(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141705
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20241003BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053497
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨岡 明弘
(72)【発明者】
【氏名】岩井 義樹
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA69
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC08
5E555CA13
5E555CB12
5E555DB03
5E555DC09
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】低コストで操作履歴を表現できる操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法。
【解決手段】表示部を備え、前記表示部に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報を記録する表示情報記録処理と、前記画面に対するユーザの操作の操作情報を記録する操作情報記録処理と、前記操作情報から前記操作の種類を判別する操作情報判別処理と、記録された前記表示情報に基づいて前記画面を再現すると共に、再現された前記画面に、判別した前記操作に対応した操作記号を重ねて表示する画面再現処理とを実行可能に構成されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備え、
前記表示部に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報を記録する表示情報記録処理と、
前記画面に対するユーザの操作の操作情報を記録する操作情報記録処理と、
前記操作情報から前記操作の種類を判別する操作情報判別処理と、
記録された前記表示情報に基づいて前記画面を再現すると共に、再現された前記画面に、判別した前記操作に対応した操作記号を重ねて表示する画面再現処理と
を実行可能に構成されている
操作ログ管理システム。
【請求項2】
前記表示部上の前記ユーザが操作した位置と対応する前記画面上の座標と、前記ユーザが操作した時刻とを記録可能に構成されており、
前記操作情報記録処理は、
前記ユーザの第1の操作の位置と対応する前記画面上の座標を開始位置として記録すると共に、前記ユーザが前記第1の操作をした時刻を開始時刻として記録する操作開始情報記録処理と、
前記ユーザの第2の操作の位置と対応する前記画面上の座標を終了位置として記録すると共に、前記ユーザが前記第2の操作をした時刻を終了時刻として記録する操作終了情報記録処理と
を含む
請求項1に記載の操作ログ管理システム。
【請求項3】
前記操作情報判別処理は、
前記開始時刻から前記終了時刻までの操作時間が時間閾値未満であるか否かを判定する操作時間判定処理と、
前記開始位置に対する前記終了位置までの操作距離が距離閾値未満であるか否かを判定する操作距離判定処理と
を含み、
前記操作時間が前記時間閾値未満であり、かつ、前記操作距離が前記距離閾値未満であると判定した場合には、前記操作を第3の操作と判定し、
前記操作時間が前記時間閾値以上であり、かつ、前記操作距離が前記距離閾値未満であると判定した場合には、前記操作を第4の操作と判定する
請求項2に記載の操作ログ管理システム。
【請求項4】
前記操作情報判別処理は、前記第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されているか否かを判定する間隔判定処理を含み、
前記第3の操作が所定の前記時間間隔以内で繰り返されていると判定した場合には、複数の前記第3の操作を一つの前記操作と判定する
請求項3に記載の操作ログ管理システム。
【請求項5】
前記操作距離が前記距離閾値以上であると判定した場合には、前記操作をドラッグと判定する
請求項3に記載の操作ログ管理システム。
【請求項6】
前記操作情報記録処理は、前記操作開始情報記録処理と前記操作終了情報記録処理との間において、所定の時間毎に、前記ユーザが操作した位置と対応する前記画面上の座標を中間位置として記録すると共に、その時の時刻を中間時刻として記録する操作継続情報記録処理を含む
請求項2に記載の操作ログ管理システム。
【請求項7】
前記操作情報判別処理は、
前記開始位置及び前記終了位置がそれぞれ複数であるか否かを判定するマルチ操作判別処理と、
前記開始位置及び前記終了位置がそれぞれ複数であると判定した場合には、それぞれの前記開始位置を結んだ直線距離である開始位置距離と、それぞれの前記終了位置を結んだ直線距離である終了位置距離とを算出する2点間距離算出処理と、
前記開始位置距離と前記終了位置距離との差と、変化閾値とを比較する2点間距離判定処理と
を含み、
前記開始位置距離と前記終了位置距離との差が全て前記変化閾値以上であると判定した場合には、前記操作を縮小と判定し、
前記開始位置距離と前記終了位置距離との差が全て前記変化閾値未満であると判定した場合には、前記操作を拡大と判定する
請求項2又は3に記載の操作ログ管理システム。
【請求項8】
前記表示部は、タッチパネルで構成されており、
前記第1の操作は、前記ユーザが前記表示部上に指を触れる操作であり、
前記第2の操作は、前記ユーザが前記表示部上から指を離す操作である
請求項2又は3に記載の操作ログ管理システム。
【請求項9】
前記表示情報記録処理において、前記表示情報に含まれる画像ファイルの保存場所の情報を記録すると共に、前記画面再現処理において、前記保存場所から前記画像ファイルを取得して表示するように構成されている
請求項1又は2に記載の操作ログ管理システム。
【請求項10】
前記表示情報は、一又は複数の部品を含む製品の生産を管理するための生産管理情報である
請求項1又は2に記載の操作ログ管理システム。
【請求項11】
前記表示部を含む一又は複数の作業端末と、
操作ログ管理装置と
を備え、
前記作業端末は、前記表示情報記録処理と、前記操作情報記録処理とを実行可能に構成されており、
前記操作ログ管理装置は、前記操作情報判別処理と、前記画面再現処理とを実行可能に構成されている
請求項1又は2に記載の操作ログ管理システム。
【請求項12】
作業端末の表示部に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報を記録する表示情報記録工程と、
前記画面に対するユーザの操作の操作情報を記録する操作情報記録工程と、
前記操作情報から前記操作の種類を判別する操作情報判別工程と、
記録された前記表示情報に基づいて前記画面を再現すると共に、再現された前記画面に、判別した前記操作に対応した操作記号を重ねて表示する画面再現工程と
を備える
