３
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向両側で前後方向に延びる一対のサイドメンバーと、
前記一対のサイドメンバーに連結され車幅方向に延びるクロスメンバーと、
を有するシャシフレーム上にボディが載置される車両の車体構造において、
前記クロスメンバーは、プロペラシャフトを支持する支持クロスメンバーを含み、
前記支持クロスメンバーは前記一対のサイドメンバーに連結される一対の第１メンバーと、前記支持クロスメンバーの車幅方向の中央部に位置し前記一対の第１メンバーに連結される第２メンバーとを備え、
前記第２メンバーに、プロペラシャフトが支持されている、
ことを特徴とする車体構造。
前記一対のサイドメンバーに連結され車幅方向に延びるクロスメンバーと、
を有するシャシフレーム上にボディが載置される車両の車体構造において、
前記クロスメンバーは、プロペラシャフトを支持する支持クロスメンバーを含み、
前記支持クロスメンバーは前記一対のサイドメンバーに連結される一対の第１メンバーと、前記支持クロスメンバーの車幅方向の中央部に位置し前記一対の第１メンバーに連結される第２メンバーとを備え、
前記第２メンバーに、プロペラシャフトが支持されている、
ことを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記第２メンバーは、その車幅方向の中央部が上下方向に湾曲する湾曲部を含んで構成され
前記湾曲部に前記プロペラシャフトが支持されている、
ことを特徴とする請求項１記載の車体構造。
前記湾曲部に前記プロペラシャフトが支持されている、
ことを特徴とする請求項１記載の車体構造。
【請求項3】
前記第２メンバーは、前記一対の第１メンバーに比べ剛性が低く形成されている、
ことを特徴とする請求項１記載の車体構造。
ことを特徴とする請求項１記載の車体構造。
【請求項4】
前記第２メンバーは、車幅方向の両端部の断面が下方に開放状に形成され、
前記第２メンバーの前記両端部は前記第１メンバーに上方から重なるように設けられている、
ことを特徴とする請求項１記載の車体構造。
前記第２メンバーの前記両端部は前記第１メンバーに上方から重なるように設けられている、
ことを特徴とする請求項１記載の車体構造。
【請求項5】
前記一対の第１メンバーと前記第２メンバーとは、前記第２メンバーの前記両端部が前記第１メンバーに重ねられた状態で、前記第1メンバーおよび前記第２メンバーを車両前後方向に貫通する係止体を介して連結されている、
ことを特徴とする請求項４記載の車体構造。
ことを特徴とする請求項４記載の車体構造。
【請求項6】
前記一対の第１メンバーの車幅方向内側の端部には上方に突出する突出部が設けられ、
前記第２メンバーの車幅方向外側の端部には、前記突出部が挿通される貫通孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項４記載の車体構造。
前記第２メンバーの車幅方向外側の端部には、前記突出部が挿通される貫通孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項４記載の車体構造。
【請求項7】
前記貫通孔よりも車幅方向内側の前記第２メンバーの箇所で、前記貫通孔と車幅方向に並んで配置され、車幅方向に延在するビードが設けられている、
ことを特徴とする請求項６記載の車体構造。
ことを特徴とする請求項６記載の車体構造。
【請求項8】
前記クロスメンバーは、前記支持クロスメンバーより車両前方で同支持クロスメンバーより低い位置に配置される前クロスメンバーを含み、
前記プロペラシャフトは、前記前クロスメンバーの上方に位置するとともに前記支持クロスメンバーの下方に位置するよう配置され、前記第２メンバーの下方に支持される、
ことを特徴とする請求項１～７記載の車体構造。
前記プロペラシャフトは、前記前クロスメンバーの上方に位置するとともに前記支持クロスメンバーの下方に位置するよう配置され、前記第２メンバーの下方に支持される、
ことを特徴とする請求項１～７記載の車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車幅方向に間隔をおいて車両前後方向に延在する一対のサイドフレームと、車両の前後方向に間隔をおいた複数箇所で車幅方向に延在し一対のサイドフレームを連結するクロスメンバーとを含んで構成されたいわゆるシャシフレーム（ラダーフレーム）を備えた車体構造が提供され、このシャシフレーム上にはボディが載置されている。