操作ログ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルの画面に画像を表示させる表示処理部と、タッチパネルに対するジェスチャ操作の内容を解析する操作解析部と、表示処理部がジェスチャ操作の前にタッチパネルの画面に表示させていた画像と、操作解析部が解析したジェスチャ操作の内容を示す画像とを合成した操作履歴画像を生成する操作履歴画像生成部と、操作履歴画像を記憶する操作履歴画像記憶部と、タッチパネルの画面に、操作履歴画像記憶部に記憶されている操作履歴画像を時系列的に表示させ、ユーザにより選択された操作履歴画像に対応するジェスチャ操作まで遡って処理を行う制御部とを備えるタッチパネル表示制御装置がある(特許文献1等)。
【0003】
ジェスチャ操作は、ユーザの指によって行われるものであり、ジェスチャ操作の種類として複数の種類が予め定められており、ジェスチャ操作の内容を示す画像は、ジェスチャ操作が複数の種類のうちのどれに該当するかを示す図形であって、ジェスチャ操作の種類に対応する指の形を表す図形を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のタッチパネル表示制御装置は、上述したように、ジェスチャ操作毎に表示処理部がジェスチャ操作の前にタッチパネルの画面に表示させていた画像と、操作解析部が解析したジェスチャ操作の内容を示す画像とを合成した操作履歴画像とを保存するため、データの保存に容量の大きい記憶媒体が必要となり、操作履歴の管理にかかるコストが高いという問題がある。また、一般に、解像度が高い画像ほど視認性に優れるが、画像のファイルサイズが大きくなり、より容量の大きい記録媒体が必要になるため、画像の保存に必要な容量が、画像の解像度とトレードオフになってしまうという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、低コストで操作履歴を表現できる操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る操作ログ管理システムは、表示部を備え、前記表示部に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報を記録する表示情報記録処理と、前記画面に対するユーザの操作の操作情報を記録する操作情報記録処理と、前記操作情報から前記操作の種類を判別する操作情報判別処理と、記録された前記表示情報に基づいて前記画面を再現すると共に、再現された前記画面に、判別した前記操作に対応した操作記号を重ねて表示する画面再現処理とを実行可能に構成されている。
【0008】
本発明の一態様に係る操作ログ管理方法は、作業端末の表示部に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報を記録する表示情報記録工程と、前記画面に対するユーザの操作の操作情報を記録する操作情報記録工程と、前記操作情報から前記操作の種類を判別する操作情報判別工程と、記録された前記表示情報に基づいて前記画面を再現すると共に、再現された前記画面に、判別した前記操作に対応した操作記号を重ねて表示する画面再現工程とを備える。
【0009】
本発明の一態様に係る操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法によれば、画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報に基づいて画面を再現すると共に、再現された画面に、ユーザの操作の操作情報から操作の種類を判別して操作に対応した操作記号を重ねて表示するため、容量の大きい記録媒体が必要なく、低コストで操作履歴を表現できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法によれば、低コストで操作履歴を表現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る操作ログ管理システムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の作業端末を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の操作ログ管理装置を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の操作ログ管理画面の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の操作アイコンデータベースの一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の操作時間判定処理及び操作距離判定処理を示す模式図である。
【
図7】
図7は、本実施形態の開始位置及び終了位置が2点の場合の2点間距離算出処理と2点間距離判定処理を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の開始位置及び終了位置が3点の場合の2点間距離算出処理と2点間距離判定処理を示す模式図である。
【
図9】
図9は、本実施形態のユーザの操作の一例を示す概略図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の画面再現処理の一例を示す概略図である。
【
図11】
図11は、本実施形態の操作ログ管理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本実施形態の操作ログ管理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
[本実施形態に係る操作ログ管理システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る操作ログ管理システムを示す概略図である。
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態に係る操作ログ管理システム1を概説する。本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、概略的には、
図1に示すように、一又は複数の作業端末10と、操作ログ管理装置100とを備える。また、操作ログ管理システム1は、サーバ200を備える。これらの装置は、相互に通信可能に接続されている。
【0014】
作業端末10、操作ログ管理装置100及びサーバ200は、ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。無線通信により接続する場合、操作ログ管理システム1は、一又は複数のアクセスポイントAPを更に備えてもよい。
【0015】
作業端末10は、デスクトップパソコン(desktop personal computer)やノートパソコン(laptop computer)、タブレット(tablet)端末、スマートフォン(smartphone)等の電子計算機である。
【0016】
図2は、本実施形態の作業端末を示す機能ブロック図である。
作業端末10は、
図2に示すように、入力部20と、表示部30と、制御部40と、記憶部50とを含む。本実施形態において、作業端末10は、受注情報、製品情報、製品及び部品の製造工程情報及び各工程の進捗情報等の管理と、製品の製作手配とを行う生産管理装置である。
【0017】
入力部20は、例えば、キーボード(Keyboard)、マウス(Mouse)、タッチパッド(Touchpad)、ジョイスティック(Joystick)等の入力機器により構成されており、入力部20を操作することにより、作業端末10において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、受注情報の選択や進捗情報の入力等の操作を行うことができる。
【0018】
表示部30は、表示装置としてのディスプレイ(Display)を有しており、作業端末10において通常必要とされる画面表示の機能に加え、ウェブページとして表示可能な形式、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)形式の表示情報DIに基づく画面等を表示する。本実施形態において、表示情報DIは、一又は複数の部品を含む製品の生産を管理するための生産管理情報である。生産管理情報は、例えば、受注情報、製品情報、製品及び部品の製造工程情報及び各工程の進捗情報等と含む。
【0019】
また、表示部30は、入力部20の機能を有するタッチパネル(Touch screen)で構成され得る。表示部30がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば、表示部30を操作することにより、受注情報の選択や進捗情報の入力等の各種の操作を作業端末10に対して行うことができる。
【0020】
なお、入力部20及び表示部30の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部20及び表示部30に代わり、同等の機能を有する構成であれば(例えば、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等)、これに限定されるものではない。
【0021】
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)を有する統合型演算処理装置により構成される。制御部40は、
図2に示すように、表示情報記録部42と、操作情報記録部44と、圧縮処理部46とを含む。
【0022】
表示情報記録部42は、表示部30に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式(HTML形式)の表示情報DIを記録する表示情報記録処理を実行可能に構成されている。表示情報DIは、テキストコードであり、表示部30に表示される画面を構成する要素であるボタンやテキストボックス等の情報を含む。
【0023】
また、表示情報記録部42は、表示情報記録処理において、表示情報DIに含まれる画像ファイルの保存場所の情報を記録するように構成されている。すなわち、本実施形態において、表示情報記録部42は、表示情報記録処理において、表示情報DIに含まれる画像ファイルのパスのみを取得し、画像ファイルは取得しない。
【0024】
また、表示情報記録部42は、基本情報を記録する。基本情報は、操作日時、端末情報、表示情報DIに関する情報、操作情報OIに関する情報を含む。端末情報は、例えば、作業端末10の端末名や後述する端末識別子52、操作したユーザのユーザ名等である。表示情報DIに関する情報は、例えば、操作対象の画面の画面名や、ファイル名等である。操作情報OIに関する情報は、操作内容の概要であり、例えば、ファイルに対する追加、編集、削除、閲覧の要求や、入力部20で指定した座標位置、入力部20を介して入力した文字列等である。
【0025】
操作情報記録部44は、画面に対するユーザの操作の操作情報OIを記録する操作情報記録処理を実行可能に構成されている。具体的には、表示部30上のユーザが操作した位置と対応する画面上の座標と、ユーザが操作した時刻とを記録可能に構成されている。また、操作情報記録部44は、ユーザの操作により呼び出したプログラムを記録してもよい。
【0026】
操作情報記録処理は、ユーザの第1の操作の位置と対応する画面上の座標を開始位置Pstartとして記録すると共に、ユーザが第1の操作をした時刻を開始時刻として記録する操作開始情報記録処理と、ユーザの第2の操作の位置と対応する画面上の座標を終了位置Pendとして記録すると共に、ユーザが第2の操作をした時刻を終了時刻として記録する操作終了情報記録処理とを含む。
【0027】
本実施形態において、第1の操作は、ユーザが入力部20のマウスのボタンを押下する操作や、ユーザが入力部20のタッチパッド上に指を触れる操作であり、表示部30がタッチパネルで構成される場合は、ユーザが表示部30上に指を触れる操作である。また、本実施形態において、第2の操作は、ユーザが入力部20のマウスのボタンの押下を解除する操作や、ユーザが入力部20のタッチパッド上から指を離す操作であり、表示部30がタッチパネルで構成される場合は、ユーザが表示部30上から指を離す操作である。
【0028】
また、操作情報記録処理は、操作開始情報記録処理と操作終了情報記録処理との間において、所定の時間(例えば、0.3~0.4秒等)毎に、ユーザが操作した位置と対応する画面上の座標を中間位置として記録すると共に、その時の時刻を中間時刻として記録する操作継続情報記録処理を含む。
【0029】
圧縮処理部46は、操作毎に基本情報、表示情報DI及び操作情報OIを圧縮し、操作ログとしてサーバ200に送信する。本実施形態において、圧縮処理部46は、基本情報、表示情報DI及び操作情報OIを1つのzip形式のファイルに圧縮して送信することが好ましいが、これに限定されない。圧縮処理部46は、操作ログを順次サーバ200に送信してもよいし、複数の操作ログを纏めてサーバ200に送信してもよい。
【0030】
記憶部50は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有すると共に、様々なデータを読み書き可能に記憶する。記憶部50は、
図2に示すように、端末識別子52を含む。また、記憶部50は、端末識別子52を格納する。さらに、記憶部50は、作業端末10の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0031】
端末識別子52は、作業端末10毎に割り振られたユニークな識別子であり、複数の作業端末10を識別可能な構成であれば、種々の任意の識別子を採用可能である。例えば、端末識別子52は、連続番号で構成されてもよいし、所定の文字列と連続番号の組み合わせで構成されてもよいし、ランダムな文字及び数字の羅列であってもよい。
【0032】
図3は、本実施形態の操作ログ管理装置を示す機能ブロック図である。
操作ログ管理装置100は、デスクトップパソコンやノートパソコン、タブレット端末等の電子計算機であり、
図2に示すように、入力部110と、表示部120と、制御部130と、記憶部140とを含む。
【0033】
入力部110は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、ジョイスティック等の入力機器により構成されており、入力部110を操作することにより、操作ログ管理装置100において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、操作ログの選択等の操作を行うことができる。