このような車体構造において、車体前部に設けられたトランスミッションの駆動力を車体後部に設けられたディファレンシャルギアに伝達するプロペラシャフトが前後２本のシャフトに分割されている場合、プロペラシャフトの中間部分をセンターベアリングで支持している。
そして、プロペラシャフトに組み付けられたセンターベアリングを、車体の下方から複数のクロスメンバーのうちの１つのクロスメンバーの下部に取り付ける車体構造が知られている（特許文献１参照）。
このような車体構造において、車体前部に設けられたトランスミッションの駆動力を車体後部に設けられたディファレンシャルギアに伝達するプロペラシャフトが前後２本のシャフトに分割されている場合、プロペラシャフトの中間部分をセンターベアリングで支持している。
そして、プロペラシャフトに組み付けられたセンターベアリングを、車体の下方から複数のクロスメンバーのうちの１つのクロスメンバーの下部に取り付ける車体構造が知られている（特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０２１－３７７８４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、センターベアリングが取り付けられるクロスメンバーを支持クロスメンバーと呼び、この支持クロスメンバーの前方に隣接するクロスメンバーを前クロスメンバーと呼ぶとすると、前クロスメンバーが上記支持クロスメンバーよりも低位に位置し、プロペラシャフトが前クロスメンバーの上方を通り、また、支持クロスメンバーの下方を通るレイアウトとなった場合に以下の不具合が発生する。
１）プロペラシャフトに組み付けられたセンターベアリングを支持クロスメンバーの下方から取り付けようとした場合に、プロペラシャフトが前クロスメンバーと干渉するので支持クロスメンバーに取り付けができなくなる。
２）プロペラシャフトに組み付けられたセンターベアリングを支持クロスメンバーの上方から取り付けようとした場合に、プロペラシャフトが支持クロスメンバーと干渉するので支持クロスメンバーに取り付けることが困難となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、クロスメンバーのレイアウトの制約を受けることなく、プロペラシャフトを支持クロスメンバーに取り付ける上で有利な車体構造を提供することを目的とする。
１）プロペラシャフトに組み付けられたセンターベアリングを支持クロスメンバーの下方から取り付けようとした場合に、プロペラシャフトが前クロスメンバーと干渉するので支持クロスメンバーに取り付けができなくなる。
２）プロペラシャフトに組み付けられたセンターベアリングを支持クロスメンバーの上方から取り付けようとした場合に、プロペラシャフトが支持クロスメンバーと干渉するので支持クロスメンバーに取り付けることが困難となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、クロスメンバーのレイアウトの制約を受けることなく、プロペラシャフトを支持クロスメンバーに取り付ける上で有利な車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、車幅方向両側で前後方向に延びる一対のサイドメンバーと、前記一対のサイドメンバーに連結され車幅方向に延びるクロスメンバーと、を有するシャシフレーム上にボディが載置される車両の車体構造において、前記クロスメンバーは、プロペラシャフトを支持する支持クロスメンバーを含み、前記支持クロスメンバーは前記一対のサイドメンバーに連結される一対の第１メンバーと、前記支持クロスメンバーの車幅方向の中央部に位置し前記一対の第１メンバーに連結される第２メンバーとを備え、前記第２メンバーに、プロペラシャフトが支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、車体構造のレイアウト上、プロペラシャフトを支持クロスメンバーの上方から組み付けることが必要となった場合に、プロペラシャフトと他のクロスメンバーとが干渉することがなく、要するに支持クロスメンバーや他のクロスメンバーのレイアウトの制約を受けることなくプロペラシャフトの組み付け作業の効率化を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態に係る車体構造について図面を参照して説明する。
なお、以下の図面において、符号ＦＲは車両前方、符号ＵＰは車両上方、符号ＩＮは車幅方向内方、符号ＯＵＴは車幅方向外方を示す。
図１－図３に示すように、本発明の実施の形態の車体構造は、一対のサイドフレーム１０と、複数のクロスメンバー１２－２０と、プロペラシャフト２２と、センターベアリング２４を含んで構成されている。