【0034】
表示部120は、表示装置としてのディスプレイを有しており、操作ログ管理装置100において通常必要とされる画面表示の機能に加え、例えば、操作ログ管理画面122等を表示する。また、表示部120は、入力部20の機能を有するタッチパネルで構成され得る。表示部120がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば、表示部120を操作することにより、操作ログの選択等の各種の操作を操作ログ管理装置100に対して行うことができる。
【0035】
なお、入力部110及び表示部120の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部110及び表示部120に代わり、同等の機能を有する構成であれば、これに限定されるものではない。例えば、入力部110及び表示部120は、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等を採用することが可能である。
【0036】
図4は、本実施形態の操作ログ管理画面の一例を示す概略図である。
操作ログ管理画面122は、
図4に示すように、作業端末一覧表示領域122aと、
操作日時一覧表示領域122bと、操作ログ一覧表示領域122cと、画面表示領域122dとを含む。作業端末一覧表示領域122aは、基本情報に含まれる端末情報に基づいて、作業端末10の一覧を表示する。また、作業端末一覧表示領域122aは、どの作業端末10の操作ログを表示するか、選択することができる。
【0037】
操作日時一覧表示領域122bは、作業端末一覧表示領域122aで選択した作業端末10の操作日時の一覧を表示する。具体的には、操作日時一覧表示領域122bは、操作ログを含む年月日時分の一覧であり、どの年月日時分に行った操作ログの一覧を表示するか、選択することができる。操作ログ一覧表示領域122cは、操作日時一覧表示領域122bで選択した年月日時分に含まれる操作ログの一覧を表示する。また、操作ログ一覧表示領域122cは、どの年月日時分に行った操作ログを表示するか、選択することができる。
【0038】
画面表示領域122dは、操作ログ一覧表示領域122cで選択された操作ログが再現された画面を表示する。
【0039】
制御部130は、例えば、CPU及びGPUを有する統合型演算処理装置により構成される。制御部130は、
図3に示すように、情報取得部132と、操作判別部134と、操作再現部136とを含む。情報取得部132は、サーバ200から操作ログとして基本情報、表示情報DI及び操作情報OIを取得する。情報取得部132は、操作ログを順次サーバ200から取得してもよいし、複数の操作ログを纏めてサーバ200から取得してもよい。
【0040】
図6は、本実施形態の操作時間判定処理及び操作距離判定処理を示す模式図である。
操作判別部134は、情報取得部132が取得した操作情報OIから操作の種類を判別する操作情報判別処理を実行可能に構成されている。操作情報判別処理は、
図6に示すように、開始時刻から終了時刻までの操作時間が時間閾値未満であるか否かを判定する操作時間判定処理と、開始位置P
startに対する中間位置及び終了位置P
endまでの操作距離がいずれも距離閾値未満であるか否かを判定する操作距離判定処理とを含む。本実施形態において、時間閾値は、例えば、0.5秒であり、距離閾値は、例えば、1mmである。
【0041】
操作判別部134は、操作時間が時間閾値未満であり、かつ、操作距離が距離閾値未満であると判定した場合には、その操作を第3の操作と判定するように構成されている。本実施形態において、第3の操作は、入力部20のマウスを介した操作の場合、クリックであり、入力部20のタッチパッドやタッチパネルで構成される表示部30を介した操作の場合、タップである。
【0042】
操作判別部134は、操作時間が時間閾値以上であり、かつ、操作距離が距離閾値未満であると判定した場合には、その操作を第4の操作と判定するように構成されている。本実施形態において、第4の操作は、入力部20のマウスを介した操作の場合、長押しであり、入力部20のタッチパッドやタッチパネルで構成される表示部30を介した操作の場合、ロングタップである。
【0043】
操作情報判別処理は、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されているか否かを判定する間隔判定処理を含み、操作判別部134は、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されていると判定した場合には、複数の第3の操作を一つの操作と判定するように構成されている。例えば、操作判別部134は、所定の時間間隔以内で、第3の操作が2度繰り返されていると判定した場合、その操作を一つの操作であるダブルクリック(ダブルタップ)として判定する。
【0044】
また、操作判別部134は、所定の時間間隔以内で、第3の操作が3度繰り返されていると判定した場合、その操作を一つの操作であるトリプルクリック(トリプルタップ)として判定する。本実施形態において、所定の時間間隔は、例えば、0.1秒~1.0秒である。さらに、操作判別部134は、操作距離が距離閾値以上であると判定した場合には、その操作をドラッグと判定するように構成されている。
【0045】
例えば、操作判別部134は、
図6に示すように、ある操作情報OIの中間位置及び終了位置P
endがいずれも開始位置P
startを中心とした半径R
stopの停止判定領域内であった場合、すなわち、開始位置P
startに対する中間位置及び終了位置P
endまでの操作距離が距離閾値未満であった場合、その操作を第1の操作等と判定する。一方で、操作判別部134は、ある操作情報OIの中間位置及び終了位置P
endが開始位置P
startを中心とした半径R
stopの停止判定領域外であった場合、すなわち、開始位置P
startに対する中間位置及び終了位置P
endまでの操作距離が距離閾値以上であった場合、その操作をドラッグと判定する。
【0046】
操作情報判別処理は、開始位置Pstart及び終了位置Pendがそれぞれ複数であるか否かを判定するマルチ操作判別処理と、開始位置Pstart及び終了位置Pendがそれぞれ複数であると判定した場合には、複数の開始位置Pstartj,Pstartk(j,kは、1~nの整数,j≠k)を結んだ直線距離である開始位置距離Dstartと、2点の終了位置Pendj,Pendkを結んだ直線距離である終了位置距離Dendとを算出する2点間距離算出処理と、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差と、変化閾値とを比較する2点間距離判定処理とを含む。
【0047】