一対のサイドフレーム１０は、車幅方向に間隔をおいて車両前後方向に延在している。
複数のクロスメンバー１２－２０は、車両の前後方向に間隔をおいた複数箇所で車幅方向に延在し一対のサイドフレーム１０を連結しており、これによりシャシフレーム（ラダーフレーム）が構成され、このシャシフレーム上に不図示のボディが載置される。
なお、以下の図面において、符号ＦＲは車両前方、符号ＵＰは車両上方、符号ＩＮは車幅方向内方、符号ＯＵＴは車幅方向外方を示す。
図１－図３に示すように、本発明の実施の形態の車体構造は、一対のサイドフレーム１０と、複数のクロスメンバー１２－２０と、プロペラシャフト２２と、センターベアリング２４を含んで構成されている。
一対のサイドフレーム１０は、車幅方向に間隔をおいて車両前後方向に延在している。
複数のクロスメンバー１２－２０は、車両の前後方向に間隔をおいた複数箇所で車幅方向に延在し一対のサイドフレーム１０を連結しており、これによりシャシフレーム（ラダーフレーム）が構成され、このシャシフレーム上に不図示のボディが載置される。
【0009】
複数のクロスメンバー１２－２０は、本実施の形態では、車両前方から車両後方に配置された第１－第５クロスメンバー１２－２０を含んで構成されている。
図２に示すように、第１クロスメンバー１２および第２クロスメンバー１４（前クロスメンバー）は、上下方向の位置が同一で第１－第５クロスメンバー１２－２０の中で最も低位に配置されている。
第３クロスメンバー１６は、第２クロスメンバー１４よりも高位に位置しており、この第３クロスメンバー１６がプロペラシャフト２２を支持する支持クロスメンバーを構成している。
言い換えると、複数のクロスメンバー１２－２０は、支持クロスメンバー１６より車両前方で同支持クロスメンバー１６より低い位置に配置される前クロスメンバー１４を含む。
第４クロスメンバー１８は、第３クロスメンバー１６と同程度の高さに位置している。
第５クロスメンバー２０は、第４クロスメンバー１８よりも高位に位置している。
なお、図１、図２において、符号２６は、第１クロスメンバー１２の上方かつ前方に配置されたトランスミッション、符号２８は、第４、第５クロスメンバー１８、２０の間でかつ第４、第５クロスメンバー１８、２０の下方に配置されたディファレンシャルギア、図３において、符号３０は一対のサイドメンバー１０および第１－第５クロスメンバー１２－２０の上方に配置されたフロアパネルを示している。
図２に示すように、第１クロスメンバー１２および第２クロスメンバー１４（前クロスメンバー）は、上下方向の位置が同一で第１－第５クロスメンバー１２－２０の中で最も低位に配置されている。
第３クロスメンバー１６は、第２クロスメンバー１４よりも高位に位置しており、この第３クロスメンバー１６がプロペラシャフト２２を支持する支持クロスメンバーを構成している。
言い換えると、複数のクロスメンバー１２－２０は、支持クロスメンバー１６より車両前方で同支持クロスメンバー１６より低い位置に配置される前クロスメンバー１４を含む。
第４クロスメンバー１８は、第３クロスメンバー１６と同程度の高さに位置している。
第５クロスメンバー２０は、第４クロスメンバー１８よりも高位に位置している。
なお、図１、図２において、符号２６は、第１クロスメンバー１２の上方かつ前方に配置されたトランスミッション、符号２８は、第４、第５クロスメンバー１８、２０の間でかつ第４、第５クロスメンバー１８、２０の下方に配置されたディファレンシャルギア、図３において、符号３０は一対のサイドメンバー１０および第１－第５クロスメンバー１２－２０の上方に配置されたフロアパネルを示している。
【0010】
図１、図２に示すように、プロペラシャフト２２は、フロントプロペラシャフト２２Ａと、リアプロペラシャフト２２Ｂとを備えている。
プロペラシャフト２２は、車両後方に至るにつれて次第に下方に変位する傾斜で設けられ、プロペラシャフト２２は、第２クロスメンバー１４の上方に位置し、また、第３クロスメンバー１６の下方に位置している。
フロントプロペラシャフト２２Ａはその前端がトランスミッション２６に連結され、その後端寄りの箇所が、第３クロスメンバー１６に取り付けられたセンターベアリング２４を介して回転可能に支持されている。
フロントプロペラシャフト２２Ａの後端は、等速ジョイント３２を介してリアプロペラシャフト２２Ｂの前端に連結され、リアプロペラシャフト２２Ｂの後端がディファレンシャルギア２８に連結されている。