操作判別部134は、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差が全て変化閾値以上であると判定した場合には、その操作を縮小と判定し、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差が全て変化閾値未満であると判定した場合には、その操作を拡大と判定する。また、それ以外の場合、例えば、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差の一部が変化閾値以上であると判定した場合や、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差の一部が変化閾値未満であると判定した場合には、その操作をドラッグと判定する。本実施形態において、変化閾値は、例えば、1mmである。
【0048】
図7は、本実施形態の開始位置及び終了位置が2点の場合の2点間距離算出処理と2点間距離判定処理を示す模式図である。
例えば、操作判別部134は、
図7に示すように、開始位置P
start及び終了位置P
endがそれぞれ2点であると判定した場合には、2点の開始位置P
start1,P
start2を結んだ直線距離である開始位置距離D
startと、2点の終了位置P
end1,P
end2を結んだ直線距離である終了位置距離D
endとを算出する。そして、開始位置距離D
startと終了位置距離D
endとの差と、変化閾値とを比較し、操作を判定する。
【0049】
図8は、本実施形態の開始位置及び終了位置が3点の場合の2点間距離算出処理と2点間距離判定処理を示す模式図である。
また、操作判別部134は、
図8に示すように、開始位置P
start及び終了位置P
endがそれぞれ3点であると判定した場合には、2点の開始位置P
start1,P
start2を結んだ直線距離である開始位置距離D
start1,2と、2点の開始位置P
start1,P
start3を結んだ直線距離である開始位置距離D
start1,3と、2点の開始位置P
start2,P
start3を結んだ直線距離である開始位置距離D
start2,3とを算出する。
【0050】
さらに、操作判別部134は、2点の終了位置Pend1,Pend2を結んだ直線距離である終了位置距離Dend1,2と、2点の終了位置Pend1,Pend3を結んだ直線距離である終了位置距離Dend1,3と、2点の終了位置Pend2,Pend3を結んだ直線距離である終了位置距離Dend2,3とを算出する。そして、開始位置距離Dstart1,2と終了位置距離Dend1,2との差、開始位置距離Dstart1,3と終了位置距離Dend1,3との差、及び、開始位置距離Dstart2,3と終了位置距離Dend2,3との差をそれぞれ、変化閾値と比較し、操作を判定する。
【0051】
そして、操作判別部134は、開始位置距離Dstart1,2と終了位置距離Dend1,2との差、開始位置距離Dstart1,3と終了位置距離Dend1,3との差、及び、開始位置距離Dstart2,3と終了位置距離Dend2,3との差が全て変化閾値以上であると判定した場合には、その操作を縮小と判定する。また、操作判別部134は、開始位置距離Dstart1,2と終了位置距離Dend1,2との差、開始位置距離Dstart1,3と終了位置距離Dend1,3との差、及び、開始位置距離Dstart2,3と終了位置距離Dend2,3との差が全て変化閾値未満であると判定した場合には、その操作を拡大と判定する。
【0052】
さらに、操作判別部134は、それ以外の場合には、その操作をドラッグと判定する。例えば、操作判別部134は、開始位置距離Dstart1,2と終了位置距離Dend1,2との差と、開始位置距離Dstart1,3と終了位置距離Dend1,3との差とが変化閾値以上であると判定し、開始位置距離Dstart2,3と終了位置距離Dend2,3との差が変化閾値未満であると判定した場合には、その操作をドラッグと判定する。
【0053】
操作再現部136は、情報取得部132が取得した表示情報DIに基づいて作業端末10の表示部30に表示されていた画面を再現すると共に、再現された画面に、操作判別部134が判別した操作に対応した操作記号(本実施形態において、操作アイコン144とする)を重ねて表示する画面再現処理を実行可能に構成されている。また、画面再現処理において、操作再現部136は、表示情報DIに含まれる画像ファイルの保存場所からその画像ファイルを取得して表示するように構成されている。
【0054】
図9は、本実施形態のユーザの操作の一例を示す概略図である。
図10は、本実施形態の画面再現処理の一例を示す概略図である。
例えば、
図9に示すように、操作判別部134が操作情報OIから判定した操作がドラッグである場合、操作再現部136は、
図10に示すように、後述する操作アイコンデータベース142からドラッグを示す操作アイコン144の画像データを読み出し、情報取得部132が取得した表示情報DIに基づいて再現された画面に、ドラッグを示す操作アイコン144を重ねて表示部120の操作ログ管理画面122の画面表示領域122dに表示する。
【0055】
記憶部140は、HDD、SSD等の記憶媒体を有すると共に、様々なデータを読み書き可能に記憶する。記憶部140は、
図3に示すように、操作アイコンデータベース142を含む。また、記憶部140は、操作ログ管理プログラムを格納する。さらに、記憶部140は、操作ログ管理装置100の各部の制御に必要なプログラムを格納する。
【0056】
図5は、本実施形態の操作アイコンデータベースの一例を示す概略図である。
操作アイコンデータベース142は、
図5に示すように、本実施形態において、操作アイコンデータベース142は、クリック(タップ)を示す操作アイコン144の画像データと、長押し(ロングタップ)を示す操作アイコン144の画像データと、ダブルクリック(ダブルタップ)を示す操作アイコン144の画像データと、トリプルクリック(トリプルタップ)を示す操作アイコン144の画像データと、ドラッグを示す操作アイコン144の画像データと、縮小を示す操作アイコン144の画像データと、拡大を示す操作アイコン144の画像データとを有する。
【0057】
本実施形態において、クリック(タップ)を示す操作アイコン144は、二等辺三角形であり、二等辺三角形の頂点がユーザがクリック(タップ)した位置を示す。また、長押し(ロングタップ)を示す操作アイコン144は、二等辺三角形であり、底辺と二等辺三角形の頂点とを結ぶ垂線が描かれている。さらに、ダブルクリック(ダブルタップ)及びトリプルクリック(トリプルタップ)を示す操作アイコン144は、二等辺三角形であり、それぞれ二等辺三角形の中にクリック(タップ)の回数を示す数字が描かれている。長押し(ロングタップ)、ダブルクリック(ダブルタップ)及びトリプルクリック(トリプルタップ)を示す操作アイコン144は、クリック(タップ)を示す操作アイコン144と同様に、二等辺三角形の頂点がユーザがクリック(タップ)した位置を示す。
【0058】
ドラッグを示す操作アイコン144は、頭が三角形状(▲)の矢印であり、矢印の尾が開始位置Pstart、矢印の先が終了位置Pend、矢印の曲線が中間位置の軌跡を示す。縮小及び拡大を示す操作アイコン144は、頭がラムダの形状(∧)の矢印であり、矢印の尾が開始位置Pstart1,Pstart2、矢印の先が終了位置Pend1,Pend2、矢印の曲線が中間位置の軌跡を示す。
【0059】
サーバ200は、HDD、SSD等の記憶媒体を有し、各作業端末10から送信された操作ログを操作毎に格納するように構成されている。
【0060】
[本実施形態に係る操作ログ管理方法]
次に、本実施形態に係る操作ログ管理システム1による操作ログ管理方法について説明する。本実施形態に係る操作ログ管理方法は、概略的には、作業端末10の表示部30に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報DIを記録する表示情報記録工程と、画面に対するユーザの操作の操作情報OIを記録する操作情報記録工程と、操作情報OIから操作の種類を判別する操作情報判別工程と、記録された表示情報DIに基づいて画面を再現すると共に、再現された画面に、判別した操作に対応した操作記号を重ねて表示する画面再現工程とを備える。
【0061】
図11及び
図12は、本実施形態の操作ログ管理方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る操作ログ管理方法について
図2を参照して詳述する。まず、ユーザが第1の操作をすると(
図11のS1)、作業端末10の制御部40の表示情報記録部42は、作業端末10の表示部30に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式(例えば、HTML形式)の表示情報DIを記録する(
図11のS10:表示情報記録工程)。表示情報記録工程において、表示情報記録部42は、表示情報DIに含まれる画像ファイルの保存場所の情報等を記録する。また、表示情報記録部42は、基本情報を記録する。
【0062】
そして、制御部40の操作情報記録部44は、表示部30に表示される画面に対するユーザの操作の操作情報を記録する(
図11のS11:操作情報記録)。具体的には、作業端末10の制御部40の操作情報記録部44は、ユーザの第1の操作の位置と対応する画面上の座標を開始位置P
startとして記録すると共に、ユーザが第1の操作をした時刻を開始時刻として記録する(
図11のS12:操作開始情報記録工程)。
【0063】
また、操作情報記録部44は、所定の時間毎に、ユーザが操作した位置と対応する画面上の座標を中間位置として記録すると共に、その時の時刻を中間時刻として記録する(
図11のS13:操作継続情報記録工程)。さらに、ユーザが第2の操作をすると(
図11のS2)、操作情報記録部44は、ユーザの第2の操作の位置と対応する画面上の座標を終了位置P
endとして記録すると共に、ユーザが第2の操作をした時刻を終了時刻として記録する(
図11のS14操作終了情報記録工程)。
【0064】
その後、作業端末10の制御部40の圧縮処理部46は、操作毎に基本情報、表示情報DI及び操作情報OIを圧縮し、操作ログとしてサーバ200に送信する(
図11のS15:操作ログ送信工程)。サーバ200は、作業端末10から受信した操作ログを格納する(
図11のS20:操作ログ格納工程)。
【0065】
また、サーバ200は、格納した操作ログを操作ログ管理装置100に送信する(
図12のS200:操作ログ送信工程)。操作ログ管理装置100の制御部130の情報取得部132は、サーバ200から操作ログとして基本情報、表示情報DI及び操作情報OIを取得する(
図12のS100:操作ログ取得工程)。そして、制御部130の操作判別部134は、情報取得部132が取得した操作情報OIから操作の種類を判別する(
図12のS101:操作情報判別工程)。
【0066】
具体的には、操作ログ管理装置100の制御部130の操作判別部134は、開始位置P
start及び終了位置P
endがそれぞれ複数であるか否かを判定する(
図12のS102:マルチ操作判別工程)。開始位置P
start及び終了位置P
endがそれぞれ1点であると判定した場合(
図12のS102にてNO)には、操作判別部134は、開始位置P
startに対する中間位置及び終了位置P
endまでの操作距離がいずれも距離閾値未満であるか否かを判定する(
図12のS103:操作距離判定工程)。
【0067】
また、操作ログ管理装置100の制御部130の操作判別部134は、開始時刻から終了時刻までの操作時間が時間閾値未満であるか否かを判定する(
図12のS104:操作時間判定工程)。操作判別部134は、操作距離が距離閾値未満であり(
図12のS103にてYES)、かつ、操作時間が時間閾値未満であると判定した場合(
図12のS104にてYES)には、その操作を第3の操作(クリック又はタップ)と判定するように構成されている。
【0068】
さらに、操作ログ管理装置100の制御部130の操作判別部134は、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されているか否かを判定する(
図12のS105:間隔判定工程)。操作判別部134は、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されていると判定した場合(
図12のS105にてYES)には、複数の第3の操作を一つの操作(マルチクリック又はマルチ操作)と判定する。
【0069】
また、操作距離が距離閾値未満であり(
図12のS103にてYES)、かつ、操作判別部134は、操作時間が時間閾値以上であると判定した場合(
図12のS104にてNO)には、その操作を第4の操作(長押し又はロングタップ)と判定するように構成されている。そして、操作判別部134は、操作距離が距離閾値以上であると判定した場合(
図12のS103にてNO)には、その操作をドラッグと判定する。
【0070】
一方で、操作ログ管理装置100の制御部130の操作判別部134は、開始位置P
start及び終了位置P
endがそれぞれ複数であると判定した場合(
図12のS102にてYES)には、それぞれの開始位置P
startj,P
startk(j,kは、1~nの整数,j≠k)を結んだ直線距離である開始位置距離D
startと、それぞれの終了位置P
endj,P
endkを結んだ直線距離である終了位置距離D
endとを算出し(
図12のS106:2点間距離算出工程)、開始位置距離D
startと終了位置距離D
endとの差と、変化閾値とを比較する(
図12のS107:2点間距離判定工程)。
【0071】
操作ログ管理装置100の制御部130の操作判別部134は、開始位置距離D
startと終了位置距離D
endとの差が全て変化閾値以上であると判定した場合(
図12のS107にてYES)には、その操作を縮小と判定する。また、操作判別部134は、開始位置距離D
startと終了位置距離D
endとの差の全てが変化閾値以上ではなく(
図12のS107にてNO)、開始位置距離D
startと終了位置距離D
endとの差が全て変化閾値未満であると判定した場合(
図12のS108にてYES)には、その操作を縮小と判定する。さらに、開始位置距離D
startと終了位置距離D
endとの差の全てが変化閾値未満ではないと判定した場合(
図12のS108にてNO)には、その操作をドラッグと判定する。
【0072】
その後、操作ログ管理装置100の制御部130の操作再現部136は、制御部130の情報取得部132が取得した表示情報DIに基づいて作業端末10の表示部30に表示されていた画面を再現すると共に、再現された画面に、操作判別部134が判別した操作に対応した操作アイコン144を重ねて表示する(