図３に示すように、フロアパネル３０は一対のサイドメンバー１０の上方で第１－第５クロスメンバー１２－２０の上方に配置されている。
プロペラシャフト２２は、車両後方に至るにつれて次第に下方に変位する傾斜で設けられ、プロペラシャフト２２は、第２クロスメンバー１４の上方に位置し、また、第３クロスメンバー１６の下方に位置している。
フロントプロペラシャフト２２Ａはその前端がトランスミッション２６に連結され、その後端寄りの箇所が、第３クロスメンバー１６に取り付けられたセンターベアリング２４を介して回転可能に支持されている。
フロントプロペラシャフト２２Ａの後端は、等速ジョイント３２を介してリアプロペラシャフト２２Ｂの前端に連結され、リアプロペラシャフト２２Ｂの後端がディファレンシャルギア２８に連結されている。
図３に示すように、フロアパネル３０は一対のサイドメンバー１０の上方で第１－第５クロスメンバー１２－２０の上方に配置されている。
【0011】
第３クロスメンバー１６は、一対のサイドメンバー１０に連結される一対の第１メンバー３４と、第３クロスメンバー１６の車幅方向の中央部に位置し一対の第１メンバー３４に連結される第２メンバー３６とを備えている。
図４に示すように、第１メンバー３４はその断面が矩形枠状を呈する閉断面構造で構成されている。
第１メンバー３４の車幅方向の端部の上壁３４０２上には、上壁３４０２から上方に突出する突出部３４０４が設けられている。
この突出部３４０４は、上壁３４０２の部分を切り欠きこの切り欠いた部分を起立させることで設けられている。
図４に示すように、第１メンバー３４はその断面が矩形枠状を呈する閉断面構造で構成されている。
第１メンバー３４の車幅方向の端部の上壁３４０２上には、上壁３４０２から上方に突出する突出部３４０４が設けられている。
この突出部３４０４は、上壁３４０２の部分を切り欠きこの切り欠いた部分を起立させることで設けられている。
【0012】
図３、図４に示すように、第２メンバー３６は、上壁３６０２と、この上壁３６０２の車両前後端から下方に垂設された前側壁３６０４および後側壁３６０６とからなり、下方に開放状に形成されている。
したがって、第２メンバー３６は、車幅方向の両端部の断面が下方に開放状に形成されている。
図３に示すように、第２メンバー３６は、その車幅方向の中央に位置し上方に湾曲した湾曲部３６Ａと、湾曲部３６Ａの車幅方向の両端に接続され車幅方向に延在する一対の側部３６Ｂとを備え、第２メンバー３６は、一対の第１メンバー３４に比べ剛性が低く形成されている。
なお、第２メンバー３６の剛性を一対の第１メンバー３４に比べて低く形成するためには、例えば、第２メンバー３６の肉厚を第１メンバー３４よりも薄くする、あるいは、第２メンバー３６に孔を設ける、あるいは、第１メンバー３４に補強部材を設けるなどの従来公知の様々な構造が採用可能である。
第２メンバー３６の車幅方向の両端、すなわち、一対の側部３６Ｂの車幅方向外側の端部は、図４に示すように、第１メンバー３４の車幅方向内側の端部に被せられており、したがって、第２メンバー３６の両端部は第１メンバー３４に上方から重なるように設けられている。
また、第２メンバー３６の上壁３６０２に形成された貫通孔３６１０に突出部３４０４が挿通され、この突出部３４０４は上壁３６０２の上方に突出している。
そして、第２メンバー３６の一対の側部３６Ｂの前側壁３６０４および後側壁３６０６、第１メンバー３４の車幅方向内側の端部の前側壁３６０４および後側壁３６０６に挿通した車両前後方向に貫通する係止体であるボルト３８およびナット（不図示）を介して第２メンバー３６の車幅方向の両端が第１メンバー３４の車幅方向内側の端部に取り付けられている。
したがって、一対の第１メンバー３４と第２メンバー３６とは、第２メンバー３６の両端部が第１メンバー３４に重ねられた状態で、第1メンバー３４および第２メンバー３６を車両前後方向に貫通する係止体を介して連結されている。
図４に示すように、貫通孔３６１０よりも車幅方向内側の第２メンバー３６の箇所で、貫通孔３６１０と車幅方向に並んで配置され、車幅方向に延在するビード３６１２が設けられている。
本実施の形態では、ビード３６１２は、一対の側部３６Ｂの上壁３６０２から、車幅方向内側の端部に位置する湾曲部３６Ａの上壁３６０２にわたって延在形成されている。
したがって、第２メンバー３６は、車幅方向の両端部の断面が下方に開放状に形成されている。
図３に示すように、第２メンバー３６は、その車幅方向の中央に位置し上方に湾曲した湾曲部３６Ａと、湾曲部３６Ａの車幅方向の両端に接続され車幅方向に延在する一対の側部３６Ｂとを備え、第２メンバー３６は、一対の第１メンバー３４に比べ剛性が低く形成されている。
なお、第２メンバー３６の剛性を一対の第１メンバー３４に比べて低く形成するためには、例えば、第２メンバー３６の肉厚を第１メンバー３４よりも薄くする、あるいは、第２メンバー３６に孔を設ける、あるいは、第１メンバー３４に補強部材を設けるなどの従来公知の様々な構造が採用可能である。
第２メンバー３６の車幅方向の両端、すなわち、一対の側部３６Ｂの車幅方向外側の端部は、図４に示すように、第１メンバー３４の車幅方向内側の端部に被せられており、したがって、第２メンバー３６の両端部は第１メンバー３４に上方から重なるように設けられている。
また、第２メンバー３６の上壁３６０２に形成された貫通孔３６１０に突出部３４０４が挿通され、この突出部３４０４は上壁３６０２の上方に突出している。
そして、第２メンバー３６の一対の側部３６Ｂの前側壁３６０４および後側壁３６０６、第１メンバー３４の車幅方向内側の端部の前側壁３６０４および後側壁３６０６に挿通した車両前後方向に貫通する係止体であるボルト３８およびナット（不図示）を介して第２メンバー３６の車幅方向の両端が第１メンバー３４の車幅方向内側の端部に取り付けられている。
したがって、一対の第１メンバー３４と第２メンバー３６とは、第２メンバー３６の両端部が第１メンバー３４に重ねられた状態で、第1メンバー３４および第２メンバー３６を車両前後方向に貫通する係止体を介して連結されている。
図４に示すように、貫通孔３６１０よりも車幅方向内側の第２メンバー３６の箇所で、貫通孔３６１０と車幅方向に並んで配置され、車幅方向に延在するビード３６１２が設けられている。
本実施の形態では、ビード３６１２は、一対の側部３６Ｂの上壁３６０２から、車幅方向内側の端部に位置する湾曲部３６Ａの上壁３６０２にわたって延在形成されている。
【0013】
第２メンバー３６に、プロペラシャフト２２を支持するセンターベアリング２４が設けられており、したがって、プロペラシャフト２２は第２メンバー３６に支持されている。
図５に示すようにセンターベアリング２４は、ベアリング４０と、ベアリング４０を保持するゴム製の弾性体４２と、この弾性体４２を囲繞する金属製のベアリング用ブラケット４４とを含んで構成されている。
ベアリング用ブラケット４４の車幅方向両側には、取り付け孔４４０４が上下に貫通された取り付け片４４０２がそれぞれ設けられている。
一方、図３に示すように、第２メンバー３６の湾曲部３６Ａを構成する前側壁３６０４には、センターベアリング２４のベアリング用ブラケット４４を取り付けるための取り付け用ブラケット４６が設けられ、それらベアリング用ブラケット４４と取り付け用ブラケット４６とは上下方向において重ね合わされ、図３に中心線で示す上下に延在するボルトを介して締結され、これによりセンターベアリング２４が第２メンバー３６に取り付けられている。したがって、プロペラシャフト２２は湾曲部３６Ａに支持されている。
このようにセンターベアリング２４が第２メンバー３６に取り付けられた状態でセンターベアリング２４のほぼ上半部は湾曲部３６Ａの下方で湾曲部３６Ａの内側に位置し、収容されている。
これにより、上下方向において湾曲部３６Ａとセンターベアリング２４が占有するスペースのコンパクト化が図られている。
したがって、プロペラシャフト２２は、第２クロスメンバー（前クロスメンバー）１４の上方に位置するとともに支持クロスメンバー１６の下方に位置するよう配置され、第２メンバー３６の下方に支持されている。
図５に示すようにセンターベアリング２４は、ベアリング４０と、ベアリング４０を保持するゴム製の弾性体４２と、この弾性体４２を囲繞する金属製のベアリング用ブラケット４４とを含んで構成されている。
ベアリング用ブラケット４４の車幅方向両側には、取り付け孔４４０４が上下に貫通された取り付け片４４０２がそれぞれ設けられている。
一方、図３に示すように、第２メンバー３６の湾曲部３６Ａを構成する前側壁３６０４には、センターベアリング２４のベアリング用ブラケット４４を取り付けるための取り付け用ブラケット４６が設けられ、それらベアリング用ブラケット４４と取り付け用ブラケット４６とは上下方向において重ね合わされ、図３に中心線で示す上下に延在するボルトを介して締結され、これによりセンターベアリング２４が第２メンバー３６に取り付けられている。したがって、プロペラシャフト２２は湾曲部３６Ａに支持されている。
このようにセンターベアリング２４が第２メンバー３６に取り付けられた状態でセンターベアリング２４のほぼ上半部は湾曲部３６Ａの下方で湾曲部３６Ａの内側に位置し、収容されている。