図12のS109:画面再現工程)。画面再現工程において、操作再現部136は、表示情報DIに含まれる画像ファイルの保存場所からその画像ファイルを取得して表示する。以上の工程により、本実施形態に係る操作ログ管理システム1による一連の操作ログ管理方法が実行される。
【0073】
[本実施形態に係る操作ログ管理システム及び操作ログ管理方法の利点]
以上説明したように、本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、表示部30を備え、表示部30に表示される画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報DIを記録する表示情報記録処理と、画面に対するユーザの操作の操作情報OIを記録する操作情報記録処理と、操作情報OIから操作の種類を判別する操作情報判別処理と、記録された表示情報DIに基づいて画面を再現すると共に、再現された画面に、判別した操作に対応した操作記号(操作アイコン144)を重ねて表示する画面再現処理とを実行可能に構成されている。
【0074】
そして、本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、このような構成を備えることにより、画面のウェブページとして表示可能な形式の表示情報DIに基づいて画面を再現すると共に、再現された画面に、ユーザの操作の操作情報OIから操作の種類を判別して操作に対応した操作記号(操作アイコン144)を重ねて表示するため、容量の大きい記録媒体が必要なく、低コストで操作履歴を表現できるという利点を有している。
【0075】
また、本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、表示部30上のユーザが操作した位置と対応する画面上の座標と、ユーザが操作した時刻とを記録可能に構成されており、操作情報記録処理は、ユーザの第1の操作の位置と対応する画面上の座標を開始位置Pstartとして記録すると共に、ユーザが第1の操作をした時刻を開始時刻として記録する操作開始情報記録処理と、ユーザの第2の操作の位置と対応する画面上の座標を終了位置Pendとして記録すると共に、ユーザが第2の操作をした時刻を終了時刻として記録する操作終了情報記録処理とを含む。このような構成を備えることにより、動的な操作を記録できるという利点を有している。
【0076】
さらに、本実施形態に係る操作ログ管理システム1において、操作情報判別処理は、開始時刻から終了時刻までの操作時間が時間閾値未満であるか否かを判定する操作時間判定処理と、開始位置Pstartに対する終了位置Pendまでの操作距離が距離閾値未満であるか否かを判定する操作距離判定処理とを含み、操作時間が時間閾値未満であり、かつ、操作距離が距離閾値未満であると判定した場合には、操作を第3の操作と判定し、操作時間が時間閾値以上であり、かつ、操作距離が距離閾値未満であると判定した場合には、操作を第4の操作と判定する。このような構成を備えることにより、同じ位置における操作であっても判別することができるという利点を有している。
【0077】
またさらに、本実施形態に係る操作ログ管理システム1において、操作情報判別処理は、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されているか否かを判定する間隔判定処理を含み、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されていると判定した場合には、複数の第3の操作を一つの操作と判定する。このような構成を備えることにより、同じ操作が複数回繰り返されたのか、若しくは複合的な一つの操作であるのかを判別できるという利点を有している。
【0078】
また、本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、操作距離が距離閾値以上であると判定した場合には、操作をドラッグと判定する。このような構成を備えることにより、移動を伴う操作を判別できるという利点を有している。
【0079】
さらに、本実施形態に係る操作ログ管理システム1において、操作情報記録処理は、操作開始情報記録処理と操作終了情報記録処理との間において、所定の時間毎に、ユーザが操作した位置と対応する画面上の座標を中間位置として記録すると共に、その時の時刻を中間時刻として記録する操作継続情報記録処理を含む。このような構成を備えることにより、動的な操作の移動の軌跡を記録できるという利点を有している。
【0080】
またさらに、本実施形態に係る操作ログ管理システム1において、操作情報判別処理は、開始位置Pstart及び終了位置Pendがそれぞれ複数であるか否かを判定するマルチ操作判別処理と、開始位置Pstart及び終了位置Pendがそれぞれ複数であると判定した場合には、それぞれの開始位置Pstartj,Pstartk(j,kは、1~nの整数,j≠k)を結んだ直線距離である開始位置距離Dstartと、それぞれの終了位置Pendj,Pendkを結んだ直線距離である終了位置距離Dendとを算出する2点間距離算出処理と、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差と、変化閾値とを比較する2点間距離判定処理とを含み、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差が全て変化閾値以上であると判定した場合には、操作を縮小と判定し、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差が全て変化閾値未満であると判定した場合には、操作を拡大と判定する。このような構成を備えることにより、拡大及び縮小を判別できるという利点を有している。
【0081】
また、本実施形態に係る操作ログ管理システム1において、表示部30は、タッチパネルで構成されており、第1の操作は、ユーザが表示部30上に指を触れる操作であり、第2の操作は、ユーザが表示部30上から指を離す操作である。このような構成を備えることにより、タッチ操作であっても操作履歴を表現できるという利点を有している。
【0082】
さらに、本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、表示情報記録処理において、表示情報DIに含まれる画像ファイルの保存場所の情報を記録すると共に、画面再現処理において、保存場所から画像ファイルを取得して表示するように構成されている。このような構成を備えることにより、画像ファイルを保存せずに画像ファイルを含む画面を再現できるため、容量の大きい記録媒体が必要なく、低コストで操作履歴を表現できるという利点を有している。
【0083】
またさらに、本実施形態に係る操作ログ管理システム1において、表示情報DIは、一又は複数の部品を含む製品の生産を管理するための生産管理情報である。このような構成を備えることにより、従来、操作履歴を確認できなかった生産管理の現場においても操作履歴を確認できるという利点を有している。
【0084】