これにより、上下方向において湾曲部３６Ａとセンターベアリング２４が占有するスペースのコンパクト化が図られている。
したがって、プロペラシャフト２２は、第２クロスメンバー（前クロスメンバー）１４の上方に位置するとともに支持クロスメンバー１６の下方に位置するよう配置され、第２メンバー３６の下方に支持されている。
【0014】
本実施の形態によれば、第３クロスメンバー１６は、一対のサイドメンバー１０に連結される一対の第１メンバー３４と、クロスメンバーの車幅方向の中央部に位置し一対の第１メンバー３４に連結される第２メンバー３６とを備え、第２メンバー３６に、プロペラシャフト２２を支持するセンターベアリング２４が設けられている。
したがって、プロペラシャフト２２の車体構造の組み付け作業は以下の手順で行なわれる。
すなわち、予め、第１、第２、第４、第５クロスメンバー１２、１４、１８、２０で一対のサイドメンバー１０を連結する共に、第３クロスメンバー１６の一対の第１メンバー３４の車幅方向外側の端部を一対のサイドメンバー１０にそれぞれ取り付けたフレーム組立体を用意する。
次いで、フレーム組立体の上方に、第２メンバー３６とセンターベアリング２４が組み付けられたプロペラシャフト２２をホイストなどによって吊り下げる。
そして、ホイストによってプロペラシャフト２２を下方に移動させ、第１メンバー３４の車幅方向内側の端部の間にプロペラシャフト２２を位置させ、第２メンバー３６の一対の側部３６Ｂを第１メンバー３４の車幅方向の内側の端部に上方から被せると共に、車幅方向における第２メンバー３６の第１メンバー３４に対する位置決めを行なう。
位置決めがなされたならば、車両前後方向からボルト３８、ナットによって第２メンバー３６を第１メンバー３４に対して取り付け、これにより、プロペラシャフト２２の組み付けがなされる。
言い換えると、第３クロスメンバー１６は一対のサイドメンバー１０に連結される一対の第１メンバー３４と、第３クロスメンバー１６の車幅方向の中央部に位置し一対の第１メンバー３４に連結される第２メンバー３６とを備え、第２メンバー３６に、プロペラシャフト２２が支持されている。
したがって、車体構造のレイアウト上、プロペラシャフト２２を第３クロスメンバー１６の上方から組み付けることが必要となった場合に、プロペラシャフト２２と第３クロスメンバー１６とが干渉することがなく、要するにクロスメンバーのレイアウトの制約を受けることなくプロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上で有利となる。
したがって、プロペラシャフト２２の車体構造の組み付け作業は以下の手順で行なわれる。
すなわち、予め、第１、第２、第４、第５クロスメンバー１２、１４、１８、２０で一対のサイドメンバー１０を連結する共に、第３クロスメンバー１６の一対の第１メンバー３４の車幅方向外側の端部を一対のサイドメンバー１０にそれぞれ取り付けたフレーム組立体を用意する。
次いで、フレーム組立体の上方に、第２メンバー３６とセンターベアリング２４が組み付けられたプロペラシャフト２２をホイストなどによって吊り下げる。
そして、ホイストによってプロペラシャフト２２を下方に移動させ、第１メンバー３４の車幅方向内側の端部の間にプロペラシャフト２２を位置させ、第２メンバー３６の一対の側部３６Ｂを第１メンバー３４の車幅方向の内側の端部に上方から被せると共に、車幅方向における第２メンバー３６の第１メンバー３４に対する位置決めを行なう。
位置決めがなされたならば、車両前後方向からボルト３８、ナットによって第２メンバー３６を第１メンバー３４に対して取り付け、これにより、プロペラシャフト２２の組み付けがなされる。
言い換えると、第３クロスメンバー１６は一対のサイドメンバー１０に連結される一対の第１メンバー３４と、第３クロスメンバー１６の車幅方向の中央部に位置し一対の第１メンバー３４に連結される第２メンバー３６とを備え、第２メンバー３６に、プロペラシャフト２２が支持されている。
したがって、車体構造のレイアウト上、プロペラシャフト２２を第３クロスメンバー１６の上方から組み付けることが必要となった場合に、プロペラシャフト２２と第３クロスメンバー１６とが干渉することがなく、要するにクロスメンバーのレイアウトの制約を受けることなくプロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上で有利となる。
【0015】
また、本実施の形態では、第２メンバー３６は、その車幅方向の中央部が上方に湾曲する湾曲部３６Ａを含んで構成され、湾曲部３６Ａにプロペラシャフト２２が支持されているので、側面衝突時に一方のサイドメンバー１０から第３クロスメンバー１６に入力する衝突荷重によって湾曲部３６Ａが変形しやすくなっている。
したがって、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上で有利となる。
したがって、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上で有利となる。
【0016】
また、本実施の形態では、第３クロスメンバー１６の第２メンバー３６は、一対の第１メンバー３４に比べ剛性が低く形成されているので、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上でより有利となる。
【0017】
また、本実施の形態では、第２メンバー３６は、車幅方向の両端部の断面が下方に開放状に形成され、第２メンバー３６の両端部は第１メンバー３４に上方から重なるように設けられているので、第２メンバー３６の車幅方向両端を第１メンバー３４の車幅方向の内側の端部に上方から被せることによって、第２メンバー３６を第１メンバー３４に確実にかつ容易に組み付けることができるため、プロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上で有利となる。
【0018】
また、本実施の形態では、一対の第１メンバー３４と第２メンバー３６とは、第２メンバー３６の両端部が第１メンバー３４に重ねられた状態で、第1メンバー３４および第２メンバー３６を車両前後方向に貫通する係止体を介して連結されている。
したがって、プロペラシャフト２２の上方にフロアパネル３０が配置されていても、車両前後方向から容易に係止体の取り付け作業、取り外し作業を行なうことができるため、プロペラシャフト２２の保守作業や交換作業の効率化を図る上で有利となる。
したがって、プロペラシャフト２２の上方にフロアパネル３０が配置されていても、車両前後方向から容易に係止体の取り付け作業、取り外し作業を行なうことができるため、プロペラシャフト２２の保守作業や交換作業の効率化を図る上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態では、一対の第１メンバー３４の車幅方向内側の端部には上方に突出する突出部３４０４が設けられ、第２メンバー３６の車幅方向外側の端部には、突出部３４０４が挿通される貫通孔３６１０が設けられている。
したがって、プロペラシャフト２２の組み付け作業の際、第２メンバー３６の車幅方向外側の端部と第１メンバー３４の車幅方向内側の端部との位置決めを、第２メンバー３６の貫通孔３６１０と第１メンバー３４の突出部３４０４とを利用して行なうことができるため、プロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上でより有利となる。
また、側面衝突時に、サイドメンバー１０から第１メンバー３４に入力した衝突荷重は、車両前後方向に延在する係止体を介して第２メンバー３６に伝達されることに加え、突出部３４０４から貫通孔３６１０の縁部と介して第２メンバー３６に伝達されるため、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上でより有利となる。
したがって、プロペラシャフト２２の組み付け作業の際、第２メンバー３６の車幅方向外側の端部と第１メンバー３４の車幅方向内側の端部との位置決めを、第２メンバー３６の貫通孔３６１０と第１メンバー３４の突出部３４０４とを利用して行なうことができるため、プロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上でより有利となる。
また、側面衝突時に、サイドメンバー１０から第１メンバー３４に入力した衝突荷重は、車両前後方向に延在する係止体を介して第２メンバー３６に伝達されることに加え、突出部３４０４から貫通孔３６１０の縁部と介して第２メンバー３６に伝達されるため、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上でより有利となる。
【0020】
また、本実施の形態では、貫通孔３６１０よりも車幅方向内側の第２メンバー３６の箇所で、貫通孔３６１０と車幅方向に並んで配置され、車幅方向に延在するビード３６１２が設けられている。
そのため、サイドメンバー１０から第１メンバー３４に入力した衝突荷重は、ビード３６１２を介しても第２メンバー３６に伝達されるため、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上でより有利となる。