また、本実施形態に係る操作ログ管理システム1は、表示部30を含む一又は複数の作業端末10と、操作ログ管理装置100とを備え、作業端末10は、表示情報記録処理と、操作情報記録処理とを実行可能に構成されており、操作ログ管理装置100は、操作情報判別処理と、画面再現処理とを実行可能に構成されている。このような構成を備えることにより、操作端末とは異なる装置で操作ログを管理できるという利点を有している。
【0085】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0086】
例えば、上述した実施形態において、表示部30上のユーザが操作した位置と対応する画面上の座標と、ユーザが操作した時刻とを記録可能に構成されており、操作情報記録処理は、ユーザの第1の操作の位置と対応する画面上の座標を開始位置Pstartとして記録すると共に、ユーザが第1の操作をした時刻を開始時刻として記録する操作開始情報記録処理と、ユーザの第2の操作の位置と対応する画面上の座標を終了位置Pendとして記録すると共に、ユーザが第2の操作をした時刻を終了時刻として記録する操作終了情報記録処理とを含むものとして説明したが、これに限定されない。操作ログ管理システム1は、表示部30上のユーザが操作した位置と対応する画面上の座標と、ユーザが操作した時刻とを記録可能に構成されなくてもよい。
【0087】
上述した実施形態において、操作情報判別処理は、開始時刻から終了時刻までの操作時間が時間閾値未満であるか否かを判定する操作時間判定処理と、開始位置Pstartに対する終了位置Pendまでの操作距離が距離閾値未満であるか否かを判定する操作距離判定処理とを含み、操作時間が時間閾値未満であり、かつ、操作距離が距離閾値未満であると判定した場合には、操作を第3の操作と判定し、操作時間が時間閾値以上であり、かつ、操作距離が距離閾値未満であると判定した場合には、操作を第4の操作と判定するものとして説明したが、これに限定されない。操作情報判別処理は、操作時間判定処理と、操作距離判定処理とを含まなくてもよい。
【0088】
上述した実施形態において、操作情報判別処理は、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されているか否かを判定する間隔判定処理を含み、第3の操作が所定の時間間隔以内で繰り返されていると判定した場合には、複数の第3の操作を一つの操作と判定するものとして説明したが、これに限定されない。操作情報判別処理は、間隔判定処理を含まなくてもよい。
【0089】
上述した実施形態において、操作距離が操作距離閾値以上であると判定した場合には、操作をドラッグと判定するものとして説明したが、これに限定されない。操作距離が操作距離閾値以上であると判定した場合には、操作をドラッグと判定しなくてもよい。
【0090】
上述した実施形態において、操作情報記録処理は、操作開始情報記録処理と操作終了情報記録処理との間において、所定の時間毎に、ユーザが操作した位置と対応する画面上の座標を中間位置として記録すると共に、その時の時刻を中間時刻として記録する操作継続情報記録処理を含むものとして説明したが、これに限定されない。操作情報記録処理は、操作継続情報記録処理を含まなくてもよい。
【0091】
上述した実施形態において、操作情報判別処理は、開始位置Pstart及び終了位置Pendがそれぞれ複数であるか否かを判定するマルチ操作判別処理と、開始位置Pstart及び終了位置がそれぞれ複数であると判定した場合には、それぞれの開始位置Pstartj,Pstartk(j,kは、1~nの整数,j≠k)を結んだ直線距離である開始位置距離Dstartと、それぞれの終了位置Pendj,Pendkを結んだ直線距離である終了位置距離Dendとを算出する2点間距離算出処理と、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差と、変化閾値とを比較する2点間距離判定処理とを含み、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差が全て変化閾値以上であると判定した場合には、操作を縮小と判定し、開始位置距離Dstartと終了位置距離Dendとの差が全て変化閾値未満であると判定した場合には、操作を拡大と判定するものとして説明したが、これに限定されない。操作情報判別処理は、マルチ操作判別処理と、2点間距離判定処理とを含まなくてもよい。
【0092】
上述した実施形態において、表示部30は、タッチパネルで構成されており、第1の操作は、ユーザが表示部30上に指を触れる操作であり、第2の操作は、ユーザが表示部30上から指を離す操作であるものとして説明したが、これに限定されない。表示部30は、タッチパネルで構成されなくてもよい。
【0093】
上述した実施形態において、操作ログ管理システム1は、表示情報記録処理において、表示情報DIに含まれる画像ファイルの保存場所の情報を記録すると共に、画面再現処理において、保存場所から画像ファイルを取得して表示するように構成されているものとして説明したが、これに限定されず、表示情報記録処理において、画像ファイルを記録してもよい。
【0094】
上述した実施形態において、表示情報DIは、一又は複数の部品を含む製品の生産を管理するための生産管理情報であるものとして説明したが、これに限定されず、表示情報DIは、生産管理情報でなくてもよい。
【0095】
上述した実施形態において、操作ログ管理システム1は、表示部30を含む一又は複数の作業端末10と、操作ログ管理装置100とを備え、作業端末10は、表示情報記録処理と、操作情報記録処理とを実行可能に構成されており、操作ログ管理装置100は、操作情報判別処理と、画面再現処理とを実行可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。操作ログ管理システム1は、一又は複数の作業端末10と、操作ログ管理装置100とを備えなくてもよい。すなわち、操作ログ管理システム1は、表示情報記録処理と、操作情報記録処理と、操作情報判別処理と、画面再現処理とを実行可能に構成された1台の装置で構成されてもよい。
【0096】
上述した実施形態において、操作ログ管理システム1は、サーバ200を備えるものとして説明したが、これに限定されない。操作ログ管理システム1は、サーバ200を備えず、作業端末10は、基本情報、表示情報DI及び操作情報OIを直接操作ログ管理装置100に送信してもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 操作ログ管理システム
10 作業端末
20 入力部
30 表示部
40 制御部
42 表示情報記録部
44 操作情報記録部
46 圧縮処理部
50 記憶部
52 端末識別子
100 操作ログ管理装置
110 入力部
120 表示部
122 操作ログ管理画面
122a 作業端末一覧表示領域
122b 操作日時一覧表示領域
122c 操作ログ一覧表示領域
122d 画面表示領域
130 制御部
132 情報取得部
134 操作判別部
136 操作再現部
140 記憶部
142 操作アイコンデータベース
144 操作アイコン
200 サーバ
AP アクセスポイント
DI 表示情報
Dend 終了位置距離
Dstart 開始位置距離
OI 操作情報
Pend 終了位置
Pstart 開始位置