そのため、サイドメンバー１０から第１メンバー３４に入力した衝突荷重は、ビード３６１２を介しても第２メンバー３６に伝達されるため、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部３６Ａによって効率的に吸収する上でより有利となる。
【0021】
また、本実施の形態では、複数のクロスメンバー１２－２０は、支持クロスメンバー１６より車両前方で同支持クロスメンバー１６より低い位置に配置される前クロスメンバー１４を含み、プロペラシャフト２２は、第２クロスメンバー（前クロスメンバー）１４の上方に位置するとともに支持クロスメンバー１６の下方に位置するよう配置され、第２メンバー３６の下方に支持されている。
したがって、プロペラシャフト２２が第２クロスメンバー１４の上方を通り、第３クロスメンバー１６の下方を通るようなレイアウトとなった場合においても、プロペラシャフト２２を車体構造の上方から第３クロスメンバー１６に容易に組み付けることができる。
そのため、プロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上で有利となる。
したがって、プロペラシャフト２２が第２クロスメンバー１４の上方を通り、第３クロスメンバー１６の下方を通るようなレイアウトとなった場合においても、プロペラシャフト２２を車体構造の上方から第３クロスメンバー１６に容易に組み付けることができる。
そのため、プロペラシャフト２２の組み付け作業の効率化を図る上で有利となる。
【0022】
なお、本実施の形態では、第２メンバー３６がその車幅方向の中央部が上方に湾曲する湾曲部３６Ａを含んで構成されている場合について説明したが、第２メンバー３６がその車幅方向の中央部が下方に湾曲する湾曲部を含んで構成されていても、本実施の形態と同様に、側面衝突時に入力する衝突荷重を湾曲部によって効率的に吸収する上で有利となる。
このように、第２メンバー３６の車幅方向の中央部が下方に湾曲する湾曲部を含んで構成されている場合、センターベアリング２４が第２メンバー３６に取り付けられた状態でセンターベアリング２４のほぼ下半部が湾曲部の上方で湾曲部の内側に位置するようにすれば、本実施の形態と同様に、上下方向において湾曲部とセンターベアリング２４が占有するスペースのコンパクト化を図る上で有利となる。
このように、第２メンバー３６の車幅方向の中央部が下方に湾曲する湾曲部を含んで構成されている場合、センターベアリング２４が第２メンバー３６に取り付けられた状態でセンターベアリング２４のほぼ下半部が湾曲部の上方で湾曲部の内側に位置するようにすれば、本実施の形態と同様に、上下方向において湾曲部とセンターベアリング２４が占有するスペースのコンパクト化を図る上で有利となる。
【符号の説明】
【0023】
１０ 一対のサイドフレーム
１２ 第１クロスメンバー
１４ 第２クロスメンバー（前クロスメンバー）
１６ 第３クロスメンバー（支持クロスメンバー）
１８ 第４クロスメンバー
２０ 第５クロスメンバー
２２ プロペラシャフト
２２Ａ フロントプロペラシャフト
２２Ｂ リアプロペラシャフト
２４ センターベアリング
２６ トランスミッション
２８ ディファレンシャルギア
３０ フロアパネル
３２ 等速ジョイント
３４ 第１メンバー
３４０２ 上壁
３４０４ 突出部
３６ 第２メンバー
３６０２ 上壁
３６０４ 前側壁
３６０６ 後側壁
３６１０ 貫通孔
３６１２ ビード
３６Ａ 湾曲部
３６Ｂ 側部
３８ ボルト（係止体）
４０ ベアリング
４２ 弾性体
４４ ベアリング用ブラケット
４４０２ 取り付け片
４４０４ 取り付け孔
４６ 取り付け用ブラケット
１２ 第１クロスメンバー
１４ 第２クロスメンバー（前クロスメンバー）
１６ 第３クロスメンバー（支持クロスメンバー）
１８ 第４クロスメンバー
２０ 第５クロスメンバー
２２ プロペラシャフト
２２Ａ フロントプロペラシャフト
２２Ｂ リアプロペラシャフト
２４ センターベアリング
２６ トランスミッション
２８ ディファレンシャルギア
３０ フロアパネル
３２ 等速ジョイント
３４ 第１メンバー
３４０２ 上壁
３４０４ 突出部
３６ 第２メンバー
３６０２ 上壁
３６０４ 前側壁
３６０６ 後側壁
３６１０ 貫通孔
３６１２ ビード
３６Ａ 湾曲部
３６Ｂ 側部
３８ ボルト（係止体）
４０ ベアリング
４２ 弾性体
４４ ベアリング用ブラケット
４４０２ 取り付け片
４４０４ 取り付け孔
４６ 取り付け用ブラケット
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】